(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記視認可能領域の一部、又は前記視認可能部材の一部が、前記明色部分に比べてマンセル値における明度が3以上異なるように形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の給紙カセットでは、2色LEDやその駆動を制御する制御部が必要なので、構造および制御が複雑になるという問題点がある。また、装置本体の電源オフ時には、用紙の有無を外部から確認することができないという問題点もある。
【0007】
また、上記特許文献2の給紙トレイでは、給紙トレイと用紙とが共に白色の場合、用紙の有無が分かりづらいという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、簡単な構成で、用紙の有無を確実に確認することが可能な給紙カセット及びそれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面に係る給紙カセットは、装置本体に対して出し入れ可能な給紙カセットであって、用紙が収納される収納領域と、収納領域に対して引き出し方向下流側に配置され、画像形成装置の外装面の一部を構成する前面部と、用紙が載置される底面部と、を備え、前面部には、収納領域を視認可能な開口部が形成されており、収納領域の底面部は、白色又は淡色に形成されており、収納領域のうちの開口部から視認される視認可能領域の少なくとも一部、又は視認可能領域に配置される視認可能部材の少なくとも一部は、底面部のうちの白色又は淡色に形成された明色部分に比べてマンセル値における明度が3以上異なるように形成されている。
【0010】
本発明の第2の局面に係る給紙カセットは、装置本体に対して出し入れ可能な給紙カセットであって、用紙が収納される収納領域と、収納領域に対して引き出し方向下流側に配置され、画像形成装置の外装面の一部を構成する前面部と、用紙が載置される底面部と、を備え、前面部には、収納領域を視認可能な開口部が形成されており、収納領域の底面部は、白色又は淡色に形成されており、収納領域のうちの開口部から視認される視認可能領域の底面部の少なくとも一部には、貫通穴が形成されている。
【0011】
本発明の第3の局面に係る給紙カセットは、装置本体に対して出し入れ可能な給紙カセットであって、用紙が収納される収納領域と、収納領域に対して引き出し方向下流側に配置され、画像形成装置の外装面の一部を構成する前面部と、用紙が載置される底面部と、を備え、前面部には、収納領域を視認可能な開口部が形成されており、収納領域の底面部は、白色又は淡色に形成されており、収納領域のうちの開口部から視認される視認可能領域の少なくとも一部、又は視認可能領域に配置される視認可能部材の少なくとも一部には、シボ加工又はローレット加工が施されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の局面に係る給紙カセットによれば、収納領域のうちの開口部から視認される視認可能領域の少なくとも一部、又は視認可能領域に配置される視認可能部材の少なくとも一部は、底面部のうちの白色又は淡色に形成された明色部分に比べてマンセル値における明度が3以上異なるように形成されている。これにより、給紙カセット内の用紙が無くなった場合に、開口部から明度の低い部分(視認可能領域の少なくとも一部又は視認可能部材の少なくとも一部)が見える。このため、給紙カセットを装置本体に装着した状態であっても、ユーザーは用紙の有無を確実に確認することができる。
【0013】
本発明の第2の局面に係る給紙カセットによれば、収納領域のうちの開口部から視認される視認可能領域の底面部の少なくとも一部には、貫通穴が形成されている。これにより、視認可能領域の底面部の少なくとも一部(貫通穴が形成された部分)は暗くなるので、給紙カセット内の用紙が無くなった場合に、開口部から暗い部分(貫通穴が形成された部分)が見える。このため、給紙カセットを装置本体に装着した状態であっても、ユーザーは用紙の有無を確実に確認することができる。
【0014】
本発明の第3の局面に係る給紙カセットによれば、収納領域のうちの開口部から視認される視認可能領域の少なくとも一部、又は視認可能領域に配置される視認可能部材の少なくとも一部には、シボ加工又はローレット加工が施されている。これにより、視認可能領域の少なくとも一部又は視認可能部材の少なくとも一部(シボ加工又はローレット加工が施された部分)は暗くなるので、給紙カセット内の用紙が無くなった場合に、開口部から暗い部分(シボ加工又はローレット加工が施された部分)が見える。このため、給紙カセットを装置本体に装着した状態であっても、ユーザーは用紙の有無を確実に確認することができる。
【0015】
また、本発明の第1〜第3の局面に係る給紙カセットによれば、上記特許文献1と異なり、2色LEDや制御部を必要としないので、簡単な構成で用紙の有無を確実に確認することができる。また、画像形成装置の電源オフ時であっても、用紙の有無を確認することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1〜
図6を参照して、本発明の第1実施形態による給紙カセット2を備えた画像形成装置1について説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は略六面体構造の装置本体3を備える。装置本体3のユーザーが向き合う正面部には、装置本体3に対して開閉可能に取り付けられ、開くことにより手差しトレイとなる前カバー4と、装置本体3に対して着脱可能な給紙カセット2と、が設けられている。装置本体3の上部には、用紙が排出される排出トレイ6と、複数のボタン等からなる操作部7と、が設けられている。
【0019】
装置本体3の内部には、図示しない画像形成部、定着部、用紙搬送路などが設けられている。画像形成部は、パソコン等の端末から取り込んだ画像データに基づいて、供給される用紙にトナー像を転写して画像を形成するものである。画像形成部は、静電潜像を担持する感光体ドラム(像担持体)、感光体ドラムの表面を帯電させる帯電ユニット、原稿画像に対応する静電潜像を感光体ドラムの表面にレーザービーム等によって形成する露光ユニット、形成された静電潜像に現像剤を付着させてトナー像を形成する現像装置、トナー像を用紙に転写する転写ローラー、感光体ドラム表面の残留トナーを除去するクリーニングブレード等を含んでいる。また、定着部は、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧することにより、用紙上にトナー像を定着させる。
【0020】
次に、給紙カセット2の構成について説明する。給紙カセット2は、カセット本体10の側面に設けられた図示しないレール部を画像形成装置1内部の図示しないレールに係合させ、
図2に示す矢印AA′方向に水平にスライドして着脱される。
【0021】
カセット本体10は、上面が開口した平坦な箱状に構成され、その上面方向から用紙を積載して収容する。また、カセット本体10は、用紙が積載される底面部11と、底面部11の四方の周縁部に立設される前面部12、背面部13および一対の側面部14と、を含んでおり、樹脂により一体成型されている。
【0022】
画像形成装置1内部において、カセット本体10の挿入方向下流側に位置する背面部13の上方には給紙装置(図示せず)が配置され、用紙は
図2に示す矢印A方向(装置本体3に対する給紙カセット2の装着方向)に供給される。前面部12は、矢印A′方向側(引き出し方向下流側)に配置され、外部に露出して画像形成装置1の外装面の一部を構成する。前面部12の右側下部には、取手部12aが形成されている。
【0023】
図2および
図3に示すように、カセット本体10の底面部11上には、用紙が積載される用紙積載板20が備えられている。用紙積載板20の下方には圧縮コイルバネ等の付勢部材(図示せず)が配置されており、用紙積載板20は、矢印A′方向側の端部を支点として揺動することによって、給紙方向下流側(矢印A方向側)の部分が上下に昇降される。用紙積載板20が所定位置まで上昇することにより、最上位の用紙が給紙装置により給紙され、画像形成部に搬送される。
【0024】
カセット本体10の内部には、給紙方向(矢印A方向)に沿って立設された一対の樹脂製の幅規制カーソル21が備えられている。幅規制カーソル21は、給紙方向と直角をなす用紙幅方向の両側から用紙束の側面に当接し、用紙の幅方向の位置決めを行う。幅規制カーソル21は、カセット本体10の底面部11に設けられた用紙幅方向に延在する幅規制カーソル移動溝11aに沿って移動可能である。
【0025】
幅規制カーソル21の下部には溝係合部(図示せず)が設けられており、溝係合部がカセット本体10の底面部11に形成された幅規制カーソル移動溝11aに係合することで、幅規制カーソル21がカセット本体10から外れるのを防止している。なお、用紙幅方向の両側から用紙束の側面に当接する一対の幅規制カーソル21は、それらの下方に設けられた図示しない連動機構により、一方を移動させると、それに連動して他方も移動するようになっている。このとき、一対の幅規制カーソル21は、用紙の幅方向中心線に対して、左右対称に移動する。
【0026】
カセット本体10の内部の給紙方向上流側には、樹脂製の後端規制カーソル22が備えられている。後端規制カーソル22は、給紙方向上流側から用紙束の側面に当接し、用紙の給紙方向の位置決めを行う。後端規制カーソル22は、カセット本体10の底面部11に設けられた給紙方向に延在する後端規制カーソル移動溝11bに沿って移動可能である。後端規制カーソル22は、幅規制カーソル21と同様に、下部に設けられた図示しない溝係合部が後端規制カーソル移動溝11bに係合することで、後端規制カーソル22がカセット本体10から外れるのを防止している。
【0027】
カセット本体10の前面部12の一方側(左側)には、開口部12bが形成されている。この開口部12bは、カセット本体10内の用紙が収納される収納領域10a(
図3参照)をユーザーが開口部12bを介して視認可能となる位置に設けられている。本実施形態では、開口部12bから視認される領域は、
図3に示す領域R1であり、収納領域10a以外の領域を含んでいない。なお、開口部12bから視認される領域とは、給紙カセット2の正面の少し上方から見たときに、開口部12bを介して見える領域のことを言う。
【0028】
また、カセット本体10(底面部11、前面部12、背面部13および一対の側面部14)は、全体的に、白色又は淡色(クリーム色等)に形成されており、マンセル値における明度が例えば9以上になっている。
【0029】
ここで、収納領域10aのうちの開口部12bから視認される視認可能領域(領域R1)の少なくとも一部は、収納領域10aの底面部11のうちの白色又は淡色に形成された明色部分に比べてマンセル値における明度が3以上異なる(低くなる)ように形成されている。本実施形態では、開口部12bから視認される領域R1全体(底面部11のうちの
図4の領域R2)は、マンセル値における明度が6以下になるように濃色(例えば、黒色、濃灰色、濃青色、濃緑色、濃赤色、濃茶色)に彩色されており、白色又は淡色(クリーム色等)である底面部11の明色部分(底面部11のうちの領域R2以外の領域、明度が9以上の領域)に比べてマンセル値における明度が3以上異なって(低くなって)いる。
【0030】
このため、給紙カセット2に白色の用紙が収納されている状態では
図5に示すように、開口部12bを介して用紙が見え、開口部12bの内側は白っぽく見える。その一方、給紙カセット2内の用紙が無くなった状態では
図6に示すように、開口部12bを介して明度の低い部分(領域R2)が見え、開口部12bの内側は黒っぽく(暗く)見える。これにより、ユーザーは用紙の有無を確実に確認することができる。なお、
図4、
図6および後述する
図7、
図8、
図9では、明度が6以下になるように濃色に彩色された領域にハッチングを施している。
【0031】
底面部11のうちの一部(領域R2)だけを他の部分に比べて明度が異なるように形成する方法としては、例えば、樹脂や紙からなる別部材を底面部11に取り付け(嵌め込み、貼り付け等)てもよいし、異なる2色の樹脂を用いた2色成型によってカセット本体10を形成してもよい。
【0032】
本実施形態では、上記のように、収納領域10aのうちの前面部12の開口部12bから視認される視認可能領域(領域R1)は、底面部11の明色部分に比べてマンセル値における明度が3以上異なる(低くなる)ように形成されている。これにより、給紙カセット2内の用紙が無くなった場合に、開口部12bから明度の低い部分(領域R2)が見える。このため、給紙カセット2を装置本体3に装着した状態であっても、ユーザーは用紙の有無を確実に確認することができる。
【0033】
また、上記特許文献1と異なり、2色LEDや制御部を必要としないので、簡単な構成で用紙の有無を確実に確認することができる。また、画像形成装置1の電源オフ時であっても、用紙の有無を確認することができる。
【0034】
なお、第1実施形態の変形例として、
図7に示すように、底面部11の明色部分に比べてマンセル値における明度が3以上異なる領域R2を小さく形成して、視認可能領域(領域R1)の一部が底面部11の明色部分に比べてマンセル値における明度が3以上異なる(低くなる)ようにしてもよい。
【0035】
このように構成すれば、給紙カセット2内の用紙が無くなった場合に、開口部12bから明色部分と濃色部分(領域R2)との両方が視認でき、視認可能領域(領域R1)において一部(右側部分)と他の部分(左側部分)との間で色のコントラストを大きくすることができる。このため、ユーザーは用紙の有無をより確実に確認することができる。
【0036】
次に、本実施形態の効果を確認するために行った確認実験について説明する。この確認実験は、上記実施形態に対応した実施例1、2と、比較例1〜3と、について行った。
【0037】
(実施例1)
全体が白色の給紙カセット2を準備し、収納領域10aの領域R2に、底面部11に比べてマンセル値における明度が3.5異なる(低い)紙を貼り付けた。実施例1のその他の構成は、上記実施形態と同様にした。
【0038】
(実施例2)
収納領域10aの領域R2に、底面部11に比べてマンセル値における明度が3.0異なる(低い)紙を貼り付けた。実施例2のその他の構成は、実施例1と同様にした。
【0039】
(比較例1)
収納領域10aの領域R2に、底面部11に比べてマンセル値における明度が2.6異なる(低い)紙を貼り付けた。比較例1のその他の構成は、実施例1と同様にした。
【0040】
(比較例2)
収納領域10aの領域R2に、底面部11に比べてマンセル値における明度が2.1異なる(低い)紙を貼り付けた。比較例2のその他の構成は、実施例1と同様にした。
【0041】
(比較例3)
収納領域10aの領域R2に、底面部11に比べてマンセル値における明度が1.7異なる(低い)紙を貼り付けた。比較例3のその他の構成は、実施例1と同様にした。
【0042】
そして、実施例1、2および比較例1〜3について、用紙の有無を確認した。具体的には、一般的なオフィスの明るさである約500ルクスの場所に画像形成装置1を設置し、給紙カセット2内にマンセル値における明度が9の白色の用紙を収納した。その状態から収納カセット2内に収納されている用紙を取り除いた場合に、開口部12bを介して用紙の有無を認識できるかを複数の被験者について調べた。そして、その認識率(認識が正解であった人数/被験者数)を算出し評価を行った。その結果を以下の表1に示す。なお、認識率が90%以上の場合を○、認識率が90%未満70%以上の場合を△、認識率が70%未満の場合を×とした。
【0044】
表1を参照して、視認可能領域を、白色又は淡色である底面部11に比べてマンセル値における明度が3.0以上異なる(低くなる)ように形成した場合、ユーザーは用紙の有無を確実に確認できることが判明した。
【0045】
(第2実施形態)
次に、
図8を参照して、本発明の第2実施形態の給紙カセット2について説明する。本発明の第2実施形態では
図8に示すように、後端規制カーソル(視認可能部材、カーソル)22は、用紙の後端に当接する本体部22aと、本体部22aから底面部11に沿って視認可能領域(領域R1)側に向かって延びる延設部22bとを有する。延設部22bの領域R3は、開口部12bから視認される領域R1を包含できるように形成されている。また、延設部22bの領域R3は、マンセル値における明度が6以下になるように濃色に彩色されており、底面部11の明色部分(底面部11全体、明度が9以上の領域)に比べてマンセル値における明度が3以上異なって(低くなって)いる。
【0046】
第2実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
【0047】
本実施形態では、上記のように、後端規制カーソル22の一部を白色又は淡色である底面部11に比べて明度が低くなるように形成することによって、前面部12の開口部12bから視認される視認可能領域(領域R1)を、容易に、底面部11の明色部分に比べて明度が低くなるように形成することができる。
【0048】
なお、後端規制カーソル22全体を底面部11の明色部分に比べて明度が低くなるように形成しても同様の効果が得られる。
【0049】
また、上記のように、後端規制カーソル22に、本体部22aから視認可能領域(領域R1)側に向かって延びる延設部22bを設け、延設部22bを底面部11の明色部分に比べて明度が低くなるように形成する。これにより、後端規制カーソル22の本体部22aから離れた(遠い)位置に開口部12bを形成した場合であっても、延設部22bを延ばして視認可能領域(領域R1)に配置することができるので、開口部12bおよび後端規制カーソル22を設ける位置の設計自由度を向上させることができる。
【0050】
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0051】
なお、第2実施形態の変形例として、
図9に示すように、延設部22bのうちの明度が6以下になるように彩色される領域R3を小さく形成して、視認可能領域(領域R1)の一部が底面部11の明色部分に比べて明度が3以上異なる(低くなる)ようにしてもよい。
【0052】
このように構成すれば、給紙カセット2内の用紙が無くなった場合に、開口部12bから白色又は淡色である底面部11と濃色である延設部22bの領域R3との両方が視認でき、視認可能領域(領域R1)において一部(右側部分)と他の部分(左側部分)との間で色のコントラストを大きくすることができる。このため、ユーザーは用紙の有無をより確実に確認することができる。
【0053】
(第3実施形態)
次に、
図10を参照して、本発明の第3実施形態の給紙カセット2について説明する。本発明の第3実施形態では
図10に示すように、収納領域10aのうちの開口部12bから視認される視認可能領域の底面部11には、貫通穴11cが形成されている。この貫通穴11cは、領域R1を包含するように形成されている。なお、貫通穴11cが形成された部分は、画像形成装置1の設置面までの距離だけ段差ができるので、光が届きにくくなり、影ができる。このため、貫通穴11cの内部は、底面部11の他の部分に比べて暗く見える。
【0054】
第3実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
【0055】
本実施形態では、上記のように、前面部12の開口部12bから視認される視認可能領域の底面部11には、貫通穴11cが形成されている。これにより、貫通穴11cが形成された部分は暗くなるので、給紙カセット2内の用紙が無くなった場合に、開口部12bから暗い部分(貫通穴11cが形成された部分)が見える。このため、給紙カセット2を装置本体3に装着した状態であっても、ユーザーは用紙の有無を確実に確認することができる。
【0056】
第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0057】
なお、第3実施形態の変形例として、
図11に示すように、貫通穴11cを小さく形成して、視認可能領域(領域R1)の底面部11の一部に貫通穴11cを形成してもよい。
【0058】
このように構成すれば、給紙カセット2内の用紙が無くなった場合に、開口部12bから白色又は淡色である底面部11と暗い部分(貫通穴11cが形成された部分)との両方が視認でき、視認可能領域(領域R1)において一部(右側部分)と他の部分(左側部分)との間で色のコントラストを大きくすることができる。このため、ユーザーは用紙の有無をより確実に確認することができる。
【0059】
(第4実施形態)
次に、
図12を参照して、本発明の第4実施形態の給紙カセット2について説明する。本発明の第4実施形態では
図12に示すように、開口部12bから視認される視認可能領域全体(底面部11のうちの
図12の領域R4)には、シボ加工又はローレット加工が施されており、表面に微小な凹凸が形成されている。このため、シボ加工又はローレット加工が施された領域R4は、底面部11の平滑な面である他の部分と比べて光の反射の仕方が異なり、底面部11の他の部分に比べて暗く見える。
【0060】
第4実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
【0061】
本実施形態では、上記のように、前面部12の開口部12bから視認される視認可能領域(領域R1)には、シボ加工又はローレット加工が施されている。これにより、シボ加工又はローレット加工が施された領域R4は暗くなるので、給紙カセット2内の用紙が無くなった場合に、開口部12bから暗い部分(シボ加工又はローレット加工が施された領域R4)が見える。このため、給紙カセット2を装置本体3に装着した状態であっても、ユーザーは用紙の有無を確実に確認することができる。
【0062】
なお、上記第2実施形態と同様、底面部11ではなく後端規制カーソル22の一部(又は全体)に、シボ加工又はローレット加工を施してもよい。
【0063】
第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0064】
なお、第4実施形態の変形例として、
図13に示すように、シボ加工又はローレット加工を施す領域R4を小さくして、視認可能領域(領域R1)の一部にシボ加工又はローレット加工を施してもよい。
【0065】
このように構成すれば、給紙カセット2内の用紙が無くなった場合に、開口部12bから明色部分(底面部11の領域R4以外の部分)と暗い部分(シボ加工又はローレット加工が施された領域R4)との両方が視認でき、視認可能領域(領域R1)において一部(右側部分)と他の部分(左側部分)との間で色のコントラストを大きくすることができる。このため、ユーザーは用紙の有無をより確実に確認することができる。
【0066】
(第5実施形態)
次に、
図14および
図15を参照して、本発明の第5実施形態の給紙カセット2を備えた画像形成装置1について説明する。本発明の第5実施形態では
図14に示すように、装置本体3のユーザーが向き合う正面部には、給紙カセット2の上部に、空間Sが設けられている。
【0067】
また、
図15に示すように、給紙カセット2には、カセット本体10の上方を覆うカセットカバー(カバー部材)23が設けられている。このカセットカバー23には、開口部12bの内側(収納領域10a)に光を入射させる採光窓23aが形成されている。これにより、画像形成動作時においても、採光窓23aを介して開口部12bの内側に光が入射可能である。
【0068】
第5実施形態のその他の構造は、上記第2〜第4実施形態と同様である。
【0069】
本実施形態では、上記のように、カセットカバー23に、開口部12bの内側に光を入射させる採光窓23aを設ける。これにより、給紙カセット2内に用紙が有る場合に開口部12bから視認される用紙が黒っぽく見えるのを抑制することができるので、給紙カセット2内に用紙が有るにもかかわらず、用紙が無いとユーザーが見誤るのを抑制することができる。
【0070】
第5実施形態のその他の効果は、上記第2〜第4実施形態と同様である。
【0071】
なお、第5実施形態の変形例として、カバー部材23に採光窓23aを設けず、カバー部材23を透明部材または半透明部材により形成してもよい。
【0072】
この場合にも、開口部12bの内側に光を入射させることができ、給紙カセット2内に用紙が有る場合に開口部12bから視認される用紙が黒っぽく見えるのを抑制することができるので、給紙カセット2内に用紙が有るにもかかわらず、用紙が無いとユーザーが見誤るのを抑制することができる。
【0073】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0074】
例えば、上記実施形態では、電子写真方式を用いた画像形成装置を例示したが、これに限らず、本発明はインクジェット方式や熱転写方式等他の画像形成方式を適用した画像形成装置に適用可能であり、さらに単に用紙を搬送する装置や画像形成された用紙等を後処理する装置等にも広く適用可能である。
【0075】
また、上記実施形態では、開口部12bから視認される領域R1が収納領域10a以外の領域を含んでいない例について示したが、開口部12bから視認される領域R1は、収納領域10aとその他の領域(収納領域10aの周辺領域)とを含んでいてもよい。
【0076】
また、例えば上記第1および第2実施形態では、底面部11の明色部分に比べてマンセル値における明度が3以上異なる領域(領域R2、R3)が矩形状である例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、文字や記号または縞模様に見えるように彩色してもよい。
【0077】
また、例えば上記第5実施形態では、給紙カセット2のカセット本体10の上方を覆うカバー部材(カセットカバー23)を給紙カセット2の一部として設けた例について示したが、本発明はこれに限らない。給紙カセット2の上方を覆うカバー部材が装置本体3に一体で設けられていてもよい。この場合、例えば、上記第1実施形態の装置本体3において、前カバー4の内側に設けられる用紙搬送面(図示せず)に採光窓を設けてもよい。用紙搬送面に採光窓を設ける場合は、用紙搬送領域の外側に採光窓を設ければよい。また、前カバー4の内側に設けられる用紙搬送面を、透明部材または半透明部材により形成してもよい。
【0078】
また、上述した実施形態および変形例の構成を適宜組み合わせて得られる構成についても、本発明の技術的範囲に含まれる。