特許第6222471号(P6222471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222471
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】根菜類収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 27/00 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   A01D27/00
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-130508(P2014-130508)
(22)【出願日】2014年6月25日
(65)【公開番号】特開2016-7172(P2016-7172A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2016年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078031
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 皓一
(74)【代理人】
【識別番号】100077779
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100078260
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 レイ子
(72)【発明者】
【氏名】村並 昌実
(72)【発明者】
【氏名】高木 真吾
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 英明
(72)【発明者】
【氏名】弓達 武志
(72)【発明者】
【氏名】松家 伸一
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−252812(JP,A)
【文献】 実開昭49−095142(JP,U)
【文献】 特許第2812422(JP,B2)
【文献】 特開平04−053477(JP,A)
【文献】 特開平10−084731(JP,A)
【文献】 特開平10−276525(JP,A)
【文献】 米国特許第04182420(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 13/00−33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の走行線に沿って圃場から作物を引抜きつつ機体後部に搬送する引抜搬送装置(24)と、この引抜搬送装置(24)から作物を引き継いで所定位置に搬送する作物搬送装置(41)と、この作物搬送装置(41)から受けた作物の茎葉部を調製処理する茎葉調製装置(42)と、この茎葉調製装置(42)から受けた作物を収容する作物回収部(G)とを備える根菜類収穫機において、
前記作物搬送装置(41)は、引抜搬送装置(24)から受けた作物をその搬送方向(T1)と直交する方向(T2)に搬送する複数の搬送回転体(43a,43b)を互いに隣接しつつ回転差を設けて配置し、
前記茎葉調製装置(42)は、前記作物搬送装置(41)から受けた作物を保持する無端搬送部材(46)と、この無端搬送部材(46)が搬送する作物の茎葉部を除去する切断刃(47)とを備え
前記茎葉調製装置(42)の搬送終端部に、送出される作物を収容容器まで傾斜案内する案内部材(49)と、送出幅の側端部に臨んで作物の送出姿勢を変更する姿勢変更突起(51)とを設け、
前記案内部材(49)は、前記側端部の側縁線に沿って案内幅を次第に狭く形成し、かつ、
前記姿勢変更突起(51)は、前記茎葉調製装置(42)の送出幅の左右側端部にそれぞれ着脱可能に設けて両者を一体に接続し、これら両姿勢変更突起(51)について一方をその作用位置に位置決めすると同時に他方をその作用位置から外れた待機位置に位置決め保持するそれぞれの保持凹部(53a,53b)を形成したことを特徴とする根菜類収穫機。
【請求項2】
前記作物搬送装置(41)は、その搬送面を搬送方向に下降傾斜に構成するとともに、前記搬送回転体(43a,43b)の外周に回転によって搬送幅方向に作用するスラスト作用面を形成したことを特徴とする請求項1記載の根菜類収穫機。
【請求項3】
前記搬送回転体(43a,43b)は、隣接する二つの搬送回転体を一組として互いに異なる外径寸法に形成するとともに、それぞれに伝動ギア(44a,44b)を設けて
小径の搬送回転体(43b)に設ける伝動ギア(44b)の径を他方の伝動ギア(44a)より大径に形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の根菜類収穫機。
【請求項4】
前記作物搬送装置(41)は、その搬送幅方向に作物の一側端を案内する肩揃え部材(45)と、この肩揃え部材(45)を搬送終端位置で所定の幅方向位置に弾発支持する付勢部材(45a)とを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の根菜類収穫機。
【請求項5】
前記茎葉調製装置(42)は、一定ピッチで配置した複数の仕切(46a)によって作物を仕切間に収容可能に形成した無端搬送部材(46)と、この無端搬送部材(46)の仕切(46a)の間に収容した作物に作用する切断刃(47)と、前記無端搬送部材(46)の搬送始端位置の上方から作物に弾発作用して前記仕切(46a)の間に作物を押し込む押込部材(48)とを設けたたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の根菜類収穫機。
【請求項6】
前記押込部材(48)は、回転可能に軸支したローラを弾性変形可能な軟質材によって形成したことを特徴とする請求項5記載の根菜類収穫機。
【請求項7】
前記引抜搬送装置(24)は、該引抜搬送装置(24)と連動回転するカム(65,65)と、前記カム(65,65)を介して傾動制御される支持アーム(64,64)と、前記支持アーム(64,64)に上下スライド可能に連結支持されたエア噴射部(62,62)とを備え、
前記エア噴射部(62,62)は、前記支持アーム(64,64)の傾動によって昇降しながら、搬送過程における作物にエアを噴射することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の根菜類収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場から引き抜いた根菜作物を機体幅方向に搬送する作物搬送装置を備える根菜類収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の根菜類収穫機は、挟持搬送中に茎葉部を切断した作物に残る残葉を除去する残葉処理装置と、残葉処理装置から引き継いだ作物を機体側方に搬送する搬送装置と、作物を回収する収容部を備えており、残葉処理装置の処理ローラに作物が接触すると、作物に付着している泥土を落とすことができる。
また、特許文献2に記載の収穫補助作業機は、圃場から引き抜いた作物を搬送コンベア上に載置し、搬送中に茎葉部を切断し、機体上まで搬送された作物を貯留するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4239920号公報
【特許文献2】特許第3669108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の根菜類収穫機の残葉処理装置は、作物の残葉を取り除くことが主目的であるので、泥が付着している部分が接触しないことが多く、多くの泥が付着した状態で作物は搬送装置に引き継がれる。これにより、収穫に適さない作物の形状や傷等を付着した泥が覆い隠してしまい、搬送装置で搬送中の作物を選別する作業者が形状の異常や傷の有無を判断できず、選別精度の低下によって収穫に適さない作物が収容部に混在してしまう問題がある。
また、搬送装置に泥が残りやすくなるので、付着した泥の除去に費やす時間と労力が増大する問題がある。
さらに、収容部に泥が入り込むと、泥が収容部の容量を減らしてしまうので、収容部から作物を取り出す作業、または収容部の交換作業を行う頻度が高くなり、作業能率が低下する問題がある。
【0005】
また、特許文献2に記載の収穫補助作業機は、作物の引き抜きや搬送コンベアへの設置を手作業で行なう必要があるので、作業者の労力が増大すると共に、作業に要する時間が長くなる問題がある。
【0006】
本発明は、泥落しのための大きな作業負荷を要することなく、引抜き作物の回収コンテナまでの搬送回収工程について、収穫作物の付着泥土が及ぼす諸問題の解決を可能とする根菜類収穫機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、機体の走行線に沿って圃場から作物を引抜きつつ機体後部に搬送する引抜搬送装置(24)と、この引抜搬送装置(24)から作物を引き継いで所定位置に搬送する作物搬送装置(41)と、この作物搬送装置(41)から受けた作物の茎葉部を調製処理する茎葉調製装置(42)と、この茎葉調製装置(42)から受けた作物を収容する作物回収部(G)とを備える根菜類収穫機において、
前記作物搬送装置(41)は、引抜搬送装置(24)から受けた作物をその搬送方向(T1)と直交する方向(T2)に搬送する複数の搬送回転体(43a,43b)を互いに隣接しつつ回転差を設けて配置し、前記茎葉調製装置(42)は、前記作物搬送装置(41)から受けた作物を保持する無端搬送部材(46)と、この無端搬送部材(46)が搬送する作物の茎葉部を除去する切断刃(47)とを備え、前記茎葉調製装置(42)の搬送終端部に、送出される作物を収容容器まで傾斜案内する案内部材(49)と、送出幅の側端部に臨んで作物の送出姿勢を変更する姿勢変更突起(51)とを設け、前記案内部材(49)は、前記側端部の側縁線に沿って案内幅を次第に狭く形成し、かつ、前記姿勢変更突起(51)は、前記茎葉調製装置(42)の送出幅の左右側端部にそれぞれ着脱可能に設けて両者を一体に接続し、これら両姿勢変更突起(51)について一方をその作用位置に位置決めすると同時に他方をその作用位置から外れた待機位置に位置決め保持するそれぞれの保持凹部(53a,53b)を形成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記作物搬送装置(41)は、その搬送面を搬送方向に下降傾斜に構成するとともに、前記搬送回転体(43a,43b)の外周に回転によって搬送幅方向に作用するスラスト作用面を形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明において、前記搬送回転体(43a,43b)は、隣接する二つの搬送回転体を一組として互いに異なる外径寸法に形成するとともに、それぞれに伝動ギア(44a,44b)を設けて小径の搬送回転体(43b)に設ける伝動ギア(44b)の径を他方の伝動ギア(44a)より大径に形成することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3の何れに係る発明において、前記作物搬送装置(41)は、その搬送幅方向に作物の一側端を案内する肩揃え部材(45)と、この肩揃え部材(45)を搬送終端位置で所定の幅方向位置に弾発支持する付勢部材(45a)とを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明において、前記茎葉調製装置(42)は、一定ピッチで配置した複数の仕切(46a)によって作物を仕切間に収容可能に形成した無端搬送部材(46)と、この無端搬送部材(46)の仕切(46a)の間に収容した作物に作用する切断刃(47)と、前記無端搬送部材(46)の搬送始端位置の上方から作物に弾発作用して前記仕切(46a)の間に作物を押し込む押込部材(48)とを設けたたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記押込部材(48)は、回転可能に軸支したローラを弾性変形可能な軟質材によって形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれかに係る発明において、前記引抜搬送装置(24)は、該引抜搬送装置(24)と連動回転するカム(65,65)と、前記カム(65,65)を介して傾動制御される支持アーム(64,64)と、前記支持アーム(64,64)に上下スライド可能に連結支持されたエア噴射部(62,62)とを備え、前記エア噴射部(62,62)は、前記支持アーム(64,64)の傾動によって昇降しながら、搬送過程における作物にエアを噴射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明により、互いに回転差を有する複数の搬送回転体(43a,43b)で作物を搬送する作物搬送装置(41)により、作物に付着している泥土を搬送中に除去することができるので、収容容器に泥が付着することが防止され、掃除に要する労力が軽減される。
また、作物から泥土が除去されることにより、後工程の茎葉調製装置(42)による搬送中に作業者が作物の状態を視認しやすくなり、傷の有無や形状の判断がしやすく、選別精度が向上する。
また、茎葉調製装置(42)に泥が付着しにくくなるので、茎葉部の切断精度が維持され、茎葉部が余分に作物に残ることが防止され、除去作業が不要になる。
また、送出幅の側端位置の姿勢変更突起(51)と同側端位置で案内幅を狭める案内部材(49)とを設けたことにより、作物の送出姿勢を縦向きに変更して収容容器に案内することができるので、作物の収容が確実になる。
さらに、前記姿勢変更突起(51)を左右接続してそのどちらか一方を作用位置の保持凹部(53a)に合わせることによって他方が待機位置の保持凹部(53b)に位置決めされることから、作物の送出姿勢を選択して収容容器に投入する作物の向きを切替えることができる。
【0016】
請求項2に係る発明により、請求項1に係る発明の効果に加え、作物搬送装置(41)の搬送面を搬送方向に沿って下降傾斜させたことにより、作物は搬送方向に移動しやすくなるので、作物が作物搬送装置(41)上で滞留することが防止され、作業能率の向上や、作物が接触の衝撃で傷付くことが防止される。
また、搬送回転体(43a,43b)の外周面を回転によって搬送幅方向に作用するスラスト作用面を形成したことにより、作物の送出位置を搬送幅の一方に寄せて作物の茎葉部を茎葉調製装置(42)の作用位置に揃えることができるので、茎葉部の除去が確実且つ自動で行える。
【0017】
請求項3に係る発明により、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、搬送回転体(43a,43b)の一方を他方よりも大径としたことにより、対向する方向に回転していても作物を搬送方向下手側に送ることを妨げないので、作物搬送装置(41)上に作物が滞留することを防止でき、作業能率が向上する。
小径の搬送回転体(43b)に設ける伝動ギア(44b)の径を他方の伝動ギア(44a)より大径としたことにより、小径の搬送回転体(43b)の回転速度を遅くすることができるので、小径の搬送回転体(43b)が作物の移動を妨げることが防止され、作業能率が向上する。
【0018】
請求項4に係る発明により、請求項1から請求項3の何れか1項に係る発明の効果に加え、作物搬送装置(41)に肩揃え部材(45)を設けたことにより、茎葉調製装置(42)に引き継がれる作物の位置を茎葉調製装置(42)の作用域に揃えることができるので、茎葉部の切断位置が一定に揃い、切断精度が向上する。したがって、作物に残っている茎葉部を除去する作業が不要となるので、作業能率が向上する。
また、肩揃え部材(45)の付勢部材(45a)によって衝撃緩和とともに、移動した肩揃え部材(45)が元の位置に復帰することにより、肩揃え部材(45)に触れない作物の発生を防止できるので、茎葉部の切断位置が揃い易くなる。
【0019】
請求項5に係る発明により、請求項1から請求項4のいずれか1項に係る発明の効果に加え、茎葉調製装置(42)の搬送始端位置の押込部材(48)により、無端搬送部材(46)の仕切(46a)間に作物を押し込むことができるので、茎葉部が切断刃(47)に接触しても逃げることを防止でき、茎葉部を確実に切断できる。
また、押込部材(48)は、上方に退避可能に作物の上から弾発作用することにより、大径の作物が通過する際に詰まることや、押込部材(48)が破損することが防止され、作業能率や耐久性の向上が図られる。
【0020】
請求項6に係る発明により、請求項5に係る発明の効果に加え、前記押込部材(48)を弾性変形可能な軟質材の回転体によって構成したことにより、作物との接触時に負荷がかかると回転により逃がすことができるとともに、押込部材(48)自体が変形することにより、押込部材(48)の破損が防止される。
【0021】
請求項7に係る発明により、請求項1から請求項6のいずれか1項に係る発明の効果に加え、引抜搬送装置(24)が、前記支持アーム(64,64)の傾動によって昇降しながら、搬送過程における作物にエアを噴射するエア噴射部(62,62)を備えることにより、作物の搬送過程において、作物に付着している泥土を好適に落とすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】根菜類収穫機の平面図(a)および側面図(b)
図2】横断搬送部の平面図
図3】横断搬送部の背面図
図4】別構成の茎葉調製部平面図(a)、側面図(b)および搬送線正面図(c)
図5】搬送先端部の斜視図(a)および搬送正面図(b)
図6】エアブラスト装置を付設した根菜類収穫機の側面図
図7】エアブラスト装置の要部斜視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明においては、根菜類収穫機の前進方向Fを基準として前後、左右という。
【0025】
本発明にかかる実施形態のダイコン収穫用の根菜類収穫機1は、その平面図(a)および側面図(b)を図1に示すように、クローラ6,6による走行部と、操縦座席11まわりに操作機器を配した操縦部と、機体の片側端部に配置の引抜搬送装置24による収穫部と、この収穫部の後端部のカッター32で茎葉部を切断する茎葉切断部と、この茎葉切断部によって切り離された根菜作物の根側を受けて選別操作可能に他側端部方向T2に横断搬送する作物搬送部および切断刃47による茎葉調製部、その終端部で作物をコンテナ等の収容部材に収容するための作物回収部Gと、作物を収容した収容部材を載置する収穫物載置部Hとから構成される。
【0026】
そのほか、上記各装置に動力を伝動するために、操縦部の下方に配置したエンジンから走行部や搬送コンベヤに動力を供給する下側伝動機構3および、収穫部や茎葉切断部に動力を供給する上側伝動機構4を備える。
【0027】
上記操縦座席11には、機体前側の操縦パネル12に機体の左右旋回操作及び引抜搬送装置24の引抜き高さを操作する昇降操作レバー14を備えるほか、機体の前後進及び走行速度を調節するための変速操作レバー等を配置する。
【0028】
上記引抜搬送装置24は、その先端部の縦および横の引起こし装置25,26等の周辺部材を合わせて収穫部を構成するほか、不図示の分草杆、支持高さを定めるゲージ輪、振動ソイラ等を備える。縦引起し装置25は、引抜搬送装置24の前端部でダイコン等の根菜作物の茎葉部を引き起こし、横引起し装置26は、縦引起し装置25が引起した茎葉部を掬い上げ、引抜搬送装置24は、左右対向動作する挟持搬送ベルトを後ろ上がりに傾斜支持して構成し、機体の一側端部で圃場からダイコン等の根菜作物を引き抜いて機体後部に搬送する。
【0029】
上記カッター32は、引抜搬送装置24から作物を引き継いで機体後方に移送する挟持搬送機構31と合わせて茎葉切断部を構成し、茎葉部を切断することにより、根菜作物の根側を切り離して下方の作物搬送装置41上に寝かせるように落下させる。
【0030】
作物搬送装置41は、引抜搬送装置24の終端部直下に配置したクリーンコンベアであり、引抜搬送装置24から受けた作物の付着泥土を除去しつつ、引抜搬送装置24の搬送方向T1と直行する車幅方向T2に横断搬送し、操縦座席11を後方回動して作業者による作物の選別作業を可能に構成する。
【0031】
茎葉調製装置42は、作物搬送装置41の搬送端から受けた作物を更に車幅方向T2に横断搬送しつつ胴切り処理して機体の他側端に送出する加工コンベアである。
これら作物搬送装置41と茎葉調製装置42とを合わせて横断搬送部を構成する。その詳細は後述する。
【0032】
作物回収部Gは、機体の他側端位置で茎葉調製装置42の搬送端に臨む回収コンテナ等の収容部材の載置スペースであり、茎葉調製装置42から送出される作物を収容部材に収容可能に構成する。
収穫物載置部Hは、機体の他側端に沿って形成した載置スペースであり、作物回収部Gで作物を収容した収容部材を直列状に配列可能に構成する。
【0033】
(作物搬送装置)
次に、横断搬送部を構成する作物搬送装置41および茎葉調製装置42について以下に詳細に説明する。
作物搬送装置41は、横断搬送部の平面図および背面図を図2図3に示すように、複数の搬送回転体を連接配置して搬送方向T2について下降傾斜に構成する。
【0034】
搬送回転体は、大小の外径の回転ブラシを隣接配置した2つのローラ43a,43bを一組として構成し、外径の大小に対応して小径と大径の伝動ギア44a,44bを支軸に備え、複数組を連接配置して交互逆転巻掛けのチェーン44によって伝動構成する。
【0035】
このようにして、大径高速正回転のローラ43aと小径低速逆回転のローラ43bの回転ブラシの回転差によって作物表面の付着泥土を掻き落しつつ傾斜に沿って作物を下降搬送することができる。
【0036】
また、各ローラ43a,43bには、回転によって搬送幅方向の作用力を発生する螺旋パターン等のスラスト作用面を形成するとともに、搬送端における幅方向位置を揃えるガイドレール状の肩揃え部材45を搬送路の片側縁に設ける。
【0037】
また、肩揃え部材45は、作物表面保護用のPOM等の樹脂材によって形成し、搬送幅方向に可動支持するとともに、スプリング等の付勢部材45aによって所定の肩揃え位置に復帰可能に弾発付勢することにより、作物に作用するショックを緩和することができる。
これにより、肩揃え部材45が作物を傷付け、作物の商品価値を低下させることが防止される。
【0038】
(茎葉調製装置)
茎葉調製装置42は、作物搬送装置41と一体のフレームに構成し、等ピッチの波型仕切46a…によって作物を個別保持可能に形成した波型ベルトによる無端搬送部材46と、その搬送路の側縁部に配置した胴切り用の円板カッターによる切断刃47とによって構成する。また、搬送始端で作物を上から押圧して無端搬送部材46の波型仕切46a,46aの間に嵌め着つけるように作用する回転ローラによる押込部材48と、搬送終端で収容先に案内する案内部材49とを設ける。
【0039】
押込部材48は、作物形状に沿って変形可能な軟質ゴム体を回転可能に軸支したローラであり、無端搬送部材46の搬送始端で作物を上から押付けるスプリング等の付勢部材48aによる付勢力を調整可能に支持することにより、作物を包み込むようにして無端搬送部材46に個別保持することができる。
また、作物の径に合わせて付勢部材48aが変形することにより、作物が押し潰されて傷付き、作物の商品価値が低下することや、付勢部材48aが破損することが防止される。
【0040】
切断刃47は、作物上端の茎葉側を調整する場合に搬送路の右側配置とし、その他に、作物の上下両端を調整する場合は、別構成の茎葉調製部平面図(a)、側面図(b)および搬送線正面図(c)を図4に示すように、搬送路の両側にそれぞれ切断刃47,47を配置する。
【0041】
案内部材49は、茎葉調製装置42の搬送先端部の斜視図(a)および搬送正面図(b)を図5に示すように、搬送終端部における搬送幅方向の一端部における送出規制用の棒状部材による姿勢変更突起51と対応してその側縁線に沿って案内幅を次第に狭く形成する。
【0042】
上記姿勢変更突起51は、搬送終端部における搬送幅方向の一端部の送出を規制することにより、茎葉調製処理した作物の一端側(図例は茎葉端側)に作用して作物の収容姿勢を調整することができる。
【0043】
また、搬送幅方向の左右の両端部について左右の姿勢変更突起51,51を設けて両者が択一作用する間隔で両基部を連結軸51aで一体に接続し、それぞれを作用位置に位置決め保持する左右の保持凹部53a,53aを形成した保持部材53を設け、さらに、両姿勢変更突起51,51について一方をその作用位置に位置決め保持した時に他方をその作用位置から外れた待機位置に位置決め保持するそれぞれの待機用の保持凹部53b,53bを保持部材53に形成する。
【0044】
左右の姿勢変更突起51,51は、連結軸51aを茎葉調製装置42の搬送幅方向にスライド可能に軸支するとともに、不図示の弾性保持部材によって直立姿勢に回動付勢することにより、選択した保持凹部53a,53bに保持することができる。
【0045】
このように、姿勢変更突起51,51と案内部材49とを設けたことにより、作物姿勢を縦向きに変更して収容容器に案内することができるので、作物を収容容器に確実に収容することができる。
また、姿勢変更突起51,51のどちらか一方を対応する作用位置の保持凹部53aに合わせることによって他方が作用位置から外れた位置の保持凹部53bで待機保持されることから、収容容器に投入する作物の向きを選択することができる。
【0046】
これにより、作業者が作物の収容容器に入り込む向きを変更する作業が不要となるので、作業者の労力や作業人数の軽減が図られると共に、収容容器に作物が入り込む向きが揃うことにより、収容容器の容量一杯に作物を収容することができるので、収容容器の交換頻度が下がり、作業能率が向上する。
【0047】
(エアブラスト装置)
次に、泥落し用のエアブラスト装置について説明する。
エアブラスト装置61は、根菜類収穫機の側面図を図6に示すように、引抜搬送装置24による作物の引抜搬送経路T1を挟んで左右に対向配置した左右のエア噴射部62,62をそれぞれU字構成のスライドガイド63によって上下移動可能に構成する。
【0048】
また、引抜搬送装置24と連動回転する左右のカム65,65を設け、それぞれのカム65,65を介して傾動制御可能な支持アーム64,64に左右のエア噴射部62,62をそれぞれ連結支持し、コンプレッサ61aによる給気を受ける左右のエア噴射部62,62を昇降可能に構成する。
【0049】
左右のエア噴射部62,62は、エアブラスト装置61の要部斜視図を図7に示すように、引抜搬送装置24によって搬送される作物に向かって複数のエアノズル62a…を円弧状にそれぞれ列設するとともに、給気用の基部62bをスライドガイド63のガイド部63aに上下スライド移動可能に嵌合して引抜搬送経路T1にそれぞれの側から臨んで対向配置する。
【0050】
左右の支持アーム64,64は、それぞれ揺動支点64a,64aを中心に引抜搬送装置24と連動のカム65,65によって傾動動作することから、車速連動の引抜搬送装置24の搬送速度と対応して左右のエア噴射部62,62の昇降制御が可能となる。その昇降動作は、カム65,65の位相変更によって調節することができる。また、スライドガイド63のガイド部63a,63aはスプライン等によって左右のエア噴射部62,62の位相を保持することができる。
【0051】
(作用説明)
次に、根菜類収穫機1の収穫走行時の作用について説明する。
上記構成の根菜類収穫機1による圃場作物の収穫走行においては、引抜搬送装置24が圃場の植付条に沿うようにクローラ6,6を前進制御することにより、ダイコン等の根菜作物の茎葉部を挟持して引抜きつつ走行線上に重なる搬送線T1に沿って機体後部に搬送し、この搬送過程において、昇降動作するエアブラスト装置61により付着している泥土を落とすことができる。
【0052】
次いで、作物搬送装置41の上に寝かせるようにしてカッター32から落下した作物を作物搬送装置41が機体の一側端から機体幅方向T2に横断搬送する過程で、付着泥土を除去しつつ作業者による選別操作を可能とし、さらに、茎葉調製装置42が残葉等を切揃えて作物を横断搬送し、機体の他側端の作物回収部Gに送出することによって収容部材に収容することができる。
【0053】
この場合において、作物搬送装置41が作物を搬送する際に、複数の搬送回転体43a,43bの回転差により、作物に付着している泥土が搬送中に除去されることから、収容容器に対する泥の付着が抑えられ、掃除に要する労力が軽減される。
また、後工程の茎葉調製装置42では、搬送中に作業者が作物の状態を視認しやすくなり、傷の有無や形状の判断がしやすく、選別精度が向上するとともに、茎葉調製装置42の泥の付着が抑えられるので、茎葉部の切断精度が確保され、切断不良の監視および不良作物の除去作業が不要になる。
【0054】
また、作物搬送装置41の搬送過程では、搬送方向に沿う下降傾斜により、作物の搬送移動が促されるので、作物が作物搬送装置41上で滞留することなく搬送されることから、作業能率の向上とともに、作物が接触した時の衝撃緩和によって表面保護が可能となる。
【0055】
また、螺旋パターンブラシ等によるスラスト作用構成の複数の搬送回転体43a,43b…により、作物を搬送幅の片側に寄せながら搬送することにより、作物の茎葉部を茎葉調製装置42の作用位置に揃えることができるので、茎葉部の除去精度を確保することができる。
【0056】
搬送回転体43a,43bは、一方を他方よりも大径としたことにより、対向する方向に回転していても作物を搬送方向下手側に送ることを妨げないので、作物搬送装置41上に作物が滞留することを防止でき、作業能率が向上する。
小径の搬送回転体43bは、伝動ギア44bの径を他方の伝動ギア44aより大径とすることにより、低速で逆転するので、作物の搬送移動を妨げることなく、付着している泥土を効果的に除去することができる。
【0057】
作物搬送装置41の終端部では、肩揃え部材45により、茎葉調製装置42に引き継がれる作物の搬送幅方向位置を切断刃47の作用域に揃えることができるので、茎葉部の切断位置が一定に揃って切断精度の向上が可能となる。
【0058】
肩揃え部材45は、付勢部材45aによって衝撃緩和が可能であり、また、移動した肩揃え部材45が元の位置に復帰することにより、肩揃え部材45が搬送作物に漏れなく作用するので、茎葉部の切断位置が揃い易くなる。
【0059】
作物が茎葉調製装置42の搬送始端位置に達すると、押込部材48によって搬送無端帯46の波型仕切46a…の間に押し込まれて波型ベルトによる無端搬送部材46に保持することができるので、搬送過程で作物の茎葉部が切断刃47に接触しても逃げることなく、確実に切断することができる。
【0060】
また、大径の作物が搬送始端位置に達した場合は、作物の上から弾発作用する付勢部材48aによって押込部材48が上方に退避可能であることから、詰まったり、押込部材48が破損することなく通過できるので、作業能率および耐久性の向上が可能となる。
【0061】
また、押込部材48を弾性変形可能な軟質材の回転体によって構成したことから、作物との接触時に負荷がかかっても、押込部材48が回転して逃がすことができるとともに、押込部材48自体が変形して破損が防止される。
【0062】
茎葉調製装置42の搬送終端では、姿勢変更突起51と案内部材49により、作物の送出姿勢を縦向きに変更して収容容器に案内することができるので、作物の収容が確実になる。また、左右一体の姿勢変更突起51,51のどちらか一方を作用位置の保持凹部53aに合わせることによって他方が待機位置の保持凹部53bに位置決め保持されるので、作物の送出姿勢を変更して所望の向きで収容容器に収容することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 根菜類収穫機
24 引抜搬送装置
41 作物搬送装置
42 茎葉調製装置
43a,43b 搬送回転体
44a,44b 伝動ギア
45 肩揃え部材
45a 付勢部材
46 無端搬送部材
46a 仕切
47 切断刃
48 押込部材
49 案内部材
51 姿勢変更突起
53a 作用保持凹部
53b 待機保持凹部
G 作物回収部
T1 搬送方向
T2 直交方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7