特許第6222357号(P6222357)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222357
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/47 20170101AFI20171023BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   B60Q3/47
   H05B37/02 D
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-528769(P2016-528769)
(86)(22)【出願日】2014年6月23日
(86)【国際出願番号】JP2014066550
(87)【国際公開番号】WO2015198375
(87)【国際公開日】20151230
【審査請求日】2016年10月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144544
【氏名又は名称】レシップホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 直之
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−513294(JP,A)
【文献】 特開平11−214169(JP,A)
【文献】 特開2010−153335(JP,A)
【文献】 特開2009−262579(JP,A)
【文献】 特開2013−60071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/00
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置される照明装置であって、
前記車両の内部に設置される光源と、
前記車両の外部の光の照度を検出する外光センサと、
前記外光センサによって検出される前記照度が高い程、前記光源の調光率が低くなるように、前記光源を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記照度の変化量が所定値を超えてから所定期間が経過するまでの間に、前記照度が低い状態から高い状態へ変化しても、前記光源の前記調光率を維持する調光率維持制御を実行する、照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記所定期間が経過するまでの間に、前記照度が低い状態から高い状態へ変化し、かつ、前記所定期間が経過する際に、前記照度が変化後の高い状態である場合に、前記光源の前記調光率が低くなるように、前記光源を制御する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記照度が高い状態から低い状態へ変化する場合の前記変化量が前記所定値を超えてから前記所定期間が経過するまでの間に、前記調光率維持制御を実行し、
前記照度が低い状態から高い状態へ変化する場合の前記変化量が前記所定値を超えても、前記調光率維持制御を実行しない、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記照度の前記変化量が第1のタイミングで前記所定値を超えてから前記所定期間が経過する前に、前記照度の前記変化量が前記所定値を再び超えない場合に、前記第1のタイミングから前記所定期間が経過するまでの間に、前記調光率維持制御を実行し、
前記照度の前記変化量が第1のタイミングで前記所定値を超えてから前記所定期間が経過する前に、前記照度の前記変化量が第2のタイミングで前記所定値を再び超える場合に、前記第1のタイミングから前記第2のタイミングまでの間に、前記調光率維持制御を実行すると共に、前記第2のタイミングから前記所定期間が経過するまでの間に、前記調光率維持制御を実行する、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記照度が高い状態から低い状態へ変化する場合に、前記調光率が単位時間当たり第1の値だけ高くなるように、前記光源を制御し、
前記照度が低い状態から高い状態へ変化する場合に、前記調光率が単位時間当たり前記第1の値よりも小さい前記第2の値だけ低くなるように、前記光源を制御する、請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、車両に設置される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日本国特許公開公報平10−335074号(以下、特許文献1という)には、光源を備える照明装置が開示されている。照明装置は、照明装置によって光が照射されるべき照明領域の明るさを検出し、検出済みの明るさと、所定の明るさと、の差分を算出する。そして、照明装置は、算出済みの差分に基づいて、照明領域が上記の所定の明るさとなるように、光源の調光率を変更する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の照明装置では、照明領域の明るさが頻繁に変化する場合に、当該変化に応じて、光源の調光率も頻繁に変化する。このような状況では、ヒトが調光率の変化を頻繁に知覚し得るので、ヒトに不快感を与え得る。本明細書では、ヒトが調光率の変化を頻繁に知覚するのを抑制し得る技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、車両に設置される照明装置を開示する。照明装置は、光源と、外光センサと、制御部と、を備える。光源は、車両の内部に設置される。外光センサは、車両の外部の光の照度を検出する。制御部は、外光センサによって検出される照度が高い程、光源の調光率が低くなるように、光源を制御する。制御部は、照度の変化量が所定値を超えてから所定期間が経過するまでの間に、照度が低い状態から高い状態へ変化しても、光源の調光率を維持する調光率維持制御を実行する。上記の構成によると、照明装置は、光源の調光率が短期間の間に頻繁に変化するのを抑制することができるので、ヒトが調光率の変化を頻繁に知覚するのを抑制し得る。
【0005】
制御部は、所定期間が経過するまでの間に、照度が低い状態から高い状態へ変化し、かつ、前記所定期間が経過する際に、照度が変化後の高い状態である場合に、光源の調光率が低くなるように、光源を制御してもよい。この構成によると、照明装置は、所定期間が経過した後に、外光の照度に応じて、光源を適切に制御することができる。
【0006】
制御部は、照度が高い状態から低い状態へ変化する場合の変化量が所定値を超えてから所定期間が経過するまでの間に、調光率維持制御を実行し、照度が低い状態から高い状態へ変化する場合の変化量が所定値を超えても、調光率維持制御を実行しなくてもよい。この構成によると、照明装置は、照度が変化する方向に応じて、光源を適切に制御することができる。
【0007】
制御部は、照度の変化量が第1のタイミングで所定値を超えてから所定期間が経過する前に、照度の変化量が所定値を再び超えない場合に、第1のタイミングから所定期間が経過するまでの間に、調光率維持制御を実行し、照度の変化量が第1のタイミングで所定値を超えてから所定期間が経過する前に、照度の変化量が第2のタイミングで所定値を再び超える場合に、第1のタイミングから第2のタイミングまでの間に、調光率維持制御を実行すると共に、第2のタイミングから所定期間が経過するまでの間に、調光率維持制御を実行してもよい。この構成によると、照明装置は、適切な期間に亘って、調光率維持制御を実行することができる。
【0008】
制御部は、照度が高い状態から低い状態へ変化する場合に、調光率が単位時間当たり第1の値だけ高くなるように、光源を制御し、照度が低い状態から高い状態へ変化する場合に、調光率が単位時間当たり第1の値よりも小さい第2の値だけ低くなるように、光源を制御してもよい。この構成によると、照明装置は、照度が変化する方向に応じて、光源の調光率の変化速度を適切に制御することができる。
【0009】
なお、上記の照明装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】照明装置の構成を示す。
図2】日射量が変化する場合における光源の調光率の変化を示す。
図3】車両が長いトンネルを通過するケースAを示す。
図4】車両が1個の短いトンネルを通過するケースBを示す。
図5】車両が2個の短いトンネルを通過するケースCを示す。
図6】比較例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例)
(照明装置10の構成;図1
図1を参照して、照明装置10の構成を説明する。照明装置10は、鉄道車両(以下では「車両」と呼ぶ)に設置される。照明装置10は、外光センサ12と、光源14と、制御部30と、を備える。外光センサ12は、車両の外部の光の照度を検出して、当該照度を示す外光信号を制御部30に出力する。光源14は、車両の内部に設置される。光源14は、例えば、LED(Light Emitting Diodeの略)ランプ、蛍光ランプ、高圧放電ランプ等である。
【0012】
制御部30は、外光センサ12から入力される外光信号に応じて、光源14を制御する。具体的には、制御部30は、外光信号が示す照度が高い程、光源14の調光率が低くなるように、光源14を制御する。換言すると、制御部30は、外光信号が示す照度が低い程、光源14の調光率が高くなるように、光源14を制御する。即ち、制御部30は、車両の内部が外光によって明るい状況では、光源14の調光率を低くして、光源14の消費電力を低減させ、車両の内部が外光によって暗い状況では、光源14の調光率を高くして、車両の内部を明るくする。
【0013】
調光率(dimming rate)は、光源14の明るさを定義する量であり、最も明るい状態が100%であり、最も暗い状態(即ち光源14が消灯している状態)が0%である。調光率は、以下のように言い換えることもできる。例えば、調光率は、光源14の最大の光束(luminous flux;単位はlm(ルーメン))に対する光源14の実際の光束の割合である。上記の光束に代えて、光度(luminous intensity;単位はcd(カンデラ))、輝度(luminance;単位はcd/m)、又は、照度(illuminance;lx(ルクス))が利用されてもよい。また、光束は、光源14に供給される電流量(単位はA(アンペア))にほぼ比例する。そのため、例えば、実用上では、調光率は、光源14に供給可能な最大の電流量に対する光源14に実際に供給される電流量の割合と言うこともできる。
【0014】
制御部30は、外光変化検出回路32と、調光率制御回路34と、ドライバ回路36と、を備える。外光変化検出回路32は、外光信号が示す照度の変化量を算出する。具体的には、外光変化検出回路32は、外光信号の微分係数を算出することによって、照度の変化量を算出する。即ち、照度の変化量は、予め決められた微小期間における照度の変化量である。そして、外光変化検出回路32は、外光信号が示す照度が高い状態から低い状態へ変化する場合の変化量が所定値を超える場合には、変化量が所定値を超えてから所定期間が経過するまでの間に、光源14の調光率を維持させるための維持信号を調光率制御回路34に出力する。ただし、外光変化検出回路32は、外光信号が示す照度が低い状態から高い状態へ変化する場合の変化量が所定値を超える場合には、維持信号を調光率制御回路34に出力しない。
【0015】
外光変化検出回路32は、図示省略のタイマーを備えており、維持信号の出力が開始された時点でタイマーをスタートさせる。外光変化検出回路32は、タイマーのカウント値が所定期間(例えば5秒)を経過した時点で、維持信号を調光率制御回路34に出力することを終了する。これにより、外光変化検出回路32は、外光の変化量が所定値を超えてから所定期間が経過するまでの間に、維持信号を調光率制御回路34に出力することができる。なお、外光変化検出回路32は、タイマーのカウント値が所定期間を経過する前に、照度の変化量が所定値を再び超える場合に、タイマーのカウント値をリセットして、タイマーを再スタートさせる。即ち、外光変化検出回路32は、照度の変化量が所定値を超えてから照度の変化量が所定値を再び超えるまでの間に、維持信号を調光率制御回路34に出力する共に、照度の変化量が所定値を再び超えてから所定期間が経過するまでの間に、維持信号を調光率制御回路34に出力する。
【0016】
調光率制御回路34は、外光信号が示す照度に応じた調光率信号をドライバ回路36に出力する。具体的には、調光率制御回路34は、外光信号が示す照度が高い程、低い調光率を示す調光率信号をドライバ回路36に出力し、外光信号が示す照度が低い程、高い調光率を示す調光率信号をドライバ回路36に出力する。ただし、調光率制御回路34は、外光変化検出回路32からの維持信号の入力が開始されてから、当該維持信号の入力が終了するまでの間では、以下の(1)及び(2)の動作を実行する。(1)調光率制御回路34は、外光信号が示す照度が低い状態から高い状態へ変化しても、光源14の調光率を低くするための調光率信号をドライバ回路36に出力せずに、光源14の調光率を維持するための調光率信号をドライバ回路36に出力する。このように、光源14の調光率が維持されるので、例えば、車両が複数個の短いトンネルを連続して通過する状況のように、外光の照度が頻繁に変化しても、光源14の調光率が短期間の間に頻繁に変化するのを抑制することができる。この結果、ヒトが調光率の変化を頻繁に知覚するのを抑制し得る。(2)調光率制御回路34は、外光信号が示す照度が高い状態から低い状態へ変化する際に、光源14の調光率を高くするための調光率信号をドライバ回路36に出力する。
【0017】
調光率制御回路34は、さらに、以下のようにして、調光率信号をドライバ回路36に出力する。例えば、車両がトンネルに入る時点では、外光信号が示す照度は、高い状態から低い状態へ急激に変化する。この場合、調光率制御回路34は、外光信号が示す照度の急激な変化に追従して、低い調光率を示す調光率信号を出力する状態から、高い調光率を示す調光率信号を出力する状態に、高速で変化する。これにより、車両がトンネルに入った直後に、光源14の調光率を瞬時に高くすることができる。また、例えば、車両がトンネルから出る時点では、外光信号が示す照度は、低い状態から高い状態へ急激に変化する。この場合、調光率制御回路34は、外光信号が示す照度の急激な変化に追従せずに、高い調光率を示す調光率信号を出力する状態から、低い調光率を示す調光率信号を出力する状態に、低速で変化する。これにより、車両がトンネルから出た直後に、光源14の調光率が急に低くなることを抑制することができる。この結果、ヒトが調光率の変化を知覚することを抑制し得るので、ヒトに不快感を与えることを抑制し得る。即ち、調光率制御回路34は、外光信号が示す照度が高い状態から低い状態へ変化する場合に、光源14の調光率が単位時間当たり第1の値だけ高くなるように(即ち高速で変化するように)、光源14を制御し、外光信号が示す照度が低い状態から高い状態へ変化する場合に、光源14の調光率が単位時間当たり第1の値よりも小さい第2の値だけ低くなるように(即ち低速で変化するように)、光源14を制御する。
【0018】
ドライバ回路36は、調光率制御回路34から入力される調光率信号に応じて、光源14を制御する。具体的には、ドライバ回路36は、調光率信号が示す調光率に応じて、光源14に供給されるべき電流量を制御する。即ち、ドライバ回路36は、調光率信号が示す調光率が高い程、光源14に供給されるべき電流量を多くし(即ち高い調光率を設定し)、調光率信号が示す調光率が低い程、光源14に供給されるべき電流量を少なくする(即ち低い調光率を設定する)。
【0019】
(日射量の変化と光源14の調光率との関係;図2
上述したように、照明装置10では、外光の照度が高い程、光源14の調光率が低くなるように、光源14が制御される。このために、図2に示されるように、日射量の変化に応じて、以下のように光源14の調光率が変化する。日射量は、日中から夜間にかけて緩やかに変化する。このため、外光信号が示す照度は、日中から夜間にかけて、高い状態から低い状態へ緩やかに変化する。外光変化検出回路32は、外光の照度が緩やかに変化することに起因して照度の変化量が所定値を超えないので、維持信号を調光率制御回路34に出力しない。従って、調光率制御回路34は、外光信号が示す照度に応じた調光率信号をドライバ回路36に出力する。この結果、ドライバ回路36は、調光率制御回路34から入力される調光率信号に応じて、日中から夜間にかけて、調光率が低い状態から高い状態へ緩やかに変化するように、光源14を制御する。
【0020】
(ケースA;図3
続いて、図3を参照して、車両が長いトンネルを通過するケースAについて説明する。時刻t1以前では、車両は、トンネル外を走行している。そのため、時刻t1以前では、外光信号が示す照度は比較的に高い。従って、光源14の調光率は比較的に低い。また、時刻t1以前では、外光の照度がほぼ一定であるので、照度の変化量(即ち微分係数の絶対値)が所定値を超えない。このために、時刻t1以前では、維持信号が出力されない。なお、維持信号のグラフは、時刻t1以前のようにレベルが低い状態では、維持信号が出力されていないことを示し、時刻t2のようにレベルが高い状態では、維持信号が出力されていることを示す。
【0021】
時刻t1では、車両は、長いトンネル内に入る。そのため、外光信号が示す照度は、高い状態から低い状態へ急激に変化する。従って、光源14の調光率は、時刻t1から時刻t2にかけて、低い状態から高い状態へ高速で変化する。これにより、車両がトンネルに入った直後に、光源14の調光率を瞬時に高くすることができる。時刻t1での調光率と時刻t2での調光率との差分を、時刻t1と時刻t2との差分で除算した値が、上記の「第1の値」の一例である。また、時刻t1では、微分係数は負の値であり(即ち、外光信号が示す照度が高い状態から低い状態へ変化しており)、かつ、微分係数の絶対値は所定値を超える。このために、時刻t1において、維持信号の出力が開始され、タイマーのカウントがスタートされる。そして、タイマーのカウント値が所定期間を経過した時刻t3において、維持信号の出力が終了する。
【0022】
時刻t4では、車両は、長いトンネルから出る。そのため、外光信号が示す照度は、低い状態から高い状態へ急激に変化する。時刻t4において維持信号が出力されていないので、光源14の調光率は、外光信号が示す照度に応じて、時刻t4から時刻t5にかけて、高い状態から低い状態へ低速で変化する。これにより、車両がトンネルから出た直後に、光源14の調光率が急に低くなることを抑制することができる。時刻t4での調光率と時刻t5での調光率との差分を、時刻t4と時刻t5との差分で除算した値が、上記の「第2の値」の一例である。また、時刻t4では、微分係数は正の値である(即ち、外光の照度が低い状態から高い状態へ変化している)。このために、維持信号の出力が開始されない。
【0023】
上述したように、ケースAでは、車両が長いトンネルを通過する。この場合、車両がトンネルに入ってから出るまでの時間が長い。このために、車両がトンネルに入る時刻t1と出る時刻t4とのそれぞれで光源14の調光率が変化しても、光源14の調光率が短期間の間に変化するわけでない。このために、ヒトが短期間の間に調光率の変化を頻繁に知覚しない。従って、照明装置10は、車両が長いトンネルに入ると、光源14の調光率を低い状態から高い状態へ変化させ、車両が当該トンネルから出ると、光源14の調光率を高い状態から低い状態へ変化させる。これにより、照明装置10は、外光の照度に応じて、光源14の調光率を適切に調整することができる。
【0024】
(ケースB;図4
続いて、図4を参照して、車両が1個の短いトンネルを通過するケースBについて説明する。なお、本実施例では、車両がトンネルを通過することを想定しているが、例えば、車両が木又はビルの近傍を通過する場合にも、同様の事象が起こる。この点は、後述の図5でも同様である。
【0025】
時刻t10以前の状態は、図3の時刻t1以前の状態と同様である。時刻t10では、車両がトンネル内に入るので、外光信号が示す照度は、高い状態から低い状態へ急激に変化する。従って、光源14の調光率は、時刻t10から時刻t11にかけて、低い状態から高い状態へ高速で変化する。当該変化は、図3の時刻t1から時刻t2にかけての調光率の変化と同様である。また、時刻t10では、微分係数は負の値であり、かつ、微分係数の絶対値は所定値を超える。このために、時刻t10において、維持信号の出力が開始され、タイマーのカウントがスタートされる。
【0026】
時刻t12では、車両がトンネルから出るので、外光信号が示す照度は、低い状態から高い状態へ急激に変化する。ただし、時刻t12の時点では、維持信号が出力されている。このために、外光信号が示す照度が低い状態から高い状態へ変化しても、光源14の調光率が維持される。また、時刻t12では、微分係数が正の値であるので、タイマーがリセットされない。
【0027】
タイマーのカウント値が所定期間を経過した時刻t13において、維持信号の出力が終了する。外光信号が示す照度は、時刻t12において、低い状態から高い状態へ変化しており、時刻t13において、高い状態が維持されている。このために、光源14の調光率は、時刻t13から時刻t14にかけて、高い状態から低い状態へ低速で変化する。当該変化は、図3の時刻t4から時刻t5にかけての調光率の変化と同様である。
【0028】
上述したように、ケースBでは、車両が短いトンネルを通過する。この場合、車両がトンネルに入ってから出るまでの時間が短い。このために、車両がトンネルに入る時刻t10と出る時刻t12とのそれぞれで光源14の調光率が変化すると、ヒトが短期間の間に調光率の変化を頻繁に知覚し得る。これを避けるために、照明装置10は、車両がトンネルを出る時刻t12において、外光の照度が低い状態から高い状態へ変化しても、光源14の調光率を維持する。この結果、ヒトが短期間の間に調光率の変化を頻繁に知覚するのを抑制し得る。この結果、ヒトがいわゆる光のちらつきを知覚するのを抑制し得るので、ヒトに不快感を与えるのを抑制し得る。
【0029】
(ケースC;図5
続いて、図5を参照して、車両が2個の短いトンネルを通過するケースCについて説明する。時刻t20以前の状態は、図3の時刻t1以前の状態と同様である。時刻t20では、車両が1個目のトンネル内に入るので、外光信号が示す照度は、高い状態から低い状態へ急激に変化する。従って、光源14の調光率は、時刻t20から時刻t21にかけて、低い状態から高い状態へ高速で変化する。また、時刻t20において、維持信号の出力が開始され、タイマーのカウントがスタートされる。
【0030】
時刻t22では、車両が1個目のトンネルから出るので、外光信号が示す照度は、低い状態から高い状態へ急激に変化する。ただし、時刻t22の時点では、維持信号が出力されている。このために、外光信号が示す照度が低い状態から高い状態へ変化しても、光源14の調光率は維持される。また、時刻t22では、微分係数が正の値であるので、タイマーがリセットされない。時刻t23では、車両が2個目のトンネル内に入るので、外光信号が示す照度は、高い状態から低い状態へ急激に変化する。また、時刻t23(即ちタイマーがカウントしている状態)では、微分係数は負の数であり、かつ、微分係数の絶対値は所定値を超える。このために、時刻t23では、タイマーのカウント値がリセットされ、タイマーのカウントが再スタートされる。
【0031】
時刻t24では、車両が2個目のトンネルから出るので、外光信号が示す照度は、低い状態から高い状態へ急激に変化する。ただし、時刻t24の時点では、維持信号が出力されている。このために、光源14の調光率が維持される。また、時刻t24では、微分係数が正の値であるので、タイマーがリセットされない。
【0032】
タイマーのカウント値が所定期間を経過した時刻t25において、維持信号の出力が終了する。外光信号が示す照度は、時刻t24において、低い状態から高い状態へ変化しており、時刻t25において、高い状態が維持されている。このために、光源14の調光率は、時刻t25から時刻t26にかけて、高い状態から低い状態へ低速で変化する。
【0033】
(比較例;図6
続いて、図6を参照して、比較例の照明装置について説明する。比較例の照明装置の構成(図示省略)は、外光変化検出回路32を備えていないことを除き、本実施例の照明装置10と同様の構成である。図6では、比較例の照明装置が設置される車両は、図5のケースCと同様に、2個の短いトンネルを通過する。
【0034】
比較例の照明装置は、外光変化検出回路32を備えていないので、維持信号が出力されない。このために、車両が1個目のトンネルに入る時刻t30から時刻t31にかけて、光源14の調光率が高くなり、車両が1個目のトンネルから出る時刻t32から時刻t33にかけて、光源14の調光率が低くなる。また、車両が2個目のトンネルに入る時刻t33から時刻t34にかけて、光源14の調光率が高くなり、車両が2個目のトンネルから出る時刻t35から時刻t36にかけて、光源14の調光率が低くなる。
【0035】
図5のケースCの効果)
上述したように、図5のケースC及び図6の比較例では、車両が2個の短いトンネルを通過する。この場合、車両が各トンネルに入ってから出るまでの時間が短い。また、2個のトンネルの間の間隔が短い。この場合、車両が1個目のトンネルを出てから2個目のトンネルに入るまでの時間が短い。従って、図6の比較例の構成では、車両が各トンネルに入る時刻t30,t33と出る時刻t32,t35とのそれぞれで光源14の調光率が変化するので、ヒトが短期間に調光率の変化を頻繁に知覚し得る。これに対し、図5のケースCでは、照明装置10は、車両が1個目のトンネルを出る時刻t22において、外光の照度が低い状態から高い状態へ変化しても、光源14の調光率を維持する。しかも、光源14の調光率が高い状態で維持されるので、照明装置10は、車両が2個目のトンネルに入る時刻t23においても、光源14の調光率を変化させない。このために、ヒトが短期間の間に調光率の変化を頻繁に知覚するのを抑制し得る。この結果、ヒトがいわゆる光のちらつきを知覚するのを抑制し得るので、ヒトに不快感を与えるのを抑制し得る。
【0036】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0037】
(変形例1)上記の実施例では、「車両」は、鉄道車両である。これに代えて、変形例では、「車両」は、例えば、普通自動車、バス等の他の車両であってもよい。
【0038】
(変形例2)上記の実施例では、外光の照度が高い状態から低い状態へ変化する場合(以下では「第1の場合」と呼ぶ)の微分係数の絶対値が所定値を超えてから所定期間が経過するまでの間(例えば図3の時刻t1〜t3の間)に、維持信号が出力され、外光の照度が低い状態から高い状態へ変化する場合(以下では「第2の場合」と呼ぶ)の微分係数の絶対値が所定値を超えても(例えば時刻t4)、維持信号が出力されない。これに代えて、第1の場合と第2の場合との双方において、維持信号が出力されてもよい。この場合、例えば、図5のケースCでは、時刻t22,t23,t24のそれぞれでタイマーが再スタートされるので、時刻t20〜t24の間に維持信号が出力されると共に、時刻t24から所定期間が経過するまでの間に維持信号が出力される。また、第1の場合には維持信号が出力されないが、第2の場合には維持信号が出力される構成が採用されてもよい。この場合、例えば、図5のケースCでは、時刻t20で維持信号が出力されないが、時刻t22で維持信号が出力される。このために、時刻t22で外光の照度が低い状態から高い状態へ変化しても、光源14の調光率は、高い状態で維持される。時刻t24でも、時刻t22の場合と同様に、維持信号が出力される結果、光源14の調光率は、高い状態で維持される。上記のいずれの変形例でも、ヒトが短期間の間に調光率の変化を頻繁に知覚するのを抑制し得る。即ち、「調光率維持制御」は、照度の変化量が所定値を超えてから所定期間が経過するまでの間に実行されればよい。
【0039】
(変形例3)上記の実施例では、照明装置10は、外光信号が示す照度が高い状態から低い状態へ急激に変化する場合に、光源14の調光率が低い状態から高い状態へ高速で変化するように、光源14を制御する(例えば図3の時刻t1〜t2)。また、照明装置10は、外光信号が示す照度が低い状態から高い状態へ急激に変化する場合に、光源14の調光率が高い状態から低い状態へ低速で変化するように、光源14を制御する(例えば時刻t4〜t5)。変形例では、照明装置10は、外光信号が示す照度が低い状態から高い状態へ急激に変化する場合にも、光源14の調光率が高い状態から低い状態へ高速で変化するように、光源14を制御してもよい。即ち、例えば、図3において、時刻t1と時刻t2との間の調光率の傾きの絶対値(即ち上記の「第1の値」)と、時刻t4と時刻t5との間の調光率の傾きの絶対値(即ち上記の「第2の値」)と、は等しくてもよい。
【0040】
(変形例4)上記の実施例では、照明装置10の制御部30は、論理回路等のハードウェア32〜36を備えており、ハードウェア32〜36によって上記の各動作(例えば図3図5の各ケース)が実現される。これに代えて、制御部30は、CPUと、プログラムを記憶するメモリと、を備えていてもよい。この場合、CPUがメモリ内のプログラムに従って処理を実行することによって、上記の各動作が実現されてもよい。
【0041】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0042】
10:照明装置、12:外光センサ、14:光源、30:制御部、32:外光変化検出回路、34:調光率制御回路、36:ドライバ回路、t1〜t36:時刻
図1
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図3
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図5
図6