特許第6222430号(P6222430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6222430制御システム及びそのエンジニアリングに用いるプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222430
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】制御システム及びそのエンジニアリングに用いるプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20130101AFI20171023BHJP
   G05B 19/05 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   G06F3/0481 170
   G05B19/05 B
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-145455(P2013-145455)
(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公開番号】特開2015-18422(P2015-18422A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年5月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(74)【代理人】
【識別番号】100118267
【弁理士】
【氏名又は名称】越前 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】小鷲 宜也
【審査官】 星野 昌幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−042085(JP,A)
【文献】 特開2010−198469(JP,A)
【文献】 特開2004−078564(JP,A)
【文献】 特開2012−099063(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0138758(US,A1)
【文献】 特開2008−284504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G05B 19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象から収集したデータに基づく信号を用いて、制御装置で動作する制御ロジックのプログラムを作成するためのエンジニアリングツールを備えた制御システムであって、
前記エンジニアリングツールは、
前記プログラムを表示するロジック表示画面と、
前記ロジック表示画面において前記プログラムに用いられる前記信号に非文字列のアイコンを関連付けることで前記信号を選択し、登録する信号登録機能と
を有し、
前記ロジック表示画面は、前記アイコン毎に登録先の前記信号の表示及び収集周期に関するパラメータを設定するための設定部を有することを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記アイコンは、異なる種別の前記信号の登録を識別して行うべく複数種用意されることを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記ロジック表示画面は、前記プログラムの作成に使用される制御シンボルが配された選択部を有し、この選択部から前記信号に前記アイコンが関連付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記信号登録機能は、前記ロジック表示画面において複数の前記信号にそれぞれ前記アイコンが関連付けられたとき、これら各アイコンに互いを識別するためのマークを表示することを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記信号登録機能は、前記ロジック表示画面において複数の前記信号に1つの前記アイコンが関連付けられたとき、これら複数の信号を一括して選択し、登録することを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記エンジニアリングツールは、前記信号登録機能により選択して登録した信号を前記信号のトレンドグラフに関連付けて表示するトレンド表示画面を備えることを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載の制御システム。
【請求項7】
監視対象から収集したデータに基づく信号を用いて制御ロジックを作成するためのエンジニアリングに用いるプログラムであって、
前記制御ロジックを表示するロジック表示画面において、前記制御ロジックに用いられる信号に非文字列のアイコンを関連付けることにより、前記信号を選択し、登録する信号登録機能を実現させ、前記アイコン毎に登録先の前記信号の表示及び収集周期に関するパラメータを設定する、エンジニアリングに用いるプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム及びそのエンジニアリングに用いるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の制御システムには、監視対象から収集したデータに基づく信号を用いて、制御装置で動作する制御ロジックのプログラムをロジック表示画面において作成したり、或いは、信号のトレンドグラフを表示するトレンド表示画面に信号を登録したりするためのエンジニアリングツールを備えたものが知られている。
そして、例えば特許文献1には、入出力データを定義する入出力データ定義機能と、制御ロジックを作成する制御ロジック作成機能と、前記入出力データ定義機能により作成された入出力データのタグと前記制御ロジック作成機能により作成された制御ロジックのタグとを関連付けるタグ変換機能とを備えた計装制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−132501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術では、信号に割り当てた文字列からなるタグをタグ変換機能により制御ロジック用の文字列からなるタグに変換し、関連付けて使用する。すなわち、特定の信号の識別、選択、及び登録は、常に文字列からなるタグを介して行われるため、制御システムのユーザは信号に割り当てられたタグを頼りにトレンド登録を行うことになる。具体的には、トレンド登録作業において、ユーザは制御ロジックが表示されたロジック表示画面とは別画面に表示されたタグリストを参照して該当信号のタグナンバーを照会しなければならない。これでは、トレンド登録に時間を要するとともに、制御ロジックの何れの信号を選択し、トレンド登録したかが一目では分かりにくく、信号の誤登録を招くおそれがあった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジニアリングの作業性を向上することができる制御システム及びそのエンジニアリングに用いるプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の制御システムは、監視対象から収集したデータに基づく信号を用いて、制御装置で動作する制御ロジックのプログラムを作成するためのエンジニアリングツールを備えた制御システムであって、前記エンジニアリングツールは、前記プログラムを表示するロジック表示画面と、ロジック表示画面においてプログラムに用いられる信号に非文字列のアイコンを関連付けることで信号を選択し、登録する信号登録機能とを有し、ロジック表示画面は、アイコン毎に登録先の信号の表示及び収集周期に関するパラメータを設定するための設定部を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の制御システムのエンジニアリングに用いるプログラムは、監視対象から収集したデータに基づく信号を用いて制御ロジックを作成するためのエンジニアリングに用いるプログラムであって、前記制御ロジックを表示するロジック表示画面において、前記制御ロジックに用いられる信号に非文字列のアイコンを関連付けることにより、前記信号を選択し、登録する信号登録機能を実現させ、アイコン毎に登録先の信号の表示及び収集周期に関するパラメータを設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の制御システム及びそのエンジニアリングに用いるプログラムによれば、制御ロジックに用いられる信号を直感的な操作で選択し、短時間で登録することができるとともに、信号の誤登録を抑制することができるため、制御システムにおける信号登録に関するエンジニアリングの作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る制御システムの概略構成図である。
図2図1のエンジニアリングツールのモニタに表示される制御ロジックのロジック表示画面の一例である。
図3図2の制御ロジックの信号にトレンド登録用のアイコンを関連付けるとともに、パラメータ設定画面が表示された状態を示したロジック表示画面の一例である。
図4図3において登録された信号のトレンド表示画面の一例である。
図5図1のエンジニアリングツールで行うトレンド登録に係るエンジニアリング作業を時系列的に示したフローである。
図6図3においてアイテム選択画面が表示された状態を示したロジック表示画面の一例である。
図7図6において登録された信号のトレンド表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の制御システム1は、プラントなどに配置された監視対象である運転装置2、オペレーションルームに配置された制御装置4、及びエンジニアリングツール(信号登録機能)6から概略構成されている。
制御装置4では、運転装置2から収集したデータに基づく入力信号8が入力され、オペレータの操作や制御ロジックからの出力信号10によって運転装置2の制御が行われ、入出力信号8,10やこれらの中間信号のトレンド監視が行われる。
【0011】
エンジニアリングツール6では、前記信号毎のタグリストの作成、制御装置4で動作する制御ロジック12の作成、監視したい信号のトレンド登録などが行われる。エンジニアリングツール6は、例えばハードディスク、モニタ、マウス、及びキーボードなどを備えたコンピュータである。
図2に示すように、制御ロジック12は、モニタのロジック表示画面14に表示され、例えばファンクション・ブロック・ダイアグラム(FBD)のプログラミング言語で作成されている。
【0012】
運転装置2のオペレータを含むユーザは、モニタに表示されたロジック表示画面14を見ながら、別画面に作成されたタグリストにて予めタグが割り当てられた信号を用いて、制御ロジック12のプログラムを作成する。
ロジック表示画面14の上部には表示バー16が設けられ、表示バー16には、表示画面の種別、表示された制御ロジック12のシステム名、タイトル名、画面のページ番号などが表示されている。また、表示バー16には、アイテムタブ18やトレンドタブ20,22などが設けられている。
【0013】
アイテムタブ18は、ロジック表示画面14において、ユーザが制御ロジック12を作成する際に、信号ブロック(制御シンボル)24、制御演算子(制御シンボル)26、ファンクション・ブロック(制御シンボル)28、及びこれらを接続する信号線(制御シンボル)30などのアイテムを選択するために設けられている。アイテムタブ18をマウスでクリックすることにより、後述するアイテム選択画面46の小ウインドウがロジック表示画面14に表示される。
【0014】
トレンドタブ20,22は、ロジック表示画面14において、制御ロジック12に用いられている信号ブロック24、ファンクション・ブロック28、及び信号線30などに用いられる信号を選択し、後述するトレンド表示画面42に登録するために設けられている。トレンドタブ20は、アナログ信号の後述するトレンドグラフ40を模した絵柄や図形が描画されたアナログ信号のトレンド登録用のものであり、一方、トレンドタブ22は、デジタル信号(ON・OFF信号)のトレンドグラフ40を模した絵柄や図形が描画されたデジタル信号のトレンド登録用のものである。
【0015】
図3に示すように、トレンドタブ20,22をマウスでクリックすることにより、ロジック表示画面14において、クリックしたトレンドタブ20,22と同様の絵柄の非文字列のトレンド登録用のアイコン32がマウスのポインタに重なるようにして半透明に表示される。そして、制御ロジック12を構成する信号ブロック24、ファンクション・ブロック28、信号線30の近傍にマウスのポインタを合わせてクリックすると、アイコン32がロジック表示画面14に貼付され、アイコン32と信号ブロック24、ファンクション・ブロック28、又は信号線30との間に、実線の信号線30とは異なる線種の例えば破線の接続線34が自動生成される。
【0016】
また、同じ絵柄となるアナログ信号トレンド登録用のアイコン32をロジック表示画面14に複数貼付した場合、各アイコン32には、貼付された順に、例えば(1)、(2)、(3)・・といったマーク36が自動表示され、ロジック表示画面14に同じ絵柄のアイコン32が複数存在しても個々を容易に識別することができる。
また、アイコン32がファンクション・ブロック28と関連付けられた場合には、ファンクション・ブロック28に接続されたすべての入出力信号がトレンド表示画面42に表示する信号として選択され、登録される。
【0017】
一方、ロジック表示画面14に貼付されたトレンド登録用のアイコン32をマウスでクリックすると、ロジック表示画面14において、トレンド表示画面42に表示するトレンドグラフ40のパラメータ設定画面(設定部)38の小ウインドウが表示される。このパラメータ設定画面38では、トレンドグラフ40の表示に関するパラメータ(グラフの線種、色、線幅など)や、トレンドデータ収集の周期に関するパラメータを設定することができ、設定したパラメータはトレンド表示画面42のトレンドグラフ40に反映される。
【0018】
図4に示すように、図3のアナログ信号のトレンドグラフ用のマーク36が(1)となるアイコン32が制御ロジック12の信号線30と関連付けられた場合、タグナンバーがAI0001となるアナログ入力信号のトレンドグラフ40が特定のトレンド表示画面42に登録され、表示される。なお、トレンド表示画面42の上部には、ロジック表示画面14と同様の表示バー44が設けられ、表示バー44には、表示画面の種別、表示されたトレンドグラフ40の信号が用いられるシステム名、タイトル名、画面のページ番号などが表示され、システム名及びタイトル名はロジック表示画面14のものと一致している。
【0019】
また、表示バー44の表示画面の種別には、「トレンドグラフ(1)」と表示され、ロジック表示画面14の該当アイコン32のマーク36である「(1)」と同じマークが付されている。また、トレンドグラフ40の横には該当信号線30の信号に付されたタグナンバー「AI0001」が表示されている。従って、制御ロジック12に貼付された複数のアイコン32のうち、マーク36が(1)となるアイコン32が関連付けられたアナログ信号AI0001の信号線30のトレンドグラフ40が、複数のトレンド表示画面42のうちの「トレンドグラフ(1)」の表示画面に表示されていることを容易に識別することができる。
【0020】
このように、本実施形態のエンジニアリングツール6は、ロジック表示画面14において制御ロジック12のプログラムに用いられる信号に非文字列のアイコン32をソフトウェアにおいて識別可能に関連付け、文字列となるタグを介することなく信号を選択し、トレンド表示画面42に表示する信号として登録する信号登録機能を備えている。
【0021】
図5に示すように、エンジニアリングツール6では、信号毎のタグリストの作成(ステップS1)、制御装置4で動作する制御ロジック12の作成(ステップS2)、信号登録機能によるトレンド登録用のアイコン32と制御ロジック12の信号線30(又は信号ブロック24、ファンクション・ブロック28)との関連付け(ステップS3)、パラメータ設定画面38におけるトレンドのパラメータ設定(ステップS4)の順にユーザによるエンジニアリング作業が行われ、最終的にトレンド登録が完了する(ステップS5)。
【0022】
一方、図6に示すように、アイテムタブ18をマウスでクリックすると、ロジック表示画面14において、アイテム選択画面(選択部)46の小ウインドウが表示される。
アイテム選択画面46には、制御ロジック12の作成に使用する制御演算子(AND、ORなど)、信号線(LINE)、ファンクション・ブロック(BLOCK)などのアイコンの他、更に、前述したアナログ及びデジタル信号トレンド登録用のアイコン32と同様の絵柄が描画されたトレンドアイテム48(TREND)、及びこれらトレンドアイテム48を制御ロジック12の信号ブロック24、ファンクション・ブロック28、又は信号線30に接続するための接続線アイテム50(LINE)がアイテムとして選択可能に設けられている。
【0023】
すなわち、トレンドの登録は、トレンドタブ20、22のみならず、アイテムタブ18からアイテム選択画面46を表示させ、制御ロジック12を作成するのと同じ要領で行うことも可能である。
具体的には、先ず、アイテム選択画面46からトレンドアイテム48をマウスでクリックして選択し、マウスのポインタに重なるようにして半透明に表示させ、ロジック表示画面14の適当な位置にマーク36が(3)となるアイコン32として貼付する。
【0024】
次に、アイテム選択画面46から接続線アイテム50をマウスでクリックして選択し、マウスのポインタに重なるようにして半透明に表示させ、マーク36が(3)となるアイコン32と3つの信号AI0002、AI0003、AI0004の各信号線30とを接続線アイテム50で繋ぐ。これにより、これら3つの信号とアイコン32とがソフトウェアにおいて関連付けられ、3つの信号線30の信号を一括して選択し、トレンド表示画面42に登録することができる。
【0025】
図7に示すように、マーク36が(3)となるアイコン32を制御ロジック12の前述した3つの信号線30と関連付けたことにより、タグナンバーがAI0002、AI0003、AI0004となる各アナログ中間信号のトレンドグラフ40が特定の1つのトレンド表示画面42に一括して登録され、表示される。なお、このトレンド表示画面42の表示バー44のシステム名及びタイトル名は図6のロジック表示画面14のものと一致している。
【0026】
また、表示バー44の表示画面の種別には「トレンドグラフ(3)」と表示され、ロジック表示画面14の該当アイコン32のマーク36である「(3)」と同じマークが付されている。また、トレンドグラフ40の横には該当信号線30に接続された信号のタグナンバーであるAI0002、AI0003、AI0004が表示される。
以上説明したように本実施形態によれば、エンジニアリングツール6のソフトウェアには、前述したトレンド登録に関する信号登録機能が組み込まれている。これにより、ロジック表示画面14において、制御ロジック12に用いられる信号を文字列のタグを介することなく直感的な操作で選択し、短時間でトレンド登録することができるとともに、トレンド表示画面42への信号の誤登録を抑制することができる。従って、制御システム1におけるトレンド登録に関するエンジニアリングの作業性を向上することができる。
【0027】
また、アイテム選択画面46にトレンドアイテム48が配され、トレンドアイテム48を選択することにより、アイテム選択画面46から信号にアイコン32を関連付けることにより、ロジック表示画面14においてプログラムの作成と同じ要領で信号の選択及びトレンド登録を行うことができる。従って、制御システム1におけるトレンド登録に関するエンジニアリングの作業性を更に向上することができる。
【0028】
また、トレンドタブ20、22やアイテム選択画面46においてロジック表示画面14に貼付されるアイコン32にアナログ信号用、及びデジタル信号用が用意される。また、アイコン32毎に信号のデータ収集周期に関するパラメータを設定するためのパラメータ設定画面38が表示される。これにより、例えば、トレンド登録したアナログ信号の監視周期と、別途トレンド登録したデジタル信号の前記アナログ信号とは異なる監視周期とをロジック表示画面14において識別可能に設定することができる。
【0029】
また、パラメータ設定画面38では、信号毎にトレンドグラフ40の表示に関するパラメータを設定することができる。これにより、信号の登録先のトレンド表示画面42において信号のデータ収集周期に関するパラメータやトレンド表示に関するパラメータを設定する場合に比して、表示画面の遷移に係る操作及び時間を削減することができる。従って、制御システム1におけるトレンド登録に関するエンジニアリングの作業性を更に向上することができる。
【0030】
また、ロジック表示画面14において複数の信号にそれぞれアイコン32が関連付けられたとき、各アイコン32に互いを識別するためのマーク36を表示する。これにより、制御ロジック12に用いられる複数の信号を選択し、トレンド登録したとき、信号の登録先のトレンド表示画面42にアイコン32のマーク36を表示すれば、トレンド表示画面42において信号の識別を容易に行うことができる。従って、トレンド表示画面42に文字列のタグを表示して信号を識別する場合に比して、より直感的に信号を識別することができるため、トレンド表示画面42における信号の誤登録を更に効果的に抑制し、エンジニアリングツール6ひいては制御システム1の更なる利便性の向上を図ることができる。
【0031】
また、ロジック表示画面14において複数の信号に1つのアイコン32を関連付けたとき、或いは、複数の信号が入出するファンクション・ブロック28にアイコン32を関連付けたとき、複数の信号を一括して選択し、トレンド登録することができる。これにより、信号毎に個々にアイコン32を関連付けて登録する場合に比して、ユーザのトレンド登録に係る操作回数を低減することができる。従って、制御システム1におけるトレンド登録に関するエンジニアリングの作業性を更に向上することができる。
【0032】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、エンジニアリングツール6は、スマートデバイスなどの携帯端末であっても良いし、モニタはマウスを要しないタッチパネルであっても良い。これらの場合には、プラント内の運転装置2の近くでロジック表示画面14を指でタップしてアイコン32を貼付し、簡単にトレンド登録を行うことが出できるため、エンジニアリングツール6、ひいては制御システム1の更なる利便性の向上を図ることができる。
【0033】
また、制御ロジック12は、ラダー図やアセンブリ言語などの他のプログラミング言語で作成しても良く、これらの場合であっても、ロジック表示画面14においてトレンド登録用のアイコン32を貼付し制御シンボルに関連づけ、トレンド表示画面42にトレンドグラフ40を登録できるようにすれば、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、文字列ではなくアイコン32を利用した信号登録機能は、トレンド登録のみならず、制御システム1における他の種々のエンジニアリング作業に利用することができる。
【0034】
また、前述した信号登録機能を実現させるためにエンジニアリングに用いるプログラム制御装置4自体に組み込んでも良いし、或いは、他の信号登録用途の装置に使用しても良い。
また、本発明は、前述した信号登録機能のプログラムを記憶媒体に有する場合を含むものである。
【符号の説明】
【0035】
1 制御システム
2 運転装置(監視対象)
4 制御装置
6 エンジニアリングツール(信号登録機能)
12 制御ロジック
14 ロジック表示画面
24 信号ブロック(制御シンボル)
26 制御演算子(制御シンボル)
28 ファンクション・ブロック(制御シンボル)
30 信号線(制御シンボル)
32 アイコン
36 マーク
38 パラメータ設定画面(設定部)
40 トレンドグラフ
42 トレンド表示画面
46 アイテム選択画面(選択部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7