特許第6222478号(P6222478)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222478
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/20 20060101AFI20171023BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20171023BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   G03G21/20
   G03G15/16
   G03G21/16 119
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-261559(P2014-261559)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-122088(P2016-122088A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2016年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184631
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 隆
(72)【発明者】
【氏名】石井 毅
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−226241(JP,A)
【文献】 特開2009−098318(JP,A)
【文献】 特開2014−095736(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0126925(US,A1)
【文献】 特開2010−223994(JP,A)
【文献】 特開平10−143053(JP,A)
【文献】 米国特許第05887226(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/16
G03G 21/20
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム部材と該フレーム部材に支持された駆動ローラー及びテンションローラーと該両ローラーに掛け回される中間転写ベルトとを有する中間転写ユニットと、該中間転写ユニットの下側に配置され、上記中間転写ベルトの進行方向に沿って並ぶ複数の画像形成ユニットと、上記各画像形成ユニットのそれぞれに対応して上記中間転写ベルトの上側に設けられ、該各画像形成ユニットにトナーを供給する複数のトナーコンテナと、を備えた画像形成装置であって、
上記フレーム部材は、上記各トナーコンテナの下端部を受け入れる複数の凹部が形成され且つ上記中間転写ベルトの上面を覆うように配置された上側フレーム部を有し、
上記複数の凹部のうちの一の凹部を形成する壁部には通風孔が形成されており、
上記上側フレーム部には、上記一の凹部に対して上記壁部を挟んで反対側に配置され、上記通風孔を介して上記一の凹部に連通する通風路が形成されており、
上記通風路内の空気を上記通風孔から上記一の凹部側に排出させる送風ファンをさらに備えている、画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記中間転写ユニットには、上記フレーム部材に回動可能に支持されると共に上記テンションローラーに対して上記中間転写ベルトを挟んで対向配置され、該中間転写ベルトの外周面に当接することで該外周面に付着した残トナーを除去するクリーニング部材を備え、
上記一の凹部は、上記クリーニング部材の上側に位置する凹部である画像形成装置。
【請求項3】
上記請求項1又は2記載の画像形成装置において、
上記上側フレーム部には、隣合う上記各凹部同士を連通させる連通孔が形成されている、画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
上記中間転写ユニットは、画像形成装置本体の所定箇所に着脱可能になっており、
上記通風孔は、上記中間転写ユニットの着脱に際して手の指を挿通可能に形成されている、画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
上記一の凹部は、平面視で上記中間転写ベルトの進行方向に直交するベルト幅方向に延びるように形成されており、
上記フレーム部材における上記一の凹部を形成する壁部のうち上記通風孔のベルト幅方向の両端に隣接する部分は、トナーコンテナの挿入をガイドするガイド壁部として機能する、画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
上記通風孔は、上記中間転写ベルトの進行方向に直交するベルト幅方向に延びる長孔状に形成されており、
上記通風路の上壁面における上記通風孔に隣接する部分には、上記ベルト幅方向に互いに間隔を空けて配置され、該通風路内の気流を通風孔へと案内する縦板部が形成され、
互いに隣接する上記縦板部同士の間隔は、上記通風路の内方側から上記通風孔側に向かうにしたがって増加する、画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
上記各縦板部の下端面は、上記通風孔側から上記通風路の内方側に向かって上側に湾曲している、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、中間転写ユニットを備えた画像形成装置は知られている。中間転写ユニットは、駆動ローラーとテンションローラーと両ローラーに掛け回される中間転写ベルトとをフレーム部材を介してユニット化したものである。中間転写ユニットの下側には、中間転写ベルトの進行方向に沿って並ぶ複数の画像形成ユニットが設けられている。画像形成時には、複数の画像形成ユニットにより形成された各色のトナー像が一次転写ローラーにより中間転写ベルトに順次転写される。転写されたトナー像は、二次転写ローラーにより用紙に対して一度に転写される。中間転写ベルトの上側には、各画像形成ユニットに対応する色のトナーが収容された複数のトナーコンテナが配置されている。
【0003】
ここで、画像形成装置には定着部などの種々の熱源が存在するため、この熱源からの熱によりトナーコンテナ内が暖められてトナーの凝縮が生じるという問題がある。
【0004】
この問題を解決するべく、例えば特許文献1に示す画像形成装置では、トナーコンテナと該トナーコンテナの上側に位置する排紙トレイとの間に通風路を形成し、この通風路に送風ファンで気流を発生させることで各トナーコンテナを冷却するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−66429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に示す画像形成装置では、トナーコンテナと排紙トレイとの間に通風路を確保する必要があるので、画像形成装置の高さが通風路の高さ分だけ高くなり、画像形成装置全体が大型化するという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トナーコンテナの冷却性を十分に確保しつつ画像形成装置全体を小型化しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、フレーム部材と該フレーム部材に支持された駆動ローラー及びテンションローラーと該両ローラーに掛け回される中間転写ベルトとを有する中間転写ユニットと、該中間転写ユニットの下側に配置され、上記中間転写ベルトの進行方向に沿って並ぶ複数の画像形成ユニットと、上記各画像形成ユニットのそれぞれに対応して上記中間転写ベルトの上側に設けられ、該各画像形成ユニットにトナーを供給する複数のトナーコンテナと、を備えている。
【0009】
そして、上記フレーム部材は、上記各トナーコンテナの下端部を受け入れる複数の凹部が形成され且つ上記中間転写ベルトの上面を覆うように配置された上側フレーム部を有し、上記複数の凹部のうちの一の凹部を形成する壁部には通風孔が形成されており、上記上側フレーム部には、上記一の凹部に対して上記壁部を挟んで反対側に配置され、上記通風孔を介して上記一の凹部に連通する通風路が形成されており、上記通風路内の空気を上記通風孔から上記一の凹部側に排出させる送風ファンをさらに備えている。
【0010】
この構成によれば、複数の凹部のうちの一の凹部を形成する壁部には通風孔が形成されており、送風ファンが作動することで該壁部に隣接する通風路内の空気が通風孔から上記一の凹部へと吹き出される。これにより、該一の凹部に設けられたトナーコンテナの下端部を、通風孔から吹き出される空気流によって効率良く冷却することができる。したがって、該トナーコンテナ内のトナーが熱で凝縮するのを抑制することできる。また、この通風孔を人の手の指が入る程度の大きさに形成しておくことで、通風孔の周縁部を持手部として利用することができる。したがって、中間転写ユニットのメンテナンス作業を容易に行うことができる。また、上記構成によれば、上記冷却風の通路である通風路が中間転写ユニットに一体形成されているので、画像形成装置全体を小型化することができる。
【0011】
上記中間転写ユニットには、上記フレーム部材に回動可能に支持されると共に上記テンションローラーに対して上記中間転写ベルトを挟んで対向配置され、該中間転写ベルトの外周面に当接することで該外周面に付着した残トナーを除去するクリーニング部材を備え、 上記一の凹部は、上記クリーニング部材の上側に位置する凹部であることが好ましい。
【0012】
このように、中間転写ベルトの外周面に当接するクリーニング部材を備えるようにした場合、クリーニング部材と中間転写ベルトとの当接部において摩擦熱が発生する。このため、クリーニング部材の上側に位置する凹部はこの摩擦熱によって加熱されるので、当該凹部に設けられたトナーコンテナ内のトナーが凝縮し易いという問題がある。これに対して上記構成では、摩擦熱の影響を受け易いクリーニング部材の上側の凹部が、通風孔を有する上記一の凹部とされているので、当該凹部に設けられたトナーコンテナの下端部を通風孔からの空気流により冷却することができる。したがって、該トナーコンテナ内のトナーがクリーニング部材の摩擦熱によって凝縮するのを防止することができる。
【0013】
上記上側フレーム部には、隣合う上記各凹部同士を連通させる連通孔が形成されていることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、上記通風孔から上記一の凹部に供給される空気流を、上記各連通孔を通じて他の凹部にも供給することができる。したがって、各凹部に設けられたトナーコンテナ全てを万遍なく冷却することができる。
【0015】
上記中間転写ユニットは、画像形成装置本体の所定箇所に着脱可能になっており、上記通風孔は、上記中間転写ユニットの着脱に際して手の指を挿通可能に形成されていることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、ユーザーが通風孔から通風孔内に手の指を入れて通風孔の周縁部を掴むことができる。よって、中間転写ユニットの着脱作業を容易に行うことができ、延いてはそのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0017】
上記一の凹部は、平面視で上記中間転写ベルトの進行方向に直交するベルト幅方向に延びるように形成されており、上記フレーム部材における上記一の凹部を形成する壁部のうち上記通風孔のベルト幅方向の両端に隣接する部分は、トナーコンテナの挿入をガイドするガイド壁部とされていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、通風孔のベルト幅方向の両側の壁部がトナーコンテナの挿入をガイドするガイド壁部として機能する。したがって、該トナーコンテナの挿入作業(装着作業)を容易に行うことができる。
【0019】
上記通風孔は、上記中間転写ベルトの進行方向に直交するベルト幅方向に延びる長孔状に形成されており、上記通風路の上壁面における上記通風孔に隣接する部分には、上記ベルト幅方向に互いに間隔を空けて配置され、上記通風路内の気流を通風孔へと案内する縦板部が形成され、互いに隣接する上記縦板部同士の間隔は、上記通風路の内方側から上記通風孔側に向かうにしたがって増加することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、通風路内の空気を、複数の縦板部によって通風孔に確実に案内することができる。また、この縦板部の間隔を通風孔側に向かうほど増加させるようにしたことで、ディフューザー効果によって、通風路内の空気を通風孔のベルト幅方向の全体から万遍なく吹き出させることができる。よって、トナーコンテナの下端部全体を均一に冷却することができ、トナーコンテナ内のトナーが局所的に凝縮するのを防止することができる。
【0021】
上記各縦板部の下端面は、上記通風孔側から上記通風路の内方側に向かって上側に湾曲していることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、中間転写ユニットの着脱時に、通風孔から入れた手の指を適度に曲げてその腹を各縦板部の下端面に容易に押し当てることができる。よって、中間転写ユニットの着脱作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、トナーコンテナの冷却性を十分に確保しつつ画像形成装置全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、実施形態における画像形成装置の内部構造を示す概略図である。
図2図2は、画像形成装置から上部カバー及びトナーコンテナを取外した状態を示す斜視図である。
図3図3は、中間転写ユニットを示す縦断面図である。
図4図4は、中間転写ユニットの左側端部を拡大して示す拡大断面図である。
図5図5は、中間転写ユニットを示す上側から見た平面図である。
図6図6は、図4のV部の拡大図である。
図7図7は、実施形態2を示す図4相当図である。
図8図8は、実施形態2を示す図5相当図である。
図9図9は、実施形態2を示す図6相当図である。
図10図10は、他の実施形態を示す図3相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0026】
図1は、この発明の実施形態に係る画像形成装置1の概略構成図を示す。以下の説明において、「前側」、「後側」は、画像形成装置1の前側、後側を意味し、「左側」、「右側」は、画像形成装置1を前側から見たときの左側、右側を意味する。
【0027】
上記画像形成装置1は、タンデム方式のカラープリンターであって、画像形成装置本体2と該本体2内に収容された画像形成部3とを備えている。
【0028】
この画像形成部3は、ネットワーク接続等がされたコンピューター等の外部機器から伝送されてくる画像データーに基づき画像を記録紙Pに転写形成する部署である。画像形成部3の下側には、レーザー光を照射する露光装置4が配置され、画像形成部3の上側には、中間転写ベルト5を有する中間転写ユニット30が配置されている。中間転写ユニット30の上側には、4つのトナーコンテナ50a〜50dが転写ベルト5に沿って配置されている。露光装置4の下側には、記録紙Pを貯留する用紙貯留部6が配置され、用紙貯留部6の側方には、手差し給紙部7が配置されている。中間転写ベルト5の側方上部には、記録紙Pに転写形成された画像に定着処理を施す定着部8が配置されている。符号9は、ケーシング2上部に配置され、定着部8で定着処理が施された記録紙Pを排出する用紙排出部である。
【0029】
画像形成部3は、中間転写ベルト5に沿って一列に配置された4つの画像形成ユニット10a〜10dを備えている。画像形成ユニット10aはブラックのトナー像を形成し、画像形成ユニット10bはイエローのトナー像を形成し、画像形成ユニット10cはマゼンタのトナー像を形成し、画像形成ユニット10dはシアンのトナー像を形成する。画像形成ユニット10a〜10dは、像担持体としての感光体ドラム11a〜11dを有している。各感光体ドラム11a〜11dの直下には、帯電器12a〜12dが配置され、各感光体ドラム11a〜11dの一側方には、現像装置13a〜13dが配置され、各感光体ドラム11a〜11dの直上には、一次転写ローラー14a〜14dが配置され、各感光体ドラム11の他側方には、感光体ドラム11の周面をクリーニングするクリーニング部(以下、クリーニング装置という)15a〜15dが配置されている。
【0030】
そして、各感光体ドラム11a〜11dは、帯電器12によって周面が一様に帯電され、当該帯電後の感光体ドラム11の周面に対して、上記コンピューター等から入力された画像データーに基づく各色に対応したレーザー光が露光装置4から照射され、各感光体ドラム11a〜11dの周面に静電潜像が形成される。かかる静電潜像に現像装置13から現像剤が供給されて、各感光体ドラム11a〜11dの周面に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。これらトナー像は、一次転写ローラー14に印加された転写バイアスにより中間転写ベルト5にそれぞれ重ねて転写される。
【0031】
中間転写ベルト5の上側に配置された上記4つのトナーコンテナ50a〜50dには、ぞれぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナーが収容されている。そして、各トナーコンテナ50a〜50dは、それぞれに対応する色の現像装置13にトナーを供給するように構成されている。各トナーコンテナ50a〜50dは、画像形成装置1の前後方向に長い中空状のケース体からなる。各トナーコンテナ50a〜50dは、長手方向の両端部が画像形成装置本体2に形成された係合溝2a〜2dに(図2参照)に係合することで該装置本体2に装着される。
【0032】
上記中間転写ベルト5の右側端部付近には二次転写ローラー16が設けられている。二次転写ローラー16は、定着部8の下側に中間転写ベルト5と当接した状態で配置されている。二次転写ローラー16は、用紙貯留部6又は手差し給紙部7から用紙搬送路17を搬送される記録紙Pを中間転写ベルト5との間で挟持する。二次転写ローラー16には転写バイアスが印加されており、この転写バイアスにより中間転写ベルト5上のトナー像が記録紙Pに転写される。
【0033】
定着部8は、加熱ローラー18と加圧ローラー19とを備え、これら加熱ローラー18と加圧ローラー19とにより記録紙Pを挟持して加熱及び加圧し、記録紙Pに転写されたトナー像を記録紙Pに定着させる。定着処理後の記録紙Pは、用紙排出部9に排出される。尚、図1中の符号20は、両面印刷時に定着部8から排出された記録紙Pを反転させるための反転搬送路である。
【0034】
図3に示すように、中間転写ユニット30は、金属製のフレーム部材31を有している。フレーム部材31は、一対の側方フレーム部32と上側フレーム部33とを有している。一対の側方フレーム部32は、画像形成装置1の前後方向に互いに間隔を空けて配置されている。一対の側方フレーム部32には駆動ローラー34及びテンションローラー35が回動可能に支持されている。駆動ローラー34及びテンションローラー35は、画像形成装置1の左右方向に互いに間隔を空けて配置されている。上記中間転写ベルト5は、この駆動ローラー34及びテンションローラー35に掛け回されている。フレーム部材31の左側端部には、上記中間転写ベルト5の外周面に付着した残トナーを除去するためのファーブラシ36aとクリーニングローラー36bとが支持されている。ファーブラシ36aは、テンションローラー35に対して中間転写ベルト5を挟んで対向して配置されていて、該中間転写ベルト5の外周面に当接している。クリーニングローラー36bは、周面がファーブラシ36aの周面に当接するように配置されている。そうして、クリーニングローラー36bは、ファーブラシ36aに付着したトナーを除去する。
【0035】
上記上側フレーム部33は、一対の側方フレーム部32に跨ってその上面に固定されている。上側フレーム部33は、中間転写ベルト5の上面全体を覆うように形成されている。上側フレーム部33の上面には、トナーコンテナ50a〜50dの下端部を受け入れる凹部37a〜37dが形成されている。各凹部37a〜37は、各トナーコンテナ50a〜50dの装着位置に対応して、中間転写ベルト5の進行方向に互いに間隔を空けて形成されている。各凹部37a〜37dは、平面視で中間転写ベルト5の進行方向に直交するベルト幅方向(前後方向)に延びている。各凹部37a〜37dは、ベルト幅方向から見て上側に開放している。各凹部37a〜37dは、図4に拡大して示すように、一対の側壁部38と底壁部39とによって形成されている。一対の側壁部38は、左右方向(ベルト進行方向)において対向している。右側の側壁部38は鉛直に配置されているのに対し、左側の側壁部38は、コンテナ50a〜50dの傾斜に対応して、右側に向かって下側に傾斜している。底壁部39は、一対の側壁部38の下端部同士を連結している。
【0036】
図4及び図5に示すように、最も左側に位置する凹部37dには通風孔40が設けられている。この凹部37dは、ファーブラシ36aの上側に位置している。通風孔40は、凹部37dを形成する左側の側壁部38に形成されている。この凹部37dに対し側壁部38を挟んで反対側には、中空状の通風路41が形成されている。
【0037】
上記通風孔40は、ベルト幅方向に延びる長孔状の貫通孔である。通風孔40の大きさは、例えば小指から人差し指までの四本が丁度入る程度か又はそれよりもやや大きめに設定されている。通風孔40は、左側の側壁部38におけるベルト幅方向の両端部を除く中間部の全体に亘って形成されている。この両端部(つまり側壁部38における通風孔40のベルト幅方向の両側に隣接する部分)は、トナーコンテナ50dの挿入をガイドするガイド壁部42として機能する。
【0038】
また、図6に示すように、通風孔40は、左側の側壁部38の上端部を残して形成されている。この上端部は、ユーザーが指で掴むことができる持手部43として機能する。この持手部43の先端部43aは、エッジ部分がR面取りされている。
【0039】
図4及び図5に戻って、通風路41は、通風孔40を介して凹部37dに連通している。通風孔40は、図5に示すように、前後方向(ベルト幅方向)に延びている。通風孔40は、トナーコンテナ50dの下端部の左側から下側に潜り込むように形成されている(図4参照)。通風孔40の後端は閉塞されているのに対し前端は開口している。画像形成装置本体2の前側壁の近傍には、この通風孔40の開口に対向して送風ファン60(図5参照)が配置されている。送風ファン60は、本実施形態では中間転写ユニット30とは別体で構成されていて、画像形成装置本体2に固定されている。尚、送風ファン60を中間転写ユニット30に一体化するようにしてもよい。送風ファン60は、画像形成装置本体2の前側壁に形成された吸気孔2b(図2参照)から外部の冷えた空気を吸い込んで通風孔40内に供給する。供給された空気は通風孔40から凹部37d内に吹き出される。これにより、凹部37dに設けられたトナーコンテナ50dの下端部を、通風孔40から吹き出される空気流によって効率良く冷却することができる。したがって、トナーコンテナ50d内のトナーが、画像形成装置本体2内の各種熱源からの熱で凝縮するのを抑制することができる。また上記実施形態によれば、冷却風の通路である通風路41が中間転写ユニット30に一体形成されているので、画像形成装置1全体を小型化することができる
また、上記実施形態では、通風孔40は、人の手の指(上記実施形態では小指から人指し指までの4本)が入る程度の大きさに形成されている。したがって、中間転写ユニット30の着脱作業に際して、通風孔40から例えば片手の指4本を入れて持手部43(図6参照)を掴むことで、中間転写ユニット30全体を容易に持ち上げることができる。
【0040】
しかも上記実施形態では、この持手部43の先端部43aのエッジはR面取りされているので、ユーザーは手に痛みを感じることなく持手部43を掴むことができる。
【0041】
また、上記実施形態では、中間転写ベルト5に当接するファーブラシ36aの上側に位置する凹部37dに通風孔40を形成するようにしている。
【0042】
これにより、ファーブラシ36aと中間転写ベルト5との摩擦熱によりトナーコンテナ50aの下端部が加熱されてトナーの凝縮が生じるのを確実に抑制することができる。
【0043】
また、上記実施形態では、上記凹部37dの側壁部38のうち通風孔40のベルト幅方向の両端に隣接する部分は、トナーコンテナ50dの挿入をガイドするガイド壁部42とされている。
【0044】
これによれば、トナーコンテナ50dの両端部を画像形成装置本体2の係合溝2dに挿入する際に、ガイド壁部42によってトナーコンテナ50dをガイドすることができる。よって、ユーザーによるトナーコンテナ50dの挿入作業を容易化することができる。また、トナーコンテナ50dの挿入をガイドするガイド部材を画像形成装置本体2に別途、設ける必要もないので、その分だけ製品コストを低減することができる。
【0045】
《実施形態2》
図7図9は実施形態2を示している。実施形態2は、通風路41内の空気を通風孔40へと案内する縦板部44を有する点で上記実施形態1とは異なる。尚、図4図6と同じ構成要素には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0046】
すなわち、本実施形態では、通風路41の上壁面における通風孔40に隣接する部分に複数の縦板部44が形成されている。複数の縦板部44は、通風路41の上壁面から下方に向かって鉛直に垂下している。複数の縦板部44は、前後方向(ベルト幅方向)に互いに間隔を空けて配置されている。互いに隣接する縦板部44同士の間隔は、通風路41の内方側から通風孔40側に向かうにしたがって増加している(図8参照)。
【0047】
この構成によれば、通風路41内の空気を、複数の縦板部44によって通風孔40に確実に案内することができる。したがって、通風孔40から吹き出される空気流量を十分に確保して、トナーコンテナ50dの下端部を確実に冷却することができる。また、各縦板部44の間隔が通風孔40側に向かうほど広くなっているので、ディフューザー効果によって、通風路41内の空気を通風孔40の長手方向の全体から万遍なく空気を吹き出させることができる。よって、トナーコンテナ50dの下端部全体を均一に冷却することができる。延いては、トナーコンテナ50d内のトナーが局所的に凝縮するのを防止することができる。
【0048】
ここで、図9に示すように、各縦板部44の下端面は、通風孔40側から通風路41の内方側に向かって上側に湾曲していることが好ましい。
【0049】
この構成によれば、中間転写ユニット30の着脱時に、通風孔40から入れた手の指を適度に曲げてその腹を各縦板部44の下端面に容易に押し当てることができる。よって、中間転写ユニット30の着脱作業をより一層容易に行うことができる。
【0050】
《他の実施形態》
上記実施形態では、通風孔40から吹き出される空気流は最も左側のトナーコンテナ50dにのみ吹き付けられるようになっているが、これに限ったものではない。すなわち、図10に示すように、上側フレーム部33に各凹部37a〜37d同士を連通させる連通孔45を形成するようにしてもよい。こうすることで、通風孔45より凹部37dに供給される空気流を各連通孔45を介して他の凹部37a〜37dに供給することができる(図10の黒矢印参照)。したがって、各37a〜37dに設けられたトナーコンテナ50a〜50d全てを万遍なく冷却することができる。
【0051】
上記実施形態2では、縦板部44の下端面を厚さ方向から見て下側に凸となる湾曲面状に形成しているが、これに限ったものではなく、例えば上側に凹む湾曲面状に形成してもよい。これにより、指先の腹がこの凹みにフィットして中間転写ユニット30を持ち上げ易くなる。
【0052】
また、本発明は上記各実施形態に限定されるものでなく、本発明には、これらの各実施形態を適宜組み合わせた構成が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上説明したように、本発明は、画像形成装置について有用である。
【符号の説明】
【0054】
1 画像形成装置
2 装置本体
5 中間転写ベルト
30 中間転写ユニット
31 フレーム部材
33 上側フレーム部
34 駆動ローラー
35 テンションローラー
36a ファーブラシ(クリーニング部材)
36b クリーニングローラー
37a 凹部
37b 凹部
37c 凹部
37d 凹部
38 側壁部(通風孔が形成された壁部)
40 通風孔
41 通風路
42 ガイド壁部
44 縦板部
45 連通孔
50a トナーコンテナ
50b トナーコンテナ
50c トナーコンテナ
50d トナーコンテナ
60 送風ファン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10