【文献】
NTT DOCOMO, Intel,Use of Low Access Priority Indication to select MME[online],3GPP TSG-SA WG2#97,3GPP,2013年 5月31日,S2-132262,検索日[2017.05.24],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_97_Busan/Docs/S2-132262.zip>
【文献】
Intel Corporation,Low access priority indicator (LAPI) for selection of MME[online],3GPP TSG-RAN WG3♯81,3GPP,2013年 8月23日,R3-131459,検索日[2017.05.24],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_81/Docs/R3-131459.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
加入者ユーザ装置の特定のタイプにそれぞれサービスを提供するように専用化された複数のネットワークのそれぞれにサービスを提供する移動管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)により実行される方法であって、
加入者ユーザ装置の特定のタイプにサービスを提供するように専用化された前記複数のネットワークのそれぞれ毎に、それぞれの重み係数を受信することと、
前記MMEがサポートする加入者ユーザ装置の特定のタイプそれぞれの重み係数を含むメッセージを、前記MMEに関連する基地局に送信することと、を含む方法。
前記MMEがサポートする加入者ユーザ装置の特定のタイプそれぞれの前記重み係数は、コネクション確立時に、前記MMEにより前記基地局に提供される、請求項1に記載の方法。
前記MMEがサポートする加入者ユーザ装置の特定のタイプそれぞれの前記重み係数は、S1 setup手順の一部として、前記MMEにより前記基地局に提供される、請求項2に記載の方法。
前記MMEがサポートする加入者ユーザ装置の特定のタイプそれぞれの前記重み係数は、MME configuration update手順の一部として、前記MMEにより前記基地局に提供される、請求項1に記載の方法。
前記MMEがサポートする加入者ユーザ装置の特定のタイプそれぞれの前記重み係数は、MME configuration updateメッセージ内で、前記MMEにより前記基地局に提供される、請求項4に記載の方法。
前記MMEは、MMEプールの一部を形成し、それぞれの重み係数は、前記MMEプール内の他のMMEの容量に対する前記MMEの相対的な容量を示す、請求項6に記載の方法。
加入者ユーザ装置の特定のタイプにそれぞれサービスを提供するように専用化された複数のネットワークのそれぞれにサービスを提供する移動管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)であって、
加入者ユーザ装置の特定のタイプにサービスを提供するように専用化されたネットワークのそれぞれ毎に、それぞれの重み係数を受信するように構成されたトランシーバ回路を備え、
前記トランシーバ回路はさらに、前記MMEがサポートする加入者ユーザ装置の特定のタイプそれぞれの重み係数を含むメッセージを、前記MMEに関連する基地局に送信するように構成された、MME。
加入者ユーザ装置の特定のタイプにそれぞれサービスを提供するように専用化された定められたネットワークにサービスを提供するMME間の負荷平衡化の目的のために、前記選択により、UEを管理する、請求項9に記載の方法。
加入者ユーザ装置の特定のタイプにそれぞれサービスを提供するように専用化された複数のネットワークのそれぞれにサービスを提供する移動管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)に、
加入者ユーザ装置の特定のタイプにサービスを提供するように専用化された前記複数のネットワークのそれぞれ毎に、それぞれの重み係数を受信する手順と、
前記MMEがサポートする加入者ユーザ装置の特定のタイプそれぞれの重み係数を含むメッセージを、前記MMEに関連する基地局に送信する手順と、を実行させるためのプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
E−UTRANとして参照されるUTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)のロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)の一環として、専用の公衆陸上移動ネットワーク(PLMN:Public Land Mobile Network)又はユーザ装置の特定のタイプのためのPLMN内の専用の通信ノード(例えば、専用のMME等)を展開することに、オペレータの関心が高まっている。これにより、特定のユーザ又はトラフィックタイプのスケーリングの観点、及び、特定の使用及び/又は特定のトラフィックのアイソレーティングの観点で有利になる。また、このような専用のネットワークは、幾つかの専用のサービスのためのシンプルなネットワークや、より多くの複雑なサービスのためのより多くの複雑なネットワークを構築できる点で有利である。これにより、ユーザのあるタイプによって生じる過負荷の影響を、ユーザの他のタイプが受けることが防止される。これらの専用のネットワークは、3GPPでは、“オーバーレイネットワーク”と呼ばれる。しかし、ユーザの異なるタイプに対して完全に分離したネットワークを提供すると、ネットワークリソースの非効率な使用をもたらすことになる。
【0006】
本発明の目的の1つは、ネットワークノード間の負荷平衡化(load balancing)を可能にしつつ、オーバーレイネットワークを動作させる効率的な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、本発明は、複数の移動管理エンティティMME(Mobility Management Entity)及び1以上の基地局を使用するオーバーレイネットワークを制御する制御ノードを提供する。前記制御ノードは、ユーザ装置UE(user equipment)又はUEトラフィックの1以上の異なるタイプにサービスをするように、各MMEの割り当てを行う手段と、前記オーバーレイネットワーク内の負荷を監視する手段と、を有し、割り当てを行う前記手段は、監視を行う前記手段が前記オーバーレイネットワーク内又は前記オーバーレイネットワーク間の過負荷を確認したことに応答して、UE又はUEトラフィックの他のタイプにサービスをするように、1以上のMMEの再割り当てを行うように構成される。
【0008】
一実施の形態において、割り当てを行う前記手段は、1以上のMMEタイプを各MMEに割り当てるように構成され、各MMEタイプは、前記MMEがサービスをするUE又はUEトラフィックのタイプを定義する。割り当てを行う前記手段は、1以上の重み係数を各MMEに割り当てるように構成され、前記重み係数は、前記オーバーレイネットワーク内の他のMMEの処理パワーに対する相対的な前記MMEの処理パワーを示す。このケースにおいて、割り当てを行う前記手段は、UE又はUEトラフィックの他のタイプにサービスをするように、1以上のMMEの再割り当てを行う場合、再割り当てを行う1以上のMMEの各々に関連する1以上の重み係数を変更するように構成される。一実施の形態において、前記制御ノードは、各MMEに対し、前記MMEからサービスを受けるUE又はUEトラフィックの1以上の異なるタイプの各々のための各重み係数を割り当てる。
【0009】
また、本発明は、オーバーレイネットワーク内で使用される移動管理エンティティMME(Mobility Management Entity)を提供する。前記MMEは、前記MMEからサービスを受けるユーザ装置UE(user equipment)の1以上のタイプ又はUEトラフィックの1以上のタイプを定義する設定データを受信する手段と、前記MMEからサービスを受けるUE又はUEトラフィックの1以上のタイプを識別する設定データを含むメッセージを、前記MMEに関連する基地局に送信する手段と、を有する。
【0010】
一実施の形態において、設定データの受信を行う前記手段は、前記MMEからサービスを受けるUE又はUEトラフィックの1以上の他のタイプを定義する再設定データを受信するように構成され、送信を行う前記手段は、前記再設定データを前記基地局に送信するように構成される。
【0011】
前記設定データ又は前記再設定データは、1以上のMMEタイプを前記MMEに割り当てても良く、各MMEタイプは、前記MMEがサービスをするUE又はUEトラフィックのタイプを定義する。前記設定データは、前記MMEのための1以上の重み係数でも良く、各重み係数は、前記MMEからサービスを受けるUE又はUEトラフィックのタイプに対する前記MMEの処理パワーを示す。このケースにおいて、UE又はUEトラフィックの他のタイプにサービスをするように、前記MMEの割り当てを行うために、前記MMEの前記設定データが変更される場合、前記設定データは、前記MMEに関連する1以上の修正された重み係数を含む。
【0012】
前記MMEは、前記基地局に送信されるS1 setupメッセージ内又はMME configuration updateメッセージ内に前記設定データを含めるように構成されても良い。
【0013】
一実施の形態において、前記MMEは、前記基地局から転送されたUEアタッチリクエストを受信し、前記UEのためのロケーション更新手順をホーム加入者サーバHSS(Home Subscriber Server)と共に実行し、前記UEのための加入者データを前記HSSから受信し、前記MMEが前記加入者データによって定義されたUEのタイプにサービスをするように構成されているかどうかを判別するために、前記UEの前記加入者データを前記設定データと比較する。前記MMEは、前記MMEが前記UEにサービスをするように構成されていないと判別した場合、前記基地局から他のMMEにUEアタッチリクエストを送信させるためのリルートコマンドを、前記基地局に送信しても良い。このケースにおいて、前記MMEは、前記UEにサービスをすることが可能なMMEを前記基地局が識別可能にするために、前記UEのための加入者データを前記リルートコマンド内に含めても良い。
【0014】
また、本発明は、オーバーレイネットワーク内に配置され、複数のユーザ装置UE(user equipment)及び複数の移動管理エンティティMME(Mobility Management Entity)と無線通信をするように構成される基地局を提供する。前記基地局は、前記MMEからサービスを受けるUE又はUEトラフィックの1以上のタイプを定義する、MMEのための各設定データを、各MMEから受信する手段と、UEからリクエストを受信する手段と、前記UE又は前記UEに関連するトラフィックのタイプ及び前記受信された前記MMEの前記設定データに基づいて、前記リクエストにサービスをするMMEを選択する手段と、前記選択されたMMEに前記リクエストを転送する手段と、を有する。
【0015】
一実施の形態において、設定データの受信を行う前記手段は、前記MMEからサービスを受けるUE又はUEトラフィックの1以上のタイプを定義する再設定データを受信する。MMEのための前記設定データ又は前記再設定データは、1以上のMMEタイプを前記MMEに割り当てても良く、各MMEタイプは、前記MMEがサービスをするUE又はUEトラフィックのタイプを定義する。MMEのための前記設定データは、前記MMEのための1以上の重み係数でも良く、各重み係数は、前記MMEからサービスを受けるUE又はUEトラフィックのタイプに対する前記MMEの処理パワーを示す。このケースにおいて、UE又はUEトラフィックの他のタイプにサービスをするように、前記MMEの割り当てを行うために、MMEのための前記設定データが変更される場合、前記設定データは、前記MMEに関連する1以上の修正された重み係数を含む。
【0016】
前記基地局は、S1 setupメッセージ内又はMME configuration updateメッセージ内の前記設定データを受信しても良い。
【0017】
一実施の形態において、前記基地局は、UEからUEアタッチリクエストを受信し、前記
UEアタッチリクエストをMMEに転送し、前記MMEからのリルートコマンドの受信に応答して、前記UEアタッチリクエストにサービスをすることが可能な他のMMEに前記UEアタッチリクエストをリルートするために、前記リルートコマンドにて提供されたUEの加入者データ及び格納されたMMEの設定データを使用するように構成される。
【0018】
前記基地局が、前記MMEの前記設定データから、
UEリクエストにサービスをすることが可能な複数のMMEを確認した場合、MMEの選択を行う前記手段は、前記UEリクエストにサービスをすることが可能な前記複数のMMEに関連する重み係数に基づいて、前記MMEを選択するように構成されても良い。
【0019】
また、本発明は、上述の制御ノードと、複数の上述のMMEと、少なくとも1つの上述の基地局と、1以上のユーザ装置UE(user equipment)と、を有する通信システムを提供し、前記UEは、前記基地局によってMME設定データ及びUEのタイプ又は前記UEに関連するトラフィックのタイプを識別するUEデータを使用して選択された、前記MMEの中の1つからサービスを受けるために、前記基地局にUEリクエストを送信する。
【0020】
本発明の態様は、対応する方法、上記態様において記述されるような方法を実行するようにプログラム可能なプロセッサをプログラムするように、及び/又は、いずれかの請求項に記載される装置を提供するように適切に構成されたコンピュータをプログラムするように動作可能である、その上に記憶された命令を有するコンピュータ可読記録媒体のようなコンピュータプログラム製品にまで拡張される。
【0021】
本明細書(特許請求の範囲を含む)に開示され、及び/又は、図面に示される各特徴は、開示され及び/又は図示される任意の他の特徴から独立して又はそれらと組み合わされて、本発明に組み込まれても良い。詳細には、限定はしないが、特定の独立請求項に従属する請求項のうちのいずれかの特徴は、任意の組み合わせで又は個々に、その独立請求項に取り込まれても良い。
【発明を実施するための形態】
【0023】
−大要
図1は、この例においてはユーザ装置(UE:user equipment)となる通常の(conventional)ユーザ通信デバイス3−1a及び3−1b及びマシンタイプ通信(MTC:machine type communication)デバイス3−2が、E−UTRAN基地局5及びコアネットワーク7を経由して他のデバイスと通信可能な通信ネットワーク1を概略的に示している。
図1においては、図示の目的で、2つのユーザ通信デバイス3−1、1つのMTC通信デバイス3−2、及び1つの基地局5が示されているが、展開されるシステムにおいて、追加のUE及び/又は基地局が存在し得ることは、当業者であれば理解されるであろう。
【0024】
基地局5は、コアネットワーク7に連結され、また、コアネットワーク7は、1以上のゲートウェイ(不図示)を経由して、他のネットワーク(例えば、インターネット)に連結される。基地局5とコアネットワーク7の構成要素との間のインタフェースは、例えば、光ファイバーリンク等の高速で高帯域幅のリンクを利用しても良い。コアネットワーク7は、移動管理エンティティ(MME:mobility management entity)11のプール9、ホーム加入者サーバ(HSS:Home Subscriber Server)16、及びオペレータ制御ノード18を含む。この図においては、MMEのプール9は、4つのMME11−1〜11−4を有する。MME11は、UE3の全体的な移動状況を管理すると共に、UE3が通信システムによってカバーされる地理的エリア内を移動しようとする時に(及び/又は、UE3が通信システムの基地局間でハンドオーバする時に)、UE3との接続が維持されるよう保証する。また、MME11は、ベアラを用いる他のネットワークノードを制御することにより、UE3に関連する様々なベアラ(例えば、EPSベアラ及び/又はMBMSベアラ等)を管理する。また、MME11は、UE3のそれぞれの加入状況に応じて、UE3が適切なレベルのサービス(例えば、所望のビットレート)を受けられることを保証する役割を担う。
【0025】
HSS16は、各UE3について、加入者特定情報(subscription specific information)(例えば、加入サービス(UEがMTCネットワーク又は通常のネットワーク等に加入していることを定義するもので良い)、関連するサービスパラメータ、デバイス能力等)を格納する。HSS16は、このような格納された情報を、必要に応じて、他のネットワークノード(例えば、MME11)に提供する。
【0026】
本実施の形態においては、プール9内のMME11は、グループ分けされており、各グループ内のMMEは、UEトラフィック(例えば、通常のUEトラフィック、MTCのUEトラフィック、SDT(small data transmission)トラフィック、ローミングトラフィック等)の特定のタイプにサービスをするように構成される。このようにして、オペレータは、コアネットワーク7が、UE3の異なるタイプ専用のオーバーレイネットワークとして動作するようにする。
図1には、MMEの2つのグループ9−1及び9−2が示されており、第1のグループ9−1のMME(MME11−1及び11−2)は、通常のUE3−1にサービスをするように構成され、第2グループ9−2のMME(MME11−3及び11−4)は、MTCタイプのUE3−2にサービスをするように構成される。オペレータ制御ノード18は、MME11を異なるグループに設定(configuring)する役割を担う。MME11が基地局5に最初に接続する時に、MME11は、MMEタイプを基地局に通知する。
図2Aに示されるように、このMMEタイプ情報は、既存のS1セットアップ
メッセージ(TS36.413のセクション9.1.8.5で定義されている)の新たな情報要素(IE:Information Element)(MME_TYPE)内で、又は、MME11から基地局5へS1インタフェースで送信される任意の他のメッセージ内で、基地局5に提供しても良い。基地局5は、コネクションを有する各MMEについて、このMMEタイプ情報を格納しているため、あるUE3について適切なMME11を選択するために、格納されたMMEタイプ情報を使用することができる。
【0027】
本実施の形態においては、オペレータ制御ノード18は、UE3の異なるタイプからのネットワークトラフィックを監視し、ネットワークリソースの効率的な使用のために(このケースにおいては、MME11)、MME11を動的に再設定(re-configure)して、MME11が属するグループを変更することができる。例えば、オペレータ制御ノード18は、ある時点で、基地局5に接続されたMTCタイプのUE3−2からのトラフィックが急増していることを検出した場合、例えば、通常のUE3−1の代わりに(又は、追加して)、MTCタイプのUE3−2にサービスをするように、MME11−2を再設定することができる。これが起きると、再設定されたMME11−2は、例えば、
図2Bに示されるように、既存のMME Configuration Updateメッセージ(TS36.413のセクション8.7.5で定義されている)内、又は、MME11−2から基地局5へS1インタフェースで送信される任意の他のメッセージ内の新たな情報要素IE(MME_TYPE)を使用して、再設定されたことを基地局5に通知する。基地局5は、再設定されたMME11−2の新たなMMEタイプを格納し、それによって、MTCタイプのUEを、再設定されたMME11−2に割り当てる。それによって、ネットワーク状況の変化に対処するための、利用可能な追加ネットワークリソース(MMEリソース)を作成することができる。
【0028】
上述のように、再設定は、オリジナルのMMEタイプを置き換えるものではなく、MME11−2が、通常のUE3−1と同様にMTCタイプのUE3−2を処理できることを、単に定義するものである。このケースにおいては、基地局5は、UE3の双方のタイプを同じMME11に割り当てることができる。
【0029】
特定のグループ9内から、特定のUEに割り当てるMME11を選択する方法に関して、3GPP標準は、複数のMMEが利用可能な場合におけるMME負荷平衡化メカニズムを既に定義している。特に、現在の負荷平衡化メカニズムによれば、プール内の各MME11は、同じグループの他のMMEと比較した処理パワーに依存する重み係数(WF:weight factor)を有している。MME11は、基地局5とコネクションを確立する時に、その重み係数を基地局5に送信する。そのため、MME11−1が、MME11−2の2倍の処理パワーを有している場合、その重み係数は、MME11−2の重み係数の2倍となるので、基地局5は、その重み係数を使用して、MME11−1を通過するUEの数を、MME11−2を通過するUEの数の2倍にする。又は、MME11−1が、MME11−2と同じ処理パワーを有している場合、MME11−1及びMME11−2は同じ重み係数を有するため、基地局5は、2つのMME11−1及び11−2に同じ比率でUEを割り当てる。詳細に後述するように、同じ重み係数の負荷平衡化メカニズムは、各グループ9−1及び9−2のMMEのために使用することができ、又は、修正された負荷平衡化メカニズムは、オーバーレイネットワーク配置において、ネットワークリソースの効率的な使用をさらに増加させるために使用することができる。
【0030】
本発明の動作をさらに詳細に説明する前に、
図1に示されるシステムの様々な構成要素について簡単に説明する。
【0031】
−ユーザ装置
図3は、
図1に示されるUE3の幾つかの機能を示す機能ブロック図である。図示されるように、UE3は、1以上のアンテナ33を経由して、基地局5と信号を送信及び受信するように動作可能なトランシーバ回路31を有している。UE3は、UE3の動作を制御するコントローラ37を有しており、本実施の形態においては、UE3は、メモリ39内で実行するソフトウェアによって制御される。ユーザ通信デバイスタイプのUE3−1の場合、UEは、通常のユーザ通信デバイスの通常の機能を全て有している(例えば、ユーザインタフェース35等)。MTCタイプのUE3−2の場合、ユーザインタフェースは必要無い。メモリ39内で実行するソフトウェアは、メモリ39内に予めインストールしても良いし、及び/又は、例えば、通信ネットワークを経由して、又は、リムーバブルデータストレージデバイス(RMD:removable data storage device)からダウンロードしても良い。
【0032】
図3に示されるように、これらソフトウェア命令は、オペレーティングシステム41及び通信制御モジュール43を含む。また、メモリは、コアネットワーク7に対してUE3を識別するUE識別データ45を格納する。
【0033】
通信制御モジュール43は、UE3と基地局5等の他のユーザ通信デバイスとの間のコネクションを制御するための制御信号を処理(例えば、生成、送信、及び受信)する。基地局5とコネクションを確立する時に、通信制御モジュール43は、UE識別データ45を基地局5に送信する。この情報によって、基地局5は、UEのタイプを識別することができ、基地局5に連結されたMMEのプール9の中から適切なMME11を選択することができるようになる。
【0034】
−基地局
図4は、
図1に示される基地局5の幾つかの機能を示す機能ブロック図である。図示されるように、基地局5は、1以上のアンテナ53を経由して、UE3と信号を送信及び受信するように動作可能であると共に、ネットワークインタフェース55を経由して、コアネットワーク7内のノードと信号を送信及び受信するように動作可能なトランシーバ回路51を有している。基地局5は、基地局5の動作を制御するコントローラ57を有している。コントローラ57は、メモリ59に関連付けられると共に、トランシーバ回路51に連結される。ソフトウェアは、メモリ59内に予めインストールしても良いし、及び/又は、例えば、通信ネットワークを経由して、又は、リムーバブルデータストレージデバイス(RMD:removable data storage device)からダウンロードしても良い。
【0035】
コントローラ57は、この例においては、メモリ59内に格納されたプログラム命令又はソフトウェア命令によって基地局5の全体的な動作を制御するように構成されている。図示されるように、これらソフトウェア命令は、オペレーティングシステム61、UE通信制御モジュール63、MME通信制御モジュール65、及びMME選択モジュール66を含む。また、メモリ59は、UE/MMEから受信したUE識別データ67、MMEタイプデータ68、及びMME WF(Weight Factor:重み係数)データを格納するために使用される。
【0036】
UE通信制御モジュール63は、基地局5とUE3との間のコネクションを制御するための制御信号を処理(例えば、生成、送信、及び受信)する。同様に、MME通信制御モジュール65は、基地局5とMME11との間のコネクションを制御するための制御信号を処理(例えば、生成、送信、及び受信)する。
【0037】
MME選択モジュール66は、あるUE3にサービスをするMME11を、メモリ59に格納された、そのUE3のUE識別データ、MMEタイプ
データ68、及びMME WFデータ69を使用して、選択する。幾つかの実施の形態においては、MME選択モジュール66は、UE3から受信した、対応するUE識別データから直接、UE3のタイプを判別することができる。他の実施の形態においては、基地局5は、HSS
16に格納されたユーザプロファイルデータからUEのタイプを示すデータを読み出すために、UE3から受信したUE識別データを使用する必要がある。
【0038】
−移動管理エンティティ
- Mobility management entity
図5は、
図1に示される各移動管理エンティティ11の幾つかの機能を示す機能ブロック図である。図示されるように、MME11は、ネットワークインタフェース75を経由して、他の通信ノード(例えば、基地局5及びオペレータ制御ノード18等)と信号を送信及び受信するように動作可能なトランシーバ回路71を有している。MME11は、MME11の動作を制御するコントローラ77を有している。コントローラ77は、メモリ79に関連付けられると共に、トランシーバ回路71に連結される。ソフトウェアは、メモリ79内に予めインストールしても良いし、及び/又は、例えば、通信ネットワークを経由して、又は、リムーバブルデータストレージデバイス(RMD:removable data storage device)からダウンロードしても良い。
【0039】
コントローラ77は、この例においては、メモリ79内に格納されたプログラム命令又はソフトウェア命令によってMME11の全体的な動作を制御するように構成されている。図示されるように、これらソフトウェア命令は、オペレーティングシステム81、基地局通信制御モジュール83、及びオペレータ制御ノード通信制御モジュール85を含む。また、メモリ79は、現在設定されているMMEタイプデータ87及びMME WFデータ89を格納する。
【0040】
基地局通信制御モジュール83は、MME11と基地局5との間の通信を制御するための制御信号を処理(例えば、生成、送信、及び受信)する。同様に、オペレータ制御ノード通信制御モジュール85は、MME11とオペレータ制御ノード18との間の通信を制御するための制御信号を処理(例えば、生成、送信、及び受信)する。オペレータ制御ノード18から新たなMMEタイプデータ87又は新たなMME WFデータ89が受信された場合、このデータは、メモリ79に格納され、基地局通信制御モジュール83は、新たなMMEタイプデータ87及び/又は新たなMME WFデータ89を含み、基地局5へ送信する適切なMME configuration updateメッセージ(又は、他のbase station controlメッセージ)を生成する。
【0041】
−オペレータ制御ノード
図6は、
図1に示されるシステム1の一部を形成するオペレータ制御ノード18の幾つかの機能を示す機能ブロック図である。このオペレータ制御ノードは、本明細書で記載される特定の機能を有していても良いし、又は、運用保守(O&M:Operation and Maintenance)制御ノードの一部を形成しても良い。図示されるように、オペレータ制御ノード18は、ネットワークインタフェース95を経由して、他のネットワークノード(例えば、基地局5及びMME11等)と信号を送信及び受信するように動作可能なトランシーバ回路91を有している。オペレータ制御ノード18は、オペレータ制御ノード18の動作を制御するコントローラ97を有している。コントローラ97は、メモリ99に関連付けられると共に、トランシーバ回路91に連結される。ソフトウェアは、メモリ99内に予めインストールしても良いし、及び/又は、例えば、通信ネットワークを経由して、又は、リムーバブルデータストレージデバイス(RMD:removable data storage device)からダウンロードしても良い。
【0042】
コントローラ97は、この例においては、メモリ99内に格納されたプログラム命令又はソフトウェア命令によってオペレータ制御ノード18の全体的な動作を制御するように構成されている。図示されるように、これらソフトウェア命令は、オペレーティングシステム101、ネットワーク監視モジュール103、及びMME設定モジュール105を含む。また、メモリ99は、サービスをするUEのタイプに関するMME11の現在設定を定義するMMEタイプ設定データ107を保持すると共に、MME11の現在設定されている重み係数を定義するMME WF設定データ108を格納する。また、メモリ99は、あるネットワーク状況(負荷)でのネットワークオペレータのポリシ要求と一致するようにオペレータ制御ノード18がMME11を設定すべき方法を定義するオペレータポリシデータ
109を保持する。このオペレータポリシデータ
109は、例えば、再設定が要求される前の個々のMMEの負荷限度等を定義するもので良い。
【0043】
ネットワーク監視モジュール103は、オペレータネットワーク(基地局5、MME11等)内のトラフィック及び一般負荷を監視する役割を担う。監視されたネットワーク状況に基づいて、MME設定モジュール105は、1以上のMME11を再設定しても良い。例えば、上述のシナリオにおいて、ネットワーク監視モジュール103がMTCのUEの増加を検出した場合、MME設定モジュール105は、現在、通常のUE3−1のみにサービスをしている1以上のMME11を、MTCタイプのUE3−2にもサービスをする(又は、その代わりにサービスをする)ように、再設定しても良い。また、MME設定モジュール105は、1以上のMME11の重み係数を変更して、1以上のMME11の負荷を再度制御しても良い。MME11が再設定された場合、MME設定モジュール105は、再設定されたMME11に、新たなMMEタイプデータ又は新たなMME WFデータを含むconfiguration updateメッセージを送信する。
【0044】
上述の説明においては、ユーザ通信デバイス3、基地局5、移動管理エンティティ11、及びオペレータ制御ノード18は、理解の容易のために、幾つかの分離したモジュール(例えば、通信制御モジュール、監視モジュール、再設定モジュール等)を有するものとして説明した。これらのモジュールは、例えば、本発明を実施するように既存のシステムが修正されたアプリケーションのために、例えば、本発明の特徴を考慮した上で当初から設計されたシステムにおける他のアプリケーションにおいて、提供されても良いし、これらのモジュールは、全体のオペレーティングシステム又はコードに構築されても良いし、これらのモジュールは、分離したエンティティとして識別可能なものでなくても良い。また、これらのモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせで実装されても良い。
【0045】
−動作
本実施の形態の例示的な動作で実行される番号付されたステップのシーケンスを示すタイミング図を示す
図7を参照して、本実施の形態の動作について説明する。
【0046】
ステップ1において、MME11−1は、MME configuration updateメッセージを基地局5に送信する。このconfiguration updateメッセージは、MME11−1が通常のUE3−1を処理する専用のMMEであることを示すMMEタイプIEを含む。
【0047】
ステップ2において、MME11−3は、MME configuration updateメッセージを基地局5に送信する。このconfiguration updateメッセージは、MME11−3がMTCタイプのUE3−2を処理する専用のMMEであることを示すMMEタイプIEを含む。
【0048】
ステップ3及び4は、通常のUE3−1からのシグナリングが、基地局5によって(格納されたMMEタイプ情報及びそのシグナリングを受信したUEのタイプにしたがって)、MME11−1に向けて直接行われることを示し、また、ステップ5及び6は、MTCのUE3−
2からのシグナリングが、(格納されたMMEタイプ情報及びそのシグナリングを受信したUEのタイプにしたがって)、MME11−3に向けて直接行われることを示している。必要であれば、基地局5は、HSS16に保持されたUE加入者情報から、UE3から供給された識別情報を使用して、UEのタイプを識別する。
【0049】
簡単にするために、
図7は、MME11−2及び11−4の構成を示していない。同じタイプの複数のMMEは、(
図1に示されるシステムと同様に)基地局に連結され、基地局5は、MME選択プロセス(TS23.401で定義されている)の間、各グループ9の負荷平衡化のためのMME11に関連する重み係数を使用する。
【0050】
この図においては、この初期設定後のある時点において、MME11−1の負荷が許容できない程高くなっており(ある閾値を超過。例えば、95%)、その一方で、MME11−3の負荷は非常に低くなっている(例えば、5%)。オペレータ制御ノード18は、この状況を検出し、格納されたオペレータポリシデータ
109にしたがって、適切なアクションを実行すると決定する。このケースにおいては、通常及びMTCのUE3に関係する通信を処理するように、MME11−3を再設定する。オペレータ制御ノード18のアクションは、図面の複雑化を避けるため、
図7には示されていない。オペレータ制御ノード18によってMME11−3が再設定されると、MME11−3は、ステップ7において、MME11−3が通常のUEトラフィック及びMTCのUEトラフィックを処理することを示すMMEタイプを含むMME configuration updateメッセージを、基地局5に送信する。このconfiguration updateメッセージを受信すると、基地局5は、格納されているMME11−3のMMEタイプデータ68を更新する。その後、基地局5は、(ステップ8a及び8bに示されるように)通常のUE3−1を処理するためにMME11−1及びMME11−3の双方を使用する。これにより、
図7に示されるように、MME11−1の負荷が減少する。
【0051】
その後の時点で、MME11−3の負荷が、定義された閾値(この例においては、80%)を超過し、MME11−1に幾つかの利用可能な空き容量ができた場合、オペレータ制御ノード18は、MTCのUE3−2のみを処理するように、MME11−3を再設定する。このケースにおいては、再設定されると、MME11−3は、ステップ10において、他のconfiguration updateメッセージを基地局5に送信して、MME11が現在はMTCのみを処理するタイプであることを基地局5に通知する。そのため、基地局5は、格納されているMME11−3のMMEタイプデータ68を更新し、その結果、(ステップ10で)その後に受信する通常のシグナリングは、MME11−3ではなく、MME11−1を通過する。そのため、図示されるように、MME11−3の負荷が減少する。
【0052】
上述のように、基地局5は、リクエストが受信された時に、UE3から受信した情報から、UE3のタイプを直接判別することができない場合、基地局5は、受信されたUE識別データを使用して、HSSに格納されたUEの加入者データから、UEが加入するサービスを判別する。この加入者データは、例えば、UE3がMTCサービス又は通常のサービスに加入している等であれば、基地局5に通知される。この情報を例示的な動作で取得する方法は、
図8に示される。
【0053】
図8に示されるように、ステップ21において、MME11−1は、通常のUE3−1にサービスをするように構成され、ステップ22において、MME11−3は、MTCのUE3−2にサービスをするように構成されている。ステップ23において、MTCオーバーレイネットワークに加入しているUE3−2は、attach requestメッセージを送信することにより、基地局5へのアタッチメントを開始する。本実施の形態においては、この
attach request
メッセージは、UEが加入しているサービスを基地局5が直接判別することを可能にするいかなるデータも含まない。そのため、基地局5は、デフォルトのMME(このケースにおいては、MME11−1)を選択し、選択したMMEにattach requestメッセージを転送する。
【0054】
ステップ25及び26において、MME11−1は、通常のアタッチ手順にしたがって、HSS16にアクセスし、これに連動してUE3−2の通常のlocation updateを提供し、HSSから、UEの加入ネットワーク(例えば、コアネットワーク(CN:core network)タイプ)情報を検索する。MME11−1は、受信されたCNタイプを、自身に現在定義されているMMEタイプデータ87と比較する。このケースにおいては、タイプが一致しない。そのため、MME11−1は、UE Attach Requestを他のMME11にリルートすべきと判断し、ステップ27において、attach requestを送信してきたUE3−2のCNタイプ情報であってHSS16から検索されたCNタイプ情報を含むリルートコマンドを、基地局5に送信する。ステップ28において、基地局5は、受信されたリルートコマンドに含まれるCNタイプ情報を使用して、(受信されたCNタイプデータを、メモリ59に格納されたMMEタイプデータ68と比較し、一致を確認することによって)attachメッセージを転送すべき適切なMME11を見つける。このケースにおいては、一致が確認されたMMEはMME11−3であり、そのため、ステップ29において、基地局5は、MTCのUE3−2にサービスをするように構成され、選択されたMME11−3に、attach requestメッセージを転送する。
【0055】
−MMEタイプ及びMME WF
新たなMMEタイプ情報を提供すると、(オーバーレイネットワーク内よりもむしろ、単一ネットワーク内の)MME間の負荷平衡化に使用される既存のMME重み係数が影響を受ける。この新たなMMEタイプが既存の負荷平衡化に影響を与えることについて、MMEプールの4つのMME11に接続された基地局5を有する例示的なシステムを考慮した
図9Aを参照して説明する。最初は、(
図9Aの左側に示されるように)2つのMME11(この例においては、MME11−1及び11−2)はMTCトラフィック用に指定され、2つのMME11(この例においては、MME11−3及び11−4)は通常のトラフィック用に指定されている。負荷平衡化の目的のために、各MME11には、(TS36.413のセクション9.2.3.17にしたがって)プール内の他のMMEに対するMME11の相対的な処理容量を示す重み係数(WF:weight factor)が割り当てられている。
図9Aに示されるシナリオにおいては、MME11−1、11−2、及び11−3は同じ容量(WF=50)を有し、その一方で、MME11−4は2倍の容量(WF=100)を有している。そのため、これらの重み係数に基づいて、基地局5は、以下のようにして、トラフィックの平衡化を図る:
−MCTタイプのトラフィックは、MME11−1及びMME11−2の間で、(同じ比率で)平衡化を図る;
−通常タイプのトラフィックは、MME11−3及びMME11−4の間で、(MME11−4に向かうトラフィックをMME11−3に向かうトラフィックの2倍にして)平衡化を図る。
【0056】
オペレータ制御ノード18は、通常のMME11−3及び11−4の過負荷を理由に、通常のトラフィックに対して、より多くの処理パワーを与えると決定した場合、例えば、
図9Aの右側に示されるように、MME11−2を、トラフィックの双方のタイプ(MTC及び通常)を利用可能にする。しかし、このケースにおいては、重み係数は同じままなので、基地局5は、以下のようにして、トラフィックの平衡化を図る:
−MCTタイプのトラフィックは、MME11−1及びMME11−2の間で、(同じ比率で)平衡化を図る;
−通常タイプのトラフィックは、MME11−2、MME11−3及びMME11−4の間で、(MME11−4に向かうトラフィックをMME11−2又はMME11−3に向かうトラフィックの2倍にして)平衡化を図る。
【0057】
そのため、このシナリオにおいては、基地局5が、同じ重み係数のMME11−2を使用して、MME11−2を通過する双方のタイプのトラフィック量を制御する。これにより、MME11−2が過負荷になる。この問題を解決する1つの方法は、UEトラフィックの複数タイプにサービスをするように再設定された任意のMME11のWFを変更することである。例えば、上記で示されるように、オペレータ制御ノード18は、MME11−2に関連する重み係数を、例えば、25に減少すると決定して良い(同時に、MME11−2のMMEタイプを通常及びMTCに変更する)。これにより、MME11−2は、2つの異なるトラフィックタイプを処理するが、全体的なトラフィック限度は以前と同じになる。このシナリオは
図9Bに示される。詳細には、基地局5は、このアレンジの場合には、以下のようにして、トラフィックの平衡化を図る:
−MCTタイプのトラフィックは、MME11−1及びMME11−2の間で、(MME11−1に向かうトラフィックをMME11−2に向かうトラフィックの2倍にして)平衡化を図る;
−通常タイプのトラフィックは、MME11−2、MME11−3及びMME11−4の間で、(MME11−4に向かうトラフィックをMME11−3に向かうトラフィックの2倍にし、MME11−3に向かうトラフィックをMME11−2に向かうトラフィックの2倍にして)平衡化を図る。このようにして、MME11−1は、全MTCトラフィックの3分の2を受信し、MME11−2は、全MTCトラフィックの3分の1及び全通常トラフィックの7分の1を受信し、MME11−3は、全通常トラフィックの7分の2を受信し、MME11−4は、全通常トラフィックの7分の4を受信する。MMEのタイプの変更により、MME11−2がすぐに過負荷になる可能性が低減する。
【0058】
オペレータ制御ノード18がMMEタイプを変更し、重み係数を変更する(MMEプール9内のMMEへの負荷に依存して重み係数を増加または減少する)方法は、各ネットワークオペレータに特有のオペレータポリシデータ109に依存する
【0059】
これに代わる、より柔軟な、MMEタイプとMME WFとの間の相互作用に関する解決法は、MME11がサービスをするトラフィックの各タイプ毎に、異なる重み係数を提供することである。そのため、各MME11には、複数のMME重み係数、−MMEタイプ毎の(トラフィックタイプ毎の)重み係数が割り当てられる。例えば、MTC及び通常タイプのMME11は、2つの異なる重み係数、−mtc_weight_factor及びconv_weight_factorを有している。これにより、オペレータは、混合タイプのMMEに向かうトラフィックのスケジューリングを、より柔軟に行うことができ、オーバーレイネットワーク間(across the overlay networks)のより良い負荷平衡化を行うことができる。このようなシナリオは、
図10に示されている。
図10において、最初は、(
図10の左側に示されるように)MME11−1及びMME11−2は、mtc_wf=50及びconv_wf=0(MME11−1及びMME11−2からサービスを受ける通常トラフィックはない)を有するMTCタイプのMMEである。MME11−3は、mtc_wf=0及びconv_wf=50を有する通常タイプのMMEであり、その一方、MME11−4も、通常タイプのMMEであるが、MMEプール内の他のMMEのパワーの2倍のパワーを有しているため、mtc_wf=0及びconv_wf=100を有している。
【0060】
このケースにおいては、オペレータは、通常のトラフィックにより多くの処理パワーを許容すると決定した場合、例えば、MME11−2のMME重み係数をmtc_wf=25及びconv_wf=25に修正することによって、MME11−2を、トラフィックの双方のタイプを利用可能にする。このケースにおいては、オペレータは、オーバーレイネットワーク内の異なるタイプのネットワーク(又はネットワークノード)間のより良い過負荷制御のために、同じMME11の重み係数間に所望の関係を設定することができる。例えば、
MTC及び通常トラフィックの重み係数を同じにする代わりに、オペレータ制御ノード18は、MME11−2のMME重み係数を、mtc_wf=10及びconv_wf=40に修正し、MME11−2に送信される通常トラフィックの量を増加させても良い。更に、オペレータ制御ノード18は、過負荷制御に固有のオペレータポリシに基づいて、異なる重み係数を増加又は減少させても良い。実際には、代替の実施の形態においては、各MMEの異なる重み係数に割り当てられた異なる値は、異なるMMEの異なるタイプのトラフィックに効率的に割り当てる。また、この代替の実施の形態においては、MME11に関連する全重み係数の有無及び/又は値によって既に定義されているため、MME11は、関連のない(separate)MMEタイプデータ68を基地局5に送信する必要はない。UEの特定のタイプ専用のMMEは、ゼロでない値に設定されたトラフィックタイプに対応する重み係数のみを有しており、そのMMEに関連する他の重み係数はゼロになる(このケースにおいては、たった1つの重み係数は、専用のMMEが使用して良い)。
【0061】
−効果
上述のシステムは、幾つかの効果が得られる。詳細には、上述の主な実施の形態は、オーバーレイネットワーク内のMMEタイプの設定及び選択を柔軟かつ動的に行うことができ、オーバーレイネットワーク間の負荷平衡化を行うことができる。ネットワークオペレータ(制御ノード18)は、(現在のネットワーク負荷、トラフィックパターン、緊急及び保守イベント、又は、オーバーレイネットワーク構造内の1以上のネットワークが過負荷になり得る任意の他の潜在的使用のケースに基づいた)任意の時点で、(新たな情報要素(MME Type)を用いて)専用のMMEを再設定し、オーバーレイネットワーク内のあるネットワークの過負荷が回避されるように、それらMMEの重み係数を変更(減少又は増加)することができる。
【0062】
図10を参照して説明した上述の代替の実施の形態は、MMEタイプ毎の異なる重み係数によって、オーバーレイネットワーク間及び各オーバーレイネットワーク内の負荷平衡化を、より柔軟かつ精密に行うことができる。オーバーレイネットワークの構成要素とMME11との間の比例的な負荷平衡化を行うことができる。
【0063】
簡潔に言えば、本実施の形態は、各オーバーレイネットワーク内及び全オーバーレイネットワーク間の過負荷制御を動的かつ最適に行うことができる。
【0064】
−修正及び代替
- Modifications and Alternatives
詳細な実施の形態が上述された。当業者には明らかなように、上述の実施の形態に対し、幾つかの修正及び代替を作ることができ、その中で具現化される発明から利益を得ることができる。例示のために、これらの修正及び代替の幾つかについてのみ説明する。
【0065】
上述の実施の形態においては、MMEは、MMEの2つのグループ、−1つは通常のUEにサービスをし、もう1つはMTCのUEにサービスをするものに分割されていた。当業者には明らかなように、利用可能なMMEは、特定のオペレータネットワーク内で定義されたUEの異なるタイプの数に依存して、より多くのグループに分割されても良い。
【0066】
上述の実施の形態においては、基地局、UE、MME等の通信デバイスは、3GPP LTE通信技術で使用されるものであった。しかし、その代わりに、他の通信技術で使用されるものであっても良いことは明らかである。
【0067】
上述の実施の形態においては、ユーザ装置は、モバイル(セルラー)通信デバイス又はマシンタイプ通信デバイスであった。ローミングUE、SDT UE等のUEの他のタイプを定義することもでき、UEの各タイプを処理するために、異なるオーバーレイネットワークを使用しても良い。
【0068】
上述の説明においては、UE、基地局、移動管理エンティティ、及び制御ノードは、理解を容易にするために、幾つかの分離した機能要素又はモジュールを有するものとして説明した。これらのモジュールは、例えば、本発明を実施するように既存のシステムが修正されたアプリケーションのために、例えば、本発明の特徴を考慮した上で当初から設計されたシステムにおける他のアプリケーションにおいて、提供されても良いし、これらのモジュールは、全体のオペレーティングシステム又はコードに構築されても良いし、これらのモジュールは、分離したエンティティとして識別可能なものでなくても良い。
【0069】
上述の実施の形態においては、幾つかのソフトウェアモジュールについて説明した。当業者には明らかなように、ソフトウェアモジュールは、コンパイルされるかコンパイルされない形式で提供されても良く、コンピュータネットワーク、又は、記録媒体を介した信号として、ユーザ通信デバイス、基地局、移動管理エンティティ、
オペレータ制御ノードに供給されても良い。更に、このソフトウェアの一部又は全体によって実行される機能は、1以上の専用のハードウェアモジュール又は回路を使用して実行されても良い。しかし、ソフトウェアモジュールの使用は、それらの機能を更新するために、ユーザ通信デバイス、基地局、移動管理エンティティ、及びオペレータ制御ノードの更新を促進することが好ましい。
【0070】
−3GPPの用語
DL:Downlink
eNB:Evolved NodeB, E-UTRAN base station
EPC:Evolved Packet Core
EPS:Evolved Packet System
E−UTRA:Evolved UMTS Terrestrial Radio Access
E−UTRAN:Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network
GPRS:General Packet Radio System
HSS:Home Subscriber Server
LTE:Long Term Evolution (of UTRAN)
MME:Mobility Management Entity
NAS:Non-Access-Stratum
(E−)RAB:(EPS-) Radio Access Bearer
RRC:Radio Resource Control
SDT:Small Data Transmission
UE:User Equipment
UL:Uplink
UMTS:Universal Mobile Telecommunications System
【0071】
この出願は、2014年3月4日に出願された英国出願1403819.4を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。