(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の加圧回転体は、前記支持部材の前記搬送方向の上流側に対向する位置と、前記支持部材の前記搬送方向の下流側に対向する位置とに配置されている請求項1に記載の定着装置。
前記ニップ部は、前記上流側に対向して配置される加圧回転体の位置に形成される第1加圧領域と、前記下流側に対向して配置される加圧回転体の位置に形成される第2加圧領域と、前記第1加圧領域及び前記第2加圧領域の間に形成される中間領域とを含み、前記搬送方向に直線状に形成される請求項2に記載の定着装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書において、「第1実施形態」を「参考例」に、「第2実施形態」を「第1実施形態」に、「第3実施形態」を「第2実施形態」に、「第4実施形態」を「第3実施形態」に、それぞれ読み替えるものとする。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。
【0021】
〔全体構成〕
図1には、本実施形態の画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、用紙Pを搬送するロール対13を含む搬送部12と、搬送部12により搬送される用紙P上にトナーTを用いてトナー像Gを形成する画像形成部14と、形成されたトナー像Gを加熱及び加圧して用紙Pに定着する定着装置30と、を有する。用紙Pは、記録媒体の一例である。トナーTは、現像剤の一例である。トナー像Gは現像剤像の一例である。画像形成部14は、現像剤像形成手段の一例である。
【0022】
なお、以下の説明では、
図1に矢印Yで示す方向を装置高さ方向、矢印Xで示す方向を装置幅方向とする。また、装置高さ方向及び装置幅方向のそれぞれに直交する方向(Zで示す)を装置奥行き方向とする。そして、画像形成装置10を正面視して、装置高さ方向、装置幅方向、装置奥行き方向をY方向、X方向、Z方向と記載する。さらに、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、画像形成装置10を正面視して、上側をY側、下側を−Y側、右側をX側、左側を−X側、奥側をZ側、前側を−Z側と記載する。定着装置30における用紙Pの搬送経路Eは、一例として、X方向に沿っている。
【0023】
画像形成部14は、複数の画像形成ユニット20と、複数の画像形成ユニット20の各部の動作を制御して用紙P上にトナー像Gを形成させる制御部22とを有している。画像形成ユニット20は、一例として、公知の電子写真方式である帯電、露光、現像、転写の各工程を行うように構成されている。
【0024】
〔要部構成〕
次に、定着装置30について説明する。
【0025】
図2に示す定着装置30は、用紙Pの搬送経路EのY側に設けられトナー像Gを加熱する加熱部32と、搬送経路Eの−Y側に設けられ用紙P及びトナー像Gを加熱部32に向けて加圧する加圧部34とを有している。本実施形態では、一例として、定着装置30における用紙Pの搬送方向が、既述のようにX方向となっており、X方向と直交する直交方向(用紙Pの幅方向)がZ方向となっている。
【0026】
<加熱部>
加熱部32は、定着ベルト36と、モータ37と、ホルダ38と、パッド42と、ハロゲンランプ44と、反射部材46と、伝熱部材48と、摺動シート52と、図示しない温度センサとを有している。定着ベルト36は、加熱ベルトの一例である。パッド42は、支持部材の一例である。
【0027】
(定着ベルト)
定着ベルト36は、Z方向の幅が用紙Pの幅よりも長い無端状のエンドレスベルトとされており、一例として、基層と、該基層の外周面に被覆された離型層とから構成されている。基層を構成する材料としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミドなどのポリマーや、ステンレス、ニッケル、銅などの金属が挙げられる。本実施形態では、一例として、ポリイミドを用いている。離型層は、一例として、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)製となっている。
【0028】
また、定着ベルト36は、用紙Pの搬送経路Eに対してY側にZ方向を軸方向として、該軸周りに回転(周回移動)可能に設けられている。具体的には、定着ベルト36のZ方向両端部には、図示しない軸部を有するキャップが嵌められており、該軸部が図示しない軸受により回転可能に支持されている。該軸部には図示しないギヤが嵌められており、該ギヤが後述するモータ37により駆動されることで、該軸部及び定着ベルト36が回転するようになっている。
【0029】
さらに、定着ベルト36は、後述するパッド42と加圧ロール56、58とで挟まれている。加えて、定着ベルト36のキャップが嵌まっていない部位は、定着ベルト36の内側に向けて作用する外力に対する剛性により、Z方向に見て、後述するニップ部N以外において、半円に近い移動の軌跡を描いて周回するようになっている。また、定着ベルト36の外周面は、搬送経路Eを搬送されてきた用紙P上のトナー像Gと接触する。そして、定着ベルト36は、後述する伝熱部材48により加熱されることで、後述するニップ部Nにおいて、用紙P上のトナー像G(トナーT)を加熱するようになっている。
【0030】
定着ベルト36の温度は、図示しない温度センサにより検知されるようになっている。そして、制御部22(
図1参照)は、該温度センサにより検知された温度が、定着装置30における設定温度よりも低い場合に後述するハロゲンランプ44に通電し、設定温度よりも高い場合にハロゲンランプ44への通電を停止するようになっている。なお、設定温度とは、トナー像Gを用紙Pに定着可能となる温度(定着温度)である。
【0031】
(モータ)
モータ37は、制御部22(
図1参照)により回転及び停止が制御されるようになっている。また、モータ37は、図示しないギヤ及びキャップを介して定着ベルト36に接続されており、定着ベルト36を周回移動させるようになっている。そして、後述する加圧ロール56及び加圧ロール58は、定着ベルト36の移動に伴い従動回転するようになっている。
【0032】
(ホルダ)
ホルダ38は、板金製でZ方向に定着ベルト36の幅よりも長い長尺状の部材であり、X−Y断面がU字状に形成された部材である。また、ホルダ38は、定着ベルト36の内側にY側に開口した状態で配置されている。ホルダ38は、Z方向両端部が図示しないブラケットにより支持されている。
【0033】
(パッド)
パッド42は、一例として、PET(ポリエチレンテレフタレート)製であり、Z方向の幅が定着ベルト36のZ方向の幅とほぼ同じ長さの長尺状で樹脂製の部材である。また、パッド42は、X−Y断面がX方向に長い矩形状とされている。さらに、パッド42は、定着ベルト36の内側でホルダ38のX方向に沿った下壁に固定されることにより、定着ベルト36の内側に設けられている。加えて、パッド42の−Y側の面には、後述する摺動シート52が接触している。パッド42のX方向両端部は、定着ベルト36に向けて凸となるR形状とされている。そして、パッド42は、定着ベルト36が加圧されたときに摺動シート52を介して定着ベルト36を支持するようになっている。
【0034】
(ハロゲンランプ)
ハロゲンランプ44は、定着ベルト36の内側でかつ後述する反射部材46よりもY側に、反射部材46とは非接触状態でZ方向を長手方向として設けられている。ハロゲンランプ44の発光部のZ方向の長さは、画像形成装置10(
図1参照)に使用される用紙Pのうち、最大幅の用紙PのZ方向の長さとほぼ同じ長さとなっている。そして、ハロゲンランプ44は、図示しない電源からの通電により点灯して輻射熱(光)を放射するようになっている。
【0035】
(反射部材)
反射部材46は、Z方向を長手方向とする板材を短手方向の複数箇所でU字状に屈曲させた部材である。反射部材46の一端部は、ホルダ38に固定されている。また、反射部材46は、ホルダ38のY側を覆うように配置され、ハロゲンランプ44と対向している。反射部材46のハロゲンランプ44と対向する面は鏡面とされている。そして、反射部材46は、ハロゲンランプ44の光をニップ部N側とは反対側(伝熱部材48側)に向けて反射させるようになっている。
【0036】
(伝熱部材)
伝熱部材48は、Z方向の長さが定着ベルト36のZ方向の長さよりも長い部材であり、定着ベルト36の内側でかつハロゲンランプ44よりもY側に配置されている。また、伝熱部材48は、一端部が反射部材46と共にホルダ38に固定され、中央から他端にかけて湾曲した湾曲部が定着ベルト36の内周面と接触している。そして、伝熱部材48は、定着ベルト36との接触状態において、ハロゲンランプ44の輻射熱を吸収して定着ベルト36に熱を伝えるようになっている。
【0037】
(摺動シート)
摺動シート52は、パッド42の−Y側の面を覆った状態でホルダ38に固定されている。また、摺動シート52は、定着ベルト36が後述する加圧部34により加圧されることで、定着ベルト36とパッド42とに挟まれている。さらに、摺動シート52は、定着ベルト36とパッド42との摩擦係数よりも、定着ベルト36と摺動シート52との摩擦係数の方が低くなる材料で構成されている。
【0038】
<加圧部>
加圧部34は、一例として、X方向に並べられた加圧ロール56及び加圧ロール58を有している。加圧ロール56及び加圧ロール58は、加圧回転体の一例である。
【0039】
加圧ロール56は、用紙Pの搬送方向におけるパッド42の中央よりも上流側の部位と対向する位置に、Z方向を軸方向として配置されている。また、加圧ロール56は、円柱状の芯金56Aと、芯金56Aの外周面に形成されたスポンジ層56Bとを有している。芯金56Aの軸方向両端部は、図示しないブラケットに取り付けられたベアリングにより回転可能に支持されている。
【0040】
さらに、芯金56Aは、スポンジ層56Bの外周面が定着ベルト36の外周面と接触して後述するニップ部N内に加圧領域を形成するように、バネ57により定着ベルト36に向けて押し付けられている。このように、加圧ロール56は、Z方向を軸方向として該軸回りに回転可能に設けられ、定着ベルト36をパッド42に向けて加圧して、第1加圧領域N1を形成している。第1加圧領域N1は、用紙Pの搬送方向における後述するニップ部Nの上流側部分(用紙Pの進入側部分)を構成している。
【0041】
加圧ロール58は、用紙Pの搬送方向におけるパッド42の中央よりも下流側の部位と対向する位置に、Z方向を軸方向として配置されている。また、加圧ロール58は、円柱状の芯金58Aと、芯金58Aの外周面に形成されたスポンジ層58Bとを有している。芯金58Aの軸方向両端部は、図示しないブラケットに取り付けられたベアリングにより回転可能に支持されている。
【0042】
さらに、芯金58Aは、スポンジ層58Bの外周面が定着ベルト36の外周面と接触して後述するニップ部N内に加圧領域を形成するように、バネ57により定着ベルト36に向けて押し付けられている。このように、加圧ロール58は、Z方向を軸方向として該軸回りに回転可能に設けられ、定着ベルト36をパッド42に向けて加圧して、第2加圧領域N2を形成している。第2加圧領域N2は、用紙Pの搬送方向における後述するニップ部Nの下流側部分(用紙Pの出口側部分)を構成している。そして、加圧ロール56及び加圧ロール58は、定着ベルト36及び用紙P上のトナー像G(トナーT)をパッド42に向けて加圧する。
【0043】
ここで、定着ベルト36と加圧ロール56とが用紙Pを挟む部位から、定着ベルト36と加圧ロール58とが用紙Pを挟む部位までをニップ部Nと称する。つまり、加圧ロール56、58は、定着ベルト36と共に用紙Pを挟むニップ部Nを形成している。本実施形態では、一例として、Z方向に見て、ニップ部NがX方向に沿った直線状に形成されている。
【0044】
また、本実施形態では、一例として、芯金56Aの外径と芯金58Aの外径がほぼ同じ長さとなっており、スポンジ層56Bの外径とスポンジ層58Bの外径がほぼ同じ長さとなっている。第1加圧領域N1のX方向における幅L1は、第2加圧領域N2のX方向の幅L2とほぼ同じ長さとなっている。なお、ニップ部Nにおける第1加圧領域N1と第2加圧領域N2との間の領域を中間領域Mと称する。中間領域MのX方向における幅L3は、一例として、幅L1、幅L2よりも長くなっている。ニップ部NのX方向の合計幅は、L1+L2+L3である。
【0045】
中間領域Mは、定着ベルト36がパッド42により内側(Y側)から支持されかつ用紙Pが−Y側から支持されていない領域である。つまり、中間領域Mでは、用紙Pが、第1加圧領域N1及び第2加圧領域N2の加圧によりX方向に張られているが、用紙Pには加圧力が作用していない。ここで、ニップ部Nにおいて用紙Pに作用する単位面積当たりの力について、第1加圧領域N1での加圧力をPS1、第2加圧領域N2での加圧力をPS2、中間領域Mでの加圧力をPS3(=0)とする。本実施形態では、一例として、PS1=PS2>PS3となっている。
【0046】
〔作用〕
次に、第1実施形態の作用について説明する。
【0047】
図1に示す画像形成装置10では、画像形成部14による用紙Pへのトナー像Gの形成に合わせて、定着装置30の立ち上げ動作が開始される。具体的には、
図2に示す定着装置30において、ハロゲンランプ44が点灯され、モータ37により定着ベルト36が周回移動を開始し、加圧ロール56及び加圧ロール58が従動回転を開始する。このとき、定着ベルト36のニップ部N側とは反対側の部位において、ハロゲンランプ44により加熱された伝熱部材48と定着ベルト36の内周面とが接触して定着ベルト36が加熱され、定着ベルト36の温度が定着温度となる。ニップ部Nでは、搬送されてきた用紙P上のトナー像Gが、加熱及び加圧されることで、用紙Pに定着される。
【0048】
具体的には、
図3(A)に示すように、ニップ部Nに進入した用紙P上のトナー像Gは、第1加圧領域N1において、定着ベルト36により加熱されて溶融すると共に加圧ロール56による加圧力で加圧され始める。
【0049】
続いて、
図3(B)に示すように、第1加圧領域N1を通って中間領域Mに進入した用紙P上のトナー像Gは、定着ベルト36に加熱され続けて溶融が進行する。
【0050】
続いて、
図3(C)に示すように、中間領域Mから第2加圧領域N2に進入した用紙P上のトナー像Gは、第2加圧領域N2において、定着ベルト36により加熱されて溶融すると共に加圧ロール58による加圧力で加圧される。このように、用紙P上のトナー像Gは、3段階の加熱と2段階の加圧とが行われることにより、用紙Pに定着される。
【0051】
ここで、
図2に示す定着装置30では、第1加圧領域N1及び第2加圧領域N2が形成されていることによって、1つの加圧部材によりニップ部Nを形成する場合に比べて、広いニップ幅が確保される。さらに、第1加圧領域N1及び第2加圧領域N2で用紙Pに加圧力が作用することにより、中間領域Mにおいて用紙Pが搬送方向に張られた状態となり、用紙P上のトナー像Gの加熱が行われる。つまり、第1加圧領域N1及び第2加圧領域N2だけでなく中間領域Mもニップ部Nに含まれるので、さらに広いニップ幅が確保される。
【0052】
また、定着装置30では、複数の加圧ロール56及び加圧ロール58を用いてニップ部Nを形成しており、1つのベルトを用いてニップ部Nを形成する構成に比べて、加圧ロール56及び加圧ロール58の外径を小さくすることが可能となる。これにより、ニップ部Nにおける定着ベルト36と加圧部材との接触面積が小さくなり、ニップ部NにおけるZ方向の加圧力のばらつきが抑制されるので、定着ベルト36がZ方向に蛇行することが抑制される。特に、定着装置30では、加圧部34を構成する加圧ロール56及び加圧ロール58が回転する。このため、回転しない加圧部材を含む構成に比べて、定着ベルト36の周回移動が安定するので、定着ベルト36がZ方向に蛇行することが抑制される。
【0053】
さらに、定着装置30では、ニップ部Nのうち第1加圧領域N1及び第2加圧領域N2において定着ベルト36の加圧が行われるが、中間領域Mでは定着ベルト36の加圧がほとんど行われない。このため、ニップ部N全体で加圧を行う構成に比べて、ニップ部NにおけるZ方向の加圧力のばらつきが抑制されるので、定着ベルト36がZ方向に蛇行することが抑制される。
【0054】
加えて、定着装置30では、加圧ロール56及び加圧ロール58を用いることで、1本の加圧ロールを用いて同じニップ幅を得る場合に比べて、加圧ロール56及び加圧ロール58の直径が小さくなり、つまり、加圧部34を設けるのに必要なスペースが小さくなる。これにより、定着装置30の小型化が可能となる。
【0055】
また、定着装置30では、中間領域Mが形成されており、中間領域Mの幅L3が、第1加圧領域N1の幅L1、第2加圧領域N2の幅L2よりも長くなっている。これにより、ニップ部N全体で加圧を行う構成に比べて、用紙Pが加圧される領域が小さくなるので、用紙Pにしわが生じ難くなる。
【0056】
画像形成装置10(
図1参照)では、定着装置30において定着ベルト36のZ方向の蛇行が抑制されることで、用紙P上にトナー像Gを定着するときに、用紙P上でのトナー像Gの位置ずれが抑制される。このため、定着装置30を有さない構成に比べて、画像形成装置10における画像不良(例えば、画像の位置ずれ)が抑制される。
【0057】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0058】
図4には、第2実施形態の定着装置70が示されている。定着装置70は、第1実施形態の定着装置30(
図2参照)において、加圧ロール58(
図2参照)に換えて駆動ロール72及びモータ74が設けられている。駆動ロール72は、加圧回転体の一例である。モータ74は、駆動手段の一例である。また、定着ベルト36は、モータ37(
図2参照)が取り外され、駆動ロール72の回転により従動回転するようになっている。
【0059】
駆動ロール72は、用紙Pの搬送方向(X方向)におけるパッド42の中央よりも下流側の部位と対向する位置に、Z方向を軸方向として配置されている。つまり、駆動ロール72は、搬送方向の最下流に配置されている。また、駆動ロール72は、円柱状の芯金72Aと、芯金72Aの外周面に形成されたゴム層72Bとを有している。芯金72Aの軸方向両端部は、図示しないブラケットに取り付けられたベアリングにより回転可能に支持されている。
【0060】
なお、芯金72Aは、ゴム層72Bの外周面が定着ベルト36の外周面と接触してニップ部N内に第2加圧領域N2を形成するように、パッド42及び定着ベルト36に対する配置が予め設定されている。つまり、駆動ロール72は、バネにより加圧されていないが、定着ベルト36及び用紙P(トナー像G含む)を加圧するようになっている。
【0061】
モータ74は、制御部22(
図1参照)により回転及び停止が制御されるようになっている。また、モータ74は、図示しないギヤを介して芯金72AのZ方向一端部に接続されており、駆動ロール72を軸回りに回転させる。
【0062】
〔作用〕
次に、第2実施形態の作用について説明する。
【0063】
図4に示す定着装置70において、モータ74が駆動され駆動ロール72が回転すると、定着ベルト36が周回移動する。そして、定着ベルト36が周回移動することにより、加圧ロール56が従動回転する。ここで、中間領域Mから第2加圧領域N2に進入した用紙Pは、第2加圧領域N2で加圧されると共に駆動ロール72の回転によりX方向下流側へ引っ張られた状態で搬送される。これにより、加圧側のロールが全て従動回転する構成に比べて、第2加圧領域N2に用紙Pが進入し易くなるので、用紙Pの搬送性が上がる。
【0064】
定着装置70を有する画像形成装置10(
図1参照)では、定着装置70において定着ベルト36のZ方向の蛇行が抑制されることで、用紙P上にトナー像Gを定着するときに、用紙P上でのトナー像Gの位置ずれが抑制される。このため、定着装置70を有さない構成に比べて、画像形成装置10における画像不良(例えば、画像の位置ずれ)が抑制される。
【0065】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1、第2実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1、第2実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0066】
図5には、第3実施形態の定着装置80が示されている。定着装置80は、ニップ部Nを形成する加熱部32及び加圧部82を有している。また、定着ベルト36は、モータ37(
図2参照)が取り外され、後述する駆動ロール86の回転により従動回転するようになっている。
【0067】
加圧部82は、一例として、X方向に並べられた加圧ベルト84及び駆動ロール86と、モータ74と、加圧ベルト84の内側に設けられ加圧ベルト84及び定着ベルト36をパッド42に向けて押圧する押圧部88とを有している。加圧ベルト84及び駆動ロール86は、加圧回転体の一例である。押圧部88は、押圧手段の一例である。
【0068】
(駆動ロール)
駆動ロール86は、用紙Pの搬送方向であるX方向におけるパッド42の中央よりも下流側の部位と対向する位置に、Z方向を軸方向として設けられている。また、駆動ロール86は、円柱状の芯金86Aと、芯金86Aの外周面に形成されたゴム層86Bとを有している。芯金86Aの軸方向両端部は、図示しないブラケットに取り付けられたベアリングにより回転可能に支持されている。
【0069】
なお、芯金86Aは、ゴム層86Bの外周面が定着ベルト36の外周面と接触してニップ部N内に第2加圧領域N2を形成するように、パッド42及び定着ベルト36に対する配置が予め設定されている。つまり、芯金86Aは、バネなどの加圧手段により加圧されていないが、定着ベルト36及び用紙P(トナー像G含む)を加圧するようになっている。ゴム層86Bの材料(例えばシリコンゴム)は、第2加圧領域N2の加圧力が第1加圧領域N1の加圧力よりも大きくなるように設定されている。モータ74は、図示しないギヤを介して芯金86AのZ方向一端部に接続されており、駆動ロール86を軸回りに回転させる。
【0070】
(加圧ベルト)
加圧ベルト84は、Z方向の幅が用紙Pの幅よりも長いエンドレスベルトとされており、一例として、基層と、該基層の外周面に被覆された離型層とから構成されている。基層を構成する材料としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミドなどのポリマーや、ステンレス、ニッケル、銅などの金属が挙げられる。本実施形態では、一例として、ポリイミドを用いている。離型層は、一例として、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)製となっている。
【0071】
また、加圧ベルト84は、X方向におけるパッド42の中央よりも上流側と対向する位置に、Z方向を軸方向として該軸周りに回転(周回移動)可能に設けられている。具体的には、加圧ベルト84は、定着ベルト36と、後述する加圧パッド94とで挟まれており、駆動ロール86の回転により従動回転する定着ベルト36の回転によって、従動回転するようになっている。
【0072】
さらに、加圧ベルト84は、定着ベルト36と共に用紙Pを挟む第1加圧領域N1を形成している。第1加圧領域N1は、用紙Pの搬送方向におけるニップ部Nの上流側部分(用紙Pの進入側部分)を構成している。なお、加圧ベルト84の外周面は、搬送経路Eを搬送されてきた用紙Pのトナー像G側とは反対側の面と接触する。そして、加圧ベルト84は、後述する押圧部88により押圧されることで、用紙P上のトナー像Gを加圧するようになっている。
【0073】
(押圧部)
押圧部88は、一例として、ホルダ92と、加圧パッド94と、バネ96とを有している。
【0074】
ホルダ92は、Z方向を長手方向とする板金を短手方向に屈曲させた部材であり、Z方向に見て逆L字状に形成されている。また、ホルダ92は、加圧ベルト84の内側に加圧ベルト84とは接触しないように配置されており、Z方向両端部が図示しないブラケットにより支持されている。なお、ホルダ92には、オイルを含み加圧ベルト84の内周面と接触するフェルト材98が取り付けられている。
【0075】
加圧パッド94は、ホルダ92のY側端部に固定されており、加圧ベルト84の内側でY側(ニップ部N側)に配置されている。また、加圧パッド94は、樹脂製でZ方向を長手方向とする直方体状に形成されており、X−Z面に沿った上面94Aを有している。上面94AのX方向の幅は、第1加圧領域N1のX方向の幅L1とほぼ等しくなっている。さらに、加圧パッド94は、加圧ベルト84側の端部でかつX方向の両端部がR形状とされており、加圧ベルト84の一部が巻き掛けられている。
【0076】
バネ96は、定着装置80に設けられた図示しないブラケットとホルダ92とで挟まれてY方向に圧縮されることで、ホルダ92をY側(ニップ部N側)に向けて押圧している。なお、本実施形態では、バネ96がホルダ92及び加圧ベルト84を押すことを押圧と称し、バネ96により押圧された加圧ベルト84が定着ベルト36を押圧することを加圧と称して区別している。ここで、第3実施形態の第1加圧領域N1、第2加圧領域N2、中間領域Mでは、一例として、X方向の幅がL1>L3>L2となっている。
【0077】
〔作用〕
次に、第3実施形態の作用について説明する。
【0078】
図5に示す定着装置80において、モータ74が駆動され駆動ロール86が回転すると、定着ベルト36が周回移動する。そして、定着ベルト36が周回移動することにより、加圧ベルト84が従動回転する。
【0079】
図6(A)に示すように、ニップ部Nに進入した用紙P上のトナー像Gは、第1加圧領域N1において、定着ベルト36により加熱されて溶融すると共に押圧部88及び加圧ベルト84による加圧力で加圧され始める。
【0080】
続いて、
図6(B)に示すように、第1加圧領域N1を通って中間領域Mに進入した用紙P上のトナー像Gは、定着ベルト36に加熱され続けて溶融が進行する。
【0081】
続いて、
図6(C)に示すように、中間領域Mから第2加圧領域N2に進入した用紙P上のトナー像Gは、第2加圧領域N2において、定着ベルト36により加熱されて溶融すると共に駆動ロール86による加圧力で加圧される。このように、用紙P上のトナー像Gは、3段階の加熱と2段階の加圧とが行われることにより、用紙Pに定着される。
【0082】
ここで、定着装置80において、中間領域Mから第2加圧領域N2に進入した用紙Pは、第2加圧領域N2で加圧されると共に駆動ロール86の回転によりX方向下流側へ引っ張られた状態で搬送される。これにより、加圧部82側のロールが全て従動回転する構成に比べて、第2加圧領域N2に用紙Pが進入し易くなるので、用紙Pの搬送性が上がる。
【0083】
さらに、
図5に示す定着装置80では、第1加圧領域N1を形成する加圧回転体が加圧ベルト84となっている。このため、加圧回転体が芯金及び弾性層を有する加圧ロールの構成に比べて、加圧回転体の熱容量が小さくなるので、定着装置80の動作開始時点からの立ち上げ時間が短くなる。
【0084】
また、定着装置80では、加圧パッド94が直方体状に形成されているため、加圧ロールを用いる構成に比べて、第1加圧領域N1を第2加圧領域N2に近づけて、中間領域MのX方向の幅を短く設定することが可能となる。そして、加圧ロールを用いる構成に比べて、第1加圧領域N1のX方向の幅L1を長くして第2加圧領域N2のX方向の幅L2を短くすることが可能になる。これにより、駆動ロール86のゴム層86Bを薄くすることが可能となり、駆動ロール86の外径を小さくすることが可能となる。
【0085】
定着装置80を有する画像形成装置10(
図1参照)では、定着装置80において定着ベルト36のZ方向の蛇行が抑制されることで、用紙P上にトナー像Gを定着するときに、用紙P上でのトナー像Gの位置ずれが抑制される。このため、定着装置80を有さない構成に比べて、画像形成装置10における画像不良(例えば、画像の位置ずれ)が抑制される。
【0086】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1、第2、第3実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1、第2、第3実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0087】
図7には、第4実施形態の定着装置100が示されている。定着装置100は、第3実施形態の定着装置80(
図5参照)において、押圧部88(
図5参照)に換えて押圧部102が設けられている。押圧部102は、押圧手段の一例である。
【0088】
押圧部102は、加圧ベルト84の内側に配置されており、一例として、ホルダ92と、取付板104と、板バネ106とを有している。板バネ106は、弾性体の一例である。
【0089】
取付板104は、ホルダ92のY側端部に固定されており、Z方向に見て、加圧ベルト84の内側のY方向におけるほぼ中央に配置されている。また、取付板104は、樹脂製でZ方向を長手方向とする直方体状に形成されている。さらに、取付板104は、X方向両端がY−Z面に沿った側面とされており、この側面が加圧ベルト84の内周面と接触している。
【0090】
板バネ106は、Z方向を長手方向とする板材を短手方向に曲げることで、Z方向に見てU字状に形成されている。また、板バネ106は、X側が開口側となるように配置され、取付板104のY側の面に図示しないネジを用いて固定されることで、加圧ベルト84の内側に設けられている。さらに、板バネ106は、Y方向に圧縮された状態で、Y側の部位が加圧ベルト84の内周面に接触している。つまり、板バネ106は、加圧ベルト84に弾性力を作用させることで、加圧ベルト84を定着ベルト36に向けて押圧しており、第1加圧領域N1を形成している。
【0091】
〔作用〕
次に、第4実施形態の作用について説明する。
【0092】
図7に示す定着装置100において、モータ74が駆動され駆動ロール
86が回転すると、定着ベルト36が周回移動する。そして、定着ベルト36が周回移動することにより、加圧ベルト84が従動回転する。ここで、中間領域Mから第2加圧領域N2に進入した用紙Pは、第2加圧領域N2で加圧されると共に駆動ロール
86の回転によりX方向下流側へ引っ張られた状態で搬送される。これにより、加圧部82側のロールが全て従動回転する構成に比べて、第2加圧領域N2に用紙Pが進入し易くなるので、用紙Pの搬送性が上がる。
【0093】
また、定着装置100では、板バネ106が加圧ベルト84の内側に1つ配置され、加圧ベルト84に弾性力を作用させている。つまり、板バネ106の弾性力は、直接、第1加圧領域N1に作用している。これにより、取付板104の形状が加圧状態に関係しないので、加圧ベルト84の外側に設けられた弾性体により取付板104を押圧して加圧ベルト84を押圧する構成に比べて、ニップ部Nの第1加圧領域N1におけるZ方向の加圧力のばらつきが抑制される。
【0094】
定着装置100を有する画像形成装置10(
図1参照)では、定着装置100において定着ベルト36のZ方向の蛇行が抑制されることで、用紙P上にトナー像Gを定着するときに、用紙P上でのトナー像Gの位置ずれが抑制される。このため、定着装置100を有さない構成に比べて、画像形成装置10における画像不良(例えば、画像の位置ずれ)が抑制される。
【0095】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されない。
【0096】
(第1変形例)
図8には、第1実施形態の定着装置30(
図2参照)の変形例(第1変形例)として、定着装置110が示されている。定着装置110は、加熱部32と、加圧部112とを有している。
【0097】
加圧部112は、一例として、X方向に並べられた3本の加圧ロール114を有している。3本の加圧ロール114は、加圧回転体の一例である。
【0098】
3本の加圧ロール114は、用紙Pの搬送方向におけるニップ部Nの上流側、中央、下流側にZ方向を軸方向として配置されている。また、3本の加圧ロール114は、円柱状の芯金114Aと、芯金114Aの外周面に形成されたスポンジ層114Bとを有している。芯金114Aの軸方向両端部は、図示しないブラケットに取り付けられたベアリングにより回転可能に支持されている。
【0099】
さらに、3本の芯金114Aは、スポンジ層114Bの外周面が定着ベルト36の外周面と接触してニップ部N内に加圧領域を形成するように、それぞれバネ57により定着ベルト36に向けて押し付けられている。このように、加圧ロール56は、Z方向を軸方向として該軸回りに回転可能に設けられ、定着ベルト36をパッド42に向けて加圧して、第1加圧領域NA、第2加圧領域NB、第3加圧領域NCを形成している。
【0100】
ニップ部Nにおける第1加圧領域NAと第2加圧領域NBとの間には、用紙Pが加圧されない中間領域MAが形成されている。また、ニップ部Nにおける第2加圧領域NBと第3加圧領域NCとの間には、用紙Pが加圧されない中間領域MBが形成されている。第1加圧領域NA、第2加圧領域NB、第3加圧領域NCのX方向の幅は、それぞれLAとなっている。また、中間領域MA、中間領域MBのX方向の幅は、それぞれLB(<LA)となっている。ここで、定着装置110では、3本の加圧ロール114が回転する。このため、回転しない加圧部材を含む構成に比べて、定着ベルト36の移動が安定する。このように、定着装置110では、定着ベルト36の移動が安定するので、定着ベルト36のZ方向の蛇行が抑制されると共に用紙Pの搬送性が上がる。
【0101】
(第2変形例)
図9には、第3実施形態の定着装置80(
図5参照)の変形例(第2変形例)として、定着装置120が示されている。
【0102】
定着装置120は、定着装置80(
図5参照)の駆動ロール86に換えて、加圧回転体の一例としての駆動ロール122が設けられている。なお、駆動ロール122を除く他の構成は、定着装置80と同様の構成となっている。
【0103】
駆動ロール122は、用紙Pの搬送方向であるX方向におけるパッド42の中央よりも下流側の部位と対向する位置に、Z方向を軸方向として設けられている。また、駆動ロール122は、軸部の一例としての円筒状の芯金122Aと、芯金122Aの外周面に形成されたゴム層122Bとを有している。芯金122Aの軸方向両端部は、図示しないブラケットに取り付けられたベアリングにより回転可能に支持されている。このように、駆動ロール122は、回転する芯金122AがZ方向に見て中空とされたロールである。ゴム層122Bは、既述のゴム層86B(
図5参照)と同様の構成とされている。
【0104】
なお、芯金122Aは、ゴム層122Bの外周面が定着ベルト36の外周面と接触してニップ部N内に第2加圧領域N2を形成するように、パッド42及び定着ベルト36に対する配置が予め設定されている。つまり、芯金122Aは、バネなどの加圧手段により加圧されていないが、定着ベルト36及び用紙P(トナー像G含む)を加圧するようになっている。ゴム層122Bの材料(例えばシリコンゴム)は、第2加圧領域N2の加圧力が第1加圧領域N1の加圧力よりも大きくなるように設定されている。モータ74は、図示しないギヤを介して芯金122AのZ方向一端部に接続されており、駆動ロール122を軸回りに回転させる。
【0105】
ここで、定着装置120では、駆動ロール122及び加圧ベルト84が回転する。このため、回転しない加圧部材を含む構成に比べて、定着ベルト36の移動が安定する。このように、定着装置120では、定着ベルト36の移動が安定するので、定着ベルト36のZ方向の蛇行が抑制されると共に用紙Pの搬送性が上がる。
【0106】
さらに、定着装置120では、駆動ロール122の芯金122Aが中空とされている。このため、定着装置120では、芯金122Aが中実のロールである構成に比べて、駆動ロール122の熱容量が小さくなるので、定着ベルト36の熱が加圧側のロールに奪われることが抑制される。
【0107】
(他の変形例)
加圧回転体の一例としての加圧ロールは、2本や3本に限らず、4本以上の複数本で設けられていてもよい。また、加圧回転体の一例としての加圧ロール及び駆動ロールは、軸部が中空とされたものが1本のものに限らず、複数本(全部を含む)の軸部が中空とされていてもよい。複数の加圧領域に作用する加圧力は、同じ加圧力でなくてもよい。用紙Pの搬送方向の下流側の加圧領域における加圧力を、上流側の加圧領域における加圧力よりも高く設定してもよい。また、用紙Pの搬送方向の上流側の加圧領域における加圧力を、下流側の加圧領域における加圧力よりも高く設定してもよい。加圧回転体の他の例として、加圧ベルトのZ方向両端部にキャップを嵌めて回転させてもよい。
【0108】
加圧ロールの加圧手段は、芯金に直接、バネの弾性力を作用させるものに限らず、複数の芯金を支持する複数のベアリングを1つのブラケットで支持して、このブラケットにバネによる弾性力を作用させるものであってもよい。
【0109】
定着装置100において、板バネ106に換えてゴムを設けて、加圧ベルト84を加圧してもよい。
【0110】
定着ベルト36の内周面にオイル又はグリスを塗布してもよい。
【0111】
定着装置30、70、80、100、110、120において、定着ベルト36の加熱手段は、ハロゲンランプ44及び伝熱部材48に限らない。例えば、面状発熱体を定着ベルト36の内周面に接触させて加熱する手段や、定着ベルト36に金属製の発熱層を設けて、該発熱層に磁界を作用させて発熱させる電磁誘導加熱方式の手段を用いてもよい。