(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222563
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】エンジンの排気装置
(51)【国際特許分類】
F02B 27/04 20060101AFI20171023BHJP
F02F 1/42 20060101ALI20171023BHJP
F02D 13/02 20060101ALI20171023BHJP
F02D 35/00 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
F02B27/04
F02F1/42 B
F02F1/42 K
F02D13/02 H
F02D13/02 K
F02D35/00 368E
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-268833(P2013-268833)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-124667(P2015-124667A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田辺 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】村田 真一
(72)【発明者】
【氏名】山本 貴晴
【審査官】
川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−083186(JP,A)
【文献】
特開平09−041923(JP,A)
【文献】
特開平09−177523(JP,A)
【文献】
特開2008−208738(JP,A)
【文献】
特開2010−001869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 27/04
F02D 13/02
F02D 35/00
F02F 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数気筒を有し、排気集合部に近接して空燃比センサが設置され、前記気筒ごとの空燃比を検出するエンジンの排気装置において、
排気期間が重なる二つの気筒間で、後から排気する気筒の排気弁の開弁タイミングを先に排気する気筒の排気弁の開弁タイミングよりも早くするとともに、前記後から排気する気筒の排気弁のリフト量の変化率を前記先に排気する気筒の排気弁のリフト量の変化率よりも小さくすること特徴とするエンジンの排気装置。
【請求項2】
前記排気集合部がシリンダヘッドに形成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気装置。
【請求項3】
前記エンジンは、4つの気筒が長手方向に並んで配され、外側気筒と前記外側気筒に隣接する内側気筒を備え、
排気期間が重なる二つの気筒は前記内側気筒と前記外側気筒であり、
前記内側気筒の排気通路に対し前記外側気筒の排気通路は長く、
前記外側気筒の排気弁の開弁タイミングを前記内側気筒に対する開弁タイミングよりも早くするとともに前記外側気筒の排気弁のリフト量の変化率を前記内側気筒の排気弁のリフト量の変化率よりも小さくすることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のエンジンの排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の気筒を有するエンジンの排気装置に関するもので、特に、排気通路が集合する排気集合部に空燃比センサを備えたエンジンの排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジンルームに設置されるエンジンには、複数の気筒と、気筒ごとに設けられた排気通路と、排気通路が集合する排気集合部と、が設けられている。また、排気集合部には、空燃比センサが設置され、複数の気筒から排出された排ガスは、排気順に空燃比センサに当たり、排ガスの空燃比が気筒ごとに求められる。
【0003】
特許文献1には、排気行程にある気筒の排気弁の開弁タイミングを吸気行程にある気筒の吸気弁の開弁タイミングから遅らせたエンジンが記載されている。このエンジンによれば、排気行程にある気筒の排気開始タイミングが吸気行程にある気筒の吸気タイミングよりも遅れることになり、排気行程にある気筒の吸気効率が向上してエンジンの出力が増大する。
【0004】
特許文献2には、1番気筒の排気通路と2番
気筒の排気通路とが集合した第1の排気系と、3番気筒の排気通路と4番気筒の排気通路とが集合した第2の排気系とを有するエンジンにおいて、1番気筒及び4番気筒の排気弁の開閉タイミングを進ませるとともに、2番気筒及び3番気筒の開閉タイミングを遅らせることが提案されている。このエンジンによれば、排気量が少ない低速時にも排気脈動を強めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−248948号公報
【特許文献2】特公平7−109172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したように、複数の気筒131から排出された排ガスが排出順(点火順)に空燃比センサ147に当たるためには、
図5に示すように、排気集合部1453の容積を小さく設定することが好ましい。しかしながら、このように排気集合部1453の容積を小さく設定すると、排ガスの圧力損失が増大するので、エンジン性能の低下を招くことになる。
【0007】
一方、
図6に示すように、排気集合部2453の容積を大きく設定すると、排気順が前の気筒から排出された排ガスが空燃比センサ243のまわりに残り、検出された排ガスがどの気筒231から排出されたものか判別できなくなる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、排ガスの圧力損失を抑制しつつ、複数の気筒から排出された排ガスの空燃比を気筒ごとに検出できるエンジンの排気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数気筒を有し、排気集合部に近接して空燃比センサが設置され、前記気筒ごとの空燃比を検出するエンジンの排気装置において、排気期間が重なる二つの気筒間で、後から排気する気筒の排気弁の
開弁タイミングを先に排気する気筒の排気弁の
開弁タイミングよりも早くするとともに、前記後から排気する気筒の排気弁のリフト量の変化率を前記先に排気する気筒の排気弁のリフト量の変化率よりも小さくする。
本発明によれば、排気期間が重なる二つの気筒間で
、後から排気する気筒から排出される排ガス
により、先に排気する気筒から排出される排ガスの流れが変更される。
また、後から排気する気筒から排出される排ガスの初期流れが抑制される。これにより、先に排気する気筒から排出された排ガスと後から排気する気筒から排出された排ガスとを区別することができ、気筒ごとに、排ガスの空燃比を検出できる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記排気集合部がシリンダヘッドに形成されることが好ましい。
このようにすれば、エンジンに触媒を近接配置することができる。そして、エンジンに触媒を近接配置すれば、触媒はエンジンの始動後早期に暖められ、触媒の活性が高められる。これにより、エンジンの始動後早期から排ガスが浄化され、排ガスを良化できる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記エンジンは、4つの気筒が長手方向に並んで配され、外側気筒と前記外側気筒に隣接する内側気筒を備え、排気期間が重なる二つの気筒は前記内側気筒と前記外側気筒であり、前記内側気筒の排気通路に対し前記外側気筒の排気通路は長く、前記外側気筒の排気弁の開弁タイミングを前記内側気筒に対する開弁タイミングよりも早くするとともに前記外側気筒の
排気弁のリフト量の変化率を前記内側気筒の排気弁のリフト量の変化率
よりも小さくすることが好ましい。
このようにすれば、内側気筒から排出される排ガスと外側気筒から排出される排ガスとを区別することができ、内側気筒から排出される排ガスの空燃費と外側気筒から排出される排ガスの空燃費を区別して検出できる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、先に排気する気筒から排出された排ガスと後から排気する気筒から排出される排ガスとを区別することができ、気筒ごとに、排ガスの空燃比を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係るエンジンの構成を示す模式図である。
【
図2】従来のエンジンのクランク角と排気弁のリフト量及び排気流量との関係を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るエンジンのクランク角と排気弁のリフト量及び排気流量との関係を示す図であって、4番気筒の前側排気弁の開弁タイミングと開弁速度を調整したものを示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るエンジンの排ガスの流れを示す模式図であって、4番気筒の前側排気弁の開弁タイミングと開弁速度を調整したものを示す図である。
【
図5】排気集合部の容積を小さく設定したエンジンの排ガスの流れを示す模式図である。
【
図6】排気集合部の容積を大きく設定したエンジンの排ガスの流れを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るエンジンの排気装置の実施の形態を詳細に説明する。尚、この実施の形態により、この発明が限定されるものではない。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係るエンジンの構成を示す模式図である。本発明の実施の形態に係るエンジンは、自動車のエンジンルームに設置される直列四気筒のエンジンであって、
図1に示すように、エンジン本体2、可変バルブタイミング機構5、燃料噴射装置6、ECU7を備えている。
【0017】
エンジン本体2は、シリンダブロック3とシリンダブロック3の上に固定されたシリンダヘッド4とにより構成されている。シリンダブロック3には、一列に四つのシリンダ31が形成され、これらの下方域に四つのシリンダ31に共通する一つのクランクシャフト32が回転可能に支承されている。シリンダ31は、円筒形に形成され、その内部には、ピストン33が上下方向に往復動可能に収容されている。ピストン33は、頭部が閉塞された円筒形に形成され、その胴部には径方向に貫通するピン孔33aが設けられている。また、ピストン33の胴部には、コネクティングロッド34の一端(スモール・エンド)が収容され、ピン孔33aを挿通するピストンピン35により、コネクティングロッド34の一端がピストン33に連結されている。
【0018】
クランクシャフト32は、コネクティングロッド34とともに、ピストン33の往復運動(下降運動)を回転運動に変換するもので、クランクシャフト32の回転中心を通る軸線に対して平行にクランクピン321を有している。そして、クランクピン321には、コネクティングロッド34の他端(ラージエンド)が連結されている。これにより、ピストン33の往復運動は、回転運動に変換される。
【0019】
シリンダヘッド4には、シリンダブロック3に形成されたシリンダ31と対応する位置に燃焼室41が形成されている。また、シリンダヘッド4には、燃焼室41ごとに、吸気ポート42F,42R、排気ポート43F,43Rが形成されている。本発明の実施の形態では、燃焼室41ごとに二つの吸気ポート42F,42Rと二つの排気ポート43F,43Rが形成され、これらは、それぞれ、気筒の配列方向に一列に整列する。
【0020】
また、シリンダヘッド4には、吸気ポート42F,42Rに連通する吸気通路44と、排気ポート43F,43Rに連通する排気通路45とが形成されている。排気通路45は、排気ポート43F,43Rに連通する枝通路451と、枝通路451が合流する幹通路452とを有し、燃焼室41ごとに合流した後、排気集合部453(
図4及び
図6参照)で集合する。
【0021】
排気集合部453には、触媒46(
図4及び
図6参照)が設けられている。これにより、排気通路45を通り排気集合部453で集合した排ガスは、触媒46を通り浄化され、外部に排出される。また、触媒の上流側には、空燃比センサ47(
図4及び
図6参照)が設けられている。空燃比センサ47は、排ガスの空燃比(空気に対する燃料の比率)を検出するもので、排気集合部453の略中央に設けられている。尚、本実施の形態では、空燃比センサ47に連続的な空燃比の変化を検出することができるLAFS(Linear Air−Fuel ratio sensor)が用いられる。
【0022】
また、吸気ポート42F,42Rごとに、吸気ポート42F,42Rを開閉する吸気弁48F,48Rが取り付けられている。吸気ポート42F,42Rは、吸入行程において開放され、吸気ポート42F,42Rから空気の吸入が可能となり、圧縮行程、膨張行程、排気行程において閉鎖される。同様に、排気ポート43F,43Rごとに、排気ポート43F,43Rを開閉する排気弁49F,49Rが取り付けられている。排気ポート43F,43Rは、排気行程において開放され、排気ポート43F,43Rから排ガスの排出が可能となり、吸入行程、圧縮行程、膨張行程において閉鎖される。これにより、燃焼室41は、圧縮行程と膨張行程において閉鎖される。
【0023】
可変バルブタイミング機構5は、吸気側に設置される吸気側可変バルブタイミング機構51と、吸気弁48F,48Rを駆動する吸気カムシャフト511と、排気側に設置される排気側可変バルブタイミング機構52と、排気弁49F,49Rを駆動する排気カムシャフト521と、で構成される。カムシャフト511,521は、各吸排気弁(48F,48R,49F,49R)に対応してカム部が設けられ、カム部のプロフィールにより吸気弁(48F,48R)や排気弁(49F,49R)の各弁のリフト量および閉弁タイミングを設定できる。可変バルブタイミング機構51,52は、クランクシャフト32に対するカムシャフト511,521の位相を可変させるものであり、カムシャフト511,521の位相を可変させることで、吸気弁48F,48Rや排気弁49F,49Rの開閉タイミングを可変とするもので、本発明の実施の形態では、吸気側と排気側とに設けられている。すなわち、吸気側可変バルブタイミング機構51は、吸気弁48F,48Rの開閉タイミングを任意に設定可能である。同様に、排気側に設けられた排気側可変バルブタイミング機構52は、排気弁49F,49Rの開閉タイミングを任意に設定可能である。これにより、各弁48F,48Rの開閉タイミング、リフト量、開閉速度をカムシャフトのプロフィールで設定し、吸気ポート42F,42Rごと又は燃焼室41ごとに設定することができる。同様に、排気弁49F,49Rの開閉タイミング、リフト量、開閉速度(クランク角に対するリフト量の変化率)は、排気ポート43F,43Rごと又は燃焼室41ごとに設定することができる。
【0024】
燃料噴射装置6は、加圧した燃料をシリンダ内に噴射するためのもので、燃料ポンプ61、インジェクタ62を備えている。燃料ポンプ61には、燃圧センサ611が設けられ、燃料ポンプ61の圧力を監視する。インジェクタ62は、吸気ポート42F,42Rに配置され、燃料の噴射量や燃料の噴射タイミングを細かく制御する。
【0025】
ECU(Engine Control Unit)7は、エンジンを総合的に制御する制御装置であって、本実施の形態では、上述した可変バルブタイミング機構5(吸気側可変バルブタイミング機構51、排気側可変バルブタイミング機構52)、燃料噴射装置6を総合的に制御する。具体的には、吸気側に設置された吸気側可変バルブタイミング機構51を制御することにより、吸気弁48F,48Rの開閉タイミングを制御し、排気側に設置された排気側可変バルブタイミング機構52を制御することにより、排気弁49F,49Rの開閉タイミングを制御する。
【0026】
図2は、従来のエンジンのクランク角と排気弁のリフト量及び排気流量との関係を示す図である。
図3は、本発明の実施の形態に係るエンジンのクランク角と排気弁のリフト量及び排気流量との関係を示す図であって、4番気筒の排気弁の開弁タイミングと開弁速度を調整したものを示す図である。
図4は、本発明の実施の形態に係るエンジンの排ガスの流れを示す模式図であって、4番気筒の排気弁の開弁タイミングと開弁速度を調整したものを示す図である。
【0027】
図4に示すように、本発明の実施の形態であるエンジンは、シリンダ31が車両前後方向に並ぶように、自動車のエンジンルーム(図示せず)に設置される。エンジンのシリンダ31は、以下の説明において、車両前方から車両後方に向けて、それぞれ、1番気筒#1、2番気筒#2、3番気筒#3、4番気筒#4と称する。また、
図2に示すように、ここで説明するエンジンは、点火順序が1番気筒#1、3番気筒#3、4番気筒#4、2番気筒#2の順であり、排気順序も1番気筒#1、3番気筒#3、4番気筒#4、2番気筒#2の順である。
【0028】
また、上述したように、本発明の実施の形態であるエンジンは、シリンダ(気筒)31ごとに二つの排気ポート43F,43Rが設けられ、これらは、車両前方から車両後方に向けて一列に整列している。また、上述したように、排気ポート43F,43Rには、それぞれ排気弁49F,49Rが取り付けられる。
【0029】
また、
図2及び
図3に示すとおり、1番気筒#1の吸気行程における上死点(TDC(Top Dead Center))を基準(クランクアングルで0度)とした場合に、1番気筒#1はクランクアングルで−180度から0度までが排気行程であり、0度から180度までが吸気行程、180度から360度までが圧縮行程、360度から540度までが膨張行程となる。同様に、3番気筒#3はクランクアングルで、−180度から0度までが膨張行程であり、0度から180度までが排気行程、180度から360度までが吸気行程、360度から540度までが圧縮行程となる。また、4番気筒#4はクランクアングルで、−180度から0度までが圧縮行程であり、0度から180度までが膨張行程、180度から360度までが排気行程、360度から540度までが吸気行程となる。また、2番気筒#2はクランクアングルで−180度から0度が吸気行程であり、0度から180度までが圧縮行程、180度から360度までが膨張行程、360度から540度までが排気行程となる。
【0030】
図2に示すように、本発明の実施の形態であるエンジンは、すべての気筒において、排気弁49F,49Rの開閉タイミング、排気弁49F,49Rの開弁速度、排気弁49F,49Rのリフト量を同一に設定する。この状態で、エンジンを駆動すると、排気通路45の形状、排気経路の長さ等により、排気が混ざったり、排気が空燃比センサ47を迂回したりすることがある。この場合には、空燃比センサ47で検出された排ガスがどの気筒から排出されたものか判別できない。
【0031】
例えば、3番気筒#3から排出された排ガスが空燃比センサ47のまわりに残る特性を有するエンジンでは、空燃比センサ47は3番気筒#3から排出された排ガスを検出しているのか、4番気筒#4から排出された排ガスを検出しているのか判別できない。この場合には、4番気筒#4から排出された排ガスが空燃比センサ47を迂回していることも想定される。
【0032】
この場合には、点火が連続する気筒であって、排気期間が重なる二つの気筒間で、後から排気する気筒の下死点(BDC(Bottom Dead Center))に対する排気弁49F,49Rの開弁タイミングを先に排気する気筒の下死点(BDC)に対する排気弁49F,49Rの開弁タイミングよりも早めるとともに、後から排気する気筒の排気弁49F,49Rの開弁速度を先に排気する気筒の排気弁49F,49Rの開弁速度よりも遅くする。
【0033】
上述した例では、
図3に示すように、4番気筒#4の排気弁49F,49Rの排気タイミングを排気カムシャフトのプロフィールを調整することにより、
図3において二点鎖線で示す従来のものよりも5°〜10°早めるとともに、4番気筒#4の開弁速度を従来のものよりも遅くする。このようにすれば、4番気筒#4の下死点(BDC)に対する排気弁49F,49Rの排気タイミングは3番気筒#3の下死点(BDC)に対する排気タイミングよりも早くなり、4番気筒#4の開弁速度は3番気筒#3の開弁速度よりも遅くなる。これにより、4番気筒の排気弁49F,49Rのリフト量の立ち上がり角度が3番気筒の排気弁49F,49Rのリフト量の立ち上がり角度よりも緩くなる。
【0034】
例えば、3番気筒#3では下死点前(BBDC(Before Bottom Dead Centaer))3〜60°で排気弁49F,49Rの開放を開始するとすれば、4番気筒#4は下死点前(BBDC)8〜65°(5°早めた場合)で排気弁49F,49Rの開放を開始することになる。これにより、4番気筒#4の排気弁49F,49Rは、3番気筒#3の排気弁49F,49Rよりもゆっくり開くことができる。このように設定すれば、
図4に示すように、3番気筒#3から排出された排ガスE3が空燃比センサ47のまわりに残る特性を有するエンジンであっても、4番気筒#4から排出された排ガスE4が空燃比センサ47のまわりに残る排ガス(3番気筒#3から排出された排ガスE3)を払い除けることができる。これにより、4番気筒#4から排出された排ガスE4が空燃比センサ47に当たることになり、4番気筒#4から排出された排ガスを確実に検出することができる。
【0035】
また、上述の実施の形態では排気カムシャフトのプロフィールを調整することで3番気筒#3の開弁タイミングを
図3の二点鎖線で示す従来のものよりも5°〜10°早めるが、例えば、3番気筒#3の排気行程において、排気側の可変バルブタイミング機構52を用いて排気カムシャフトの位相を5°〜10°早めることで、気筒毎にカムのプロフィールを変えることなく排気抵抗を減らすことも可能であるし、カムのプロフィールによる開弁タイミングの調整と上述の可変バルブタイミング機構51と両方を用いて排気弁41F,41Rの開弁特性を変えることも考えられる。
【0036】
以上説明したように、本発明の実施の形態であるエンジンは、点火が連続する気筒であって、排気期間が重なる二つの気筒間で、後から排気する気筒(上述の例では、4番気筒#4)から排出された排ガスの流れが先に排気する気筒(上述の例では、3番気筒#3)から排出された排ガスの流れを変更する。これにより、先に排気する気筒から排出された排ガスが空燃比センサ47のまわりに残る特性を有するエンジンであっても、先に排気する気筒から排出された排ガスと後から排気する気筒から排出された排ガスとを区別することができるようになり、気筒ごとに、排ガスの空燃比を検出できる。
【0037】
また、後から排気する気筒(上述の例では、4番気筒#4)の排気弁49F,49Rの開弁速度を先に排気する気筒(上述の例では、3番気筒#3)の排気弁49F,49Rの開弁速度よりも遅くするので、後に排気する気筒(上述の例では、4番気筒#4)から排出される排ガスの初期流れが抑制され、先に排気する気筒(上述の例では、3番気筒#3)から排出される排ガスの流れへの影響を小さくできる。
【0038】
また、排気通路45の排気集合部453がシリンダヘッド4に形成されるので、エンジン本体2に触媒46を近接配置することができる。そして、上述したように、エンジン本体2に触媒46を近接配置すれば、触媒はエンジンの始動後早期に暖められ、触媒46の活性が高められる。これによりエンジンの始動後早期から排ガスが浄化され、排ガスを良化できる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、排ガスの圧力損失を抑制しつつ、複数の気筒から排出された排ガスの空燃比を気筒ごとに検出できるので、自動車のエンジンの排気装置に好適である。
【符号の説明】
【0040】
2 エンジン本体
3 シリンダブロック
31 シリンダ
32 クランクシャフト
33 ピストン
4 シリンダヘッド
41 燃焼室
42F,42R 吸気ポート
43F,43R 排気ポート
44 吸気通路
45 排気通路
451 枝通路
452 幹通路
453 排気集合部
46 触媒
47 空燃比センサ
48F,48R 吸気弁
49F,49R 排気弁
5 可変バルブタイミング機構
51 吸気側可変バルブタイミング機構
52 排気側可変バルブタイミング機構
6 燃料噴射装置
7 ECU
#1 1番気筒
#2 2番気筒
#3 3番気筒
#4 4番気筒