特許第6222522号(P6222522)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222522
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20171023BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20171023BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20171023BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   B41J29/00 B
   G06F1/18 J
   G03G21/14
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-253285(P2013-253285)
(22)【出願日】2013年12月6日
(65)【公開番号】特開2015-110295(P2015-110295A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2016年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】316018166
【氏名又は名称】エスプリンティンソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】大多和 康彦
【審査官】 牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−105521(JP,A)
【文献】 特開2013−049207(JP,A)
【文献】 特開平01−209502(JP,A)
【文献】 特開2008−238810(JP,A)
【文献】 特開2006−058076(JP,A)
【文献】 特開2013−235293(JP,A)
【文献】 特開2006−008255(JP,A)
【文献】 特開2003−050529(JP,A)
【文献】 特開平9−114565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/00
G03G 21/14
G06F 1/18
G03G 21/00
G06F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の本体装置と、
前記本体装置に直接接続され、又は他のオプション装置を介して前記本体装置に接続される一以上のオプション装置と、
前記本体装置と前記本体装置に直接接続される前記オプション装置との間、及び互いに直接接続される二つの前記オプション装置の間に接続される検出信号線と、
前記本体装置及び全ての前記一以上のオプション装置に接続される要求信号線と、
前記本体装置と前記本体装置に直接接続される前記オプション装置との間、及び互いに直接接続される二つの前記オプション装置の間に接続されるリセット信号線と、を備え、
前記一以上のオプション装置の各々は、
当該オプション装置に対して前記本体装置と逆の側に接続されるオプション装置の接続の有無を、前記検出信号線を介して検出する接続検出部と、
当該オプション装置に対して前記本体装置と逆の側に接続されるオプション装置が接続又は切断されたことを前記接続検出部が検出した場合、及び当該オプション装置が正常に起動した場合に、前記一以上のオプション装置の各々の状態を取得することを前記本体装置に要求する状態取得要求信号を、前記要求信号線を介して送信する状態取得要求部と、
当該オプション装置に対して前記本体装置と逆の側に接続されるオプション装置にリセット動作を行わせるリセット信号を、前記リセット信号線を介して送信するリセット制御部と、を有し、
前記本体装置は、前記状態取得要求信号を検出した場合に、各オプション装置の状態を取得する状態取得部を有し、
前記一以上のオプション装置の各々が有する前記リセット制御部は、当該オプション装置に対して前記本体装置と逆の側にオプション装置が接続された場合に、前記リセット信号を解除する、画像形成装置。
【請求項2】
前記本体装置及び前記一以上のオプション装置は、用紙を前記本体装置に向けて搬送する用紙搬送経路を形成しており、
前記本体装置は、前記用紙搬送経路における用紙の位置に対して前記本体装置と逆の側に接続されたオプション装置が切断されたことを検出した場合に、そのまま印刷動作を継続する、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記本体装置及び前記一以上のオプション装置は、用紙を前記本体装置に向けて搬送する用紙搬送経路を形成しており、
前記本体装置は、前記用紙搬送経路における用紙の位置に対して前記本体装置と同じ側に接続されたオプション装置が切断されたことを検出した場合に、印刷動作を中断する、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本体装置と、本体装置に対して接続された一又は複数のオプション装置と、を備える画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。本体装置は、例えば画像形成部や画像定着部を有し、画像形成装置の基本的な機能である画像形成機能を提供する。オプション装置は、本体装置が提供する機能を拡張する装置であり、例えば給紙装置やソータである。
【0003】
このような画像形成装置では、本体装置は、オプション装置の接続の有無を検出し、検出の結果に応じて、印刷動作時における本体装置及びオプション装置の動作を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−202207号公報
【特許文献2】特開平4−199159号公報
【特許文献3】特開2006−8255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような画像形成装置では、一の本体装置に対して複数のオプション装置が着脱可能に多段接続される。しかしながら、特許文献1及び2に記載の画像形成装置では、動作中にオプション装置が接続されたこと、及びオプション装置の接続が切断されたことを検出することは容易ではなく、余分な通信トラフィックが発生したり、検出までに時間がかかったりする問題点があった。
【0006】
この問題点を解消するための構成として、特許文献3に記載の画像形成装置のように、オプション装置の接続の有無を示す信号を伝送するための信号線をオプション装置毎に用意して、この信号線を利用してオプション装置の着脱を即座に検出するという構成も考えられる。しかしながら、このような構成では、オプション装置の個数を増加させることが難しく、また、コストが増大するという問題がある。
【0007】
本発明は、オプション装置の着脱を迅速に検出することができ、且つオプション装置の個数を容易に増加させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、一の本体装置と、本体装置に直接接続され、又は他のオプション装置を介して本体装置に接続される一以上のオプション装置と、本体装置と本体装置に直接接続されるオプション装置との間、及び互いに直接接続される二つのオプション装置の間に接続される検出信号線と、本体装置及び全ての一以上のオプション装置に接続される要求信号線と、を備える。一以上のオプション装置の各々は、当該オプション装置に対して本体装置と逆の側に接続されるオプション装置の接続の有無を、検出信号線を介して検出する接続検出部と、当該オプション装置に対して本体装置と逆の側に接続されるオプション装置が接続又は切断されたことを接続検出部が検出した場合、及び当該オプション装置が正常に起動した場合に、一以上のオプション装置の各々の状態を取得することを本体装置に要求する状態取得要求信号を、要求信号線を介して送信する状態取得要求部と、を有する。本体装置は、状態取得要求信号を検出した場合に、各オプション装置の状態を取得する状態取得部を有する。
【0009】
この画像形成装置では、一のオプション装置において、当該オプション装置に対して本体装置と逆の側に接続されるオプション装置が接続又は切断されたことを接続検出部が検出した場合には、当該オプション装置の状態取得要求部は、一以上のオプション装置の各々の状態を取得することを本体装置に要求する状態取得要求信号を、要求信号線を介して送信する。また、一のオプション装置が正常に起動した場合にも、当該オプション装置の状態取得要求部は、状態取得要求信号を送信する。そして、本体装置が有する状態取得部は、上記一のオプション装置から送信された状態取得要求信号を検出した場合に、各オプション装置の状態を取得する。このため、オプション装置が接続又は切断されたこと、又はオプション装置が正常に起動したことにより画像形成装置の構成が変化した場合に、余分なトラフィックを発生させることなく、本体装置は画像形成装置の構成の変化を検出することができる。しかも、オプション装置毎に専用の信号線を用意する必要もない。したがって、この画像形成装置によれば、オプション装置の着脱を迅速に検出することができ、且つオプション装置の個数を容易に増加させることができる。
【0010】
画像形成装置は、本体装置と本体装置に直接接続されるオプション装置との間、及び互いに直接接続される二つのオプション装置の間に接続されるリセット信号線をさらに備え、一以上のオプション装置の各々は、当該オプション装置に対して本体装置と逆の側に接続されるオプション装置にリセット動作を行わせるリセット信号を、リセット信号線を介して送信するリセット制御部をさらに有し、一以上のオプション装置の各々が有するリセット制御部は、当該オプション装置に対して本体装置と逆の側にオプション装置が接続された場合に、リセット信号を解除してもよい。この場合、本体装置とオプション装置との間にリセット信号線をオプション装置毎に用意する必要がなく、オプション装置のリセット制御を容易に行うことができる。
【0011】
画像形成装置では、本体装置及び一以上のオプション装置は、用紙を本体装置に向けて搬送する用紙搬送経路を形成しており、本体装置は、用紙搬送経路における用紙の位置に対して本体装置と逆の側に接続されたオプション装置が切断されたことを検出した場合に、そのまま印刷動作を継続してもよい。上記画像形成装置において、用紙搬送経路における用紙の位置に対して本体装置と逆の側に接続されたオプション装置が切断された場合には、用紙の位置と本体装置との間の本体装置及び各オプション装置の接続は維持されている。したがって、用紙の位置から本体装置までの用紙の搬送が可能であるため、印刷動作の継続が可能である。したがって、上記画像形成装置によれば、印刷動作の継続が可能な場合に、印刷動作を中止することなく印刷動作を継続することができる。
【0012】
画像形成装置では、本体装置及び一以上のオプション装置は、用紙を本体装置に向けて搬送する用紙搬送経路を形成しており、本体装置は、用紙搬送経路における用紙の位置に対して本体装置と同じ側に接続されたオプション装置が切断されたことを検出した場合に、印刷動作を中断してもよい。上記画像形成装置において、用紙搬送経路における用紙の位置に対して本体装置と同じ側に接続されたオプション装置が切断された場合には、用紙の位置と本体装置との間の本体装置といずれかのオプション装置との接続が切断されている。したがって、用紙の位置から本体装置までの用紙の搬送が不可能であるため、印刷動作を継続することができない。したがって、上記画像形成装置によれば、印刷動作の継続が不可能な場合に、適切に印刷動作を中止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、オプション装置の着脱を迅速に検出することができ、且つオプション装置の個数を容易に増加させることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の電気的な接続構成を示す図である。
図2】本体装置の構成を示す図である。
図3】オプション装置の構成を示す図である。
図4】電源投入時におけるオプション装置の検出処理を示すフローチャートである。
図5】通常動作時におけるオプション装置の検出処理を示すフローチャートである。
図6】オプション数が減少した場合における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
図7】用紙の位置に対して本体装置と同じ側でオプション装置の接続が切断された場合における用紙の動きの模式図である。
図8】用紙の位置に対して本体装置と逆の側でオプション装置の接続が切断された場合における用紙の動きの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には、同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
図1に示すように、画像形成装置1は、一の本体装置10と、一以上のオプション装置20とを備える。本体装置10は、画像形成装置の基本的な機能である画像形成機能を提供する。図7及び図8に示すように、画像形成装置1は、例えば画像形成部101及び画像定着部102を有する。画像形成部101は、トナーを用紙上に転写することにより画像を形成する。画像定着部102は、画像形成部101により形成された画像を用紙上に熱定着させる。オプション装置20は、本体装置10が提供する機能を拡張する装置である。本実施形態では、オプション装置20は、給紙装置であり、用紙搬送部201(図7図8参照)を有する。用紙搬送部201は、用紙をオプション装置20から本体装置10へ搬送する。ただし、オプション装置20は、例えばソータや自動原稿搬送装置であってもよい。
【0017】
オプション装置20の個数は増減可能である。以下では、オプション装置20の個数が3個の場合について説明する。オプション装置20は、本体装置10に対して多段に接続される。例えば、本体装置10には第一のオプション装置20Aが直接接続され、第一のオプション装置20Aには第二のオプション装置20Bが直接接続され、第二のオプション装置20Bには第三のオプション装置20Cが接続される。すなわち、第二のオプション装置20B及び第三のオプション装置20Cは、他のオプション装置20を介して本体装置10に接続されている。後述するように、本体装置10及び各オプション装置20は、用紙を本体装置10に向けて搬送する用紙搬送経路R(図7図8参照)を形成している。また、各オプション装置20には、本体装置10により、それぞれ異なるIDが設定される。
【0018】
なお、以下の説明において、本体装置10の側を上流側と記載し、本体装置10と逆の側を下流側と記載する場合がある。また、図面において、各信号線に付された信号名の先頭のスラッシュ記号は、当該信号が負論理の信号であることを意味する。
【0019】
本体装置10と本体装置10に直接接続されるオプション装置20との間、及び互いに直接接続される二つのオプション装置20の間には、検出信号線31及びリセット信号線32が接続されている。すなわち、本体装置10と第一のオプション装置20Aとの間、第一のオプション装置20Aと第二のオプション装置20Bとの間、及び第二のオプション装置20Bと第三のオプション装置20Cとの間には、検出信号線31及びリセット信号線32が接続されている。
【0020】
検出信号線31は、負論理の検出信号であるDETECT信号を、下流側の装置から上流側の装置へ伝送する。DETECT信号は、本体装置10又はオプション装置20の下流側にオプション装置20が接続されているか否かを示す信号である。DETECT信号がローレベルであれば、オプション装置20が接続されていることを意味する。DETECT信号がハイレベルであれば、オプション装置20が接続されていないことを意味する。
【0021】
リセット信号線32は、負論理のリセット信号であるRESET信号を、上流側の装置から下流側の装置へ伝送する。RESET信号は、下流側のオプション装置20にリセット動作をさせるか否かを示す信号である。RESET信号がハイレベルであれば、下流側のオプション装置20のリセット状態が解除され、下流側のオプション装置20は通常動作を行う。RESET信号がローレベルであれば、下流側のオプション装置20はリセット動作を行う。
【0022】
本体装置10及び全てのオプション装置20A,20B,20Cには、それぞれ要求信号線33、ステータス信号線34、及びコマンド信号線35が接続されている。要求信号線33、ステータス信号線34、及びコマンド信号線35は、バスを構成している。
【0023】
要求信号線33は、状態取得要求信号であるREQ信号を、各オプション装置20から本体装置10へ伝送する。REQ信号がローレベルであれば、本体装置10に接続された一以上のオプション装置20の各々の状態を取得することを、いずれかのオプション装置20が本体装置10に要求していることを意味する。REQ信号がハイレベルであれば、オプション装置20の各々の状態を取得することを本体装置10に要求しているオプション装置20がないことを意味する。
【0024】
ステータス信号線34は、状態信号であるSTS信号を、オプション装置20から本体装置10へ伝送する。STS信号は、各オプション装置20の状態を示す。オプション装置20の状態には、例えば、オプション装置20の下流側に別のオプション装置20が接続されているか否かが含まれる。
【0025】
コマンド信号線35は、コマンド信号であるCMD信号を、本体装置10から各オプション装置20へ伝送する。CMD信号には、CMD信号の送信先であるオプション装置20を指定するIDと、本体装置10が各オプション装置20にどのような動作をさせるかを示すコマンドと、が含まれる。コマンドには、例えば、CMD信号の送信先のオプション装置20に接続されたオプション装置20にリセット動作をさせるか、又は通常状態にさせるコマンド、CMD信号の送信先のオプション装置20にオプション装置20が接続されているか否かを検出させるコマンド、各オプション装置20にIDを設定するコマンドが含まれる。
【0026】
本体装置10は、本体装置制御部11を備えている。本体装置制御部11は、本体装置10に入力される各信号を受信するとともに、本体装置10から出力される信号を生成する。同様に、各オプション装置20は、オプション装置制御部21を備えている。オプション装置制御部21は、オプション装置20に入力される各信号を受信するとともに、オプション装置20から出力される信号を生成する。
【0027】
図2を参照して、本体装置10の構成について説明する。本体装置10は、本体装置制御部11と、プルアップ抵抗素子15,16,17とを備える。プルアップ抵抗素子15は、検出信号線31に対する入力信号がない場合に検出信号線31の電位を電源電位に固定するための抵抗素子である。プルアップ抵抗素子16は、要求信号線33に対する入力信号がない場合に要求信号線33の電位を電源電位に固定するための抵抗素子である。プルアップ抵抗素子17は、ステータス信号線34に対する入力信号がない場合にステータス信号線34の電位を電源電位に固定するための抵抗素子である。
【0028】
本体装置制御部11は、オプション装置検出部12と、状態取得部13と、リセット制御部14と、を備える。オプション装置検出部12は、本体装置10の下流側に接続されるオプション装置20の有無を、検出信号線31を介して検出する。
【0029】
状態取得部13は、要求信号線33を介してREQ信号を検出した場合に、各オプション装置20の状態を取得する。具体的には、状態取得部13は、要求信号線33を介してREQ信号のアクティブ状態を検出した場合に、各オプション装置20に対してコマンド信号線35を介してCMD信号を送信する。そして、状態取得部13は、CMD信号を受信したオプション装置20から、ステータス信号線34を介してSTS信号により、当該オプション装置20の状態を取得する。当該オプション装置20の状態を取得すると要求信号線33はインアクティブ状態となる。
【0030】
リセット制御部14は、本体装置10に直接接続されるオプション装置20にリセット信号線32を介してRESET信号を送信し、当該オプション装置20にリセット動作をさせる。
【0031】
図3を参照して、オプション装置20の構成について説明する。オプション装置20は、オプション装置制御部21と、プルアップ抵抗素子27と、プルダウン抵抗素子28と、を備える。プルアップ抵抗素子27は、検出信号線31に対する入力信号がない場合に検出信号線31の電位を電源電位に固定するための抵抗素子である。プルダウン抵抗素子28は、リセット信号線32に対する入力信号がない場合にリセット信号線32の電位を接地電位に固定するための抵抗素子である。このため、上流側の装置が動作しておらず、リセット信号線32が制御されていない状態(ハイインピーダンス状態)となる場合、プルダウン抵抗素子28によりオプション装置20はリセット状態となる。
【0032】
オプション装置制御部21は、オプション装置検出部22(接続検出部)と、通信部23(状態取得要求部)と、リセット制御部24と、リセット検出部25と、ID比較部26と、を備える。オプション装置検出部22及びリセット制御部24は、それぞれ、本体装置10におけるオプション装置検出部12及びリセット制御部14と同様の機能を有する。
【0033】
通信部23は、当該オプション装置20の下流側に接続されるオプション装置20の着脱状態の変化を検知した場合、及び当該オプション装置20が正常に起動した場合に、REQ信号をアクティブにし、要求信号線を介して本体装置に対して状態の取得を要求する。
【0034】
また、通信部23は、コマンド信号線35及びID比較部26を介してCMD信号を受信した場合に、当該オプション装置20の下流側に直接接続されるオプション装置20の接続の有無をオプション装置検出部22により検出した結果を、ステータス信号線34を介してSTS信号により本体装置10に通知する。検出結果送信後、通信部23は、REQ信号をインアクティブにする。
【0035】
リセット制御部24は、通信部23がコマンド信号線35を介して受信したリセット制御コマンドのCMD信号の内容に応じて、当該オプション装置20の下流側に接続されるオプション装置20をリセット動作させるか、又は通常動作させる。また、リセット制御部24は、当該オプション装置20がリセット状態の場合には、当該オプション装置20の下流側に接続されたリセット信号線32を、制御されていない状態(ハイインピーダンス状態)とする。したがって、当該オプション装置20がリセット状態になると、当該オプション装置20の下流側に接続されたリセット信号線32は、リセット信号線32の下流側に接続されたオプション装置20のプルダウン抵抗素子28によってローレベルになる。これにより、当該オプション装置20より下流側に接続されたオプション装置20は、すべてリセット状態となる。
【0036】
リセット検出部25は、リセット信号線32からのRESET信号を検出し、検出されたRESET信号に応じて当該オプション装置20をリセット状態にする。リセット状態が解除された直後には、当該オプション装置20にはIDが設定されていない。そのため、リセット状態が解除された後に当該オプション装置20を通常動作させるためには、オプション装置20が本体装置10からコマンド信号線35を介してID設定コマンドのCMD信号を受信する必要がある。
【0037】
ID比較部26は、本体装置10からコマンド信号線35を介して送信されたCMD信号を受信し、受信されたCMD信号に含まれるIDと当該オプション装置20のIDとを比較する。受信したCMD信号に含まれるIDと当該オプション装置20のIDとが一致した場合には、ID比較部26は、CMD信号を通信部23へ出力する。受信したCMD信号に含まれるIDと当該オプション装置20のIDとが一致しなかった場合には、ID比較部26は、受信したCMD信号を通信部23へ出力することなく破棄する。
【0038】
次に、図4を参照して、画像形成装置1の電源投入時におけるオプション装置20の検出処理について説明する。以下の説明において、例えばステップS11を単にS11と表記する。
【0039】
まず、画像形成装置1の電源がオンにされる(S11)。次に、状態取得部13は、変数Nを0に設定する(S12)。次に、オプション装置検出部12は、DETECT信号のレベルを検出する(S13)。すなわち、オプション装置検出部12は、1段目のオプション装置20の接続の有無を検出する。DETECT信号のレベルがHIGHであれば、本体装置10にはオプション装置20が接続されていないということになり、処理を終了する。
【0040】
S13でDETECT信号のレベルがLOWであれば、リセット制御部14は、1段目のオプション装置に対するRESET信号を解除する(S14)。すなわち、リセット制御部14は、RESET信号をHIGHにする。次に、状態取得部13は、REQ信号のレベルを検出する(S15)。REQ信号のレベルがHIGHであれば、状態取得部13は、REQ信号のレベルがLOWになるかタイムアウトとなるまで、一定時間待機する(S21)。タイムアウトとなった場合には(S21:YES)、処理を中止する。タイムアウトとならなければ、再度S15に戻る。
【0041】
S15でREQ信号のレベルがLOWであれば、状態取得部13は、変数Nに1を加算する(S16)。続いて、状態取得部13は、N段目のオプション装置20にIDを設定する(S17)。そして、状態取得部13は、N段目のオプション装置20にCMD信号を送信し、N段目のオプション装置20の状態を取得する(S18)。この時点でREQ信号のレベルはHIGHになる。
【0042】
次に、状態取得部13は、取得したN段目のオプション装置の状態から、N段目のオプション装置20の後段のDETECT信号レベルを検出する(S19)。具体的には、状態取得部13は、N段目のオプション装置20に、N段目のオプション装置20の後段のDETECT信号の状態を問い合わせるCMD信号を、コマンド信号線35を介して送信する。そして、N段目のオプション装置20は、N段目のオプション装置20の後段のDETECT信号の状態を、ステータス信号線34を介して本体装置10の状態取得部13に送信する。N段目のオプション装置20の後段のDETECT信号がHIGHであれば、N段目のオプション装置20の後段にはオプション装置20が接続されていないため、処理を終了する。N段目のオプション装置20の後段のDETECT信号がLOWであれば、N段目のオプション装置20の後段のオプション装置20のリセットを解除する(S20)。後段のオプション装置20が正常に動作した場合、REQ信号のレベルはLOWになる。
【0043】
以上説明したように、本体装置制御部11は、1段目のオプション装置20から順に各オプション装置20に対して、当該オプション装置20のリセット状態を解除し、当該オプション装置20の後段にオプション装置20が接続されているか否かを検知する処理を行う。
【0044】
次に、図5を参照して、通常動作時におけるオプション装置20の検出処理について説明する。通常動作時におけるオプション装置20の検出処理は、例えばオプション装置20の着脱があった時等に行われる。
【0045】
まず、状態取得部13が、変数Nを0に設定する(S31)。次に、オプション装置検出部12が、DETECT信号のレベルに変化があったか否かを検出する(S32)。すなわち、オプション装置検出部12が、1段目のオプション装置20の接続の有無に変化があったか否かを検出する。DETECT信号のレベルに変化がなかった場合(S32:NO)、オプション装置検出部12は、DETECT信号のレベルを検出する。DETECT信号のレベルがHIGHであれば、本体装置10にはオプション装置20が接続されていないということになる。この場合、状態取得部13は、処理を終了する。
【0046】
S33でDETECT信号のレベルがLOWであれば、状態取得部13が、REQ信号のレベルを検出する(S34)。REQ信号のレベルがLOWであれば、2段目以降のオプション装置20の後段のオプション装置20の接続の有無に変化があったこととなる。この場合、状態取得部13は、Nに1を加算する(S35)。次に、状態取得部13は、N段目のオプション装置20にCMD信号を送信し、N段目のオプション装置の状態を取得する(S36)。この時点でREQ信号のレベルはHIGHになる。
【0047】
次に、状態取得部13は、取得したN段目のオプション装置の状態から、N段目のオプション装置20の後段のDETECT信号レベルに変化があったか否かを検出する(S37)。N段目のオプション装置20の後段のDETECT信号レベルに変化がなかった場合には(S37:NO)、再びS34に戻る。N段目のオプション装置20の後段のDETECT信号レベルに変化があった場合には(S37:YES)、状態取得部13は、既に取得したN段目のオプション装置の状態から、N段目のオプション装置20の後段のDETECT信号レベルを検出する(S38)。N段目のオプション装置20の後段のDETECT信号レベルがLOWであった場合には、N段目のオプション装置20の後段にオプション装置20が新たに接続されたこととなる。この場合、状態取得部13は、N段目のオプション装置20にCMD信号を送信し、N段目のオプション装置20の後段のオプション装置のリセット状態を解除する(S39)。これにより、N+1段目のオプション装置が通常動作を開始する。N+1段目のオプション装置20が正常に動作した場合、REQ信号のレベルはLOWになる。続いて、後述するS53の処理が行われる。
【0048】
S34において、REQ信号のレベルがHIGHであれば、S37でN段目のオプション装置20の後段のDETECT信号の変化を一度も検知していないこととなる。このため、状態取得部13は、N段目のオプション装置20の後段へのオプション装置20の接続の有無に変化がないと判断し、処理を終了する。
【0049】
S38において、N段目のオプション装置20の後段のDETECT信号レベルがHIGHであった場合には、N段目のオプション装置20の後段のオプション装置20の接続が解除されたこととなる。この場合、状態取得部13は、オプション数を減少させる処理を行う(S40)。
【0050】
S32において、DETECT信号のレベルに変化があった場合(S32:YES)、オプション装置検出部12は、DETECT信号のレベルを検出する(S51)。DETECT信号のレベルがLOWであった場合、S52〜S59の各処理が行われる。S52〜S59の各処理は、図4を参照して説明したS14〜S21の各処理と同様の処理である。なお、S59において、タイムアウトとなった場合には(S59:YES)、状態取得部13は、オプション数を増加させる処理を行い(S60)、処理を終了する。
【0051】
なお、S38において、N段目のオプション装置20の後段のオプション装置20のDETECT信号レベルがLOWであった場合には、S39に続いて、オプション装置20の初期化処理であるS53〜S59の各処理が行われる。次いで、状態取得部13がオプション数を増加させる処理を行い(S60)、処理を終了する。
【0052】
S51において、DETECT信号のレベルがHIGHであった場合には(S51:YES)、本体装置10と1段目のオプション装置20との間の接続が切断されたこととなる。この場合、状態取得部13は、オプション数を減少させる処理を行い(S61)、処理を終了する。
【0053】
次に、図6を参照して、オプション装置20が切断されたことによりオプション装置20の数が減少した場合における画像形成装置の動作について説明する。
【0054】
まず、状態取得部13がオプション装置20の切断があったことを検出すると、印字ジョブを実行中であるか否かを判定する(S71)。印字ジョブが実行中であれば(S71:YES)、用紙搬送経路Rが切断されたか否かを検出する(S72)。
【0055】
用紙搬送経路Rが切断されたとは、具体的には、用紙Pの位置よりも上流側においてオプション装置20が切断されたことを示す。例えば、図7に、用紙Pが第二のオプション装置20Bに位置しており、第一のオプション装置20Aと第二のオプション装置20Bとの間の接続が切断された場合を示す。この場合、用紙Pの位置から本体装置10までの用紙Pの搬送される経路が切断されている。このため、印字ジョブを継続することができない。
【0056】
一方、用紙Pの位置よりも下流側においてオプション装置20が切断された場合も考えられる。例えば、図8に、用紙Pが第一のオプション装置20Aに位置しており、第二のオプション装置20Bと第三のオプション装置20Cとの間の接続が切断された場合を示す。この場合には、用紙Pの位置から本体装置10までの用紙Pの搬送される経路は切断されていない。このため、印字ジョブを継続することができる。
【0057】
図6に戻り、説明を続ける。S72において、用紙搬送経路Rが切断されていれば、用紙ジャム処理を行う(S73)。用紙ジャム処理は、用紙がジャム状態となった、すなわち紙詰まり状態となった際に行われる処理であり、具体的には、印刷動作を中止し、用紙Pの搬送を止める処理等である。そして、画像形成装置1は、不図示のユーザインタフェース、例えば画面等により、該当搬送経路の用紙がジャム状態となったことをユーザに報知する(S74)。このとき、用紙がジャム状態となった旨の報知に加え、用紙Pが詰まっている位置等をユーザに報知するようにしてもよい。
【0058】
S74に続いて、画像形成装置1は、オプション装置20の切断があったことをユーザに報知する(S75)。また、S71において、印字ジョブが実行中でない場合(S71:NO)にも、画像形成装置1は、オプション装置20の切断があったことをユーザに報知する(S75)。
【0059】
また、S72において、用紙搬送経路が切断されていなかった場合(S72:NO)、すなわち用紙Pの位置よりも下流側においてオプション装置20が切断された場合、画像形成装置1は印字ジョブを継続し(S76)、そのまま印刷動作を継続する。その後、画像形成装置1は、オプション装置20の切断があったことをユーザに報知する(S75)。
【0060】
以上説明したように、画像形成装置1では、一のオプション装置20において、当該オプション装置20に対して下流側に接続されるオプション装置20が接続又は切断されたことをオプション装置検出部22が検出した場合には、当該オプション装置20の通信部23は、一以上のオプション装置20の各々の状態を取得することを本体装置10に要求するREQ信号を、要求信号線33を介して送信する。また、一のオプション装置20が正常に起動した場合にも、当該オプション装置20の通信部23は、REQ信号を送信する。そして、本体装置10が有する状態取得部13は、上記一のオプション装置20から送信されたREQ信号を検出した場合に、各オプション装置20の状態を取得する。このため、オプション装置20の接続が切断されたこと、又はオプション装置20が正常に起動したことにより画像形成装置1の構成が変化した場合に、余分なトラフィックを発生させることなく、本体装置10は画像形成装置1の構成の変化を検出することができる。しかも、オプション装置20毎に専用の信号線を用意する必要もない。したがって、この画像形成装置1によれば、オプション装置20の着脱を迅速に検出することができ、且つオプション装置20の個数を容易に増加させることができる。
【0061】
画像形成装置1は、本体装置10と本体装置10に直接接続されるオプション装置20との間、及び互いに直接接続される二つのオプション装置20の間に接続されるリセット信号線32をさらに備え、一以上のオプション装置20の各々は、当該オプション装置20に対して下流側に接続されるオプション装置20にリセット動作を行わせるRESET信号を、リセット信号線32を介して送信するリセット制御部24をさらに有している。一以上のオプション装置20の各々が有するリセット制御部24は、当該オプション装置20に対して下流側にオプション装置20が接続された場合に、リセット信号を解除する。このため、本体装置10とオプション装置20との間にリセット信号線32をオプション装置20毎に用意する必要がなく、オプション装置20のリセット制御を容易に行うことができる。
【0062】
画像形成装置1では、本体装置10及び一以上のオプション装置20は、用紙Pを本体装置に向けて搬送する用紙搬送経路Rを形成しており、本体装置10は、用紙搬送経路Rにおける用紙の位置に対して下流側に接続されたオプション装置20が切断されたことを検出した場合に、そのまま印刷動作を継続する。画像形成装置1において、用紙搬送経路Rにおける用紙Pの位置に対して下流側に接続されたオプション装置が切断された場合には、用紙Pの位置と本体装置10との間の本体装置10及び各オプション装置20の接続は維持されている。したがって、用紙Pの位置から本体装置10までの用紙Pの搬送が可能であるため、印刷動作の継続が可能である。したがって、画像形成装置1によれば、印刷動作の継続が可能な場合に、印刷動作を中止することなく印刷動作を継続することができる。
【0063】
画像形成装置1では、本体装置10及び一以上のオプション装置20は、用紙Pを本体装置10に向けて搬送する用紙搬送経路Rを形成しており、本体装置10は、用紙搬送経路Rにおける用紙Pの位置に対して上流側に接続されたオプション装置20が切断されたことを検出した場合に、印刷動作を中断する。画像形成装置1において、用紙搬送経路Rにおける用紙の位置に対して上流側に接続されたオプション装置20が切断された場合には、用紙Pの位置と本体装置10との間の本体装置10といずれかのオプション装置20との接続が切断されている。したがって、用紙Pの位置から本体装置10までの用紙Pの搬送が不可能であるため、印刷動作を継続することができない。したがって、画像形成装置1によれば、印刷動作の継続が不可能な場合に、適切に印刷動作を中止することができる。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、オプション装置20が、給紙装置以外のオプション装置であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…画像形成装置、10…本体装置、20,20A,20B,20C…オプション装置、22…オプション装置検出部(接続検出部)、23…通信部(状態取得要求部)、24…リセット制御部、31…検出信号線、32…リセット信号線、33…要求信号線、R…用紙搬送経路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8