(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222516
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】ベッド装置
(51)【国際特許分類】
A47C 19/02 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
A47C19/02 A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-177770(P2013-177770)
(22)【出願日】2013年8月29日
(65)【公開番号】特開2015-43916(P2015-43916A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 賢
(72)【発明者】
【氏名】内田 悠歩
(72)【発明者】
【氏名】浜島 文男
【審査官】
古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2008/106537(WO,A1)
【文献】
実開平02−059685(JP,U)
【文献】
実開平04−058173(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3159241(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝床部を有するベッド本体部と、
前記ベッド本体部の頭部側に位置する宮部と、を備え、
前記宮部は、少なくとも前記寝床部側に開口する隙間を形成するように上下方向で対向して配置される天板および地板を有する宮本体部と、前記宮本体部の前記寝床部側で前記天板及び前記地板の間に配置され、前記宮部の幅方向における前記隙間の両側にそれぞれ独立して着脱可能な二つの化粧部と、を備え、
前記宮部は、前記寝床部側であって二つの前記化粧部同士の間に形成される開口を有し、且つ前記化粧部の前記寝床部の反対側、前記天板、及び前記地板で形成されるスペースが前記化粧部同士の間に形成される開口に連通している、ベッド装置。
【請求項2】
寝床部を有するベッド本体部と、
前記ベッド本体部の頭部側に位置する宮部と、を備え、
前記宮部は、少なくとも前記寝床部側に開口する隙間を形成するように上下方向で対向して配置される天板および地板を有する宮本体部と、前記宮本体部に対して独立して着脱可能な二つの化粧部と、を備えるとともに、前記宮部の幅方向における前記開口の両側を塞ぐ位置に二つの前記化粧部がそれぞれ取り付けされた状態で、前記寝床部側であって二つの前記化粧部同士の間に形成される開口を有する、ベッド装置。
【請求項3】
もう一つ前記ベッド装置を並べて当接するように配設した場合、
前記天板は、隣接する前記ベッド装置の前記天板とほぼ隙間なく当接できる形状をもつ、請求項1又は2に記載のベッド装置。
【請求項4】
前記化粧部および前記宮本体部はそれぞれマグネットを有し、前記化粧部は前記マグネットによって前記宮本体部に着脱可能である、請求項1〜3の何れか1項に記載のベッド装置。
【請求項5】
前記化粧部および前記宮本体部は、前記宮本体部に装着されている前記化粧部の幅方向の相対移動を規制する係合部および被係合部を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載のベッド装置。
【請求項6】
前記宮本体部の前記マグネットは前記宮本体部に埋め込まれており、前記宮本体部は前記マグネットを覆い隠す隠覆部材を有する、請求項4に記載のベッド装置。
【請求項7】
前記宮部は前記天板と前記地板との間で前記寝床部側よりも奥側に位置する背板を有し、
前記地板の前記天板側の面、前記背板の前記開口側の面、および前記隠覆部材は同色である、請求項6に記載のベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド装置に関し、特に頭部側にキャビネット(宮)を備えたベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ベッド装置は、上面にマットレスや布団が載置されるベッド本体を有する。このベッド本体の長手方向一端(頭部側)にはヘッドボードが設けられたり、他端にはフット−ボードが設けられたりする。ベッド装置の利用者は枕元に小物類を置きたい場合がある。そこで、ヘッドボードに代えてキャビネット(宮)を置き、このキャビネットの内部空間を小物類などの置き場所として利用できる、キャビネット付きのベッド装置がある。
【0003】
例えば、特許文献1にはキャビネット付きのベッド装置が開示されており、キャビネットが分解組み立て可能である。また、非特許文献1にはキャビネットの両側に扉を有した収納スペースを備えたベッド装置が開示されている。
【0004】
ところで、特許文献1のベッド装置も非特許文献1のベッド装置も二台を当接するように並べて設置した場合、キャビネットの構成がそれぞれ独立しており、大きなサイズの一台のベッド装置に見えにくい。また、特許文献1のベッド装置は、キャビネットの構成として、それぞれのベッド装置に天板や照明や棚の開口部があるため、部屋が煩雑に見える。キャビネットを分解することができるが連結金具などが使用されており、取り外すのは手間がかかり、構成を簡単に変更できない。そして、非特許文献1のベッド装置はキャビネットを取り外しができず、例え収納スペースの扉を外したとしても収納スペースを区切る仕切り板は残るため、垂直方向の要素が多く、部屋が煩雑に見える。更に、非特許文献1のベッド装置は収納扉のヒンジ付近には手が入りにくいため、キャビネットの掃除がし難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−336084号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“収納付きベッド|Alloys(アロイス)日本製フレーム引き出し付きベッド(シングル)”、[online]、株式会社 イーナ(家具350事業部)、[平成25年8月1日検索]、インターネット<URL:http://kagu350.com//goods/g7077.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、一台で使用する場合や二台を当接するように並べて使用する場合などでキャビネットの構成を変更できるベッド装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するための発明の構成上の特徴は、寝床部を有するベッド本体部と、
前記ベッド本体部の頭部側に位置する宮部と、を備え、
前記宮部は、少なくとも前記寝床部側に開口する隙間を形成するように上下方向で対向して配置される天板および地
板を有する宮本体部と、
前記宮本体部の前記寝床部側で前記天板及び前記地板の間に配置され、前記宮部の幅方向
における前記隙間の両
側にそれぞれ独立し
て着脱可能な
二つの化粧部と、を備え
、
前記宮部は、前記寝床部側であって二つの前記化粧部同士の間に形成される開口を有し、且つ前記化粧部の前記寝床部の反対側、前記天板、及び前記地板で形成されるスペースが前記化粧部同士の間に形成される開口に連通していることである。
(2)上記課題を解決するための発明の構成上の特徴は、寝床部を有するベッド本体部と、
前記ベッド本体部の頭部側に位置する宮部と、を備え、
前記宮部は、少なくとも前記寝床部側に開口する隙間を形成するように上下方向で対向して配置される天板および地板を有する宮本体部と、前記宮本体部に対して独立して着脱可能な二つの化粧部と、を備えるとともに、前記宮部の幅方向における前記開口の両側を塞ぐ位置に二つの前記化粧部がそれぞれ取り付けされた状態で、前記寝床部側であって二つの前記化粧部同士の間に形成される開口を有することである。
【0009】
なお、頭部側とは利用者がベッド装置を使用する際、横になったときに利用者の頭が位置する側である。
【0010】
上記(1)
又は(2)の発明は以下に記す(
3)〜(
5)の構成のうちの1つ以上を任意に加えて採用できる。
【0011】
(
3)もう一つ前記ベッド装置を並べて当接するように配設した場合、
前記天板は、隣接する前記ベッド装置の前記天板とほぼ隙間なく当接できる形状をもつ。
【0012】
(
4)前記化粧部および前記宮本体部はそれぞれマグネットを有し、前記化粧部は前記マグネットによって前記宮本体部に着脱可能である。
【0013】
(
5)前記化粧部および前記宮本体部は、前記宮本体部に装着されている前記化粧部の幅方向の相対移動を規制する係合部および被係合部を有する。
【0014】
(
6)
上記(4)の発明において、前記宮本体部の前記マグネットは前記宮本体部に埋め込まれており、前記宮本体部は前記マグネットを覆い隠す隠覆部材を有する。
【0015】
(
7)
上記(6)の発明において、前記宮部は前記天板と前記地板との間で前記寝床部側よりも奥側に位置する背板を有し、前記地板の前記天板側の面、前記背板の前記開口側の面、および前記隠覆部材は同色である。
【発明の効果】
【0016】
(1)の発明においては、ベッド本体部の頭部側に位置する宮部が、ベッド本体部側に開口する宮本体部と、幅方向で開口の両側を塞ぐ位置に独立して着脱可能な化粧部とを有する。もう一つのベッド装置を並べて当接するように配設する際、当接する方の化粧部をそれぞれのベッド装置から取り外すことで、二台の宮部の内部が一続きになり、大きな一台のベッド装置のように見える。そして、並べて配設されていた二台のベッド装置を離したり、別の場所に配設したりする場合は、化粧部をそれぞれのベッド装置の両側に装着することで、一台のベッド装置として使用することができる。また、化粧部は開口を塞ぐように取り付けられるため、化粧部の裏手に隙間を設けることで、見せたくないものを化粧部の裏に隠すことができる。例えば、化粧部の裏手にコンセントを設け、各種の電源コードをコンセントと共に隠すことができる。また、化粧部の裏手に隙間を設けたとしても化粧部が着脱可能であるため、目隠しされたスペースの掃除もしやすい。
【0017】
(
3)の発明においては、並べて当接するように配設された二台のベッド装置の天板がほぼ隙間なく当接することができるため、二台のベッド装置の一体感が増し、一台の大きなベッド装置に見せることができる。
【0018】
(
4)の発明においては、化粧部の着脱がマグネットによるため、着脱が容易であり、宮部の構成を簡単に変更でき、更には着脱可能な構成も簡単である。
【0019】
(
5)の発明においては、化粧部の係合部と宮本体部の被係合部とが係合することで、化粧部の幅方向の移動が規制されるため、化粧部が位置決めされ、化粧部の横ずれを防止することができる。
【0020】
(
6)の発明においては、宮本体部のマグネットが宮本体部に埋め込まれているため、化粧部が離脱後の宮本体部に突起や出っ張りがない。また、マグネットは隠覆部材で隠されるため、ベッド装置の意匠性を損なわない。
【0021】
(
7)の発明においては、宮本体部の内部を構成する天板の地板側の面、地板の天板側の面、背板の開口側の面、および隠覆部材が同色であるため、化粧部を取り外して見える宮本体部の内部が同一色に統一される。そのため、ベッド装置を当接するように並べて設置した際、当接している側に位置するそれぞれの化粧部を取り外すことで、二台のベッド装置の宮本体部の内部が同一色に統一され、1つの宮部に見えるため、一台の大きなベッド装置に見えやすい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態1のベッド装置11の斜視図である。
【
図2】実施形態1のベッド装置11の化粧部が着脱される宮部の一方を拡大した一部分解図である。
【
図3】実施形態1のベッド装置11の化粧部を裏側から視認した斜視図である。
【
図4】実施形態1のベッド装置11の化粧部が着脱される宮部の一方を拡大した垂直方向断面図である。
【
図5】実施形態1のベッド装置11の二台を当接して設置した斜視図である。
【
図6】実施形態1のベッド装置11の二台を当接して設置した斜視図で、配色に関してのイメージを説明するための説明図である。
【
図7】実施形態2のベッド装置の化粧部を裏側から視認した斜視図である。
【
図8】実施形態3のベッド装置の化粧部が着脱される宮部の一方を拡大した垂直方向断面図である。
【
図9】実施形態4のベッド装置の化粧部が着脱される宮部の一方を拡大した垂直方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の代表的な実施形態を
図1〜
図9を参照して説明する。なお、ベッド装置の幅方向は、頭部側(利用者がベッド装置に横になった状態で頭が位置する側)から足部側(利用者がベッド装置に横になった状態で足が位置する側)を見た場合の左を左方、右を右方とする。また、前後方向は足部側を前方、頭部側を後方とする。
【0024】
(実施形態1)
本実施形態1のベッド装置11は、
図1に示すように、ボトム21(ベッド本体部)と宮部22とを備える。ボトム21には、マットレス23(寝床部)が載置されている。宮部22は、ボトム21の頭部側に位置し、天板41と地板42と背板43と側板44とからなり、ボトム21側が開口している宮本体部4と、宮本体部4の開口40を塞ぐように幅方向の両側に独立して配置された2つの化粧部5とを有する。また、宮部22は、開口40の下、ボトム21との間に幕板49を有する。1つの化粧部5は、
図2および
図3に示すように、4つのマグネット31〜34によって宮本体部4に脱着自在である。マグネット31〜34は、宮本体部4側と化粧部5側とにそれぞれ2つ、対応する位置に配置されており、宮本体部4のマグネット31,32は木口テープ(隠覆部材)で隠されて視認できない。
【0025】
化粧部5は、ボトム21側に面する正面51から裏面52に連続する側面の一方が前後方向に対して傾斜した形状の傾斜側面53で、他方が前後方向に略平行な垂直側面54で、垂直方向断面形状が略台形である。そして、化粧部5の前後方向厚さは、幕板49とほぼ同じである。化粧部5は、宮本体部4の幅方向の中央側に傾斜側面53が位置するように、宮本体部4の開口40の両側に配置される。上下にそれぞれ、上面55および下面56よりも若干小さい形状の略台形で、上下方向の厚さの薄いスペーサー57が配置されている。裏面52には、対角に2つのマグネット33,34が埋め込まれており、幅方向で2つのマグネット33,34の間で垂直側面54側に係合部6が固定されている。係合部6は、裏面52から突出しており、上下端が化粧部5の上面55および下面56と同じで、上面55および下面56から飛び出していない。係合部6の上部61は、下部62よりも幅方向の厚みが小さく、垂直側面54側が平らで傾斜側面53側が階段状に段差を有する形状である。
【0026】
宮本体部4は、
図2に示すように、天板41の裏面414から地板42側に突出し、幅方向に延設された桟45が天板41に取り付けられている。桟45の幅方向の両端部は、
図4に示すように、側板44に当接しておらず、側板44との間に化粧部5の係合部6の上部61が挿し込める間隙dを空けて側板44から離れている。つまり、宮本体部4の側板44と桟45とで化粧部5の係合部6に係合する被係合部が形成される。桟45の前後方向の厚さは、化粧部5の係合部6の前後方向の厚さよりも少し薄い。桟45の厚さと係合部6の厚さは必ずしも異なる必要はなく、同じ厚さでもよい。桟45よりも係合部
6を長くすることで、化粧部5が前後方向以外の方向からの負荷に対して離脱しにくい。
【0027】
前後方向で桟45は、背板43に当接しておらず、背板43との間にスペースがある。化粧部5が宮本体部4に装着されると、化粧部5は幕板49の上面492に位置し、宮本体部4の側板44はボトム21側から視認できない。そして、宮本体部4には、化粧部5と背板43との間に、化粧部5で目隠しされ、ボトム21側から視認しにくいスペースが設けられることになる。
図2に戻って、2つのマグネットのうち、マグネット31は桟45のボトム21側の面に前方から後方に埋め込まれており、木口テープ(隠覆部材)によって覆い隠されている。もう1つのマグネット32は、側板44のボトム21側の面に前方から後方に埋め込まれており、木口テープによって覆い隠されている。
【0028】
宮本体部4は、
図1および
図2に示すように、地板42および側板44の前後方向の長さが天板41の前後方向の長さよりも幕板49の厚さの分、短い。天板41の正面411(ボトム21側の面)と幕板49の正面491(ボトム21側の面)とが前後方向においてほぼ同じ位置である。そして、宮本体部4は、天板41の幅方向の両端部と側板44とが面一になるように、どちらも幅方向に出っ張っていない。更に、側板44、幕板49の側面493、ボトム21の側面211も面一である。つまり、本実施形態1のベッド装置11を並べて当接するように二台を設置する際、二台のベッド装置11は宮部22もベッド本体部21もほぼ隙間なく当接することができる。
【0029】
本実施形態のベッド装置11は、二台を並べて当接して設置する際、当接する側の化粧部5をそれぞれのベッド装置11から取り外すと、
図5に示すように、化粧部5が二台のベッド装置11を合わせた左右の両側に位置する構成となり、一台のベッド装置11と同様の配置になる。そのため、二台の宮部22の開口40が連続したようになり、二台のベッド装置11が一台の大きなベッド装置11に見える。また、宮部22の天板41、側板44、幕板49もほぼ隙間なく当接しているため、より一台の大きなベッド装置11に見える。また、化粧部5を取り外したことで一台のベッド装置11として見えるだけでなく、宮部22の構成要素が減り、ベッド装置11も部屋もすっきりとする。
【0030】
そして、化粧部5は、マグネット31〜34によって宮本体部4に着脱するため、簡単に装着と離脱とができ、更に化粧部5を取り外した宮本体部4側にねじ穴や金具が残らない。また、並べていた二台のベッド装置11を離して別々に使う場合には、取り外していた化粧部5をそれぞれ装着することで、左右に化粧部5が配置され、違和感なく一台のベッド装置11として使用することができる。
【0031】
更に、化粧部5は係合部6を有し、宮本体部4は側板44と桟45との間の間隙dに係合部6が係合する構成である。そのため、化粧部5の着脱は前後方向に移動することででき、装着された化粧部5は幅方向への移動が規制される。また、意図しない接触による化粧部5の脱離も抑制できる。そして、係合部6を階段形状としたことで、宮本体部4の左右どちらに化粧部5をどのように装着するかを補助することができ、2つの化粧部5が左右で決まった側に装着されるのが望ましいデザインの場合、特に有効である。
【0032】
図2に戻って、天板41の裏面414(地板42側の面)、地板42の上面421(天板41側の面)、および側板44は上述した2つのマグネット31,32を覆い隠す木口テープと同じ色(柄)が配色されている。これらの場所は、ほぼ宮本体部4の内側に位置し、以下、内側配色部と称する。そして、宮本体部4の内側配色部以外、天板41の正面411(ボトム21側の面)、上面412、両側面413と、化粧部5の正面51、両側面53,54と、幕板49の正面491、上面492、両側面493とは、同じ色(柄)が配色され、内側配色部とは異なる配色である。このように配色することで、本実施形態のベッド装置11は、二台を並べて当接するように配置する際、化粧部5が外されて開口40から見える側板44が内側配色部と同じ色となるため、開口40が一続きに見えやすい効果が期待できる。更に、内側配色部は内側配色部以外の色よりも暗い色が望ましく、例えば黒色とし、内側配色部以外は内側配色部よりも明るい色が望ましく、例えば木目調の茶色とする。このように配色することで、二台を当接するように並べられたベッド装置11は、
図6に示すように、開口40から見える部分が暗く、互いに当接する宮部22の内部がより一続きに見える。なお、天板41の裏面414は、上面412と同色でも良い。
【0033】
その他に、宮本体部4に化粧部5が装着された状態の際の化粧部5によって目隠しされるスペースには、なくなると見つけにくい小物などを入れることができる。特に目隠しされるスペース部分の天板41、地板42、側板44の内部側にコンセントを設けることで、携帯電話の電源コードなども一緒に隠すことができる。そして、掃除の際は、化粧部5が簡単に着脱できるため、裏側のスペースも簡単に掃除できる。
【0034】
また、化粧部5を違う色や柄の化粧部5に交換することで、ベッド装置11を買い換えずして、ベッド装置11の見た目を変更することができる。
【0035】
(実施形態2)
本実施形態2のベッド装置は、基本的な構成は実施形態1のベッド装置11と同じ構成及び作用効果を有する。以下では、異なる構成を中心に説明していく。本実施形態2のベッド装置は、
図7に示すように、化粧部5の係合部7が階段状ではない、幅方向の厚さの略一定の形状である。
【0036】
(実施形態3)
本実施形態3のベッド装置は、基本的な構成は実施形態1のベッド装置11と同じ構成及び作用効果を有する。以下では、異なる構成を中心に説明していく。
【0037】
本実施形態3のベッド装置は、
図8に示すように、化粧部5が宮本体部4の地板42の上面421の上方に位置し、化粧部5の垂直側面54が側板44の宮本体部4の内側の内面441に当接する。幕板49は地板42の下方に位置し、幕板49の上面492は視認できない。また、宮本体部4の桟45は、側板44の内面441に当接する。桟45は、幅方向で間隙dを少なくとも2箇所設けられて、幅方向に延設されている。化粧部5は、係合部6の上部61が桟45の間隙dに前後方向で係脱され、係合している場合には幅方向の移動が規制される。
【0038】
(実施形態4)
本実施形態4のベッド装置は、基本的な構成は実施形態1のベッド装置11と同じ構成及び作用効果を有する。以下では、異なる構成を中心に説明していく。
【0039】
本実施形態4のベッド装置は、
図9に示すように、宮本体部4が桟45を備えていない。そして、側板44は上端が地板42の下面に当接し、宮本体部4に化粧部8が装着されていない状態では、宮本体部4は幅方向にも開口した状態となる。化粧部8は、一方の側面84が前後方向に略平行で、前後方向の厚さが背板43から幕板49の正面491まである。そして、化粧部8のもう一方の側面83は、正面81から裏面82に向かって緩やかな曲線形状である。化粧部8は、前後方向に略平行な側面84側を外側にするように宮本体部4に装着する。なお、ベッド装置の利用者の好みや部屋に合わせる等して、緩やかな曲線形状の側面83を外側にすることもできる。
【0040】
化粧部8の裏面82は、宮本体部4の背板43にほぼ当接するため、宮本体部4に化粧部8が装着された状態で、化粧部8の裏側にスペースはない。そこで、例えば化粧部8の内部を中空とし、上方が開口した収納スペースとしたり、内部にランプを設置したりすることもできる。化粧部8のマグネットは、裏面82側に2つ、略対角上に取り付けられる。宮本体部4側のマグネットは、背板43に、化粧部8側のマグネットに対応する位置に配置されている。なお、マグネットも上記の位置や個数に限定されず、例えば化粧部8の上下に1つずつとし、宮本体部4の天板41と地板42の対応する位置に1つずつでもよい。
【0041】
本実施形態4のベッド装置によれば、二台のベッド装置を当接するように並べて配設し、中央に位置する化粧部8を取り除くと、二台の宮本体部4の開口40が側板44で仕切られない。二台の宮本体部4の内部が1つの空間となり、二台のベッド装置の一体感が増し、一台の大きなベッド装置になる。更には、宮本体部4の内部に長い物を置くことができたり、側板44を気にせずに宮本体部4のどこでも物を置くことができたりする。
【0042】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、化粧部の形状は、実施形態1の化粧部5や実施形態3の化粧部8に限定されず、矩形、正面が丸い垂直断面形状が半円形状など、様々な形状を採用することができる。また、スペーサー57も必ずしも必須の部材ではなく、スペーサー57の大きさや厚さも特に限定されないが、上面55および下面56よりも一回り小さく、厚さも薄く、色は暗色が好ましい。
【0043】
また、マグネットの個数も全部で4つに限定されない。なお、化粧部5(8)側と宮本体部4側とのマグネットの数は同数が好ましいが、必ずしも同数に限定されない。更に、マグネットの位置も上記の場所に限定されず、天板41や地板42あるいは幕板49など、宮本体部4の化粧部5(8)が装着されて、化粧部5(8)が当接する場所にマグネットを配置するのが好ましい。
【0044】
その他に、幕板49の高さは図示されているものに限定されない。少なくとも宮
本体部4の開口40がマットレス23によって塞がれない高さがあるのが望ましい。また、ボトム21の形状(種類)はフレームのないタイプや、フレーム内部が収納スペースになるタイプなど、図示されている四方がフレームで囲まれているものに限定されない。また、ベッド装置のサイズはシングルに限定されず、例えば、ダブルサイズを二台並べて設置することで、より大きな一台の豪華なベッド装置とすることもできる。
【0045】
(付記項)
必要に応じて、以下の構成を採用することができる。
【0046】
(1)前記宮部本体部は、前記化粧部が装着された状態で、前記化粧部によって視認しにくい位置に電源コンセントを有する。電源コンセントや電源コンセントに接続されているコードなどを隠すことができる。
【0047】
(2)前記化粧部はライトを内部に配置可能である。化粧部は単なる宮部のデザインの1つだけでなく、ライトのように機能を持たせることもできる。
【0048】
(3)前記地板の前記天板側の面、前記背板の前記開口側の面、および前記隠覆部材は、その他の部分よりも暗色である。二台のベッド装置を並べて当接するように配置する際、化粧部が外された部分も宮本体部の内部の暗色と同じ色となるため、開口40が一続きに見えやすい効果が期待できる。
【0049】
(4)前記化粧部のうち一方は前記化粧部の前記係合部は前記宮本体部の両側に位置する前記被係合部の一方に係合し、他方は前記化粧部の前記化粧部は前記宮本体部の他方に係合する。宮本体部の左右どちらに化粧部5をどのように装着するかを補助することができ、2つの化粧部が左右で決まった側に装着されるのが望ましいデザインの場合、特に有効である。
【符号の説明】
【0050】
11:ベッド装置
21:ボトム(ベッド本体部) 22:キャビネット(宮部) 23:マットレス(寝床部)
31〜34:マグネット
4:宮本体部 40:開口 41:天板 42:地板 43:背板 44:側板
45:桟 49:幕板
5、8:化粧部
6、7:係合部