特許 6222339 光ディスク装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6222339

(24)【登録日】2017年10月13日

(45)【発行日】2017年11月1日

(54)【発明の名称】光ディスク装置

(51)【国際特許分類】

   G11B 17/04 20060101AFI20171023BHJP

【ＦＩ】

   G11B17/04

【請求項の数】8

【全頁数】16

(21)【出願番号】特願2016-246388(P2016-246388)

(22)【出願日】2016年12月20日

(62)【分割の表示】特願2012-187540(P2012-187540)の分割

【原出願日】2012年8月28日

(65)【公開番号】特開2017-54577(P2017-54577A)

(43)【公開日】2017年3月16日

【審査請求日】2016年12月20日

(73)【特許権者】

【識別番号】000201113

【氏名又は名称】船井電機株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001933

【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】水田 康秀

(72)【発明者】

【氏名】安藤 征洋

(72)【発明者】

【氏名】一戸 一男

(72)【発明者】

【氏名】上島 力哉

(72)【発明者】

【氏名】今井 啓

(72)【発明者】

【氏名】中川 喜由希

(72)【発明者】

【氏名】栗田 剛志

(72)【発明者】

【氏名】森園 孝次

(72)【発明者】

【氏名】寺岡 聖仁

【審査官】 斎藤 眞

(56)【参考文献】

【文献】 特開２００８−０３４０３０（ＪＰ，Ａ）

【文献】 実開昭６３−０７２７６５（ＪＰ，Ｕ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｇ１１Ｂ １７／０４−１７／０５７

Ｇ１１Ｂ ２１／１２−２１／１４

Ｇ１１Ｂ ２１／１６−２１／２６

Ｂ２１Ｄ １１／００−２１／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

駆動モータと、
光ディスクに光を照射する光ピックアップと、
前記駆動モータの動力により前記光ディスク及び前記光ピックアップを移動させる動力伝達部と、
前記光ディスクが第１の位置にあるときと第２の位置にあるときとで信号の状態が変わるスイッチと、
前記光ディスクを前記第１の位置から移動させるタイミングと、当該タイミングから所定時間内の前記信号の状態とに基づいて、前記光ディスクを前記第１の位置に戻す制御部と、
第１の係合部を有するメインシャーシと、
を備え、
前記動力伝達部は前記光ピックアップのラックを含み、
前記ラックは、第２の係合部を有し、
前記スイッチは、前記第１の係合部と前記第２の係合部とが係合することで前記ラックによってオンされ、前記第１の係合部と前記第２の係合部との係合が外れたときにオフされることを特徴とする光ディスク装置。

【請求項2】

前記第１の位置は、前記光ディスクが収納される位置であり、
前記第２の位置は、前記光ディスクが取り出される位置であり、
前記制御部は、前記スイッチがオフであって、前記タイミグから所定時間内に前記スイッチがオンとならないときに、前記光ディスクを前記第１の位置に戻すことを特徴とする請求項１に記載の光ディスク装置。

【請求項3】

干渉部を更に備え、
前記光ディスクが前記第１の位置に到達する前に前記第１の係合部と前記第２の係合部との係合が外れたときに前記ラックが前記干渉部に干渉することで前記スイッチがオフされることとを特徴とする請求項１又は２に記載の光ディスク装置。

【請求項4】

前記干渉部は前記第１の係合部に形成されることを特徴とする請求項３に記載の光ディスク装置。

【請求項5】

前記駆動モータの動力によって前記光ディスクを前記第１の位置に戻すことを特徴とする請求項１〜請求項４のいずれか１項に記載の光ディスク装置。

【請求項6】

前記光ディスクを前記第１の位置に戻すために前記駆動モータに印加される駆動電圧は、通常モードで前記光ディスクを前記第１の位置に搬送するために前記駆動モータに印加される駆動電圧よりも高電圧であることを特徴とする請求項５に記載の光ディスク装置。

【請求項7】

前記動力伝達部には、前記光ピックアップのラックと、前記駆動モータの動力を伝える歯車機構とが含まれ、
前記光ピックアップが基準位置に到達したときに、前記ラックと前記歯車機構とを歯飛びさせた状態で前記光ディスクを前記第１の位置に戻すことを特徴とする請求項６に記載の光ディスク装置。

【請求項8】

前記動力伝達部には、前記光ピックアップのラックと、前記駆動モータの動力を伝える歯車機構とが含まれ、
前記光ピックアップが基準位置に到達したときに、前記ラックと前記歯車機構とを噛合させた状態で前記光ディスクを前記第１の位置に戻し、その後、前記光ピックアップを前記基準位置に戻すことを特徴とする請求項５に記載の光ディスク装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、光ディスク装置に関する。

【背景技術】

【0002】

光ディスクを再生するための光ディスク装置が広く普及している。光ディスク装置は、メインシャーシと、光ディスクが載置されるトレイと、光ピックアップ及びターンテーブルが搭載されたトラバースシャーシ、トラバースシャーシを上下に揺動させるカムスライダ、駆動モータ、駆動モータの駆動力を光ピックアップのラック、トレイのラック、カムスライダのラックに伝達するギアを有する。

【0003】

トレイを閉鎖する際の動作について以下説明する。トレイが挿脱位置（光ディスクを挿脱する位置）にあるときに、駆動モータからの駆動力がギアを介してトレイのラックに伝達されると、トレイは収納位置（光ディスクを装置内に収納する位置）に向かって搬送される。その後駆動モータの駆動力はカムスライダのラックにも伝達され、トラバースシャーシを上昇させる。

【0004】

なお、トレイが挿脱位置にあるとき及びトレイが搬送中であるときは、光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部が係合して（図９参照）光ピックアップのラックとギアが噛合しない。これによってトレイが収納位置に到達する前に駆動モータの駆動力が光ピックアップのラックに伝達されることはなく、光ピックアップの移動が制限されている。

【0005】

一方、トレイが収納位置に到達し、トラバースシャーシが最も高い位置に到達すると、ターンテーブルに光ディスクがチャッキングされる。また、同時に光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部の係合が外れ（図１０参照）、光ピックアップのラックと光ピックアップのラックに駆動モータの駆動力を伝達するギアとが噛合する。

【0006】

これによって駆動モータの駆動力が光ピックアップのラックに伝達される。トレイには光ディスクの情報記録面を露出させるための開口が形成されており、光ピックアップはトレイの開口内を光ディスクの径方向に移動することでトレイに干渉することなく所定の位置まで移動可能である。

【0007】

光ディスク装置は一般的にトレイを挿脱位置から収納位置に搬送するときも、収納位置から挿脱位置に搬送するときも同一の駆動モータの駆動力を利用している。従って、トレイが挿脱位置と収納位置のいずれにあるかを正確に検知し、一方の位置から他方の位置にトレイを移動させるように駆動モータを駆動する必要がある。

【0008】

そこで光ディスク装置はスイッチを備え、トレイが挿脱位置にあるときは光ピックアップのラックがスイッチを押下することによりトレイが挿脱位置にあることが検知される。一方、トレイが収納位置にあるときは光ピックアップのラックがスイッチを押下しないのでトレイが収納位置にあることが検知される。

【0009】

ところで従来の光ディスク装置は正常動作時であればトレイが挿脱位置にあって光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部が係合しているときにスイッチがオンされ、トレイが収納位置にあって光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部の係合が外れたときにスイッチがオフされる。しかしながらトレイが挿脱位置にあって光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部が係合している状態で強い衝撃が加わると、光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部の係合が外れることでスイッチがオンされる（すなわちスイッチのオン状態が維持される）構造となっていた。

【0010】

また、光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部の係合が外れるとトレイが収納位置に到達していなくても駆動モータの駆動力が光ピックアップに伝達される。従ってそのような状態でユーザによりトレイのクローズ指示がなされると、トレイの搬送と共に光ピックアップが移動する。すると、光ピックアップが先に所定の位置（例えば光ディスクの読込位置）に到達するので、トレイが収納位置に到達する前にトレイの搬送が終了されてしまうという問題があった。

【0011】

そこで例えば特許文献１の光ディスク装置は、ターンテーブルに対して光ピックアップが離反しないように光ピックアップを当止するストッパー（ロック解除防止手段）を備えている。これによって光ディスクのチャッキングが解除された状態で、振動や衝撃等の外力によって光ピックアップのロックが外れるのを防いでいる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0012】

【特許文献1】特開２００７−２４２１０９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0013】

しかしながら、光ディスク装置がロック解除防止手段を備えることとすると部品点数が増え、コストが上昇する。また、ロック解除防止手段を備えない光ディスク装置においては依然として光ピックアップのロックが解除されることによって不具合が生じるという問題は解決されない。

【0014】

本発明は上述した問題点に鑑み、光ディスクのチャッキングが解除された状態で、光ピックアップのロックが解除されても使用可能な光ディスク装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0015】

上記目的を達成するために本発明の光ディスク装置は、係合部を有するメインシャーシと、動力源である駆動モータと、前記駆動モータの駆動力を受けて挿脱位置と収納位置の間を摺動するトレイと、前記トレイに載置される光ディスクに光を照射すると光ピックアップと、係合部を有するとともに前記駆動モータの動力源を前記光ピックアップに伝える光ピックアップのラックと、前記メインシャーシの係合部と前記光ピックアップのラックの係合部とが係合することで前記光ピックアップのラックによってオンされて前記トレイがオープン状態であると検知するとともに前記メインシャーシの係合部と前記光ピックアップのラックの係合部との係合が外れたときに前記光ピックアップのラックによってオンされないことで前記トレイがクローズ状態であると検知するスイッチと、前記スイッチがオフであって前記トレイのオープン指示がなされてから所定時間以内に前記スイッチがオンにならないときに前記トレイを収納位置に搬送する制御部と、を備えることを特徴とする。

【0016】

上記構成によれば、衝撃、振動等の外力により、トレイが収納位置に到達していないにも関わらず、光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部との係合が外れても、異常を検知してトレイを収納位置に搬送する。従って、光ディスクのチャッキングが解除された状態で光ピックアップのロックが解除されても（トレイが収納位置に到達していないにも関わらず光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部との係合が外れても）修理等を要することなく継続して光ディスク装置を使用することができる。

【0017】

また上記構成の光ディスク装置において、干渉部を備え、前記トレイが収納位置に到達する前に前記メインシャーシの係合部と前記光ピックアップのラックの係合部との係合が外れたときに前記光ピックアップのラックが前記干渉部に干渉することで前記スイッチがオンされないことが望ましい。

【0018】

この構成によれば、トレイが収納位置に到達する前にメインシャーシの係合部と光ピックアップのラックの係合部との係合が外れたときに光ピックアップのラックが干渉部に干渉する。従って、異常が発生していること（すなわちトレイが収納位置でないのに両係合部の係合が外れていること）が容易に検出できる。

【0019】

また上記構成の光ディスク装置において、前記干渉部は前記メインシャーシの係合部に形成されることが望ましい。

【0020】

この構成によれば、干渉部がメインシャーシの係合部に形成される。干渉部を固定部品であって剛性の高いメインシャーシに形成することにより、異常時に干渉部を光ピックアップのラックに対して確実に干渉させることができる。

【0021】

また上記構成の光ディスク装置において、前記駆動モータの駆動力によって前記トレイを収納位置に搬送することが望ましい。

【0022】

この構成によれば、追加部品を必要とすることなく駆動モータによってトレイを収納位置に搬送することができるのでコストが上昇しない。

【0023】

また上記構成の光ディスク装置において、前記メインシャーシの係合部と前記光ピックアップのラックの係合部との係合が外れているときの前記トレイを収納位置に搬送するために前記駆動モータに印加される駆動電圧は、前記メインシャーシの係合部と前記光ピックアップのラックの係合部とが係合しているときの前記トレイを収納位置に搬送するために前記駆動モータに印加される駆動電圧よりも高電圧であることが望ましい。

【0024】

この構成によれば、異常時（トレイが収納位置に到達していないにも関わらず両係合部との係合が外れた）にトレイを収納位置に搬送するために駆動モータに印加される駆動電圧は、正常時（トレイが収納位置であって両係合部との係合が外れているとき）にトレイを収納位置に搬送するために駆動モータに印加される駆動電圧より高い。つまり、異常時のほうが正常時に比べて駆動モータの駆動力が強くなる。従って、トレイを収納位置に移動させやすくなる。

【0025】

また上記構成の光ディスク装置において、前記光ピックアップのラックに前記駆動モータの駆動力を伝える駆動力伝達機構を備え、前記光ピックアップが基準位置に到達したときに、前記光ピックアップのラックと前記駆動力伝達歯車機構とを歯飛びさせた状態で前記トレイを収納位置に搬送することで、前記トレイを収納位置に搬送することが望ましい。

【0026】

この構成によれば、光ピックアップが基準位置（特に、基準位置がターンテーブルから遠いストロークエンドである場合）に到達したときに、トレイが収納位置に到達していない場合であっても、光ピックアップのラックと駆動力伝達歯車機構を歯飛びさせることで、光ピックアップの位置を変化させずに、トレイが正常な位置（すなわち収納位置）に搬送される。これによって、トレイを収納位置に搬送することができる。

【0027】

また上記構成の光ディスク装置において、前記光ピックアップのラックに前記駆動モータの駆動力を伝える駆動力伝達機構を備え、前記光ピックアップが基準位置に到達したときに、前記光ピックアップのラックと前記駆動力伝達歯車機構とを噛合させた状態で前記トレイを収納位置に搬送し、その後、前記光ピックアップを基準位置に戻すことで、前記トレイを収納位置に搬送することが望ましい。

【0028】

この構成によれば、光ピックアップが基準位置（特に、基準位置が両ストロークエンドの間の任意の位置である場合）に到達したときに、トレイが収納位置に到達していない場合であっても、光ピックアップのラックと駆動力伝達歯車機構を噛合させた状態で、光ピックアップの位置を変化させつつ、トレイを正常な位置（すなわち収納位置）に搬送し、その後、光ピックアップが基準位置に戻る。これによって、トレイを収納位置に搬送することができる。

【発明の効果】

【0029】

この発明によれば、衝撃、振動等の外力により、トレイが収納位置に到達していないにも関わらず、光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部との係合が外れても、異常を検知してトレイを収納位置に搬送する。従って、光ディスクのチャッキングが解除された状態で光ピックアップのロックが解除されても（トレイが収納位置に到達していないにも関わらず光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部との係合が外れても）修理等を要することなく継続して光ディスク装置を使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【0030】

【図1】本発明の光ディスク装置のディスクローダの構成を示す上面図

【図2】本発明の光ディスク装置のディスクローダの構成を示す背面図

【図3】本発明の光ディスク装置のディスクローダの構成を示す正面図

【図4】光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部が係合していない状態を示す拡大模式図。

【図5】光ピックアップのラックとギアの噛合い状態を示す拡大模式図

【図6】本発明の光ディスク装置の構成を示すブロック図

【図7】スイッチと光ピックアップのラックの位置関係を示す図

【図8】本発明の光ディスク装置が行う処理の一例を示す第１のフローチャート

【図9】従来の光ディスク装置で光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部が係合している状態を示す拡大模式図

【図10】従来の光ディスク装置で光ピックアップのラックの係合部とメインシャーシの係合部が係合していない状態を示す拡大模式図

【発明を実施するための形態】

【0031】

以下に本発明の光ディスク装置について図面を参照して説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために本発明の光ディスク装置の一例を示すものであって、本発明をこの光ディスク装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の装置にも等しく適応し得るものである。

【0032】

以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。図１は本実施形態の光ディスク装置のディスクローダの構成を示す上面図である。図２は本実施形態の光ディスク装置のディスクローダの構成を示す背面図である。図３は光ディスク装置のディスクローダの構成を示す正面図である。図１〜図３はトレイ３が挿脱位置にあるときのディスクローダ１を示している。なお、以下の説明において、「前後」はトレイ３の搬送方向において挿脱位置側を「前」、収納位置側を「後」とする。また、「上下」はトラバースシャーシ４の昇降方向において、トレイ３（トレイ３に載置された光ディスク）に接近する方向を「上」、トレイ３（トレイ３に載置された光ディスク）から離反する方向を「下」とする。また、「左右」は図１の紙面に対して左手側を「左」、右手側を「右」とする。

【0033】

図１〜図３に示すように、ディスクローダ１は、メインシャーシ２、光ディスクが載置されるとともにメインシャーシ２に対して光ディスクの挿脱位置と光ディスクの収納位置の間を摺動するトレイ（ディスクトレイ）３、メインシャーシ２に対して上下摺動可能に取り付けられるトラバースシャーシ４、トラバースシャーシ４を上下に摺動させるカムスライダ５を備える。

【0034】

メインシャーシ２は図示しない光ディスク装置本体（筐体）に固定されている。メインシャーシ２の上方には左右方向（トレイ３の搬送方向に垂直な方向）に渡って略長板状のクランパホルダ２１が架設されており、その略中央には略円板状クランパ６が回転可能に設けられている。メインシャーシ２はさらにその前部に、後述する光ピックアップのラック（ＯＰＵラック）１２の係合部１２１に係合する係合部２２を有する。

【0035】

トレイ３はディスクが載置される載置部３１と、トレイ３の長さ方向に延びるラックギアであるトレイラック３２と、トレイ３の裏面（下面）に形成されるガイド溝３３を有する。載置部３１は小径（直径８ｃｍ）の光ディスク及び大径（１２ｃｍ）の光ディスクを載置可能に形成されている。トレイ３には矩形状の開口３４が形成されている。

【0036】

トレイラック３２はトレイ３の右側端部に形成される。トレイラック３２が後述するギア８に噛合することでギア８の回転力（すなわち駆動モータ７の駆動力）がトレイ３に伝達され、これによってトレイ３が摺動する。なお、トレイラック３２はトレイ３が収納位置にあるときにおいて、ギア８と噛合わないように形成される。これにより、トレイ３が収納位置に到達した後、光ピックアップ９を光ディスクの径方向に移動させることができる（詳細は後述）。

【0037】

ガイド溝３３はトレイ３の裏面に２つ形成される。いずれのガイド溝３３にもカムスライダ５が有するスライダボス５１が係合される。本実施形態において一方のガイド溝３３は長尺に形成され、他方のガイド溝３３は開口３４を形成するのに伴って短尺に形成される。

【0038】

スライダボス５１はトレイ３が搬送されることでガイド溝３３の異なる部分に係合するように形成されている。より詳細には、ガイド溝３３はトレイ３の搬送方向に平行に形成される直線溝部３３１と、トレイ３の搬送方向に対して斜めに形成される斜行溝部３３２と、トレイの搬送方向に対して垂直に形成される直交溝部３３３を有する（但し、上述した理由により、本実施形態において直線溝部３３１を有するのは一方のガイド溝３３のみである）。

【0039】

そしてトレイ３が挿脱位置から収納位置に搬送されるに従って、スライダボス５１は直線溝部３３１、斜行溝部３３２、直交溝部３３３の順に係合する。スライダボス５１が直線溝部３３１に係合している間においては、トレイ３の搬送中の振動等が軽減される。

【0040】

トラバースシャーシ４は駆動モータ７、駆動モータ７の駆動力をトレイラック３２と後述するスライダラック５２と後述するＯＰＵラック１２に伝達する複数のギア（駆動力伝達歯車機構）８、光ディスクの情報記録面にレーザ光を照射し、情報の記録・再生を行う光ピックアップ９、光ディスクの情報記録面の中央を支持するターンテーブル１０、光ピックアップ９を摺動可能に支持する２本のガイドシャフト１１、ギア８に噛合することでギア８の回転力（すなわち駆動モータ７の駆動力）を光ピックアップ９に伝達するＯＰＵラック１２を有する。

【0041】

トラバースシャーシ４は後述するカムスライダ５のカム溝５３に係合する昇降ボス４１を有する。

【0042】

駆動モータ７には複数のギア８が取り付けられており、駆動モータ７の駆動力を減速して、トレイラック３２、スライダラック５２、ＯＰＵラック１２に伝達する。なお、説明の便宜上、複数のギア８の内、トレイラック３２、スライダラック５２、ＯＰＵラック１２に噛合うギアをそれぞれ第１のギア８１、第２のギア８２、第３のギア８３ということもある。駆動モータ７及びギア８はいずれもトラバースシャーシ４の右側に設けられている。

【0043】

なお、本実施形態では各ラックに噛合するギア８として、第１のギア８１、第２のギア８２、第３のギア８３を備えることとしているが、単一のギアが複数のラックに噛合することとしてもよい。すなわち、後述するように本実施形態のディスクローダ１においては、複数のラックが同時にギアに噛合することはないので単一のギアで複数のラックに駆動モータ７の駆動力を伝達することとすれば部品点数を削減することができる。本実施形態では特に第１のギア８１と第２のギア８２を単一のギアとしてもよい。

【0044】

光ピックアップ９は各種光学部品を備える。光ピックアップ９はＯＰＵラック１２を介して第３のギア８３の回転力（駆動モータ７の駆動力）が伝達される。そして、光ピックアップ９はガイドシャフト１１を摺動して光ディスクの径方向に移動することでターンテーブル１０に接近し、或いはターンテーブル１０から離反する。

【0045】

ＯＰＵラック１２は係合部１２１を有する。係合部１２１はトレイ３が収納位置にあるとき以外（すなわちトレイ３が挿脱位置又は搬送中であるとき）に上述したメインシャーシ２の係合部２２に係合する。係合部２２と係合部１２１が係合しているときは、ＯＰＵラック１２と第３のギア８３が噛合しておらず、駆動モータ７の駆動力が光ピックアップ９に伝達されない。

【0046】

一方、係合部２２と係合部１２１の係合が外れる（言い換えれば、トレイ３が収納位置に到達する）と、ＯＰＵラック１２と第３のギア８３が噛合し、駆動モータ７の駆動力が光ピックアップ９に伝達される。

【0047】

カムスライダ５はスライダボス５１とスライダラック５２とカム溝５３を有する。スライダボス５１は上述したようにトレイ３のガイド溝３３に係合する。スライダラック５２は第２のギア８２に噛合するラックである。

【0048】

カム溝５３にはトラバースシャーシ４の昇降ボス４１が係合される。昇降ボス４１はカムスライダ５がスライドすることでカム溝５３の異なる部分に係合するように形成されている。

【0049】

より詳細には、カム溝５３は、トレイ３に最も近い位置でトレイ３の搬送方向に垂直な方向に沿って形成される上溝部５３１、トレイ３に最も遠い位置でトレイ３の搬送方向に垂直な方向に沿って形成される下溝部５３３、トレイ３の搬送方向に垂直な方向に対して斜めに形成され、上溝部５３１と下溝部５３３を連結する斜溝部５３２を有する。

【0050】

そしてカムスライダ５がスライドするに従って、昇降ボス４１は下溝部５３３、斜溝部５３２、上溝部５３１の順に係合する。つまり昇降ボス４１はカムスライダ５がスライドするに従って上昇し、これに伴ってトラバースシャーシ４が上昇する。

【0051】

次に、本実施形態の光ディスク装置において、光ディスクをトレイ３に載置してから、光ピックアップ９が光ディスクの情報記録面にレーザ光を照射するまでの一連の動作について説明する。

【0052】

トレイ３が挿脱位置であるときにおいて、トレイラック３２と第１のギア８１のみが噛合しており、スライダラック５２と第２のギア８２、及び、ＯＰＵラック１２と第３のギア８３は噛合していない。また、昇降ボス４１はカム溝５３の下溝部５３３に係合している（図３参照）。また、係合部２２は係合部１２１に係合している。また、スライダボス５１はガイド溝３３の直線溝部３３１に係合している。

【0053】

ユーザにより載置部３１に光ディスクが載置され、トレイ開閉釦（図６に示すトレイ開閉手段）が押下されると駆動モータ７が駆動する。上述したように、トレイ３が挿脱位置にあるときに駆動モータ７の駆動力は第１のギア８１及びトレイラック３２を介してトレイ３のみに伝達される。これによってトレイ３は収納位置に向かって摺動し始める。

【0054】

トレイ３が収納位置に向かって摺動すると、スライダボス５１は順次、ガイド溝３３の斜行溝部３３２、直交溝部３３３に係合する。スライダボス５１が直交溝部３３に係合すると、カムスライダ５が第２のギア８２に向かってスライドする。そして、トレイ３が収納位置に到達すると、スライダラック５２と第２のギア８２が噛合する。なお、トレイ３が収納位置に到達すると、トレイラック３２と第１のギア８１の噛合が外れる。

【0055】

トレイ３が収納位置に到達すると、駆動モータ７の駆動力は第２のギア８２及びスライダラック５２を介してカムスライダ５に伝達される。これによってカムスライダ５がメインシャーシ２の右側壁２ａに向かってスライドする。当該スライド動作に伴って、昇降ボス４１は順次、カム溝５３の斜溝部５３２、上溝部５３１に係合し、トラバースシャーシ４が上昇する（トレイ３に接近する）。

【0056】

昇降ボス４１が上溝部５３１に係合し、カムスライダ５がスライドするとスライダラック５２と第２のギア８２の噛合が外れ、カムスライダ５のスライド動作が終了する。そしてカムスライダ５のスライド動作が終了すると係合部２２と係合部１２１の係合が外れ、ＯＰＵラック１２が第３のギア８３に噛合する（図５参照、なお図５はディスクローダ１を上面側からみたときのＯＰＵラック１２と第３のギア８３の噛合い状態を示す拡大模式図である。）。

【0057】

これによって駆動モータ７の駆動力は第３のギア８３及びＯＰＵラック１２を介して光ピックアップ９に伝達される。光ピックアップ９は駆動モータ７の駆動力によって、ガイドシャフト１１上を光ディスクの径方向に摺動する。そして光ピックアップ９が基準位置に到達すると駆動モータ７が停止し、光ピックアップ９から光ディスクの情報記録面に向かってレーザ光が射出される。

【0058】

本実施形態において、光ピックアップ９の基準位置とは、光ピックアップ９の位置制御を行うための基準となる位置であり、光ピックアップ９は光ディスクが挿入されたとき（トレイ３が収納位置に到達したとき）に、駆動モータ７の駆動力によって当該基準位置まで移動される。

【0059】

本実施形態において基準位置は、ターンテーブル１０から最も離反した位置（ターンテーブル１０から遠いストロークエンド）として説明するがこれに限られるものではない。ターンテーブル１０に最も近い位置（ターンテーブル１０に近いストロークエンド）であってもよいし、両ストロークエンド間の任意の位置であってもよい。

【0060】

上述したように本実施形態では単一の駆動モータ７の駆動力をギア及びラックを介してトレイ３、カムスライダ５、光ピックアップ９に伝達しており、夫々に駆動力が伝達されるタイミングは重複しない。従って、ユーザによってトレイ開閉手段１４が押下されたときにトレイ３の位置が収納位置であるか挿脱位置であるかを正確に検知してトレイ３が収納位置にあるときはトレイ３を挿脱位置に移動させるように駆動モータ７を駆動し、トレイ３が挿脱位置にあるときはトレイ３を収納位置に移動させるように駆動モータ７を駆動する必要がある。

【0061】

しかしながら、衝撃や振動等の外力により、トレイ３が収納位置にない場合（挿脱位置或いは搬送中である場合）に、係合部１２と係合部１２２の係合が外れることが想定される。その場合、第１のギア８１とトレイラック３２が噛合すると同時に、第３のギア８３とＯＰＵラック１２が噛合するので、駆動モータ７の駆動力がトレイ３及び光ピックアップ９に伝達されることになる。

【0062】

この状態でトレイ３を収納位置に向かって摺動すると、光ピックアップ９も径方向に移動する。そして光ピックアップ９が基準位置に到達することによって駆動モータ７の駆動が停止したり、トレイ３が光ピックアップ９に干渉して収納位置まで摺動することができなくなったりするという問題が発生する。

【0063】

そこで本実施形態では駆動モータ７の駆動力がトレイ３及び光ピックアップ９に同時に伝達された場合であっても、異常を検知してトレイ３の位置と、係合部１２及び係合部１２２の係合状態とを正常な状態に復帰させる。言い換えれば、正常動作時の係合部１２及び係合部１２２の係合が外れているときにトレイ３があるべき位置（すなわち収納位置）にトレイ３を搬送する。図６は本実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。

【0064】

図６に示すように本実施形態の光ディスク装置は、制御部１３、駆動モータ７、トレイ開閉手段１４、スイッチ１５を備える。駆動モータ７は図１及び図２に示す駆動モータ７と同一であるため説明を省略する。

【0065】

制御部１３は駆動モータ７の駆動を含め、光ディスク装置全体を総括的に制御する制御手段である。制御部１３はＣＰＵとＲＯＭとＲＡＭ（いずれも不図示）とを含んでいる。ＲＯＭには制御部１３が実行するプログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータが記憶されている。ＣＰＵはＲＯＭに記憶されている各種プログラムを実行する。ＲＡＭは各種処理の過程で得られるデータや各種処理の結果得られるデータを一時的に格納する。これらＣＰＵ、ＲＡＭ、ＲＯＭ等は、バスを介して接続されている。なお、ＣＰＵ、ＲＯＭ及びＲＡＭはこれらの一部または全部を１チップに集積化しても構わない。

【0066】

トレイ開閉手段１４は制御部１３に対してトレイ３の搬送動作指示を入力する操作手段である。トレイ開閉手段１４としては、例えば光ディスク装置本体に取り付けられたトレイ開閉釦や、遠隔操作手段（リモコン）等を使用することができる。

【0067】

スイッチ１５はトレイ３の位置が収納位置であるか収納位置でないかを検知する検知手段である。なお、収納位置でないとは、挿脱位置である場合と搬送中である場合を含むが、スイッチ１５はトレイ３の開閉動作の基準となる検知手段であり、本実施形態ではスイッチ１５はトレイ３の位置が収納位置であるか挿脱位置であるかを検知することとする。

【0068】

スイッチ１５はＯＰＵラック１２の移動経路の最前部に配されており、正常動作時においては係合部２２と係合部１２１が係合されたときにＯＰＵラック１２によってオンされる。つまりトレイ３が収納位置にあるときは係合部２２と係合部１２１の係合が外れているのでスイッチ１５はＯＰＵラック１２によってオンされない。一方、トレイ３が挿脱位置にあるときは係合部２２と係合部１２１が係合してスイッチ１５はＯＰＵラック１２によってオンされる。図７はスイッチ１５がＯＰＵラック１２によってオンされる直前のスイッチ１５とＯＰＵラック１２の位置関係を示す図である。

【0069】

さらに異常動作時について説明を行う。トレイ３の位置が挿脱位置であるときは係合部２２と係合部１２１が係合している。上述したように光ディスク装置の落下等により光ディスク装置に強い衝撃が加わるとトレイ３の位置が挿脱位置であるにも関わらず係合部２２と係合部１２１の係合が外れることが考えられる。

【0070】

図４に示すように係合部２２は干渉部２３を備える。干渉部２３は係合部２２と一体成型することとしてもよいし、係合部２２に取り付けられることとしてもよい。干渉部２３はトレイが３の位置が挿脱位置であって係合部２２と係合部１２１の係合が外れたときに係合部１２１に干渉してＯＰＵラック１２の前方向への移動を制限する。これによってスイッチ１５がＯＰＵラック１２によってオンされない。

【0071】

制御部１３は正常動作時において搬送動作指示が入力されると、トレイ３を収納位置から挿脱位置に搬送し、或いは、挿脱位置から搬送位置に搬送するよう駆動モータ７を制御する。以下、正常動作状態であるか異常動作状態であるかを判定し、異常動作状態であるときに制御部１３が行う処理についてフローチャートを参照して説明する。

【0072】

図８は本実施形態の光ディスク装置の制御部が行う処理の一例を示すフローチャートである。より詳細には、トレイ３の位置が挿脱位置であって係合部２２と係合部１２１の係合が外れたときに制御部１３が行う処理を示すフローチャートである。

【0073】

トレイ３が挿脱位置にあるときにおいて、制御部１３はトレイ開閉手段１４を介してトレイ３のクローズ（閉鎖）指示がなされたか否かを判定する（ステップＳ０１）。トレイクローズ指示がなされたとき（ステップＳ０１のＹ）ステップＳ０２に進み、トレイ３のクローズ指示がなされていないとき（ステップＳ０１のＮ）はステップＳ０１に戻る。

【0074】

ステップＳ０２において制御部１３はスイッチ１５がオンであるかオフであるかを判定する。スイッチ１５がオンであればステップＳ０３に進み、トレイ３が挿脱位置にあるものとしてトレイ３のクローズ動作を行うよう駆動モータ７を駆動して処理を終了する。一方スイッチ１５がオフであればステップＳ０４に進み、トレイ３が収納位置にあるものとしてトレイ３のオープン動作を行うように駆動モータ７を駆動してステップＳ０５に進む。

【0075】

ステップＳ０５において制御部１３はトレイ３のオープン動作を開始してから所定時間以内にスイッチ１５がオンになったか否かを判定する。所定時間以内にスイッチ１５がオンになっていれば正常動作状態であるため処理を終了する。一方、所定時間以内にスイッチ１５がオンになっていなければ異常動作状態であると判定してステップＳ０６に進む。

【0076】

本実施形態において所定時間は特に限られるものではないが、例えば正常動作状態においてトレイ３のオープン動作を開始してからスイッチ１５がオンされるまでの時間を基準として定められる。

【0077】

ステップＳ０６において制御部１３は駆動モータ７を強制復帰モードで駆動する。強制復帰モードとは正常動作状態におけるクローズ動作で駆動モータ７に印加する駆動電圧よりも高い駆動電圧を駆動モータ７に印加してクローズ動作を行うモードである。

【0078】

上述したように、トレイ３のクローズ動作と光ピックアップ９の移動動作が略同時に開始されると、光ピックアップ９が先に基準位置に到達して駆動モータ７の駆動が停止することにより、トレイ３を収納位置まで搬送することができなくなる。

【0079】

この状態において、駆動モータ７の駆動力はトレイ３と光ピックアップ９の双方に伝達されているため、トレイ３の位置を光ピックアップ９の位置（基準位置）に対して正常な位置（収納位置）に搬送する（復帰させる）ためには、ＯＰＵラック１２と第３のギア８３を歯飛びさせつつ、駆動モータ７の駆動力をトレイ３に伝達する必要がある。

【0080】

ＯＰＵラック１２と第３のギア８３を歯飛びさせるためには駆動モータ７を通常モード（例えば２Ｖの駆動電圧を印加するモード）よりも高い駆動電圧を印加するモード（例えば３．５Ｖ〜５Ｖの駆動電圧を印加するモード）で駆動する必要がある。そこで本実施形態ではＯＰＵラック１２と第３のギア８３を歯飛びさせるために駆動モータ７を強制復帰モードで駆動することで、トレイ３の位置を光ピックアップ９の位置に対して正常な位置（収納位置）に搬送することとしている。

【0081】

なお、光ピックアップ９の基準位置がターンテーブル１０から遠いストロークエンドではない場合において、ＯＰＵラック１２と第３のギア８３を歯飛びさせることができない（すなわち、光ピックアップ９が基準位置から移動してしまう）ときは、トレイ３を収納位置に搬送した後で、光ピックアップ９を基準位置まで戻すこととすればよい。

【0082】

本実施形態によれば、衝撃、振動等の外力により、トレイ３が収納位置に到達していないにも関わらず、係合部２２と係合部１２１との係合が外れても、異常を検知してトレイ３を収納位置に搬送する。従って、光ディスクのチャッキングが解除された状態で光ピックアップ９のロックが解除されても（トレイ３が収納位置に到達していないにも関わらず係合部２２と係合部１２１との係合が外れても）修理等を要することなく継続して光ディスク装置を使用することができる。

【0083】

また、トレイ３が収納位置に到達する前に係合部２２と係合部１２１との係合が外れたときにＯＰＵラック１２が干渉部２３に干渉する。従って、異常が発生していること（すなわちトレイ３が収納位置でないのに両係合部の係合が外れていること）が容易に検出できる。

【0084】

また、干渉部２３がメインシャーシ２の係合部２２に形成される。干渉部２３を固定部品であって剛性の高いメインシャーシ２に形成することにより、異常時に干渉部２３をＯＰＵラック１２に対して確実に干渉させることができる。

【0085】

また、追加部品を必要とすることなく駆動モータによってトレイを収納位置に搬送することができるのでコストが上昇しない。

【0086】

また、異常時（トレイ３が収納位置に到達していないにも関わらず両係合部との係合が外れた）にトレイ３を収納位置に搬送するために駆動モータ７に印加される駆動電圧は、正常時（トレイ３が収納位置であって両係合部との係合が外れているとき）にトレイ３を収納位置に搬送するために駆動モータ７に印加される駆動電圧より高い。つまり、異常時のほうが正常時に比べて駆動モータ７の駆動力が強くなる。従って、トレイ３を収納位置に移動させやすくなる。

【0087】

また、光ピックアップ９が基準位置（特に、基準位置がターンテーブル１０から遠いストロークエンドである場合）に到達したときに、トレイ３が収納位置に到達していない場合であっても、ＯＰＵラック１２とギア８を歯飛びさせることで、光ピックアップ９の位置を変化させずに、トレイ３が正常な位置（すなわち収納位置）に搬送される。これによって、トレイ３を収納位置に搬送することができる。

【0088】

また、光ピックアップ９が基準位置（特に、基準位置が両ストロークエンドの間の任意の位置である場合）に到達したときに、トレイ３が収納位置に到達していない場合であっても、ＯＰＵラック１２とギア８を噛合させた状態で、光ピックアップ９の位置を変化させつつ、トレイ３を正常な位置（すなわち収納位置）に搬送し、その後、光ピックアップ９が基準位置に戻る。これによって、トレイ３を収納位置に搬送することができる。

【産業上の利用可能性】

【0089】

本発明は、光ディスク装置に利用できる。

【符号の説明】

【0090】

１ ディスクローダ
２ メインシャーシ
３ トレイ
４ トラバースシャーシ
５ カムスライダ
６ クランパ
７ 駆動モータ
８ ギア
９ 光ピックアップ
１０ ターンテーブル
１１ ガイドシャフト
１２ 光ピックアップのラック（ＯＰＵラック）
１４ トレイ開閉手段
１５ スイッチ
２２ 係合部
２３ 干渉部
３２ トレイラック
３３ ガイド溝
４１ 昇降ボス
５１ スライダボス
５２ スライダラック
５３ カム溝
１２１ 係合部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】