(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切替手段は、前記判断手段により前記利用中のユーザー以外のユーザーがいると判断された場合に、前記電子機器のマシンリソースを制限し、前記判断手段により前記利用中のユーザー以外のユーザーがいないと判断された場合に、前記電子機器のマシンリソースの制限を解除する請求項1に記載の情報処理装置。
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置と、前記電子機器以外の他の電子機器と、が通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された電子機器制御システムであって、
前記切替手段は、さらに、前記利用中のユーザーが利用可能な前記他の電子機器のマシンリソースを切り替える電子機器制御システム。
ユーザーの操作に応じて所定の処理を行う複数の電子機器と、機器管理サーバーと、が通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続された電子機器制御システムであって、
前記複数の電子機器のそれぞれは、
当該電子機器の周囲の環境を示す環境情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された環境情報に基づいて、当該電子機器の周囲にユーザーがいるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果に応じて、前記所定の処理の実行を承諾するか否かを決定する決定手段と、
を備え、
前記機器管理サーバーは、
前記複数の電子機器のそれぞれから前記決定手段による決定結果を取得し、当該取得された決定結果に応じて、前記複数の電子機器のマシンリソースを切り替える切替手段を備える電子機器制御システム。
前記複数の電子機器のそれぞれの前記決定手段は、前記判断手段により当該電子機器の周囲にユーザーがいないと判断された場合に、前記所定の処理の実行を承諾することを決定し、前記判断手段により当該電子機器の周囲にユーザーがいると判断された場合に、前記所定の処理の実行を拒否することを決定する請求項11に記載の電子機器制御システム。
前記複数の電子機器のそれぞれは、用紙上に画像を形成する画像形成手段を備える画像形成装置である請求項11から13のいずれか一項に記載の電子機器制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る電子機器制御システムの第1の実施の形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
図1に、第1の実施の形態の電子機器制御システムとしての画像形成システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、画像形成システム100は、PC(Personal Computer)10と、電子機器としての画像形成装置20a,20b,・・・,20nと、が通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。なお、PC10の数、画像形成装置20a,20b,・・・,20nの数については、限定されない。
【0025】
PC10は、一般的なパーソナルコンピューターであり、各ユーザーにより使用される。PC10は、例えば、画像形成装置20a,20b,・・・,20nがプリンターとして使用される場合に、画像形成装置20a,20b,・・・,20nに対して画像形成対象となる画像データを送信する。
【0026】
画像形成装置20a,20b,・・・,20nは、ユーザーの操作に応じて所定の処理を行う電子機器であり、プリンター機能、コピー機能、スキャナー機能、ファクシミリ機能を有する複合機(MFP:Multi-functional Peripheral)である。所定の処理として、プリント処理、コピー処理、スキャン処理、FAX送受信処理等が挙げられる。画像形成装置20a,20b,・・・,20nのそれぞれは、複数の利用者により同時に利用される可能性がある。例えば、一のユーザーがスキャナー機能を利用している最中であっても、他のユーザーがプリンター機能を利用することができる。
【0027】
図2に、画像形成装置20aの機能的構成を示す。
図2に示すように、画像形成装置20aは、制御部21、操作部22、表示部23、画像読取部24、画像形成部25、通信部26、認証部27、光量センサー28、記憶部29等を備えて構成され、各部はバスにより接続されている。
【0028】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置を備え、画像形成装置20aの各部の処理動作を統括的に制御する。制御部21は、操作部22から入力される操作信号又は通信部26により受信される指示信号に応じて、記憶部29に格納されている各種処理プログラムを読み出し、当該プログラムとの協働により、各種処理を行う。
【0029】
操作部22は、表示部23の表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルや、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ユーザーの操作に基づく操作信号を制御部21に出力する。
【0030】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0031】
画像読取部24は、原稿を光走査し、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーにより光電変換して原稿画像を読み取り、画像データを生成する。
【0032】
画像形成部25は、画像読取部24により生成された画像データ、通信部26により受信された画像データ(プリンター用画像データ、FAX用画像データ)等に基づいて、用紙上に画像を形成する。例えば、画像形成部25は、電子写真方式の画像形成を行うものであり、感光体ドラム、感光体ドラムの帯電を行う帯電部、画像データに基づいて感光体ドラム表面を露光走査する露光部、感光体ドラムにトナーを付着させる現像部、感光体ドラム上に形成されたトナー像を用紙に転写する転写部、用紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部等から構成される。
【0033】
通信部26は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNに接続されたPC10や画像形成装置20b,・・・,20n等の外部装置との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部26は、PC10から送信されるジョブのデータを受け付ける。また、通信部26は、通信ネットワークN上に存在する他の画像形成装置20b,・・・,20nに対してジョブのデータを送信する。
また、通信部26は、公衆回線に接続し、FAXのデータの送受信を行う。
【0034】
認証部27は、近距離無線通信(NFC)等の規格を満たすカードリーダー等を備え、カードに格納されているデータを読み出し、各ユーザーの個人情報を識別する。
【0035】
光量センサー28は、光量を電気信号に変換可能な素子を備え、画像形成装置20aの周囲の光量を示す情報(光量情報)を制御部21に出力する。
【0036】
記憶部29は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等の記憶装置からなり、各種処理に関するデータ等を記憶する。記憶部29には、光量センサー28により得られた光量と比較する際に基準となる、予め定められた閾値が記憶されている。
また、記憶部29には、画像形成装置20aと同一の管理下におかれ、分散処理を依頼し合う関係となる画像形成装置のグループを示す情報が事前に記憶されている。例えば、記憶部29には、自装置(画像形成装置20a)と同じグループに属する他の画像形成装置を示す情報が登録されている。
【0037】
画像形成装置20a以外の画像形成装置20b,・・・,20nについても、画像形成装置20aと同様の構成であるため、同一の符号を用い、説明を省略する。
【0038】
以下、ユーザーにより直接操作される画像形成装置、又は、PC10からプリント指示が送信される画像形成装置として、画像形成装置20aを例にして説明する。
画像形成装置20aの制御部21は、画像形成装置20aを制御する情報処理装置である。ここでは、情報処理装置は、画像形成装置20aに含まれる。
【0039】
画像形成装置20aの制御部21は、光量センサー28から画像形成装置20aの周囲の環境を示す環境情報としての光量情報を取得する。すなわち、制御部21は、取得手段として機能する。
画像形成装置20aの制御部21は、取得された光量情報に基づいて、画像形成装置20aの周囲に画像形成装置20aを利用中のユーザー以外のユーザーがいるか否かを判断する。すなわち、制御部21は、判断手段として機能する。
画像形成装置20aの制御部21は、利用中のユーザー以外のユーザーがいるか否かの判断結果に応じて、利用中のユーザーが利用可能な画像形成装置20aのマシンリソースを切り替える。すなわち、制御部21は、切替手段として機能する。具体的には、制御部21は、利用中のユーザー以外のユーザーがいると判断された場合に、画像形成装置20aのマシンリソースを制限し、利用中のユーザー以外のユーザーがいないと判断された場合に、画像形成装置20aのマシンリソースの制限を解除する。
【0040】
なお、光量センサー28から取得される光量情報はリアルタイムで更新される。
画像形成装置20aの制御部21は、更新された光量情報に基づいて、画像形成装置20aの周囲に画像形成装置20aを利用中のユーザー以外のユーザーがいるか否かを判断し直す。
画像形成装置20aの制御部21は、利用中のユーザー以外のユーザーがいるか否かの再判断結果に応じて、利用中のユーザーが利用可能な画像形成装置20aのマシンリソースを切り替える。
【0041】
画像形成装置20aの制御部21は、画像形成装置20aと同じグループに属する他の画像形成装置に対して、利用中のユーザーが利用可能なマシンリソースを切り替える。
【0042】
画像形成装置20aの制御部21は、利用中のユーザー以外のユーザーがいないと判断された場合に、複数の画像形成装置によって処理を分散した方が効率的であるときには、画像形成装置20aと同じグループに属する他の画像形成装置に対して分散処理の依頼を行う。すなわち、制御部21は、依頼手段として機能する。
【0043】
画像形成装置20aと同じグループに属する他の画像形成装置の制御部21は、光量センサー28から当該画像形成装置の周囲の環境を示す環境情報としての光量情報を取得する。すなわち、制御部21は、第2の取得手段として機能する。
他の画像形成装置の制御部21は、取得された光量情報に基づいて、当該画像形成装置の周囲にユーザーがいるか否かを判断する。すなわち、制御部21は、第2の判断手段として機能する。
他の画像形成装置の制御部21は、ユーザーがいるか否かの判断結果に応じて、画像形成装置20aからの分散処理の依頼に対して応答を行う。すなわち、制御部21は、応答手段として機能する。
【0044】
画像形成装置20aと同じグループに属する他の画像形成装置が光量センサー28を備えていない場合には、他の画像形成装置の制御部21は、当該画像形成装置の操作部22又はPC10の操作部から入力された内容に基づいて、分散処理の依頼に対する応答内容を予め設定し、記憶部29に記憶させておく。すなわち、制御部21は、設定手段として機能する。
他の画像形成装置の制御部21は、画像形成装置20aから分散処理の依頼があった場合に、予め設定されている応答内容に基づいて、当該分散処理の依頼に対して応答を行う。すなわち、制御部21は、応答手段として機能する。
【0045】
画像形成装置20aの制御部21は、分散処理の依頼を承諾した他の画像形成装置に対し、所定の条件に基づいて優先順位を付け、当該優先順位に基づいて分散処理を割り振る。すなわち、制御部21は、割振手段として機能する。所定の条件として、例えば、利用可能なマシンリソースの大きさ、コスト、画像形成装置の設置場所等が挙げられる。
【0046】
次に、画像形成システム100における動作について説明する。
図3は、画像形成装置20aにおいて実行される第1のリソース切替処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部21と、記憶部29に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0047】
まず、制御部21は、画像形成装置20aの周囲の環境としての光量を示す光量情報を光量センサー28から取得し、記憶部29に記憶されている光量情報を更新する(ステップS1)。具体的には、制御部21は、記憶部29の制御部21が参照可能な記憶領域に、新たに取得した光量情報を上書きする。
【0048】
次に、制御部21は、画像形成装置20aの操作部22からユーザーによる入力があるか否かを判断する(ステップS2)。ここで、入力とは、画像形成装置20aに所定の処理を行わせるための操作指示である。
操作部22からユーザーによる入力がない場合には(ステップS2;NO)、制御部21は、画像形成装置20aにおいてジョブを実行中であるか否かを判断する(ステップS3)。ジョブは、画像形成装置20aがプリンター、複写機、スキャナー、ファクシミリとして実行する各種処理である。
【0049】
ステップS2において、操作部22からユーザーによる入力があった場合(ステップS2;YES)、又は、ステップS3において、ジョブを実行中である場合には(ステップS3;YES)、制御部21は、ステップS1で更新された光量情報に基づいて、画像形成装置20aの周囲に画像形成装置20aを利用中のユーザー以外のユーザーがいるか否かを判断する(ステップS4)。具体的には、制御部21は、記憶部29から予め定められた閾値を読み出し、光量情報が示す光量がこの閾値以上であるか否かを判断する。そして、制御部21は、光量情報が示す光量が閾値以上である場合には、利用中のユーザー以外のユーザーがいると判断し、光量情報が示す光量が閾値未満である場合には、利用中のユーザー以外のユーザーがいないと判断する。利用中のユーザーとは、操作部22からの入力を行ったユーザー、又は、実行中のジョブを指示したユーザーである。
【0050】
利用中のユーザー以外のユーザーがいると判断した場合には(ステップS4;YES)、制御部21は、利用中のユーザーが利用可能な画像形成装置20aのマシンリソースを制限する(ステップS5)。例えば、制御部21は、他のユーザーの利用に備え、利用中のユーザーに対するCPUの利用率を70%に制限し、マシンリソースを限定的に利用中のユーザーに提供し、制限された範囲内でジョブを実行する。マシンリソースとは、電子機器の処理能力(処理速度、メモリー容量等)、ハードウェア資源等の能力的資産をいう。画像形成装置20aにおいては、単位時間当たりの画像形成枚数、画像読取枚数、FAX送受信可能枚数等により、マシンリソースを評価することとしてもよい。
【0051】
ステップS4において、利用中のユーザー以外のユーザーがいないと判断した場合には(ステップS4;NO)、制御部21は、利用中のユーザーが利用可能な画像形成装置20aのマシンリソースの制限を解除する(ステップS6)。例えば、制御部21は、CPUの利用率を100%とし、利用中のユーザーのために全てのリソースを使ってジョブを実行する。
【0052】
次に、制御部21は、分散検討処理を実行する(ステップS7)。
ここで、
図4を参照して、分散検討処理について説明する。
制御部21は、ジョブを完了するまでに、分散処理を行った方が効率的であるか否か、すなわち、複数の画像形成装置で処理を分散した方が処理が早いか否かを判断する(ステップS11)。例えば、画像形成装置20a以外の画像形成装置に処理を行わせる場合には、他の画像形成装置での起動に所定の時間がかかるため、分散処理を行う必要がない場合もある。
【0053】
分散処理を行った方が効率的である場合には(ステップS11;YES)、制御部21は、画像形成装置20b,・・・,20nのうち、画像形成装置20aと同じグループに属する画像形成装置に対して、通信部26を介して、分散処理依頼を送信する(ステップS12)。具体的には、制御部21は、記憶部29から画像形成装置20aと同じグループに属する他の画像形成装置を示す情報を読み出し、画像形成装置20aと同じグループ内の画像形成装置に対して、分散処理が可能であるか否かを問い合わせる。
次に、制御部21は、通信部26を介して、分散処理依頼の送信先である各画像形成装置から分散処理依頼に対する応答を受信する(ステップS13)。
制御部21は、各画像形成装置から受信した応答の内容に基づいて、記憶部29に記憶されている応答情報を更新する(ステップS14)。応答情報は、分散処理依頼を承諾したか、拒否したかを示す情報であり、分散処理依頼の送信先の画像形成装置毎に管理される。
【0054】
ここで、制御部21は、各画像形成装置に対応する応答情報に基づいて、分散処理依頼を承諾した画像形成装置があるか否かを判断する(ステップS15)。
分散処理依頼を承諾した画像形成装置がある場合には(ステップS15;YES)、制御部21は、分散処理依頼を承諾した画像形成装置の中から分散処理を行う画像形成装置を選択し、通信部26を介して、選択した画像形成装置に対して分散処理の実行を要求する(ステップS16)。
例えば、制御部21は、分散処理依頼を承諾した画像形成装置に対して、各画像形成装置において利用可能なマシンリソース(単位時間当たりの画像形成枚数等)が大きいものから順に優先順位を付け、この優先順位に基づいて、優先順位の高い画像形成装置から順に分散処理を割り振る。分散処理を行う画像形成装置の数は、ジョブのうち、未だ実行されていない部数等により決定される。
あるいは、制御部21は、分散処理依頼を承諾した画像形成装置のIPアドレスや設置場所を示したマップを表示部23に表示させ、ユーザーに操作部22から分散処理を行う画像形成装置を選択させることとしてもよい。
【0055】
ステップS11において、分散処理を行った方が効率的でない場合(ステップS11;NO)、すなわち、分散処理を行う必要がない場合、ステップS15において、分散処理依頼を承諾した画像形成装置がない場合(ステップS15;NO)、又は、ステップS16の後、分散検討処理が終了する。
【0056】
図3に戻り、ステップS3において、ジョブを実行中でない場合(ステップS3;NO)、ステップS5の後、又は、ステップS7の後、ステップS1に戻り、処理が繰り返される。
【0057】
図5は、分散処理依頼の送信先である画像形成装置において実行される第1の応答処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部21と、記憶部29に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。ここでは、画像形成装置20bが画像形成装置20aと同じグループに属していることとし、画像形成装置20bにおける処理を例にして説明する。
【0058】
まず、制御部21は、画像形成装置20bの周囲の環境としての光量を示す光量情報を光量センサー28から取得し、記憶部29に記憶されている光量情報を更新する(ステップS21)。
次に、制御部21は、通信部26により、画像形成装置20aから分散処理依頼を受信したか否かを判断する(ステップS22)。
【0059】
画像形成装置20aから分散処理依頼を受信した場合には(ステップS22;YES)、制御部21は、ステップS21で更新された光量情報に基づいて、画像形成装置20bの周囲にユーザーがいるか否かを判断する(ステップS23)。具体的には、制御部21は、光量情報が示す光量が予め定められた閾値以上である場合には、画像形成装置20bの周囲にユーザーがいると判断し、光量情報が示す光量が閾値未満である場合には、画像形成装置20bの周囲にユーザーがいないと判断する。
【0060】
画像形成装置20bの周囲にユーザーがいないと判断した場合には、(ステップS23;NO)、制御部21は、画像形成装置20aに対して、通信部26を介して、分散処理を承諾する旨の応答を通知する(ステップS24)。分散処理を承諾する旨の応答には、画像形成装置20bのマシンリソースのうち、利用可能な割合(70%等)を示す情報が含まれていてもよい。
一方、画像形成装置20bの周囲にユーザーがいると判断した場合には、(ステップS23;YES)、制御部21は、画像形成装置20aに対して、通信部26を介して、分散処理を拒否する旨の応答を通知する(ステップS25)。
【0061】
ステップS22において、画像形成装置20aから分散処理依頼を受信しない場合(ステップS22;NO)、ステップS24の後、又は、ステップS25の後、ステップS21に戻り、処理が繰り返される。
【0062】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、画像形成装置の周囲に画像形成装置を利用中のユーザー以外のユーザーがいるか否かの判断結果に応じて、利用中のユーザーが利用可能な画像形成装置のマシンリソースを切り替えるので、画像形成装置の利用を無駄に制限することを抑えつつ、他のユーザーの画像形成装置の利用を妨げることを防止することができる。
具体的には、利用中のユーザー以外のユーザーがいると判断された場合には、画像形成装置のマシンリソースを制限することで、他のユーザーの画像形成装置の利用を妨げない。
一方、利用中のユーザー以外のユーザーがいないと判断された場合には、画像形成装置のマシンリソースの制限を解除することで、マシンリソースを最大限に活用して効率良く処理を行うことができる。
【0063】
また、画像形成装置の周囲の環境を示す光量情報がリアルタイムで更新されるので、状況の変化に応じて、利用可能な画像形成装置のマシンリソースを切り替えることができる。
例えば、或る画像形成装置の周囲の光量が閾値以上の状態から閾値未満の状態へと移行した場合には、他のユーザーがいなくなったと考えられるため、この画像形成装置のマシンリソースの制限を解除する。
或る画像形成装置の周囲の光量が閾値未満の状態から閾値以上の状態へと移行した場合には、他のユーザーの利用を考慮して、利用可能なマシンリソースに制限を加える。
【0064】
また、通信ネットワークNを介して接続された他の画像形成装置についても、利用可能なマシンリソースを切り替えるので、システム全体として、マシンリソースを有効に活用することができる。
また、複数の画像形成装置によって処理を分散した方が効率的である場合には、他の画像形成装置に対して分散処理の依頼を行うので、システム全体として、マシンリソースを有効に活用することができる。
【0065】
また、他の画像形成装置においても、当該画像形成装置の周囲にユーザーがいるか否かの判断結果に応じて、分散処理の依頼に対して応答を行うので、画像形成装置の利用を無駄に制限することを抑えつつ、他のユーザーの画像形成装置の利用を妨げることを防止することができる。
また、画像形成装置において、分散処理の依頼に対する応答内容を予め設定しておくことにより、自装置の周囲の光量情報を取得することができない場合であっても、分散処理の依頼に対して応答を行うことができる。
また、分散処理の依頼を承諾した画像形成装置に対し、所定の条件に基づいて優先順位を付けることにより、分散処理を割り振る画像形成装置を自動的に選択することができる。
【0066】
なお、上記第1の実施の形態では、光量情報を取得し、光量情報に基づいて、画像形成装置20aを利用中のユーザー以外のユーザーがいるか否かを判断し、判断結果に応じて、利用中のユーザーが利用可能な画像形成装置20aのマシンリソースを切り替える情報処理装置が、画像形成装置20aに含まれることとしたが、情報処理装置が画像形成装置20aの外部に設けられていてもよい。
【0067】
また、上記第1の実施の形態では、各画像形成装置に、分散処理を依頼し合う関係となる画像形成装置のグループを示す情報が事前に設定されている場合について説明したが、各画像形成装置に、当該画像形成装置から分散処理を依頼する依頼先となる一又は複数の画像形成装置(依頼元に対する依頼先)が事前に設定されていることとしてもよい。
【0068】
また、上記第1の実施の形態において、各画像形成装置に対して、分散処理を依頼可能か否かを予め設定しておき、権限を有する画像形成装置からのみ、分散処理を依頼可能としてもよい。また、各画像形成装置に対して、分散処理を依頼可能なユーザーを予め設定しておき、権限を有するユーザーの利用時にのみ、分散処理を依頼可能としてもよい。
【0069】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
図6に、第2の実施の形態の電子機器制御システムとしての画像形成システム200のシステム構成を示す。
図6に示すように、画像形成システム200は、PC10と、電子機器としての画像形成装置20a,20b,・・・,20nと、機器管理サーバー30と、が通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。なお、PC10の数、画像形成装置20a,20b,・・・,20nの数については、限定されない。
以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0070】
PC10は、一般的なパーソナルコンピューターであり、各ユーザーにより使用される。PC10は、機器管理サーバー30に対してジョブのデータを送信する。
【0071】
画像形成装置20a,20b,・・・,20nの機能的構成については、
図2に示したものと同様であるため、同一の構成については同一の符号を用いて、図示及び説明を省略する。
【0072】
機器管理サーバー30は、画像形成システム200内の画像形成装置20a,20b,・・・,20nを管理する装置である。
図7に、機器管理サーバー30の機能的構成を示す。
図7に示すように、機器管理サーバー30は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、記憶部35等を備えて構成され、各部はバスにより接続されている。
【0073】
制御部31は、CPU等の演算装置を備え、機器管理サーバー30の各部の処理動作を統括的に制御する。制御部31は、操作部32から入力される操作信号又は通信部34により受信される指示信号に応じて、記憶部35に格納されている各種処理プログラムを読み出し、当該プログラムとの協働により、各種処理を行う。
【0074】
操作部32は、文字入力キー、数字入力キー、各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスと、を含む構成である。操作部32は、ユーザーによるキーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。
【0075】
表示部33は、LCDにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0076】
通信部34は、LAN等の通信ネットワークNに接続されたPC10や画像形成装置20a,20b,・・・,20n等の外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0077】
記憶部35は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等の記憶装置からなり、各種処理に関するデータ等を記憶する。記憶部35には、機器管理サーバー30の管理下におかれた画像形成装置のグループを示す情報が事前に記憶されている。例えば、記憶部35には、同じ管理グループに属する画像形成装置20a,20b,・・・,20nを示す情報が登録されている。
【0078】
画像形成装置20a,20b,・・・,20nの制御部21は、光量センサー28から自装置の周囲の環境を示す環境情報としての光量情報を取得する。すなわち、制御部21は、取得手段として機能する。
画像形成装置20a,20b,・・・,20nの制御部21は、取得された光量情報に基づいて、自装置の周囲にユーザーがいるか否かを判断する。すなわち、制御部21は、判断手段として機能する。
画像形成装置20a,20b,・・・,20nの制御部21は、自装置の周囲にユーザーがいるか否かの判断結果に応じて、所定の処理の実行を承諾するか否かを決定する。すなわち、制御部21は、決定手段として機能する。具体的には、制御部21は、自装置の周囲にユーザーがいないと判断された場合に、所定の処理の実行を承諾することを決定し、自装置の周囲にユーザーがいると判断された場合に、所定の処理の実行を拒否することを決定する。
【0079】
機器管理サーバー30の制御部31は、画像形成装置20a,20b,・・・,20nのそれぞれから所定の処理の実行を承諾するか否かの決定結果を取得し、当該取得された決定結果に応じて、画像形成装置20a,20b,・・・,20nのマシンリソースを切り替える。すなわち、制御部31は、切替手段として機能する。
【0080】
次に、画像形成システム200における動作について説明する。
図8は、機器管理サーバー30において実行される第2のリソース切替処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部31と、記憶部35に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0081】
まず、制御部31は、通信部34により、PC10からジョブのデータを受信したか否かを判断する(ステップS31)。
【0082】
PC10からジョブのデータを受信した場合には(ステップS31;YES)、制御部31は、管理グループに属する画像形成装置20a,20b,・・・,20nに対して、通信部34を介して、ジョブ依頼を送信する(ステップS32)。具体的には、制御部31は、記憶部35から管理グループに属する画像形成装置を示す情報を読み出し、管理グループ内の画像形成装置に対して、ジョブの実行が可能であるか否かを問い合わせる。
次に、制御部31は、通信部34を介して、ジョブ依頼を送信した各画像形成装置20a,20b,・・・,20nからジョブ依頼に対する応答を受信する(ステップS33)。
制御部31は、各画像形成装置20a,20b,・・・,20nから受信した応答の内容に基づいて、記憶部35に記憶されている応答情報を更新する(ステップS34)。応答情報は、ジョブ依頼を承諾したか、拒否したかを示す情報であり、ジョブ依頼の送信先の画像形成装置毎に管理される。
【0083】
次に、制御部31は、各画像形成装置20a,20b,・・・,20nに対応する応答情報に基づいて、ジョブ依頼を承諾した画像形成装置が2台以上あるか否かを判断する(ステップS35)。
ジョブ依頼を承諾した画像形成装置が2台以上ある場合には(ステップS35;YES)、制御部31は、ジョブを完了するまでに、分散処理を行った方が効率的であるか否か、すなわち、複数の画像形成装置で処理を分散した方が処理が早いか否かを判断する(ステップS36)。
【0084】
分散処理を行った方が効率的である場合には(ステップS36;YES)、制御部31は、ジョブ依頼を承諾した画像形成装置の中から分散処理を行う画像形成装置を選択し、通信部34を介して、選択した画像形成装置に対して分散処理の実行を要求する(ステップS37)。
例えば、制御部31は、ジョブ依頼を承諾した画像形成装置に対して、各画像形成装置において利用可能なマシンリソース(単位時間当たりの画像形成枚数等)が大きいものから順に優先順位を付け、この優先順位に基づいて、優先順位の高い画像形成装置から順に分散処理を割り振る。分散処理を行う画像形成装置の数は、ジョブのうち、未だ実行されていない部数等により決定される。
あるいは、制御部31は、ジョブ依頼を承諾した画像形成装置のIPアドレスや設置場所を示したマップを表示させるための表示用データを、通信部34を介してPC10に送信させ、ユーザーにPC10の操作部から分散処理を行う画像形成装置を選択させることとしてもよい。
【0085】
ステップS35において、ジョブ依頼を承諾した画像形成装置が2台未満の場合には(ステップS35;NO)、制御部31は、各画像形成装置20a,20b,・・・,20nに対応する応答情報に基づいて、ジョブ依頼を承諾した画像形成装置があるか否かを判断する(ステップS38)。
ジョブ依頼を承諾した画像形成装置がある場合(ステップS38;YES)、又は、ステップS36において、分散処理を行った方が効率的でない場合(ステップS36;NO)、すなわち、分散処理を行う必要がない場合には、制御部31は、ジョブ依頼を承諾した画像形成装置の中からジョブを行う画像形成装置を選択し、選択した画像形成装置に対してジョブの実行を要求する(ステップS39)。
例えば、制御部31は、ジョブ依頼を承諾した画像形成装置のうち、利用可能なマシンリソースが最も大きい画像形成装置を選択する。また、制御部31は、ジョブ依頼を承諾した画像形成装置の中から、ユーザーにジョブを行う画像形成装置を選択させることとしてもよい。
【0086】
ステップS38において、ジョブ依頼を承諾した画像形成装置がない場合(ステップS38;NO)、ステップS37の後、又は、ステップS39の後、制御部31は、ジョブが終了したか否かを判断する(ステップS40)。
ジョブが終了していない場合には(ステップS40;NO)、ステップS32に戻り、処理が繰り返される。
【0087】
ステップS40において、ジョブが終了した場合には(ステップS40;YES)、第2のリソース切替処理が終了する。
【0088】
図9は、画像形成装置20a,20b,・・・,20nにおいて実行される第2の応答処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部21と、記憶部29に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。ここでは、画像形成装置20aにおける処理を例にして説明する。
【0089】
まず、制御部21は、画像形成装置20aの周囲の環境としての光量を示す光量情報を光量センサー28から取得し、記憶部29に記憶されている光量情報を更新する(ステップS41)。
次に、制御部21は、通信部26により、機器管理サーバー30からジョブ依頼を受信したか否かを判断する(ステップS42)。
【0090】
機器管理サーバー30からジョブ依頼を受信した場合には(ステップS42;YES)、制御部21は、ステップS41で更新された光量情報に基づいて、画像形成装置20aの周囲にユーザーがいるか否かを判断する(ステップS43)。
【0091】
画像形成装置20aの周囲にユーザーがいないと判断した場合には、(ステップS43;NO)、制御部21は、ジョブの実行を承諾することを決定し、機器管理サーバー30に対して、通信部26を介して、ジョブの実行を承諾する旨の応答を通知する(ステップS44)。
一方、画像形成装置20aの周囲にユーザーがいると判断した場合には、(ステップS43;YES)、制御部21は、ジョブの実行を拒否することを決定し、機器管理サーバー30に対して、通信部26を介して、ジョブの実行を拒否する旨の応答を通知する(ステップS45)。
【0092】
ステップS42において、機器管理サーバー30からジョブ依頼を受信しない場合(ステップS42;NO)、ステップS44の後、又は、ステップS45の後、ステップS41に戻り、処理が繰り返される。
【0093】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、機器管理サーバー30は、各画像形成装置から取得した所定の処理の実行を承諾するか否かの決定結果に応じて、各画像形成装置のマシンリソースを切り替えるので、画像形成装置の利用を無駄に制限することを抑えつつ、他のユーザーの画像形成装置の利用を妨げることを防止することができる。また、各画像形成装置では、周囲にユーザーがいるか否かの判断結果に応じて、所定の処理の実行を承諾するか否かを決定するので、状況に応じた判断を行うことができる。
具体的には、或る画像形成装置の周囲にユーザーがいると判断された場合には、所定の処理の実行を拒否することで、他のユーザーの画像形成装置の利用を妨げない。
一方、或る画像形成装置の周囲にユーザーがいないと判断された場合には、所定の処理の実行を承諾することで、効率良く処理を行うことができる。
【0094】
上記第2の実施の形態では、機器管理サーバー30がPC10から指示されたジョブを、画像形成装置20a,20b,・・・,20nの中の一又は複数の画像形成装置に対して割り振る場合について説明したが、機器管理サーバー30が画像形成装置20a,20b,・・・,20nの中のいずれかの画像形成装置の操作部22から指示されたジョブのデータを取得し、画像形成装置20a,20b,・・・,20nの中の一又は複数の画像形成装置に対してジョブを割り振ることとしてもよい。
【0095】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る電子機器制御システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0096】
例えば、上記各実施の形態では、電子機器の周囲の環境を示す環境情報として、光量を示す情報を用いた場合について説明したが、電子機器の周囲の環境を示す環境情報として、音量、振動、温度の少なくともいずれか一つを示す情報を用いることとしてもよい。具体的には、音量が予め定められた閾値以上である場合には、ユーザーがいると判断し、音量が閾値未満である場合には、ユーザーがいないと判断する。また、振動が予め定められた閾値以上である場合には、ユーザーがいると判断し、振動が閾値未満である場合には、ユーザーがいないと判断する。また、温度が予め定められた範囲内である場合には、ユーザーがいると判断し、温度が範囲外である場合には、ユーザーがいないと判断する。また、複数の環境情報を組み合わせて、ユーザーがいるか否かを判断することとしてもよい。
【0097】
また、上記各実施の形態では、画像形成装置20a,20b,・・・,20nが光量情報を得るための光量センサー28を備える場合について説明したが、画像形成装置20a,20b,・・・,20nや機器管理サーバー30において、各画像形成装置20a,20b,・・・,20nが設置された周囲の環境を示す環境情報を取得可能であればよい。
【0098】
また、上記各実施の形態において、複数の画像形成装置によって分散処理を行う際、或る画像形成装置で行われた処理の結果(スキャンデータ等)を、分散処理を行う他の画像形成装置で利用する場合には、或る画像形成装置から他の画像形成装置へ処理結果を送信することとしてもよい。また、第2の実施の形態において、或る画像形成装置で行われた処理の結果を、機器管理サーバー30を介して他の画像形成装置へ受け渡すこととしてもよい。
【0099】
また、上記各実施の形態では、画像形成装置の周囲で検出された光量を所定の閾値と比較してユーザーの有無を判断する場合について説明したが、光量を複数のレベルに区切ってレベル毎にユーザーの人数と対応付けておき、人数に応じて、利用可能な画像形成装置のマシンリソースを段階的に切り替えることとしてもよい。
【0100】
また、上記各実施の形態では、分散処理又はジョブを依頼された画像形成装置において、自装置の周囲にユーザーがいると判断された場合に、分散処理又はジョブを拒否することとしたが、自装置の周囲にユーザーがいると判断された場合に、リソースを制限した状態で分散処理又はジョブを承諾することとしてもよい。