(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンテナー振動機構とプリフォームを投下するプリフォーム投下機構とからなるプリフォームの箱詰装置であって、コンテナー振動機構は、コンテナーを載置する載置テーブルと、前記載置テーブルの下面に前記載置テーブルを振動させる振動機構と、前記載置テーブルからの振動の伝達を防止する防振機構とを備えており、前記載置テーブルは、コンテナーを固定する固定手段を設けるとともに、プリフォーム投下と同時もしくはプリフォームの投下と投下の間隔中に前記振動機構によって振動することを特徴とするプリフォームの箱詰装置。
コンテナーを固定する手段は、パレットコンテナー又はコンテナーの下面の透孔又は凹部に挿入する固定用突起であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプリフォームの箱詰装置。
コンテナーを固定する手段は、パレットコンテナー又はコンテナーの側面を挟持するクランプ機構であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプリフォームの箱詰装置。
載置テーブルを振動させる振動機構は、駆動モータの回転軸と前記回転軸に対して偏心したシャフトに昇降テーブルの下面に固定したジョイントを連結して形成した偏芯軸振動機構としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリフォームの箱詰装置。
載置テーブルを振動させる振動機構は、駆動モータの回転軸を昇降テーブルの下面に軸受すると共に、前記回転軸に偏心板を取り付けて形成した板カム振動機構としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリフォームの箱詰装置。
空のコンテナーを、防振機構を有する載置テーブルに載置する工程と、昇降テーブルの上面に設けた固定手段により固定する工程と、プリフォーム投下機構によりコンテナー内にプリフォームを投下すると同時もしくはプリフォームの投下と投下の間隔中にコンテナーに振動を与える工程とからなることを特徴とするプリフォームの箱詰方法。
プリフォーム投下機構としてコンベア機構又はプリフォーム整列機構を用い、プリフォームをコンテナーに投下し、プリフォームを投下しながらコンテナーを連続して振動させるか、所定時間間隔をあけて振動させることを特徴とする請求項9に記載のプリフォームの箱詰方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特開2004―323159号公報に記載のプリフォーム集積装置は、プリフォームを落下させるバケットを移動台により前後方向に移動させ、昇降体により上下動するようになっており、プリフォームをコンテナー内の任意の位置に搬入してコンテナーの略全幅に渡って搬入できるように構成されている。
【0008】
また、特開2005―247344号公報に記載のワーク箱詰装置及び方法は、コンテナーを斜めに傾斜させ、傾斜角度を変化させながらプリフォームをコンテナー内に供給するものであるから、ワークに与える衝撃を小さくすることができ、コンテナー内に片寄ることなく均一に詰めていくことができる。
【0009】
しかしながら、上記両公報記載のプリフォームの箱詰装置及び方法では、いずれも均一に箱詰めすることができるものの、プリフォーム同士の絡み合いによって隙間が形成されることになる。特に、特開2005―247344号公報記載のワーク箱詰方法では、衝撃がないように集積するものであるからプリフォーム同士の間に隙間が形成され易い。
【0010】
上記の通り、従来、振動するテーブル上にコンテナーを固定し、コンテナーを振動させながらプリフォームを箱詰めするということはなかった。一方、コンテナー内のプリフォームは、コンテナーの移送中の振動によってプリフォーム同士の絡み合いによる隙間がなくなって密着することになる。プリフォームが密着するとコンテナー内の容積が減少し、上面が下がってコンテナーの上部に空間が生じる。この空間はコンテナー容量の10〜20%にも達していた。
【0011】
移送中にコンテナーの上部に空間が生じると、それだけ移送効率が悪くなると共に、全体としてコンテナー数も増えて移送のコストアップにもなっていた。しかしながら、従来は、上記特開2005―247344号公報にも記載されているように、プリフォームは慎重に扱う必要があり、衝撃を与えることなく箱詰めすることしか考えられていなかった。ところが、プリフォームの移送中にはコンテナーに振動が与えられる。このような、移送中の振動によっては、プリフォームに傷を付けることはなく問題は生じていなかったのである。
【0012】
この発明はかかる現況に鑑みてなされたもので、プリフォームを傷付けることなく、コンテナーへの容量を増大させて移送効率の向上と、移送コストの低減を図ることができるプリフォームの箱詰装置とプリフォームの箱詰方法を提供することを目的とする。また、プリフォームを箱詰めする際に、コンテナーを振動させても箱詰め作業の効率を低下させることがないプリフォームの箱詰方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は上記目的を達成するために次のような構成とした。即ち、この発明に係るプリフォームの箱詰装置は、コンテナーを載置し振動させるコンテナー振動機構と、プリフォームをコンテナーに投下するプリフォーム投下機構とからなり、前記コンテナー振動機構は、コンテナーを載置する載置テーブルと、前記載置テーブルの下面に前記載置テーブルを振動させる振動機構と前記載置テーブルからの振動の伝達を防止する防振機構とを備えており、前記載置テーブルは上面にコンテナーを固定する固定手段を設けるとともに、プリフォーム投下時に前記振動機構によって振動するように構成されている。前記防振機構は、空気バネである。
【0014】
コンテナーを固定する固定手段は、載置テーブルの上面に設けた固定用突起又はクランプ機構とすることができる。載置テーブルを振動させる振動機構には振動モータを用いることができる。また、振動機構は、駆動モータの回転軸と前記回転軸に対して偏心したシャフトを連結し、前記偏心シャフトに載置テーブルの下面に固定したジョイントを連結する偏心軸振動機構としてもよい。また、振動機構には、カムを用いたカム振動機構としてもよいし、駆動モータの回転軸を載置テーブルの下面において軸受すると共に、前記回転軸に偏心板を取り付ける芯ズレ円板振動機構とすることができる。
【0015】
また、この発明に係るプリフォームの方法は、コンテナーを、防振機構を有する載置テーブルに載置する工程と、載置テーブルの上面に設けた固定手段により固定する工程と、プリフォーム投下機構によりコンテナー内にプリフォームを投下してコンテナーに振動を与える工程からなることを特徴とする。
【0016】
また、防振機構として空気バネを用い、空気バネの空気の量を変えることにより、載置テーブルを昇降させることができる。また、プリフォーム投下機構としてコンベア機構又はプリフォーム整列機構を用い、プリフォームをコンテナーに投下し、プリフォームを投下した後コンテナーを振動させるか、コンテナーを連続して振動させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係るプリフォーム箱詰装置及びプリフォーム箱詰方法によれば、プリフォームを箱詰めする際にコンテナーを振動させるコンテナー振動機構を組み込んだので、次のような効果を奏することができる。即ち、箱詰めの際に振動によってプリフォーム間の隙間を少なくすることができ、しかもコンテナー内への容量を増やすことができるので、箱詰めの作業効率が向上する。また、コンテナー内の容量が増大するので全体としてコンテナーの数量が減り、移送コストの低減を図ることができる。
【0018】
また、コンテナーを載置する載置テーブルの下面に振動機構を取り付け、プリフォームを箱詰めする際には、コンテナーを載置テーブルに固定することとしたから、安定した振動が得られるとともに、コンテナーが他の器具等に接触したり干渉したりすることがない。さらに、載置テーブルの振動機構による振動は防振機構により微細振動に調整されるので、コンテナー内でプリフォームに傷が付く事がなく、より多くのプリフォームをコンテナーに詰めこむことができる。
【0019】
また、この発明に係るプリフォームの箱詰方法によれば、プリフォームを投下する度にその都度コンテナーを振動させるか、連続して振動させることとしたから、僅かな振動を与えるだけでプリフォーム間の隙間をなくして密に箱詰めすることができる。従って、コンテナー内の容量が増大して移送コストを低減させることができる。また、プリフォームの投下と投下の間に、あるいはプリフォームを投下しながら振動を与えるので作業効率を低下させることがない。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面に基づいて、コンベア装置に組み込まれたプリフォームの箱詰装置の実施形態について説明する。まず、プリフォームの移送時に使用されるパレットコンテナーについて説明する。
図20は、パレットコンテナーの一例を示す斜視図である。パレットコンテナー1は、パレット2に蓋付きコンテナー3を固定具4で固定してなる。
【0022】
パレット2は、上部デッキボード2aと下部デッキボード2bとを、四隅とその中間、及び中心部にそれぞれ設けた支柱2c、2d及び2eで連結し、前記支柱2c、2d及び2e及び上下デッキボード2a,2bで囲まれた空隙をフォーク差込孔2fとした四方差しパレットである。そして、下部デッキボード2bには、各支柱2c、2d及び2eで囲まれた内側に4つの方形状透孔2gが形成されている。
【0023】
図
2は、プリフォーム箱詰ラインの全体を示す説明用平面図であって、まず、コンベア装置全体の構成について概説する。パレット搬入コンベア装置6とパレット搬出コンベア装置7とプリフォーム移送装置8と方向転換用コンベア装置20とプリフォーム箱詰装置30
Bとからなる。
図2に示すように、パレット搬入コンベア装置6とパレット搬出コンベア装置7と方向転換用コンベア装置20とプリフォーム箱詰装置30とを略コの字状に配設してなる。また、
図1及び
図2に示すように、プリフォーム移送装置8をパレット搬入コンベア装置6とパレット搬出コンベア装置7の間に配設しなり、プリフォーム移送装置8の先端部に設けてなるプリフォーム投下機構30Bがプリフォーム箱詰装置30の上方に位置するように構成されている。
【0024】
前記パレット搬入コンベア装置6は、前工程でパレット2とコンテナー3を組み立てられたパレットコンテナー1を所定の間隔で方向転換用コンベア装置20に搬入する。方向転換用コンベア装置20では、受け取ったパレットコンテナー1を90度向きを変えてプリフォーム箱詰装置30へと移送する。前記方向転換用コンベア装置20とプリフォーム箱詰装置30は、後述するように、コンベア装置10に組み込まれている。
【0025】
前記プリフォーム移送装置8の先端部には、後述するように、プリフォーム箱詰装置30の上方にプリフォーム投下機構30Bであるバケット機構36が配設されている。プリフォーム移送装置8によって移送されてきたプリフォームは、バケット機構36に集積されプリフォーム箱詰装置30上で待機しているパレットコンテナー1に投下される。プリフォームの投下は、バケット機構36の高さを調整しながら複数回に分けて行われる。プリフォームが所定量に達すると、パレットコンテナー1は次工程に排出される。
【0026】
プリフォーム箱詰装置30から搬出されたパレットコンテナー1は、図示する実施形態では、再度方向を転換して搬出するために、プリフォーム箱詰装置30には方向転換用コンベア装置20が連設されている。ここで、パレットコンテナー1は、90度方向を転換されてパレット搬出コンベア装置7へと移送される。パレット搬出コンベア装置7では、プリフォームが充填されたパレットコンテナー1を集積場所へと搬出する。
【0027】
図4は、プリフォーム箱詰装置30と方向転換用コンベア装置20が組み込まれたコンベア装置10の説明用平面図である。コンベア装置10は方向転換用コンベア装置20によって搬入されたパレットコンテナー1をプリフォーム箱詰装置30の位置まで搬送する。前記プリフォーム箱詰装置30と方向転換用コンベア装置20は、コンベア装置10を構成する平行なコンベアチェーンの間に配設されている。この発明は、上記コンベア装置10とプリフォーム箱詰装置30とからなる。
【0028】
次に、
図4〜
図6に基づいて、上記コンベア装置10について説明する。コンベア装置10は、コンベアチェーンに沿って二列に立設した支柱11の上端に横架材12、12が平行に架設されており、前記横架材12、12の両端部にはそれぞれスプロケット13が取り付けられている。前記横架材12、12は、水平に架設されており、両端部に取り付けたスプロケット13,13の間にはコンベアチェーン13a,13aが掛け渡されている。
【0029】
前記コンベアチェーン13a,13aは、一方側の横架材12の外面に取り付けられた直交軸ギヤモータ14によって駆動される。即ち、直交軸ギヤモータ14には、両端部に駆動スプロケット15を取り付けた回転ロッド16が連結されており、前記駆動スプロケット15に隣接し前記スプロケット15の上方に位置する従動スプロケット17、17が配設されている。前記駆動スプロケット15及び従動スプロケット17には、前記コンベアチェーン13aが掛け渡されている。
【0030】
前記駆動スプロケット15及び従動スプロケット17は、
図4に示すように、上方に配設するプリフォームの箱詰装置30の外側に位置している。即ち、プリフォームの箱詰装置30は、コンベアチェーン13a,13aの間に配設されている。また、
図5及び
図6に示すように、回転ロッド16と駆動スプロケット15は、方向転換用コンベア装置20の昇降テーブル27より下方に位置している。回転ロッド16を方向転換用コンベア装置20の昇降テーブル27より下方に配設することによって、コンベア装置10によって搬送されてきたパレットコンテナー1をコンベアチェーン13aの上下に昇降させることができる。
【0031】
次に、方向転換用コンベア装置20の構成について説明する。方向転換用コンベア装置20は、
図4に示すように、コンベア装置10の両コンベアチェーン13a,13aの間に設けられたリフト機構21と前記リフト機構21の上面に設けられたコンベア機構22からなり、前記コンベア機構22はリフト機構21によって昇降可能となっている。
【0032】
前記リフト機構21は、基台23の略中央に配置された電動モータ24の駆動によって回転する板カム25によって形成されている。電動モータ24の出力軸には、駆動スプロケット24a,24bが取り付けられている。また、前記電動モータ24の両側には回転ロッド26が平行に設けられており、回転ロッド26は軸受26cによって回転可能に支持されている。前記回転ロッド26には、従動スプロケット26a,26bが取り付けられており、前記駆動スプロケット24aと従動スプロケット26aとの間、及び駆動スプロケット24bと従動スプロケット26bとの間にそれぞれチェーン26d,26eが掛け渡されている。
【0033】
前記回転ロッド26,26の両端部は軸受26cから突出しており、前記突出した両端部にそれぞれ同一方向に向けた前記板カム25が一体に固定されている。従って、電動モータ24が作動すると、チェーン26d,26eによって回転ロッド26,26が回転し、同時に板カム25が回動する。前記4ヶ所の板カム25の先端には、ガイドローラ25aが取り付けられており、このガイドローラ25aによってコンベア機構22がスムーズに昇降することができる(
図7参照)。
【0034】
コンベア機構22は、前記板カム25及びガイドローラ25aに載置される昇降テーブル27と、前記昇降テーブル27の上面に配設されるチェーンコンベア28とからなる。前記チェーンコンベア28は、昇降テーブル27の側端部に設置された直交軸ギヤモータ28aに取り付けられた駆動スプロケット28bと対向する側に取り付けられた従動スプロケット28cとの間にコンベアチェーン28dが掛け渡されている。
【0035】
前記コンベアチェーン28dは、
図4〜
図7に示すように、コンベアチェーン13aとは直交する方向に設けられている。このように、コンベアチェーン13aとコンベアチェーン28dとを直交させることによって、コンベアチェーン13aの搬送路を短くできると共に、コンベアチェーン13aとコンベアチェーン28dとをそれぞれ独立して作動させることができるから、パレットコンテナーを効率よく搬入、搬出することができる。
【0036】
上記のように、方向転換用コンベア装置20では、電動モータ24を作動させると、駆動スプロケット24a、26aと従動スプロケット24b、26bの間に掛け渡されたチェーン26d,26eによって回転ロッド26が回転し、回転ロッド26と共に板カム25とガイドローラ25aが上下に回動する。
【0037】
前記板カム25及びガイドローラ25aが下がって下方端に位置すると、コンベア機構22は下方端位置に至り、コンベアチェーン28dがコンベアチェーン13aよりも下方に位置する。一方、前記板カム25及びガイドローラ25aが上がって上方端に位置すると、コンベア機構22は上方端位置に至り、コンベアチェーン28dがコンベアチェーン13aよりも上方に位置する。
【0038】
コンベアチェーン28dの上昇位置及び下降位置は、
図7に示すように、昇降テーブル27の下面に設けたリミットスイッチ29により検知され、電動モータ24による出力が停止され、内蔵ブレーキにより出力軸がロックされることにより昇降テーブル27(コンベアチェーン28d)の位置が保持される。
【0039】
コンベアチェーン28dがコンベアチェーン13aよりも上方に上昇させたときにパレットコンテナー1を受け入れ、コンベアチェーン28dをコンベアチェーン13aよりも下方に降下させることによって、パレットコンテナー1をコンベアチェーン28dからコンベアチェーン13aに載置する。パレットコンテナー1をコンベアチェーン13aに載置した後、直交軸ギヤモータ14を作動させて、プリフォーム箱詰装置30の上方に搬送すればよい。
【0040】
尚、前記方向転換用コンベア装置20は省略することが可能であり、パレットコンテナー1をコンベア装置10のコンベアチェーン13aに直接載置して搬送してもよい。
【0041】
次いで、プリフォームの箱詰装置30について説明する。
図4〜
図8に示すように、プリフォームの箱詰装置30は、前記コンベアチェーン13a、13aの間に配設されるコンテナー振動機構30Aとプリフォームをコンテナーに投下するプリフォーム投下機構30Bとからなる。コンテナー振動機構30Aは、コンテナーを載置する載置テーブル33と、前記載置テーブル33を振動させる振動機構35と、前記振動載置テーブル33の振動を抑える防振機構32からなる。
【0042】
前記載置テーブル33は、前記コンベアチェーン13a、13aの間に位置し、コンベアチェーン13a、13aとは直交する方向に平行に設けた基台31,31に防振機構32としての空気バネ32aを介してパレットコンテナー1を載置するように構成されている。前記平行な基台31,31の間に回転ロッド16が設けられており、振動機構35として振動モータ35aが設置されている。
【0043】
前記空気バネ32aは、前記基台31,31の両端部に設けられており、載置テーブル33の四隅を支持している。前記空気バネ32aは、載置テーブル33の四隅下面に位置して昇降手段と防振手段を兼ねており、空気の量を変えることによって載置テーブル33を昇降させることができる。
【0044】
また、空気バネ32aは、振動モータ35aにより振動する載置テーブル33の振動の伝達を防止する防振手段としても作用する。具体的には、前記空気バネ32aは、載置テーブル33の振動が前記基台31,31に伝達するのを防止するとともに、コンテナー内にあるプリフォームへの振動を微細な振動に調整することができる。その結果、プリフォームに傷を付けることがなく、プリフォームの微細振動によりプリフォームのコンテナーへの収納容量をより増大させることが可能となる。そして、コンテナー載置テーブル33は、空気バネ32aによって最上方に押し上げられたときは、パレットコンテナーをコンベアチェーン13aよりも上方に上昇させ、載置テーブル33が最下方に引き下げられたときは、コンベアチェーン13aよりも下方まで降下してパレットコンテナーをコンベアチェーン13aに載置させる。
【0045】
載置テーブル33の上面には、載置するパレットを位置決めし固定する固定手段として固定用突起34が突設されている。固定用突起34がパレットの下面の透孔に挿入され、前記透孔の側面に係止することによってパレットが固定され、振動によるズレが防止される。図示する実施形態では、固定用突起34が四方差しパレットの下面に形成された4つの方形状透孔2gに挿入され、前記透孔2gの側面に係止してパレットのズレを防止するように形成されている。従って、固定用突起34の形状、大きさは、パレットの透孔の大きさ等によって適宜変更される。
【0046】
前記載置テーブル33の下面には、
図4、
図5及び
図8に示すように、振動機構35として振動モータ35aが取り付けられている。前記振動モータ35aによって載置テーブル33に微細な水平振動を生じさせることができる。前記振動モータ35aは、コンテナーに投入するプリフォームの片寄りを防止するために対向させて2台設け、互いに逆回転で同期運転させることが好ましい。
【0047】
尚、上記実施形態ではパレットコンテナー1を用いて箱詰めする場合について説明したが、パレットと組み合わせることなくコンテナー自体であってもよい。また、パレットコンテナーのパレットの構成は上述の四方差しパレットに限定されるものではなく、公知のパレットコンテナーを用いることができる。また、パレットは合成樹脂製パレットに限らず、木製パレットを使用することもできる。
【0048】
また、前記固定用突起34は、パレット底面の透孔に挿入することなくパレットの側面を係止するようにしてもよいし、コンテナーの底面に透孔又は凹部が形成されている場合には、固定用突起34を前記透孔又は凹部に係止させてもよい。パレットの側面を係止する場合には、固定手段としての固定用突起34をパレットコンテナーの側面を挟持するクランプ機構とすることができる。コンテナーを固定することによって、安定した振動が得られるとともに、コンテナーの位置が大きくずれて他の器具等に接触することがない。
【0049】
さらに、移送の利便性からパレットコンテナーを使用する場合について説明したが、パレットを使用せずコンテナー自体を直接チェーンコンベア13aで搬送し、コンテナーを載置テーブル33に載置してプリフォームを箱詰めしてもよい。コンテナー自体を使用する場合には、固定手段としてコンテナーの側面を挟持するクランプ機構とすることが好ましい。
【0050】
前記載置テーブル33の上方には、パレットコンテナーにプリフォームを投下するプリフォーム投下機構30Bとしてバケット機構36が配設されている。バケット機構36は、複数配設されており、パレットコンテナーの平面の範囲内で水平移動が可能であり、且つ昇降機構により上下動可能に形成されている。バケット機構36のバケットがコンテナー内に侵入して所定の高さからプリフォームを投下する。プリフォームの投下による搬入は、バケットの高さを調整しながら複数回に分けて行われる。
【0051】
バケット機構36がプリフォームをコンテナー内に投下するときには、載置テーブル33がコンベアチェーン13aよりも上方に押し上げられ、パレットコンテナーを載置テーブル33に載置するとともに、固定用突起34によって固定する。そして、バケット機構36にストックされていたプリフォームがコンテナー内に投下されると、振動モータ35aを作動させて昇降テーブルに載置されているコンテナーに振動を与える。この振動によって、プリフォームは隙間がなくなり密着するから、効率よく箱詰めすることができる。
【0052】
プリフォームがコンテナー内に投下される度に、その都度振動モータ35aを作動させてコンテナーに振動を与える。プリフォームをコンテナーに複数回投下した後に一度だけコンテナーを振動させてもよいが、プリフォームを投下する度にその都度コンテナーを振動させることによって、小さな振動でも密に箱詰めすることができる。また、プリフォームを投下するたびに振動させても、バケットが昇降する間に行うことにより作業効率を低下させることがない。
【0053】
また、載置テーブル33に載置されているパレットコンテナーは、固定用突起34によって固定されているので振動によってもズレることがなく、安定した振動を与えることができると共に、他の器具と接触したり干渉したりすることがない。また、載置テーブル33にコンテナーを固定することによって、振幅の大きさを調整することができる。
【0054】
そして、プリフォームの箱詰めが完了すると、空気バネ32aを作動させて昇降テーブルを下げてパレットコンテナーをコンベアチェーン13aに載置する。パレットコンテナーがコンベアチェーン13aに載置されると、直交軸ギヤモータ14を作動させてコンベアチェーン13aを回転させて箱詰めが完了したパレットコンテナーを次工程へと搬出する。このとき、方向転換用コンベア装置20によりコンベアチェーン13a上に載置されて待機しているパレットコンテナーをプリフォームが箱詰めされたコンテナーと入れ替える。このように、パレットコンテナーの搬入口と搬出口とを異なる構造としたから、時間の短縮、効率化を図ることができる。
【0055】
上記実施形態では、振動モータ35aを水平に設置して載置テーブル33を水平に振動させることとしたが、振動モータ35aを縦方向に設置してもよい。振動モータ35aを縦方向に設置しても水平運動が生じ、昇降テーブルに水平な振動を与えることができる。尚、上記コンベア装置10、方向転換用コンベア装置20及びプリフォーム箱詰装置30等の各機構が、コンピュータシステムによりすべて自動的に作動するように構成されている。
【0056】
また、上記実施形態では、コンテナーへのプリフォーム投下機構30Bとしてバケット機構36を使用した場合について説明したが、プリフォーム投下機構としては、バケット機構に限定するものではなく、他の公知の装置を用いることができる。例えば、
図9は、プリフォーム投下機構としてコンベア装置であるグリップコンベア37を使用した場合の説明用正面図である。尚、プリフォーム投下機構としてグリップコンベア37を用いた以外は、上記実施形態と同様であるから同一構成については同一符号を付してその説明は省略する。
【0057】
空のコンテナーがグリップコンベア37の下方に達すると載置テーブル33がコンテナーを固定しながら上昇し、プリフォームの投下に備える。図示するように、グリップコンベア37のプリフォーム落し口37bが、パレットコンテナー1の上部開口面に挿入されており、プリフォームをコンテナー内に落下させるように構成されている。グリップコンベア37の一対の無端コンベア37a,37aがプリフォームを挟持しながら搬送し、落し口37bに達すると挟持を解放してコンテナー内に落下させる。
【0058】
上記実施形態のように、プリフォームが連続的に投下される場合には、振動モータ35aを所定の時間ごとに作動させてコンテナー1に振動を与えてもよいが、振動モータ35aを連続して作動させてコンテナー1に連続振動を与えることが好ましい。
【0059】
さらに、
図10〜
図12は、プリフォーム投下機構の他の実施形態を示す。この実施形態は、プリフォームを整列させた状態で投下するプリフォーム整列機構38を用いた場合である。水平なチャック機構内に整列させた多数のプリフォームをコンテナーに同時に落下させるようにしたものである。即ち、プリフォーム整列機構38は、昇降板39とチャック機構48と前記チャック機構48を開閉するシリンダ49とからなる。
【0060】
プリフォーム整列機構38は、コンテナー1の上面開口に挿入可能なように昇降自在に配設されている。チャック機構48は、下端部にツメを有する一対のアーム板48a,48bを対向させて配設することによって形成されている。前記アーム板48a,48bの上端部は昇降板39の上方に突出しており、アーム板48a,48bとは直交する方向に水平にスライドする一対のスライド板48c、48dに回動自在に連結されている。前記アーム板48a,48bの中間部は昇降板39の下面に固定されている取付バー48eに軸48fによって回動自在に軸支されている。
【0061】
前記シリンダ49は、反対向きに配設されたシリンダ49aとシリンダ49bとからなり、シリンダ49aのロッドがアーム板48aの1つを延長した延長部先端に連結しており、シリンダ49bのロッドがアーム板48bの1つを延長した延長部先端に連結している。アーム板48a上端部はスライド板48cに回動自在に連結されており、アーム板48bの上端部はスライド板48dに回動自在に連結されている。
【0062】
従って、シリンダ49a、49bが作動してロッドに連結しているアーム板48c、48dを水平方向にスライドさせると、他のアーム板48a、48bの上端部はスライド板48c,48dとともに同一方向に一体にスライドすることになる。シリンダ49a、49bは反対向きに配設されているから、アーム板48a、48bの下端部はアーム板48a、48bの上端部とは反対方向に回動し、アーム板下端のツメが開閉するように回動することになる。
【0063】
一方、プリフォームは閉じているアーム板48a,48bの間の一端開口部から挿入され、ツメによって垂下される。チャック機構48を構成するアーム板48a,48bの全てにプリフォームが挿入されると、昇降板39はコンテナー内の適宜の位置まで降下してシリンダ49a、49bを作動させてスライド板48c、48dをスライドさせ、同時にアーム板48a,48b下端のツメを開いてプリフォームを投下する。
【0064】
プリフォームを投下すると昇降板39が再び上昇してプリフォームを受け入れのために待機する。プリフォームが投下されると、振動モータ35aを作動させて昇降テーブルに載置されているコンテナーに振動を与える。この振動によって、プリフォームは隙間がなくなり密着するから、効率よく箱詰めすることができる。振動モータ35aによる振動は、バケット機構を使用した場合と同様に、プリフォームが投下される度に振動させてもよく、連続して振動させてもよい。
【0065】
次に、
図13〜
図15に示す振動機構35の第2実施形態について説明する。この実施形態の偏心軸振動機構35bは、振動モータ35aに代えて偏芯軸による往復運動機構を用いたものである。尚、以下の実施形態において、第1実施形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。駆動モータ40の回転軸41にカップリング42を介してベアリングホルダ43に保持されたシャフト44が連結されており、シャフト44の先端面に円板45が取り付けられている。
【0066】
前記円板45にはシャフト44aを有する円板45aが接合されている。前記シャフト44とシャフト44aとは高さ方向において寸法Hだけ偏芯している。シャフト44aは、ベアリングユニット46に保持されており、ベアリングユニット46が載置テーブル33の下面に固定したフローティングジョイント46aに連結されている。前記シャフト44とシャフト44aとが偏芯していることによって、駆動モータ40が作動して円板45,45aが回転すると、シャフト44aは上下円運動する。シャフト44aの上下円運動は、ベアリングユニット46を介して載置テーブル33を上下に振動させることになる。
【0067】
上記駆動モータ40は、防振機構32の一部として使用したシリンダ32bによって支持された架台48に設置されており、
図13に示すように、反対向きに2台設置されている。架台48と載置テーブル33との間に防振機構32の一部として使用した防振ゴム50が設けられており、前記防振ゴム50は、上述の空気バネと同様に、載置テーブル33の四隅に設けられている。前記シリンダ32bによって載置テーブル33がコンベアチェーン13aより上方に押し上げられ、又はコンベアチェーン13aより下方に引き下げられる。
【0068】
図16は、振動機構35の第3実施形態を示す。この芯ズレ円板振動機構35cは、芯ズレ円板を水平に用いたもので、載置テーブル33から垂下された取付板51に直交軸モータ52が取り付けられており、直交軸モータ52のシャフト53が載置テーブル33の下面に設けたベアリングユニット54と取付板51に設けたベアリングユニット55に軸受されている。シャフト53には、芯ズレ円板56が前記ベアリングユニット54とベアリングユニット55の間に固定されている。
【0069】
直交軸モータ52が作動すると、シャフト53に固定された芯ズレ円板56がシャフト53とともに回転し、芯ズレ円板56の遠心力によって水平方向に回動する。このとき、直交軸モータ52も一体に水平方向に回動することにより、載置テーブル33を水平に振動させる。芯ズレ円板振動機構35cでは、直交軸モータ52は、載置テーブル33の中央部に一台設置すればよい。
【0070】
図17〜
図19は、カムを利用したカム振動機構である。
図17は円筒カムを利用した第4実施形態の円筒カム振動機構35dを示し、
図18及び
図19は板カムを利用した第5実施形態の板カム振動機構35eを示す。円筒カム振動機構35dは、駆動モータ61のシャフト62に波形溝63を設けた円筒カム64が取り付けられており、前記波形溝63には載置テーブル33の下面に固定された従動体65が滑るように係合している。
【0071】
上記構成において、従動体65は波形溝63に応じて円筒カム64の1回転中に左右に急速に往復運動をなし、載置テーブル33を水平に振動させる。載置テーブル33を水平に振動させる駆動モータ61は、載置テーブル33の中央部に一台設置すればよい。
【0072】
第5実施形態として示す板カム振動機構35eは、上記円筒カム64に代えて板カム71を用いたもので、
図18、
図19にはカム部分のみを示している。板カム71は、駆動モータのシャフト72に固定された円板73,73aを介して取り付けられており、板カム71に載置テーブル33の下面に設けた従動体74が接触している。従動体74の先端には、ベアリング74aが取り付けられており、板カム71の回転に応じて従動体74が上下運動をすることになり、載置テーブル33を上下に振動させる。
【0073】
この発明に係るプリフォームの箱詰方法は、上述したところから明らかなように、まず、コンベア装置10のコンベアチェーン13a、13aによりコンテナー(パレットコンテナー)をプリフォームの箱詰装置30の位置まで搬入する。搬入したコンテナーを載置テーブル33を上昇させて載置し、載置すると同時にコンテナーを載置テーブル33に固定用突起34等の固定手段によって固定する。
【0074】
次いで、載置テーブル33に固定したコンテナー1をコンベア装置10のコンベアチェーン13a,13aより上方に上昇させて上昇位置を保持し、バケット機構等のプリフォーム投下機構によりプリフォームをコンテナー内に投下する。プリフォームをコンテナー内に投下した後に、載置テーブル33の下面に設けた振動機構によりコンテナーを振動させる。コンテナー内へのプリフォームを投下する度にコンテナーを振動させ、これを複数回繰り返すか、連続して振動させる。プリフォームを連続して投下する場合には、連続した振動とすることが好ましい。
【0075】
プリフォームの投下を繰り返してプリフォームが所定の容量に達すると、コンテナーを載置している載置テーブル33を降下させてコンテナーをコンベア装置10のコンベアチェーン13a、13aに載置する。コンベア装置のコンベアチェーン13a、13aにコンテナーを載置した後、コンベアチェーン13a、13aを作動させて箱詰めが完了したコンテナーを搬出する。一方、箱詰めが完了したコンテナーの搬出と同時に、コンベアチェーン13a、13a上に待機している空のコンテナーを箱詰め完了のコンテナーに代わってコンテナー振動機構30Aの載置テーブル33の位置に搬入する。
【0076】
この発明に係るプリフォームの箱詰方法は、コンベア装置によってコンテナーを搬入する工程、プリフォームを投下しコンテナーを振動させる工程、箱詰めしたコンテナーを搬出する工程からなるものであり、コンテナーの搬入及び搬出、コンテナーの振動数、振動速度、振動時間等を全てコンピュータシステムによって全自動化されている。