特許第6222252号(P6222252)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222252
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】空気調和装置の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20171023BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20171023BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20171023BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   F24F11/02 Z
   F25B49/02 520M
   F25B1/00 396A
   F24F1/00 401C
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-30594(P2016-30594)
(22)【出願日】2016年2月22日
(65)【公開番号】特開2016-191542(P2016-191542A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2016年2月22日
(31)【優先権主張番号】特願2015-68359(P2015-68359)
(32)【優先日】2015年3月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 隆
【審査官】 安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−231728(JP,A)
【文献】 特開平08−200904(JP,A)
【文献】 特開平11−153372(JP,A)
【文献】 特開2002−372317(JP,A)
【文献】 特許第5804027(JP,B2)
【文献】 国際公開第2016/084128(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
F24F 13/20
F25B 1/00
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気よりも比重の大きな微燃性ないしは可燃性冷媒を使用する熱交換器(3)により熱交換された調和空気を室内ファン(6)により吹出口(5)から室内に吹き出す、空気調和装置の室内機(1)であって、
漏洩冷媒を検知する冷媒検知部(8)と、
前記吹出口(5)の一部を閉止し得る吹出口開閉機構と
を備え、前記冷媒検知部(8)が冷媒の漏洩を検知したときに、前記吹出口開閉機構により前記吹出口(5)の一部を閉止することで通常運転時よりも当該吹出口(5)の吹出開口面積を減じた状態で前記室内ファン(6)を駆動させ
前記室内機(1)は床置き型の室内機(1)であり、
前記吹出口(5)は前記室内機(1)のケーシング(2)の上面に形成された長方形状の吹出口(5)であり、
前記室内機(1)は、前記長方形状の吹出口(5)の一長辺が壁面に沿うように壁際に配設され、
前記吹出口開閉機構は、前記長方形状の吹出口(5)のうち壁と反対側の長辺に沿った部分を閉止するように構成されている、空気調和装置の室内機(1)。
【請求項2】
前記吹出口(5)に複数のフラップ(10)が配設されており、前記複数のフラップ(10)の少なくとも一部は開閉可能なフラップ(10)であり、前記吹出口開閉機構は、前記開閉可能なフラップ(10)を閉止するように構成されている、請求項1に記載の空気調和装置の室内機(1)。
【請求項3】
前記吹出口(5)の一部を閉止し得る遮蔽板(20)が当該吹出口(5)に設けられており、前記吹出口開閉機構は、前記遮蔽板(20)で前記吹出口(5)の一部を閉止するように構成されている、請求項1に記載の空気調和装置の室内機(1)。
【請求項4】
前記室内機(1)の吸込口(4)に風速センサ(22)が配設されており、この風速センサ(22)により測定された風速が所定の値以下であるときに前記吹出口開閉機構により前記吹出口(5)をさらに閉止する、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機(1)。
【請求項5】
前記吹出口(5)は長方形状であり、
前記吹出口開閉機構は、漏洩検知前の吹出口形状と比較して前記吹出口(5)の形状のアスペクト比が1に近づくように当該吹出口(5)の一部を閉止する、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の空気調和装置の室内機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気調和装置の室内機に関する。さらに詳しくは、微燃性ないしは可燃性の冷媒を使用する空気調和装置の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって室内の冷暖房を行う空気調和装置においては、地球温暖化係数の低いR32冷媒の採用が進んでいる。しかし、R32冷媒は僅かな可燃性(微燃性)を有しており、特に、床置き型の室内機の場合、空気よりも比重が大きい冷媒が漏洩すると床面付近に滞留し、可燃濃度に達する可能性がある。このため、冷媒回路からの漏洩の有無を判定するために冷媒センサを室内機内に配置し、この冷媒センサが冷媒の漏れを検知すると、室内機に設けられた室内ファンを駆動させて当該漏洩冷媒を拡散させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の空気調和装置によれば、漏洩冷媒を送風により拡散させることで冷媒が可燃濃度に達するのを防止することができ、冷媒漏洩時における室内居住者に対する安全性を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−37619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、空気の汚れがひどい状態での運転が続き、室内機の空気吸込口に設けられたフィルタが目詰まりすると、室内ファンの送風量が低下する。例えば、居住空間のペリメーターゾーンの壁際に配置される室内機は、通常、床面から室内機上面の吹出口までの距離が600mm程度と短いため、送風量が低下すると風速が小さくなり、高い位置まで空気を吹き上げることができなくなる。吹出口から吹き上げられた空気が居住空間の高い位置から当該居住空間内に拡がることで、漏洩冷媒の効率的な拡散効果が得られるが、吹上げ高さが低くなると十分な拡散効果が得ることができなくなる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、漏洩冷媒の拡散効果を向上させることができる空気調和装置の室内機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の空気調和装置の室内機(以下、単に「室内機」ともいう)は、空気よりも比重の大きな微燃性ないしは可燃性冷媒を使用する熱交換器により熱交換された調和空気を室内ファンにより吹出口から室内に吹き出す、空気調和装置の室内機であって、
漏洩冷媒を検知する冷媒検知部と、
前記吹出口の一部を閉止し得る吹出口開閉機構と
を備え、前記冷媒検知部が冷媒の漏洩を検知したときに、前記吹出口開閉機構により前記吹出口の一部を閉止することで通常運転時よりも当該吹出口の吹出開口面積を減じた状態で前記室内ファンを駆動させ
前記室内機は床置き型の室内機であり、
前記吹出口は前記室内機のケーシングの上面に形成された長方形状の吹出口であり、
前記室内機は、前記長方形状の吹出口の一長辺が壁面に沿うように壁際に配設され、
前記吹出口開閉機構は、前記長方形状の吹出口のうち壁と反対側の長辺に沿った部分を閉止するように構成されている。
【0007】
本発明の室内機では、冷媒センサ等の冷媒検知部が冷媒の漏洩を検知したときに当該冷媒を拡散させる拡散運転を行う際に、吹出口開閉機構によって吹出口の一部を閉止して当該一部からの調和空気の吹出しを抑制又は遮断する。こうすることで、吹出口が全開放されている通常運転時よりも風速を大きくして当該吹出口から調和空気を吹き出すことができる。このため、漏洩冷媒の拡散効果を向上させることができる。例えば、床置き型の室内機の場合は、床面からの空気の吹上げ高さを高くすることができ、居住空間の高い位置から空気を拡散させることで、漏洩冷媒の拡散効率を高めることができる。また、フィルタの目詰まり等により吹出口からの風速が低下しているような場合でも当該吹出口の一部を閉止して吹出面積を小さくすることで吹出空気の風速を確保して漏洩冷媒の拡散効果を向上させることができる。
また、吹出口から吹き出された空気は壁に沿うようにして吹き出されるので、吹出口の面積を小さくして吹出空気の風速を上げたこととの相乗効果によって、空気の吹上げ高さを高くすることができる。その結果、居住空間の高い位置から漏洩冷媒が拡散されることになるので、当該漏洩冷媒が可燃濃度になる可能性が低くなる。
【0008】
なお、本明細書において「吹出口の一部の閉止」とは、当該一部からの空気の吹出しを実質的に遮断する場合だけでなく、例えば開閉可能なフラップを用いるときに、当該フラップの開度を小さくして空気の吹出しを抑制する場合も含む概念である。
【0009】
(2)上記(1)の室内機において、前記吹出口に複数のフラップが配設されており、前記複数のフラップの少なくとも一部は開閉可能なフラップであり、前記吹出口開閉機構は、前記開閉可能なフラップを閉止するように構成することができる。この場合、複数のフラップの一部を閉止することで吹出口の面積を小さくして当該吹出口からの吹出空気の風速を上げることができる。
【0010】
(3)上記(1)の室内機において、前記吹出口の一部を閉止し得る遮蔽板が当該吹出口に設けられており、前記吹出口開閉機構は、前記遮蔽板で前記吹出口の一部を閉止するように構成することができる。この場合、遮蔽板で吹出口の一部を閉止することで吹出口の面積を小さくして当該吹出口からの吹出空気の風速を上げることができる。
【0012】
)上記(1)〜()の室内機において、前記室内機の吸込口に風速センサが配設されており、この風速センサにより測定された風速が所定の値以下であるときに前記吹出口開閉機構により前記吹出口をさらに閉止することができる。この場合、風速センサにより測定された風速の値により吸込口に設けられたフィルタが目詰まりを起こしていると判断して、冷媒検知により閉止した部分よりもさらに吹出口を閉止して当該吹出口の吹出面積をさらに小さくすることで、吹出口から吹き出される空気の風速を確保することができる。これにより、漏洩冷媒の拡散効果を向上させることができる。
【0013】
)上記(1)〜()の室内機において、前記吹出口は長方形状であり、
前記吹出口開閉機構は、漏洩検知前の吹出口形状と比較して前記吹出口の形状のアスペクト比が1に近づくように当該吹出口の一部を閉止することができる。この場合、漏洩検知前の吹出口形状と比較してアスペクト比が1に近い、正方形に近い形状の吹出口から空気を吹き出すことで、同一面積の長方形状の吹出口から吹き出す場合に比べて吹出し距離を長くすることができ、漏洩冷媒の拡散効果を向上させることができる。例えば、床置き型の室内機の場合は、吹出口の形状のアスペクト比を1に近づけることで、当該吹出口から吹き出される空気の吹上げ高さを高くすることができる。

【発明の効果】
【0014】
本発明の室内機によれば、漏洩冷媒の拡散効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の室内機の一実施形態の正面説明図である。
図2図1に示される室内機の平面説明図である。
図3図1に示される室内機の側面説明図である。
図4】(a)は吹出口に配設されたフラップが全開状態のときのA−A線断面説明図であり、(b)は同フラップの一部が閉止状態のときのA−A線断面説明図である。
図5】本発明の室内機の他の実施形態における吹出口部分の断面説明図である。
図6】本発明の室内機のさらに他の実施形態の平面説明図である。
図7】(a)は吹出口に配設されたフラップが全開状態のときのB−B線断面説明図であり、(b)は同フラップが全閉状態のときのB−B線断面説明図である。
図8】本発明の室内機の他の実施形態の外観を示す斜視図である。
図9】本発明の室内機の他の実施形態の外観を示す正面図である。
図10図8〜9に示される室内機の前面下部パネル、下部パネルカバー及び垂直フラップを外した状態の正面図である。
図11図8のI−I線断面図である。
図12図9のII−II線断面図である。
図13】本発明を適用することができる室内機の外観を示す斜視図である。
図14図13に示される室内機の断面図である。
図15図13〜14に示される室内機の前面パネル及び前面グリルを外した状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の室内機の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る室内機1の正面説明図であり、図2は、図1に示される室内機1の平面説明図であり、図3は、図1に示される室内機1の側面説明図である。
【0017】
本実施形態に係る室内機1は、主として居住空間のペリメーターゾーンにおける壁際に配設される床置き型の室内機であり、箱型のケーシング2の下面(底面)に形成された吸込口4から空気が吸い込まれ、当該ケーシング2の上面に形成された吹出口5から調和空気が居住空間に吹き出される。吹出口5は長方形状を呈しており、その一長辺が壁面13(図2参照)に沿うように壁際に配置されている。ケーシング2の高さは、通常、床面から600mm程度であり、比較的低い位置から居住空間に調和空気が吹き出される。前記ケーシング2内には、図3に示されるように、熱交換器3及び室内ファン6が配設されている。熱交換器3はケーシング2内の上部領域に配設されており、室内ファン6は当該ケーシング2内の下部領域に配設されている。
【0018】
熱交換器3の下方にはドレンパン7が配設されており、このドレンパン7のさらに下方であって、ケーシング2の前面パネル2aの裏面に、冷媒の漏れを検知する冷媒検知部である冷媒センサ8が設けられている。冷媒センサ8は、前記熱交換器3からの冷媒の漏れ、又は当該熱交換器3の冷媒管3aと外部からの冷媒配管(図示せず)との接続部等からの冷媒の漏れを検知する。本実施形態では、吸込口4の裏面に当該吸込口4から機内に吸い込まれる空気の風速を測定する風速センサ22が配設されている。また、吸込口4にはフィルタ(図示せず)が設けられている。
【0019】
吹出口5には複数のフラップ10が配設されている。フラップ10はケーシング2の長手方向(図1〜2において左右方向)に沿って配設されている。フラップ10は帯板形状を呈しており、例えばABS等の合成樹脂により作製することができる。本実施形態では、6本のフラップ10のうち室内機1の前面側(図2において下側)の2本のフラップ10が、モータ9により開閉可能な構造とされている。残りの4本のフラップ10は手動で開度を調整できる構造とされている。本実施形態では、前記モータ9及び開閉可能な2本のフラップ10により吹出口開閉機構が構成されている。
【0020】
室内機1は、通常運転時には前記6本のフラップ10がすべて開放された状態(図4の(a)参照)である。そして、前記冷媒センサ8により冷媒の漏れが検知されると、この検知信号が図示しない室内機1の制御部に送信され、当該制御部からの駆動信号により前記モータ9が駆動して最も前面側の1本のフラップ10(図4において最も左側のフラップ)が閉止される。また、本実施形態では、前述したように吸込口4に風速センサ22が配設されており、この風速センサ22によって測定された風速の値が所定の値(例えば、設計風速の80%)以下であると、前記制御部からの駆動信号により前記モータ9が駆動して前面側から2本目のフラップ10も閉止される(図4の(b)参照)。すなわち、風速センサ22により測定された風速の値が所定の値以下の場合には吸込口4に設けられたフィルタが目詰まりを起こしていると判断して、冷媒検知により閉止した部分よりもさらに吹出口5を閉止して当該吹出口5の吹出面積をさらに小さくすることで、吹出口5から吹き出される空気の風速を確保している。本実施形態では、さらに1本のフラップ10を閉止し、合計2本のフラップ10を閉止している。
【0021】
室内機1の運転時には、仮に冷媒が漏れていたとしても漏洩冷媒は吸込口4から吸い込まれた空気により拡散されるため、前記冷媒センサ8により検知される可能性はほとんどなく、冷媒の漏洩は、通常は室内機1の運転停止時に検知される。この場合、まず最も前面側の1本のフラップ10が閉止された状態で室内ファン6が駆動され、さらに、風速センサ22によって測定された風速の値が所定の値以下であると、前面側から2本目のフラップ10も閉止される。なお、上記説明において、開閉可能な可動フラップの数および冷媒漏洩検知時に閉止されるフラップの数は一例であり、これらの数は他の数であってもよい。
【0022】
また、前述したようにフラップ10の「閉止」は、図4の(b)において実線で示されるように、フラップ10からの空気の吹出しを実質的に遮断する場合だけでなく、同じく図4の(b)において2点鎖線で示されるように、当該フラップ10の開度を小さくして空気の吹出しを抑制する場合も含まれる。
【0023】
冷媒センサ8が冷媒の漏洩を検知したときに当該冷媒を拡散させる拡散運転を行う際に、モータ9によって複数のフラップ10の一部を閉止して当該一部からの調和空気の吹出しを抑制又は遮断することで、吹出口5が全開放されている通常運転時よりも風速を大きくして当該吹出口5から調和空気を吹き出すことができる。これにより、床面からの空気の吹上げ高さを高くすることができ、居住空間の高い位置から空気を拡散させることで、漏洩冷媒の拡散効率を高めることができる。
【0024】
また、本実施形態では、長方形状の吹出口5のうち壁と反対側の長辺に沿った部分を閉止している。この場合、吹出口5から吹き出された空気は壁面13に沿うようにして吹き出されるので、吹出口5の面積を小さくして吹出空気の風速を上げたこととの相乗効果によって、空気の吹上げ高さを高くすることができる。その結果、居住空間の高い位置から漏洩冷媒が拡散されることになるので、当該漏洩冷媒が可燃濃度になる可能性が低くなる。
【0025】
図5は、本発明の他の実施形態に係る室内機における吹出口部分の断面説明図である。図5において、左側が室内機の前面側である。この実施形態では、室内機の吹出口18に合成樹脂製のグリル19が配設されている。そして、このグリル19の裏面側に前記吹出口18の一部を閉止し得る帯板形状(図5において紙面貫通方向に細長い形状)の遮蔽板20が配設されている。遮蔽板20の一側縁には回動軸17が設けられており、この回動軸17に同じくグリル19の裏面側に配設されたモータ21の回転軸(図示せず)が連結されている。モータ21を駆動させることにより遮蔽板20を、図5において二点鎖線で示される開放位置と、図5において実線で示される閉止位置との間を回動させることができる。本実施形態では、前記遮蔽板20、回動軸17及びモータ21が、吹出口18の一部を閉止し得る吹出口開閉機構を構成している。なお、遮蔽板はケーシング2の外部、すなわち、本実施形態ではグリル19の表面側に配置されていてもよい。
【0026】
通常運転時には、遮蔽板20は、2点鎖線で示される開放位置にある。そして、冷媒センサ8により冷媒の漏れが検知されると、この検知信号が図示しない室内機1の制御部に送信され、当該制御部からの駆動信号により前記モータ21が駆動して遮蔽板20が実線で示される位置まで回動し、吹出口18の一部が閉止される。こうして吹出口18の一部を閉止して当該一部からの調和空気の吹出しを抑制又は遮断することで、吹出口18が全開放されている通常運転時よりも風速を大きくして当該吹出口18から調和空気を吹き出すことができる。これにより、床面からの空気の吹上げ高さを高くすることができ、居住空間の高い位置から空気を拡散させることで、漏洩冷媒の拡散効率を高めることができる。
【0027】
図6は、本発明のさらに他の実施形態に係る室内機の平面説明図である。本実施形態では、吹出口30の長手方向の中央部分には合成樹脂製のグリル31が配設されており、当該グリル31の両側の左領域L及び右領域Rには、それぞれ開閉可能な複数のフラップ32が配設されている。複数のフラップ32には回転軸33がそれぞれ設けられており、各フラップ32は、回転軸33を回転中心として略垂直に立った開放状態(図7の(a)参照)と水平に倒れた閉止状態(図7の(b)参照)の2つの状態をとることができるように構成されている。そのために、複数のフラップ32は連動板34に接続されており、当該連動板34を水平方向に移動させることでフラップ32に前記2つの状態をとらせることができる。かかる連動板34の水平移動は、例えばステッピングモータ(図示せず)を用いて行うことができる。本実施形態では、前記フラップ32、回転軸33、連動板34及びステッピングモータが、吹出口30の一部を閉止し得る吹出口開閉機構を構成している。
【0028】
通常運転時には、フラップ32は、図7の(a)で示される開放位置にある。そして、冷媒センサ8により冷媒の漏れが検知されると、この検知信号が図示しない室内機1の制御部に送信され、当該制御部からの駆動信号により前記ステッピングモータが駆動して連動板34を水平移動させ、フラップ32を倒れた状態(図7の(b)参照)にして吹出口30の一部、すなわちグリル31が配設された中央部分の左右の領域が閉止される。こうして吹出口30の一部を閉止して当該一部からの調和空気の吹出しを抑制又は遮断することで、吹出口30が全開放されている通常運転時よりも風速を大きくして当該吹出口30から調和空気を吹き出すことができる。これにより、床面からの空気の吹上げ高さを高くすることができ、居住空間の高い位置から空気を拡散させることで、漏洩冷媒の拡散効率を高めることができる。
【0029】
また、本実施形態では、長方形状の吹出口30の両端の領域を閉止して、調和空気が吹出される領域の形状を、より正方形に近い形状にしている。換言すれば、漏洩検知前の吹出口形状と比較して、吹出口30の形状のアスペクト比が1に近づくように当該吹出口30の一部を閉止している。こうして、漏洩検知前の吹出口形状と比較してアスペクト比が1に近い、正方形に近い形状の吹出口から空気を吹き出すことで、同一面積の長方形状の吹出口から吹き出す場合に比べて吹出し距離を長くする、すなわち吹上げ高さを高くすることができ、漏洩冷媒の拡散効果を向上させることができる。
【0030】
図8は、本発明の他の実施形態に係る室内機120の外観を示す斜視図であり、図9は、同じく外観を示す正面図である。なお、以下の図8〜12に係る室内機の説明では、図8において矢印で示されている方向に沿って、左右、前後、上下の説明を行う。
【0031】
室内機120は、室内の床上に設置される床置型である。室内機120は、高さ方向(鉛直方向)に長い形状をしており、高さ方向中央部から上部及び下部それぞれにかけて徐々に幅が細くなっている。室内機120の外表面は、ケーシング部材131により形成されている。
【0032】
ケーシング部材131は合成樹脂製であり、主に前面から側面を覆う前面カバーと、側面から背面を覆う背面カバー131bとから構成されている。前面カバーは、さらに前面上部パネル131a、前面下部パネル131c、及び下部パネルカバー133等のパーツから構成されている。
【0033】
前面上部パネル131aは、室内機120の上部の側面から上部の背面にかけて覆い、吹出口Qのための鉛直に長い長方形の孔が前面の幅方向中央に形成されている。前面下部パネル131cは、室内機120の下部の側面から下部の前面にかけて覆い、吸込口Pのための鉛直に長い長方形の孔が前面の幅方向中央に形成されている。また、前面下部パネル131cには、両側面にあたる部分にも吸込口Pのための孔が格子状に形成されている。
【0034】
下部パネルカバー133は、前面下部の幅方向中央の吸込口Pとして形成されている孔の前を覆う。下部パネルカバー133の幅方向両端と、前面下部パネル131cとの間には、隙間が形成されている。この隙間は、室内の空気を室内機120の内部に取り込む吸込口Pとなっている。
【0035】
室内機120の前面のうち高さ方向中央部より上方には、高さ方向に長い2枚の垂直フラップ132が設けされている。2枚の垂直フラップ132の後方、すなわち背面側には、熱交換器121を通過した空気が吹き出される吹出口Qが設けられている。2枚の垂直フラップ132を合わせた幅と下部パネルカバー133との幅とは、同じであり、2枚の垂直フラップ132を合わせた左右両端と下部パネルカバー133の左右両端が揃うように構成されている。このため、優れた美観を生ずる。前面上部パネル131aの吹出口Qに近接する部分には、窪み131dが設けられている。
【0036】
室内ファン122は、例えばシロッコファンであり、図10に示されるように、室内機120の高さ方向の中央部より下方に設けられ、下部パネルカバー133及び吸込口Pの後方に位置する。室内ファン122は、室内の空気を室内機120の内部に吸い込む。吸い込まれた空気は、室内機120内を上方に移動する。
【0037】
図11は、図8のI−I線断面図であり、図12は、図9のII−II線断面図である。室内ファン122により室内機120の内部に吸い込まれた室内の空気は、室内機120内を上方に移動し、図11に示されている熱交換器121を通過する。熱交換器121を通過する際に冷媒との間で熱交換器が行われた空気は、吹出口Qから室内に吹き出される。熱交換器121の下方には、漏洩冷媒を検知する冷媒センサ(図示せず)が配設されている。
【0038】
吹出口Qは、室内機120の前面の高さ方向中央部より上方に設けられている。吹出口Qは、高さ方向に長い長方形の形状をしており、室内機120の内部から室内への開口である。吹出口Qは、吹出口形成部材により形成されている。
【0039】
図11に示されるように、吹出口Qの奥に熱交換器121が配置されており、その前方に水平フラップ134が設けられている。水平フラップ134の前方には、垂直フラップ132が設けられている。
【0040】
水平フラップ134は、吹出口Q内に高さ方向に並んで複数設けられている。複数の水平フラップ134は、上下方向に並びかつそれぞれ水平方向に延びる回動軸136により軸支されている。複数の水平フラップ134は、これら回動軸136を支点として回動することにより、それぞれ水平方向に傾くように構成されている。
【0041】
垂直フラップ132は、2つ設けられており、左側が第1垂直フラップ132aであり、右側が第2垂直フラップ132bである。これら2つの垂直フラップ132は、それぞれ鉛直方向に延びる回動軸135により軸支されており、図示しない第1及び第2アクチュエータにより駆動されて回動することにより、それぞれ別々に左右方向に傾くように構成されている。垂直フラップ132は、当該左右方向の傾きにより風向を左右方向に調整する。2枚の垂直フラップ132は、吹出口Qから空気が吹き出されない場合は、吹出口Qを閉じた閉状態となるように構成されている。すなわち、閉状態では、図9及び図12に示されるように、第1垂直フラップ132aは、吹出口Qの左端近傍部(左半分)を覆い、第2垂直フラップ132bは、吹出口Qの右端近傍部(右半分)を覆うように構成されている。なお、2枚の垂直フラップ132が閉状態のとき、吹出口Qは、垂直フラップ132の背面側に隠れ、外からは視認することができない。
【0042】
垂直フラップ132は、図12において2点鎖線で示されるように、閉状態から内向きに回動し、吹出口Qが外観上視認可能な開状態となる。具体的には、左側の第1垂直フラップ132aは、その左端が前方に移動し、その右端が後方に移動するように回動する。右側の第2垂直フラップ132bは、その右端が前方に移動し、その左端が後方に移動するように回動する。この開状態のときに吹出口Qから熱交換器121を通過した空気を室内に吹き出すことが可能となる。
【0043】
複数の水平フラップ134のうち、上半分の水平フラップ134aは、互いに連結部材163aにより連結されており、図示しない第3のアクチュエータにより駆動されて一緒に動くように構成されている。また、下半分の水平フラップ134bも互いに連結部材163bにより連結されており、図示しない第4のアクチュエータにより一緒に動くように構成されている。複数の水平フラップ134は、当該上下方向の傾きにより吹出口Qからの風向を上下方向に調整する。
【0044】
図8〜12に係る実施形態においても、冷媒の漏洩時には、吹出口Qの前方(室内側)に配設されている水平フラップ134及び/又は当該水平フラップ134の前方に配設さえている垂直フラップ132の開閉及び開度を調整して開口を狭くすることにより、前述した実施形態と同様に、通常運転時よりも風速を大きくして室内に調和空気を吹き出すことができる。これにより、漏洩冷媒の拡散効果を向上させることができる。
【0045】
〔その他の変形例〕
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、床置き型の室内機における吹出口に配設される複数のフラップの一部の開閉又は遮蔽板の開閉により、吹出口から吹き出される調和空気の風速を上げているが、これ以外に、例えば複数の吹出口を有しており、各吹出口にフラップが配設された天井埋め込み型の室内機や天吊り型の室内機において、複数の吹出口の一部をフラップで閉止することで、室内機の吹出口の一部を閉止することもできる。
【0046】
また、前述した実施形態では、フラップを略完全に閉止することで吹出口の一部を閉止しているが、例えば、吹出口に配設された回転可能なフラップにより風向を変更することができる壁掛け型の室内機において、当該フラップの角度調整により吹出口を狭めることで、吹出口の一部を閉止することもできる。
【0047】
また、前述した実施形態では、冷媒検知部である冷媒センサにより冷媒の漏れを検知しているが、例えばサーミスタにより蒸発器の温度とその周囲温度との温度差、又は、凝縮器の温度とその周囲温度との温度差を求め、いずれかの温度差が基準値未満の状態が所定時間継続したときにガス欠、すなわち冷媒漏れと判断することもできる。この場合は、サーミスタ等の温度センサが、本発明における冷媒検知部を構成する。
【0048】
また、同じ床置き型の室内機であるが、前述した実施形態に係る室内機とは異なるタイプの床置き型室内機にも本発明を適用することができる。例えば図13〜15に示される床置き型の室内機202にも本発明を適用することができる。図13〜15に示される室内機202は、主として、ケーシングユニット250と、ケーシングユニット250の内部に収容される熱交換器220及び室内ファン221とを備えている。なお、図13および図15において、符号X、YおよびZは、それぞれ室内機202の左右方向、前後方向および上下方向を示している。
【0049】
室内機202の外観を構成するケーシングユニット250は、底フレーム251と、前面グリル252と、前面パネル253とを備えている。このケーシングユニット250により形成される内部空間は、図15に示されるように、熱交換器220や室内ファン221等が設置されるファン室250Aと、電装品ユニット222等が設けられる配管室250Bとに区分される。
【0050】
底フレーム251は、略長方形状であって、室内機202の背面部分を構成している。そして、底フレーム251の下部には、接続配管を配管室250Bに導入するための配管導入口251aが設けられている。
【0051】
前面グリル252は、底フレーム251の前面側に取り付けられる。この前面グリル252の上部には上側吹出口252aが設けられるとともに、前面グリル252の下部には下側吹出口252bが設けられている。また、上側吹出口252aには、フラップ254が回動自在に設けられており、空調運転時には上側吹出口252aから冷風又は温風を所望の方向に吹き出すようにし、空調運転停止時には上側吹出口252aを覆うようにしている。この前面グリル252の中央部分には、略長方形状の開口が設けられている。この開口には、後述する前面パネル253の各吸込口253a、253b、253c(図13参照)から吸い込まれた空気に含まれる塵埃を捕集するフィルタ255が設けられている。
【0052】
前面パネル253は、図13に示されるように、前面グリル252の開口を覆うように取り付けられている。この前面パネル253の上部には上側吸込口253aが設けられているとともに、前面パネル253の下部には下側吸込口253bが設けられている。これら上側吸込口253a及び下側吸込口253bは、幅方向(X方向)に長尺な開口であるとともに、側方吸込口253cは、上下方向(Z方向)に長尺な開口である。これにより、上下左右の四方向から室内空気を吸い込むことが可能となり、当該吸込口253a、253b、253cから吸い込んだ空気を均等に熱交換器220を通過させ、上側吹出口252aおよび下側吹出口252bから吹き出すことが可能となる。
図13〜15に示されるような、中央から室内の空気を吸い込み、上下の吹出口から調和空気を吹き出すタイプの床置き型室内機にも本発明を好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 :室内機
2 :ケーシング
2a:前面パネル
3 :熱交換器
3a:冷媒菅
4 :吸込口
5 :吹出口
6 :室内ファン
7 :ドレンパン
8 :冷媒センサ(冷媒検知部)
9 :モータ
10 :フラップ
13 :壁面
17 :回動軸
18 :吹出口
19 :グリル
20 :遮蔽板
21 :モータ
22 :風速センサ
30 :吹出口
31 :グリル
32 :フラップ
33 :回転軸
34 :連動板
120:室内機
121:熱交換器
122:室内ファン
131:ケーシング部材
131a:前面上部パネル
131b:背面カバー
131c:前面下部パネル
131d:窪み
132:垂直フラップ
132a:第1垂直フラップ
132b:第2垂直フラップ
133:下部パネルカバー
134:水平フラップ
135:回動軸
136:回動軸
Q :吹出口
P :吸込口
163a:連結部材
163b:連結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15