特許第6222311号(P6222311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

特許6222311印刷装置、画像処理装置、及び、データ生成方法
<>
  • 特許6222311-印刷装置、画像処理装置、及び、データ生成方法 図000002
  • 特許6222311-印刷装置、画像処理装置、及び、データ生成方法 図000003
  • 特許6222311-印刷装置、画像処理装置、及び、データ生成方法 図000004
  • 特許6222311-印刷装置、画像処理装置、及び、データ生成方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222311
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】印刷装置、画像処理装置、及び、データ生成方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 21/00 20060101AFI20171023BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   B41J21/00 Z
   G06F3/12 305
   G06F3/12 378
   G06F3/12 357
   G06F3/12 343
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-158460(P2016-158460)
(22)【出願日】2016年8月12日
(62)【分割の表示】特願2012-12956(P2012-12956)の分割
【原出願日】2012年1月25日
(65)【公開番号】特開2017-1397(P2017-1397A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2016年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116665
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 和昭
(74)【代理人】
【識別番号】100164633
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(72)【発明者】
【氏名】塩原 進
(72)【発明者】
【氏名】山路 敏文
【審査官】 小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−017916(JP,A)
【文献】 特開2004−013630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルが貼り付けられた用紙を搬送し、前記ラベルにインクを吐出する印刷機構部と、
印刷データに基づき印刷指示データを生成し、前記印刷機構部を制御して前記印刷指示データに基づくラベル印刷物を出力させるコントローラー部と、を備え、
前記印刷データは、前記ラベル印刷物に出力されるバーコードを表すバーコード情報を含み、
前記コントローラー部は、
前記印刷データを取得し、
前記ラベルの書式を示す情報を含み、取得した前記印刷データに含まれる前記バーコード情報に対応するテンプレートを取得し、
前記テンプレートに含まれる前記ラベルの書式を示す情報と取得した前記印刷データとに基づいて前記印刷指示データを生成する、ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記印刷データはページ記述言語で表されるデータであり、
前記コントローラー部は、前記バーコード情報に含まれる文字列に対応する前記テンプレートを取得することを特徴とする、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記文字列は、前記ラベル印刷物に出力される文字を示すことを特徴とする、請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記コントローラー部は、前記テンプレートとして、前記バーコード情報に含まれる第1情報に対応する第1テンプレート及び第2テンプレートを選択し、選択した前記第1テンプレート及び前記第2テンプレートから前記バーコード情報に含まれる第2情報に対応する前記テンプレートを選択して取得し、
前記コントローラー部が前記第1テンプレートを選択した場合に前記印刷機構部により出力される第1ラベル印刷物と、前記コントローラー部が前記第2テンプレートを選択した場合に前記印刷機構部により出力される第2ラベル印刷物と、は、色が異なる、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記印刷データを生成するホスト装置に接続する接続部と、
前記テンプレートを保持する記憶部と、をさらに備え、
前記コントローラー部は、
前記接続部を介して、前記印刷データを取得し、
前記記憶部から、前記バーコード情報に対応する前記テンプレートを取得する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記印刷指示データは、前記印刷データと前記テンプレートとに基づき展開されたビットマップデータを含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷データを生成するホスト装置に接続する接続部と、
前記接続部を介して取得する前記印刷データに基づいて、印刷媒体に印刷される画像を示す画像データを生成するコントローラー部と、を備え、
前記印刷データは、前記画像データに含まれるバーコードを表すバーコード情報を含み、
前記コントローラー部は、
前記印刷データを取得し、
前記画像データの書式を示す情報を含み、取得した前記印刷データに含まれる前記バーコード情報に対応するテンプレートを取得し、
前記テンプレートに含まれる前記画像データの書式を示す情報に基づき、取得した前記印刷データを展開して前記画像データを生成する、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
ラベルが貼り付けられた用紙を搬送し、前記ラベルにインクを吐出する印刷機構部を有し、ラベル印刷物を出力する印刷装置が受信する印刷指示データのデータ生成方法であって、
前記ラベル印刷物に出力されるバーコードを表すバーコード情報データを含む印刷データを取得し、
前記ラベルの書式を示す情報を含み、取得した前記印刷データに含まれる前記バーコード情報に対応するテンプレートを取得し、
取得した前記印刷データ及び前記テンプレートに基づき印刷指示データを生成する、ことを特徴とするデータ生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の出力表現を変更するための画像処理装置等に関し、特に、既存システムの印刷データを用いて印刷物全体の出力形態を動的に変更可能な画像処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POSシステムにおけるレシートプリンターや商品ラベル、配送用ラベル等を印刷するラベルプリンターなどの業務用プリンターが普及している。このようなプリンター及びプリンターシステムでは、導入済みの既存装置による印刷物の出力表現が乏しく、それを改善したいという場合が多々ある。例えば、モノクロの印刷物をカラー化したいという要望などがある。
【0003】
このような場合、システム全体を入れ換えるのでは費用や時間がかかる上に業務に支障を来たすこともあるため、出来るだけ既存システムを利用したシステム構築が望まれる。
【0004】
かかるシステム改良に関し、従来、以下のような技術が提案されている。下記特許文献1では、モノクロ文章データを利用して簡単にカラー化したプリントを可能にする技術が開示されている。また、下記特許文献2では、POSプリンターのプリント出力にグラフィック効果を加えることのできる印刷システムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−328790号公報
【特許文献2】米国特許第7460252B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、カラー化の対象が既に存在する文字や画像であり、新たな画像オブジェクトの追加を行なったり、全体の色や背景画像を指定するなど印刷物全体の出力形態を変更することはできない。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の技術では、グラフィック効果の追加は、元の印刷データに含まれる所定の文字列を検出することをトリガーとしてその文字列を処理対象として行われ、対象がレシートであることもあり、当該技術にも印刷物全体の出力形態を変えるという発想はない。また、元の印刷データに上記所定の文字列が無かったり完全に一致する文字列が無い場合には、処理が実行されないため、グラフィック効果の追加を柔軟に行うことができず、検索処理等にも時間を要する。
【0008】
また、ラベルの印刷などでは、通常、印刷物の大きさが固定であることもあり、印刷物全体の出力形式を変更し易く、同種の印刷物でも条件によって出力表現を変えるなど、全体の出力形式を柔軟に変更することが望まれる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、印刷物の出力表現を変更するための画像処理装置であって、既存システムの印刷データを用いて印刷物全体の出力形態を動的に変更可能な画像処理装置、等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、印刷物の出力形態を変更する処理を実行する画像処理装置が、前記印刷物の印刷データに含まれる情報に基づいて、前記印刷物の書式を定めるテンプレート情報を決定する出力形態決定部と、前記決定されたテンプレート情報に従って、前記印刷データを変更する印刷データ生成部と、を有する、ことである。
【0011】
更に、上記の発明において、その一つの好ましい態様は、前記印刷データに含まれる情報は、前記印刷物に印刷されるバーコードの情報である、ことを特徴とする。
【0012】
更に、上記の発明において、好ましい態様は、前記出力形態決定部は、予め用意された複数の前記テンプレート情報の中から1の前記テンプレート情報を選択することによって、上記決定を行う、ことを特徴とする。
【0013】
更に、上記の発明において、その好ましい態様は、前記テンプレート情報は、少なくとも、表面色、背景色、又は背景画像の情報を含む、ことを特徴とする。
【0014】
更にまた、上記の発明において、その好ましい態様は、前記テンプレート情報は、同種の前記印刷物に対して複数用意される、ことを特徴とする。
【0015】
更に、上記の発明において、その好ましい態様は、前記印刷データは、モノクロ印刷用のデータである、ことを特徴とする。
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、印刷物の出力形態を変更して印刷を実行する印刷装置が、前記印刷物の印刷データに含まれる情報に基づいて、前記印刷物の書式を定めるテンプレート情報を決定する出力形態決定部と、前記決定されたテンプレート情報に従って、前記印刷データを変更する印刷データ生成部と、前記変更された印刷データに従って印刷を実行する印刷実行部と、を有する、ことである。
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明の更に別の側面は、印刷物の出力形態を変更する画像処理方法が、前記印刷物の印刷データに含まれる情報に基づいて、前記印刷物の書式を定めるテンプレート情報を決定する出力形態決定工程と、前記決定されたテンプレート情報に従って、前記印刷データを変更する印刷データ生成工程と、を有する、ことである。
【0018】
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明を適用した画像処理装置を用いた印刷装置の実施の形態例に係るネットワーク構成図である。
図2】プリンター2の概略の機能ブロック図である。
図3】印刷時にプリンター2が行う処理の手順を例示したフローチャートである。
図4】出力されるラベルを例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
【0021】
図1は、本発明を適用した画像処理装置を用いた印刷装置の実施の形態例に係るネットワーク構成図である。図1のプリンター2が本実施の形態例に係る印刷装置であり、当該プリンター2では、以前に設置されていたモノクロプリンター用の印刷データを受信し、当該データに含まれるバーコード情報に基づいて、当該データによる印刷物(ラベル等)に対して用意されている複数のテンプレート(印刷物全体に係る書式情報)の中から適切なテンプレートを選択し、当該テンプレートを用いた印刷を実行する。これにより、印刷物のカラー化、印刷物全体の体裁の変更、同種の印刷物に対する条件(時間等)による出力形態の変更等が可能になり、印刷物の機能を向上させることができる。また、当該機能が既存のモノクロ印刷用システムを利用して容易に実現される。
【0022】
図1には、本プリンター2を含むラベル印刷システムの構成が示されており、当該システムは、ラベル端末1、プリンター2、テンプレート端末3、及びネットワーク4で構成されている。また、当該システムは、以前に設置されていたモノクロのラベル印刷システム(旧システム)を改良する方式で構築されたものである。
【0023】
ラベル端末1は、旧システムの装置であり、プリンター2に対して印刷要求を行うプリンター2のホスト装置である。ラベル端末1は、例えばパーソナルコンピューターで構成され、ラベル生成用のアプリケーション及び旧システムで設置されていたモノクロプリンター用のドライバーを備えている。印刷要求時には、当該ドライバーで生成されたモノクロの印刷データがネットワーク4を介してプリンター2へ送信される。なお、ラベル端末1とプリンター2は、ネットワーク4ではなく、USBやRS232規格の接続ケーブルで直接繋がれてもよい。
【0024】
ネットワーク4は、ラベル端末1、プリンター2、及びテンプレート端末3等の装置を接続するLAN(Local Area Network)である。なお、このネットワーク4も旧システムのものを利用できる。
【0025】
プリンター2は、上述の通り、受信した印刷データの出力形態を変更して印刷物を出力する印刷装置であり、ここでは、一例として、ラインヘッド方式のインクジェットプリンターである。当該プリンター2は、上記改良時に新たに設置された装置であり、ラベル端末1の印刷要求(印刷データ)を受信してラベルの印刷を実行する。
【0026】
本プリンター2は、図1に示されるように、コントローラー部21と印刷機構部22を備える。コントローラー部21は、プリンター2の制御部であり、上述した出力形態の変更処理を実行する。当該処理が本プリンター2の特徴であり、その具体的な内容は後述する。そして、このコントローラー部21が本発明の画像処理装置に相当する。
【0027】
また、コントローラー部21は、図示していないが、CPU、RAM、ROM、HDD、NVRAM、ASIC等で構成され、コントローラー部21での処理は、上記ROMに記憶されたプログラムに従って上記CPUが動作すること、また、ASICが動作すること等によって実行される。
【0028】
印刷機構部22は、コントローラー部21の指示に従って印刷媒体(用紙等)に対して印刷物(ラベル)を印刷する部分である。印刷機構部22には、インクを噴射する複数のノズルを備えたヘッド部、印刷媒体を搬送する搬送部等が備えられる。
【0029】
次に、テンプレート端末3は、プリンター2が用いる上述したテンプレートを作成、編集するための端末装置であり、ユーザーは当該テンプレート端末3からネットワーク4を介してプリンター2にアクセスし、テンプレートデータの読み出し及び登録(保存)を行う。テンプレート端末3は、例えばパーソナルコンピューターで構成することができ、テンプレート作成、編集用のソフトウェアを備える。また、このテンプレート端末3も上記改良時に新たに設置されたものである。従って、図1において、破線で囲われた部分が新たに設置された装置である。
【0030】
図2は、プリンター2の概略の機能ブロック図である。図2に示すとおり、プリンター2は、機能的には、出力形態決定部23、印刷データ生成部24、印刷実行部25、及びテンプレートDB26から構成される。
【0031】
出力形態決定部23は、上述したラベル端末1から送信される印刷データを解釈して当該印刷データに使用するテンプレートを決定する部分である。印刷データ生成部24は、当該印刷データと当該決定されたテンプレートを用いて印刷実行部に印刷を指示するデータを生成する部分である。また、印刷実行部25は、印刷データ生成部24から送信されるデータに従って印刷媒体に印刷処理を実行する部分である。なお、出力形態決定部23、印刷データ生成部24、及びテンプレートDB26は、上記コントローラー部21に備えられ、印刷実行部25は、上記印刷機構部22に備えられる。
【0032】
テンプレートDB26には、複数のテンプレート27が格納(記憶)されている。各テンプレート(データ)は、印刷物の全体に係る書式の情報を含んでおり、少なくとも、表面色、背景色、背景画像の情報を持っている。
【0033】
また、テンプレート27は、印刷物であるラベルの種類に応じて用意され、さらに、同種のラベルについても所定の条件に応じて複数のテンプレート27が用意される。図2に示す例では、ラベル(1)については、曜日毎に7つのテンプレート27が用意され、ラベル(2)については、時間帯に応じて3つのテンプレート27が用意されている。例えば、マーケットで販売される食品に付されるラベルである場合には、ラベル(1)は、製造日によってラベルの色表現を変更したいものに用いられ、ラベル(2)は、弁当など所定の時間帯で消費期限が定められているものなどに用いられる。また、各テンプレート27には識別情報が付されている。
【0034】
これらのテンプレートを用いて印刷を行うことにより、図2に示すように、表面色、背景色、背景画像がそれぞれ指定された色や画像になり、モノクロのラベルを色彩のあるラベルに変更することができ、また、同種のラベルでも所定の指標によって異なる色彩で表現できるようになる。
【0035】
また、テンプレート27は、上述の通り、予めユーザーがテンプレート端末3を用いて生成し、又は、既存のテンプレート27を編集して、テンプレートDB26に保存しておく。
【0036】
以上説明したような構成を有する本実施の形態例に係るラベル印刷システムでは、上述の通り、プリンター2が実行する出力形態の変更処理に特徴があり、以下、その具体的な処理手順について説明する。図3は、印刷時にプリンター2が行う処理の手順を例示したフローチャートである。印刷時には、まず、ラベル端末1から前述したモノクロ印刷用の印刷データが送信され、当該データがプリンター2に受信される(ステップS1)。なお、当該印刷データは、旧システムにおけるモノクロプリンター用のPDL(ページ記述言語)で表現されている。また、当該印刷データによって印刷されるラベルには、食品などの商品に付されるラベルのように、バーコードが含まれるものとする(図4を参照)。
【0037】
受信された印刷データは、出力形態決定部23によって解釈され、出力形態決定部23は、解釈の結果に基づいて当該データ内に含まれる上記バーコードの情報を取得する(ステップS2)。当該バーコード情報には、例えば、ラベルが付される商品の種類を識別する商品コード、製造年月日、消費期限などの情報が含まれている。
【0038】
次に、出力形態決定部23は、取得した情報から当該印刷で使用するテンプレート27を決定する(ステップS3)。具体的には、上記取得した商品コードの情報からラベルの種類を決定する。そして、決定されたラベル種に対して定められている、テンプレート27選択のための情報、例えば、製造年月日の情報、から、当該ラベル種に対して用意されているテンプレート27の一つを選択して、使用するテンプレート27を決定する。
【0039】
図2に示した例では、例えば、商品コードからラベル(2)用のテンプレート27を使用することが決定され、製造年月日から例えば月曜日用のテンプレート27を使用することが決定される。
【0040】
なお、商品コードとラベル種の対応関係、ラベル種とテンプレート27選択のための情報の対応関係、及び、上記選択のための情報とテンプレート27の対応関係は、予めテーブル形式で用意しておくことができる。
【0041】
次に、決定されたテンプレート27の識別情報が、出力形態決定部23から印刷データ生成部24に渡され、印刷データ生成部24は、当該テンプレート27を用いた印刷データの生成処理を行う(ステップS4)。
【0042】
具体的には、上記受信した印刷データに含まれる画像データをラスタライズ(展開)し、ビットマップデータとする。そして、上述したテンプレートDB26にアクセスし、上記識別情報から、上記決定されたテンプレート27を選択し、その書式情報を取得する。その後、当該書式情報に従って、上記画像データの色の変更、背景画像の重ね合わせを実行して、出力する印刷物における最終的な画像のビットマップデータを生成する。
【0043】
例えば、図2のラベル(1)用、月曜日用のテンプレート27が使用されると、その書式情報に従って、上記画像データ(元の画像データ)に含まれる黒色の部分(文字等)は、「表面色=黒」の情報に従って黒色のままとされ、元の画像の白色の背景は、「背景色=青」の情報に従って青色とされ、さらに、「背景画=画像1」の情報に従って背景に画像1が重ね合わせられる。なお、背景画の情報はビットマップ情報としてテンプレート27情報内に保持されていてもよいし、印刷データ生成部24からアクセス可能にテンプレートDB26とは別の場所に保持されていてもよい。
【0044】
また、表面色を画像内のオブジェクト毎に指定したテンプレート27とすることもでき、そのようなテンプレート27を用いる場合には、元の画像データをビットマップデータにする前に、上記表面色の指定に基づいて画像内の各オブジェクトの色を決定し、その後にラスタライズの処理を実行する。
【0045】
次に、印刷データ生成部24は、生成したカラーのビットマップデータにスクリーン処理を施して、各インクのドット有無を表すデータに変換後、当該印刷データを印刷実行部25に送信し、印刷処理を指示する。
【0046】
印刷実行部25では、上記送信された印刷データに従って印刷媒体への印刷処理を実行し、プリンター2からカラーの印刷物(ラベル)が出力される。
【0047】
図4は、出力されるラベルを例示した図である。図4には、消費期限が所定の時間間隔で定められている食品用のラベルが示されており、(a)と(b)とでは同種のラベルでありながら、消費期限が異なっている。この場合には、バーコード情報から取得される「消費期限」の情報が上記テンプレート27選択のための情報であり、(a)と(b)とでは異なるテンプレート27が使用されてラベルが印刷される。
【0048】
図4の(a)は、表面色A1が黒色、背景色B1が白色、背景画像C1が無地であるテンプレート27を用いたものであり、図4の(b)は、表面色A2が黒色、背景色B2が黄色、背景画像C1がドット画像であるテンプレート27を用いたものである。このように、消費期限の時間帯が異なる同じ食品について、異なる出力形態のラベルが得られる。
【0049】
以上のようにして、本プリンター2における出力形態の変更を伴うラベル出力処理が実行される。
【0050】
なお、上述の説明では、プリンター2が受信する印刷データの画像は、オブジェクト単位で表現されるデータであることを想定したが、当該画像がビットマップデータで表現されていてもよい。この場合には、出力形態決定部23は、ビットマップデータを画像認識の手法で解析して、バーコード情報の取得や必要なオブジェクトの認識を行うようにする。
【0051】
また、上述のテンプレート27では、画像のレイアウトについて言及していないが、当該レイアウトを指定する書式情報を持たせるようにしてもよい。この場合にはテンプレート27は画像のオブジェクト毎に位置情報を持つようにする。また、この場合、印刷データ生成部24は、元の画像データについてオブジェクト単位で画像を把握して、オブジェクト毎にテンプレート27に従った処理を実行する。このようにすることで、印刷物のレイアウトも変更して出力をすることができる。
【0052】
また、図4等、上述の説明では、食品用のラベルを例にしたが、当該ラベル印刷システムは、モノクロの既存システムを有する様々な分野で利用することができる。例えば、衣料品などに付するラベルに適用する場合には、背景色や背景画像をその季節に応じたものにすることができる。また、配送品に付するラベルに適用する場合には、配送日、配送地区、配送品の種類、配送の緊急度等の指標によって出力形態の異なるラベルとすることができる。
【0053】
以上説明した本実施の形態例に係るプリンター2では、元々モノクロの印刷物の出力形態を、時間的な情報などにより動的に変更させると共にカラー化することが可能となり、出力物の視認性を向上させることができる。これにより、業務上のミスの防止、作業の効率化、顧客の購買意欲向上などに貢献することができる。
【0054】
また、図1に示したように、当該プリンター2を用いることにより、既存システムのラベル端末1をそのまま使用できるので、システム改良を比較的容易に行うことができる。
【0055】
また、使用するテンプレート27の選択にバーコード情報を用いるので、情報取得が容易であり、確実に情報を得ることができる。
【0056】
また、使用するテンプレート27は、ユーザーがテンプレート端末3を用いて編集可能であるので、ユーザー利便性が高いシステムを提供できる。
【0057】
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【符号の説明】
【0058】
1 ラベル端末、 2 プリンター、 3 テンプレート端末、 4 ネットワーク、 21 コントローラー部、 22 印刷機構部、 23 出力形態決定部、 24 印刷データ生成部、 25 印刷実行部、 26 テンプレートDB、 27 テンプレート
図1
図2
図3
図4