特許第6222327号(P6222327)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222327
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】電子デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 19/5628 20120101AFI20171023BHJP
【FI】
   G01C19/5628
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-198766(P2016-198766)
(22)【出願日】2016年10月7日
(62)【分割の表示】特願2012-130480(P2012-130480)の分割
【原出願日】2012年6月8日
(65)【公開番号】特開2017-15734(P2017-15734A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2016年11月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116665
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 和昭
(74)【代理人】
【識別番号】100164633
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(72)【発明者】
【氏名】青木 信也
(72)【発明者】
【氏名】菊池 尊行
【審査官】 櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−017580(JP,A)
【文献】 特開2002−280865(JP,A)
【文献】 実開昭59−159022(JP,U)
【文献】 特開2011−174940(JP,A)
【文献】 特開昭49−8212(JP,A)
【文献】 特開2006−229877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 19/00−19/72
H03H 3/007−3/06
9/00−9/135
9/15− 9/24
9/30− 9/40
9/46− 9/62
9/66
9/70
9/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、前記基部から延出し調整用質量部が設けられている振動腕と、を備える振動素子を用意する工程と、
回路素子を用意する工程と、
基板を用意する工程と、
前記基板に前記回路素子を搭載する工程と、
平面視で、前記基部の少なくとも一部が前記回路素子と重なり、かつ、前記質量調整部が前記回路素子と重ならない位置において前記振動素子を前記回路素子に搭載する工程と、
前記質量調整部にレーザー光を照射し、質量調整を行う工程と、を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスの製造方法において、
前記質量調整部は、金属層を有し、
前記金属層の少なくとも一部を除去することにより前記質量調整を行うことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子デバイスの製造方法において、
前記基板は、金属層を含むレーザー保護層を有し、
前記平面視で、前記質量調整部が前記レーザー保護層と重なる位置において前記振動素子を前記回路素子に搭載することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法において、
前記振動素子は、前記基部から延出し電極が設けられている支持部を備え、
前記回路素子は、接続端子を備え、
前記支持部の前記電極を前記接続端子に固定し、かつ電気的に接続することにより前記振動素子を前記回路素子に搭載することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイス、それを用いた電子機器と移動体、および電子デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子デバイスの一例として、加速度や角速度などをセンシングする振動デバイスが知られている。振動デバイスは、素子の一例であるセンサー素子としての振動素子と、その振動素子を駆動する機能を有する回路素子と、を備えている。
また、このような振動デバイスとして、振動素子としてのジャイロ振動片(ジャイロ素子とも言う)と、回路素子が設けられた半導体基板(回路素子)と、を備えたセンサーデバイスがパッケージに収納されたものが特許文献1に開示されている。
このような構成の振動デバイスでは、半導体基板に振動素子が重なる様に搭載されている。また、振動素子の振動周波数の調整において、振動素子に備えられた質量調整部(電極等)の少なくとも一部を除去するためレーザー光が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−179941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の振動デバイスでは、振動素子の振動周波数の調整に用いられるレーザー光が振動素子を透過し、半導体基板(回路素子)に照射されてしまうことがある。このように、振動素子を透過したレーザー光が半導体基板に照射された場合には、レーザー光によって半導体基板(回路素子)にダメージを与える虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る電子デバイスは、質量調整部が設けられている素子と、前記素子が搭載されている回路素子と、を備え、前記素子は、平面視で前記質量調整部が前記回路素子と重ならない位置に配置されていることを特徴とする。
【0007】
本適用例の電子デバイスによれば、平面視で質量調整部が回路素子と重ならない位置に配置されている。したがって、例えば、質量調整部に照射されたレーザー光が素子を透過しても回路素子に照射されることがない。これにより、レーザー光による回路素子へのダメージを防止することができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に記載の電子デバイスにおいて、前記質量調整部は、金属層を有しており、前記金属層の少なくとも一部が除去されていることを特徴とする。
【0009】
本適用例の電子デバイスによれば、レーザー光による回路素子へのダメージを防止するとともに、質量調整部の有する金属層の少なくとも一部をレーザー光の照射によって除去することにより質量の調整を行うことができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に記載の電子デバイスにおいて、前記素子は、基部と、前記基部から延出している支持部と、前記基部の一端から延出している一対の検出用振動腕と、前記基部の前記一端とは反対側の他端から延出している一対の駆動用振動腕と、前記一端、または前記他端のいずれか一方から延出し、前記検出用振動腕または前記駆動用振動腕を挟むように設けられている一対の調整用振動腕と、を備え、前記質量調整部は、前記調整用振動腕に設けられており、前記支持部と前記回路素子とが接続されていることを特徴とする。
【0011】
本適用例の電子デバイスによれば、質量調整部に照射されたレーザー光が素子を透過しても回路素子に照射されず、レーザー光による回路素子へのダメージを防止することができる。
【0012】
[適用例4]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、回路素子へのダメージを防止した電子デバイスを用いているため、特性の安定した高信頼性の電子機器を提供することができる。
【0014】
[適用例5]本適用例に係る移動体は、上記適用例のいずれか一例に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、回路素子へのダメージを防止した電子デバイスを用いているため、特性の安定した高信頼性の移動体を提供することができる。
【0016】
[適用例6]本適用例に係る電子デバイスの製造方法は、基部と、前記基部から延出された支持部と、質量調整部と、が設けられている素子を用意する工程と、前記素子が搭載される回路素子を用意する工程と、前記素子を、平面視で前記質量調整部が前記回路素子と重ならない位置に配置し、前記素子を前記回路素子に搭載する工程と、前記質量調整部にレーザー光を照射し、質量調整を行う工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
本適用例の電子デバイスの製造方法によれば、平面視で質量調整部が回路素子と重ならない位置に配置し、素子を回路素子に搭載する。その後、素子の質量調整部にレーザー光を照射し、質量調整を行っても、平面視で質量調整部が回路素子と重ならない位置に配置されていることから、質量調整部に照射されたレーザー光が素子を透過しても回路素子には照射されない。このように、レーザー光による回路素子へのダメージを防止することができる電子デバイスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る電子デバイスとしての振動デバイスを模式的に示し、(a)は平面図、(b)は正断面図。
図2】実施形態に係る電子デバイスとしての振動デバイスの、質量調整部の部分を拡大して示す部分断面図。
図3】実施形態に係る素子としての振動素子(ジャイロ素子)の動作を説明する図。
図4】実施形態に係る振動デバイスの製造工程を示すフロー図。
図5】電子機器の一例としてのモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図。
図6】電子機器の一例としての携帯電話機の構成を示す斜視図。
図7】電子機器の一例としてのデジタルスチールカメラの構成を示す斜視図。
図8】移動体の一例としての自動車の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に沿って説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載する場合がある。また、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照し、各部の位置関係について説明する。鉛直面内における所定方向をX軸方向、鉛直面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向をZ軸方向とする。また、重力方向を基準として、重力方向を下方向、逆方向を上方向とする。
【0020】
本発明にかかる電子デバイスの一例としての本実施形態の振動デバイスは、駆動回路素子が設けられた半導体基板の能動面である第1の面に振動素子が重ねて設けられているものである。
【0021】
本発明にかかる電子デバイスの一例として振動デバイスを用い、図1図2図3に沿って実施形態を説明する。
図1は、本実施形態にかかる振動デバイスの概略構成を模式的に示し、(a)は平面図、(b)は正断面図である。図2は、振動デバイスの質量調整部の部分を拡大して示す部分断面図である。図3は、振動デバイスに用いられる素子としての振動素子(ジャイロ素子)の動作を説明する概略図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の電子デバイスの一例としての振動デバイス1は、回路素子としての半導体基板10と、素子としての振動素子(ジャイロ素子)20と、ベース基板(パッケージ)80と、を備えている。
【0023】
(振動素子の構造)
本実施形態の振動素子(ジャイロ素子)20は、基材(主要部分を構成する材料)として圧電体材料である水晶を用いている。水晶は、結晶軸として電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸及び光学軸と呼ばれるZ軸を有している。本実施形態では、水晶の結晶軸において直交するX軸及びY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みを有した所謂水晶Z板を基材として用いた例を説明する。なお、ここでいう所定の厚みは、発振周波数(共振周波数)、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。また、振動素子20を形成する平板は、水晶からの切り出し角度の誤差を、X軸、Y軸及びZ軸の各々につき多少の範囲で許容できる。例えば、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。Y軸及びZ軸についても同様である。本実施形態において振動素子20は、水晶を用いたが他の圧電材料(例えば、タンタル酸リチウムやチタン酸ジルコン酸鉛等)を基材として用いても良い。
【0024】
振動素子20は、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング(ウエットエッチングまたはドライエッチング)によって形成されている。なお、振動素子20は、1枚の水晶ウェハーから複数個取りすることが可能である。
【0025】
本実施形態の振動素子20は、所謂H型と呼ばれる構成のジャイロ素子である。振動素子20は、基材を加工することにより一体に形成された、基部21と、振動部としての駆動用振動腕22a,22b、及び検出用振動腕23a,23bと、調整用振動腕24a,24bと、を有している。更に、基部21の一方端から延出する第1連結部25a、および第1連結部25aから延在する第1延設部25bと、基部21の他方端から延出する第2連結部26a、および第2連結部26aから延在する第2延設部26bと、が形成されている。さらに、第1延設部25bと第2延設部26bは、それぞれ延伸し、連結されて支持部27が形成されている。支持部27は、駆動用振動腕22a,22bに対向するように設けられており、振動素子20が半導体基板10に固定されるための、図示しない電極が設けられている。そして、振動素子20は、支持部27に設けられている電極と半導体基板10とが固定されることによって電気的導通を取りながら半導体基板10に搭載される。
【0026】
振動素子20の調整用振動腕24a,24bには、質量調整部としての調整用電極(金属層)124a,124bが形成されている。また、調整用電極124a,124bは、振動素子20の周波数調整の際に利用される。周波数調整は、調整用振動腕24a,24bにレーザー光を照射する方法などにより、調整用電極124a,124bの一部を除去することによって質量を変化(減少)させ調整用振動腕24a,24bの周波数を変化(上昇)させて、所望の周波数に調整する(詳細は後述する)。
【0027】
振動素子20の検出用振動腕23a,23bには、図示しない検出電極が形成されている。また、駆動用振動腕22a,22bには、図示しない駆動電極が形成されている。振動素子20は、検出用振動腕23a,23bで、角速度等を検出する検出振動系を構成し、駆動用振動腕22a,22bと、調整用振動腕24a,24bとで、振動素子20を駆動する駆動振動系を構成している。
【0028】
(半導体基板の構造)
半導体基板10は、半導体基板10の能動面10aに、図示を省略するトランジスターやメモリー素子などの半導体素子、及び、回路配線を含んで構成される集積回路(駆動回路)などの能動素子(不図示)が形成される能動領域を有している。
この能動領域に形成された能動素子には、振動素子20を駆動振動させるための駆動回路、角速度等が加わったときに振動素子20に生じる検出振動を検出する検出回路などが備えられている。
【0029】
また、熱膨張(収縮)によって、半導体基板10と振動素子20との間に生じる応力を緩和する応力緩和層(図1及び図2において図示省略)が能動面10aに設けられている。
【0030】
(半導体の電極構成)
半導体基板10には、能動面10a側に設けられた第1の電極13が設けられている。第1の電極13は、半導体基板10に設けられた集積回路に直接導通して形成されたものである。また、能動面10a上には、パッシベーション膜となる第1絶縁膜が形成されており(不図示)、この第1絶縁膜には、第1の電極13上に開口部(不図示)が形成されている。また、応力緩和層の開口部(不図示)にも第1の電極13上に開口部(不図示)が形成されている。このような構成によって第1の電極13は、それぞれの開口部内にて外部に露出した状態となっている。
【0031】
第1の電極13上には、接続端子12が設けられている。この接続端子12は、例えば、Auスタッドバンプで形成された突起電極となっている。なお、接続端子12は、Auスタッドバンプの他に銅、アルミやはんだボールなど他の導電性材料にて形成することもできる。また、接続端子12は、銀粉や銅粉などの導電性フィラーと合成樹脂等とを混合した導電性接着剤によっても形成することができる。
このような構成により、半導体基板10と振動素子20とは、半導体基板10に形成された第1の電極13および接続端子12を介して振動素子20に設けられた支持部27の図示しない電極と電気的に接続される。
この際、振動素子20は、接続端子12が突起電極となっていることから、半導体基板10との間に隙間が設けられる。
【0032】
また、半導体基板10の能動面10a側には接続端子12と同程度の厚みを有する素子保持部15が、振動素子20の第1連結部25aと第2連結部26aに対向する位置に設けられている。素子保持部15は、柔軟な材料、例えばポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂などで形成されることが好ましい。
素子保持部15は、半導体基板10と振動素子20との空隙を確実に保つとともに、振動デバイス1に衝撃が加わるなどにより振動素子20が撓み、半導体基板10に衝突して振動素子20が破損することを防止する、所謂緩衝材として機能させることができる。
なお、本実施形態では、素子保持部15の形成された例で説明したが、振動素子20と半導体基板10との間に十分な隙間が設けられれば、素子保持部15を設けない構成でもよい。
【0033】
また、半導体基板10に設けられた集積回路には、第1の電極13以外に図示しない電極、およびこれらの電極と接続された配線が設けられている。集積回路は、これらの電極、あるいは配線などを介して配線用端子(パッド電極)14と接続されている。配線用端子14は、電気的、あるいは機械的な接続を成すためのパッド状に形成されている。配線用端子14は、例えば、金(Au)、アルミニウム(Al)などのワイヤー31を用いる、所謂ワイヤーボンディングによって、ベース基板80に設けられている接続部82と接続されている。なお、本例では、配線用端子14とベース基板80(接続部82)との接続にワイヤー31を用いる構成で説明したが、ワイヤー31に替えてフレキシブル配線基板(FPC:Flexible Printed Circuits)などを用いて接続することもできる。
【0034】
(ベース基板(パッケージ))
次に、振動デバイス1を構成するベース基板80について説明する。
ベース基板(パッケージ)80の底面83には、半導体基板10が接合(接続)されている。半導体基板10と底面83との接合は、半導体基板10の能動面10aと表裏の関係となる半導体基板10の非能動面10bが、図示しない接着剤などの接合部材により底面83と接合されている。
ベース基板80は、例えば、セラミックのような絶縁性材料で形成されている。半導体基板10と接合されるベース基板80の底面83には、接続部82が形成されている。この接続部82には、金(Au)、銀(Ag)などの金属被膜が形成されている。また、ベース基板80の接続部82と、半導体基板10に設けられた配線用端子14とがワイヤー31によって接続されている。なお、接続部82は、図示を省略する配線によってベース基板80に設けられた外部端子と接続されている。
【0035】
ベース基板80は、周囲に側壁81を有し、中央部が凹形状のパッケージ(収納容器)を形成している。ベース基板80内(パッケージ内)に収納された半導体基板10や振動素子20などは、蓋体85によって気密的に封止される。蓋体85は、金属製リッドなどが用いられており、パッケージの側壁81の端面とシールリング84を介して接合されている。
【0036】
(振動素子の配置)
振動素子20は、振動デバイス1を平面視した場合において、調整用振動腕24a,24bに設けられた質量調整部としての調整用電極124a,124bが、半導体基板10と重ならないように半導体基板10の能動面10a側に配置されている。換言すると、振動デバイス1を平面視した場合において、振動素子20は、調整用電極124a,124bが、ベース基板80の底面83に対向するように配置される。
振動素子20は、支持部27が接続端子12を介して半導体基板10に設けられた第1の電極13に接続されることによって半導体基板10に搭載されている。
【0037】
図2に示すように、図中矢印の方向から照射されたレーザー光Lは、調整用電極(金属層)124a(124b)を除去しながらレーザー光Lの光軸が水平方向に移動する。調整用電極124a(124b)が除去された部分124a’は、レーザー光Lが調整用振動腕24a,24bを透過する。したがって、振動素子20が前述のように配置されている場合は、後述する周波数調整工程S600において、調整用振動腕24a,24bを透過したレーザー光Lが、ベース基板80の底面83に照射されることになる。
このような構成とすることにより、調整用電極124a(124b)に照射されたレーザー光Lが振動素子20を透過しても半導体基板10の能動面10aに照射されることがない。これにより、レーザー光Lによる半導体基板10へのダメージを防止することができる。
【0038】
本実施形態の振動デバイス1のベース基板80は、前述の通りセラミックなどの材料で形成されており、レーザー光が照射されることによって溶融される虞は少ない。しかしながら、少ない溶融でも、例えばベース基板80の強度に影響を生じる虞がある場合は、図2に示すように、ベース基板80にレーザー光Lが照射される可能性のある領域にレーザー保護層86を設けてもよい。レーザー保護層86は、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)などの金属層、或いは金属層に金(Au)などのメッキを施した構成で形成することができる。
このレーザー保護層86をベース基板80の底面83に設けることにより、調整用振動腕24a,24bを透過したレーザー光Lが、ベース基板80の底面83に直接照射されることがなくなり、ベース基板の底面83へのレーザー光Lによるダメージを防止することができる。
【0039】
(振動素子の動作)
ここで、振動デバイス1に搭載される振動素子(ジャイロ素子)20の動作について説明する。図3は、振動デバイス1を構成する振動素子20の動作を示す図である。
先ず、半導体基板10に設けられた駆動回路から振動素子20へ励振駆動信号が印加される。所定の励振駆動信号が印加された駆動用振動腕22a,22bを振動させた状態で、振動素子20にZ軸回りの角速度ωが加わることによって、検出用振動腕23a,23bにはコリオリ力による振動が生じる。この検出用振動腕23a,23bの振動によって調整用振動腕24a,24bが励振される。そして、振動デバイス1は、検出用振動腕23a,23bに設けられた検出電極(図1において不図示)が、振動により発生した振動素子20の基材である水晶(圧電材料)の歪を検出することで、角速度を求めることができる。
【0040】
(センサーデバイスの製造方法)
ここで、本実施形態の振動デバイス1の製造方法について説明する。
なお、本説明では、図1に示す振動デバイス1において、ベース基板80として凹部を有するパッケージを用いて、そのパッケージ内に振動デバイス1を接合し蓋体85により封止する態様の振動デバイス1の製造方法を説明する。図4は、振動デバイス1の製造工程を示すフロー図(フローチャート)である。なお、以下の説明は、図4を用いるとともに、図1を参照し、同図の符号を用いて行う。
【0041】
図4に示す様に、振動デバイス1の製造方法は、ベース基板準備工程S100と、半導体基板形成工程S200と、半導体基板接続工程S300と、振動素子形成工程S400と、振動素子接続工程S500と、周波数調整工程S600と、封止工程S700と、ベーキング工程S800と、特性検査工程S900とを含む。
【0042】
[ベース基板準備工程]
ベース基板準備工程S100は、ベース基板80を準備する工程である。ベース基板準備工程S100は、セラミックなどで形成されたベース基板80を準備する。なお、ベース基板80の一面である底面83には、半導体基板10との電気的接続を行うための接続部82が形成されている。
【0043】
[半導体基板形成工程]
半導体基板形成工程S200は、振動素子20が搭載される半導体基板10を形成する工程である。半導体基板形成工程S200は、シリコンウエハー製造工程S210と、ダイシング工程S220とを含む。
シリコンウエハー製造工程S210は、半導体製造プロセスを用いて能動素子を備える半導体基板10をシリコンウエハーに複数一括して形成する。この工程において、シリコンウエハーに形成されるそれぞれの半導体基板10の能動面10a上の、集積回路の導電部となる位置に、第1の電極13、配線用端子14、及び図示しない他の電極を形成する。また、半導体基板10の能動面10a側に、図示しない応力緩和層や第1絶縁膜や保護層を形成する。
【0044】
ついで、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって応力緩和層と、第1絶縁膜との一部を除去し、開口部を形成する。これにより、これら開口部内に第1の電極13、他の電極(図示せず)、および配線用端子14を露出させる。
配線用端子14には、その表面にニッケル(Ni)、金(Au)メッキを施すことにより、ワイヤーボンディングの際の接合性を高めておく。なお、ハンダメッキ、ハンダプリコートなどの表面処理を施したものとしてもよい。
【0045】
また、シリコンウエハー製造工程S210は、第1の電極13上に、Auスタッドバンプで形成された接続端子12を形成する。なお、接続端子12は、Auスタッドバンプの他に銅、アルミニウム(Al)やはんだボール、はんだペーストなど他の導電性材料にて形成することもできる。
また、シリコンウエハー製造工程S210では、能動面10a側に素子保持部15を形成してもよい。素子保持部15は、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂などで形成される。
【0046】
ダイシング工程S220は、シリコンウエハーに複数個取りされて形成された半導体基板10を個片化する工程である。ダイシング工程S220は、先ずベベルカット法によって、保護層の切断及び半導体基板10の一部の切断(ハーフカット)を行う。次いで、ダイシングソーなどを用い、その回転刃によって、半導体基板10の切断を行う。
保護層を切断(切開)するベベルカットは、V字形状の刃物を被切断物である保護層と半導体基板10に押し当てることで、保護層と半導体基板10とを刃物と同じV字形状に切開する。
次にダイシング工程S220は、ベベルカット法によって保護層と半導体基板10の一部とが切り開かれ半導体基板10が表れた部分に、回転刃を挿入してシリコンウエハーを切断し、半導体基板10を個片化する。
【0047】
[半導体基板接続工程]
半導体基板接続工程S300は、半導体基板10の非能動面10b側を、ベース基板80の底面83に接着剤などの接合部材(図示せず)を介して接合する工程である。また、半導体基板接続工程S300は、半導体基板10の配線用端子14とベース基板80の接続部82とを、ワイヤーボンディング法によりワイヤー31を用いて接続する。
【0048】
[振動素子形成工程]
振動素子形成工程S400は、振動素子としての振動素子20を形成する工程である。振動素子形成工程S400は、外形形成工程S410と、電極形成工程S420と、離調周波数調整工程S430と、ブレイク工程S440とを含む。
振動素子20は、図示しない振動素子用ウェハーを用いて多数個取りにて形成することができる。
先ず、外形形成工程S410は、振動素子用ウェハーにフォトリソグラフィー技術を用いたエッチングにより複数の振動素子20の外形を形成する工程である。
次に、電極形成工程S420は、振動素子20の素材にスパッタリングや蒸着により形成された金属層を、フォトリソグラフィー技術を用いて駆動電極や検出電極等の電極や配線として形成する工程である。この電極形成工程S420において、振動素子20における調整用振動腕24a,24bに質量調整部としての調整用電極124a,124bや、検出用振動腕23a,23bに図示を省略する検出電極や、駆動用振動腕22a,22bに図示を省略する駆動電極を形成する。
【0049】
[離調周波数調整工程]
離調周波数調整工程S430は、レーザー光を用いて振動素子20の離調周波数調整を行う工程である。
離調周波数調整工程S430では、調整用振動腕24a,24bと、駆動用振動腕22a,22bとの屈曲振動周波数の差をみて、その差を補正するバランス調整(チューニング)を行うものであり、振動素子用ウェハーの状態で行うことができる。換言すると、後述するブレイク工程S440の前に行うことができる。
チューニングは、調整用振動腕24a,24bに設けられた調整用電極124a,124bに、集光されたレーザー光を照射して行う。レーザー光が照射された調整用電極124a,124bは、レーザー光のエネルギーによりその一部が溶融、蒸発する。この調整用電極124a,124bの溶融、蒸発により、調整用振動腕24a,24bの質量が変化する。これによって、駆動用振動腕22a,22bと調整用振動腕24a,24bとの共振周波数が変化するので、各振動腕のバランス調整(チューニング)を行うことができる。チューニングは、振動素子20が半導体基板10に搭載されてから周波数調整工程S600によって再度行われる。
【0050】
[振動素子ブレイク工程]
ブレイク工程S440は、振動素子用ウェハーをブレイク(切断)して個片の振動素子20を得る個片化を行う工程である。個片化は、外形形成工程S410にて振動素子用ウェハーの振動素子20の外形の一部の連結部分にミシン目や溝を形成しておくことにより、そのミシン目や溝に沿ってブレイクすることによって行うことができる。
【0051】
[振動素子接続工程]
振動素子接続工程S500は、振動素子20を半導体基板10に載置し、半導体基板10の第1の電極13と、振動素子20の支持部27に設けられている図示しない電極とを接続端子12を介して接続する工程である。
このとき、振動素子20は、振動デバイス1を平面視した場合において、調整用振動腕24a,24bに設けられた質量調整部としての調整用電極124a,124bが、半導体基板10と重ならないように配置する。換言すると、振動デバイス1を平面視した場合において、調整用電極124a,124bが、ベース基板80の底面83に対向するように振動素子20を配置し、半導体基板10に振動素子20を搭載する。
【0052】
[周波数調整工程]
周波数調整工程S600は、レーザー光を用いて振動素子20の周波数調整(バランスチューニング)を行う工程である。バランスチューニングは、振動素子20の調整用振動腕24a,24bに設けられた調整用電極124a,124bに、前述した離調周波数調整工程S430と同様に、集光されたレーザー光を照射して行う。レーザー光が照射された調整用電極124a,124bは、レーザー光のエネルギーにより溶融、蒸発し、その質量変化により調整用振動腕24a,24bの共振周波数を変化させることによって、駆動用振動腕22a,22bのバランス調整(チューニング)を行うことができる。具体的には、振動デバイス1(振動素子20)に加速度が加わっていない状態において駆動用振動腕22a,22bを励振して振動させたときに、検出用振動腕23a,23bが振動しない様に調整用振動腕24a,24bに設けられた質量調整部としての調整用電極124a,124bの質量調整によって周波数調整を行う。
【0053】
このとき、調整用電極124a,124bを溶融、蒸発させたレーザー光が、振動素子20を透過することがあるが、本例の構成では、振動デバイス1を平面視した場合において、調整用振動腕24a,24bに設けられた質量調整部としての調整用電極124a,124bが、半導体基板10と重ならないように配置されている。これによって、レーザー光が調整用振動腕24a,24b(振動素子20)を透過した場合には、そのレーザー光は、ベース基板80の底面83、或いはベース基板80の底面83に設けられたレーザー保護層86に照射され、半導体基板10には直接照射されない。これにより、半導体基板10に設けられた能動素子や配線などを含んで構成される集積回路が溶融して特性が損なわれることを回避することができる。
【0054】
[封止工程]
封止工程S700は、ベース基板(パッケージ)80上に蓋体85を接合することにより、半導体基板10および振動素子20が接合されたベース基板80の凹部を封止する工程である。本例では、蓋体として金属製のリッド85を用いている。封止工程S700は、リッド85を、例えば鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金等からなるシールリング84を介してシーム溶接することにより接合することができる。このとき、必要に応じて、ベース基板80の凹部とリッド85とにより形成されるキャビティーを減圧空間、または不活性ガス雰囲気にして密閉・封止することができる。また、リッド85の他の接合方法としては、リッド85をハンダ等の金属ロウ材を介してベース基板80上に接合したり、または、ガラス製のリッド85を用いて、低融点ガラス等でベース基板80上に接合したりすることもできる。
【0055】
[ベーキング工程、特性検査工程]
ベーキング工程S800は、振動デバイス1を、所定温度のオーブンに所定時間投入し、振動デバイス1に含まれる水分を排湿するベーキングを行う工程である。
また、特性検査工程S900は、電気特性検査や外観検査などの特性検査を行って、規格外の不良品を取り除く工程である。
特性検査工程S900が完了すれば、一連の振動デバイス1の製造工程が終了する。
【0056】
上述した実施形態の振動デバイス1によれば、以下の効果が得られる。
振動デバイス1の調整用振動腕24a,24bに設けられた質量調整部としての調整用電極124a,124bが、半導体基板10と重ならず、ベース基板80の底面83に対向するように配置されている。したがって、周波数調整工程S600において、調整用振動腕24a,24bを透過したレーザー光Lは、ベース基板80の底面83に照射され、半導体基板10の能動面10aに照射されることがない。これにより、レーザー光Lによる半導体基板10へのダメージを防止することができる。
【0057】
また、上述した振動デバイス1の製造方法によれば、以下の効果が得られる。
振動デバイス1の製造方法は、振動デバイス1を平面視したとき、調整用電極124a,124bが半導体基板10の能動面10aと重ならない位置に配置し、半導体基板10に振動素子20を搭載する。その後、調整用電極124a,124bにレーザー光を照射し、質量調整を行う。したがって、調整用電極124a,124bに照射されたレーザー光が振動素子20を透過しても半導体基板10には照射されない。このように、レーザー光による半導体基板10へのダメージを防止することができる振動デバイス1の製造方法を提供することができる。
【0058】
前述の実施形態では、素子として所謂H型のジャイロ素子を用いたジャイロセンサーを例に説明したが、電子デバイスとしてはこれに限らない。他の電子デバイスとしては、例えば素子としてWT型、あるいは音叉型のジャイロ素子を用いたジャイロセンサー、水晶振動素子(振動片)を用いたタイミングデバイス(水晶振動子、水晶発振器など)、感圧素子を用いた圧力センサーなどであってもよい。
【0059】
[電子機器]
次いで、本発明の一実施形態に係る電子デバイスを適用した電子機器について、図5図7に基づき、詳細に説明する。
【0060】
図5は、本発明の一実施形態に係る振動素子を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する電子デバイス(タイミングデバイス)1が内蔵されている。
【0061】
図6は、本発明の一実施形態に係る電子デバイスを備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。このような携帯電話機1200には、フィルター、共振器、角速度センサー等として機能する電子デバイス(タイミングデバイス、ジャイロセンサー)1が内蔵されている。
【0062】
図7は、本発明の一実施形態に係る振動素子を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部100は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部100に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、フィルター、共振器、角速度センサー等として機能する電子デバイス(タイミングデバイス、ジャイロセンサー)1が内蔵されている。
【0063】
なお、本発明の一実施形態に係る振動デバイス1は、図5のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図6の携帯電話機、図7のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
【0064】
[移動体]
図8は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車106には本発明に係る振動素子を有する振動子やジャイロ素子を有するジャイロセンサーなどの振動デバイス1が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車106には、振動デバイス1を内蔵してタイヤ109を制御する電子制御ユニット108が車体107に搭載されている。また、振動デバイス1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
【符号の説明】
【0065】
1…電子デバイスとしての振動デバイス(ジャイロセンサー)、10…回路素子としての半導体基板、10a…能動面、10b…非能動面、12…接続端子、13…第1の電極、14…配線用端子(パッド電極)、15…素子保持部、20…素子としての振動素子(ジャイロ素子)、21…基部、22a,22b…駆動用振動腕、23a,23b…検出用振動腕、24a、24b…調整用振動腕、25a…第1連結部、25b…第1延設部、26a…第2連結部、26b…第2延設部、27…支持部、31…ワイヤー、80…ベース基板(パッケージ)、81…側壁、82…接続部、83…底面、84…シールリング、85…蓋体としてのリッド、86…レーザー保護層、106…移動体としての自動車、124a、124b…調整用電極(金属層)、1100…電子機器としてのモバイル型のパーソナルコンピューター、1200…電子機器としての携帯電話機、1300…電子機器としてのデジタルスチールカメラ、L…レーザー光。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8