特許第6222609号(P6222609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝電機サービス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6222609-モノリシックマイクロ波集積回路 図000002
  • 特許6222609-モノリシックマイクロ波集積回路 図000003
  • 特許6222609-モノリシックマイクロ波集積回路 図000004
  • 特許6222609-モノリシックマイクロ波集積回路 図000005
  • 特許6222609-モノリシックマイクロ波集積回路 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222609
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】モノリシックマイクロ波集積回路
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/00 20060101AFI20171023BHJP
   H03F 3/68 20060101ALI20171023BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20171023BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20171023BHJP
   H01P 5/08 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   H01P1/00 D
   H03F3/68 B
   H01L27/04 T
   H01P5/08 L
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-86127(P2015-86127)
(22)【出願日】2015年4月20日
(65)【公開番号】特開2016-208187(P2016-208187A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2016年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】黄 春揚
【審査官】 岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−078976(JP,A)
【文献】 特開平02−280070(JP,A)
【文献】 特開2015−220727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/00−11/00
H01L 21/822
H01L 27/04
H03F 3/68
H03F 3/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられ、グランドに接続された第1パッドと、
前記基板上に設けられた第2パッドと、
前記基板上であって、前記第1パッドの前記第2パッドを介して対向する部分に設けられ、前記グランドに接続された第3パッドと、
前記基板上に設けられ、前記第2パッドから延びる第1線路と、
前記基板上に設けられ、前記第1線路が延びた方向とは異なる方向に、前記第2パッドから延びる第2線路と、
前記基板上に設けられ、前記第1線路に接続された第1電極を有する第1能動素子と、
前記基板上に設けられ、前記第2線路に接続された第2電極を有する第2能動素子と、
を備え、
前記第1線路の前記第2パッドから前記第1電極までの電気長は、前記第2線路の前記第2パッドから前記第2電極までの電気長に等しいモノリシックマイクロ波集積回路。
【請求項2】
前記基板上に設けられ、グランドに接続された第4パッドと、
前記基板上に設けられた第5パッドと、
前記基板上であって、前記第4パッドの前記第5パッドを介して対向する部分に設けられ、前記グランドに接続された第6パッドと、
前記基板上に設けられ、前記第5パッドから延び、延びた先で前記第1能動素子の第3電極に接続された第3線路と、
前記基板上に設けられ、前記第3線路が延びた方向とは異なる方向に、前記第5パッドから延び、延びた先で前記第2能動素子の第4電極に接続された第4線路と、
をさらに備え、
前記第3線路の前記第5パッドから前記第3電極までの電気長は、前記第4線路の前記第5パッドから前記第4電極までの電気長に等しい請求項1記載のモノリシックマイクロ波集積回路。
【請求項3】
前記第2パッドから前記第1線路が延びる第1方向は、前記第2パッドから前記第2線路が延びる第2方向とは逆方向であり、
前記第1パッドから前記第3パッドに向かう第3方向と、前記第1方向と、のなす角度は、前記第2パッドにおいて90度である請求項1又は2記載のモノリシックマイクロ波集積回路。
【請求項4】
前記第1パッド及び前記第3パッドは、それぞれヴィアホールを介して前記グランドに接続される請求項1乃至3のいづれか一つに記載のモノリシックマイクロ波集積回路。
【請求項5】
前記第1パッドの中心点と前記第2パッドの中心点との距離は、250マイクロメートル以下であり、
前記第2パッドの中心点と前記第3パッドの中心点との距離は、250マイクロメートル以下である請求項1乃至4のいずれか一つに記載のモノリシックマイクロ波集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、モノリシックマイクロ波集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC:Monolithic Microwave Integrated Circuit)を評価するとき、GSG(Ground Signal Ground)プローブを、MMICのRFプローブパッドに当てて評価する。RFプローブパッドは、MMICの伝送線路から引出し線路により引き出されている。MMICにおいては、引出し線路による回路損失を低減させることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−227342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引出し線路による回路損失を低減させたモノリシックマイクロ波集積回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、基板と、基板上に設けられ、グランドに接続された第1パッドと、前記基板上に設けられた第2パッドと、前記基板上であって、前記第1パッドの前記第2パッドを介して対向する部分に設けられ、前記グランドに接続された第3パッドと、前記基板上に設けられ、前記第2パッドから延びる第1線路と、前記基板上に設けられ、前記第1線路が延びた方向とは異なる方向に、前記第2パッドから延びる第2線路と、前記基板上に設けられ、前記第1線路に接続された第1電極を有する第1能動素子と、前記基板上に設けられ、前記第2線路に接続された第2電極を有する第2能動素子と、を備えるモノリシックマイクロ波集積回路が提供される。前記第1線路の前記第2パッドから前記第1電極までの電気長は、前記第2線路の前記第2パッドから前記第2電極までの電気長に等しい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係るMMICを例示する模式平面図である。
図2図1に示すАーА’線に沿った断面図である。
図3】実施形態に係るMMICとGSGプローブを例示する模式平面図である。
図4】変形例に係るMMICを例示する模式平面図である。
図5】比較例に係るMMICを例示する模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態)
本実施形態に係るMMICの構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るMMICを例示する模式平面図である。
【0008】
以下、本明細書においては、説明の便宜上、XY直交座標系を採用する。例えば、図1において、入力端子135からパッド112へ向かう方向を「X方向」とし、それに垂直な方向を「Y方向」とする。また、「X方向」の逆方向を「−X方向」とし、「Y方向」の逆方向を「−Y方向」とする。
【0009】
図1に示すように、本実施形態に係るMMIC100においては、パッケージ161内に基板110が設けられている。基板110上には、パッド部117、パッド部118、伝送線路145、伝送線路148、容量素子139、容量素子140、容量素子142、容量素子143及び能動素子120が設けられている。パッド部117は、パッド111、パッド112及びパッド113により形成されている。パッド部118は、パッド114、パッド115及びパッド116により形成されている。
【0010】
能動素子120は、セル領域121及びセル領域122を有する。セル領域121及び122は、フィンガー形状のフィンガーゲート電極FG、フィンガー形状のフィンガーソース電極FS及びフィンガー形状のフィンガードレイン電極FDにより形成されている。フィンガーゲート電極FG、フィンガーソース電極FS及びフィンガードレイン電極FDを、マルチフィンガー電極MFという。フィンガーゲート電極FGとゲート端子電極Gとが接続されている。フィンガーソース電極FSとソース端子電極Sとが接続されている。フィンガードレイン電極FDとドレイン端子電極Dとが接続されている。セル領域121及びセル領域122は、例えば、HEMT(High Electron Mobility Transistor)やMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)などである。
【0011】
パッケージ161に実装された入力端子135と、Y方向及び−Y方向に延びる伝送線路145上のパッド112が、ワイヤ133により接続されている。パッド112の−X側には、パッド111が設けられている。パッド111のパッド112を介して対向する部分には、パッド113が設けられている。パッド111、パッド112及びパッド113により形成される部分をRFプローブパッドという。
【0012】
伝送線路145は、パッド112からY方向に延びる第1伝送線路137と−Y方向に延びる第2伝送線路138により形成されている。第1伝送線路137は、Y方向に延びた後でX方向に屈曲し、セル領域121のゲート端子電極Gに容量素子139を介して接続されている。第2伝送線路138は、−Y方向に延びた後でX方向に屈曲し、セル領域122のゲート端子電極Gに容量素子140を介して接続されている。第1伝送線路137の電気長EL1は、第2伝送線路138の電気長EL2とほぼ同じ電気長である。
【0013】
パッド112から第1伝送線路137が延びる方向は、パッド112から第2伝送線路138が延びる方向とは逆方向である。パッド111からパッド113に向かう方向と、パッド112から第1伝送線路137が延びる方向とのなす角度は、パッド112において90度である。
【0014】
パッケージ161に実装された出力端子136と、Y方向及び−Y方向に延びる伝送線路148上のパッド115が、ワイヤ134により接続されている。パッド115の−X側には、パッド114が設けられている。パッド114のパッド115を介して対向する部分には、パッド116が設けられている。
【0015】
伝送線路148は、パッド115からY方向に延びる第3伝送線路146と−Y方向に延びる第4伝送線路147により形成されている。第3伝送線路146は、Y方向に延びた後で−X方向に屈曲し、セル領域121のドレイン端子電極Dに容量素子142を介して接続されている。第4伝送線路147は、−Y方向に延びた後で−X方向に屈曲し、セル領域122のドレイン端子電極Dに容量素子143を介して接続されている。第3伝送線路146の電気長EL3は、第4伝送線路147の電気長EL4とほぼ同じ電気長である。
【0016】
パッド115から第3伝送線路146が延びる方向は、パッド115から第4伝送線路147が延びる方向とは逆方向である。パッド114からパッド116に向かう方向と、パッド115から第3伝送線路146が延びる方向とのなす角度は、パッド115において90度である。
【0017】
なお、ワイヤ133及びワイヤ134は、それぞれ1本には限定されない。それぞれ複数本のワイヤ133及びワイヤ134が設けられていてもよい。
【0018】
また、本実施形態に係るMMICおいては、入力端子135からワイヤ133、伝送線路145、容量素子139及び容量素子140を介して、セル領域121及びセル領域122に接続される例を示した。これには限定されない。セル領域121が実装されていない場合においては、伝送線路145上にパッド112が設けられ、パッド112の−X側に、パッド111が設けられ、パッド111のパッド112を介して対向する部分に、パッド113が設けられる。パッド111からパッド113に向かう方向と、パッド112から伝送線路145が延びる方向とのなす角度は、パッド112において90度である。
【0019】
図2は、図1に示すАーА’線に沿った断面図である。
図2に示すように、基板110は、グランド101、グランド101上に設けられた第1層102、第1層102上に設けられたチャネル層103аにより形成されている。第1層は、例えば、シリコン(Si)又はシリコンカーバイド(SiC)により形成されている。チャネル層103аは、例えば、ガリウムナイトライド(GаN)により形成されている。
【0020】
基板110の−X側の端部上にはパッド部117が設けられ、パッド部117のパッド111及びパッド113は、ヴィアホール132を介してグランド101に接続されている。パッド111の中心点P1とパッド112の中心点P2との距離D1は、例えば、250μm(マイクロメートル)以下である。中心点P2とパッド113の中心点P3との距離D2は、例えば、250μm以下である。基板110上のX側の端部上にはパッド部118が設けられ、パッド部118のパッド114及びパッド116は、ヴィアホール132を介してグランド101に接続されている。パッド114の中心点P4とパッド115の中心点P5との距離D3は、例えば、250μm以下である。中心点P5とパッド116の中心点P6との距離D4は、例えば、250μm以下である。
【0021】
基板110上のパッド部117とパッド部118の間には、能動素子120が設けられている。能動素子120においては、チャネル層103а上に、電子供給層104が設けられている。電子供給層104とチャネル層103аとの接触面を含むチャネル層103а側の部分には、電子供給層104からチャネル層103аに移動した電子により、2次元電子ガス層(2DEG:two-dimensional electron gas)103bが形成される。電子供給層104は、例えば、アルミニウムガリウムナイトライド(АlGаN)により形成されている。
【0022】
電子供給層104上には、能動素子120のマルチフィンガー電極MFが設けられている。マルチフィンガー電極MFのうち、フィンガーソース電極FSは束ねられてソース端子電極Sに接続される。マルチフィンガー電極MFのうち、フィンガーゲート電極FGは束ねられて、ソース端子電極Sの−X側に設けられたゲート端子電極Gに接続される。マルチフィンガー電極MFのうち、フィンガードレイン電極FDは束ねられてドレイン端子電極Dに接続される。
【0023】
図3は、本実施形態に係るMMICとGSGプローブを例示する模式平面図である。
図3に示すように、MMIC100の入力を評価する際、GSGプローブ150をパッド部117に接触させる。グランドプローブ151とパッド111を接触させ、シグナルプローブ152とパッド112を接触させ、グランドプローブ153とパッド113を接触させる。MMIC100の出力を評価する際には、GSGプローブ150をパッド部118に接触させる。MMIC100の評価の際には、ワイヤ133及び134は設けられていない。
【0024】
本実施形態に係るMMIC100においては、伝送線路145からパッド112に接続するための引出し線路が設けられていない。これにより、MMIC100を評価するとき、パッド112は、引出し線路による影響を受けない。また、基板110上において、引出し線路のための実装面積を削減することができる。
【0025】
本実施形態に係るMMICの効果について説明する。
図1に示すように、第1伝送線路137の電気長EL1は、第2伝送線路138の電気長EL2とほぼ同じ電気長である。第1伝送線路137と第2伝送線路138はパッド112において接している。すなわち、伝送線路145上のセル領域121のゲート端子電極Gからの電気長と、セル領域122のゲート端子電極Gからの電気長がほぼ等しい電気長の位置にパッド112が設けられている。伝送線路145からパッド112に接続するための引出し線路は設けられていない。
【0026】
これにより、伝送線路145から引出し線路が設けられている場合に比べて、伝送線路145の損失が小さくなる。引出し線路が設けられている場合、伝送線路145の損失は、例えば、0.2〜0.3dB(デシベル)程度である。従って、本実施形態に係るMMICにおいては、伝送線路145から引出し線路が設けられている場合に比べて、雑音指数(NF:Noise Figure)を0.2〜0.3dB程度改善させることができる。
【0027】
伝送線路145に離隔して設けられているパッド111及びパッド113は、ヴィアホール132を介してグランド101に接続されており、伝送線路145に影響を及ぼさない。
【0028】
パッド112と同様に、パッド115は、伝送線路148上のセル領域121のドレイン端子電極Dからの電気長と、セル領域122のドレイン端子電極Dからの電気長がほぼ等しい電気長の位置に設けられている。伝送線路148からパッド115に接続するための引出し線路は設けられていない。
【0029】
伝送線路148からパッド115に接続するための引出し線路が設けられている場合、伝送線路148の損失は、例えば、0.2〜0.3dB(デシベル)程度である。従って、本実施形態に係るMMICにおいては、引出し線路が設けられている場合に比べて、出力電力を0.2〜0.3dB程度向上させることができる。パッド114及びパッド116はグランド101に接続されており、伝送線路148に影響を及ぼさない。
【0030】
伝送線路145及び伝送線路148に引出し線路が設けられていないことにより、引出し線路による回路損失を低減させたモノリシックマイクロ波集積回路を提供することができる。
【0031】
また、ワイヤ133は、入力端子135とパッド112との間を接続するだけでなく、入力端子135と伝送線路145との間を接続してもよい。例えば、ワイヤ133は、入力端子135と、領域А1(図1参照)内の伝送線路145との間を接続してもよい。領域А1内の伝送線路145は、パッド112に比べて面積が広いので、複数のワイヤ133を設けることができる。これにより、寄生容量を小さくすることができ、寄生容量がMMICに及ぼす影響を小さくすることができる。
【0032】
(変形例)
本変形例に係るMMICについて説明する。
図4は、本変形例に係るMMICを例示する模式平面図である。
図4に示すように、本変形例に係るMMIC200は、前述の第1の実施形態に係るMMIC100(図1参照)と比べて、下記(i)及び(ii)の点が異なっている。
【0033】
(i)セル領域121のドレイン端子電極Dと第3伝送線路146との間にセル領域123及びセル領域124が設けられている。
(ii)セル領域122のドレイン端子電極Dと第4伝送線路147との間にセル領域125及びセル領域126が設けられている。
【0034】
セル領域121のドレイン端子電極Dから引き出された伝送線路181は、セル領域123のゲート端子電極Gに接続される。伝送線路181は、セル領域123のゲート端子電極Gに接続される途中で分岐し、セル領域124のゲート端子電極Gに並列に接続される。伝送線路181と同様に、伝送線路182により、セル領域122のドレイン端子電極Dとセル領域125のゲート端子電極Gが接続される。伝送線路182により、セル領域122のドレイン端子電極Dとセル領域126のゲート端子電極Gが接続される。
【0035】
一端がパッド115に接続された第3伝送線路146は、容量素子142を介して、セル領域123のドレイン端子電極Dに接続される。第3伝送線路146は、セル領域123のドレイン端子電極Dに接続される途中で分岐し、セル領域124のドレイン端子電極Dに並列に接続される。第3伝送線路146と同様に、第4伝送線路147により、パッド115とセル領域125のドレイン端子電極Dが接続される。第4伝送線路147により、パッド115とセル領域126のドレイン端子電極Dが接続される。
セル領域123乃至126が設けられることにより、本変形例に係るMMIC200の利得は、前述のMMIC100に比べて増加する。
本変形例に係るMMICの上記以外の構成及び効果は、前述の実施形態と同様である。
【0036】
(比較例)
本比較例に係るMMICについて説明する。
図5は、本比較例に係るMMICを例示する模式平面図である。
図5に示すように、本比較例に係るMMIC300は、前述の実施形態に係るMMIC100(図1参照)と比較して、引出し線路171及び172が設けられている点が異なっている。
【0037】
パッド112と伝送線路145を接続するための引出し線路171により、伝送線路145に、例えば、0.2〜0.3dB程度の損失が発生する場合がある。また、ワイヤ133を接続することができる領域がパッド112上に限定されるので、ワイヤ133の本数が制限される。これにより、寄生容量を小さくすることが難しい。
【0038】
以上説明した実施形態によれば、引出し線路による回路損失を低減させたモノリシックマイクロ波集積回路を提供することができる。
【0039】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
100、200、300 MMIC、110 基板、101 グランド、102 第1層、103а チャネル層、103b 2次元電子ガス層、104 電子供給層、111、112、113、114、115、116 パッド、117、118 パッド部、120 能動素子、121、122 セル領域、132 ヴィアホール、133、134 ワイヤ、135 入力端子、136 出力端子、139、140、142、143 容量素子、137 第1伝送線路、138 第2伝送線路、145、148、181、182 伝送線路、146 第3伝送線路、147 第4伝送線路、150 GSGプローブ、151、153 グランドプローブ、152 シグナルプローブ、161 パッケージ、171、172 引出し線路、А1、А2 領域、D ドレイン端子電極、G ゲート端子電極、S ソース端子電極、F フィンガー電極、MF マルチフィンガー電極、FS フィンガーソース電極、FG フィンガーゲート電極、FD フィンガードレイン電極、D1、D2 距離、EL1、EL2 電気長
図1
図2
図3
図4
図5