【文献】
土井淳ほか1名,“ホームページとGIFファイル”,つくるGIFアニメーション,日本,CQ出版株式会社,1998年 5月 1日,初版,pp.39-40,CSDB:単行本2000-00082-001
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の入力釦に対するタッチを受けた後、前記タッチが前記第1の入力釦の位置で離されたら前記画面遷移を開始させ、前記タッチされた状態のままタッチ位置が所定領域の外へスライド移動されたら、前記第1の入力釦への前記タッチによる入力をキャンセルする
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
前記遷移先の画面に表示される入力釦を入力操作可能に表示するタイミングは、画面遷移中に前記タッチパネルに指が近づけられたことを検出したときであり、前記遷移先の画面が表示されたならば前記近づけられた指の付近に位置する予定の入力釦を前記入力操作可能に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記遷移先の画面に表示される入力釦を入力操作可能に表示するタイミングは、画面遷移中に前記タッチパネルへの新たなタッチを検出したときであり、前記遷移先の画面が表示されたならば前記タッチされた場所に位置する予定の入力釦を前記入力操作可能に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
前記アニメーションの表示中に、前記入力操作可能に表示した入力釦への第1の入力を検知し、その後、前記アニメーションの表示が完了する前に前記入力釦と同じ入力釦に対する第2の入力を検知した場合は、前記第2の入力によって前記第1の入力をキャンセルする
ことを特徴とする請求項8または9に記載の表示装置。
前記アニメーションの表示中に、前記入力操作可能に表示した入力釦への入力を検知した場合は、前記アニメーションの表示を中断して前記遷移先の画面を表示し、その直後に前記入力に応じた処理を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されているように、ユーザから所定の操作を受けた場合に画面遷移のアニメーションを途中で終了させて遷移先の画面を表示すれば、遷移先の画面で操作を早く行いたいユーザの要望に応えることができる。
【0008】
しかし、アニメーションを即座に終了させるため、アニメーションの効果が低下してしまう。
【0009】
なお、アニメーションの表示に限らず、たとえば、サーバとの間の通信速度が遅い、データ量が多いなどの原因で遷移先の画面が表示されるまでに長い時間を要することがあり、この場合にも、画面遷移が完了して、遷移先の画面の入力釦を操作できるまでに長時間待たされてしまう。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、アニメーションを表示するなど画面遷移に時間を要する場合にも、遷移先の画面に対する操作を早期に受け付けることのできる表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0012】
[1]タッチパネルを備えた表示装置において、
画面遷移中であって該画面遷移が完了する前に、遷移先の画面に表示される入力釦
であって前記画面遷移の開始前には入力操作可能に表示されていない入力釦を入力操作可能に表示する
ことを特徴とする表示装置。
【0013】
上記発明では、画面遷移中に、遷移先の画面に表示される入力釦が入力操作可能に表示される。これにより、アニメーション表示などによる画面遷移が完了する前に、遷移先の画面にある入力釦に対する操作を行うことができる。
【0014】
[2]画面遷移の開始と同時に、遷移先の画面に表示される入力釦を入力操作可能に表示する
ことを特徴とする[1]に記載の表示装置。
【0015】
[3]遷移元の画像に表示された第1の入力釦に対するタッチを受けたと同時に、遷移先の画面に表示される入力釦を入力操作可能に表示する
ことを特徴とする[1]に記載の表示装置。
【0016】
上記発明では、入力釦に対する入力がタッチした指を離したときに確定するような構成においても、入力釦にタッチした時点で、遷移先の画面にある入力釦が先行して表示される。
【0017】
[4]前記第1の入力釦に対するタッチを受けた後、前記タッチが前記第1の入力釦の位置で離されたら前記画面遷移を開始させ、前記タッチされた状態のままタッチ位置が所定領域の外へスライド移動されたら、前記第1の入力釦への前記タッチによる入力をキャンセルする
ことを特徴とする[3]に記載の表示装置。
【0018】
上記発明では、表示中の画面にある各入力釦への入力操作を、その入力釦を押下した場合の遷移先の画面にある入力釦を確認しながら行うことができる。
【0019】
[5]前記遷移先の画面に表示される入力釦を入力操作可能に表示するタイミングは、画面遷移中に前記タッチパネルに指が近づけられたことを検出したときであり、前記遷移先の画面が表示されたならば前記近づけられた指の付近に位置する予定の入力釦を前記入力操作可能に表示する
ことを特徴とする[1]に記載の表示装置。
【0020】
上記発明では、画面に指を近づけたとき、遷移先の画面内でその近づけた指の付近に位置する入力釦が先行して表示される。指を近づけたとき、その近づけた付近の入力釦だけが表示されるので、アニメーションの効果の低下を少なく抑えることができる。
【0021】
[6]前記遷移先の画面に表示される入力釦を入力操作可能に表示するタイミングは、画面遷移中に前記タッチパネルへの新たなタッチを検出したときであり、前記遷移先の画面が表示されたならば前記タッチされた場所に位置する予定の入力釦を前記入力操作可能に表示する
ことを特徴とする[1]に記載の表示装置。
【0022】
上記発明では、画面に指をタッチしたとき、遷移先の画面内でそのタッチした位置にある入力釦が先行して表示される。指を画面にタッチしたとき、そのタッチした位置にある入力釦が表示されるので、アニメーションの効果の低下を少なく抑えることができる。
【0023】
[7]前記画面遷移中にアニメーションを表示する
ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の表示装置。
【0024】
[8]前記アニメーションの表示中に、前記入力操作可能に表示した入力釦への入力を検知した場合は、前記アニメーションの表示が完了した直後に前記入力に応じた処理を行う
ことを特徴とする[7]に記載の表示装置。
【0025】
上記発明では、画面遷移中に先行して行った入力操作に対応する処理が、画面遷移の完了直後に実行される。
【0026】
[9]前記アニメーションの表示中に、前記入力操作可能に表示した入力釦への入力を検知した場合は、前記アニメーションの速度を上げる
ことを特徴とする[8]に記載の表示装置。
【0027】
上記発明では、アニメーションの表示の効果の低下を少なく抑えつつ、画面遷移完了までの時間を短縮することができる。
【0028】
[10]前記アニメーションの表示中に、前記入力操作可能に表示した入力釦への第1の入力を検知し、その後、前記アニメーションの表示が完了する前に前記入力釦と同じ入力釦に対する第2の入力を検知した場合は、前記第2の入力によって前記第1の入力をキャンセルする
ことを特徴とする[8]または[9]に記載の表示装置。
【0029】
上記発明では、画面遷移中に先行して行った入力操作に誤りがあった場合に、その操作をキャンセルすることができる。
【0030】
[11]前記アニメーションの表示中に、前記入力操作可能に表示した入力釦への入力を検知した場合は、前記アニメーションの表示を中断して前記遷移先の画面を表示し、その直後に前記入力に応じた処理を行う
ことを特徴とする[7]に記載の表示装置。
【0031】
[12]前記入力操作可能に表示される入力釦は半透明である
ことを特徴とする[8]に記載の表示装置。
【0032】
上記発明では、遷移先の入力釦を半透明に表示することで、アニメーションの表示中に遷移先の入力釦を表示しても、アニメーションの効果の低下を少なく抑えることができる。
【0033】
[13]前記半透明の入力釦を、前記アニメーションの表示が完了したら、前記遷移先の画面における表示態様で表示する
ことを特徴とする[12]に記載の表示装置。
【0034】
上記発明では、たとえば、遷移先の画面で入力釦が不透明に表示されるならば、アニメーションの表示中に半透明に表示した入力釦は、アニメーションの表示が完了したとき、不透明に表示される。
【0035】
[14]前記半透明の入力釦の透明度を、前記アニメーションの表示中に次第に低下させる
ことを特徴とする[12]または[13]に記載の表示装置。
【0036】
[15]前記半透明の入力釦に、前記遷移先の画面における表示態様の前記入力釦に存在する文字を表示する
ことを特徴とする[12]乃至[14]のいずれか1つに記載の表示装置。
【0037】
上記発明では、アニメーションの表示中に先行して表示した遷移先の画面の入力釦の機能をユーザに文字で知らせることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明に係る表示装置によれば、画面遷移中に遷移先の画面にある入力釦を入力操作可能に表示するので、アニメーションを表示するなどして画面遷移に時間がかかる場合にも遷移先の画面に対する操作を早期に受け付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0041】
図1は、本発明の実施の形態に係る表示装置10の概略構成を示すブロック図である。表示装置10は、タッチパネルを備えている。表示装置10は、各種の操作画面を表示し、ユーザから指やペンでのタッチによる操作を受けると、その操作に対応する処理を行うと共に、その操作に対応する画面に表示する画面を遷移させるように動作する。
【0042】
表示装置10は、当該表示装置10の動作を統括的に制御する制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11を有している。CPU11にはバスを通じてROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、不揮発メモリ14、表示制御部15、操作受付部16、ネットワーク通信部17などが接続されている。さらに、表示制御部15および操作受付部16を介してタッチパネル付き表示部18が接続されている。
【0043】
タッチパネル付き表示部18は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などの表示部と、表示部の表示面上に設けられたタッチパネルを備えている。タッチパネル付き表示部18は、表示部に各種の操作画面や設定画面等を表示する機能、およびタッチパネルを通じてユーザから各種の操作を受け付ける機能を果たす。このほか、表示装置10はいくつかのハードキーを備えてもよい。
【0044】
CPU11は、ROM12に格納されている各種のプログラムを実行する。ROM12には、CPU11が実行するプログラムのほか各種の固定的データが記憶されている。
【0045】
RAM13は、CPU11がプログラムに基づいて処理を実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや表示する画面のデータを格納する表示用メモリなどとして使用される。
【0046】
不揮発メモリ14は、電源をオフにしても記憶内容が破壊されないメモリ(フラッシュメモリ)であり、各種設定情報の保存などに使用される。
【0047】
表示制御部15は、タッチパネル付き表示部18の表示部のドライバとしての機能を果たし、画面の表示を制御する。操作受付部16はタッチパネル付き表示部18のタッチパネルのドライバとしての機能を果たし、タッチパネルの検出信号からタッチ位置を特定しその座標情報を取得する等の機能を果たす。
【0048】
ネットワーク通信部17はPC(Personal Computer)、サーバなどの外部装置とLAN(Local Area Network)などのネットワークを通じて通信する機能を果たす。表示装置10は、たとえば、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を備えた複合機などの装置を遠隔から操作するためのリモート操作パネルとして使用される。
【0049】
図2は、表示装置10の機能を実現するためにCPU11が実行するプログラムの概略の機能構成を示している。表示装置10のプログラムは、装置全体を制御する全体制御部31、タッチパネルへの操作を受け付けた場合に入力に合わせた制御を行うタッチパネル入力制御部32、画面遷移時の制御を行う画面遷移制御部33、画面遷移時のアニメーションを制御するアニメーション制御部34、アニメーションの表示中や画面遷移後に表示される画面を作成(準備)する画面作成部35などで構成される。
【0050】
次に、表示装置10が行う画面遷移について説明する。
【0051】
図3は、表示装置10が行う画面遷移の一例を示している。一の画面がタッチパネル付き表示部18に表示されている状態で、この画面に表示されている入力釦41に対するタッチ操作(入力)を受けると(
図3(a))、タッチパネル付き表示部18の中心に遷移先の画面を小さく出現させた後、この画面を次第に大きくするといったアニメーション42を表示する。
【0052】
一般には、アニメーションの表示が完了して遷移先の画面が完全な形で現れた後でなければ、遷移先の画面にどのような入力釦がどの位置にあるかをユーザは正しく認識できない。
【0053】
しかし、本実施の形態に係る表示装置10では、アニメーション42の表示を開始すると、即座に、遷移先の画面に存在する入力釦43を、入力操作可能な状態で表示して、入力操作の受け付けを開始する(
図3(b))。
【0054】
画面遷移中に遷移先の画面にある入力釦43を表示することを先行表示と呼び、先行表示した入力釦43に対する入力操作を先行入力と呼ぶものとする。
【0055】
先行表示した入力釦43に対して先行入力を受けていた場合は、画面遷移が完了した直後に、先行入力の内容に応じた処理を行う(
図3(c))。
【0056】
図3(b)では、入力釦43を半透明な表示形態で先行表示している。半透明な釦の上に、その入力釦の機能名を示す文言や機能を示す図柄を表示してもよい。たとえば、遷移先の画面での表示態様において入力釦に存在する文字を、先行表示した半透明の入力釦43にも表示する。なお、入力釦43は不透明に先行表示されてもよいが、アニメーションの効果を損ねないためには、半透明が好ましい。
【0057】
図4は、表示装置10が行う画面遷移に関する処理を示している。この処理は表示装置10の電源がオンされて初期化処理が終了した後に実行される。
【0058】
まず、表示すべき画面を表示する(ステップS101)。通常は、別の画面からの遷移が完了してステップS101で画面を表示する。この画面を表示するまでの画面遷移中に先行入力があったか否かを判断する(ステップS102)。先行入力がなければ(ステップS102;No)、現在表示中の画面で入力操作の受け付けを監視する(ステップS103)。現在表示中の画面で入力操作を受けると(ステップS103;Yes)、該入力操作に対応した遷移先の画面の画面データを準備して(ステップS104)、ステップS106へ移行する。
【0059】
先行入力がある場合は(ステップS102;Yes)、先行入力に対応した遷移先の画面の画面データを準備すると共に、記憶されている先行入力の内容をクリアして(ステップS105)、ステップS106へ移行する。
【0060】
ステップS106では、画面遷移のためのアニメーションの表示を開始すると同時に、遷移先の画面にある入力釦を入力操作可能に先行表示する。たとえば、遷移先の画面にある入力釦を半透明に表示し、その入力釦に対する入力操作を監視する。
【0061】
先行表示した入力釦に対して、アニメーションの表示が完了する前に入力操作を受けた場合は(ステップS107;Yes)、この入力操作(先行操作)を受け付けて記憶する(ステップS109)。その後、アニメーションが完了(画面遷移が完了)したら(ステップS110)、ステップS101へ戻って処理を継続する。
【0062】
先行入力を受けることなく(ステップS107;No)、アニメーションの表示が完了した場合は(ステップS108;Yes)、ステップS101へ戻って処理を継続する。
【0063】
すなわち、アニメーションが終了して画面遷移が完了したとき、先行表示した入力釦に対する入力操作(先行入力)を画面遷移中に受けていたか否かをチェックし、先行入力を受けていなければ、通常の画面遷移動作と同じく、画面遷移後の画面で入力受付状態となり、先行入力を受けていた場合は、画面遷移が完了した直後に、先行入力の内容に応じた処理(たとえば、次の画面への画面遷移など)を行う。
【0064】
このように、画面遷移中であって画面遷移の完了前に、遷移先の画面に存在する入力釦を、入力操作可能に表示するので、ユーザは、画面遷移の完了を待つことなく、遷移先の画面にどのような入力釦がどの場所にあるかを認識して、早期に入力操作を行うことができる。
【0065】
なお、半透明の表示態様で先行表示した入力釦43は、画面遷移が完了したとき(アニメーションが完了したとき)、遷移先の画面における表示態様で表示する。たとえば、遷移先の画面での表示態様が不透明であれば、アニメーションの表示が完了したとき、不透明に表示する。
【0066】
また、半透明に先行表示した入力釦43の透明度は、画面遷移中、同じ透明度で維持してもよいし、アニメーションの表示中に時間の経過に伴って次第に透明度を低下させるようにしてもよい。
【0067】
次に、画面遷移の各種の形態について説明する。
【0068】
<指を近づけると先行表示される場合>
アニメーションの表示を開始しても入力釦の先行表示を直ぐには行わず、画面遷移中(アニメーション表示中)にユーザがタッチパネル付き表示部18の表示部の表示面に指を近づけたとき、遷移先の画面においてその指の近くに位置する予定の入力釦を先行表示する。
【0069】
この場合、タッチパネル付き表示部18は、表示部の表示面上に指などがタッチした位置(座標)を検出するほか、表示面に近づいた指の位置を検出する機能も備える。たとえば、カメラを設けて指の位置(表示面からの距離)を検出したり、タッチパネルを3Dタッチパネルとして構成したりする。3Dタッチパネルは、たとえば、静電式のタッチパネルの感度を、近づいた指を検知可能な高感度と、タッチしたとき初めて指を検知する低感度とにダイナミックに切り替える(たとえば、1秒に10回以上切り替える)ことで実現される。
【0070】
図5は、指を近づけた場所の付近にある入力釦が先行表示される場合の画面遷移の表示例を示している。
【0071】
表示中の画面に存在する入力釦41に対するタッチ操作(入力)を受けると(
図5(a))、表示部の中心に遷移先の画面を小さく出現させた後、この画面を次第に大きくするといったアニメーション42を表示する(同図(b)。アニメーション42の表示を開始しても、この時点では、遷移先の画面に存在する入力釦は先行表示されない。
【0072】
アニメーション表示中の画面にユーザが指を近づけると同図(c)に示すように、遷移先の画面で該近づけた指の周辺に存在する入力釦43aのみが入力操作可能に表示される。ユーザが別の場所に指を近づけると、該別の場所の近くに存在する入力釦43bがさらに入力操作可能に追加表示される(同図(d))。
【0073】
画面遷移中に表示した入力釦43bに対して先行入力を受けていた場合(同図(e))は、画面遷移が完了した直後に、先行入力の内容に応じた処理を行う(同図(f))。
【0074】
図6は、指を近づけると遷移先の画面でその付近にある入力釦が先行表示される場合の画面遷移の処理を示す流れ図である。
図4と同じ処理内容のステップには同じステップ番号を付してある。
【0075】
表示すべき画面を表示し(ステップS101)、この画面を表示するまでの画面遷移中に先行入力があったか否かを判断する(ステップS102)。先行入力がなければ(ステップS102;No)、現在表示中の画面で入力操作の受け付けを監視する(ステップS103)。現在表示中の画面において入力操作を受けると(ステップS103;Yes)、該入力操作に対応した遷移先の画面の画面データを準備して(ステップS104)、ステップS121へ移行する。
【0076】
先行入力がある場合は(ステップS102;Yes)、先行入力に対応した遷移先の画面の画面データを準備すると共に、記憶されている先行入力の内容をクリアして(ステップS105)、ステップS121へ移行する。
【0077】
ステップS121では、画面遷移のためのアニメーションの表示を開始する。その後、画面に指が近づけられたか否かを監視し(ステップS122)、画面に指が近づけられたことを検知したら(ステップS122;Yes)、該指が近づけられた付近の遷移先画面内の入力釦を入力操作可能に表示して(ステップS123)、ステップS107へ移行する。指が近づけられない場合は(ステップS122;No)、先行表示せずに、そのまま、ステップS107へ移行する。
【0078】
入力操作可能に先行表示した入力釦に対して、アニメーションの表示が完了する前に入力操作を受けた場合は(ステップS107;Yes)、この入力操作(先行操作)を受け付けて記憶する(ステップS109)。その後、アニメーションが完了(画面遷移が完了)したら(ステップS110)、ステップS101へ戻って処理を継続する。
【0079】
先行入力を受けない場合は(ステップS107;No)、アニメーションの表示が完了したか否かを調べ、完了していなければ(ステップS108;No)、ステップS122に戻って、指が近づけられたか否かを監視する。アニメーションの表示が完了した場合は(ステップS108;Yes)、ステップS101へ戻って処理を継続する。
【0080】
なお、指が近づけられてその近くの入力釦を先行表示した後、該先行表示した入力釦にタッチされることなく指が遠ざけられたら、該先行表示した入力釦を消去するように構成されてもよい。
【0081】
<先行入力によりアニメーションを中断する場合>
これまで説明した画面遷移の例では、先行表示した入力釦に対して先行入力を受けるか否かにかかわらず、アニメーションの表示をそのまま継続したが、先行入力を受けた時点でアニメーションの表示を中断し、直ちに遷移先の画面を正しい表示態様で表示するようにする。
【0082】
これにより、アニメーションの効果は低下するが、ユーザの待ち時間を短くすることができる。
【0083】
図7は、先行入力を受けた場合にアニメーションの表示を中断する場合の処理の流れを示している。
図4と同一の処理内容のステップには同じステップ番号を付してあり、詳細な説明は省略する。
図4との相違は、ステップS109の次に、ステップS110に代えてステップS111を実行する点である。
【0084】
<先行入力によりアニメーションの速度を上げる場合>
先行入力を受けた時点からアニメーションの速度を上げて、アニメーションの表示を早期に完了させる。これにより、アニメーションを中断させる場合に比べて、アニメーションの効果の低下を少なく抑えつつ、遷移先の画面が完全に表示されるまでのユーザの待ち時間を短くすることができる。
【0085】
図8は、先行入力を受けた場合にアニメーションの表示速度を上げる場合の処理の流れを示している。
図4と同じ処理内容のステップには同一のステップ番号を付してある。
図4との相違は、ステップS109の次に、ステップS110に代えてステップS112、S113を実行する点である。
【0086】
<アニメーション完了前に先行入力をキャンセル可能にする場合>
画面遷移中に先行表示した入力釦に対する先行入力を受けた後、アニメーションが完了する前に、もう一度、同じ入力釦に対する操作を受けた場合に、先行入力をキャンセルする。
【0087】
図9は上記の場合の画面遷移の例を示している。表示中の画面の入力釦41に対するタッチ操作(入力)を受けると(
図9(a))、表示部の中心に遷移先の画面を小さく出現させた後、この画面を次第に大きくするといったアニメーション42を表示すると同時に、遷移先の画面に存在する入力釦43を先行表示する。
【0088】
先行表示した入力釦43に対する入力操作(先行入力)を受け(同図(b))、その後、アニメーション42の表示が完了する前に同じ入力釦43に対する操作を再度受けると(同図(c))、先行入力はキャンセルされて、先行入力を受けていない状態に戻る。そして、アニメーション42の表示が完了すると、遷移先の画面が正しい表示態様で表示され、この画面でユーザからの入力操作を待つ状態になる(同図(d))。
【0089】
先行入力を受け(同図(b))、その後、該先行入力がキャンセルされなかった場合は、アニメーション42の表示が完了して画面遷移が完了した直後に、先行入力の内容に応じた処理を行う(同図(e))。
【0090】
図10は、アニメーションの表示が完了する前に先行入力をキャンセル可能な場合の画面遷移に関する処理の流れを示している。
図4と同じ処理内容のステップには同一のステップ番号を付してある。
図4との相違は、ステップS109より後の処理である。
【0091】
すなわち、先行入力を受けてその内容を記憶した(ステップS109)後、アニメーションの表示が完了する前に同じ入力釦に対する操作があるか否かを監視する(ステップS114)。同じ入力釦に対する操作を受けた場合は(ステップS114;Yes)、この入力釦に対する先行入力をキャンセルして(ステップS116)、ステップS107へ移行する。具体的にはステップS109で記憶した内容を消去する。
【0092】
同じ入力釦に対する操作を受けることなくアニメーションの表示が完了した場合は(ステップS115;Yes)、ステップS109で記憶した先行入力の内容を有効としたまま、ステップS101へ戻る。
【0093】
なお、先行入力をキャンセルする方法は、上記の方法(同じ入力釦の再操作)に限定されず、別の方法、たとえば、別途のキャンセル釦を操作する等でもよい。
【0094】
次に、画面遷移中にアニメーションを表示しない場合について説明する。
【0095】
これまでに説明した例では、画面遷移中にアニメーションを表示する構成であったが、本発明は、画面遷移中にアニメーションを表示する場合に限定されるものではない。たとえば、次の画面のデータ量が多い場合や次の画面のデータをサーバからダウンロードする際の通信速度が遅いような場合には、アニメーションを表示しなくても、次の画面が完全に表示されるまでに長い時間を要する場合がある。
【0096】
このような場合に、遷移先の画面が正しい表示態様で完全に表示される前に、遷移先の画面に存在する入力釦だけを先に表示し、入力釦以外の部分をその後で表示するようにしてもよい。
【0097】
図11は、遷移先の画面(同図(c))に入力釦43と写真44が存在する場合に、入力釦43のみを入力操作可能な状態で先に表示し、その後、写真44を表示する場合の画面遷移例を示している。
【0098】
次に、遷移先の画面の入力釦の先行表示を開始するタイミングの他の例について説明する。
【0099】
たとえば、
図12に示すように、画面遷移の操作を受けたら(同図(a))アニメーション42の表示を開始し(同図(b))、その後、少し時間が経過して、タッチパネル付き表示部18が入力操作を受け付けられる状態になってから、遷移先の画面にある入力釦43を先行表示するようにしてもよい(同図(c))。同図(d)は、アニメーションが終了して画面遷移が完了した状態を示している。
【0100】
また、
図13に示すように、画面遷移を行う入力釦41に指でタッチした(同図(a))と同時に、遷移先の画面に存在する入力釦43の先行表示を開始し(同図(b)、(f))、入力釦41の存在する領域内で指がリリースされたら(同図(b))、入力釦41に対する入力が確定したと判定して、アニメーション42の表示を開始し、画面遷移を継続する(同図(c)〜(e))。
【0101】
一方、入力釦41にタッチした指が、入力釦41の存在する領域外へスライド移動されてリリースされた場合ややタッチパネル付き表示部18の外へスライド移動された場合は(同図(f))、入力釦41へのタッチ操作をキャンセルし、先行表示を消去して、元の画面のまま画面遷移を行わない(同図(g))。このようにすれば、遷移先の画面にある入力釦を確認しながら遷移前の画面での操作を進めることができる。
【0102】
図14は、
図13に対応した画面遷移の処理を示す流れ図である。
図4と同じ処理内容のステップには同一のステップ番号を付してある。
【0103】
表示すべき画面を表示し(ステップS101)、この画面を表示するまでの画面遷移中に先行入力があったか否かを判断する(ステップS102)。先行入力があった場合は(ステップS102;Yes)、先行入力に対応する遷移先の画面の画面データを準備すると共に、記憶されている先行入力の内容をクリアする(ステップS105)。そして、遷移先の画面にある入力釦を入力操作可能に先行表示し(ステップS130)、同時にアニメーションの表示を開始して画面遷移を開始する(ステップS135)。以後の処理は、
図4のステップS107以降と同様でありその説明は省略する。
【0104】
先行入力がなければ(ステップS102;No)、現在表示中の画面において入力操作のタッチの有無を監視する(ステップS103b)。
【0105】
現在表示中の画面で入力釦に対するタッチを受けると(ステップS103b;Yes)、該入力釦への入力操作に対応した遷移先の画面の画面データを準備し(ステップS104)、遷移先の画面にある入力釦を入力操作可能に先行表示する(ステップS131)。
【0106】
ステップS103bでタッチを検出した指が、スライド移動され、タッチされた入力釦から外れた場所でリリースされた場合は(ステップS132;Yes)、ステップS103bで検出したタッチをキャンセルする。具体的には、入力釦の先行表示を消去し(ステップS133)、元の画面のまま、画面遷移を行わずに、ステップS103bへ戻る。
【0107】
タッチされた入力釦の上で指がリリースされた場合は(ステップS134;Yes)、アニメーションの表示を開始して画面遷移を開始する(ステップS135)。以後の処理は、
図4のステップS107以降と同様でありその説明は省略する。
【0108】
なお、
図15に示すように、現在表示中の画面で入力釦41に対する指のタッチを検出した(同図(a))とき、アニメーション42の表示と遷移先の画面にある入力釦43の先行表示を同時に開始してもよい(同図(b)、(e))。この場合も、入力釦41の上で指がリリースされたら(同図(b))、そのまま、アニメーション42の表示による画面遷移を継続し(同図(c)〜(d))、入力釦41にタッチした指が、入力釦41の外へスライド移動されてリリースされた場合やタッチパネル付き表示部18の表示部の外(タッチの検出範囲外)へスライド移動された場合は(同図(e))、入力釦41へのタッチ操作をキャンセルし、先行表示を消去し、元の画面のまま画面遷移を行わない(同図(f))ようにする。
【0109】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。