【0018】
1.鍋にシューケース用油脂組成物、水、を入れて中火にかけ、シューケース用油脂組成物を木ベラなどで崩しながら、温める。
2.シューケース用油脂組成物が完全に溶け、煮立ってきたら 薄力粉を一度に入れ、 木ベラで手早くまとめてから火を消し、しっかり練り混ぜる。
3.赤色色素を規定量加え、よくかき混ぜる。
4.解きほぐした卵を生地に少し加え、木ベラで手早く混ぜる。 卵が生地に馴染んで滑らかになったら、様子を見ながら、少しずつ加え混ぜ、生地を完成させる。
5.絞り袋に丸形の口金をつけ、ゴムベラで絞り袋に生地を入れてオーブンシートを敷いた天板に直径3cm程に絞り出し、表面全体に霧吹きで水を掛ける。
6.190〜210℃のオーブンで約15分焼く。充分に膨らんだら180℃前後に下げ、更に約15分焼く。
【実施例】
【0020】
検討1 「シューケース用油脂組成物の調製」
本発明の一つの態様として、赤色色素を添加したシューケース用油脂組成物を用いる検討を行った。
表2の配合に従い、シューケース用油脂組成物を調製した。調製方法は、以下の「シューケース用油脂組成物の調製法」に従った。
【0021】
表2 シューケース用油脂組成物の配合
・エステル交換油はパーム分別油、ナタネ油をランダムエステル交換した、融点32℃の油脂を使用した。
・パプリカ赤色色素は三栄源エフエフアイ株式会社製「パプリカオレオレジンNo.44489」を使用した。
【0022】
「シューケース用油脂組成物の調製法」
1.油脂と乳化剤は溶解、混合し、油相とする。
2.水に精製塩、溶融塩を溶解させた後、カゼインナトリウムを溶解する。
3.油相を攪拌しながら水相を添加し、調合液とする。
4.調合液に香料および色素を添加する。
5.調合液を油脂組成物製造装置(コンビネーター)に供する。 6.得られた油脂組成物をダンボールケースに充填し、冷蔵する。
【0023】
検討2 「シューケースの経時的白化の確認」
実施例1、比較例1,2
表3に記載する配合にて、以下に記載する「シューケース調製法」に従い、シューケースを調製した。シューケース用油脂組成物は、表2の配合により調製した油脂組成物をそれぞれ用いた。
得られたシューケースを、表4に記載する群にわけ、各1群にはカスタードクリーム(不二製油株式会社製「カスタード500R」)をそれぞれ60g充填した。その後、各1個ずつ透明のプラスチック袋(HEIKO社製)に入れ、2000ルクスの光を照射した。温度は3〜7℃で実施した。
一日ごとに、シューケースを袋から出し、色彩色差計(CR-100 MINOLTA製)にて測定した。
得られた値を「経時的白化評価法」で評価した。
結果を表5、表6に示す。
【0024】
表3 シューケース配合
注)表2の赤色色素入り油脂組成物を使用した場合、赤色色素の量は、シューケース中乾燥重量で0.00013重量%となる。
【0025】
「シューケース調製法」
1.強力粉と薄力粉はあらかじめふるいにかけた上、混合する。卵は割卵の上混合し、20±3℃へ保温する。
2.ミキサー用ボールへ水とシューケース用油脂組成物を入れ、火にかける。
3.シューケース用油脂組成物が溶解し、沸騰した段階で火を止め、強力粉と薄力粉の混合物を添加し、略均一化するまで攪拌する。
4.ミキサーへセットし、攪拌しながら全卵を加える。この際、全卵が生地と一体化したことを確認の上、追加する。
5.全卵を全て入れてしまう直前に、炭酸アンモニウムを添加する。
6.略均一化した後、攪拌をやめる。ここで得られたものを「シュー用生地」と称する。
7.シュー用生地を絞り袋にいれ、焼成用天板に天板紙を敷いた上に、28±2gとなるように搾り出す。
8.生地に水を霧吹きでかけた後、220℃に設定したオーブンで17分間、さらに100℃に設定したオーブンで10分間焼成する。
【0026】
表4 試験各群
【0027】
表5 試験結果1(L(白))
【0028】
表6 試験結果2(a(赤))
【0029】
「経時的白化評価法」
1.「シューケース調製法」によりシューケースを調製する。
2.シューケース(ないしシュークリーム)を1個ずつ透明のプラスチック袋(HEIKO社製)に入れ、2000ルクスの光を照射する。温度は3〜7℃とする。
3.シューケース焼成日および4日目に、シューケース表面を色彩色差計(CR-100 MINOLTA製)にて測定する。
4.白色を示すL値に関し、4日目(「D+4」と表記)の値を焼成日(「D+0」と表記)の値で割った値を求める。これを白化評価値と称する。
5.白化評価値が1.07を超えるものを「白化現象あり」と判断する。白化評価値が1.07未満であるものを「白化現象なし」と判断する。
6.「白化現象なし」と評価されたシューケースを、「経時的白化防止用シューケース」と称する。
【0030】
「結果と考察」
・シューケースの白化現象は、シューケースへカスタードクリームを充填するか否かにかかわらず生じた。このことから、シューケースの白化現象は、充填物からの水分移行のみで生じているわけではない事が明らかとなった。
・シューケースを経時的に色彩色差計にて測定したところ、赤色が顕著に減少していることが明らかとなった(表6)。
・赤色色素を添加したシューケース用油脂組成物を使用してシューケースを調製すると、赤色の減少が抑えられると同時に、白化がおさえられていることがわかった(表5)。
・以上より、シューケースの白化現象は、シューケースへ赤色色素を規定量添加することで防げることが明らかとなった。
・なお、実施例1では、赤色色素はシューケース用油脂組成物に添加したが、シューケース調製時に別途添加しても、同様の効果を有することは、自明である。