【実施例】
【0014】
図1は、この発明の実施例を示すものである。
図1において、加湿機1は、気化用の水を供給する給水機構2と、この給水機構2で供給される水を気化させて空気を加湿する気化エレメント3とを備えている。給水機構2は、給水バルブ4を有する給水配管5と、給水配管5で給水される水を気化エレメント3に滴下する散水器6と、を備えている。気化エレメント3は、吸水性を有し、エレメントケース7により支持される。エレメントケース7は、気化エレメント3から落下した水を受ける。
前記エレメントケース7は、深底壁8と、この深底壁8に連続して深底壁8よりも上方に位置する浅底壁9と、深底壁8及び浅底壁9を囲む周壁10と、により箱形状に形成される。エレメントケース7は、排水用ケース部11と、オーバフロー用ケース部12と、を備えている。排水用ケース部11は、深底壁8と、この深底壁8を囲む周壁10とにより形成される。オーバフロー用ケース部12は、浅底壁9と、この浅底壁9を囲む周壁10とにより形成される。
前記排水用ケース部11は、気化エレメント3の下部を支持し、気化エレメント3から落下する水を貯める。気化エレメント3の落下水は、深底壁8上面から貯留最高水位B1の高さまで貯められる。排水用ケース部11は、深底壁8に排水用ドレーン配管13を備えている。排水用ドレーン配管13は、排水用ケース部11に貯まった気化エレメント3の落下水を排出する。
前記オーバフロー用ケース部12は、浅底壁9上面を排水用ケース部11の貯留最高水位B1と同じ高さに位置させている。オーバフロー用ケース部12は、排水用ケース部
11の貯留最高水位B1を越えた水を浅底壁9上に貯める。オーバフロー用ケース部12は、浅底壁9にオーバフロー用ドレーン配管14を備えている。オーバフロー用ドレーン配管14は、排水用ケース部
11の貯留最高水位B1を越えて浅底壁9上に流入した水を排出する。
【0015】
加湿機1は、気化エレメント3からエレメントケース7に落下した水を貯める排水タンク15を備え、排水タンク15に貯められた水を排出する排水機構16を備えている。
前記排水タンク15は、第1底壁17と、この第1底壁17に連続する第2底壁18と、第1底壁17、第2底壁18を囲む周壁19と、対向する周壁19の間で第1底壁17及び第2底壁18の間を仕切る隔壁20と、により仕切り付き箱形状に形成される。排水タンク15は、排水用タンク部21と、オーバフロー用タンク部22と、を備えている。排水用タンク部21は、第1底壁17と、第1底壁17を囲む周壁19及び隔壁20とにより形成される。オーバフロー用タンク部22は、第2底壁18と、第2底壁18囲む周壁19及び隔壁20とにより形成される。
前記排水用タンク部21は、エレメントケース7の排水用ケース部11下方に配置され、排水用ケース部
11から排水用ドレーン配管13で排出される水を溜める。排水用ドレーン配管13は、下端の開口から落ちる水滴の飛散と不快な異音を防止するために、排水用タンク部21に貯められた水の水面に触れさせている。排水用タンク部21は、第1底壁17上面から所定の高さに水の排出を開始するための排水用水位B2を設定し、排水用水位B2よりも上方で隔壁20の上端を貯留最高水位B3に設定している。排水用タンク部21の貯留最高水位B3を越えた水は、オーバフロー用タンク部22に流入する。
【0016】
前記オーバフロー用タンク部22は、排水用タンク部21の貯留最高水位B3を越えた水を貯めるとともに、オーバフロー用ケース部12からオーバフロー用ドレーン配管14で排出される水を溜める。
前記排水機構16は、排水用タンク部21の水を排出する排水ポンプ23を有する排水配管24を備え、排水用タンク部21の水が排水用水位B2に達したことを検出する排水用水位センサ25を備え、オーバフロー用タンク部22の水の有無を検出するオーバフロー用水位センサ26を備えている。オーバフロー用水位センサ26は、第2底面18の上面に配置され、電極構造を有し、導電性により第2底面18の水の有無を検出する。
前記給水バルブ4と排水ポンプ23と排水用水位センサ25とオーバフロー用水位センサ26とは、漏水防止装置27を構成する制御部28に接続されている。制御部28は、排水用タンク部21の水位が排水用水位B2に達したことを排水用水位センサ25が検出した場合、排水ポンプ23を駆動して排水用タンク部21の水を排水配管24で外部に排出する。また、制御部28は、オーバフロー用タンク部22に水が有ることをオーバフロー
用水位センサ26が検出した場合、給水機構2の給水バルブ4を閉じて気化エレメント3への給水を停止する。
【0017】
次に、作用を説明する。
加湿機1は、気化エレメント3からエレメントケース7の排水用ケース部11に落下した水を、排水用ドレーン配管13で排出して排水用タンク部21に貯める。
漏水防止装置27は、制御部28によって、排水用タンク部21の水位が排水用水位B2に達したことを排水用水位センサ25が検出した場合、排水ポンプ23を駆動して排水用タンク部21の水を排水配管24で外部に排出することで、排水用タンク部21から外部への漏水を防止する。
また、加湿機1は、排水用タンク部21に貯められた水が貯留最高水位B3を越えると、オーバフロー用タンク部22に水が流れ込む。オーバフロー用タンク部22に流れ込んだ水は、オーバフロー
用水位センサ26によって水有りを検出される。
漏水防止装置27は、制御部28によって、オーバフロー
用水位センサ26が水有りを検出した場合、給水機構2の給水バルブ4を閉じて気化エレメント3への給水を停止することで、排水用タンク部21から外部への漏水を防止する。
さらに、加湿機1は、泡や微生物によって排水用ドレーン配管13が閉塞され、排水用ケース部11の水を排水用タンク部21に排出できなくなり、排水用ケース部11の水が貯留最高水位B1を越えてオーバフロー用ケース部12に流入した場合、オーバフロー用ドレーン配管14でオーバフロー用タンク部22に排出することで、排水用ケース部11から外部への漏水を防止する。オーバフロー用タンク部22に流れ込んだ水は、オーバフロー
用水位センサ26によって水有りを検出される。
漏水防止装置27は、制御部28によって、オーバフロー
用水位センサ26が水有りを検出した場合、給水機構2の給水バルブ4を閉じて気化エレメント3への給水を停止することで、排水用ケース部11から外部への漏水を防止する。
【0018】
このように、加湿機1の漏水防止装置27は、排水タンク15をエレメントケース7への落下水を貯める排水用タンク部21と排水
用タンク部21及びオーバフロー
用ケース部12からオーバフローした水を貯めるオーバフロー用タンク部22とに分け、それぞれに排水用水位センサ25とオーバフロー用水位センサ26とを設置し、排水用水位センサ25で排水用水位を検出して排水用タンク部21の水を排出するとともに、オーバフロー
用水位センサ26でオーバフロー用タンク部22に水有りを検出して気化エレメント3への給水を停止する。
これにより、加湿機1の漏水防止装置27は、深さの確保しにくい排水タンク構造で、排水ポンプ23を制御するための排水用水位センサ25とオーバフローを検出するオーバフロー用水位センサ26とを、泡や微生物などの不要な干渉を受けずに確実に機能させることができ、排水タンク15からのオーバフロー及びエレメントケース7からのオーバフローを確実に検出できる。
【0019】
なお、この実施例においては、排水タンク15の排水用タンク部21とオーバフロー用タンク部22とを一体に形成したが、排水用タンク部21とオーバフロー用タンク部22とを別体に形成することもできる。
例えば、排水タンク15は、別体の排水用タンク部21とオーバフロー用タンク部22とを高低差を設けて配置してオーバフロー用配管で接続し、落差によって排水用タンク部21からオーバフロー用タンク部22へオーバフロー用配管を通じて排水するようにすることも可能である。