(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記可撓性空気室(61)は、前記吸入部(5)と吐出室(90)とに接続されており、前記吐出室(90)は、一つの貯蔵器に収容されていて開封された後に吸入経路へと移動した一回分の流動体を収容すると共に、前記吐出室(90)には、少なくとも一つの移動可能な球体(91)が収容される
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の流動体ディスペンサ装置。
前記トリガー部材(600)は、前記ブロック手段と協働して前記可動支持手段(50)を解放し、前記可動支持手段(50)は、解放されると、貯蔵器を開封手段(80)に対して付勢する
ことを特徴とする請求項5に記載の流動体ディスペンサ装置。
前記可動支持手段(50)は、ガイドホイール(40)を保持し、前記貯蔵器は、複数の独立した貯蔵器が一列に並んだ長尺のブリスターストリップからなり、前記ガイドホイール(40)は、前記流動体ディスペンサ装置の駆動のたびに、前記ブリスターストリップを前進させる
ことを特徴とする請求項5または6に記載の流動体ディスペンサ装置。
前記開封手段(80)は、前記貯蔵器の封止壁を切断する穿孔要素を含み、当該穿孔要素は、切断した前記封止壁の一または複数の部分が、形成された一または複数の開口を塞がないよう構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の流動体ディスペンサ装置。
前記可撓性空気室(61)を前記トリガー部材(600)に接続する前記連結手段(63)は、前記可撓性空気室(61)の外面に形成された突起(63)を備え、前記突起(63)は、前記流動体ディスペンサ装置の組み立ての際に、前記トリガー部材(600)にスナップ留めされる
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の流動体ディスペンサ装置。
前記可撓性空気室(61)の前記周縁部(62)は、超音波によって前記本体(10)の一部(120)に熱融着されており、かつ/または、前記本体(10)の一部(120)にオーバーモールド成形されている
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の流動体ディスペンサ装置。
【背景技術】
【0002】
吸入器は、従来から公知であり、様々な種類のものが存在する。
第1の種類の吸入器は、多数回分の紛体を収容する貯蔵器を備えている。当該吸入器は、駆動のたびに一回分の粉体を貯蔵器から取り出すことを可能にする計量手段を備え、ユーザーに投薬する際に一回分の紛体を吐出管に移動させる。
また、カプセルのように使用する直前に装填する独立した貯蔵器を備える吸入器も、先行技術に記載されている。このような装置の利点は、器具に全量を格納しておく必要がないため、器具がコンパクトになることである。しかしユーザーは、使用のたびに吸入器にカプセルを装填する必要があり、このような吸入器の使用は困難を伴う。
【0003】
別の種類の吸入器としては、複数回分の紛体が独立した複数の貯蔵器にあらかじめ収容されており、吸入器の駆動のたびに、それら貯蔵器のうちの一つを開封するものがある。この例では、一回分の紛体を投与する直前にのみ貯蔵器を開封するため、紛体をより効果的に気密状態にすることができる。このような独立した貯蔵器を構成するために、様々な技術が提案されている。例えば、細長いブリスターストリップや、回転する円板上に配置したブリスターなどである。
【0004】
上述した吸入器を含めて、既存のあらゆる吸入器は、その構造および機能に関して、長所および短所の両方を有する。そして、ある種の吸入器では、駆動のたびに行われる計量の正確性および再現性に関して問題がある。また、投与の効率、すなわち、一回分の紛体のうち、どれだけの量がユーザーの肺に効率的に浸透して有益な治療効果を発揮するかについても、いくつかの吸入器にとっては課題である。この特定の課題に対する一つの解決策は、患者による吸入と一回分の紛体の放出とを同期させることである。
【0005】
しかし、この種の装置にも欠点がある。一回分の紛体は、一般的には、まず吸入前に吐出管に送られ、その後、吐出と吸入とを同期させる。すなわち、仮にユーザーが(複数回分を収容した貯蔵器、または、独立した一つの貯蔵器より)一回分の紛体を装填してから吸入を行うまでの間に、吸入器を落としたり、振ったり、あるいは好ましくない方法や不適切は方法で吸入器を操作すると、紛体の一部または全部がこぼれる恐れがあり、場合により、そうした紛体が器具内で拡散することがある。このような場合には、次回、装置を使う際に、過剰投与となる可能性が高い。
【0006】
紛体が一回分に満たないことに気付いたユーザーは、器具に新たに一回分の紛体を装填する。そして、新たな紛体の吸入時に、前回、器具内にこぼれた紛体が新たな紛体とともに排出されることなり、これが過剰投与の原因となる。
想定されている治療法によっては、このような過剰投与は極めて有害であり、あらゆる国の当局が、過剰投与の危険性を最小限に抑えるため、より厳格な規制を設けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的の一つは、流動体ディスペンサ装置を提供することであり、特に、上述の欠点のないドライパウダー吸入器を提供することである。
特に、本発明の目的は、シンプルで、安価に製造・組み立てが可能で、使用時の信頼性が高く、駆動のたびの計量の正確性と再現性を保証し、治療対象の領域、特に肺に、一回分の紛体の大部分を吐出することによって、治療の効果の観点で最適な投与量を実現し、一方で、安全かつ効果的な方法で過剰投与のリスクを避け、また、可能な限りコンパクトで、排出されるまで、すべての回数分の紛体について密閉性および純粋性を保証することが可能な装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、本体と、紛体などの流動体の一回分を収容した少なくとも一つの独立した貯蔵器と、前記ディスペンサ装置の駆動のたびに各貯蔵器を開封する開封手段とを備えるディスペンサ装置を提供し、前記ディスペンサ装置は、吸入部と吸入トリガー機構とを備え、前記吸入トリガー機構は可撓性空気室とトリガー部材とを備え、前記可撓性空気室は前記吸入部と協働し、前記トリガー部材は前記可撓性空気室と協働し、前記吸入部を介した吸入中に前記可撓性空気室が変形し、当該可撓性空気室の変形に伴ってトリガー部材が移動することによって前記開封手段を駆動し、それによって前記開封手段が貯蔵器を開封するよう構成されており、前記可撓性空気室は、可撓性側部と、中空袋体の入口を構成する開口を囲む周縁部を含む開口端である第1端部と、前記中空袋体の底部を構成する閉端である第2端部とを備え、前記第2端部は、前記可撓性空気室を前記トリガー部材に接続する連結手段を含み、前記吸入部を介した吸入中に前記第2端部が前記第1端部に近づく方向に移動することで前記可撓性空気室が変形し、前記可撓性側部は、複
数の、軸方向に順に並んだ蛇腹部からなる蛇腹形状を有しており、前記複数の蛇腹部は、外径および/または内径が異なり、前記開口の径は、当該開口に最も近い第1の蛇腹部の外径よりも大きく、前記吸入部を介した吸入
後に前記第1の蛇腹部の前記開口に近い側の端部が当該開口に入り込
んでいるように構成されている。
【0010】
前記可撓性空気室が、一つ穴の中空袋体であり、当該中空袋体が、その底部を構成する閉端である第2端部を含んでいれば有利である。
前記開口に隣接する第1の蛇腹部の外径が、当該第1の蛇腹部に隣接する第2の蛇腹部の外径よりも小さければ有利である。
前記可撓性空気室が、前記吸入部と吐出室とに接続されており、前記吐出室は、一つの貯蔵器に収容されており、開放された後、吸入経路へと移動した一回分の流動体を収容すると共に、前記吐出室には、少なくとも一つの移動可能な球体を収容していれば有利である。
【0011】
駆動のたび、前記開封手段に対し、個々の貯蔵器を移動させるよう構成された可動支持手段をさらに備え、前記可動支持手段が非吐出位置と吐出位置との間で移動可能であり、前記可動支持手段が、ば
ねまたは板ば
ねからなる弾性手段によって、前記吐出位置に付勢され、ユーザーによる吸入によって解除されるブロック手段によって、前記非吐出位置に保持されれば有利である。
【0012】
前記トリガー部材が、前記ブロック手段と協働して前記可動支持手段を解放し、前記可動支持手段が、解放されると、貯蔵器を開封手段に対して付勢すれば有利である。
前記可動支持手段が、ガイドホイールを支持し、前記貯蔵器が、複数の独立した貯蔵器が一列に並んだ長尺のブリスターストリップからなり、前記ガイドホイールが、前記流動体ディスペンサ装置の駆動のたびに、前記ブリスターストリップを前進させるとすれば有利である。
【0013】
前記開封手段が、前記貯蔵器の封止壁を切断する穿孔要素を含み、当該穿孔要素が、切断した前記封止壁の一または複数の部分が、形成された一または複数の開口を塞がないよう構成されていれば有利である。
前記可撓性空気室がシリコーンゴムからなるとすれば有利である。
前記可撓性空気室を前記トリガー部材に接続する前記連結手段が、前記可撓性空気室の外面に形成された突起を備え、前記突起が、前記流動体ディスペンサ装置の組み立ての間、前記トリガー部材上にスナップ留めされるとすれば有利である。
【0014】
前記突起が、前記トリガー部材の開口内にスナップ留めされているとすれば有利である。
前記可撓性空気室の前記周縁部が、具体的には超音波によって前記本体の一部に熱融着されており、かつ/または、前記本体の一部にオーバーモールド成形されているとすれば有利である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面は、ドライパウダー吸入器の好ましい一実施例を示している。
当該吸入器は、本体10を含み、本体10上には、装置を開状態にし、駆動の準備ができるように構成された二つのカバー部材11および12が、摺動可能に取り付けられる。
本体10は、図に示すように、丸みを帯びた形状をしていてもよいが、その他、適切であれば、どのような形状でもよい。
【0017】
本体10は、吐出口を構成するマウスピースまたは吸入部5を含み、これを介して、ユーザーは装置の駆動中に吸入を行う。
吐出口は、典型的には、本体10のうちの上部の、ほぼ中央(図に示した箇所)に位置する。
カバー部材11および12は、共通の支軸を中心に、あるいは互いに係合するような状態で二つの平行な軸を中心に、揺動可能である。
【0018】
装置を開状態にするための開放手段は、その他どのようなものであってもよく、変形例として、当該装置は、二つではなく一つのカバーのみを有するものであってもよい。
本体10の内部には、ブリスターとしても知られる独立した複数の貯蔵器(簡潔化のため図示せず)が長尺のブリスターストリップ上に公知の方法で一列に並んで設けられている。
【0019】
ブリスターストリップは、一回分の紛体を収容する窪みを複数有するベース層または壁部と、各ブリスターを封止する封止層または壁部とから構成されていることが望ましい。
初回使用時以前においては、ブリスターストリップは丸く巻かれた状態で本体部10内、好ましくはその貯蔵部内にあり、ブリスターストリップを広げて前進させるため、例えば、回転手段である第1移動手段40が備えられている。
【0020】
例えば、本体10に回動可能に取り付けられた第2移動手段50は、装置の駆動のたびに各ブリスターを吐出位置に移動させる。
第2移動手段50は、非吐出位置と、ブリスターが上記開封手段と協働する吐出位置との間で回動可能なように取り付けられていれば有利である。
ブリスターストリップのうち、空になったブリスターを含む部分を、本体10の別の場所、好ましくは、後に詳細に説明する受け入れ部において巻き取る構成とすれば有利である。
【0021】
当該吸入器は、ブリスター開封手段80(簡潔化のため一部のみ図示)を有し、当該ブリスター開封手段80は、好ましくは、ブリスターの封止層に開口を形成および/または当該封止層を切断する、穿孔手段および/または切断針を備える。
好ましくは、ブリスター開封手段は、本体10に対して静止した穿孔要素80を備え、第2移動手段50による駆動のたびに、各ブリスターが穿孔要素80に向けて移動する。
【0022】
したがって、穿孔要素80がブリスターを穿設することによってブリスターに開口が形成され、ユーザーによる吸入により、ブリスターから紛体が放出される。
なお、前記穿孔要素80は、貯蔵器の封止壁を切断し、かつ、切断した前記封止壁の一または複数の部分が、形成された一または複数の開口を塞ぐことがないよう構成されている。国際公開第2006/079750号および国際公開第2009/007640号が、このようなブリスター開封手段について記載しており、これらの内容は、参照により本願に含まれる。
【0023】
第1移動手段40は、ユーザーによる吸入のたびにブリスターストリップを前進させるよう構成されている。第2移動手段50は、駆動時において各吸入の前の段階で、開封対象となるブリスターをブリスター開封手段に向けて移動させるよう構成されている。第2移動手段50は、ばね、または、その他の同等の要素からなる弾性要素70によって付勢される。装置が開状態の間は、当該弾性要素70に圧縮力がかかるようになっている。
【0024】
好ましくは、第1移動手段40は、ブリスターストリップを収容し案内する割出し送りホイールからなる。以下の記載においては、このような割出し送りホイール40を使用するものとして説明する。
割出し送りホイール40の回転によって、ブリスターストリップが前進する。各吸入の前の段階では、開封前の完全なブリスターが、ブリスター開封手段80と対向する位置にある。
【0025】
第2移動手段50は、支軸を中心に揺動するよう取り付けられた揺動部材を備えていてもよく、割出し送りホイール40が、当該揺動部材に回転可能に取り付けられていることが好ましい。
本装置の駆動サイクルは、以下の通りである。装置を開状態にする際、並行に配置された二つのカバー部材11、12が本体10を中心にして、本体10から相互に離れる方向に移動し、それによりばねの力を装置に加える。この状態では、割出し送りホイール40を、穿孔要素80の方に向けて移動させることができない。
【0026】
なぜなら第2移動手段50が適切なブロック手段(簡潔化のため図示せず)によって保持されているからである。国際公開第2009/077700号および国際公開第2009/136098号が、このようなブロック手段について記載しており、これらの内容は、参照により本願に含まれる。ユーザーがマウスピースを介して吸入を行っている最中には、ブロック手段はブロックを解除し、割出し送りホイール40を針に向けて移動し、それによりブリスターを開封する。
【0027】
上述のように、開封手段80は、ユーザーによる吸入によって駆動されることが望ましい。吸入で開封手段80を作動させるために、好ましくは吸入によって変形する空気室61を備える吸入トリガー機構60を備える。
空気室61は、ブロック手段を解除するよう構成されている。ユーザーによる吸入は、空気室61を変形させてブロック手段によるブロックを解除し、第2移動手段50を移動可能することによって、各ブリスターをその開封位置に向けて移動させる。
【0028】
よってブリスターは、吸入によってのみ開封され、それと同時に空になる。したがって、ブリスターが開封されてから、空になるまでの間に、一回分の紛体の一部がこぼれる危険性がない。
吸入器は、さらに、各ブリスターの開封後に一回分の紛体を収容する、吐出室あるいは拡散室90を備える。吐出室90は、少なくとも一つ、好ましくは複数の、ビーズ91を備えていれば有利である。ビーズ91は、吸入の最中に、吐出室90内を移動する。それにより、具体的には、ブリスターが開封された後、空気と紛体の混合物の吐出を、より効率よく行い、装置の吸入効率を改善する。
【0029】
なお、開封手段、具体的には穿孔要素は、吐出室90上、例えば吐出室90に繋がる経路95の終端に直接形成されていれば有利である。
吸入後、ユーザーが装置のカバーを閉状態にしたとき、すべての構成要素が最初の静止位置に戻る。これにより、装置は、新たな使用サイクルを開始できる状態になる。
本吸入器の好適な一態様において、ブリスターは、柔軟性のある長尺部材上に形成されており、これは、初期状態では、主として当該装置の本体10内の貯蔵ハウジング内に、巻かれた状態で保存されている。
【0030】
巻かれた状態のブリスターストリップが、その後端(すなわちブリスターストリップの進行方向における後端)が本体10に対して固定されていない状態で、貯蔵ハウジングの内壁に保持されていて、装置内でブリスターストリップのロールを、より簡単に組み付けることができるように構成されていれば有利である。
ブリスターストリップは、少なくとも一つ、好ましくは複数の、それぞれがブリスターの形状に対応する形状の凹部を有する割出し送りホイール40によって動かされる。そして、割出し送りホイール40の回転によって、ブリスターストリップが前進する。
【0031】
当然、上記構成の代わりに、あるいは上記構成に加えて、ブリスターを前進させるためのその他の手段を用いることができる。例えば、ブリスターストリップの側面を、適切な駆動手段と協働する形状に構成することができる。
また、ブリスターストリップの側面に沿って開口を形成し、当該開口と協働するスプロケットホイールによってブリスターストリップを前進させることもできる。
【0032】
一以上のブリスターを開封した後、ブリスターストリップのうち空になったブリスターの存する部分が詰まることがないように、簡単かつコンパクトに装置内に収容できなければならない。使用済みのブリスターストリップは、自動的に巻き取られ、再びロール状になれば有利である。
吸入器のさらに別の態様では、紛体カウンターまたはインジケーター(簡潔化のため図示せず)も備えている。当該装置において、当該装置の本体10の適切な窓部から見えるように、数字や記号を直接、ブリスターストリップに印をしてもよい。変形例として、数字や記号を記した一以上の回転盤やリングを有するカウンターを用いることも考えられる。国際公開第2008/012458号および国際公開第2011/154659号が、このようなカウンターについて記載しており、これらの内容は、参照により本願に含まれる。
【0033】
本発明の目的は、例えば、装置の操作ミスや不完全な操作時に、吐出していない紛体を一回分とカウントしてしまうのを避けることである。したがって、カウンターあるいはインジケーターは、ユーザーが吸入をしたときのみ駆動されることが望ましい。なぜなら、ブリスターを開封して、収容されている紛体を吐出できるようにするのは、この吸入だからである。なお、カウンターは、吸入後、ユーザーが装置を閉状態にしたときに駆動されると有利である。
【0034】
図1〜3は、装置の開放および吸入のサイクルを示した図である。
移動可能なカバー要素12は、適切なハウジングにより摺動可能に保持された打ち金部材(cocking member)75に固定されている。これにより打ち金部材75が本体10に対しカバー要素12と共に揺動するのが望ましい。
打ち金部材75は、上記ハウジング内に配置されたばね70(望ましくはコイルばね)に抗して移動するようにしてもよい。打ち金部材75は、一端がばね70に接続され、他端が第2移動手段、具体的には本体10上で揺動するように取り付けられ、かつ、割出し送りホイール40が回転可能に支持された、揺動部材50と協働する。
【0035】
図1(閉状態)および
図2(開状態)に示すように、移動可能なカバー要素12が開くと、打ち金部材75がハウジング内を移動し、ばね70を圧縮する。第2移動手段の揺動部材50は、吸入時にのみ解除される上述のブロック手段によって移動が防止されている。したがって、
図2に示す開放位置において、吸入がなされない状態では、カバー要素11および12を閉じても、打ち金部材75が静止位置に戻り、ばね70が伸長するだけである。
【0036】
打ち金部材75は、揺動部材50と接触する位置に、例えば球状の端部のように丸みを帯びた部分を有し、それにより打ち金部材75の先端が、揺動部材50との当接部で滑らかに移動できるように構成されていれば有利である。
よってユーザーは、吸入器を開くことによって、吸入システムの駆動の準備することになる(
図1および
図2)。ユーザーが吸入を行わず吸入器を閉じた場合には、ブリスターストリップやブロック手段が移動することはなく、装置が元の状態に戻るだけである。
【0037】
したがって、吸入器を開状態にした時点から閉状態にした時点までの間に、ユーザーが吸入を行っていないにも関わらず、偶然の、あるいは不完全な駆動によって、ブリスター(および有効な一回分の物質)が損なわれる危険性がない。
このように、ブリスターを開封し、空にし、紛体をユーザーの肺に吐出し、ブリスターストリップを移動させて新たな満杯のブリスターを開封手段に対置させ、紛体を一回分とカウントするという動作は、ユーザーが吸入を行ったときのみ生じる。
【0038】
第2移動手段、具体的には設定手段と協働する揺動部材をブロックするブロック手段は、ユーザーによる吸入に反応する可撓性空気室61に接続されており、ユーザーが吸入を行うと、可撓性空気室61が変形し、ブロック手段を解除する。これにより、揺動部材50を押圧している打ち金部材75で圧縮された状態にあるばね70の力の作用により、上記第2移動手段を、その吐出位置に向けて移動させることができる。この移動によって、満杯のブリスターが開封され、一回分の紛体が吐出される。
【0039】
吸入トリガー機構の可撓性空気室61は、中空袋体であって、可撓性側部611と、当該中空袋体の入口を構成する開口を囲む周縁部62を含む第1開口端と、当該中空袋体の底部を構成する第2端とを備える。
本発明において、本体部611は、複数、好ましくは6個の、軸方向に順に並んだ蛇腹部611a、611b、611c等を備える蛇腹状をしている。
【0040】
蛇腹形状の本体部611は、外径および/または内径の異なる一つまたは複数の蛇腹部からなる。上記開口に隣接する第1の蛇腹部611aの外径が、当該第1の蛇腹部611aに隣接する第2の蛇腹部611bの外径よりも小さければ有利である。このようにすれば、特に
図11および
図12に示すように、蛇腹部の圧縮力を増加させ、圧縮状態において占めるスペースを小さくするという効果がある。
【0041】
図11および
図12において、第1の蛇腹部611aは、圧縮されると、周縁部62によって形成される開口の外側において部分的に変形するが、その外径が小さいので、第2の蛇腹部611bの変形のためのスペースを提供でき、これにより、蛇腹部が、より一層圧縮可能となる。
当然、その他の一以上の蛇腹部についても、必要に応じて、異なる外径、具体的には、小さい外径を有していてもよい。また、一以上の蛇腹部が異なる内径を有するように構成してもよい。
【0042】
こうした蛇腹形状には、いくつかの利点がある。蛇腹形状は、軸方向に作用するため、予測可能で再現可能な変形力を、駆動のたびに発生させる。
したがって、吸入トリガー機構を作動させるのに必要な最小吸入の割合において、トリガーの範囲をより小さくすることができ、この範囲は好ましくは50%減少する。さらには、上記蛇腹形状は、可撓性空気室61を非変形位置に向けて戻すばねの作用を有し、装置を静止位置に戻すのを助ける。
【0043】
可撓性空気室61は、上記第2端部が閉じた、一つ穴の中空袋体であれば有利である。これにより、吸入トリガー機構の気密状態を向上し、空気室の底部からの漏れを防止する。
トリガー部材600は空気室61と協働し、それにより吸入部5を介した吸入の間、空気室61が変形し、トリガー部材600を移動させ、具体的にはブロック手段を解除することにより、開封手段80を駆動する。したがって、吸入部5を介した吸入の際に、開封手段によって貯蔵器が開封される。
【0044】
空気室61の第2の閉端部は、空気室61をトリガー部材600に連結する連結手段63を含む。
なお、トリガー部材600が、まず、空気室61に、次にブロック手段に接続されたロッドであれば有利である。これにより、空気室61が変形したとき、当該空気室はロッドを移動、具体的には揺動させ、ブロック手段を解除する。
【0045】
空気室61をトリガー部材600に接続する連結手段63は、空気室61の外面に形成された突起63を備え、当該突起63は、前記流動体ディスペンサ装置の組み立てのときに、トリガー部材600、具体的には当該トリガー部材600の開口603にスナップ留めされる。
空気室61の周縁部62が、具体的には超音波によって本体10の一部120に熱融着されており、かつ/または、本体10の一部120にオーバーモールド成形されていれば有利である。
【0046】
空気室61は、好ましくはシリコーンゴムからなるが、適切であればその他の材料も利用可能である。膜厚は0.1ミリメートル(mm)から0.3mmの範囲内であれば有利であり、好ましくは約0.2mmである。
図4〜
図6は、本体内における空気室61の一つの好適な組み立て例を示している。本例において、空気室61は、第1本体部110内の、この目的のために形成された収容開口内に配置されており、
図5に示すように、空気室61の周縁62は、上記収容開口の縁部118上に載置される。その後、第2本体部120を、
図6に示すように第1本体部110上に、具体的には超音波による熱封着で組み立てる。これによって、空気室の周縁62は、二つの本体部110および120の間に保持される。
【0047】
組み立て時の封着を強化するため、第2本体部120が、空気室の周縁部62が載置される縁部118の径方向外方にずれた位置に軸方向突起または突状輪郭部(profile)128を有していてもよい。突起128は、組み立てる間、空気室61の周縁62を
図7の矢印Aが示す方向に変形させるよう構成されている。
オプションとして、
図8に示すように、周縁62の強度を増すために剛性挿入物620を周縁62内に配置し、それによって組み立てを容易にし、封止状態を改善することができる。
【0048】
図4〜6に示す組み立ての変形例として、
図9に示すように、空気室61の周縁62が、具体的にはオーバーモールド成形によって、直接、第2本体部120に固定されていてもよい。この構成では、第2本体部120を第1本体部110に固定する際に、空気室61が、第1本体部110の開口に取り付けられる。
図10〜14は、空気室61上に取り付けられたトリガー部材600を示す。本体に空気室61を取り付けた後、組み立てスリーブ101を空気室61内に挿入し、
図10の矢印BおよびCに示す方向に、具体的には吸引することによって当該空気室を変形させる。
【0049】
トリガー部材600は、揺動可能なロッド形状であれば有利であり、
図11に示す矢印Dの方向に移動し、
図12に示すように当該ロッドの開口603が可撓性空気室61の突起63にスナップ留めされる。そして空気室61内の吸引が解除され、組み立てスリーブ101が取り除かれる。これにより、空気室61が、非圧縮状態に変形し、ロッド600が、
図13および14に示すように逆方向に揺動する。
【0050】
図13に示すように、ロッド600の揺動により、空気室61が、完全な軸方向ではない方向に変形する。
蛇腹の利用には、空気室の圧縮能力を最適化し、吸入の際に発生する真空に対する変形について、高い再現性を保証し、それにより装置の始動をより確実にできるという利点がある。
【0051】
特に、閉じた蛇腹状の空気室を利用すれば、その他の形状の空気室とは異なり、吸引圧に応じた力と変位を示すグラフが直線的にすることができる。その他の形状の空気室とは、例えば、可撓性で、平坦な形状の膜からなるものであり、この場合、グラフはより不規則になる。
図15は、本発明に係る空気室において、上記、吸引圧に応じた力と変位を示すグラフが実際に直線的になることを示している。
【0052】
上述したすべての実施例について、ブリスターストリップは、二つの端部を有する長尺部材からなる。
変形例として、端部が連続した環状の長尺部材を用いることもできる。本発明の範囲を超えない限りにおいて、その他の変形も可能である。
したがって、本発明により、以下の特徴を有するドライパウダー吸入器を提供することが可能である。
【0053】
・複数回分の紛体が、密封された複数のブリスターに個別に収容される。例えば、30回あるいは60回分が、丸く巻かれた状態の長尺部材上に収容される。
・紛体は、ユーザーによる吸入によってなされる穴開けによって放出される。ブリスターの穴開けは、圧縮力解放機構と組み合わされた吸入検出機構によってなされる。
・ブリスターと係合し、吸入のたびにブリスターストリップを移動させて、新しい満杯のブリスターを、適切な開封手段によって開封される位置に移動させるのに適切な形状を有する駆動手段。
【0054】
・吸入器が開けられたが、吸入は行われていないときに、紛体が失われるのを防止する手段。
・吸入が行われたときのみ紛体を一回分とカウントするよう構成されたドーズインジケーター。
上述したとおり、本発明の装置により、その他の特徴も提供される。
【0055】
なお、上述の様々な特徴は、吸入器に同時に備えられているように記載されているものであっても、個別に備えることができる。
具体的には、貯蔵器開封手段のタイプや、紛体インジケーターの有無や、それぞれ独立した複数のブリスターが互いにどのような位置関係にあるかにかかわらず、吸入トリガー機構を利用することができる。
【0056】
打ち金部材および吸引トリガー機構は、その他の方法で形成されていてもよい。
同様のことが、装置のその他の要素にも当てはまる。
当業者は、添付のクレームに定義される本発明の範囲を逸脱しない範囲において、様々な変形を施すことができる。具体的には、図面を参照して説明した装置の様々な特性や機能は、適切であればどのような方法を用いてでも互いに組み合わせることができる。