(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記制御手段が、上記燃料改質触媒に上記燃料を供給しないように上記燃料供給手段の作動を停止させるときに、該燃料改質触媒に上記空気を供給する上記2次空気供給手段を作動させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の燃料改質システム。
上記制御手段が、上記燃料改質触媒に上記燃料を供給するように上記燃料供給手段の作動を開始させるときに、該燃料改質触媒に上記空気を供給する上記2次空気供給手段を作動させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の燃料改質システム。
上記制御手段が、上記燃料改質触媒における水蒸気改質反応が促進されるストイキ〜リッチの雰囲気となるように該燃料改質触媒に上記空気を供給する上記2次空気供給手段を作動させる
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の燃料改質システム。
上記制御手段が、上記燃料改質触媒における上記燃料と上記空気との燃焼反応と、該燃料改質触媒における水蒸気改質反応とが促進される空間速度となるように該燃料改質触媒に該空気を供給する上記2次空気供給手段を作動させる
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の燃料改質システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一形態に係る燃料改質システムについて詳細に説明する。また、本発明の燃料改質システムは、例えば、内燃機関の排気ガス循環流路において、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムであることが好適である。そこで、本発明の一形態に係る燃料改質システムについては、内燃機関の排気ガス循環流路において、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムを例に挙げて説明する。
【0011】
(第1の形態)
まず、第1の形態に係る燃料改質システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1の形態に係る燃料改質システムの概略を示す説明図である。
【0012】
図1に示すように、本形態の燃料改質システム1Aは、内燃機関の一例である4サイクルのエンジン10と、吸気路(以下「吸気パイプ」という。)20と、排気路(以下「排気パイプ」という。)30と、改質供給流路の一例である排気ガス循環流路(以下「EGR(Exhaust Gas Recirculation)パイプ」という。)40と、制御手段の一例であるコントローラ50とを備えている。そして、エンジン10と吸気パイプ20とは、シリンダ11の燃焼室12の吸気口12aで連結されている。また、エンジン10と排気パイプ30とは、燃焼室12の排気口12bで連結されている。更に、EGRパイプ40は、排気パイプ30と吸気パイプ20とを連結している。
【0013】
また、エンジン10には、吸気口12aの開閉を行う吸気バルブ13と、排気口12bの開閉を行う排気バルブ14と、シリンダ11内で往復動するピストン15と、燃焼室12内で混合気に電気火花をとばすスパークプラグ16とが配設されている。
【0014】
更に、吸気パイプ20には、吸気口12a近傍に主燃料供給装置21が配設されており、主燃料供給装置21の吸気方向上流側に吸気パイプ20内を燃焼室12に向かって流通する空気の空気量を制御するための吸気制御バルブ22が更に配設されている。ここで、主燃料供給装置21は、燃焼室12内又は吸気パイプ20内に主燃料を噴射する機能を有するものである。
【0015】
また、排気パイプ30には、排気パイプ30内を流通する排気の排気量を制御するための排気制御バルブ31が配設されている。
【0016】
更に、EGRパイプ40には、排気ガスの流通方向(図中矢印αで示す。)の上流側から下流側に向かう方向に、2次空気供給手段の一例である2次空気噴射装置41aと、燃料供給手段の一例である改質用燃料噴射装置42と、燃料改質触媒43と、温度検出器44と、EGRクーラ45と、EGRバルブ46とが順次配設されている。EGRパイプ40は、排気パイプ30から吸気パイプ20に排気の一部を分流、すなわち還流させるためのものである。例えば、燃料改質システム1Aにおいては、燃焼室12内でストイキ燃焼させた排気の一部を排気パイプ30からEGRパイプ40に分流させ、排気に改質用燃料噴射装置42により改質用燃料を添加し、燃料改質触媒43で改質用燃料を水素を含む改質ガスに改質して、吸気パイプ20に還流することができる。
【0017】
ここで、2次空気噴射装置41aは、燃料改質触媒43での水蒸気改質反応を促進し、水素を含む改質ガスを得るためのものであって、排気中に含まれている空気だけでは不足するときに、燃料改質触媒43又はEGRパイプ40内を燃料改質触媒43に向かって流通する排気中に空気を噴射する機能を有するものである。
【0018】
また、改質用燃料噴射装置42は、燃料改質触媒43又はEGRパイプ40内を燃料改質触媒43に向かって流通する排気中に改質用燃料を噴射する機能を有するものである。なお、改質用燃料は、上記主燃料と同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0019】
更に、燃料改質触媒43は、改質用燃料と排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する機能を有するものである。なお、通常、排気は熱や水分を含むため、改質用燃料を添加することにより、燃料改質触媒は、水蒸気改質反応を促進して、水素を含む改質ガスを生成する。特に、2次空気噴射手段により空気を更に添加すると、燃料と空気との燃料反応が生じ、水蒸気改質反応が更に促進される。
【0020】
また、温度検出器44は、燃料改質触媒の出口側温度を測定する機能を有するものである。なお、熱電対型温度計など従来公知の温度検出器を適用することができる。
【0021】
更に、EGRクーラ45は、排気や改質ガスを冷却する機能を有するものである。
【0022】
また、EGRバルブ46は、排気や改質ガスの流量を制御する機能を有するものである。
【0023】
更に、中央演算処理装置(CPU)やインターフェース回路等からなるコントローラ50は、主燃料供給装置21や吸気制御バルブ22、排気制御バルブ31、2次空気噴射装置41a、改質用燃料噴射装置42、温度検出器44、EGRバルブ46と接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これらを適宜作動させるようになっている。また、コントローラ50は、吸気バルブ13や排気バルブ14、ピストン15などの制御部(図示せず。)と接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これらを適宜作動させるようになっていてもよい。
【0024】
そして、本形態の燃料改質システム1Aにおいては、コントローラ50が、燃料改質触媒43に燃料及び空気を供給する改質用燃料噴射装置42及び2次空気噴射装置41aを作動させる。これにより、燃料及び空気が燃焼反応して温度が高くなるため、燃料改質触媒43における水蒸気改質反応が促進され、雰囲気中の改質ガス濃度が高くなる。この結果、燃料改質触媒43に吸着した硫黄成分の脱離を促進することができる。また、燃料改質触媒の性能低下や性能劣化を検知する手段を必須の構成とすることなく、燃料改質触媒を再生することが可能であるため、車載システムが簡素化されるという副次的な利点もある。
【0025】
また、本形態の燃料改質システム1Aにおいては、例えば、コントローラ50が、予備実験などにより予め取得してある燃料改質触媒43における水蒸気改質反応が促進される燃料改質触媒43の出口側温度と、実際に温度検出器44から入力される燃料改質触媒43の出口側温度とを対比して、温度検出器44から入力される燃料改質触媒43の出口側温度が燃料改質触媒43における水蒸気改質反応が促進される燃料改質触媒43の出口側温度に達していると判断したときに、燃料改質触媒43に空気を供給する2次空気噴射装置41aを作動させることが好適である。これは、燃料改質触媒の出口側温度が、水蒸気改質反応により水素生成可能でない温度であるときに、2次空気を供給しても、硫黄成分の脱離促進に必要な水素を含む改質ガスが得られず、硫黄成分の脱離促進効果が十分に得られないことがあるからである。一方、燃料改質触媒の出口側温度が、水蒸気改質反応により水素生成可能である温度に達しているときに、2次空気を供給すれば、硫黄成分の脱離促進に必要な水素を含む改質ガスが得られ、硫黄成分の脱離促進効果が十分に得られる。
【0026】
更に、本形態の燃料改質システム1Aにおいては、例えば、コントローラ50が、燃料改質触媒43に燃料を供給しないように改質用燃料噴射装置42の作動を停止させるときに、燃料改質触媒43に空気を供給する2次空気噴射装置41aを作動させることが好適である。つまり、改質用燃料噴射装置の作動を停止させるときは燃料改質が直前まで行われているので、燃料改質触媒の出口側温度が水蒸気改質反応が進行する温度にまで達している。この状態において、2次空気を供給すると、燃料改質中に燃料改質触媒に吸着した硫黄成分の脱離を適時に行うことができる。また、燃料改質を停止するときに、燃料改質触媒に吸着した硫黄成分を脱離しておくことにより、次回の燃料改質を開始するときに、速やかに改質可能な状態となる。
【0027】
また、本形態の燃料改質システム1Aにおいては、例えば、コントローラ50が、燃料改質触媒43に燃料を供給するように改質用燃料噴射装置42の作動を開始させるときに、燃料改質触媒43に空気を供給する2次空気噴射装置41aを作動させることが好適である。通常、本形態の燃料改質システムにおいては、改質用燃料噴射装置の作動を開始させるときは、燃料改質触媒の出口側温度が水蒸気改質反応が進行する温度にまで達している。この状態において、2次空気を供給すると、燃料改質中に燃料改質触媒に吸着した硫黄成分の脱離を適時に行うことができる。改質反応が直前まで行われていない場合であっても、EGRパイプ内に排気を循環させる場合があり、その際、燃料改質触媒に硫黄成分が吸着することがある。また、燃料改質を開始するときに、燃料改質触媒に吸着した硫黄成分を脱離しておくことにより、速やかに改質可能な状態となり、更に燃料改質触媒の劣化を抑制することもできる。
【0028】
更に、本形態の燃料改質システム1Aにおいては、例えば、コントローラ50が、燃料改質触媒における水蒸気改質反応が促進されるストイキ〜リッチの雰囲気となるように燃料改質触媒に空気を供給する2次空気噴射装置41aを作動させることが好適である。リーンの雰囲気では、所望の水素を含む改質ガスを得ることが困難な場合があるからである。ストイキ〜リッチの雰囲気としては、具体的には、2次空気噴射装置により供給される空気中の酸素(O
2)のモル数と、改質用燃料噴射装置により供給される改質用燃料中の炭素(C)のモル数の比(O
2/C)が、0.3〜1.5であることが好ましい。
【0029】
また、本形態の燃料改質システム1Aにおいては、例えば、コントローラ50が、燃料改質触媒における燃料と空気との燃焼反応と、燃料改質触媒における水蒸気改質反応とが促進される空間速度となるように燃料改質触媒に空気を供給する2次空気噴射装置41aを作動させることが好適である。空間速度が高すぎる、すなわち空気の供給量が多すぎると、所望の水素を含む改質ガスを得ることが困難な場合があるからである。
【0030】
特に限定されるものではないが、上述した温度、雰囲気及び空間速度とすることにより、燃料改質触媒に吸着した硫黄成分の脱離をより促進することができる。
【0031】
ここで、本形態の燃料改質システムにおける制御フローについて図面を用いて説明する。
図2は、本形態の燃料改質システムにおける制御フローの一例を示すフロー図である(
図1参照。)。
【0032】
例えば、燃料改質を行っているときに、制御フローを開始する。
【0033】
図2に示すように、ステップ1(図中では「S1」と記載する。また、以下の記載においても同様である。)においては、燃料改質触媒43の出口側温度がX℃以上であるか否かを判断する。S1において燃料改質触媒43の出口側温度がX℃以上であると判断した場合には、S2に進む。一方、S1において燃料改質触媒43の出口側温度がX℃以上でないと判断した場合には、S1に戻る。なお、本発明において「X℃」とは、燃料改質触媒における水蒸気改質反応が促進される出口側温度を意味する。
【0034】
S2においては、2次空気噴射装置41aの作動を開始させて、S3に進む。
【0035】
S3においては、改質用燃料噴射装置42における改質用燃料の供給量を調整させて、S4に進む。
【0036】
S4においては、2次空気噴射装置41aにより供給された空気中の酸素(O
2)のモル数と改質用燃料噴射装置42により供給された改質用燃料中の炭素(C)のモル数との比(O
2/C)がY以上Z以下であるか否かを判断する。S4において(O
2/C)がY以上Z以下である場合には、S5に進む。一方、S4において(O
2/C)がY以上Z以下でない場合には、S3に戻る。なお、本発明において「O
2/CがY以上Z以下である」とは、燃料改質触媒における水蒸気改質反応が促進される雰囲気を意味する。
【0037】
S5においては、生成した改質ガスにより、燃料改質触媒43に吸着した硫黄成分の脱離をさせて、S6に進む。
【0038】
S6においては、改質用燃料噴射装置42における改質用燃料の供給量を所定供給量に調整させて、S7に進む。なお、本発明において「所定供給量」とは、通常、燃料改質触媒において水素を含む改質ガスを生成する際に供給される改質用燃料の供給量を意味する。
【0039】
S7においては、2次空気噴射装置41aの作動を停止させて、制御フローを終了する。
【0040】
また、
図3は、本形態の燃料改質システムにおける制御フローの他の一例を示すフロー図である(
図1参照。)。
【0041】
例えば、燃料改質を終了しようとするときに、制御フローを開始する。
【0042】
S11においては、改質用燃料噴射装置42の作動を停止するか否かを判断する。S11において改質用燃料噴射装置42の作動を停止すると判断した場合には、S12に進む。一方、S11において改質用燃料噴射装置42の作動を停止しないと判断した場合には、S11に戻る。
【0043】
S12においては、燃料改質触媒43の出口側温度がX℃以上であるか否かを判断する。S12において燃料改質触媒の出口側温度がX℃以上であると判断した場合には、S13に進む。一方、S12において燃料改質触媒の出口側温度がX℃以上でないと判断した場合には、S12に戻る。
【0044】
S13においては、2次空気噴射装置41aの作動を開始させて、S14に進む。
【0045】
S14においては、改質用燃料噴射装置42における改質用燃料の供給量を調整させて、S15に進む。
【0046】
S15においては、2次空気噴射装置41aにより供給された空気中の酸素(O
2)のモル数と改質用燃料噴射装置42により供給された改質用燃料中の炭素(C)のモル数との比(O
2/C)がY以上Z以下であるか否かを判断する。S15において(O
2/C)がY以上Z以下である場合には、S16に進む。一方、S15において(O
2/C)がY以上Z以下でない場合には、S14に戻る。
【0047】
S16においては、生成した改質ガスにより、燃料改質触媒43に吸着した硫黄成分の脱離をさせて、S17に進む。
【0048】
S17においては、改質用燃料噴射装置42の作動を停止させて、S18に進む。
【0049】
S18においては、2次空気噴射装置41aの作動を停止させて、制御フローを終了する。
【0050】
また、
図4は、本形態の燃料改質システムにおける制御フローの他の一例を示すフロー図である(
図1参照。)。
【0051】
例えば、燃料改質を開始しようとするときに、制御フローを開始する。
【0052】
S21においては、改質用燃料噴射装置42の作動を開始するか否かを判断する。S21において改質用燃料噴射装置42の作動を開始すると判断した場合には、S22に進む。一方、S21において改質用燃料噴射装置42の作動を開始しないと判断した場合には、S21に戻る。
【0053】
S22においては、燃料改質触媒43の出口側温度がX℃以上であるか否かを判断する。S22において燃料改質触媒の出口側温度がX℃以上であると判断した場合には、S23に進む。一方、S22において燃料改質触媒の出口側温度がX℃以上でないと判断した場合には、S22に戻る。
【0054】
S23においては、2次空気噴射装置41aの作動を開始させて、S24に進む。
【0055】
S24においては、改質用燃料噴射装置42における改質用燃料の供給量を調整させて、S25に進む。
【0056】
S25においては、2次空気噴射装置41aにより供給された空気中の酸素(O
2)のモル数と改質用燃料噴射装置42により供給された改質用燃料中の炭素(C)のモル数との比(O
2/C)がY以上Z以下であるか否かを判断する。S25において(O
2/C)がY以上Z以下である場合には、S26に進む。一方、S25において(O
2/C)がY以上Z以下でない場合には、S24に戻る。
【0057】
S26においては、生成した改質ガスにより、燃料改質触媒43に吸着した硫黄成分の脱離をさせて、S27に進む。
【0058】
S27においては、改質用燃料噴射装置42における改質用燃料の供給量を所定供給量に調整させて、S28に進む。
【0059】
S28においては、2次空気噴射装置41aの作動を停止させて、制御フローを終了する。
【0060】
(第2の形態)
次に、第2の形態に係る燃料改質システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。
図5は、第2の形態に係る燃料改質システムの概略を示す説明図である。なお、上記形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略する。
【0061】
図5に示すように、本形態の燃料改質システム1Bは、EGRパイプ40に、排気ガスの流通方向(図中矢印αで示す。)上流側から下流側に向かう方向に、2次空気供給手段の一例であるリード弁41bと、燃料供給手段の一例である改質用燃料噴射装置42と、燃料改質触媒43と、温度検出器44と、EGRクーラ45と、EGRバルブ46とが順次配設されている構成が、上記形態に係る燃料改質システムと相違している。
【0062】
また、本形態の燃料改質システム1Bにおいては、2次空気噴射装置の代わりに配設されたリード弁41bが、コントローラ50と接続されていないという構成が、上記形態に係る燃料改質システムと相違している。
【0063】
なお、本形態の燃料改質システム1Bにおいては、コントローラ50が、主燃料供給装置21や吸気制御バルブ22、排気制御バルブ31、改質用燃料噴射装置42、温度検出器44、EGRクーラ45、EGRバルブ46と接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これらを適宜作動させるようになっている。また、コントローラ50は、吸気バルブ13や排気バルブ14、ピストン15などの制御部(図示せず。)と接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これらを適宜作動させるようになっていてもよい。
【0064】
ここで、リード弁41bは、圧力差に応じて一方向にのみガスを流すことができるものであり、EGRパイプにおける圧力が所定値より低下したときに外部の空気を取り込む機能を有するものであれば、特に限定されることなく適用することができる。このようなリード弁は、取り込む空気量が、リード弁の径と圧力に依存するので、圧力に応じて、改質用燃料噴射装置により供給される改質用燃料の供給量を調整すると、上述した(O
2/C)の値を好ましい範囲内に調整しやすいという利点がある。従って、予備実験などにより予めリード弁により取り込まれる空気量を把握しておくことにより、それに応じた改質用燃料を供給すればよいことになる。また、このようなリード弁は、特別な制御をする必要がないという利点もある。更に、上記所定値は、適用されるエンジンを用いた予備実験などで適宜設定することができる。更に、本発明においては、圧力が所定値より低下する制御に連動させるようにしてもよい。
【0065】
そして、本形態の燃料改質システム1Bにおいては、EGRパイプ40内の圧力を低下させる圧力低下手段により、EGRパイプ40内の圧力を低くする。これにより、EGRパイプ40にリード弁41bによって外部の空気が取り込まれ、燃料及び空気が燃焼反応して温度が高くなるため、燃料改質触媒43における水蒸気改質反応が促進され、雰囲気中の改質ガス濃度が高くなる。この結果、燃料改質触媒43に吸着した硫黄成分の脱離を促進することができる。また、燃料改質触媒の性能低下や性能劣化を検知する手段を必須の構成とすることなく、燃料改質触媒を再生することが可能であるため、車載システムが簡素化されるという副次的な利点もある。
【0066】
上記圧力低下手段は、燃料改質システム1Bにおいて生じる様々な負圧を利用するものを適用すればよいため、特に限定されるものではない。
【0067】
例えば、EGRクーラ45と、コントローラ50とを協働させることにより、上述した圧力低下手段として機能させることができる。具体的には、EGRクーラ45によってEGRパイプにおける下流側領域の排気や改質ガスを冷却することにより、下流側領域の圧力を低下させることができ、EGRパイプ内の圧力が低くなる。この結果、EGRパイプ40にリード弁41bによって外部の空気が取り込まれる。
【0068】
また、例えば、主燃料供給装置21と、改質用燃料噴射装置42と、吸気バルブ13や排気バルブ14、ピストン15などの制御部と、コントローラ50とを協働させることにより、上述した圧力低下手段として機能させることができる。具体的には、改質用燃料噴射装置42が作動しているときに、エンジン10の全部又は一部の主燃料供給装置21を停止したシリンダ11を利用すればよい。つまり、このシリンダ11の排気バルブ14を開状態とし、吸気バルブ13を閉状態とし、更にピストン15を上死点から下死点に向かう方向に移動させることにより、EGRパイプの上流側領域の圧力を低下させることができ、EGRパイプ内の圧力が低くなる。この結果、EGRパイプ40にリード弁41bによって外部の空気が取り込まれる。なお、ピストン15を連続的に往復動させてもよいことは言うまでもない。
【0069】
ここで、本形態の燃料改質システムにおける制御フローについて図面を用いて説明する。
図6は、本形態の燃料改質システムにおける制御フローの一例を示すフロー図である(
図5参照。)。
【0070】
例えば、燃料改質を行っているときに、制御フローを開始する。
【0071】
図6に示すように、S31においては、改質用燃料噴射装置42が作動しているか否かを判断する。S31において改質用燃料噴射装置42が作動していると判断した場合には、S32に進む。一方、S31において改質用燃料噴射装置42が作動していないと判断した場合には、S31に戻る。
【0072】
S32においては、改質供給流路の一例であるEGRパイプ40内の圧力が低下しているか否かを判断する。EGRパイプ40内の圧力が低下していると判断した場合には、S33に進む。一方、S32においてEGRパイプ40内の圧力が低下していないと判断した場合には、S32に戻る。
【0073】
S33においては、リード弁41bの作動が開始され、外部の空気を取り込み、S34に進む。
【0074】
S34においては、生成した改質ガスにより、燃料改質触媒43に吸着した硫黄成分の脱離をさせて、制御フローを終了する。
【0075】
(第3の形態)
次に、第3の形態に係る燃料改質システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。
図7は、第3の形態に係る燃料改質システムの概略を示す説明図である。なお、上記形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略する。
【0076】
図7に示すように、本形態の燃料改質システム1Cは、EGRパイプ40に、排気ガスの流通方向(図中矢印αで示す。)上流側から下流側に向かう方向に、2次空気供給手段の一例である2次空気噴射装置41aと、燃料供給手段の一例である改質用燃料噴射装置42と、燃料改質触媒43と、温度検出器44と、EGRクーラ45と、劣化度合い検知手段の一例である水素濃度検出器47と、EGRバルブ46とが順次配設されている構成が、上記形態に係る燃料改質システムと相違している。
【0077】
また、本形態の燃料改質システム1Cにおいては、コントローラ50が、主燃料供給装置21や吸気制御バルブ22、排気制御バルブ31、2次空気噴射装置41a、改質用燃料噴射装置42、温度検出器44、EGRバルブ46、水素濃度検出器47と接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これらを適宜作動させるようになっている構成が、上記形態に係る燃料改質システムと相違している。また、コントローラ50は、吸気バルブ13や排気バルブ14、ピストン15などの制御部(図示せず。)と接続され、制御に関する信号の入出力を行い、所定のプログラムの実行により、これらを適宜作動させるようになっていてもよい。
【0078】
ここで、水素濃度検出器47は、EGRパイプにおける燃料改質触媒より下流側領域の水素濃度を検出する機能を有するものであれば、特に限定されることなく適用することができる。
【0079】
そして、本形態の燃料改質システム1Cにおいては、コントローラ50が、燃料改質触媒43に燃料及び空気を供給する改質用燃料噴射装置42及び2次空気噴射装置41aを作動させ、更に、予め取得してある2次空気供給手段の2次空気供給量と燃料改質触媒の劣化回復度合いとの関係を示す2次空気供給量−劣化回復度合いマップデータと劣化度合い検知手段からの入力に応じて、燃料改質触媒の劣化度合いを回復するための2次空気供給量の空気を供給するように燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段を作動させる。これにより、燃料及び空気が燃焼反応して温度が高くなるため、燃料改質触媒43における水蒸気改質反応が促進され、雰囲気中の改質ガス濃度が高くなる。この結果、燃料改質触媒43に吸着した硫黄成分の脱離をより促進することができる。なお、コントローラ50が、水素濃度検出器47からの入力によって劣化回復が十分でないと判断した場合には、この操作を繰り返すことができる。この結果、燃料改質触媒43に吸着した硫黄成分の脱離を十分に行うことができる。
【0080】
ここで、本形態の燃料改質システムにおける制御フローについて図面を用いて説明する。
図8は、本形態の燃料改質システムにおける制御フローの一例を示すフロー図である(
図7参照。)。
【0081】
例えば、燃料改質を行っているときに、制御フローを開始する。
【0082】
図8に示すように、S41においては、燃料改質触媒43の出口側温度がX℃以上であるか否かを判断する。S41において燃料改質触媒43の出口側温度がX℃以上であると判断した場合には、S42に進む。一方、S41において燃料改質触媒43の出口側温度がX℃以上でないと判断した場合には、S41に戻る。
【0083】
S42においては、2次空気噴射装置41aの作動を開始させて、S43に進む。
【0084】
S43においては、改質用燃料噴射装置42における改質用燃料の供給量を調整させて、S44に進む。
【0085】
S44においては、2次空気噴射装置41aにより供給された空気中の酸素(O
2)のモル数と改質用燃料噴射装置42により供給された改質用燃料中の炭素(C)のモル数との比(O
2/C)がY以上Z以下であるか否かを判断する。S44において(O
2/C)がY以上Z以下である場合には、S45に進む。一方、S44において(O
2/C)がY以上Z以下でない場合には、S43に戻る。
【0086】
S45においては、生成した改質ガスにより、燃料改質触媒43に吸着した硫黄成分の脱離をさせて、S46に進む。
【0087】
S46においては、水素濃度検出器47からの入力に応じて、燃料改質触媒43の劣化が回復したか否かを判断する。S46において、燃料改質触媒43の劣化が回復していると判断した場合には、S47に進む。一方、燃料改質触媒43の劣化が回復していないと判断した場合には、S43に戻る。
【0088】
S47においては、改質用燃料噴射装置42における改質用燃料の供給量を所定供給量に調整させて、S48に進む。
【0089】
S48においては、2次空気噴射装置41aの作動を停止させて、制御フローを終了する。
【0090】
また、
図9は、第1又は第3の形態に係る燃料改質システムにおける性能変化率を示すグラフ図である。
図9に示すように、2次空気の供給がない場合(図中において実線で示す。)には、改質燃料や排気中の硫黄成分が燃料改質触媒に吸着することによる影響を受けるため、燃料改質触媒における水素生成能の低下が著しい。また、
図9に示すように、例えば、第1の形態に係る燃料改質システムにおいて2次空気の供給をした場合(図中において一点鎖線で示す。)には、燃料改質触媒に吸着した硫黄成分の脱離が促進され、ある程度の性能変化率を示す。また、
図9に示すように、第3の形態に係る燃料改質システムにおいて2次空気の供給をした場合(図中において二点鎖線で示す。)には、劣化度合いに応じて2次空気を供給するため、劣化度合いに応じて、温度や雰囲気、空間速度を調整したり、再生制御を繰り返すことなどにより、燃料改質触媒に吸着した硫黄成分の脱離が促進され、高い性能変化率を示す。
【0091】
本発明においては、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、改質供給流路と、改質供給流路に配設される燃料改質触媒と、改質供給流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、改質供給流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段と、燃料供給手段及び2次空気供給手段を制御する制御手段とを備え、制御手段が、燃料改質触媒に燃料及び空気を供給する燃料供給手段及び2次空気供給手段を作動させ、燃料及び空気を燃焼反応させ、燃料改質触媒における水蒸気改質反応を促進させる構成とした。そのため、燃料改質触媒の劣化を抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る燃料改質システムを提供することができる。
【0092】
また、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段と、燃料供給手段及び2次空気供給手段を制御する制御手段とを備え、制御手段が、燃料改質触媒に燃料及び空気を供給する燃料供給手段及び2次空気供給手段を作動させ、燃料及び空気を燃焼反応させ、燃料改質触媒における水蒸気改質反応を促進させる構成であることが好適である。これにより、燃料改質触媒の劣化を抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
【0093】
更に、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段と、燃料供給手段及び2次空気供給手段を制御する制御手段と、燃料改質触媒の出口側温度を測定する温度検出器とを備え、制御手段が、燃料改質触媒に燃料及び空気を供給する燃料供給手段及び2次空気供給手段を作動させ、燃料及び空気を燃焼反応させ、燃料改質触媒における水蒸気改質反応を促進させる構成であって、更に、予め取得してある燃料改質触媒における水蒸気改質反応が促進される燃料改質触媒の出口側温度と、温度検出器から入力される燃料改質触媒の出口側温度とを対比して、温度検出器から入力される燃料改質触媒の出口側温度が燃料改質触媒における水蒸気改質反応が促進される燃料改質触媒の出口側温度に達していると判断したときに、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段を作動させる構成であることが好適である。これにより、燃料改質触媒の劣化を効率的に抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
【0094】
また、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段と、燃料供給手段及び2次空気供給手段を制御する制御手段とを備え、制御手段が、燃料改質触媒に燃料及び空気を供給する燃料供給手段及び2次空気供給手段を作動させ、燃料及び空気を燃焼反応させ、燃料改質触媒における水蒸気改質反応を促進させる構成であって、更に、燃料改質触媒に燃料を供給しないように燃料供給手段の作動を停止させるときに、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段を作動させる構成であることが好適である。これにより、燃料改質を行っていないときに触媒の性能を回復させることができるため、燃料改質触媒の劣化を適時抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
【0095】
更に、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段と、燃料供給手段及び2次空気供給手段を制御する制御手段とを備え、制御手段が、燃料改質触媒に燃料及び空気を供給する燃料供給手段及び2次空気供給手段を作動させ、燃料及び空気を燃焼反応させ、燃料改質触媒における水蒸気改質反応を促進させる構成であって、更に、燃料改質触媒に燃料を供給するように燃料供給手段の作動を開始させるときに、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段を作動させる構成であることが好適である。これにより、燃料改質を行っていないときに触媒の性能を回復させることができるため、燃料改質触媒の劣化を適時抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
【0096】
また、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段と、燃料供給手段及び2次空気供給手段を制御する制御手段とを備え、制御手段が、燃料改質触媒に燃料及び空気を供給する燃料供給手段及び2次空気供給手段を作動させ、燃料及び空気を燃焼反応させ、燃料改質触媒における水蒸気改質反応を促進させる構成であって、更に、燃料改質触媒における水蒸気改質反応が促進されるストイキ〜リッチの雰囲気となるように燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段を作動させる構成であることが好適である。これにより、燃料改質触媒の劣化を効率的に抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
【0097】
更に、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段と、燃料供給手段及び2次空気供給手段を制御する制御手段とを備え、制御手段が、燃料改質触媒に燃料及び空気を供給する燃料供給手段及び2次空気供給手段を作動させ、燃料及び空気を燃焼反応させ、燃料改質触媒における水蒸気改質反応を促進させる構成であって、更に、燃料改質触媒における燃料と空気との燃焼反応と、燃料改質触媒における水蒸気改質反応とが促進される空間速度となるように燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段を作動させる構成であることが好適である。これにより、燃料改質触媒の劣化を効率的に抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
【0098】
また、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段としてのリード弁と、燃料供給手段及び2次空気供給手段を制御する制御手段と備え、制御手段が、燃料改質触媒に燃料及び空気を供給する燃料供給手段及び2次空気供給手段を作動させ、燃料及び空気を燃焼反応させ、燃料改質触媒における水蒸気改質反応を促進させる構成であって、更に、リード弁が外部の空気を取り込んで燃料改質触媒に空気を供給するように改質供給流路内の圧力を低下させる構成であることが好適である。これにより、燃料改質システムにおいて簡易な構成からなる圧力低下手段を機能させて、燃料改質触媒の劣化を抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。また、構成が簡易であるためコスト増を免れることができるという利点もある。
【0099】
更に、本発明においては、内燃機関の燃料と内燃機関の排気の少なくとも一部とを反応させ、燃料を改質して水素を含む改質ガスを生成する燃料改質システムにおいて、内燃機関の排気ガス循環流路と、排気ガス循環流路に配設される燃料改質触媒と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に燃料を供給する燃料供給手段と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より上流側に配設され、燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段と、燃料供給手段及び2次空気供給手段を制御する制御手段と、排気ガス循環流路における燃料改質触媒より下流側に配設され、燃料改質触媒の劣化度合いを検知する劣化度合い検知手段とを備え、制御手段が、燃料改質触媒に燃料及び空気を供給する燃料供給手段及び2次空気供給手段を作動させ、燃料及び空気を燃焼反応させ、燃料改質触媒における水蒸気改質反応を促進させる構成であって、更に、予め取得してある2次空気供給手段の2次空気供給量と燃料改質触媒の劣化回復度合いとの関係を示す2次空気供給量−劣化回復度合いマップデータと劣化度合い検知手段からの入力に応じて、燃料改質触媒の劣化度合いを回復するための2次空気供給量の空気を供給するように燃料改質触媒に空気を供給する2次空気供給手段を作動させる構成であることが好適である。これにより、燃料改質触媒の劣化を効率的に抑制しながら、優れた燃費改善を実現し得る内燃機関の燃料改質システムを提供することができる。
【0100】
以上、本発明を若干の形態によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0101】
すなわち、上述した各形態の燃料改質システムに記載した構成は、各形態毎に限定されるものではなく、例えば、各形態の構成を上述した各形態以外の組み合わせにしたり、構成の細部を変更したりすることができる。
【0102】
また、例えば、上述した各形態においては、燃料供給対象や排気回収対象として内燃機関を例示したが、これに限定されるものではなく、燃料電池などについても適用することができる。