【文献】
Hiroyuki Ishii et al,A Novel Architecture for LTE-B C-plane/U-plane Split and Phantom Cell Concept,GlobecomWorkshops (GC Wkshps), 2012 IEEE,IEEE,2012年12月 7日,pp.624-630
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動局は、前記第1の基地局が前記NASメッセージを前記モビリティ管理装置に転送する以前に、前記測定情報を前記第1の基地局に送信する、請求項2に記載の無線通信システム。
前記第1の基地局は、前記移動局から前記NASメッセージを含む前記信号を受信した場合に、前記測定情報の取得を前記移動局に指示する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
前記第1の基地局は、前記移動局との前記シグナリング無線ベアラの確立手順において、前記測定情報の取得を前記移動局に指示する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
前記第1の基地局は、前記移動局との前記シグナリング無線ベアラの確立後に、前記測定情報の取得を前記移動局に指示する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
前記第1の基地局は、前記ベアラコンテキストを前記選択基地局に送信する以前に、前記少なくとも1つの第2の基地局に関する測定情報を前記第1の基地局に通知するよう前記移動局に指示する、請求項12に記載の無線通信システム。
前記第1の基地局は、前記少なくとも1つの第2の基地局に関する測定情報を受信し、前記少なくとも1つの第2の基地局から前記選択基地局を選ぶよう構成されている、請求項12又は13に記載の無線通信システム。
前記モビリティ管理装置は、前記基地局情報を前記第1の基地局から受信し、前記選択基地局との間に前記データベアラを設定するよう前記データ中継装置に要求する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の無線通信システム。
前記制御部は、前記移動局から前記NASメッセージを含む前記信号を受信した場合に、前記測定情報の取得を前記移動局に指示する、請求項20又は21に記載の第1の基地局。
前記制御部は、前記移動局との前記シグナリング無線ベアラの確立手順において、前記測定情報の取得を前記移動局に指示する、請求項20又は21に記載の第1の基地局。
前記制御部は、前記ベアラコンテキストを前記選択基地局に送信する以前に、前記少なくとも1つの第2の基地局に関する測定情報を前記第1の基地局に通知するよう前記移動局に指示する、請求項27に記載の第1の基地局。
前記制御部は、前記移動局が前記第1のセルにおける前記シグナリング無線ベアラを確立している間に前記選択基地局の第2のセルにおけるデータ無線ベアラを確立する能力を有するか否かを判定する、請求項19〜28のいずれか1項に記載の第1の基地局。
前記制御部は、前記第1の基地局が前記NASメッセージを前記モビリティ管理装置に転送する以前に、前記少なくとも1つの第2の基地局に関する測定情報を前記第1の基地局に送信する、請求項32に記載の移動局。
前記制御部は、前記シグナリング無線ベアラ及び前記データ無線ベアラを確立していない間に、前記測定情報を予め取得する、請求項33〜35のいずれか1項に記載の移動局。
前記制御部は、前記第1のセルにおける前記シグナリング無線ベアラの確立手順において、前記能力の有無を示す属性情報を前記第1の基地局に送信する、請求項32〜36のいずれか1項に記載の移動局。
前記NASメッセージを前記モビリティ管理装置に転送する以前に、前記少なくとも1つの第2の基地局に関する測定情報を前記移動局から受信することを含む、請求項38に記載の方法。
前記移動局が前記第1のセルにおける前記シグナリング無線ベアラを確立している間に前記選択基地局の第2のセルにおけるデータ無線ベアラを確立する能力を有するか否かを判定することをさらに備える、請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る無線通信システムの構成例を示している。本実施形態に係る無線通信システムは、第1の基地局1、第2の基地局2、移動局4、及びコアネットワーク5を含む。基地局1及び2は、第1のセル10及び第2のセル20をそれぞれ運用する。コアネットワーク5は、モビリティ管理装置6及びデータ中継装置7を含む。以下では、説明の容易化のために、本実施形態に係る無線通信システムがLTEシステムである場合を例に説明する。従って、第1の基地局1はMeNB、第2の基地局2はLPN、移動局4はUE、コアネットワーク5はEvolved Packet Core (EPC)、モビリティ管理装置6はMobility Management Entity (MME)、データ中継装置7はServing Gateway (S-GW) に相当する。
【0018】
本実施形態に係る無線通信システムは、Dual connectivityをセル10及び20に適用する。すなわち、UE4は、Dual connectivity(例えば、C/U-plane split)をサポートする。言い換えると、UE4は、セル10におけるシグナリング無線ベアラ(Signaling Radio bearer (SRB))を確立している間にセル20におけるデータ無線ベアラ(Data Radio bearer (DRB))を確立する能力を有する。LPN2は、セル20内においてU-planeサービスをUE4に提供する。言い換えると、LPN2は、セル20においてUE4との間にDRBを確立し、UE4のユーザーデータを転送する。MeNB1は、LPN2との間にDRBを確立するUE4に対して、セル10においてC-planeサービスを提供する。言い換えると、MeNB1は、セル10においてUE4との間にSRBを確立し、セル20でのLPN2とのDRBの確立及び修正(modify)等のためのRRCシグナリング、及びEPC5とUE4の間のNASメッセージ転送(forwarding)などを提供する。また、MeNB1は、LPN2のセル20に関するマスター情報(例えば、システム帯域幅、送信アンテナ数など)及びシステム情報(例えば、セル20のDRBに関するパラメータ)をセル10のダウンリンクチャネル(例えば、Physical Broadcast Channel (PBCH)、又はPhysical Downlink Shared Channel (PDSCH))を用いて送信してもよい。
【0019】
MeNB1は、UE4に関する全てのC-planeサービスを担う必要はない。例えば、LPN2は、自身に確立したデータ無線ベアラに関して、レイヤ1(物理レイヤ)及びレイヤ2(Media Access Control (MAC)サブレイヤ及びRadio Link Control (RLC)サブレイヤ)の制御を行なってもよい。具体的には、LPN2は、アップリンク制御チャネル(例えば、Physical Uplink Control Channel (PUCCH))又はアップリンクデータチャネル(例えば、Physical Uplink Shared Channel (PUSCH))を用いて、レイヤ1/レイヤ2制御信号(例えば、Hybrid Automatic Repeat Request (H-ARQ) ACK、Channel Quality Indicator (CQI)、Precoding Matrix Indicator (PMI)、及びRank Indicator (RI))を受信してもよい。また、LPN2は、ダウンリンク制御チャネル(例えば、Physical Downlink Control Channel (PDCCH))を用いてダウンリンクのスケジューリング情報、及びアップリンク送信に対するACK/NACK等をUE4に送信してもよい。
【0020】
EPC5は、主に移動通信サービスを提供するオペレータによって管理されるコアネットワークである。EPC5は、UE4のモビリティ管理(例えば、位置登録、位置更新)、及びベアラ管理(例えば、ベアラ確立、ベアラ構成変更、ベアラ解放)等を行うコントロールプレーン(C-plane)機能と、MeNB1及びLPN2と図示しない外部ネットワークとの間でUE4のユーザーデータを転送するユーザープレーン(U-plane)機能を有する。MME6は、EPCにおけるC-plane機能を担う。S-GW7は、EPCにおけるU-plane機能を担う。S-GW7は、MeNB1及びLPN2を含む無線アクセスネットワーク(Radio Access Network (RAN))とEPC5との境界に配置される。
【0021】
なお、
図1は、MeNB1のセル10内に配置された1つのLPN2のみを示している。しかしながら、MeNB1のセル10内には、複数のLPN2及び複数の第2のセル20が配置されてもよい。MeNB1は、UE4のためのU-Planeベアラを確立する選択LPNを少なくとも1つのLPN2の中から選択する。
【0022】
続いて、本実施の形態におけるUE4のためのU-Planeベアラの確立手順についてさらに詳細に説明する。本実施形態に係るMeNB1は、S-GW7におけるU-Planeベアラ(つまり、S1ベアラ、E-RAB、又はEPSベアラ)のセットアップを引き起こすNASメッセージを含むRRCメッセージ(RRC信号)を、セル10におけるSRBにおいてUE4から受信するよう構成されている。U-Planeベアラのセットアップを引き起こすNASメッセージは、例えば、Attach Request、Service Request、又はTracking Area Update (TAU) Requestである。
【0023】
さらに、MeNB1は、Dual connectivityをサポートするUE4からのNASメッセージをMME6に転送(forward)するとともに、LPN情報をMME6に送信するよう構成されている。LPN情報は、少なくとも1つのLPN2の中から選択され、UE4のためのS1ベアラを終端する選択LPNを示す。MME6は、LPN情報を受信する。これにより、MME6は、S1ベアラを確立するべき適切なLPN2(選択LPN)を知ることができ、S-GW7と適切な選択LPNの間にS1ベアラを設定することができる。
【0024】
LPN情報は、選択LPNを特定可能な識別情報(例えば、基地局ID、セルID、又は基地局アドレス)を含む。LPN情報は、例えば、選択LPNの基地局ID(E-UTRAN Cell Global ID (ECGI))、選択LPNのセルID、若しくは選択LPNのトンネルエンドポイントID(TEID)、又はこれらの組み合わせを示す。
【0025】
MeNB1は、例えば、U-Planeベアラのセットアップを引き起こすNASメッセージと共にLPN情報を送信してもよい。この場合、MeNB1は、NASメッセージをMME6に送信するための“S1-AP: INITIAL UE MESSAGE”にLPN情報を含めてもよい。あるいはこれに代えて、MeNB1は、NASメッセージをMME6に転送した後に、LPN情報をMME6に送信してもよい。具体的には、MeNB1は、NASメッセージをMME6に転送した後に、S1ベアラに関するベアラコンテキストをMME6から受信し、当該ベアラコンテキストを選択LPNに送信し、そして選択LPNにおけるS1ベアラの設定が行われた後にLPN情報をMME6に送信してもよい。この場合、MeNB1は、ベアラ設定の完了をMME6に報告するためのS1-AP: INITIAL CONTEXT SETUP COMPLETE MESSAGE”にLPN情報を含めてもよい。
【0026】
続いて以下では、本実施形態に係るベアラ・アーキテクチャについて
図2及び
図3を用いて説明する。
図2は、セル20でのユーザーデータ転送に関係するベアラ・アーキテクチャの第1の例を示している。無線ベアラについては既に述べた通りである。すなわち、MeNB1は、UE4との間にSRBを確立し、セル20でのDRBの確立及び修正(modify)等のためのRRCシグナリング、及びEPC5とUE4の間のNASメッセージ転送などのC-planeサービスをセル10において提供する。また、LPN2は、UE4との間にDRBを確立し、UE4のユーザーデータをセル20において送受信する。
【0027】
次に、EPC5とMeNB1及びLPN2の間のベアラについて説明する。EPC5とのシグナリングベアラ(つまり、S1-MMEインタフェースを用いたS1シグナリングベアラ)は、MME6とMeNB1の間に確立される。MeNB1は、MME6との間にS1シグナリングベアラを確立し、MME6との間でS1 Application Protocol (S1-AP)メッセージを送受信する。一方、EPC5とのデータベアラ(つまり、S1-Uインタフェースを用いたS1ベアラ)は、S-GW7とLPN2の間に確立される。LPN2は、S-GW7との間にS1ベアラを確立し、S-GW7との間でUE4のユーザーデータを送受信する。
【0028】
さらに、MeNB1は、LPN2との間にシグナリングベアラを確立する。MeNB1とLPN2の間のシグナリングベアラは、例えば、X2インタフェースを用いて確立される。X2インタフェースは、eNB間のインタフェースである。なお、LPN2が新規なノードとして定義され、eNBとLPNの間にX2インタフェースとは異なる新たなインタフェースが定義される場合が考えられる。この場合、MeNB1とLPN2の間のシグナリングベアラは、この新たなインタゲースを用いて確立されてもよい。この新たなインタフェースを本明細書では仮にX3インタフェースと呼ぶ。MeNB1は、S-GW7とのS1ベアラ及びUE4とのDRBをLPN2において確立するために必要なベアラコンテキスト(以下では、E-UTRAN Radio Access Bearer (E-RAB) 設定情報と呼ぶ)を、X2/X3シグナリングベアラを介してLPN2に送信するよう構成されている。なお、E-RABとは、S1ベアラ及びDRBを含む無線アクセスベアラを意味する。
【0029】
図2に示されたベアラ・アーキテクチャによれば、LPN2は、MME6との間のS1シグナリングベアラを必要とせず、MeNB1から与えられるE-RAB設定情報に基づいてS1ベアラ及びDRBを設定できる。また、上述したベアラ・アーキテクチャでは、S1ベアラ(S1-Uベアラ)の終端点がS1シグナリングベアラの終端点と異なる。つまり、MeNB1では無くLPN2がS1ベアラを終端している。つまり、
図2のアーキテクチャでは、RAN内のシグナリングだけでなく、EPC5とRANの間のインタフェースにおいてもC/U planeが分離されている。これにより、MeNB1は、UE4がセル20及びLPN2を経由してユーザーデータを送受信するために必要なDRB及びS1ベアラを確立するためのシグナリングを行うのみで済む。言い換えると、MeNB1は、一例において、セル20を介したUE4の通信のために、S1ベアラ(つまり、GPRS Tunneling Protocol(GTP)トンネル)を終端する必要がなく、S1ベアラとDRBの間のユーザーデータパケットのフォワーディング処理を行う必要もない。これらの処理は、LPN2によって行われる。したがって、一例において、MeNB1の処理負荷を軽減できる。
【0030】
なお、S1ベアラは、GTPトンネルであり、ユーザーデータ(データパケット)は、S-GW7とLPN2の間で送受信されるGTPトンネルパケットにカプセル化される。例えば、ダウンリンクユーザーデータをカプセル化しているGTPトンネルパケットは、S-GW7とLPN2の間に配置されたルータによりルーティング及びフォワーディングされることによってLPN2に到達する。したがって、
図2のベアラ・アーキテクチャでは、典型的には、GTPトンネルパケットは、MeNB1を経由することなく転送される。この場合、MeNB1は、S1ベアラの終端処理を行う必要がないためMeNB1の処理負荷を低減できる。また、GTPトンネルパケットがMeNB1とLPN2の間のX2/X3インタフェースを流れないため、X2/X3インタフェースの容量及び遅延等に関する性能要件が緩和される。例えば、X2/X3インタフェースに非光ファイバ回線(例えば、無線回線)を用いることも可能となる。
【0031】
しかしながら、ユーザーデータをカプセル化しているGTPトンネルパケットは、MeNB1を経由してS-GW7とLPN2の間を転送されてもよい。この場合、MeNB1は、ルータ(例えば、Internet Protocol (IP)ルータ)として機能し、GTPトンネルパケットをルーティング及びフォワーディングすればよい。MeNB1を経由するGTPトンネルパケットのルーティングは、S-GW7、LPN2、及びMeNB1が有するルーティングテーブルの設定により実現できる。
【0032】
図3は、ベアラ・アーキテクチャの第2の例を示している。
図3の例では、MeNB1がGTPトンネルパケットをルーティング及びフォワーディングする。MeNB1は、GTPトンネルパケットのIPアドレスを変換するプロキシ機能を有してもよい。具体的に述べると、MeNB1及びLPN2は、X2/X3インタフェースにおいてトンネル80(例えば、GTPトンネル)を設定する。MeNB1は、S-GW7とLPN2の間のS1ベアラにおいてユーザーデータをカプセル化しているGTPトンネルパケットをさらにカプセル化し、トンネル80を用いて転送する。なお、トンネル80は設定されなくてもよい。つまり、MeNB1は、GTPトンネルパケット対してさらなるカプセル化を行わずに、GTPトンネルパケットをそのまま転送してもよい。
【0033】
図3の例において注目すべき点の1つは、MeNB1がS1ベアラを終端する必要はない点である。MeNB1は、GTPトンネルパケットをフォワーディングするルータとして動作すればよく、ユーザーパケットを取り出すための逆カプセル化処理を行う必要はない。したがって、GTPトンネル終端に伴うMeNB1の処理負荷の増大は発生しない。
【0034】
また、
図3の例において他の注目すべき点は、MeNB1は、GTPトンネルパケットを観測できる点である。例えば、MeNB1は、転送するGTP トンネルパケットのトラフィック量を観測できる。GTP トンネルパケットのトラフィック量を観測することで、MeNB1は、LPN2の負荷またはセル20の負荷を自立的に推定することができる。したがって、本実施形態のMeNB1は、例えば、自身が観測したGTP トンネルパケットのトラフィック量に基づいてLPN2を経由するE-RAB又はセル20の非活性化の判定を行うことができる。
【0035】
続いて以下では、本実施形態に係るMeNB1、LPN2、UE4、MME6、及びS-GW7の構成例について説明する。
図4は、MeNB1の構成例を示すブロック図である。無線通信部11は、UE4から送信されたアップリンク信号(uplink signal)をアンテナを介して受信する。受信データ処理部13は、受信されたアップリンク信号を復元する。得られた受信データは、通信部14を経由して他のネットワークノード、例えばMME6若しくはS-GW7に転送される。例えば、セル10においてUE4から受信されたアップリンクユーザーデータは、S-GW7に転送される。また、UE4から受信された制御データのうちNASデータは、MME6に転送される。さらに、受信データ処理部13は、LPN2又はMME6に送信される制御データを制御部15から受信し、これを通信部14を経由してLPN2又はMME6に送信する。
【0036】
送信データ処理部12は、UE4宛てのユーザーデータを通信部14から取得し、誤り訂正符号化、レートマッチング、インタリービング等を行なってトランスポートチャネルを生成する。さらに、送信データ処理部12は、トランスポートチャネルのデータ系列に制御情報を付加して送信シンボル列を生成する。無線通信部11は、送信シンボル列に基づく搬送波変調、周波数変換、信号増幅等の各処理を行ってダウンリンク信号(downlink signal)を生成し、これをUE4に送信する。さらに、送信データ処理部12は、UE4に送信される制御データを制御部15から受信し、これを無線通信部11を経由してUE4に送信する。
【0037】
制御部15は、LPN2により運用されるセル20においてUE4がユーザーデータを受信又は送信できるようにするために、シグナリングベアラを介してMME6、LPN2、及びUE4とシグナリングする。具体的には、制御部15は、U-Planeベアラのセットアップを引き起こすNASメッセージ(例えば、Attach Request、Service Request、又はTAU Request)を、S1シグナリングベアラを介してMME6に転送する。制御部15は、S1ベアラ及びDRBをLPN2において確立するために必要なE-RAB設定情報を、X2/X3シグナリングベアラを介してLPN2に送信する。制御部15は、セル20でのDRBをUE4において確立するために必要なDRB設定情報を、セル10でのSRBを介してUE4に送信する。さらに、制御部15は、既に述べたように、Dual connectivityをサポートするUE4からのNASメッセージをMME6に転送する際に、選択LPNを示すLPN情報をMME6に送信する。
【0038】
制御部15は、少なくとも1つのLPN2に関する測定情報(以下、LPN測定情報と呼ぶ)をUE4から受信し、少なくとも1つのLPN2から選択LPNを選ぶよう構成されてもよい。LPN測定情報は、例えば、UE4における無線品質(例えば、Reference Signal Received Power(RSRP)、又はReference Signal Received Quality(RSRQ))に関する測定結果を含む。また、LPN測定情報は、UE4が受信可能なLPN2のリスト(例えば、基地局IDのリスト、又はセルIDのリスト)を含んでもよい。制御部15は、LPN測定情報に基づいて、UE4における無線品質が最も良好なLPN2を選択LPNとして選んでもよい。一例において、制御部15は、U-Planeベアラ確立のためのNASメッセージをMME6に転送する以前に、LPN測定情報をUE4から受信し、選択LPNの決定を行なってもよい。また、他の例において、制御部15は、NASメッセージをMME6に転送した後にS1ベアラを含むE-RABに関するベアラコンテキスト(E-RAB設定情報)をMME6から受信し、次にLPN測定情報をUE4から受信し、選択LPNの決定を行い、そしてE-RAB設定情報を選択LPNに送信してもよい。
【0039】
図5は、LPN2の構成例を示すブロック図である。
図5に示された無線通信部21、送信データ処理部22、受信データ処理部23、及び通信部24の機能及び動作は、
図4に示された基地局1の対応する要素、すなわち無線通信部11、送信データ処理部12、受信データ処理部13、及び通信部14と同様である。
【0040】
LPN2の制御部25は、MeNB1(制御部15)からのE-RAB設定情報をX2/X3シグナリングベアラを介して受信し、E-RAB設定情報に従ってS-GW7とのS1ベアラ及びUE4とのSRBを設定する。
【0041】
図6は、UE4の構成例を示すブロック図である。無線通信部41は、セル10及びセル20のどちらとも通信可能である。また、無線通信部41は、異なるeNBによって運用される複数のセルのキャリアアグリゲーションをサポートしてもよい。この場合、無線通信部41は、ユーザーデータの送信又は受信のために複数のセル10及び20を同時に使用することができる。無線通信部41は、アンテナを介して、eNB1若しくはLPN2又はこれら両方からダウンリンク信号を受信する。受信データ処理部42は、受信されたダウンリンク信号から受信データを復元してデータ制御部43に送る。データ制御部43は、受信データをその目的に応じて利用する。また、送信データ処理部44及び無線通信部41は、データ制御部43から供給される送信データを用いてアップリンク信号を生成し、eNB1若しくはLPN2又はこれら両方に向けて送信する。
【0042】
UE4の制御部45は、MeNB1との間のセル10におけるSRBを確立するよう無線通信部41を制御する。そして、制御部45は、LPN2との間にDRBを確立するためのDBB設定情報をMeNB1から受信し、セル20を利用してユーザーデータを受信又は送信するよう無線通信部41を制御する。これにより、UE4は、MeNB1とのシグナリングに基づいて、LPN2との間でDRBを介して通信することができる。
【0043】
さらに、制御部45は、少なくとも1つのLPN2からのダウンリンク信号を測定し、LPN測定情報をMeNB1に送信してもよい。既に述べたように、LPN測定情報は、MeNB1による選択LPNの決定のために使用される。
【0044】
図7は、MME6の構成例を示すブロック図である。通信部61は、MeNB1及びS-GW7と通信する。ベアラ設定制御部62は、MeNB1及びS-GW7と通信部51を介して通信し、これらの装置におけるシグナリングベアラ(S1シグナリングベアラ)又はデータベアラ(E-RAB又はS1ベアラ)の設定を制御する。具体的には、ベアラ設定制御部62は、MeNB1を経由してUE4から受信した最初のNASメッセージ(例えば、Attach Request、Service Request、又はTAU Request)に応答して、S-GW7にS1ベアラのセットアップを要求するとともに、E-RABに関するベアラ設定情報(つまり、E-RAB設定情報)をMeNB1に送信する。
【0045】
さらに、ベアラ設定制御部62は、MeNB1からLPN情報を受信する。これにより、ベアラ設定制御部62は、LPN情報によって示された選択LPNとの間のS1ベアラをセットアップするようS-GW7に要求することができる。一例において、ベアラ設定制御部62は、最初のベアラセットップ要求(Create Session Request)において選択LPNをS-GW7に通知してもよい。また、他の例において、ベアラ設定制御部62は、S1ベアラの更新要求(Modify Bearer Request)において選択LPNをS-GW7に通知してもよい。
【0046】
図8は、S-GW7の構成例を示すブロック図である。通信部71は、LPN2との間にS1ベアラを確立し、当該S1ベアラを介してLPN2との間でユーザーデータを送信又は受信する。通信部71は、UE4によるセル10を介したユーザーデータの受信又は送信のために、MeNB1との間にS1ベアラを確立してもよい。通信部74は、EPC5内のPacket Data Network Gateway (P-GW) との間にS5/S8ベアラを設定し、他のデータ中継装置との間でユーザーデータを送受信する。
【0047】
送信データ処理部72は、通信部74からUE4宛の下りリンクユーザーデータを受信し、上流側とS5/S8ベアラと下流側のS1ベアラの対応関係に基づいて下りリンクユーザーデータをS1ベアラにフォワーディングする。受信データ処理部73は、通信部71から上りリンクユーザーデータを受信し、S5/S8ベアラとS1ベアラの対応関係に基づいて上りリンクユーザーデータをS5/S8ベアラにフォワーディングする。
【0048】
続いて以下では、SCellにおけるU-Planeベアラの確立手順の具体例について説明する。
図9は、SCellにおけるU-Planeベアラの確立に関するMeNB1の動作例を示すフローチャートである。ステップS101では、MeNB1(制御部15)は、Dual connectivityをサポートするUE4から、U-Planeベアラのセットアップを引き起こすNASメッセージ(例えば、Attach Request、又はService Request)を含むRRCメッセージを受信する。ステップS102では、MeNB1(制御部15)は、UE4から受信したNASメッセージをMME6に転送する。ステップS103では、MeNB1(制御部15)は、LPN情報をMME6に送信する。LPN情報は、UE4のデータベアラ(つまり、S1ベアラ)を終端する選択LPNを示す。
【0049】
図10は、SCellにおけるU-Planeベアラの確立手順の第1の例を示すシーケンス図である。
図10の例では、MeNB1は、UE4からのNASメッセージを含むRRCメッセージの受信に応答して選択LPNを決定し、選択LPNを示すLPN情報をNASメッセージと共にMME6に送信する。ステップS201では、MeNB1及びUE4は、RRCコネクションを確立する。ステップS202では、UE4は、U-Planeベアラのセットアップを要求するNASメッセージ(例えば、Attach Request、Service Request、又はTAU Request)を送信する。なお、LTEにおけるRRCコネクション確立は、シグナリング無線ベアラ(つまり、SRB1)の確立と、最初のアップリンクNASメッセージの送受信を含む。つまり、ステップS202のNASメッセージは、RRCコネクション確立手順(ステップS201)の最後にUE4からMeNB1に送信されるRRCConnectionSetupCompleteメッセージに含まれる。
【0050】
ステップS203では、MeNB1は、少なくとも1つのLPN2の中から選択LPNを決定する。例えば、MeNB1は、LPN測定情報をUE4から受信し、UE4における受信品質が良好なLPN2を選択LPNとして決定してもよい。ステップS204では、MeNB1は、NASメッセージをMME6に転送すると共に、選択LPNを示すLPN情報をMME6に送る。例えば、MeNB1は、NASメッセージを転送するための“S1-AP: INITIAL UE MESSAGE”にLPN情報を含めてもよい。
【0051】
ステップS205では、MME6及びS-GW7は、UE4のためのベアラセットアップ手順を実行する。すなわち、MME6は、Create Session RequestメッセージをS-GW7に送信する。S-GW7は、Create Session Requestメッセージを受信し、EPSベアラコンテキスト・テーブルに新たなエントリを生成し、図示しないP-GWと通信してS5/S8ベアラのベアラコンテキストを設定し、S1ベアラのS-GW7側のエンドポイントを設定する。そして、S-GW7は、S1ベアラコンテキストを含む応答(つまり、Create Session Responseメッセージ)をMME6に送信する。S1ベアラコンテキストは、例えば、U-planeでのS-GW7のアドレス及びトンネルエンドポイント識別子(Tunnel Endpoint Identifier (TEID))TEID を含む。TEID は、S1ベアラとしてのGTPトンネルのS-GW7側におけるエンドポイントを示す。ステップS206では、MME6は、INITIAL CONTEXT SETUP REQUESTメッセージをMeNB1に送信する。INITIAL CONTEXT SETUP REQUESTメッセージは、E-RABのベアラコンテキスト(E-RAB設定情報)を含む。
【0052】
ステップS207では、MeNB1は、E-RAB設定情報をX2/X3シグナリングベアラを介してLPN2(ここでは、選択LPN)に送信する。E-RAB設定情報は、S1ベアラ設定情報及びDRB設定情報を含む。LPN2は、E-RAB設定情報に従ってS1ベアラ及びDRBを設定する。S1ベアラ設定情報は、S-GW7とのS1ベアラの確立に必要な情報を含む。S1ベアラ設定情報は、例えば、E-RAB ID、Quality Class Indicator (QCI)、S-GW7のIPアドレス、S-GW7側のGTPトンネル(S1ベアラ)のTEID、security key、及びUE4に割り当てられたTemporary Mobile Subscriber Identity (TMSI)のうち少なくとも1つを含む。また、DRB設定情報は、UE4とのDRBの確立に必要な設定情報を含む。DRB設定情報は、例えば、E-RAB ID、Quality Class Indicator (QCI)、並びに物理レイヤ及びMACサブレイヤの設定情報を含む。
【0053】
ステップS208では、MeNB1は、セル10のSRBを用いて、セル20でのDRBの設定情報をUE4に送信する。DRBの設定情報は、RRC Connection Reconfigurationメッセージを用いて送信される。UE4は、DRBの設定情報に従ってDRBを設定する。
【0054】
ステップS209では、MeNB1は、E-RABの設定完了を示すメッセージ(つまり、INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSEメッセージ)をMME6に送信する。当該メッセージは、S1ベアラに関するLPN2側の設定情報(例えば、選択LPNのアドレス及びTEID)を含む。ステップS210では、MME6及びS-GW7は、INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSEメッセージに基づいて、EPSベアラコンテキストの修正を行う。すなわち、MME6は、選択LPNのアドレス及びTEIDを含むメッセージ(つまり、MODIFY BEARER REQUESTメッセージ)をS-GW7に送信する。S-GW7は、MME6から受信したLPN2のアドレス及びTEIDによって、S1ベアラ設定を更新する。
【0055】
以上のステップS202〜S210の処理によって、UE4とS-GW7の間にLPN2を経由するE-RABが設定される。ステップS211では、UE4は、セル20及びLPN2を経由してユーザーデータを受信又は送信する。
【0056】
次に、U-Planeベアラの確立手順の変形例について説明する。
図11は、SCellにおけるU-Planeベアラの確立手順の第2の例を示すシーケンス図である。
図11の例では、MeNB1は、NASメッセージ(ステップS303)をMME6に転送した後に、S1ベアラに関するベアラコンテキストをMME6から受信し(ステップS305)、当該ベアラコンテキストを選択LPNに送信し(ステップS307)、そして選択LPNにおけるS1ベアラの設定が行われた後にLPN情報をMME6に送信する(ステップS309)。具体的には、MeNB1は、ベアラ設定の完了をMME6に報告するためのS1-AP: INITIAL CONTEXT SETUP COMPLETE MESSAGE”にLPN情報を含める。
【0057】
図11のステップS301及びS302における処理は、
図10のステップS201及びS202における処理と同様である。ステップS303では、MeNB1は、UE4からのNASメッセージをMME6に転送する。ステップS304では、MME6及びS-GW7は、EPSベアラのセットアップ手順を実行する。ステップS305では、MME6は、INITIAL CONTEXT SETUP REQUESTメッセージをMeNB1に送信する。INITIAL CONTEXT SETUP REQUESTメッセージは、E-RABのベアラコンテキスト(E-RAB設定情報)を含む。
【0058】
ステップS306では、MeNB1は、少なくとも1つのLPN2の中から選択LPNを決定する。例えば、MeNB1は、LPN測定情報をUE4から受信し、UE4における受信品質が良好なLPN2を選択LPNとして決定してもよい。ステップS307では、MeNB1は、E-RAB設定情報をX2/X3シグナリングベアラを介して選択LPNに送信する。ステップS308では、MeNB1は、セル10のSRBを用いて、セル20でのDRBの設定情報をUE4に送信する。ステップS307及びS308における処理は、
図10のステップS207及びS208における処理と同様である。
【0059】
ステップS309では、MeNB1は、E-RABの設定完了を示すメッセージ(つまり、INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSEメッセージ)をMME6に送信する。このINITIAL CONTEXT SETUP RESPONSEメッセージは、選択LPNを示すLPN情報を含む。この場合、LPN情報は、S1ベアラに関するLPN2側の設定情報(例えば、選択LPNのアドレス及びTEID)であってもよい。ステップS310では、MME6及びS-GW7は、INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSEメッセージに基づいて、EPSベアラコンテキストの修正を行う。すなわち、MME6は、選択LPNのアドレス及びTEIDを含むメッセージ(つまり、MODIFY BEARER REQUESTメッセージ)をS-GW7に送信する。S-GW7は、MME6から受信したLPN2のアドレス及びTEIDによって、S1ベアラ設定を更新する。
【0060】
以上のステップS302〜S310の処理によって、UE4とS-GW7の間にLPN2を経由するE-RABが設定される。ステップS311では、UE4は、セル20及びLPN2を経由してユーザーデータを受信又は送信する。
【0061】
なお、
図10のステップS203及び
図11のステップS306では、MeNB1は、いずれのLPN2も適切でない場合にMeNB1を選択してもよい。例えば、UE4によって測定されたいずれのLPN受信品質も基準値を下回る場合に、MeNB1は、UE4のU-Planeベアラを自身のセル10に設定してもよい。
【0062】
<第2の実施形態>
本実施形態は、UE4からのLPN測定情報を用いて選択LPNを決定する手順の具体例を示す。本実施形態に係る無線通信システムの構成例は
図1と同様である。本実施形態に係るMeNB1は、UE4から最初のNASメッセージ(例えば、Attach Request、Service Request、又はTAU Request)を含むRRCメッセージを受信し、当該NASメッセージをMME6に転送する前にLPN測定情報をUE4から受信する。そして、MeNB1は、LPN測定情報に基づいて選択LPNを決定し、選択LPNを示すLPN情報と共にNASメッセージをMME6に転送する。したがって、本実施形態に係るU-Planeベアラの確立手順は、
図10に示した第1の例に類似している。
【0063】
MeNB1は、RRCコネクション(SRB1)を用いて、LPN測定情報の送信をUE4に指示してもよい。また、MeNB1は、LPN2からのダウンリンク信号の測定をUE4に指示してもよい。MeMB1は、測定対象の少なくとも1つのLPN2をUE4に通知してもよい。一例では、MeNB1は、contention-based random access procedureを含むRRCコネクションの確立手順の中で、LPN2の測定をUE4に指示してもよい。具体的には、MeNB1は、RRC Connection Setupメッセージ(ランダムアクセス手順の第4ステップ・メッセージ)において測定コンフィグレーションをUE4に送信してもよい。測定コンフィグレーションは、UE4が測定するべき第2のセル20のリストを含む。また、他の例では、MeNB1は、RRCコネクションの確立が完了した後に、RRCメッセージ(例えば、RRC Connection Reconfiguration)を用いて測定コンフィグレーションをUE4に送信してもよい。
【0064】
また、UE4は、アイドルモード中(つまり、SRB及びDRBを確立していない間)にLPN2のダウンリンク信号を予め測定しておき、RRCコネクションの確立後にRRCメッセージ(例えば、UE Information Response)を用いてLPN測定情報をMeNB1に送信してもよい。この場合、アイドルモード中のUE4による測定は、Logged MDT(Minimization of Drive Tests)に従って行われてもよい。Logged MDTは、3GPP TR 36.805、及び3GPP TS 37.320に規定されている。
【0065】
図12は、本実施形態に係るU-Planeベアラの確立手順の具体例を示すシーケンス図である。ステップS401及びS402における処理は、
図10のステップS201及びS202における処理と同様である。ステップS403では、UE4は、LPN測定情報をMeNB1に送信する。ステップS404では、MeNB1は、LPN測定情報に基づいて選択LPNを決定する。ステップS405〜S412における処理は、
図10のステップS204〜S211における処理と同様である。
【0066】
図13は、本実施形態に係るMeNB1の動作例を示すフローチャートである。ステップS501では、MeNB1(制御部15)は、Dual connectivityをサポートするUE4から最初のNASメッセージ(例えば、Attach Request、Service Request、又はTAU Request)を含むRRCメッセージを受信する。最初のNASメッセージは、U-Planeベアラのセットアップを引き起こすメッセージである。ステップS502では、MeNB1は、UE4からLPN測定情報を受信したかを判定する。LPN測定情報を受信できない場合(ステップS502でNO)、MeNB1は、MeNB1を経由するU-Planeベアラの設定をMME6に要求する。つまり、MeNB1は、NASメッセージをMME6に転送し、セル10でのDRBを含むE-RABの確立を行う。
【0067】
LPN測定情報を受信した場合(ステップS502でYES)、MeNB1は、UE4のU-Planeベアラをセットアップする、つまりDRB及びS1ベアラを終端する、選択LPNを決定する(ステップS504)。そして、ステップS505では、MeNB1は、選択LPNへのベアラ設定をMME6に要求する。具体的には、MeNB1は、NASメッセージをMME6に転送すると共に、選択LPNを示すLPN情報をMME6に送信する。
【0068】
図14は、本実施形態に係るUE4の動作例を示すフローチャートである。ステップS601では、UE4(制御部45)は、U-Planeベアラのセットアップを引き起こす最初のNASメッセージをRRCメッセージに載せてMeNBに送信する。そして、ステップS602及びS603では、UE4は、LPN測定情報を保持しいている場合に、これをMeNB1に送信する。UE4は、MeNB1からの指示に応じてLPN2からのダウンリンク信号を測定してもよい。また、UE4は、アイドルモード中に予め取得しておいた測定ログをLPN測定情報としてMeNB1に送信してもよい。
【0069】
本実施形態では、MeNB1は、NASメッセージのMME6への転送に先立ってLPN情報を受信する。したがって、MeNB1は、NASメッセージのMME6への転送前に適切な選択LPNを決定することができる。さらに、MeNB1は、NASメッセージのMME6への転送の際に、選択LPNをMME6に通知することができる。
【0070】
<第3の実施形態>
本実施形態は、第2の実施形態で示したLPN測定情報のUE4からMeNB1への送信の具体例を示す。本実施形態に係る無線通信システムの構成例は
図1と同様である。本実施形態に係るMeNB1は、最初のNASメッセージをMME6に転送する前に、LPN2の測定をUE4に指示する。
図15は、本実施形態に係るU-Planeベアラの確立手順の具体例を示すシーケンス図である。
図15の例では、RRCコネクションの確立手順の中で、LPN2の測定が行われる。ステップS701では、UE4は、RRC Connection Requestメッセージ(ランダムアクセス手順の第3ステップ・メッセージ)をMeNB1に送信する。ステップS702では、MeNB1は、RRC Connection Setupメッセージ(ランダムアクセス手順の第4ステップ・メッセージ)を送信する。ステップS702のRRC Connection Setupメッセージは、SRB(SRB1)の初期コンフィグレーションを含むとともに、LPN測定コンフィグレーションを含む。ステップS703では、UE4は、LPN測定コンフィグレーションにおいて指定された少なくとも1つのLPN2からのダウンリンク信号を測定する。ステップS704では、UE4は、Measurement Reportメッセージを用いてLPN測定情報をMeNB1に送信する。ステップS705では、UE4は、最初のNASメッセージを含むRRC Connection Setup CompleteメッセージをMeNB1に送信する。なお、LPN測定情報の送信(ステップS704)は、RRC Connection Setup Completeメッセージの送信(ステップS705)の後に行われてもよい。
図15のステップS706〜S708における処理は、
図12のステップS404〜S406における処理と同様である。さらに、
図15では記載が省略されているが、本実施形態に係る無線通信システムは、ステップS708に引き続いて、
図12のステップS407〜S412と同様の処理を行えばよい。
【0071】
本実施形態では、MeNB1は、RRCコネクションの確立手順において、LPN2の測定をUE4に指示し、LPN測定情報をUE4から受信できる。
【0072】
<第4の実施形態>
本実施形態は、第2の実施形態で示したLPN測定情報のUE4からMeNB1への送信の他の具体例を示す。本実施形態に係る無線通信システムの構成例は
図1と同様である。本実施形態に係るMeNB1は、RRCコネクションの確立後に、LPN2の測定をUE4に指示する。
図16は、本実施形態に係るU-Planeベアラの確立手順の具体例を示すシーケンス図である。ステップS801〜S803は、LTEにおける通常のRRCコネクションの確立手順を示している。すなわち、UE4はRRC Connection RequestメッセージをMeNB1に送信し(ステップS801)、MeNB1はRRC Connection SetupメッセージをUE4に送信し(ステップS802)、そしてUE4はRRC Connection Setup CompleteメッセージをMeNB1に送信する(ステップS803)。
【0073】
ステップS804では、MeNB1は、LPN測定コンフィグレーションを含むRRC Connection ReconfigurationメッセージをUE4に送信する。つまり、MeNB1は、RRC Connection Reconfigurationメッセージを用いて、LPN2の測定をUE4に指示する。ステップS805では、UE4は、LPN測定コンフィグレーションにおいて指定された少なくとも1つのLPN2からのダウンリンク信号を測定する。ステップS806では、UE4は、Measurement Reportメッセージを用いてLPN測定情報をMeNB1に送信する。
図16のステップS807〜S809における処理は、
図12のステップS404〜S406における処理と同様である。さらに、
図15では記載が省略されているが、本実施形態に係る無線通信システムは、ステップS809に引き続いて、
図12のステップS407〜S412と同様の処理を行えばよい。
【0074】
本実施形態では、MeNB1は、RRCコネクションの確立後に、LPN2の測定をUE4に指示し、LPN測定情報をUE4から受信できる。
【0075】
<第5の実施形態>
本実施形態は、第2の実施形態で示したLPN測定情報のUE4からMeNB1への送信のさらに他の具体例を示す。本実施形態に係る無線通信システムの構成例は
図1と同様である。本実施形態に係るMeNB1は、Logged MDTに従ってアイドルモードのUE4によって収集された測定ログをLPN測定情報として利用する。UE4は、最初のNASメッセージを送信するためにMeNB1とのRRCコネクションを確立する際に、Logged MDTに従って収集された測定ログをMeNB1に送信する。
【0076】
図17は、本実施形態に係るU-Planeベアラの確立手順の具体例を示すシーケンス図である。ステップS901では、UE4は、アイドルモード中に測定ログを収集する。ステップ902〜S904では、UE4及びMeNB1は、RRCコネクション確立および最初のNASメッセージの送受信を行う。なお、ステップS904におけるRRC Connection Setup Completeメッセージは、UE4がLogged MDTに基づく測定ログを有しているか否かを示すフラグ情報を含んでもよい。これにより、MeNB1は、UE4に測定ログの報告を要求するかどうかを容易に決定できる。
【0077】
ステップS905では、MeNB1は、UE Information Requestメッセージを用いて、測定ログ、すなわちLPN情報、の送信をUE4に指示する。ステップS906では、UE4は、UE Information Responseメッセージを用いて、測定ログ(LPN情報)をMeNB1に送信する。
図17のステップS907〜S909における処理は、
図12のステップS404〜S406における処理と同様である。さらに、
図15では記載が省略されているが、本実施形態に係る無線通信システムは、ステップS909に引き続いて、
図12のステップS407〜S412と同様の処理を行えばよい。
【0078】
図18は、本実施形態に係るMeNB1の動作例を示すフローチャートである。ステップS1001では、MeNB1(制御部15)は、Dual connectivityをサポートするUE4から最初のNASメッセージ(例えば、Attach Request、Service Request、又はTAU Request)を含むRRCメッセージを受信する。最初のNASメッセージは、U-Planeベアラのセットアップを引き起こすメッセージである。ステップS1002では、MeNB1は、測定ログの保持を示す通知をUE4から受信したかを判定する。当該通知を受信できない場合(ステップS1002でNO)、MeNB1は、MeNB1を経由するU-Planeベアラの設定をMME6に要求する。つまり、MeNB1は、NASメッセージをMME6に転送し、セル10でのDRBを含むE-RABの確立を行う。
【0079】
測定ログの保持を示す通知を受信した場合(ステップS1002でYES)、MeNB1は、測定ログ(すなわちLPN測定情報)の報告要求をUE4に送信する(ステップS1004)。ステップS1005及びS1006では、MeNB1は、測定ログを受信し、UE4のためのDRB及びS1ベアラを終端する選択LPNを決定する。そして、ステップS1007では、MeNB1は、選択LPNへのベアラ設定をMME6に要求する。具体的には、MeNB1は、NASメッセージをMME6に転送すると共に、選択LPNを示すLPN情報をMME6に送信する。
【0080】
図19は、本実施形態に係るUE4の動作例を示すフローチャートである。ステップS1101では、UE4(制御部45)は、アイドルモード中に行ったLPN2の測定結果を示す測定ログを保持しているかを判定する。測定ログを保持していない場合(ステップS1101でYES)、UE4は、通常の最初のNASメッセージのみをMeNB1に送信する(ステップS1102)。これに対して測定ログを保持している場合(ステップS1101でYES)、UE4は、測定ログの保持を示す通知、および最初のNASメッセージをMeNB1に送信する(ステップS1103)。ステップS1104及びS1105では、UE4は、測定ログ(すなわちLPN測定情報)の報告要求をMeNB1から受信し、測定ログをMeNB1に送信する。
【0081】
本実施形態では、MeNB1は、アイドルモード中に予め取得されていたLPN測定情報を用いて選択LPNを決定することができる。したがって、UE4によるLPN2の測定を待つ必要がないため、選択LPNの決定、及びU-Planeベアラの確立を速やかに行うことができる。
【0082】
<第6の実施形態>
本実施形態は、UE4からのLPN測定情報を用いて選択LPNを決定する手順の具体例を示す。本実施形態に係る無線通信システムの構成例は
図1と同様である。本実施形態に係るMeNB1は、UE4からの最初のNASメッセージ(例えば、Attach Request、Service Request、又はTAU Request)をMME6に転送し、S1ベアラに関するベアラコンテキストをMME6から受信した後に、LPN測定情報をUE4から受信する。そして、MeNB1は、LPN測定情報に基づいて選択LPNを決定し、選択LPNにおけるS1ベアラの設定が行われた後にLPN情報をMME6に送信する。したがって、本実施形態に係るU-Planeベアラの確立手順は、
図11に示した第2の例に類似している。
【0083】
図20は、本実施形態に係るU-Planeベアラの確立手順の具体例を示すシーケンス図である。ステップS1201〜S1205における処理は、
図11のステップS301〜S305における処理と同様である。ステップS1206では、UE4は、Measurement Reportメッセージを用いて、LPN測定情報をMeNB1に送信する。ステップS1207では、MeNB1は、LPN測定情報に基づいて選択LPNを決定する。ステップS1208〜S1212における処理は、
図11のステップS307〜S311における処理と同様である。
【0084】
<第7の実施形態>
本実施形態は、Dual connectivityをサポートするUEの検出手順の第1〜第3の例を示す。本実施形態で説明されるDual connectivityサポートUEの検出手順は、上述した第1〜第6の実施形態と組み合わせることができる。本実施形態に係る無線通信システムの構成例は
図1と同様である。
【0085】
(第1の検出手順)
図21は、第1の検出手順を示すシーケンス図である。第1の検出手順では、UE4が、Dual connectivityサポート情報をMeNB1に通知する(ステップS1301)。UE4は、Dual connectivityをサポートすることを(又はサポートしないこと)をMeNB1に通知すればよい。MeNB1は、Dual connectivityサポート情報をUE4から受信し、UE4がDual connectivityをサポートするか否かを判定する(ステップS1302)。
【0086】
例えば、UE4は、RRCコネクションの確立手順におけるRRC connection requestメッセージ又はRRC Connection Setup CompleteメッセージにおいてDual connectivityのサポートを示してもよい。例えば、UE4は、RRC connection requestメッセージに含まれるestablishment causeによってDual connectivityのサポートを示してもよい。また、UE4は、最初のNASメッセージとしてのAttach Requestメッセージに含まれるアタッチタイプ又はリクエストタイプによってDual connectivityのサポートを示してもよい。
【0087】
(第2の検出手順)
第2の検出手順では、MeNB1は、Dual connectivityサポートUEのみがアクセス可能な特別なセルを運用する。そして、MeNB1は、この特別なセルにアクセスしてきたUE4をDual connectivityサポートUEであると判定する。Dual connectivityサポートUEのみがアクセス可能な特別なセルは、例えば、Dual connectivityをサポートしないUE(レガシーUE)がアクセスできるレガシーセルとはRS(Reference Signal)のアサインが異なるセルであってもよい。また、Dual connectivityサポートUEのみがアクセス可能な特別なセルは、レガシーUEが使用できない特別な周波数帯域を使用するセルであってもよい。
【0088】
(第3の検出手順)
図22は、第3の検出手順を示すシーケンス図である。第3の検出手順では、MeNB1は、Dual connectivityサポートUEの識別情報(例えばTMSI)を取得する(ステップS1401及びS1402)。MeNB1は、UE4がネットワークに接続する際に当該UE4の識別情報を受信する。
図22の例では、MeNB1は、UE4の識別情報(例えばTMSI)を含むRRC Connection Requestメッセージを受信する(ステップS1403)。そして、MeNB1は、UEの4の識別情報がDual connectivityサポートUEの識別情報と合致するか否かによって、UE4がDual connectivityサポートUEであるかを判定する(ステップS1404)。
【0089】
本実施形態によれば、MeNB1は、UE4がDual connectivityをサポートするか否かを判定することができる。そして、MeNB1は、Dual connectivityをサポートするか否かによって、UE4のU-PlaneベアラをMeNB1に設定するかLPN2に設定するかを容易に決定できる。
【0090】
<その他の実施形態>
上述した第1〜第7の実施形態は適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0091】
第1〜第7の実施形態で述べたMeNB1、LPN2、UE4、MME6、及びS-GW7によるDual connectivityシナリオにおける通信制御方法は、いずれもApplication Specific Integrated Circuit(ASIC)を含む半導体処理装置を用いて実現されてもよい。また、これらの方法は、少なくとも1つのプロセッサ(e.g. マイクロプロセッサ、Micro Processing Unit(MPU)、Digital Signal Processor(DSP))を含むコンピュータシステムにプログラムを実行させることによって実現されてもよい。具体的には、フローチャート及びシーケンス図に示されたアルゴリズムをコンピュータシステムに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを作成し、当該プログラムをコンピュータに供給すればよい。
【0092】
このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0093】
上述した第1〜第7の実施形態は、主にLTEシステムに関して説明を行った。しかしながら、これらの実施形態は、LTEシステム以外の無線通信システム、例えば、3GPP UMTS (Universal Mobile Telecommunications System)、3GPP2 CDMA2000システム(1xRTT, HRPD (High Rate Packet Data))、GSM (Global System for Mobile Communications) システム、又はWiMAXシステム等に適用されてもよい。
【0094】
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0095】
この出願は、2013年1月15日に出願された日本出願特願2013−004434を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。