特許第6222431号(P6222431)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222431
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】夾雑物除去スクリーン装置
(51)【国際特許分類】
   E02B 5/08 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   E02B5/08 101Z
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-146509(P2013-146509)
(22)【出願日】2013年7月12日
(65)【公開番号】特開2015-17462(P2015-17462A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】508165490
【氏名又は名称】アクアインテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107102
【弁理士】
【氏名又は名称】吉延 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100178951
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 和家
(74)【代理人】
【識別番号】100164242
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 直人
(72)【発明者】
【氏名】増田 智也
(72)【発明者】
【氏名】松村 学
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特表昭62−502903(JP,A)
【文献】 特開昭59−018805(JP,A)
【文献】 実開平02−066828(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け入れた汚水の上流側と下流側をつなぐ間隔を有するスクリーン体を備え、該間隔を通過できずに該スクリーン体の上流側で該間隔を塞ぐ、汚水に含まれていた夾雑物を、該スクリーン体の上流側で上方に向けて移送し、下流側に落下させる夾雑物除去スクリーン装置において、
前記スクリーン体は、
受け入れた汚水の水面から最上部が突出するようにそれぞれ配置された一対の固定スクリーン部材と、
前記一対の固定スクリーン部材の間で該固定スクリーン部材に対して移動することによって前記最上部に向けて夾雑物を移送する稼働スクリーン部材とを備え、
さらに、前記最上部まで移送されてきた夾雑物が該最上部に堆積してしまうことを阻止する堆積阻止手段が設けられたものであり、
前記一対の固定スクリーン部材は、夾雑物の移送方向に並んだ複数の固定段部がそれぞれ設けられたものであり、
前記稼働スクリーン部材は、前記最上部に設けられた固定最上段部に向けて夾雑物を移送するとともに、夾雑物の移送方向に並んだ複数の稼働段部が設けられ、夾雑物を該稼働段部によって上方の前記固定段部に移送するものであり、
前記固定最上段部は、移送されてきた夾雑物を一旦載置する載置面が設けられたものであり、
前記一対の固定スクリーン部材の間で移動する前記稼働スクリーン部材における最上段の稼働最上段部は、当該一対の固定スクリーン部材それぞれの前記載置面に挟まれながら移動することで、前記載置面よりも上方に突出した状態と前記載置面よりも下降した状態との間で状態変化するものであり、
前記流体供給部材は、前記稼働最上段部と前記載置面との境目を含む領域に向けて流体を供給するものであることを特徴とする夾雑物除去スクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン体の間隔を通過できずにこの間隔を塞ぐ、汚水に含まれていた夾雑物を、スクリーン体の上流側で上方に向けて移送し、下流側に落下させる夾雑物除去スクリーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下水処理システムでは、一般的に、沈砂池、最初沈殿池、反応タンクおよび最終沈殿池の記載順に、下水からなる汚水が流れ浄化されていく。この中で、例えば、最初沈殿池では、池底部に沈殿した汚泥を含んだ汚水(生汚泥)が、汚泥ポンプ等によって最初沈殿池の外部に移送され、濃縮、脱水されたのち焼却される。ここで、生汚泥には、し渣等の夾雑物が含まれているため、一般的に、濃縮、脱水される前に、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置によって生汚泥から夾雑物が除去される。また、水面付近に浮いている夾雑物のスカムを含んだ汚水(スカム水)は、スカムピットに集められ、その後、スカムピットからスカムポンプによって最初沈殿池の外部に移送される。最初沈殿地の外部に移送されたスカム水は、スカム用夾雑物除去スクリーン装置によってスカムが除去されたのち下水処理場内に返水される。これらの夾雑物除去スクリーン装置は、最初沈殿池から生汚泥やスカム水を受け入れた水槽に配置される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された夾雑物除去スクリーン装置は、水槽の汚水中に没するスクリーン体と、無端チェーンと、その無端チェーンに間隔をあけて取り付けられた複数のレーキを有するものである。スクリーン体は、上下方向に延びるバーが所定の間隔で並べられたものであり、この間隔以上の大きさの夾雑物を遮る。スクリーン体に遮られた夾雑物は、無端チェーンが駆動すると、この無端チェーンに取り付けられたレーキによって掻き上げられることでスクリーン体の上流側で上方に向けて移送され、その後、下流側に落下させて排出される。特許文献1に記載された夾雑物除去スクリーン装置では、レーキは汚水中においてスクリーン体の上記間隔を塞いでしまうため、無端チェーンに取り付けたレーキが増えれば増えるほど、汚水がスクリーン体を通過しにくくなってしまう。また、無端チェーンの強度上、この無端チェーンに多くのレーキを取り付けることが難しい。これらのことから、無端チェーンに取り付ける複数のレーキの間隔を長くせざるを得ず、し渣等の夾雑物が水面付近に溜まりやすい。この結果、特に、雨水を汚水にまとめて処理する合流式の下水処理システムでは、大雨等によって水槽に多量の水が流れ込んだ場合などに、水槽の水位が上昇して汚水が水槽の外に溢れ出してしまう場合がある。
【0004】
一方、このような問題を解決できる夾雑物除去スクリーン装置として、ろ面移動式スクリーン装置と称される夾雑物除去スクリーン装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された夾雑物除去スクリーン装置は、一対の固定スクリーン部材と、これら一対の固定スクリーン部材の間に配置された稼働スクリーン部材とを備えたスクリーン体を有している。一対の固定スクリーン部材は、最上部が水槽等の水面から突出するようにそれぞれ配置され、夾雑物の移送方向に並んだ複数の固定段部が設けられたものである。稼働スクリーン部材は、夾雑物の移送方向に並んだ複数の稼働段部が設けられ、一対の固定スクリーン部材に対して移動することによって固定スクリーン部材の最上部に向けて夾雑物を移送するものである。固定スクリーン部材の最上部まで移送された夾雑物は下流側に落下し、夾雑物除去スクリーン装置の外部に排出される。特許文献2のスクリーン装置によれば、稼働スクリーン部材を短時間で移動させることによって、夾雑物を水面付近に溜まりにくくすることができる。この結果、大雨等によって水槽に多量の水が流れ込んだ場合であっても、水槽の水位の上昇を抑え、汚水が水槽の外に溢れ出してしまうことを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−23643号公報
【特許文献2】特開昭53−132149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載されたスクリーン装置では、固定スクリーン部材の最上部まで移送されてきた夾雑物が塊となって下流側あるいは上流側に落下してしまう現象が生じる場合があることが判明した。この現象を詳しく解析してみると、夾雑物の塊が下流側に落下してしまうと、夾雑物が排出されるまでの移送経路が閉塞されてしまうことがあり、反対に、上流側に落下してしまうと、水槽等の水位が一気に上昇し、汚水が水槽等の外に漏れ出してしまうことがわかった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、固定スクリーン部材の最上部まで移送されてきた夾雑物が塊となって落下してしまうことを阻止する工夫がなされた夾雑物除去スクリーン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決する本発明の夾雑物除去スクリーン装置は、受け入れた汚水の上流側と下流側をつなぐ間隔を有するスクリーン体を備え、該間隔を通過できずに該スクリーン体の上流側で該間隔を塞ぐ、汚水に含まれていた夾雑物を、該スクリーン体の上流側で上方に向けて移送し、下流側に落下させる夾雑物除去スクリーン装置において、
前記スクリーン体は、
受け入れた汚水の水面から最上部が突出するようにそれぞれ配置された一対の固定スクリーン部材と、
前記一対の固定スクリーン部材の間で該固定スクリーン部材に対して移動することによって前記最上部に向けて夾雑物を移送する稼働スクリーン部材とを備え、
さらに、前記最上部まで移送されてきた夾雑物が該最上部に堆積してしまうことを阻止する堆積阻止手段が設けられたものであり、
前記一対の固定スクリーン部材は、夾雑物の移送方向に並んだ複数の固定段部がそれぞれ設けられたものであり、
前記稼働スクリーン部材は、前記最上部に設けられた固定最上段部に向けて夾雑物を移送するとともに、夾雑物の移送方向に並んだ複数の稼働段部が設けられ、夾雑物を該稼働段部によって上方の前記固定段部に移送するものであり、
前記固定最上段部は、移送されてきた夾雑物を一旦載置する載置面が設けられたものであり、
前記一対の固定スクリーン部材の間で移動する前記稼働スクリーン部材における最上段の稼働最上段部は、当該一対の固定スクリーン部材それぞれの前記載置面に挟まれながら移動することで、前記載置面よりも上方に突出した状態と前記載置面よりも下降した状態との間で状態変化するものであり、
前記流体供給部材は、前記稼働最上段部と前記載置面との境目を含む領域に向けて流体を供給するものであることを特徴とする。
【0009】
ここで、上記堆積阻止手段は、上記最上部まで移送されてきた夾雑物をその最上部から機械的に除去する部材であってもよいし、上記最上部に振動を付与してこの最上部に夾雑物が堆積してしまうことを阻止する機構であってもよい。また、受け入れた汚水は、水槽内を上流側から下流側に流れるものであってもよいし、所定の水路を流れるものであってもよい。さらに、上記夾雑物除去スクリーン装置は、いわゆる、ろ面移動式スクリーン装置であってもよい。また、上記堆積阻止手段が作用する期間は、上記稼働スクリーン部材が移動を繰り返す期間(稼働期間)よりも短くてもよい。さらに、上記稼働期間中に、上記堆積阻止手段を作用させてもよい。
【0010】
本発明の夾雑物除去スクリーン装置によれば、上記堆積阻止手段によって、上記最上部まで移送されてきた夾雑物がその最上部に堆積してしまうことを阻止することができる。これにより、上記最上部に夾雑物が堆積して、この堆積した夾雑物が塊となって、下流側あるいは上流側に落下してしまうことを防ぐことができる。この結果、上記最上部から夾雑物が塊となって下流側に落下して夾雑物が排出されるまでの移送経路が閉塞されてしまうことが抑えられる。また、上記最上部から夾雑物が塊となって上流側に落下して水槽等の水位が一気に上昇してしまうことも抑えられる。
【0012】
さらに、本発明の夾雑物除去スクリーン装置において、上記堆積阻止手段は、上記固定最上段部まで移送されてきた夾雑物に対して、上流側から下流側に向けて流体を供給する流体供給部材であってもよい。
【0013】
ここで、上記流体供給部材は、所定圧力に加圧された水、または所定圧力に加圧された気体を供給するノズルを有するものであってもよいし、水を流下させるノズルを有するものであってもよい。後者のノズルの場合は、複数の部位から扇状に水を流下させるものであってもよい。
【0014】
こうすることで、上記最上部まで移送されてきた夾雑物がその最上部に堆積してしまうことを簡易な構成によって阻止することができる。
【0016】
ここで、上記固定最上段部は、他の上記固定段部に比べて幅広に形成されたものであってもよい。また、上記固定最上段部は、上記スクリーン部材との間隔を所定に維持するものであってもよい。
【0017】
上記態様によれば、上記載置面に一旦載置された夾雑物は、上記稼働最上段部が、上記載置面よりも下降した状態から上方に突出した状態に状態変化することによって、その載置面に載置されていた夾雑物が下流側に落下する。ここで、上記稼働最上段部が、上記載置面よりも上方に突出した状態から下降した状態に状態変化する際に、その載置面に載置されていた夾雑物の一部が、その稼働最上段部とその載置面との間に引きずり込まれてしまうことがある。しかしながら、上記流体供給部材から、上記稼働最上段部と上記載置面との境目を含む領域に向けて流体が供給されることによって、その稼働最上段部とその載置面との間に一部が引きずり込まれた夾雑物も、その載置面に堆積させずに下流側に落下させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、固定スクリーン部材の最上部まで移送されてきた夾雑物が塊となって落下してしまうことを阻止する工夫がなされた夾雑物除去スクリーン装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】下水処理場の中の一部の施設を模式的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態に相当する生汚泥用スクリーンユニットの正面図である。
図3図2に示す生汚泥用スクリーンユニットの平面図である。
図4】(a)は、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置に設けられたスクリーン体を水槽の上流側から見た模式図であり、(b)は、固定最上段部を幅方向から見た拡大図であり、(c)は、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置が夾雑物を除去する様子を幅方向から段階的に示す図である。
図5】載置面上に夾雑物が到達し、載置面上に夾雑物が載置された様子を段階的に示す図である。
図6】(a)は、流体供給部材のノズルからスクリーン体に水を供給する部分を上方から見た図であり、(b)は、(a)のA−A断面図である。
図7図6(a)に示すノズルの変形例について、図6(a)に対応した態様を示す図である。
図8図5(c)に対応した状態における、堆積阻止手段の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、下水処理場の中の一部の施設を模式的に示す図である。
【0022】
この図1には、沈殿池1と、生汚泥用スクリーンユニット2と、スカムピット3と、スカム用スクリーンユニット4が示されている。
【0023】
図1に示す沈殿池1は、長手方向の一端側(図1では右側)から、汚水(下水)を受け入れ、受け入れた汚水に含まれる汚泥を池底部に沈殿させ、他端側(図1では左側)から排水する。以下、図1における右方向を上流と称し、図1における左方向を下流と称する。この沈殿池1の上流側の池底部には、汚泥ピット11が設けられており、下流側の水面付近には排水樋12が設置されている。沈殿池1では、池底部に沈殿した汚泥を、不図示の汚泥掻寄機によって汚泥ピット11に集める。汚泥ピット11に集められた汚泥は、汚泥ポンプ13によって沈殿池1の外部に設置された生汚泥用スクリーンユニット2に送られる。汚泥ピット11に集められた汚泥には、し渣等の夾雑物が含まれている。以下、汚泥ピット11から生汚泥用スクリーンユニット2に送られる、汚泥を含んだ汚水を、生汚泥と称する。生汚泥用スクリーンユニット2には、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6が設けられ、詳しくは後述するように、この生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6によって、生汚泥に含まれている夾雑物が除去される。生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6によって夾雑物が除去された生汚泥は、その後、汚泥濃縮処理設備や汚泥脱水処理設備に送られる。また、沈殿池1では、水面付近に浮いているスカムを、不図示のスカム掻寄機によって排水樋12まで掻き寄せる。排水樋12は、スカムピット3に接続しており、スカムを含んだ汚水(スカム水)は、スカムピット3に集められ、その後、スカムピット3からスカムポンプ31によって沈殿池1の外部に設置されたスカム用スクリーンユニット4に送られる。スカムピット3に集められたスカム水にも、し渣等の夾雑物が含まれている。また、スカム用スクリーンユニット4にもスカム用夾雑物除去スクリーン装置7が設けられ、このスカム用夾雑物除去スクリーン装置7によって、スカム水に含まれている夾雑物であるスカムが除去される。このスカム用夾雑物除去スクリーン装置7によってスカムが除去された汚水は、下水処理場内に返水される。
【0024】
続いて、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6が設けられた生汚泥用スクリーンユニット2を例にあげて説明するが、スカム用夾雑物除去スクリーン装置7が設けられたスカム用スクリーンユニット4についても同様である。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態に相当する生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置が設けられた生汚泥用スクリーンユニットの正面図である。
【0026】
また、図3は、図2に示す生汚泥用スクリーンユニットの平面図である。この平面図は、生汚泥用スクリーンユニット2を上方から見たときの図に相当する。
【0027】
図2および図3に示す生汚泥用スクリーンユニット2は、水槽5と、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6とを備えている。生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6は、詳しくは後述するスクリーン体60を備えている。図2および図3に示す生汚泥用スクリーンユニット2はいずれも、図の右側から生汚泥を受け入れる(図中の太い矢印参照)。以下、図2および図3における右側を上流側と称し、左側を下流側と称する。また、図2において紙面に直交する方向、図3においては上下方向を幅方向と称することがある。
【0028】
図2に示す水槽5の上流側の側壁の下半分位には、底部5aに向かうほど下流側に傾斜した傾斜部51が設けられており、下流側の側壁の下半分位には、底部5aに向かうほど上流側に傾斜した傾斜部52が設けられている。したがって、水槽5は、底部5a側が狭くなった形状のものである。この水槽5は、図1に示す汚泥ピット11に集められた汚泥を、生汚泥として受け入れるものである。水槽5の上流側には、流入管53が設けられている。生汚泥は、汚泥ポンプ13を駆動することによって流入管53に供給され、この流入管53の、扇状に形成された先端部531から水槽5内に流入し、下流側に向けて流れていく(図中の多数の細い矢印参照)。また、生汚泥に含まれている、し渣等の夾雑物Xは、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6が備えたスクリーン体60に遮られ、図2に示すように、スクリーン体60の上流側における水面付近に溜まった状態になっている。
【0029】
生汚泥用スクリーンユニット2には、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6におけるスクリーン体60の、上流側に非常用オーバーフローユニット54が設けられ、下流側に排水用オーバーフローユニット55が設けられている。非常用オーバーフローユニット54も排水用オーバーフローユニット55も、排水枡541,551と、堰板542,552を有し、図3に示すように、いずれの排水枡541,551も水槽5の幅方向に張り出すように設けられている。排水用オーバーフローユニット55の堰板552は、水槽5内と排水枡551内との境界部分に設けられ、水槽5内と排水枡551内は、堰板552よりも上の部分でつながっており、堰板552よりも下の部分ではつながっていない。水槽5の水位が、堰板552の上端の高さ位置を越えると、水槽5内の汚水は、堰板552を越えて、排水枡551内に流れ込む。ここにいう水槽5内の汚水は、スクリーン体60を通過した生汚泥、すなわち、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6によって夾雑物が除去された汚泥を含んだ汚水であり、この汚水は、後処理工程の設備である汚泥濃縮処理設備や汚泥脱水処理設備に送られる。このように、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6に設けられたスクリーン体60を通過した生汚泥は、排水用オーバーフローユニット55によって、生汚泥用スクリーンユニット2の外に排水される。
【0030】
非常用オーバーフローユニット54の構造も、排水用オーバーフローユニット55の構造と同じであるが、非常用オーバーフローユニット54は排水用オーバーフローユニット55よりも高い位置に設けられている。生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6が故障した場合など、水槽5の水位が通常の水位から上昇し、非常用オーバーフローユニット54の堰板542を越えると、非常用オーバーフローユニット54の排水枡541内に流れ込む。ここにいう水槽5内の生汚泥は、スクリーン体60を通過する前の生汚泥、すなわち、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6によって夾雑物が除去される前の汚泥を含んだ汚水であり、この汚水は、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6の上流端に返水される。
【0031】
続いて、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6について詳述する。図2に示すように、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6は、スクリーン体60と、流体供給部材63と、チェーン駆動機構65と、シュート66を有する。チェーン駆動機構65は、移送モータ65mが回転することで駆動するものである。シュート66は、その下端部分に排出口661を有するものである。
【0032】
スクリーン体60は、下部が水槽5の上流側に位置し、上部が下流側に位置するように、傾斜した姿勢で水槽5内に配置されている。このスクリーン体60の最上部は、非常用オーバーフローユニット54の堰板542よりも上方に位置している。
【0033】
図2および図3に示すように、流体供給部材63は、ノズル631と、このノズル631に接続した立上り管632およびホース部633を有している。ホース部633は、不図示の水栓等に接続され、この水栓から供給される水が、ホース部633および立上り管632を通りノズル631から吐出される。ノズル631は、スクリーン体60の最上部に対して上流側から下流側に向けて水を供給するものである。図3に示すように、本実施形態では、2つのノズル631を設けているが、1つのノズル631を設ける態様にしてもよく、3つ以上のノズル631を設ける態様にしてもよい。なお、ノズル631からスクリーン体60に水を供給する箇所の上方には、図3に示すように、点検口64が形成され、点検扉641を開くことによって内部の点検等を行うことができる。
【0034】
次に、図4(a)を用いて、スクリーン体60を詳細に説明する。
【0035】
図4(a)は、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置に設けられたスクリーン体を水槽の上流側から見た模式図である。図4(a)に示すスクリーン体60は、一対の長尺状の固定スクリーン部材61と、一対の固定スクリーン部材61の間に設けられた同じく長尺状の稼働スクリーン部材62との組を複数有する。すなわち、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置には、固定スクリーン部材61と稼働スクリーン部材62とが交互に、水槽5の幅全体にわたって所定間隔W(たとえば、2mm以上6mm以下)をあけて配置されている。なお、図4(a)では、図面を簡略化するため、スクリーン体60の幅方向中央部分を省略している。所定間隔Wは、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6を通過する生汚泥の流量と装置の大きさのバランスから設定された、上流側と下流側をつなぐ間隔である。生汚泥に含まれている夾雑物のうち、この所定間隔Wを通過できなかった夾雑物は、スクリーン体60の上流側でこの所定間隔Wを塞ぐようにしてスクリーン体60に捕捉される。
【0036】
固定スクリーン部材61の上流側には、長手方向に沿って固定段部611が複数設けられている。また、稼働スクリーン部材62の上流側には、長手方向に沿って稼働段部621が複数設けられている。以下、稼働スクリーン部材62の最上段の稼働段部を、稼働最上段部622と称する。ここで、固定スクリーン部材61の長手方向にしても稼働スクリーン部材62の長手方向にしても、後述するように、夾雑物を移送する方向になる。すなわち、固定スクリーン部材61および稼働スクリーン部材62は、いずれも夾雑物の移送方向に並んだ階段状のステップが設けられたものである。また、固定スクリーン部材61の最上部には、固定最上段部612が設けられている。この固定最上段部612は、固定段部611よりも幅広に形成された別部材からなり、稼働スクリーン部材62との間隔を所定に維持するものである。これにより、所定間隔Wが維持されている。また、固定最上段部612は、汚水の水面よりも上方に位置するものである。
【0037】
図4(b)は、固定最上段部を幅方向から見た拡大図である。この図4(b)では、右側が上流側になり、左側が下流側になる。
【0038】
図4(b)に示すように、固定最上段部612は、その上端部分に、上流側から下流側に向けて下方にやや傾斜する載置面612aと、この載置面612aの下流側部分に連なり、載置面612aよりも傾斜角度が大きい急斜面612bが設けられている。前述したように、固定最上段部612は、固定段部611よりも幅広に形成されているため、載置面612aおよび急斜面612bのいずれの幅も、固定段部611の幅よりも広くなる。
【0039】
次に、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6における夾雑物の除去について説明する。
【0040】
図4(c)は、生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6が夾雑物を除去する様子を幅方向から段階的に示す図である。この図4(c)では、生汚泥は、(ア)〜(オ)に示すスクリーン体60それぞれの右側から左側に向かって流れる(図中の太い矢印参照)。したがって、図では、(ア)〜(オ)に示すスクリーン体60それぞれの、右側が上流側になり、左側が下流側になる。
【0041】
図4(c)における(ア)では、稼働スクリーン部材62が初期位置にある様子を示している。固定スクリーン部材61の下部は水槽5の底部5aに接しており、初期位置にある稼働スクリーン部材62の下部も水槽5の底部5aに接している。これにより、幅方向から見ると、固定スクリーン部材61の固定最上段部612を除き、両者は重なっている。また、(ア)に示す稼働スクリーン部材62における下から9段目の稼働段部621(水面よりもやや下方位置)から隣の固定スクリーン部材61の同じく下から9段目になる固定段部611にかけて夾雑物Xが引っ掛かっている。(ア)に示す稼働スクリーン部材62の下から9段目になる稼働段部621の高さ位置と、固定スクリーン部材61の同じく下から9段目になる固定段部611の高さ位置は一致している。また、(ア)に示す稼働スクリーン部材62の稼働最上段部622から隣の固定スクリーン部材61の同じ高さ位置の固定段部611にかけて夾雑物X’が引っ掛かっている。さらに、(ア)に示す固定スクリーン部材61における固定最上段部612の載置面612aには、夾雑物X’’が載置されている。
【0042】
稼働スクリーン部材62は、図2に示すチェーン駆動機構65が駆動することで、固定スクリーン部材61に対して移動する。(イ)に示す稼働スクリーン部材62は、固定スクリーン部材61に対して上方かつ上流側へ移動し、稼働スクリーン部材62の稼働最上段部622は、載置面612aよりも上方に突出した状態に状態変化している。これにより、稼働スクリーン部材62の稼働最上段部622に引っ掛かった夾雑物X’は、載置面612aよりも上方に移動する一方、載置面612aに載置されていた夾雑物X’’は、稼働スクリーン部材62に押されて急斜面612bを滑べり落ちる(図中の細い矢印参照)。また、(ウ)に示す稼働スクリーン部材62は、固定スクリーン部材61に対してちょうど一段分上方へ移動した状態で、幅方向から見ると、上端部分と下端部分を除き、稼働スクリーン部材62は固定スクリーン部材61に重なっている。すなわち、(ウ)に示す稼働スクリーン部材62の下から9段目になる稼働段部621の高さ位置は、固定スクリーン部材61の下から10段目になる固定段部611の高さ位置に一致しており、夾雑物Xは、稼働スクリーン部材62によって一段持ち上げられて、固定スクリーン部材61の下から10段目になる固定段部611に引っ掛かる。このように、9段目の稼働段部621に引っ掛かった夾雑物Xは、稼働スクリーン部材62が移動することで、9段目の稼働段部621よりも稼働スクリーン部材62の移動方向下流側になる10段目の固定段部611に移送される。
【0043】
(エ)に示す稼働スクリーン部材62は、固定スクリーン部材61の下から10段目になる固定段部611に夾雑物Xを残したまま、また、載置面612aに夾雑物X’を載置した後、(ウ)に示す稼働スクリーン部材62よりも下方かつ下流側へ移動している。ここで、前述したように、載置面612aの幅は、固定段部611の幅よりも広く形成されているため、載置面612aまで移送され載置面612aに載置された夾雑物X’が、上流側に落下して戻ってしまうことを防ぐことができる。さらに、(オ)に示す稼働スクリーン部材62は、幅方向から見ると、固定スクリーン部材61の固定最上段部612を除き、固定スクリーン部材61に重なっている。すなわち、(オ)に示す稼働スクリーン部材62は初期位置に戻っている。図4(c)に示す、(ア)から(オ)までの稼働スクリーン部材62の1サイクルの駆動は、図2に示すチェーン駆動機構65におけるチェーン部材が1周することで完結し、この稼働スクリーン部材62の1サイクルの駆動は、例えば、1分間に13回程度繰り返し実施される。以下、稼働スクリーン部材62が移動を繰り返す期間を稼働期間と称することがある。
【0044】
以上説明したようにして、稼働期間中、夾雑物Xは、スクリーン体60の上流側で、固定段部611を一段一段上方へ移送され、最終的には、稼働最上段部622から載置面612aに一旦載置された後、急斜面612bを滑り落ちる。なお、載置面612aに載置された夾雑物は、載置面612aにとどまることなく、載置面612aから急斜面612bを滑り落ちる場合もある。スクリーン体60の下流側には、図2に示すシュート66が配置されており、急斜面612bを滑り落ちた夾雑物は、シュート66の排出口661から生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6の外に排出される。
【0045】
ここで、載置面612aに載置された夾雑物が、稼働スクリーン部材62の駆動だけでは下流側に落下せずに、夾雑物が載置面612a上に堆積してしまう場合がある。図5を用いて、載置面612a上に夾雑物が到達し、載置面612a上に夾雑物が載置された様子について説明する。
【0046】
図5は、載置面上に夾雑物が到達し、載置面上に夾雑物が載置された様子を段階的に示す図である。この図5では、左右方向が幅方向になる。
【0047】
図5(a)は、図4(c)の(ウ)の状態における、スクリーン体の最上部付近の一部を上流側から見た様子を示し、図5(b)は、同図(a)から図4(c)の(エ)に変化した状態の様子を示している。また、図5(c)は、稼働スクリーン部材62が一回転して、再び、図4(c)の(ウ)に戻った状態の様子を示している。図5(a)では、稼働最上段部622は、載置面612aよりも上方に突出した状態であり、図5(b)では、稼働最上段部622は、載置面612aよりも下降した状態である。また、図5(c)では、稼働最上段部622は、再び載置面612aよりも上方に突出した状態に戻っている。すなわち、稼働スクリーン部材62の稼働最上段部622は、一対の固定スクリーン部材61それぞれの載置面612aに挟まれながら移動することで、載置面612aよりも上方に突出した状態と、載置面612aよりも下降した状態との間で状態変化するものである。
【0048】
図5(a)に示す、稼働最上段部622が、載置面612aよりも上方に突出した状態では、複数の稼働最上段部622に夾雑物Xが引っ掛かっている。この状態での夾雑物Xは、載置面612aよりも高い位置にある。稼働スクリーン部材62が固定スクリーン部材61に対して下方かつ下流側に移動して、図5(b)に示す、稼働最上段部622が載置面612aよりも下降した状態になると、夾雑物Xが載置面612aに載置される。また、夾雑物Xの一部x1が下降する稼働スクリーン部材62に引きずり込まれて、図5(b)に示すように、その一部x1が固定最上段部612と稼働スクリーン部材62の間に入り込んでしまう場合がある。夾雑物Xの一部x1が固定最上段部612と稼働スクリーン部材62の間に入り込んでしまった状態で、図5(c)に示す、稼働最上段部622が、載置面612aよりも上方に突出すると、稼働最上段部622の真上に位置していた夾雑物Xは下流側に落下する。しかしながら、夾雑物Xの一部x1が固定最上段部612と稼働スクリーン部材62の間に引っ掛かり載置面612a上に夾雑物Xが残存しまう場合がある。このような載置面612a上への夾雑物Xの残存が繰り返されると、載置面612a上に夾雑物Xが堆積していき、やがて塊となって、スクリーン体60の下流側あるいは上流側に落下してしまう。前述したように、夾雑物Xが塊となってスクリーン体60の下流側に落下してしまうと、シュート66の排出口661等が閉塞されてしまう場合がある。一方、夾雑物Xが塊となってスクリーン体60の上流側に落下してしまうと、水槽5の水位が一気に上昇し、汚水が水槽5の外に漏れ出してしまう場合がある。
【0049】
このため、本実施形態の生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6では、夾雑物Xが載置面612a上に堆積してしまうことを阻止する堆積阻止手段として、流体供給部材63を設けている。
【0050】
図6(a)は、流体供給部材のノズルからスクリーン体に水を供給する部分を上方から見た図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A断面図である。図6では、右側が上流側になり、左側が下流側になる。また、図6(a)では、上下方向が幅方向になり、同図(b)では紙面に直交する方向が幅方向になる。なお、図面を簡略化するため、図6では、流体供給部材における、立上り管およびホース部は省略し、図3に示す2つのノズル631のうちの1つのノズル631を示している。
【0051】
図6(a)に示すように、ノズル631は、2本に分岐した吐出部631a,631aを有し、稼働スクリーン部材62の稼働期間中において、上流側から下流側に向けてそれぞれの吐出部631aから水を供給するものである。なお、1つのノズル631に対して、1本の吐出部631aを有する態様としてもよく、3本以上の吐出部631aを有する態様としてもよい。それぞれの吐出部631aは、幅方向においては、図6(a)に示すように、固定最上段部612と固定最上段部612の間、すなわち稼働最上段部622に向けられ、高さ方向においては、図6(b)に示すように、固定最上段部612の、上流側の上端部分に向けられている。これによって、図5(c)では、一点鎖線の楕円で囲んだ領域aに向けて吐出部631aから水が供給される。この領域aは、稼働最上段部622と載置面612aとの境目を含む領域である。このように、稼働期間中、稼働スクリーン部材62の移動と併せて、領域aに向けて水を供給することによって、固定最上段部612と稼働スクリーン部材62の間に引っ掛かってしまった夾雑物Xの一部X1が抜けて、載置面612a上に残存した夾雑物Xが下流側に落下しやすくなる。この結果、載置面612a上への夾雑物Xの残存が繰り返されることがなくなり、載置面612a上に夾雑物Xが堆積してしまうことを阻止することができる。
【0052】
また、載置面612a上に残存してしまった夾雑物Xは、その一部が下流側に流れれば、その一部に繋がって夾雑物X全体が下流側に落下しやすくなるため、載置面612a上に残存してしまった夾雑物Xの一部に当るように水を供給すれば、夾雑物Xの堆積を阻止することが可能になる。このため、図5(c)における領域a以外であっても、載置面612a上に残存してしまった夾雑物Xに向けて(一点鎖線の四角で囲んだ領域b参照)、水を供給する態様にしてもよい。なお、吐出部631aそれぞれは、自身を屈曲させることによって、水を供給する向きを自在に調整することができるように構成されている。また、吐出部631aを、アクチュエータ等によって幅方向や上下方向に回動させ、スクリーン体60の広い範囲に水を供給する態様を採用することもできる。
【0053】
ここで、それぞれの吐出部631aからは、0.05MPa以上0.2MPa以下の圧力で水を供給することが好ましい。供給する水の圧力が0.05MPa未満では、載置面612a上に残存してしまった夾雑物Xを下流側に落下させる作用が弱すぎる。一方、供給する水の圧力が0.2MPaを超えても載置面612a上に残存してしまった夾雑物Xを下流側に落下させる作用はさほど変わらないため不経済になる。本実施形態では、それぞれの吐出部631aからは、例えば、0.1MPa程度の圧力で水が供給される。また、それぞれの吐出部631aからは、稼働スクリーン部材62の稼働期間1時間のうちの数分間だけ水が供給される。すなわち、堆積阻止手段である流体供給部材63が作用する期間は、稼働スクリーン部材62の稼働期間よりも短く、さらに、この稼働期間中に、流体供給部材63を作用させている。ノズル631から供給された水は、図2に示すシュート66の排出口661から生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6の外に排出される。このため、吐出部631aから水を供給する期間が長くなると、この吐出部631aから供給される水の量が増え、その水の処理が難しくなってしまい好ましくない。なお、本実施形態では、下水処理システムにおける調達の容易さを考慮し、流体供給部材63から供給する流体として水を用いているが、水を供給する態様に代えて、所定圧力に加圧された空気等の気体を供給する態様にしてもよい。このように、流体供給部材63から気体を供給する態様にすれば、供給した気体の処理が不要になる。
【0054】
次に、図1図6に示す生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6の変形例について説明する。以下に説明する変形例においては、図1図6に示す実施形態との相違点を中心に説明し、図1図6に示す実施形態における構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
【0055】
図7は、図6(a)に示すノズルの変形例について、図6(a)に対応した態様を示す図である。この図7でも、上下方向が幅方向になり、右側が上流側になり、左側が下流側になる。
【0056】
図7に示す変形例では、図6(a)に示すノズル631に代えて、第2ノズル634が2つ設けられている。この第2ノズル634は、平面視扇形状のものであり、図2に示す立上り管632が接続する接続部634aが扇の要に相当する位置に設けられている。接続部634aに供給された水は、この接続部634aから扇が広がる方向に流れ、固定最上段部612と固定最上段部612の間、すなわち稼働最上段部622に向けて流下する(図中の矢印参照)。本変形例の第2ノズル634では、図6(a)に示すノズル631に比べ、スクリーン体60に供給される水の圧力は弱いものの、スクリーン体60の広い範囲に水を供給することができ、載置面612a上に夾雑物が堆積してしまうことを阻止することが可能になる。
【0057】
ここで、図6(a)に示すノズル631でも、吐出部631aを複数設けることによってスクリーン体60の広い範囲に水を供給することができる。ただし、図7に示す第2ノズル634によれば、図6(a)に示すノズル631に比べ、より簡易な構成によってスクリーン体60における広い範囲に水を供給することができる。なお、図6(a)に示すノズル631と同様に、第2ノズル634からも、水に代えて所定圧力の気体を供給する態様にしてもよい。
【0058】
続いて、堆積阻止手段の変形例について説明する。
【0059】
これまで説明してきた実施形態および変形例では、スクリーン体60に対して、水あるいは気体を供給する流体供給部材を堆積阻止手段として用いているが、載置面上に残存してしまった堆積物を機械的に除去する部材を堆積阻止手段として用いてもよい。
【0060】
図8は、図5(c)に対応した状態における、堆積阻止手段の変形例を示す模式図である。この図8では、左右方向が幅方向になり、紙面手前側が上流側になり、紙面奥側が下流側になる。
【0061】
図8(a)に示す、堆積阻止手段の第1変形例では、堆積阻止手段として櫛状部材67を採用している。櫛状部材67は、稼働最上段部622の幅よりもやや広い間隔をあけて幅方向に複数設けられた除去刃671を有するものである。堆積阻止手段の第1変形例では、櫛状部材67を、その除去刃671の下端部分が、固定最上段部612の載置面612aに接触した状態、あるいは載置面612aからやや浮いた状態で、不図示の駆動手段によって上流側から下流側にスライドさせる。これにより、載置面612a上に残存してしまった夾雑物Xを、載置面612aから下流側に落下させ、夾雑物Xの堆積を阻止することができる。なお、櫛状部材67は、金属あるいは樹脂によって構成してもよいが、載置面612aや稼働最上段部622に接触しても載置面612a等が損傷しないように、ゴム等の弾力性の高い素材で構成してもよい。また、除去刃671の先端部分にゴム等を取り付けてもよい。
【0062】
図8(b)に示す、堆積阻止手段の第2変形例では、堆積阻止手段として回転ブラシ体68を採用している。回転ブラシ体68は、複数のブラシ681と軸部材682を備えたものである。複数のブラシ681それぞれは、外周部分に多数の繊維681aを有するものであり、これら複数のブラシ681それぞれの中心部分を軸部材682が貫通している。また、複数のブラシ681それぞれは、稼働最上段部622の幅よりもやや広い間隔をあけて幅方向に配置されている。回転ブラシ体68は、不図示の駆動手段によって軸部材が回転することで、複数のブラシ681も回転する。堆積阻止手段の第2変形例では、回転ブラシ体68を、その繊維681aが、固定最上段部612の載置面612aに接触した状態、あるいは載置面612aからやや浮いた状態で、不図示の駆動手段によってブラシ681を回転させる。これにより、載置面612a上に残存してしまった夾雑物Xを、載置面612aから下流側に落下させ、夾雑物Xの堆積を阻止することができる。
【0063】
本発明は上述の実施の形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことが出来る。例えば、上述の実施形態では、生汚泥用スクリーンユニット2に設けられた生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置6およびスカム用夾雑物除去スクリーン装置7を例にあげて説明したが、本発明は、下水処理施設に限らず、工業用水や農業用水等の水を処理する施設でも適用することができる。また、上述の実施形態では、水槽5に設置した夾雑物除去スクリーン装置を例にあげて説明したが、夾雑物除去スクリーン装置は、流路を流れる汚水中に設置するものであってもよい。
【0064】
なお、以上説明した実施形態や変形例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や変形例に適用してもよい。
【符号の説明】
【0065】
2 生汚泥用スクリーンユニット
4 スカム用スクリーンユニット
5 水槽
6 生汚泥用夾雑物除去スクリーン装置
7 スカム用夾雑物除去スクリーン装置
60 スクリーン体
61 固定スクリーン部材
611 固定段部
612 固定最上段部
612a 載置面
62 稼働スクリーン部材
621 稼働段部
622 稼働最上段部
63 流体供給部材
631 ノズル
X 夾雑物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8