【実施例】
【0084】
以下に、本発明の製造方法について、実施例及び比較例を挙げて、更に具体的に説明するが、本発明は要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
【0085】
水素化還元の反応成績の評価は、仕込原料、並びに反応液中の原料、及び生成したポリエーテルジオールにおける四級炭素(ネオ骨格)のモル数を基準として評価した。
原料アセタール(化合物(1))の転化率(%)=
100×[1−(反応液に残存する原料の四級炭素モル数)/(仕込原料の四級炭素モル数)]
各生成ポリエーテルジオールの選択率(%)=
100×(目的とする生成物の四級炭素モル数)/[(仕込原料の四級炭素モル数)−(反応液に残存する原料の四級炭素モル数)]
ただし、化合物(1)に異性体が存在する場合、それらの異性体を合算した値を用いた。生成したポリエーテルジオールについては、分子内の四級炭素の数ごとに分類、合算して、化合物(2)、化合物(3)の選択率として表した。
【0086】
単離した化合物の同定は
1H−NMR、
13C−NMR測定によって行った。測定条件を下記に示す。
装置:ECA500(1H−single pulse,13C−single pulse)、日本電子株式会社製商品名
1H−NMR
核種:
1H
測定周波数:500MHz
積算回数:16回
測定試料:5%CDCl
3溶液
13C−NMR
核種:
13C
測定周波数:125MHz
積算回数:512回
測定試料:5%CDCl
3溶液
【0087】
単離していない化合物の同定は、実施例で得られた反応液のGC−MS測定(化学イオン化法[CI+]、高分解能質量分析[ミリマス])により分子構造を特定することにより行った。測定条件を下記に示す。
装置:Agilent 7890A、アジレント・テクノロジー社製商品名、及び
ACCU−TOF−GCV(JMS−T100GCV) 日本電子株式会社製商品名(型番名)
GC測定条件
キャピラリー:HP−5(長さ30m×内径0.32mm 0.25μm)、アジレント・テクノロジー社製商品名
カラム条件:80℃から10℃/minで300℃まで昇温後、保持
キャリヤー:He、スプリット比:1/20
MS測定条件:化学イオン化法、検出器条件:イオン化電圧200eV,イオン化電流300μA、検出器電圧1700V
【0088】
クロマトグラフ法による生成物の単離には下記の材料を使用した。
充填剤:和光純薬製、商品名「ワコーゲルC−200」
展開溶媒:酢酸エチル−トルエン
【0089】
反応原料である化合物(1)(環状アセタール化合物)は以下の方法により調製した。
<原料調製例1>
(2−(5,5−ジメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールの調製)
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド(ヒドロキシピバルアルデヒド、三菱瓦斯化学株式会社製、純度99.8%)131.3gと、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール、東京化成工業株式会社製試薬)136.0gと、ベンゼン705gと、粒状ナフィオン(商品名「NR−50」、シグマアルドリッチ社製)3.0gと、を2リットルの丸底フラスコに収容し、常圧下で生成する水をベンゼンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系外へ抜き出して、水の留出が止まるまで反応させた。これを濾過したのちに濃縮及び冷却することにより再結晶させて、2−(5,5−ジメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールの結晶を得た。下記にこの合成反応スキームを示す。
【化20】
【0090】
<原料調製例2>
(2−(5,5−ジエチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールの調製)
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド131.3gに代えて2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド(ヒドロキシピバルアルデヒド、三菱瓦斯化学株式会社製、純度99.8%)77.6gを用い、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール136.0gに代えて2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(東京化成工業株式会社製試薬)91.3gを用いた以外は原料調製例1と同様にして、2−(5,5−ジエチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールの結晶を得た。下記にこの合成反応スキームを示す。
【化21】
【0091】
<原料調製例3>
(2−(5−ブチル−5−エチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールの調製)
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド131.3gに代えて2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド(ヒドロキシピバルアルデヒド、三菱瓦斯化学株式会社製、純度99.8%)73.6gを用い、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール136.0gに代えて2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(東京化成工業株式会社製試薬)111.8gを用いた以外は原料調製例1と同様にして反応まで行い、粗2−(5−ブチル−5−エチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール/ベンゼン溶液を得た。反応液からベンゼンを留去した後に減圧蒸留して、2−(5−ブチル−5−エチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(異性体を合算したGCでの純度として99.4%)を得た。
【0092】
<原料調製例4>
(2−(5−プロピル−5−メチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールの調製)
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド131.3gに代えて2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド(ヒドロキシピバルアルデヒド、三菱瓦斯化学株式会社製、純度99.8%)73.0gを用い、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール136.0gに代えて2−プロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール(東京化成工業株式会社製試薬)92.5gを用いた以外は原料調製例1と同様にして反応まで行い、粗2−(5−プロピル−5−メチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール/ベンゼン溶液を得た。反応液からベンゼンを留去した後に減圧蒸留して、2−(5−プロピル−5−メチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(異性体を合算したGCでの純度として99.2%)を得た。
【0093】
<参考原料調製例1>
(2−([1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールの調製)
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド131.3gに代えて2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド(ヒドロキシピバルアルデヒド、三菱瓦斯化学株式会社製、純度99.8%)77.1gを用い、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール136.0gに代えて1,3−プロパンジオール(東京化成工業株式会社製試薬)64.0gを用いた以外は原料調製例1と同様にして反応まで行い、粗2−([1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール/ベンゼン溶液を得た。反応液からベンゼンを留去した後に減圧蒸留して、2−([1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(GCでの純度として99.0%)を得た。下記にこの合成反応スキームを示す。
【化22】
【0094】
<参考原料調製例2>
(2−(5−メチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールの調製)
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド131.3gに代えて2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド(ヒドロキシピバルアルデヒド、三菱瓦斯化学株式会社製、純度99.8%)69.1gを用い、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール136.0gに代えて2−メチル−1,3−プロパンジオール(東京化成工業株式会社製試薬)64.1gを用いた以外は原料調製例1と同様にして反応まで行い、粗2−(5−メチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール/ベンゼン溶液を得た。反応液からベンゼンを留去した後に減圧蒸留して、2−(5−メチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(異性体を合算したGCでの純度として99.2%)を得た。下記にこの合成反応スキームを示す。
【化23】
【0095】
<担体調製例1>
金属成分の担体として用いた酸化ジルコニウムを下記の方法で調製した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算で25質量%の濃度のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液505gに、撹拌しながら28%アンモニア水15.5gを滴下することにより白色沈殿物を得た。これを濾過し、イオン交換水で洗浄した後に、110℃、10時間乾燥して含水酸化ジルコニウムを得た。これを磁製坩堝に収容し、電気炉を用いて空気中で400℃、3時間の焼成処理を行った後、メノウ乳鉢で粉砕して粉末状酸化ジルコニウム(以下、「担体A」と表記する。)を得た。担体AのBET比表面積(窒素吸着法により測定。以下同様。)は102.7m
2/gであった。
【0096】
<担体調製例2>
金属成分の担体として用いたアパタイト化合物を下記の方法で調製した。
硝酸カルシウム四水和物78.7gを300.5gのイオン交換水に溶解し、そこに28%アンモニア水260mLを添加した。また、リン酸水素二アンモニウム26.4gをイオン交換水500.6gに溶解し、そこに28%アンモニア水150mLとイオン交換水150mLとを添加した。硝酸カルシウム−アンモニア溶液を撹拌しながら、そこにリン酸水素二アンモニウム−アンモニア溶液を少しずつ添加したところ、徐々に白濁して白色沈殿物を得た。添加終了後、約2時間撹拌した後に静置した。次いで、静置後のものを濾過し、イオン交換水で洗浄した後に、110℃、10時間乾燥し、次に電気炉を用いて空気中で500℃、3時間の焼成処理を行った。その後、メノウ乳鉢で粉砕して粉末状水酸化アパタイト(以下、「担体B」と表記する。)を得た。担体BのBET比表面積は60.7m
2/gであった。
【0097】
<触媒調製例1>
パラジウムを特定金属成分とする触媒を下記の方法で調製した。
5.0gの担体Aに0.66質量%塩化パラジウム−0.44質量%塩化ナトリウム水溶液を添加し、担体上に金属成分を吸着させた。そこにホルムアルデヒド−水酸化ナトリウム水溶液を注加して吸着した金属成分を瞬時に還元した。その後、イオン交換水により触媒を洗浄し、乾燥することにより1.0質量%パラジウム担持酸化ジルコニウム触媒(以下、「A1触媒」と表記する。)を調製した。
【0098】
<触媒調製例2>
パラジウムの担持量を代えた以外は触媒調製例1と同様にして、2.0質量%パラジウム担持酸化ジルコニウム触媒(以下、「A2触媒」と表記する。)を調製した。
【0099】
<触媒調製例3>
パラジウムを特定金属成分とする成形触媒を下記の方法で調製した。
触媒調製例1において得られたA1触媒のみを成形助剤などを加えることなく打錠成形し、その後に破砕して、0.5〜1.4mmに篩い分けることで、粒状の1.0質量%パラジウム担持酸化ジルコニウム触媒(以下、「A3触媒」と表記する。)を得た。
【0100】
<触媒調製例4>
パラジウムを特定金属成分とする触媒を以下の方法で調製した。
5.0gの担体Bに0.32質量%酢酸パラジウム−アセトン溶液を添加し、吸着させた後に、アセトンを蒸発、乾固させて酢酸パラジウムを担体に担持した。これを磁製坩堝に収容し、電気炉を用いて空気中で400℃、3時間の焼成処理を行った。焼成処理後のものを水素ガス気流下、110℃で還元して、1.0質量%パラジウム担持アパタイト触媒(以下、「B1触媒」と表記する。)を調製した。
【0101】
<触媒調製例5>
B1触媒3.0gを5.9質量%塩化ナトリウム水溶液に添加し、2時間撹拌して、イオン交換処理を行った。その後にイオン交換水で触媒を濾過洗浄、乾燥することにより、部分的に塩化物にイオン交換された水酸化アパタイト担体の1.0質量%パラジウム担持触媒(以下、「B2触媒」と表記する。)を調製した。ICP発光分析により元素分析を行った結果、この触媒は全水酸基の約5%に相当する塩素を含んでいた。
【0102】
<触媒調製例6>
ニッケルを特定金属成分とする触媒を下記の方法で調製した。
硝酸ニッケル六水和物305.0gを40℃のイオン交換水840gに溶解し、ニッケル金属塩水溶液を調合した。また、炭酸水素アンモニウム190.6gをイオン交換水2.4kgに溶解し、よく撹拌しながら、40℃に昇温した。この炭酸水素アンモニウム水溶液に40℃に保持されたニッケル金属塩水溶液をよく撹拌しながら添加し、炭酸ニッケルの沈殿スラリーを調製した。それとは別に、酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算で25質量%のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液118.4gをイオン交換水300gに混合して硝酸ジルコニウム水溶液を調製した。また、炭酸水素アンモニウム42.8gをイオン交換水530gに溶解して炭酸水素アンモニウム水溶液を調製した。これらの硝酸ジルコニウム水溶液及び炭酸水素アンモニウム水溶液を、先に調製した炭酸ニッケルの沈殿スラリーに撹拌しながら同時に注加して、炭酸ジルコニウムを沈着させた。このようにして得られた沈殿スラリーを40℃、30分撹拌保持してから濾過洗浄し、沈殿物を得た。この沈殿物を110℃で一晩乾燥し、次いで、380℃、18時間空気雰囲気下で焼成処理することにより、粉状のニッケル−酸化ジルコニウム触媒(以下、「Ni−1触媒」と表記する。)を調製した。この触媒を水素ガス気流下、400℃で還元することにより活性化した。
【0103】
<触媒調製例7>
銅を特定金属成分とする触媒を下記の方法で調製した。
酸化ジルコニウム(ZrO
2)換算で25質量%のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液550gをイオン交換水2.5Lに溶解して40℃に保持した。炭酸水素アンモニウム197.5gをイオン交換水5Lに溶解して40℃とした溶液に、撹拌下、上記オキシ硝酸ジルコニウム水溶液を注加して40℃で30分間保持した。その後、濾過、洗浄して酸化ジルコニウム源のケーキ約830gを得た。それとは別に、硝酸銅三水和物570gをイオン交換水4.4Lに溶解し40℃に保持した。無水炭酸ナトリウム283gをイオン交換水3.5Lに溶解して40℃とした後、撹拌下に上記の硝酸銅水溶液を注加して銅含有ケーキ約550gを得た。このようにして得られた銅含有ケーキ500gと酸化ジルコニウム源のケーキ390gとを擂潰機に入れ、混練してペーストを得た。ペーストを80℃で乾燥した後に380℃、2時間焼成することにより、粉状の銅−酸化ジルコニウム触媒(以下、「Cu−1触媒」と表記する。)を調製した。この触媒を窒素−水素混合ガス気流下、170℃で還元することにより活性化した。
【0104】
水素還元反応は以下の方法で実施した。
<実施例1>
100mLのSUS製反応器内に、A1触媒0.60g、原料調製例1の2−(5,5−ジメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール2.40g、及びジイソプロピルエーテル24.0gを収容し、反応器内を窒素ガスで置換した。その後、反応器内に水素ガスを8.5MPa充填し、反応温度である230℃へ昇温して2時間反応させた。その後に冷却して反応器の内容物を回収し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
その結果、化合物(1)の転化率は95.8%であり、化合物(2)の3−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシ)−2,2−ジメチル−プロパン−1−オール(以下、「化合物MMMM」と表記する。)の選択率は89.6%、化合物(3)の3−[3−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシ)−2,2−ジメチル−プロポキシ]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オール(以下、「化合物MMMMMM」と表記する。)の選択率は4.2%、両者の合計選択率は93.8%であった。
生成物の帰属は下記の方法により行った。
【0105】
(化合物MMMM)
【化24】
得られた反応液を濾過して触媒を分離した後に再結晶して得られた生成物を、NMR分析することで、構造を確認した。
【化25】
【0106】
(化合物MMMMMM)
【化26】
得られた反応液をクロマトグラフィーにかけて単離した生成物を、NMR分析することで、構造を確認した。
【化27】
【0107】
これらのことから、化合物(1)に水素分子1つを付加させて開環した構造のポリエーテルジオールを生成させると、生成した化合物(2)に、それを構成するネオ骨格が更に付加したような化合物(3)も同時に生成することを確認した。下記に実施例1における反応スキームを示す。
【化28】
【0108】
<実施例2>
A1触媒をA2触媒に代えた以外は実施例1と同様にして反応を行った。化合物(1)の転化率は98.9%であり、化合物(2)の化合物MMMMの選択率は68.5%、化合物(3)の化合物MMMMMMの選択率は13.5%、両者の合計選択率は82.0%であった。
【0109】
<実施例3〜6>
反応溶媒と反応条件を代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。触媒、反応溶媒、反応条件及び反応結果を表1に示す。
【0110】
【表1】
【0111】
<実施例7〜11>
化合物(1)の種類とその仕込み量、並びに反応溶媒及び反応時間を代えた以外は実施例1と同様にして、反応を行った。触媒、反応溶媒、反応条件、反応原料仕込み質量及び反応結果を表2に示す。
【0112】
【表2】
【0113】
実施例7では、化合物(2)として2−エチル−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−ブタン−1−オール(以下、「化合物MMEE」と表記する。)、化合物(3)として主に3−[2−エチル−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−ブトキシ]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オール(以下、「化合物MMEEMM」と表記する。)及び2−エチル−2−[3−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシ)−2,2−ジメチル−プロポキシメチル]−ブタン−1−オール(以下、「化合物MMMMEE」と表記する。)が生成した。
生成物の帰属は下記の方法により行った。
【0114】
(化合物MMEE)
【化29】
得られた反応液を濾過して触媒を分離した後に蒸留単離した生成物を、NMR分析することで、構造を確認した。
【化30】
【0115】
示差熱分析により求めた化合物MMEEの融点は30℃であった。これは、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールの融点125℃、2,2−エチル−1,3−プロパンジオールの融点61℃のどちらよりも低い。また、類似した構造で対称性の良いジ−ネオペンチルグリコールの融点85℃よりも低い。
【0116】
実施例1のように本発明の原料である化合物(1)を水素還元すると、1分子の水素付加により開環した構造のポリエーテルジオール(化合物(2))が生成するだけではなく、ここで生成した化合物(2)を構成するネオ骨格が更に化合物(2)に付加したような化合物(3)も同時に生成する。
ただし、実施例7では化合物MMEEを構成するネオ骨格が、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールと2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールとの異なる2つの構造を有するため、どちらが付加するかによって生成する化合物(3)の構造は異なる。また、化合物MMEEは非対称な構造を有することから、付加する方向によっても化合物(3)の構造は異なる。実際の反応液のGC分析においても、4つの化合物(以下、それぞれ「化合物MMEEMM」、「化合物MMMMEE」、「化合物MMEEEE」及び「化合物EEMMEE」と表記する。)が検出された。これらの帰属にあたっては、反応液のGC−MS測定(化学イオン化法[CI+]、高分解能質量分析[ミリマス])を用いた。
化学イオン化法質量分析では、分子をほとんどフラグメント化させずにイオン化して質量分析するため、分子量の情報を得ることができ、同時に高分解能質量分析することで組成式として検証することができる。また、一部分が分解して得られるフラグメントのスペクトルについても同様に分析することで、分子内の構造断片を検証することができる。化合物MMEEMM、化合物MMMMEE、化合物MMEEEE及び化合物EEMMEEでは表3に示すような結果が得られた。
【0117】
【表3】
【0118】
分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]
+の質量数(分子量M+1)から化合物MMEEMM、化合物MMMMEEは、組成式C
17H
36O
4であること、すなわち、分子内に2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール骨格2つと2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール骨格1つとを有し、これらがエーテル結合で結ばれた構造であることが分かる。化合物MMEEMMと化合物MMMMEEとは、置換1,3−プロパンジオール骨格の配列が異なる異性体と考えられる。
化合物MMEEMMと化合物MMMMEEのCI+スペクトルをそれぞれ
図1及び
図2に示す。フラグメント化した部分に注目すると、化合物MMMMEEには2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール骨格同士がエーテル結合で連結した化学種のスペクトルが認められる一方で、化合物MMEEMMにはそれが認められない。したがって、化合物MMEEMMを3−[2−エチル−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−ブトキシ]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オール、化合物MMMMEEを2−エチル−2−[3−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシ)−2,2−ジメチル−プロポキシメチル]−ブタン−1−オールと帰属した。
【0119】
また、クロマトグラフィーによって化合物MMEEMM、化合物MMMMEEを単離して、NMR分析においても、同構造を確認した。その結果、GC−MS分析から導いた構造解析結果と一致することを確認した。
(化合物MMEEMM)
【化31】
(化合物MMMMEE)
【化32】
【0120】
(化合物MMEEMM)
【化33】
(化合物MMMMEE)
【化34】
【0121】
同様に化合物MMEEEE及び化合物EEMMEEは、組成式C
19H
40O
4であり、分子内に2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール骨格1つと2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール骨格2つとを有し、これらがエーテル結合で結ばれた構造であることが分かる。化合物MMEEEEと化合物EEMMEEとは、置換1,3−プロパンジオール骨格の配列が異なる異性体と考えられる。
化合物MMEEEEと化合物EEMMEEとのCI+スペクトルを、それぞれ
図3及び
図4に示す。フラグメント化した部分に注目すると化合物MMEEEEには2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール骨格同士がエーテル結合で連結した化学種のスペクトルが認められる一方で、化合物EEMMEEにはそれが認められない。したがって、化合物MMEEEEを2−エチル−2−[2−エチル−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−ブトキシメチル]−ブタン−1−オール、化合物EEMMEEを2−エチル−2−[3−(2−エチル−2−ヒドロキシメチル−ブトキシ)−2,2−ジメチル−プロポキシメチル]−ブタン−1−オールと帰属した。
【0122】
(化合物MMEEEE)
【化35】
(化合物EEMMEE)
【化36】
【0123】
実施例1と同様に化合物(1)を水素還元すると、1分子の水素付加により開環した構造のポリエーテルジオール(化合物(2))が生成するだけではなく、ここで生成した化合物(2)を構成するネオ骨格が更に化合物(2)に付加したような化合物(3)も同時に生成することが、実施例7でも確認された。その反応スキームを下記に示す。
【化37】
【0124】
実施例8〜9では、化合物(2)として2−エチル−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−ヘキサン−1−オール(以下、「MMEB」と表記する。)、化合物(3)として主に3−[2−エチル−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−ヘキシルオキシ]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オール(以下、「MMEBMM」と表記する。)及び2−エチル−2−[3−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシ)−2,2−ジメチル−プロポキシメチル]−ヘキサン−1−オール(以下、「MMMMEB」と表記する。)が生成した。
生成物の帰属は下記の方法により行った。
【0125】
(化合物MMEB)
得られた反応液を濾過して触媒を分離した後に蒸留単離した生成物を、NMR分析することで、構造を確認した。
【化38】
【0126】
化合物MMEBは室温(20℃)において液体であった。よって、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールの融点125℃、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールの融点42℃のどちらよりも低いことが分かった。また、類似した構造で対称性の良いジ−ネオペンチルグリコールの融点85℃よりも低いことが分かった。
【化39】
【0127】
反応液のGC分析から4つの化合物(以下、それぞれ「化合物MMEBMM」、「化合物MMMMEB」、「化合物MMEBEB」及び「化合物EBMMEB」と表記する。)の生成が認められた。これらの分析を実施例7と同様の手法で行い、表4に示す結果が得られた。
【0128】
【表4】
【0129】
分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]
+の質量数(分子量M+1)から化合物MMEBMM、化合物MMMMEBは、組成式C
19H
40O
4であること、すなわち、分子内に2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール骨格2つと2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール骨格1つとを有し、これらがエーテル結合で結ばれた構造であることが分かる。化合物MMEBMMと化合物MMMMEBとは、置換1,3−プロパンジオール骨格の配列が異なる異性体と考えられる。
化合物MMEBMMと化合物MMMMEBとのCI+スペクトルをそれぞれ
図5及び
図6に示す。フラグメント化した部分に注目すると、化合物MMMMEBには2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール骨格同士がエーテル結合で連結した化学種のスペクトル(質量数173、191)が認められる一方で、化合物MMEBMMにはそれが認められない。したがって、化合物MMEBMMを3−[2−エチル−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−ヘキシルオキシ]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オール、化合物MMMMEBを2−エチル−2−[3−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシ)−2,2−ジメチル−プロポキシメチル]−ヘキサン−1−オールと帰属した。
【0130】
また、クロマトグラフィーによって化合物MMEBMM及び化合物MMMMEBを単離して、NMR分析においても、同構造を確認した。その結果、GC−MS分析から導いた構造解析結果と一致することを確認した。
(化合物MMEBMM)
【化40】
【0131】
(化合物MMMMEB)
【化41】
【0132】
(化合物MMEBMM)
【化42】
(化合物MMMMEB)
【化43】
【0133】
同様に化合物MMEBEB及び化合物EBMMEBは、組成式C
23H
48O
4であり、分子内に2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール骨格1つと2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール骨格2つとを有し、これらがエーテル結合で結ばれた構造であることが分かる。化合物MMEBEBと化合物EBMMEBとは、置換1,3−プロパンジオール骨格の配列が異なる異性体と考えられる。
化合物MMEBEBと化合物EBMMEBとのCI+スペクトルを、それぞれ
図7及び
図8に示す。フラグメント化した部分に注目すると、化合物MMEBEBには2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール骨格同士がエーテル結合で連結した化学種のスペクトル(質量数285、303)が認められる一方で、化合物EBMMEBにはそれが認められない。したがって、化合物MMEBEBを2−エチル−2−[2−エチル−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−ヘキシルオキシメチル]−ヘキサン−1−オール、化合物EBMMEBを2−エチル−2−[3−(2−エチル−2−ヒドロキシメチル−ヘキシルオキシ)−2,2−ジメチル−プロポキシメチル]−ヘキサン−1−オールと帰属した。
【0134】
(化合物MMEBEB)
【化44】
(化合物EBMMEB)
【化45】
【0135】
実施例10〜11では、化合物(2)として、2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−2−メチル−ペンタン−1−オール(以下、「化合物MMMP」と表記する。)、化合物(3)として主に2−[3−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシ)−2,2−ジメチル−プロポキシメチル]−2−メチル−ペンタン−1−オール(以下、「化合物MMMMMP」と表記する。)及び3−[2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−2−メチル−ペンチルオキシ]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オール(以下、「化合物MMMPMM」と表記する。)が生成した。
生成物の帰属は下記の方法により行った。
【0136】
(化合物MMMP)
得られた反応液を濾過して触媒を分離した後に蒸留単離した生成物を、NMR分析することで、構造を確認した。
【化46】
示差熱分析により求めた化合物MMMPの融点は35℃であった。これは、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールの融点125℃、2−プロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオールの融点57℃のどちらよりも低い。また、類似した構造で対称性の良いジ−ネオペンチルグリコールの融点85℃よりも低い。
【化47】
【0137】
反応液のGC分析から3つの化合物(以下、それぞれ「化合物MMMPMM」、「化合物MMMMMP」及び「化合物MMMPMP」と表記する。)の生成が認められた。これらの分析を実施例7と同様の手法で行い、表5に示す結果が得られた。
【0138】
【表5】
【0139】
分子構造が保持されたままプロトン化された[M+H]
+の質量数(分子量M+1)から化合物MMMPMM、化合物MMMMMPは、組成式C
17H
36O
4であること、すなわち、分子内に2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール骨格2つと2−プロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール骨格1つとを有し、これらがエーテル結合で結ばれた構造であり、両者は置換1,3−プロパンジオール骨格の配列が異なる異性体と考えられる。
化合物MMMPMMと化合物MMMMMPとのCI+スペクトルを、それぞれ
図9及び
図10に示す。フラグメント化した部分に注目すると、化合物MMMMMPには2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール骨格同士がエーテル結合で連結した化学種のスペクトル(質量数173、191)が認められる一方で、化合物MMMPMMにはそれが認められない。したがって、化合物MMMPMMを3−[2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−2−メチル−ペンチルオキシ]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オール、化合物MMMMMPを2−[3−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシ)−2,2−ジメチル−プロポキシメチル]−2−メチル−ペンタン−1−オールと帰属した。
【0140】
また、クロマトグラフィーによって化合物MMMPMM、化合物MMMMMPを単離して、NMR分析においても、同構造を確認した。その結果、GC−MS分析から導いた構造解析結果と一致することを確認した。
(化合物MMMPMM)
【化48】
(化合物MMMMMP)
【化49】
(化合物MMMPMM)
【化50】
(化合物MMMMMP)
【化51】
【0141】
また、化合物MMMPMPは組成式C
19H
40O
4であること、すなわち、分子内に2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール骨格1つと2−プロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール骨格2つとを有し、これらがエーテル結合で結ばれた構造と考えられる。
化合物MMMPMPのCI+スペクトルを
図11に示す。フラグメント化した部分に注目すると、2−プロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール骨格同士がエーテル結合で連結した化学種のスペクトル(質量数229、247)が認められる一方で、2−プロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール骨格と2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール骨格とがエーテル結合で連結した化学種のスペクトル(質量数201、219)も認められる。したがって、化合物MMMPMPを2−[2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−2−メチル−ペンチルオキシメチル]−2−メチル−ペンタン−1−オールと帰属した。
【0142】
(化合物MMMPMP)
【化52】
【0143】
<実施例12〜15>
水素化触媒として、B1触媒及びB2触媒、並びに市販の5質量%パラジウム担持アルミナ触媒(和光純薬工業社製、以下「B3触媒」と表記する。)を用い、反応温度及び反応時間を代えた以外は実施例1と同様にして反応を行った。触媒の種類、反応条件及び反応結果を表6に示す。
【0144】
【表6】
【0145】
<実施例16>
100mLのSUS製反応器内を窒素ガスで置換した後に、Ni−1触媒0.90g、原料調製例1の2−(5,5−ジメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール2.40g、及びジイソプロピルエーテル24.0gを収容し、反応器内を密閉した後に再び窒素ガスで置換した。次いで、反応器内に水素ガスを8.5MPa充填し、反応温度である230℃へ昇温して5時間反応させた。その後に冷却して反応器の内容物を回収し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
その結果、化合物(1)の転化率は61.0%であり、化合物(2)の化合物MMMMの選択率は37.9%、化合物(3)の化合物MMMMMMの選択率は7.6%、両者の合計選択率は45.5%であった。
【0146】
<実施例17〜19>
触媒の種類、その使用量、反応温度及び反応時間を代えた以外は、実施例16と同様にして反応を行った。触媒の種類及びその使用量、反応条件並びに反応結果を表7に示す。
【0147】
【表7】
【0148】
<実施例20>
A3触媒4.1gを管型反応器(内径10mm、長さ300mm)に充填し、水素ガスによって反応系内の圧力を8.0MPaに保持しながら反応器を220℃へ昇温した。管型反応器上部から水素ガスを毎分20mL(標準状態換算)、10.0質量%の2−(5,5−ジメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール/ジイソプロピルエーテル溶液を毎時4.57gで供給、流通させて水素化反応を行った。反応器下部の出口から回収した生成液をガスクロマトグラフィーで分析して反応成績を評価した。その結果、化合物(1)の転化率は96.0%であり、化合物(2)の化合物MMMMの選択率は81.0%であり、化合物(3)の化合物MMMMMMの選択率は5.9%、両者の合計選択率は86.9%であった。
【0149】
<比較例1>
反応原料を、原料調製例1の2−(5,5−ジメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール2.40gから参考原料調製例1の2−([1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール2.36gに代えた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、化合物(1)の転化率は100%であり、低沸点成分を中心とした非常に多くの分解物が副生して、目的物は痕跡量しか得られなかった。
【0150】
<比較例2>
反応条件のうち、反応温度を210℃に変更し、反応時間を2時間に変更した以外は比較例1と同様にして反応を行った。その結果は比較例1と同様であった。
【0151】
<比較例3>
反応原料を、原料調製例1の2−(5,5−ジメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール2.40gから参考原料調製例2の2−(5−メチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール2.39gに代えた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。その結果、化合物(1)の転化率は99.1%であり、化合物(2)の3−(3−ヒドロキシ−2−メチル−プロポキシ)−2,2−ジメチル−プロパン−1−オールの選択率は5.1%であり、化合物(3)の選択率は痕跡量であり、これら以外に、低沸点成分を中心とする非常に多くの分解物の副生が認められた。なお、本比較例では2−メチル−1,3−プロパンジオール骨格をネオ骨格と同様に取り扱って反応成績を算出した。この反応の反応スキームを下記に示す。
【化53】
【0152】
本出願は、2012年12月28日出願の日本特許出願(特願2012−287275)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。