(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0026】
<第1の実施の形態>
[動作検出システム300の装置構成]
図1を参照して、動作検出システム300の装置構成について説明する。
図1は、動作検出システム300の構成の一例を示す図である。
【0027】
動作検出システム300は、たとえば、監視対象の人物である被介護者10を見守るために用いられる。
図1に示されるように、動作検出システム300は、カメラ50と、動作検出装置100と、携帯端末200とを含む。カメラ50および動作検出装置100は、ネットワークを介して互いに接続されている。動作検出装置100および携帯端末200は、ネットワークを介して互いに接続されている。
【0028】
カメラ50は、たとえば、介護施設、医療施設、宅内等に設置される。
図1には、カメラ50が被介護者10およびベッド20を天井から撮影している様子が示されている。カメラ50は、天井に取り付けられてもよいし、側壁に取り付けられてもよい。
【0029】
動作検出装置100は、カメラ50から得られた時系列の画像(映像)に基づいて被介護者10の動作を判別する。一例として、動作検出装置100が検出可能な被介護者10の動作は、被介護者10の起床やベッド20からの転落等を含む。
【0030】
動作検出装置100は、検出した動作を介護者11に報知する動作の候補(以下、「報知候補」ともいう。)とする。動作検出装置100は、短時間(たとえば、数秒)の間に複数種類の報知候補の動作を検出した場合に、報知する動作の種類がより少なくなるように、報知候補の動作の中から報知対象の動作を選択する。すなわち、動作検出装置100は、報知候補の動作の一部を報知対象として選択する。動作検出装置100は、選択された報知対象の動作の種類を示す情報を介護者11用の携帯端末200に送信する。
【0031】
携帯端末200は、報知対象の動作の種類を示す情報を動作検出装置100から受信すると、報知対象の動作が検出されたことを介護者11に報知する。報知方法の一例として、携帯端末200は、動作の種類を示す情報をメッセージとして表示したり、動作の種類を音声で発したりする。これにより、介護者11は、被介護者10の起床や転倒等を把握でき、被介護者10の元に素早く駆け付けることができる。
【0032】
以上のようにして、動作検出装置100は、報知候補の動作の中から報知対象の動作を選択し、報知対象の動作を介護者11に報知する。これにより、介護者11への報知回数が減り、介護者11の負担が軽減される。また、被介護者10の必要最小限の動作が介護者11に報知されるので、介護者11は、被介護者10の状態を容易に把握できる。
【0033】
なお、
図1には、動作検出システム300が1つのカメラ50を備えている例が示されているが、動作検出システム300は、複数のカメラ50を備えてもよい。また、
図1には、動作検出システム300が1つの動作検出装置100を備えている例が示されているが、動作検出システム300は、複数の動作検出装置100を備えてもよい。さらに、
図1には、カメラ50と動作検出装置100とが別個の装置として構成されているが、カメラ50と動作検出装置100とは一体的に構成されてもよい。さらに、
図1には、動作検出システム300が複数の携帯端末200を備えている例が示されているが、動作検出システム300は、1つの携帯端末200で構成されてもよい。
【0034】
[動作検出システム300の処理]
図2を参照して、第1の実施の形態に従う動作検出システム300の動作検出処理について説明する。
図2は、第1の実施の形態に従う動作検出システム300のハードウェア構成と機能構成とを示すブロック図である。
図2に示されるように、動作検出システム300は、取得部52と、動作検出装置100と、出力部170とを備える。動作検出装置100は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)102と、記憶装置120とを含む。CPU102は、機能構成として、検出部150と、選択部160とを有する。以下では、取得部52、検出部150、動作セット122、選択部160、出力部170について順に説明する。
【0035】
(取得部52)
取得部52は、被介護者の動作を示す動作データを取得する。取得部52は、たとえば、
図1のカメラ50である。カメラ50としての取得部52は、監視対象の人物を撮影して得られる画像を動作データとして取得する。画像は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。取得部52は、取得した画像を検出部150に順次出力する。
【0036】
なお、取得部52は、被介護者の動作量を取得することが可能な装置であれば、カメラ50に限定されない。たとえば、取得部52は、ベッドの下に配置された感圧マット、TOF(Time Of Flight)形式の距離画像センサ等であってもよい。感圧マットは、圧力値を動作データとして出力する。距離画像センサは、距離画像を動作データとして出力する。また、取得部52は、1つのセンサで構成される必要はなく、複数のセンサで構成されてもよい。
【0037】
(検出部150)
検出部150は、取得部52から得られた画像を解析して、介護者の特定の動作を検出する。検出部150が検出可能な動作は、被介護者がベッドで寝ている状態からベッドを離れるまでの間に生じ得る動作群を含む。このように、被介護者の転倒につながりやすい起床時の動作群が検出されることで、介護者は、被介護者の転倒をより確実に防ぐことができる。
【0038】
当該動作群は、たとえば、臥床、起床、端坐、離床、および転落等を含む。臥床とは、被介護者がベッドで横たわっている状態のことをいう。起床とは、被介護者がベッド上で起き上がる動作のことをいう。端坐とは、被介護者がベッドで腰かけている状態、または被介護者の体がベッドの縁にかかっている状態のことをいう。離床とは、被介護者がベッドから離れている状態のことをいう。転落とは、被介護者がベッドから落ちて床に横たわっている状態のことをいう。
【0039】
一例として、検出部150は、動作データを用いて、被介護者の動きの度合いを示す評価値を算出するとともに、被介護者の動きが生じている動作領域を画像内において特定する。当該評価値が予め定められた値よりも小さく、かつ、動作領域が画像内のベッド領域に含まれる場合、検出部150は、動作「臥床」を検出する。当該評価値が所定閾値よりも大きく、かつ、動作領域が画像内のベッド領域に含まれる場合、検出部150は、動作「起床」を検出する。動作領域が画像内のベッド境界と重なっているときに、検出部150は、動作「端坐」を検出する。当該評価値が所定閾値よりも大きく、かつ、動作領域が画像内のベッド領域に含まれない場合、検出部150は、動作「離床」を検出する。当該評価値が所定閾値よりも大きく、かつ、動作領域がベッド境界からベッド外に移動する場合、検出部150は、動作「転落」を検出する。画像内のベッド領域は、手動で予め設定されてもよいし、テンプレートマッチング等の画像処理技術で自動で検出されてもよい。
【0040】
なお、上述では、検出部150はが検出可能な動作として、臥床、起床、端坐、離床、および転落を例に挙げたが、検出可能な動作は、これらに限定されない。たとえば、検出可能な動作は、転倒等のその他の動作を含んでもよい。
【0041】
(動作セット122)
図3を参照して、動作セット122について説明する。
図3は、第1の実施の形態における動作セット122の内容を示す図である。
【0042】
動作セット122には、検出部150(
図2参照)によって検出され得る報知候補の動作として、時系列の順に生じる一連の動作群が規定されている。すなわち、動作セット122には、動作の発生順序が規定されている。
図3の例では、動作セット122において、臥床、起床、端坐、転落、および離床の発生順序が規定されている。
【0043】
以下では、動作の発生順序を矢印「→」で示す。たとえば、臥床、起床、端坐、離床の順に動作が生じる場合、これらの動作群を「臥床→起床→端坐→離床」と示す。
【0044】
一例として、被介護者が目覚めてからベッドを離れるまでの間には、動作群「臥床→起床→端坐→離床」が生じ得る。被介護者がベッドから転落する際には、被介護者は、ベッド端に一度体を移動させた後に転落するため、動作群「臥床→端坐→転倒」が生じ得る。また、被介護者は、ベッドから転落しそうになっても体勢を立て直すことがある。この場合、動作群「臥床→端坐→離床」が生じ得る。このような生じ得る動作群が動作セット122に予め規定されている。
【0045】
なお、各動作の対応関係は、
図3の例に限定されない。たとえば、離床後に生じ得る転倒(すなわち、離床→転倒)が動作セット122にさらに規定されてもよい。
【0046】
(選択部160)
再び
図2を参照して、選択部160は、検出部150によって検出された報知候補の動作の中から報知対象の動作を選択する。好ましくは、選択部160は、報知候補の動作の中から1つの動作を報知対象の動作として選択する。このとき、選択部160は、検出された動作と、動作セット122に規定される動作の対応関係に応じて、報知対象の動作の選択方法を変える。選択部160による選択処理の詳細については後述する。
【0047】
(出力部170)
図4を参照して、出力部170(
図2参照)について説明する。
図4は、検出された動作の出力方法を示す図である。出力部170は、たとえば、介護者用の携帯端末200である。
【0048】
図4の具体例(A)に示されるように、携帯端末200は、検出された動作の種類を示すメッセージ230を表示するとともに警告音を発する。
【0049】
他の例として、携帯端末200は、報知対象の動作が複数ある場合に、異なる表示態様でこれらの動作を表示する。一例として、表示態様は、表示サイズによって変えられる。たとえば、
図4の具体例(B)に示されるように、報知対象の動作として起床および離床が検出されたとする。離床が起床よりも重要である場合には、出力部170は、離床を示すメッセージ230の表示サイズを、起床を示すメッセージ232の表示サイズよりも大きくする。
【0050】
さらに他の例として、
図4の具体例(C)に示されるように、携帯端末200は、報知対象の動作を音声で発する。あるいは、携帯端末200は、報知対象の動作を振動(バイブレーション)によって介護者に報知してもよい。
【0051】
なお、
図4の具体例(A)〜(C)に示される出力方法は、適宜組み合わされてもよいし、単独で用いられてもよい。また、出力部170は、携帯端末200に限定されない。たとえば、出力部170は、報知対象の動作を記憶するためのサーバーも含み得る。サーバーに記憶された出力結果は、たとえば、被介護者が転倒、転落した際の状況を把握するために用いられる。
【0052】
[具体例]
図5〜
図9を参照して、選択部160(
図2参照)による選択処理の詳細について説明する。
図5は、選択処理の具体例1−1を示すフローチャートである。
図6は、選択処理の具体例1−2を示すフローチャートである。
図7は、選択処理の具体例1−3を示すフローチャートである。
図8は、優先度テーブル126の内容を示す図である。
図9は、選択処理の具体例1−4を示すフローチャートである。
図10は、選択処理の具体例1−5を示すフローチャートである。
【0053】
図5〜
図7,
図9,
図10の処理は、選択部160として機能するCPU102(
図2参照)がプログラムを実行することにより実現される。あるいは、処理の一部または全部が、回路素子その他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0054】
(具体例1−1)
図5を参照して、選択部160による選択処理の具体例1−1について説明する。具体例1−1においては、選択部160は、所定時間の間に検出された報知候補の動作のうち最後に検出された動作を報知対象の動作として選択する。所定時間とは、報知候補を決定するために待機する時間のことをいう。すなわち、選択部160は、1つ目の報知候補の動作が検出されてから所定時間を計測し、当該所定時間内に検出された動作を報知候補の動作とする。以下では、当該所定時間のことを「待機時間」ともいう。動作検出装置100は、待機時間の間に検出された報知候補の内の最後に検出された動作を報知対象とすることにより、一連の動作における最新の動作のみを報知することができる。その結果、介護者は、被介護者の状態を正確に把握できる。
【0055】
より具体的な処理として、ステップS100において、選択部160は、報知候補である動作Aが検出されたか否かを判断する。選択部160は、動作Aが検出されたと判断した場合(ステップS100においてYES)、制御をステップS110に切り替える。そうでない場合には(ステップS100においてNO)、選択部160は、ステップS100の処理を再び実行する。
【0056】
ステップS110において、選択部160は、動作セット122(
図3参照)を参照して、動作Aに対応付けられている動作があるか否かを判断する。選択部160は、動作Aに対応付けられている動作があると判断した場合(ステップS110においてYES)、制御をステップS120に切り替える。そうでない場合には(ステップS110においてNO)、選択部160は、制御をステップS132に切り替える。
【0057】
ステップS120において、選択部160は、動作Aに対応付けられている動作Bが検出されたか否かを判断する。選択部160は、動作Bが検出されたと判断した場合(ステップS120においてYES)、制御をステップS142に切り替える。そうでない場合には(ステップS120においてNO)、選択部160は、制御をステップS130に切り替える。
【0058】
ステップS130において、選択部160は、動作Aが検出されてから所定時間が経過したか否かを判断する。選択部160は、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS130においてYES)、制御をステップS132に切り替える。そうでない場合には(ステップS130においてNO)、選択部160は、制御をステップS120に戻す。
【0059】
ステップS132において、選択部160は、報知対象の動作として動作Aを選択する。ステップS142において、選択部160は、報知対象の動作として動作Bを選択する。
【0060】
さらに具体的な例を挙げて、
図5に示される選択処理について説明する。たとえば、動作セット122に、動作群「端坐→離床」が規定されているとする。この場合、動作「端坐」が動作Aとなり、動作「離床」が動作Bとなる。
【0061】
動作「端坐」が検出されてから所定時間内に動作「離床」が検出された場合、選択部160は、動作「離床」を選択する。この場合、出力部170(
図2参照)は、被介護者の離床を介護者に報知する。一例として、出力部170は、携帯端末200(
図1参照)として、アラーム音を発したり、バイブレーション機能を作動したり、メッセージ「Aさんが離床しました。」を画面上に表示したりする。
【0062】
動作「端坐」が検出されてから所定時間内に動作「離床」が検出されなかった場合、選択部160は、動作「端坐」を選択する。この場合、出力部170は、被介護者の端坐を介護者に報知する。一例として、出力部170は、携帯端末200として、アラーム音を発したり、バイブレーション機能を作動したり、メッセージ「Aさんが起き上がりました。」を画面上に表示したりする。
【0063】
(具体例1−2)
上述の具体例1−1においては、検出される報知候補の動作は、2種類の時系列の動作群であった。これに対して、具体例1−2においては、検出される報知候補の動作は、3種類以上の時系列の動作群である。
【0064】
以下では、
図6を参照して、具体例1−2に従う選択処理について説明する。なお、
図6に示されるステップS120,S140,S146,S148以外の処理については
図5で説明した通りであるので、それらの説明は繰り返さない。
【0065】
ステップS120において、選択部160は、動作Aに対応付けられている動作Bが検出されたか否かを判断する。選択部160は、動作Bが検出されたと判断した場合(ステップS120においてYES)、制御をステップS140に切り替える。そうでない場合には(ステップS120においてNO)、選択部160は、制御をステップS130に切り替える。
【0066】
ステップS140において、選択部160は、動作セット122(
図3参照)を参照して、動作Bに対応付けられている動作があるか否かを判断する。選択部160は、動作Bに対応付けられている動作があると判断した場合(ステップS140においてYES)、制御をステップS144に切り替える。そうでない場合には(ステップS140においてNO)、選択部160は、制御をステップS142に切り替える。
【0067】
ステップS144において、選択部160は、動作Aを動作Bで置き換える。ステップS146において、選択部160は、動作Bを動作Cで置き換える。ステップS148において、選択部160は、時間カウントをリセットする。これにより、ステップS130に示される所定時間がリセットされる。
【0068】
さらに具体的な例を挙げて、
図6に示される選択処理について説明する。たとえば、動作セット122に動作群「起床→端坐→離床」が規定されているとする。動作「起床」が検出された場合、初期状態では、動作「起床」が動作Aとなり、動作「端坐」が動作Bとなり、動作「離床」が動作Cとなる。
【0069】
動作「起床」が検出されてから所定時間内に動作「端坐」が検出された場合には、ステップS144において、選択部160は、動作Aを動作「端坐」で置き換える。ステップS146において、選択部160は、動作Bを動作「離床」で置き換える。その後、動作「端坐」が検出されてから所定時間内に動作Bの「離床」が検出された場合、選択部160は、動作「離床」を報知対象の動作として選択する(ステップS142参照)。動作Bの「離床」が所定時間内に検出されなかった場合、選択部160は、動作Aの動作「端坐」を報知対象の動作として選択する(ステップS132参照)。
【0070】
(具体例1−3)
図7を参照して、選択部160による選択処理の具体例1−3について説明する。具体例1−3においては、選択部160は、所定時間の間に検出された報知候補のうちの最初に検出された動作を報知対象の動作として選択する。最初に検出された報知候補が報知されることで、介護者に報知されるまでの時間が短縮される。その結果、介護者は、被介護者の元にすぐに駆け付けることができる。また、介護者への報知回数が減り、介護者の負担が軽減される。
【0071】
なお、
図7に示されるステップS100の処理については
図5で説明した通りであるので、その説明は繰り返さない。
【0072】
ステップS110において、選択部160は、動作セット122を参照して、動作Aに対応付けられている動作があるか否かを判断する。選択部160は、動作Aに対応付けられている動作があると判断した場合(ステップS110においてYES)、制御をステップS113に切り替える。そうでない場合には(ステップS110においてNO)、選択部160は、制御をステップS132に切り替える。
【0073】
ステップS113において、選択部160は、所定時間待機する。これにより、選択部160による選択処理が所定時間保留される。選択部160は、当該所定時間の間に報知候補の動作が検出されたとしても、当該動作を無視する。
【0074】
ステップS132において、選択部160は、報知対象の動作として動作Aを選択する。
【0075】
さらに具体的な例を挙げて、
図7に示される選択処理について説明する。ある局面において、動作「端坐」が検出されたとする。また、動作「端坐」に対応付けられている動作が動作セット122において規定されていないとする。この場合、動作「端坐」が動作Aとなる。選択部160は、報知対象の動作として、動作「端坐」を選択する(ステップS132参照)。
【0076】
他の局面において、動作セット122において動作「端坐」には動作「離床」が対応付けられているとする。この場合、動作「端坐」が動作Aとなり、動作「離床」が動作Bとなる。選択部160は、ステップS113で所定時間待機した後(ステップS113参照)、ステップS132で報知対象の動作として動作「端坐」を選択する(ステップS132参照)。
【0077】
出力部170は、たとえば、携帯端末200として、選択された動作Aの「端坐」を出力する。出力方法の一例として、携帯端末200は、アラーム音を発したり、バイブレーション機能を作動したり、メッセージ「Aさんが起き上がりました。」を画面上に表示したりする。
【0078】
(具体例1−4)
図8および
図9を参照して、選択部160による選択処理の具体例1−4について説明する。具体例1−4においては、検出対象の動作の各々に優先度が予め対応付けられている。
図8に示されるように、動作の種類と優先度との対応関係は、優先度テーブル126に規定されている。
【0079】
報知の必要性が高い動作ほど高い優先度が対応付けられる。
図8の例では、動作「臥床」には、優先度「1」が対応付けられている。動作「起床」には、優先度「2」が対応付けられている。動作「端坐」には、優先度「3」が対応付けられている。動作「転落」には、優先度「5」が対応付けられている。動作「離床」には、優先度「4」が対応付けられている。
【0080】
選択部160は、報知候補の動作のうちの優先度が最も高い動作を報知対象の動作として選択する。優先度が高い動作が報知されることで、動作検出装置100は、介護が必要な被介護者の動作を優先的に報知することができる。また、介護者への報知回数が減り、介護者の負担が軽減される。
【0081】
図9を参照して、具体例1−4における選択処理についてさらに詳細に説明する。なお、
図9に示されるステップS111以外の処理については
図5で説明した通りであるので、それらの処理の説明は繰り返さない。
【0082】
ステップS111において、選択部160は、動作Aの優先度が動作Bの優先度よりも高いか否かを判断する。選択部160は、動作Aの優先度が動作Bの優先度よりも高いと判断した場合(ステップS111においてYES)、制御をステップS132に切り替える。そうでない場合には(ステップS111においてNO)、選択部160は、制御をステップS120に切り替える。
【0083】
さらに具体的な例を挙げて、
図9に示される選択処理について説明する。たとえば、動作セット122に、動作群「端坐→離床」が規定されているとする。この場合、動作「端坐」が動作Aとなり、動作「離床」が動作Bとなる。
図8の例では、動作「端坐」(動作A)の優先度は「3」であり、動作「離床」(動作B)の優先度は「4」である。動作Bの優先度が動作Aの優先度よりも高いため、選択部160は、ステップS111からステップS120に制御を切り替える。
【0084】
動作Bの「離床」が所定時間内に検出されなかった場合(ステップS120,S130参照)、選択部160は、動作Aの「端坐」を選択する(ステップS132参照)。動作Bの「離床」が所定時間内に検出された場合(ステップS120,S130参照)、選択部160は、動作Bの「離床」を選択する(ステップS142参照)。
【0085】
(具体例1−5)
図10を参照して、選択部160による選択処理の具体例1−5について説明する。
図10には、ある動作の次に生じ得る動作として複数の候補が存在する場合における選択処理が示されている。なお、
図10に示されるステップS100,S110の処理については
図5で説明した通りであるので、それらの説明は繰り返さない。
【0086】
動作セット122(
図3参照)において、動作Aには、動作Bおよび動作Cの両方が対応付けられているとする。この場合、選択部160は、ステップS110からステップS120に制御を切り替える。
【0087】
ステップS120において、選択部160は、動作Bが検出されたか否かを判断する。選択部160は、動作Bが検出されたと判断した場合(ステップS120においてYES)、制御をステップS142に切り替える。そうでない場合には(ステップS120においてNO)、選択部160は、制御をステップS125に切り替える。
【0088】
ステップS125において、選択部160は、動作Cが検出されたか否かを判断する。選択部160は、動作Cが検出されたと判断した場合(ステップS125においてYES)、制御をステップS152に切り替える。そうでない場合には(ステップS125においてNO)、選択部160は、制御をステップS130に切り替える。
【0089】
ステップS130において、選択部160は、動作Aが検出されてから所定時間が経過したか否かを判断する。選択部160は、所定時間が経過したと判断した場合(ステップS130においてYES)、制御をステップS132に切り替える。そうでない場合には(ステップS130においてNO)、選択部160は、制御をステップS120に戻す。
【0090】
ステップS132において、選択部160は、報知対象の動作として動作Aを選択する。ステップS142において、選択部160は、報知対象の動作として動作Bを選択する。ステップS152において、選択部160は、報知対象の動作として動作Cを選択する。
【0091】
さらに具体的な例を挙げて、
図10に示される選択処理について説明する。たとえば、動作セット122に、動作群「端坐→離床」および動作群「端坐→転落」が規定されているとする。この場合、動作「端坐」が動作Aとなり、動作「離床」が動作Bとなり、動作「転落」が動作Cとなる。
【0092】
動作Aの「端坐」が検出されてから所定時間内に動作Bの「離床」および動作Cの「転落」が検出されなかった場合、選択部160は、報知対象の動作として動作Aの「端坐」を選択する(ステップS132参照)。当該所定時間内に動作Bの「離床」が検出された場合、選択部160は、報知対象の動作として動作「離床」を選択する(ステップS142参照)。当該所定時間内に動作Cの「転落」が検出された場合、選択部160は、報知対象の動作として動作「転落」を選択する(ステップS152参照)。
【0093】
動作「離床」が選択部160によって選択された場合、出力部170(
図2参照)は、被介護者の離床を介護者に報知する。一例として、出力部170は、携帯端末200(
図1参照)として、アラーム音を発したり、バイブレーション機能を作動したり、メッセージ「Aさんが離床しました。」を表示したりする。
【0094】
動作「転落」が選択部160によって選択された場合、出力部170は、被介護者の転落を介護者に報知する。一例として、出力部170は、携帯端末200として、アラーム音を発したり、バイブレーション機能を作動したり、メッセージ「Aさんがベッドから落ちました。状況を確認して下さい。」を画面上に表示したりする。
【0095】
動作「端坐」が選択部160によって選択された場合、出力部170は、被介護者の端坐を介護者に報知する。一例として、出力部170は、携帯端末200として、アラーム音を発したり、バイブレーション機能を作動したり、メッセージ「Aさんが起き上がりました。」を画面上に表示したりする。
【0096】
[動作検出システム300のハードウェア構成]
図11を参照して、動作検出システム300のハードウェア構成の一例について説明する。
図11は、動作検出システム300の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図11に示されるように、動作検出システム300は、動作検出装置100と、携帯端末200とを含む。動作検出装置100および携帯端末200は、ネットワークを介して互いに接続されている。以下では、動作検出装置100のハードウェア構成と、携帯端末200のハードウェア構成とについて順に説明する。
【0097】
(動作検出装置100のハードウェア構成)
図11に示されるように、動作検出装置100は、ROM(Read Only Memory)101と、CPU102と、RAM(Random Access Memory)103と、ネットワークI/F(インタフェース)104と、カメラI/F105と、記憶装置120とを含む。
【0098】
ROM101は、オペレーティングシステム、本実施の形態に従う動作検出プログラム128等を格納する。CPU102は、オペレーティングシステムや動作検出プログラム128等の各種プログラムを実行することで、動作検出装置100の動作を制御する。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、動作検出プログラム128の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0099】
ネットワークI/F104には、アンテナやNIC(Network Interface Card)等の通信機器が接続される。動作検出装置100は、当該通信機器を介して、他の通信端末との間でデータを送受信する。他の通信端末は、たとえば、携帯端末200、サーバー、その他の端末等を含む。動作検出装置100は、ネットワークを介して動作検出プログラム128をサーバーからダウンロードできるように構成されてもよい。
【0100】
カメラI/F105は、カメラ50と動作検出装置100とを有線または無線で接続するためのインタフェースである。動作検出装置100は、カメラI/F105を介してカメラ50から画像を取得する。カメラ50は、たとえば、ネットワークカメラまたは被写体を撮影することが可能なその他の撮像装置を含む。カメラ50は、動作検出装置100と一体的に構成されてもよいし、
図11に示されるように、動作検出装置100と別個に構成されてもよい。
【0101】
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置等の記憶媒体である。一例として、記憶装置120は、動作セット122、優先度テーブル126、本実施の形態に従う動作検出プログラム128等を格納する。
【0102】
なお、動作検出プログラム128は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う動作検出装置100の趣旨を逸脱するものではない。さらに、本実施の形態に従う動作検出プログラム128によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、動作検出装置100と携帯端末200とが協働して、動作検出プログラム128によって提供される機能の一部または全部が実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが本実施の形態に従う処理を実現する、所謂クラウドサービスのような形態で動作検出装置100が構成されてもよい。
【0103】
(携帯端末200のハードウェア構成)
引き続き
図11を参照して、携帯端末200のハードウェア構成について説明する。携帯端末200は、たとえば、スマートフォン、タブレット端末、介護者が携帯することが可能なその他の端末である。
図11に示されるように、携帯端末200は、ROM201と、CPU202と、RAM203と、ネットワークI/F204と、ディスプレイ205と、記憶装置220とを含む。
【0104】
ROM201は、オペレーティングシステム、携帯端末200で実行される制御プログラム等を格納する。CPU202は、オペレーティングシステムや携帯端末200の制御プログラム等の各種プログラムを実行することで、携帯端末200の動作を制御する。RAM203は、ワーキングメモリとして機能し、プログラムの実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0105】
ネットワークI/F204には、アンテナやNIC(Network Interface Card)等の通信機器が接続される。携帯端末200は、当該通信機器を介して、他の通信端末との間でデータを送受信する。他の通信端末は、たとえば、動作検出装置100、その他の端末等を含む。
【0106】
ディスプレイ205は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはその他の表示機器等である。ディスプレイ205は、タッチパネルとして構成されてもよい。ディスプレイ205は、被介護者の報知対象の動作が検出された場合に、当該動作が検出されたこと表示する。
【0107】
記憶装置220は、たとえば、eMMC(Embedded MultiMediaCard)等の記憶媒体を含む。eMMCは、NANDフラッシュメモリと、制御回路とを含む。記憶装置220は、本実施の形態に従う各種の処理を実現するためのプログラム等を格納する。
【0108】
[小括]
以上のように、動作検出システム300は、時系列の順に生じ得る一連の動作群を所定時間の間に報知候補の動作として検出した場合に、報知候補の動作の中から報知対象の動作を選択する。これにより、検出された動作が逐次報知されることが防止され、介護者への報知回数が減る。報知回数が減ることで報知内容が簡潔になるため、介護者は、報知内容を容易に把握できるようになる。さらに、介護者は、不要な報知や緊急性の低い報知に対応する必要がなくなるため、介護者の負担が軽減される。
【0109】
<第2の実施の形態>
[概要]
第1の実施の形態においては、報知候補を検出するために待機する時間(すなわち、「待機時間」)は一定であった。これに対して、第2の実施の形態に従う動作検出システム300は、検出される報知候補の動作に応じて、当該待機時間を変える。
【0110】
[動作検出システム300の処理]
図12を参照して、第2の実施の形態に従う動作検出システム300の動作検出処理について説明する。
図12は、第2の実施の形態に従う動作検出システム300のハードウェア構成と機能構成とを示すブロック図である。
図12に示されるように、動作検出システム300は、取得部52と、動作検出装置100と、出力部170とを備える。動作検出装置100は、ハードウェア構成として、CPU102と、記憶装置120とを含む。CPU102は、機能構成として、検出部150と、保持部155と、選択部160Aとを有する。以下では、保持部155および選択部160Aについて順に説明する。その他の構成については上述の通りであるので、それらの構成については説明を繰り返さない。
【0111】
保持部155は、検出部150によって検出された報知候補の動作を履歴情報として一定期間保持する。当該履歴情報は、CPU102のキャッシュメモリに保持されてもよいし、記憶装置120に保持されてもよい。また、保持部155は、1つの報知候補のみを履歴情報として保持してもよいし、過去数回分の報知候補を履歴情報として保持してもよい。
【0112】
選択部160Aは、報知候補の動作が検出された場合に、当該動作の事前に検出された動作(以下、「事前動作」ともいう。)に応じて、報知候補を検出するための待機時間を変更する。選択部160Aの詳細については後述する。
【0113】
[具体例2]
図13および
図14を参照して、
図12に示される選択部160Aの選択処理についてさらに詳細に説明する。
図13は、選択処理の具体例2を示すフローチャートである。
図14は、第2の実施の形態における動作セット122の内容を示す図である。なお、
図13に示されるステップS160,S162以外の処理については
図10で説明した通りであるので、それらの説明は繰り返さない。
【0114】
ステップS160において、選択部160Aは、保持部155(
図12参照)から動作Aの直前に検出された動作(すなわち、事前動作)を取得する。
【0115】
ステップS162において、選択部160Aは、取得した事前動作に応じて、報知候補を検出するための待機時間を変更する。待機時間は、検出対象の動作群の各々に予め対応付けられている。
【0116】
図14を参照して、
図13に示される選択処理についてさらに詳細に説明する。たとえば、動作セット122には、動作群「臥床→起床→端坐→離床」と、動作群「臥床→端坐→離床」と、動作群「臥床→端坐→転落」とが規定されているとする。
【0117】
すなわち、動作「端坐」の前には、動作「臥床」または動作「起床」が生じ得る。選択部160Aは、動作「端坐」が検出された場合に、動作「端坐」の前に検出された事前動作が動作「臥床」であるか動作「起床」であるか応じて、待機時間を変更する。
【0118】
たとえば、動作「端坐」の直前に動作「臥床」が検出されていたとする。選択部160Aは、動作セット122を参照して、動作「端坐」を含み、かつ事前動作が「臥床」である動作群を取得する。すなわち、選択部160Aは、動作群「臥床→端坐→離床」と、動作群「臥床→端坐→転落」とを取得する。
【0119】
図14の例においては、動作群「臥床→端坐→離床」の「端坐→離床」には、待機時間「1秒」が対応付けられている。また、動作群「臥床→端坐→転落」の「端坐→転落」には、待機時間「1秒」が対応付けられている。そのため、選択部160Aは、待機時間を「1秒」に変更する。仮に、「端坐→転落」および「端坐→離床」に異なる待機時間が対応付けられている場合には、選択部160Aは、より短い待機時間で現在の待機時間を更新する。
【0120】
なお、動作検出システム300は、待機時間「−1秒」が対応付けられている動作群を検出した場合、当該動作群のうちの先に検出された動作については報知しない。
【0121】
[小括]
以上のようにして、本実施の形態に従う動作検出システム300は、事前に検出された動作に応じて、報知候補を検出するための待機時間を変更する。これにより、動作検出システム300は、転落等の緊急性の高い動作を即座に報知することが可能になる。
【0122】
<第3の実施の形態>
[概要]
第1の実施の形態においては、報知候補を検出するための待機時間は、報知対象の動作の出力手段によらず一定であった。これに対して、第3の実施の形態においては、当該待機時間は、出力手段ごとに異なる。
【0123】
[動作検出システム300の処理]
図15を参照して、第3の実施の形態に従う動作検出システム300の動作検出処理について説明する。
図15は、第3の実施の形態に従う動作検出システム300のハードウェア構成と機能構成とを示すブロック図である。
図15に示されるように、動作検出システム300は、取得部52と、動作検出装置100と、出力部170とを備える。動作検出装置100は、ハードウェア構成として、CPU102と、記憶装置120とを含む。CPU102は、機能構成として、検出部150と、保持部155と、選択部160Bとを有する。以下では、選択部160Bおよび出力部170について説明する。その他の構成については上述した通りであるので、それらの構成については説明を繰り返さない。
【0124】
出力部170は、報知対象の動作を異なる方法で出力するために複数の出力手段を含む。たとえば、出力部170は、出力手段170Aと、出力手段170Bとを含む。選択部160Bは、出力手段ごとに異なる待機時間で報知候補の動作を選択する。すなわち、選択部160Bは、出力手段のそれぞれについて報知対象の動作の選択処理を行なう。
【0125】
ある局面において、出力手段170Aは、介護者に向けて報知対象の動作を報知するための携帯端末200である。出力手段170Bは、報知対象の動作を内蔵のメモリに格納するためのサーバー(図示しない)である。選択部160Bは、出力手段170Aについては、第1所定時間ごとに報知候補の動作を選択し、出力手段170Bについては、第1所定時間よりも短い第2所定時間ごとに報知候補の動作を選択する。
【0126】
他の局面において、出力手段170Aは、介護者に向けて報知対象の動作を報知するための携帯端末200である。当該携帯端末200は、被介護者の元に駆け付ける介護者の用に準備される端末である。出力手段170Bは、動作検出システム300の管理者に向けて報知対象の動作を報知するための携帯端末(図示しない)である。当該携帯端末は、被介護者の元に駆け付けない管理者の用に準備される端末である。あるいは、出力手段170Bは、各介護施設を管理する中央監視センター等に配置される固定端末であってもよい。選択部160Bは、出力手段170Aについては、第1所定時間ごとに報知候補の動作を選択し、出力手段170Bについては、第1所定時間よりも短い第2所定時間ごとに報知候補の動作を選択する。
【0127】
[具体例3]
図16を参照して、
図15に示される選択部160Bの選択処理についてさらに詳細に説明する。
図16は、選択処理の具体例3を示すフローチャートである。
【0128】
ステップS100において、選択部160Bは、動作セット122(
図3参照)に規定されている動作Aが検出されたか否かを判断する。選択部160Bは、動作Aが検出されたと判断した場合(ステップS100においてYES)、制御をステップS110に切り替える。そうでない場合には(ステップS100においてNO)、選択部160Bは、ステップS100の処理を再び実行する。
【0129】
ステップS110において、選択部160Bは、動作セット122を参照して、動作Aに対応付けられている動作があるか否かを判断する。選択部160Bは、動作Aに対応付けられている動作があると判断した場合(ステップS110においてYES)、制御をステップS120A,S120Bに切り替える。そうでない場合には(ステップS110においてNO)、選択部160Bは、制御をステップS195に切り替える。
【0130】
ステップS120A,S120B以降の処理は、並列に実行される。ステップS120Aにおいて、選択部160Bは、動作Aに対応付けられている動作Bが検出されたか否かを判断する。選択部160Bは、動作Bが検出されたと判断した場合(ステップS120AにおいてYES)、制御をステップS191に切り替える。そうでない場合には(ステップS120AにおいてNO)、選択部160Bは、制御をステップS130Aに切り替える。
【0131】
ステップS120Bにおいて、選択部160Bは、動作Aに対応付けられている動作Bが検出されたか否かを判断する。選択部160Bは、動作Bが検出されたと判断した場合(ステップS120BにおいてYES)、制御をステップS194に切り替える。そうでない場合には(ステップS120BにおいてNO)、選択部160Bは、制御をステップS130Bに切り替える。
【0132】
ステップS130Aにおいて、選択部160Bは、動作Aが検出されてから所定時間Tp(待機時間)が経過したか否かを判断する。所定時間Tpは、たとえば、10秒である。選択部160Bは、所定時間Tpが経過したと判断した場合(ステップS130AにおいてYES)、制御をステップS192に切り替える。そうでない場合には(ステップS130AにおいてNO)、選択部160Bは、制御をステップS120Aに戻す。
【0133】
ステップS130Bにおいて、選択部160Bは、動作Aが検出されてから所定時間Tqが経過したか否かを判断する。所定時間Tqは、所定時間Tpと異なる。所定時間Tqは、たとえば、0.1秒である。選択部160Bは、所定時間Tqが経過したと判断した場合(ステップS130BにおいてYES)、制御をステップS193に切り替える。そうでない場合には(ステップS130BにおいてNO)、選択部160Bは、制御をステップS120Bに戻す。
【0134】
ステップS191において、選択部160Bは、出力手段170Aに動作Bを出力させる。ステップS192において、選択部160Bは、出力手段170Aに動作Aを出力させる。ステップS193において、選択部160Bは、出力手段170Bに動作Aを出力させる。ステップS194において、選択部160Bは、出力手段170Bに動作Bを出力させる。ステップS195において、選択部160Bは、出力手段170A,170Bに動作Aを出力させる。
【0135】
さらに具体的な例を挙げて、
図16に示される選択処理について説明する。ある局面において、動作セット122には、動作「端坐」が規定されており、当該「端坐」にはいずれの動作も対応付けられていないものとする。この場合、選択部160Bは、動作「端坐」を選択するとともに、出力手段170Aおよび出力手段170Bのそれぞれに動作「端坐」を出力させる(ステップS195参照)。
【0136】
他の局面において、動作セット122には、動作群「端坐→離床」が規定されているとする。この場合、動作「端坐」が動作Aとなり、動作「離床」が動作Bとなる。所定時間Tp内に動作Bの「離床」が検出された場合には、選択部160Bは、動作Bの「離床」を選択するとともに、出力手段170Aに動作「離床」を出力させる(ステップS191参照)。所定時間Tp内に動作Bの「離床」が検出されなかった場合には、選択部160Bは、動作Aの「端坐」を選択するとともに、出力手段170Aに動作「端坐」を出力させる(ステップS192参照)。
【0137】
所定時間Tq内に動作Bの「離床」が検出された場合には、選択部160Bは、動作Bの「離床」を選択するとともに、出力手段170Bに動作「離床」を出力させる(ステップS194参照)。所定時間Tq内に動作Bの「離床」が検出されなかった場合には、選択部160Bは、動作Aの「端坐」を選択するとともに、出力手段170Bに動作「端坐」を出力させる(ステップS193参照)。
【0138】
出力手段170Aは、動作「離床」を出力する場合、携帯端末200として、アラーム音を発したり、バイブレーション機能を作動したり、メッセージ「Aさんが離床しました。」を画面上に表示したりする。
【0139】
出力手段170Aは、動作「端坐」を出力する場合、携帯端末200として、アラーム音を発したり、バイブレーション機能を作動したり、メッセージ「Aさんが起き上がりました。」を画面上に表示したりする。
【0140】
出力手段170Bは、動作「離床」を出力する場合、サーバー(図示しない)として、メッセージ「Aさんが離床しました。」を画面上に表示する。
【0141】
出力手段170Bは、動作「端坐」を出力する場合、サーバーとして、メッセージ「Aさんが起き上がりました。」を画面上に表示する。あるいは、出力手段170Bは、サーバーとして、報知対象の動作の種類と当該動作が検出された時間とを対応付けた上で、当該対応関係を履歴情報に書き込む。
【0142】
[小括]
以上のようにして、本実施の形態に従う動作検出システム300は、出力手段ごとに異なる待機時間で報知候補を決定し、出力手段のそれぞれについて報知対象の動作の選択処理を実行する。出力手段の利用目的に合わせて待機時間が設定され得るため、出力手段ごとに適した動作選択結果が出力され得る。
【0143】
<第4の実施の形態>
第3の実施の形態においては、報知候補の動作を検出する待機時間が出力手段ごとに異なっていた。これに対して、第4の実施の形態においては、待機時間は、監視する被介護者ごとに異なる。当該待機時間は、被介護者の健康状態や身体能力に合わせて被介護者ごとに予め設定される。これにより、動作検出システム300は、被介護者の健康状態や身体能力(たとえば、動作スピード等)に影響されずに、被介護者の動作を正確に検出することができる。
【0144】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。