(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アンビルの前記表面と選択的に係合するように構成された前記ソノトロードの係合面は、複数のエネルギーダイレクターを備え、前記複数のエネルギーダイレクターが第1の方向と第2の方向に間隔をおいて配されることで、1つのパターンが形成され、前記複数のエネルギーダイレクターのそれぞれは長方形のプラトー面を備え、前記長方形のプラトー面のそれぞれの側は、角のある側面に移行することで、前記長方形のプラトー面のそれぞれに第1の、第2の、第3の、および、第4の角のある側面を形成するように構成され、前記長方形のプラトー面のそれぞれの前記角のある側面のそれぞれが、前記ソノトロードの外周を除いて、隣接するプラトー面の別の側面と接続し、
前記ソノトロードの前記表面と選択的に係合する前記アンビルの係合面は、複数のエネルギーダイレクターを備え、前記複数のエネルギーダイレクターが第1の方向と第2の方向に間隔をおいて配されることで、1つのパターンが形成され、前記複数のエネルギーダイレクターのそれぞれは長方形のプラトー面を備え、前記長方形のプラトー面のそれぞれの側は、角のある側面に移行することで、前記長方形のプラトー面のそれぞれに第1の、第2の、第3の、および、第4の角のある側面を形成するように構成され、前記長方形のプラトー面のそれぞれの前記角のある側面のそれぞれが、前記ソノトロードの外周を除いて、隣接するプラトー面の別の側面と接続し、および、
前記ソノトロードの前記エネルギーダイレクターと前記アンビルの前記エネルギーダイレクターは、前記ソノトロードの前記側面が、薄いワークピースを超音波で溶接するために振動を伝えるように構成されたパターンで、前記第1の方向と前記第2の方向の両方で前記アンビルの前記側面と噛み合うように位置合わせされるように構成される、ことを特徴とする請求項2に記載の超音波溶接ステーション。
前記ソノトロードと前記アンビルの噛み合う複数のエネルギーダイレクターは、前記ソノトロードと前記アンビルとの間の総表面積を増加させるように構成される、ことを特徴とする請求項3に記載の超音波溶接ステーション。
それぞれの前記プラトー面の前記角のある側面のそれぞれは、前記隣接するプラトー面の別の側面と接続することで、その間に谷が形成される、ことを特徴とする請求項3に記載の超音波溶接ステーション。
それぞれの前記プラトー面の前記角のある側面のそれぞれは、円弧状の表面を備えた前記隣接するプラトー面の別の側面と接続することで、その間に谷が形成される、ことを特徴とする請求項6に記載の超音波溶接ステーション。
前記ソノトロード上の前記第2の方向は、前記ソノトロード上の前記第1の方向に対して直角であり、前記ソノトロードの前記複数のエネルギーダイレクターは、ソノトロードの前記第1の方向に規則的に間隔をおいて配され、および、ソノトロードの前記第2の方向に規則的に間隔をおいて配されることで、その上に格子パターンが形成され、
前記アンビル上の前記第2の方向は、前記アンビル上の前記第1の方向に対して直角であり、前記アンビルの前記複数のエネルギーダイレクターは、アンビルの前記第1の方向に規則的に間隔をおいて配され、および、アンビルの前記第2の方向に規則的に間隔をおいて配されることで、その上に格子パターンが形成される、ことを特徴とする請求項3に記載の超音波溶接ステーション。
前記第1の流体筋肉と前記第2の流体筋肉は、前記ソノトロードの前記表面から前記アンビルの前記表面を係脱させるために、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材を前記ハウジングに対して逆並進させて集中させるべく加圧されるように構成される、ことを特徴とする請求項2に記載の超音波溶接ステーション。
前記第1の流体筋肉と前記第2の流体筋肉は、ほぼ同じ大きさであり、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材にほぼ等量の並進を与えるように構成される、ことを特徴とする請求項2に記載の超音波溶接ステーション。
前記ソノトロードは、前記第2の取付部材に解放可能に固定され、解放可能な固定は、それぞれが前記第2の取付部材にしっかりと固定された第1の対のクランプブロックと、それぞれが止めねじを用いて前記第1の対のクランプブロックに固定された対応する第2の対のクランプブロックを備え、それによって、前記第1の対のクランプブロックと前記第2の対のクランプブロックの間で前記ソノトロードが解放可能に固定される、ことを特徴とする請求項2に記載の超音波溶接ステーション。
前記アンビルは前記第1の取付部材に調節可能に固定され、調節可能な固定は、前記アンビル内の内側にねじが刻設された穴部の内部に螺合自在に係合する複数の取付フットと、前記第1の取付部材に前記複数の取付フットを固定するための対応する複数のねじを含む、ことを特徴とする請求項12に記載の超音波溶接ステーション。
前記第1の流体筋肉と前記第2の流体筋肉は、前記ハウジングに固定され、かつ、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材にそれぞれ固定されることで、幅の狭い外形が形成され、前記第1の流体筋肉と前記第2の流体筋肉はそれぞれ、前記直線レールに対して直列に、および、前記アンビルと前記ソノトロードに対して直列に配置される、ことを特徴とする請求項2に記載の超音波溶接ステーション。
前記第1の流体筋肉の前記第1の端部は、前記第2の取付部材内の穴部を通って前記ハウジングに固定され、前記第2の流体筋肉の前記第1の端部は、前記第1の取付部材内の穴部を通って前記ハウジングに固定される、ことを特徴とする請求項14に記載の超音波溶接ステーション。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】内部の流動性の機械筋肉(fluid mechanical muscles)を露出させるためにハウジングのサイドパネルを取り除いた、本発明の改良型の超音波溶接改造キットの主要な部品の第1の実施形態の斜視図である。
【
図2】流動性の機械筋肉を囲むためにハウジングのサイドパネルを設置した状態で示した、
図1の改造キットの斜視図である。
【
図3】本発明の改造キットの第2の実施形態の拡大側面図である。
【
図3A】
図3の改造キットのさらなる拡大図である。
【
図6】サイズを小さくして、随意の横型の機械スペーサと、固定した一定の高さで、または、垂直な(「Z」)方向に調整可能な高さで構成された随意の回転式機械のカラムアセンブリを含んで描かれた、
図5の改造キットの斜視図である。
【
図7】
図6で見られるような改造キットを含む部品の分解図である。
【
図8】
図6の改良型の超音波溶接改造キットを取り付けて改造することができる回転式の製袋充填機の正面図である。
【
図10A】先行技術の超音波溶接機の側面図である。
【
図11】レベリングフット(leveling feet)と、本明細書のハウジングに固定できる取付台とともに、本発明で使用可能なアンビルの詳細図である。
【
図12】
図11のアンビル、レベリングフット、および、取付台の分解図である。
【
図13】本発明に関連したエネルギーダイレクター格子(energy director grids)を使用して直線のパターンを溶接するために使用されてもよい、変換器、昇圧器、ソノトロード、および、アンビルの分解図である。
【
図13A】一連の穴のあいた開口部を包含するホーン(horn)の1つの実施形態の側面図である。
【
図14】本発明に関連したエネルギーダイレクター格子で形成されたアンビルの等角図である。
【
図19】
図7のアンビルの格子表面の拡大した詳細図である。
【
図20】
図7のアンビルを切断した断面図であり、時計回りに45度回転した状態で示されている。
【
図20A】本発明の代替的な実施形態のアンビルを切断した断面図である。
【
図21A】本発明の代替的な実施形態のホーンの正面図である。
【
図21F】本発明の第2の代替的な実施形態のホーンの正面図である。
【
図22A】ワークピースを係合させる前に描かれた、本発明のアンビルおよびソノトロードを切断した断面図であり、ソノトロードエネルギーダイレクタープラトー(plateau)の係合は、対応するアンビルエネルギーダイレクタープラトーと位置合わせされ、これに対して隣接する。
【
図22B】
図11Aの配置による、ソノトロードのエネルギーダイレクタープラトーの、アンビルのエネルギーダイレクタープラトーとの位置合わせを示す。
【
図22C】ワークピースを係合させる前に描かれた、本発明のアンビルとソノトロードを切断した断面図であり、ソノトロードエネルギーダイレクタープラトーの係合は、アンビルエネルギーダイレクタープラトーと噛み合わせるために、位置合わせされる。
【
図22D】
図11Cの配置による、ソノトロードのエネルギーダイレクタープラトーの、アンビルのエネルギーダイレクタープラトーとの噛み合わせの位置合わせを示す。
【
図23】超音波溶接前にワークピース上で利用された先行技術のエネルギーダイレクターを示す。
【
図23A】超音波溶接後の、
図12の先行技術のエネルギーダイレクターを示す。
【
図24】曲線を付けた(非直線的な)溶接パターンを生成するために使用されてもよい、変換器、昇圧器、ソノトロード、および、代替的な格子表面のアンビルを含む、超音波溶接機の一部の分解図である。
【
図25】非直線的な溶接形状を生成するために使用されてもよい、第2の代替的な格子表面のアンビルを示す。
【
図26】超音波溶接を行い、完成した溶接後に溶接された材料の中心を通って切断するために用いるブレードを収容する、代替的な「二重レーン(dual lane)」のホーンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
我々の同時係属出願番号12/925,652号の超音波溶接技術で既存の製袋充填機を改造しようとする包装機のオペレータによる当初の試みは失敗に終わった。改造装置が占め得る体積は著しく制限された。この制約は、加熱ステーションで二重または三重の密封作業が必要となる状況で悪化した。従来のアクチュエーターを用いて互いに係合するように移動させる単一の大きなホーンとアンビルは、非常に緩慢なため満足な結果を得ることができず、あるいは、シングル幅の超音波ホーン技術の範囲外であった。2対の異なるホーン/アンビルの組み合わせを使用しても、2対の同時の係合を調整することは難しいため満足な結果は得られず、一方で、生じる力は小さすぎた。同期させるためにサーボモーターに頼ることが検討されたが、サーボモーターは市場性を失いつつあるため、その用途には非常に高くつくことがわかった。
【0019】
図1は、このような欠点を優雅に克服した本発明の改造キット(10)の第1の実施形態の斜視図を示しており、本発明の作動部分を露出させるために、ハウジングのサイドパネル(23)を取り除いた状態で描かれている。
【0020】
該デバイスは、アンビルと、ホーン/昇圧器/変換器の両方のスタックを同時に作動させるために特別に作られた二重ライナー機構(dual liner mechanism)中の1対の流体の機械筋肉を利用する。今日の「流体筋肉」は、(空気圧式人工筋肉のほかに)一般にそう呼ばれているが、部分的には、「Fluid Actuated Motor System and Stroking Device」と題され、米国特許2,844,126を付されたRichard Gayiordによる1955年の発明の所産である。一般に、流体筋肉は、織って作ったシースで、合成ゴムのチューブまたは天然ゴムのチューブを包むことにより構築されてもよい。これは拡張可能なチャンバーを形成する。加圧流体が流体筋肉のチャンバーに加えられると、チャンバーは放射状に拡大し、同時にその長さの分の対応する収縮を伴い、結果として直線運動を生じる。金具またはプラスチック部品は、結果として生じる運動を伝えるために、両端で固定されてもよい。
【0021】
流体筋肉の収縮強度は、織って作られたシースを形成する個々の繊維の総強度によって決定されてもよく、一方で、その運動距離は、織り方の詰め具合によって決定されてもよく、緩い織り方では大きく膨らみ、結果として、織物構造中の個々の繊維がさらにねじれることになる。本発明とともに使用する流体筋肉は、イリノイ州のMt.ProspectにあるFesto Corporationから入手してもよい(www.festo.comを参照)。
【0022】
流体筋肉は、対−1つのアゴニストと1つのアンタゴニスト−で用いられるのが一般的であり、アンタゴニストはアゴニストの運動に反して作用し、それによって、人体内部の筋肉(例えば、関節を開く伸筋と、関節を閉じるために反対に作用する屈筋など)の機能を模倣する。しかしながら、本発明では、流体筋肉は異なる方法で作動する。
【0023】
もっとも単純に実行可能な実施形態では、単一の流体筋肉は、
図13Aおよび13Bで表わされる、従来の先行技術の超音波溶接機(100)中のプレス機(190)によって提供され直線運動を模写するために使用されてもよい。しかしながら、実際には、これは、多くの製袋充填機、とりわけ横型タイプの機械の改造の成功にはさほどつながらない。そのような機械では、小袋が、小袋を密封するために1つ以上の加熱要素を小袋に集中させてもよい加熱ステーション(例えば、Haleyに対する米国特許5,826,403号の
図1の包装機5を参照)向かってコンベヤーに沿って並進することもあるため、アンビルとソノトロードの両方に運動を与えることが非常に望ましい。この2重の運動は、一般的に開口部の中央の平面にソノトロードとアンビルを集中させるように設定され、それによって、プラスチックフィルムの局所的な加熱と溶解に必要な圧力と振動をそこに加えて開口部を密封してもよい。
【0024】
本発明の第1の実施形態は、(ハウジングのサイドパネル(23)が取り除かれた)
図1の改造キット(10)によって示され、
図2にも示されている。横型または回転式の製袋充填機のいずれかの1つ以上の熱融着要素と交換して使用されてもよい改造キット(10)は、土台(20)、第1の端壁(21)、第2の端壁(22)、第1の側壁(23)、および、第2の側壁(24)を有するハウジングを含んでもよい。ハウジングは中央の壁(26)も含んでもよい。これらの部品の多くは、その分解図が
図7で示されている後に議論される実施形態に共通であり、したがって、それについて言及することが有利なこともある。ハウジングのサイドパネル(23)および(24)は、土台(20)と端壁(21)および(22)に沿って、流体筋肉を囲み保護するために使用されてもよく、加えて、そのような理由で随意のカバー(図示せず)が同様に使用されてもよい。また、サイドパネル(23)および(24)は、ハウジングに対して構造的な剛性を加える役目を果たしてもよいが、しかしながら、パネル(23)および(24)は、以下から分かるように、機構の機能性の支持には必要ではない。
【0025】
土台(20)は、第1の開口部(20A)と第2の開口部(20B)を有してもよく、これらは両方とも穴のあいた開口部であってもよい。第1の取付部材(30)は、土台(20)内の第1の開口部(20A)を介した途中に配された部分を有してもよい。1つの実施形態では、第1の取付部材(30)は、好ましくは「L字」であってもよく、土台(20)内の開口部(20A)を通って突出する「L」の1つのフット(31)を有してもよく、他のフット(32)は、一般にハウジングの土台(20)に平行となるように配されてもよい。したがって、第1の取付部材(30)は、ハウジングの土台(20)の穴のあいた開口部(20A)内部に摺動可能であってもよい。第2の取付部材(40)は、第1と第2のフット(41)および(42)で同様に構築されてもよく、それに応じて、土台の第2の開口部(20B)内部に摺動可能なように配されてもよい。
【0026】
「L」字型の取付部材の第2のフット(32)および(42)の端部は、キットアセンブリ内で互いに向き合ってもよい。「L」字型の取付部材(30)および(40)の第2のフット(32)および(42)はそれぞれ、直線レール上を摺動可能な少なくとも1つの各々のベアリングキャリッジに取り付けられてもよい。好ましい実施形態では、その上を摺動可能な4つのベアリングキャリッジを備えた直線レールが使用されてもよい。直線レールおよびベアリングキャリッジは市販で入手可能であり、イリノイ州ロスコーのPBC Linearから得られてもよい(www.pbclinear.com/Pages/Linear-Componentsを参照。この開示は引用によって本明細書に組み込まれる)。直線レール(50)は、土台(20)の底に固定されてもよく、
図1で分かるように、レール上を摺動可能なベアリングキャリッジ(51)、(52)、(53)、および、(54)を有してもよい。選択される直線レールと、ハウジングの土台(20)への取り付けに利用される方法によっては、「L」字型の取付部材(30)の第2のフット(32)を、ベアリングキャリッジ(51)および(52)に直接取り付けることが可能であり、「L」字型の取付部材(40)の第2のフット(42)をベアリングキャリッジ(53)および(54)に直接取り付けることが可能である。
【0027】
代替的に、
図8で分かるように、分離した直線レール(50A)および(50B)が用いられてもよく、対のベアリングキャリッジ(51A)、(51B)、(52A)、(52B)、(53A)、(53B)、(54A)、および、(54B)は、レール対(50A/50B)上を摺動可能であり、ベアリングキャリッジ(51A)、(51B)、(52A)、および、(52B)は、取付ブロック(61)に固定され、ベアリングキャリッジ(53A)、(53B)、(54A)、および、(54B)は、取付ブロック(62)に固定される。
図1から分かるように、分離したレール(50A/50B)とベアリングキャリッジ対の間に形成される開口部は、第1の「L」字型部材(30)の第2のフット(32)の取付ブロック(61)に対する取り付けと、「L」字型の部材(30)の第2のフット(42)の取付ブロック(62)に対する取り付けを可能にするのに役立ってもよい。(注−ハウジングの部品または本明細書に記載の他の部分のいずれかの取り付けは、使用される材料(木材、金属、またはプラスチック)にふさわしい、先行技術で知られている適切な接着剤または任意の機械的な止め具を使用して、遂行されてもよい)直線の分離したレール(50A/50B)の長さが土台(20)の穴のあいた開口部(20Aおよび20B)にわたるように選択され、第1の取付部材(30)は、それによって、穴のあいた開口部(20A)内で、ハウジング端壁(21)に最も近いハウジングの第1の端部に対して摺動可能であってもよい。第2の取付部材(40)は、それによって、穴のあいた開口部(20B)内で、ハウジング端壁(22)に最も近いハウジングの第2の端部に対して、摺動可能であってもよい。
【0028】
同時係属出願12/925,652号で開示された特徴を組み込んだ改良型のアンビル(12)は、取付ブロック(61)に固定されてもよい。好ましい実施形態では、角のあるガセットアセンブリ(gusset assembly)(64)は、取付ブロック(61)に最初に固定されてもよく、次に、アンビル(12)がガセットアセンブリ(64)に固定されてもよい。許容差の構築を調整し、かつアンビルの正確な静止位置に対する調節を基本的に可能にするために(その重要性は以下に議論される)、基板(65)はガセットアセンブリ(64)とアンビル(12)の間で位置付けられてもよく、レベリングフットは基板(65)とアンビル(12)の間に位置付けられてもよい。
【0029】
同時係属出願12/925,652号で開示された特徴を組みこんだ改良型のソノトロード(13)は、昇圧器(14)および変換器(15)も含むスタックの一部を形成してもよい。出願12/925,652号の改良型のアンビル(12)および改良型のソノトロード(13)は、明細書で詳細に記載されている。スタックは、昇圧器を固定する上部および下部のクランプブロック(65U/65L)を用いて、および、変換器を固定する上部および下部のクランプブロック(66U/66L)を用いて、取付ブロック(62)に固定されてもよい。上部クランプブロック(65Uおよび66U)はそれぞれ、取付ブロック(62)にしっかりと固定されてもよく、下部クランプブロック(65Lおよび66L)はそれぞれ、指定のねじ(67)を使用して対応する上部クランプブロックに解放可能に固定され、それによって取付ブロック(62)にスタックを解放可能に固定してもよい。
【0030】
レベリングフット、土台、およびアンビルの1つの実施形態が、
図12の分解図で示される。
図12の実施形態では、レベリングフット(66A、66B、66C、66D、66E、66F、および66G)は、アンビル内の対応するねじ穴内部に螺合自在に係合する前の状態で示されており、その後、アンビルと取付フットは、
図11と
図3で見られるように、ねじ(68)を使用して、土台とガセットアセンブリ(64)に固定されてもよい。取付フット(66A−66G)のそれぞれが穴の内部に螺合自在に係合される程度は、アンビル(13)の長さにわたって慎重に制御された適切な支持を与えるために、外部と内部で調節されてもよく、その結果、その一連のエネルギーダイレクター格子は、同時係属出願12/925,652号に記載されているように、改良型のソノトロード(13)の対応する一連のエネルギーダイレクター格子に適切に係合してもよい。ソノトロードのエネルギーダイレクター格子とアンビルとの間その係合中に接触シートが用いられることで(以下に議論される)、係合が適切か否かを判断してもよく、両者の間の適切な接触を達成するために、レベリングフットに対する調節がなされてもよい。
【0031】
図1のこの配置で、第1の流体筋肉(16)はハウジングの第2の端壁(22)に固定される第1の端部(16A)を有してもよく、流体筋肉(16)の第2の端部(16B)は、「L」字型の取付部材(30)の第1のフット(31)に固定されてもよい。第2の流体筋肉(17)は、ハウジングの中央の壁(26)に固定される第1の端部(17A)を有してもよく、流体筋肉(17)の第2の端部(17B)は、「L」字型の取付部材(40)の第1のフット(41)に固定されてもよい。流体筋肉(16)および(17)は好ましくは、直線レール(50)に対して、および、アンビル(12)に対して、ならびに、ソノトロード(13)を備えたスタックに対して直列に配されるように、記載されるごとく取り付けられてもよい。この直列な配置は、非常に幅が狭いが細長い形状をしたアセンブリを形成し、これは、特定の製袋充填機の熱融着ステーションによって現在占められているスペースの制約があるエンベロープへの改造キット(10)の設置を促進する(そのような機械上への本発明の実施形態10Aの第2の改造キットの設置を例証している、
図3および4を一般に参照)。
【0032】
改造キット(10)が上に記載されたように組み立てられ、および、空気/水圧チューブが流体筋肉(16)および(17)に圧力を運ぶために適切に設置されると、第1と第2の流体筋肉に圧力をかけることで、第1の筋肉の取付部材(30)の並進と、第2の筋肉の取付部材(40)の並進を引き起こし、その並進は、一般に同時であるとともに直線レールに関連し、それによって、2つの取付部材を集中させることで、アンビル(12)の表面をソノトロード(13)の表面に係合させる。制御装置は、流体筋肉への空気圧/水圧の加圧と対応する脱圧とを順序付けるために用いられ、電力をスタックにパルス化することで、「ワークピース」材料間(小袋の開放端の側)で摩擦を形成する機械的振動が、その間の接触領域を溶解する熱を生成する。第1と第2の流体筋肉(16)および(17)の脱圧は、第1と第2の筋肉の取付部材(30)および(40)の、直線レール対(50A/50B)に対する逆の並進を引き起こすことで、適切な溶接時間が経過した後に、アンビル(12)の係合面と前記ソノトロード(13)の係合面が(あるいは、両者の間の分離)係脱される。
【0033】
2つの取付部材(30)および(40)の並進は同時である必要はないが、アンビル(12)の係合面とソノトロード(13)の係合面は、小袋が位置付けられる所定の「中央平面」で交わることが好ましい。
図7で見られるように、機械的な止め具(55)は、流体筋肉が動作するときに、アンビルとソノトロードが中央で適切に噛み合うように、移動制限設定点を設けるために用いられてもよい。典型的には、アンビル側は、移動させる量が少ないため、最初に中央平面に到達し、その移動は、そこで機械的な止め具(55)との接触によって制限される。ホーン側は、調整可能な機械的な止め具(55)によって設定されるように、その後、中央のアンビルと接触する。機械的な止め具(55)によって提供される調節がない場合、小袋への到達における差が、さもなければ小袋をたわませるように機能し、結果的に溶接線を歪曲させ、審美的に魅力のない包装をもたらす。2つの異なる大きさの流体筋肉(16)および(17)を有していることは、小袋が密封されることになっている面でアンビル(12)とソノトロード(13)が到着する時間を調整するために、配置に対するさらなる調節を必要とすることもある。第1と第2の流体筋肉が同じ大きさである場合、特定の効率が得られてもよい。
【0034】
本発明の改造キットの第2の実施形態10Aは、
図3および4の横型の製袋充填機に取り付けられた状態で示されている。キット(10A)のこの設置は、
図3Aで拡大して示されており、
図7の分解図で示されるその構成部品を有している。キット(10A)は2つの同一の流体筋肉(18)および(19)を利用してもよく、したがって、アンビル(12)およびソノトロード(13)の両方の同時かつ平等な並進量を可能にし、異なる移動距離または移動時間による調節をほとんど必要としなくなる。
図3では、アンビル(12)の係合面とソノトロード(13)の対応する係合面はそれぞれ、流体筋肉の加圧と関連する並進の前に、密封される小袋が理想的に位置付けられる中央平面から約0.5インチ離れて位置付けられてもよいことがわかるだろう。摺動可能に取り付けられたブロック(61)上のアンビル(12)の並進のための流体筋肉(18)と同じ、摺動可能に取り付けられたブロック(62)上のソノトロード(13)の並進のための流体筋肉(19)を用いても、等しい速度の並進が生じることもある。
【0035】
接触することなく流体筋肉(19)に対して第1の取付部材(35)を摺動することを可能にするために、第1の取付部材(35)内に逃げ穴(36)を設けることによって、および、接触させることなく流体筋肉(18)に対して第2の取付部材(45)を摺動することを可能にするために、第2の取付部材(45)内に逃げ穴(46)を設けることによって、この第2の実施形態に関して
図3Aおよび7で見られるように、同じ流体筋肉(18)/(19)の直列な位置付けが達成されてもよい。改造キット(10A)の他の多くの態様は、別の方法で改造キット(10)に対して同様に構築されてもよい。流体筋肉(18)の第1の端部(18A)は、第2の取付部材(45)の特大の穴部(46)を通り抜けるにもかかわらず、および、流体筋肉上の延長端部取付具(extended end fitting)(18Ei)を場合によっては用いてハウジングに固定されてもよく、延長端部取付具はねじが刻設された部分を有しており、そこで、ナット(95)にトルクが与えられることでそれがハウジング端壁(22)に固定される。流体筋肉(18)の第2の端部(18B)もねじの刻設された部分を備えた延長端部取付具を有してもよく、そこで、ナット(95)にトルクが与えられることでそれが第1の取付部材(35)に固定される。同様に、第2の流体筋肉(19)の第1の端部(19A)は、前記第1の取付部材(35)の特大の穴部(36)を通り抜けるにもかかわらず、および、流体筋肉上の延長端部取付具(19Ei)を場合によっては用いてハウジングに固定されてもよく、延長端部取付具はねじが刻設された部分を有しており、そこで、ナット(95)にトルクが与えられることでそれがハウジング端壁(21)に固定される。流体筋肉(19)の第2の端部(19B)もねじの刻設された部分を備えた延長端部取付具を有してもよく、そこで、ナット(95)にトルクが与えられることでそれが第1の取付部材(45)に固定される。
【0036】
既存の製袋充填機上への改良型の超音波アンビルおよびソノトロードの改造は、1つ以上の熱融着ステーションと、熱融着ステーションを該充填機のフレームに固定するためにもともとは使用される任意の関連する支持ブラケットとを取り除くことを必要とすることもある。改造キット(10)またはキット(10A)は底に設置するために設けられてもよい。様々メーカーによって製造された特定の機械のフレームおよびそれ以外の特徴に差があるために、横型の機械のスペーサアセンブリ(80)(
図3、3A、6および7)は、小袋がコンベヤーに沿って進むにつれて、アンビルとソノトロードが理論上の小袋の中央平面の反対側に両方とも適切に配されるように、キットを適切に位置付けるために必要とされてもよい。同様に、
図8および9に示されたよう回転式の製袋充填機については、キットの適切な設置は、回転式機械のカラムアセンブリ(90)の使用を介して、キットの外側に放射状に配された端部を支持することを必要とすることもある。
【0037】
横型の機械スペーサアセンブリ(80)または回転式機械のカラムアセンブリ(90)と同様に、キットのそれぞれは、改造される機械のフレームに取り付け穴を掘ることを必要とすることもある。
図5から分かるように、これらの穴は、キットと機械のフレームの両方に共通する十分な大きさの穴を掘るための型板として使用されることもあるパイロット穴としてハウジングの端壁(21)/(22)の1つに配されてもよい。その後、キットは、限定されないが、ナット、止めワッシャー、および、ボルトを含む当業者に知られている任意の適切な固定手段を使用して、横型または回転式の製袋充填機のいずれかのフレームに固定されてもよい。
【0038】
上記に言及された改良型のアンビル(12)および改良型のソノトロード(13)は、米国出願番号12/925,652号で開示され、この文献は、米国特許出願番号13/713,237号を参照することによって組み込まれた。したがって、米国出願番号12/925,652号内の発明の詳細な記載は、そのままこれより先に明示的に組み込まれる。
【0039】
超音波溶接とは、材料、多くの場合プラスチック材料の1つ以上のピースが、接着剤、機械的な留め金具、または、直接的な加熱(溶接される必要がある大きな領域を変形させる傾向がある)を用いることなく、その代わりに、高周波で小振幅の振動に材料をさらすことによって、一緒に融合されるプロセスである。溶接される材料は、一般的に固定されたまたは移動可能なアンビルと、固定されたまたは移動可能なソノトロードの間で挟まれる継ぎ目を形成するために、材料が包まれる領域を有してもかまわない。
【0040】
背景技術で述べられたように、超音波溶接は、金属部品を融合するために利用されてもよいが、しかしながら、プラスチック製のワークピースの接合にも一般に使用される。「プラスチック」という単語は、機械的な分野では、「プラスチック」材料の技術的な記載から識別可能な形状の永久的な変化が変形によってもたらされる材料固有の点を超えた、応力/歪みの関係について言及し得るものである。プラスチック材料は通常、高分子量のポリマーを含み、特定の用途向けの材料の性能を高めるために、他の構成要素と組み合わされ得る。
【0041】
プラスチック材料は2つのカテゴリー:熱可塑性(または熱軟化性プラスチック)および熱硬化性−の1つに分類される。熱硬化性ポリマーは一度溶解させるだけで特定の形状をとることができ、その後、不可逆的に硬化する。逆に、熱可塑性プラスチックは繰り返し柔らかくなり、または、十分に加熱した後に溶解すらすることもある。熱可塑性材料は、その溶解特性と溶接特性を決定するポリマー分子の構造に基づいて、非晶性の熱可塑性プラスチックと半結晶性の熱可塑性プラスチックに細分類されてもよい。非晶性の熱可塑性プラスチックのいくつかの例は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリル、ポリ塩化ビニル(PVC)、および、ポリカーボネート(または、Lexan(商標))である。半結晶性の熱可塑性材料のいくつかの例は、ポリエチレン・プラスチック・レジン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、および、ポリエステル(直線状のエステル・プラスチック)である。非晶性の熱可塑性材料は、際立った融点をもたず、ゆえに液化する前に柔らかくなって次第にゴムのようになり、さらに、たわんだり成形収縮を経験したりすることが少なく、次第に固化する、無作為に順序づけられた分子構造を有している。逆に、半結晶性の熱可塑性プラスチックは、別々の融点を有しており、溶解が生じるような、結晶構造を破壊するための高レベルの熱エネルギーを必要とする。半結晶性の熱可塑性材料は、非晶質ポリマーとは異なり、その別々の融解温度に達するまで固体のままであり、その後、該材料はすぐに溶解してすぐに固化する。
【0042】
超音波溶接は同様の材料について行なわれてもよく、しばしば異種の材料についても行われてもよいが、異種の材料について分子結合を形成することは一般に化学的な適合性を必要としており、溶解温度がおよそ摂氏40度以内であるとともに同様の分子構造を有していることを意味している。超音波溶接は、ワークピース材料間の摩擦を発生させる機械振動からなり、摩擦はワークピース間の接触領域を溶解する熱を発生させ、それによって、冷却後、均質な分子結合が形成される。そのプロセスは、制御された量の圧力が摩擦熱を生じさせる振動を可能にすることを必要とし、その圧力は本発明の焦点であるソノトロードとアンビルの間に加えられる。
【0043】
アンビルは適切な固定具に固定されてもよく、一方で、ソノトロード(さもなれけば関連技術では「ホーン」として知られている)は、「スタック」として知られている超音波溶接機における重要な機器の配列の一部を含んでいる。スタックは、変換器(トランスデューサーとしても知られているが、この用語は往々にしてセンサー/検出器としての使用を案に意味することもある)、随意の昇圧器、および、ソノトロードからなる。変換器は、1つのタイプのエネルギーを別のタイプのエネルギーに変換するデバイスである。一般に、スタック内の変換器は、磁歪変換器または圧電変換器のいずれかである。磁歪変換器は、磁気歪み材料を振動させることもある電磁場を生成するために電力を使用する。今日一般に使用されている圧電変換器を用いて、供給された電力は直接変換され、縦振動により効率的に変換される。圧電変換器は、フロントドライバおよびバックドライバと呼ばれる2つの金属ブロックの間に挟まれることもある多くの圧電セラミックディスクからなる。それぞれのディスクの間には、薄い金属板があり、それが電極を形成している。シヌソイド電気信号−一般的に120−240ボルトで50または60ヘルツのAC線電流−が、発電機または電源に供給される。その後、発電機または電源は、変換器またはトランスデューサーに、一般に15,000〜70000ヘルツの高圧信号を供給する。セラミックディスクは、拡大および収縮して、通常は12〜25μmで、一般に20,000ヘルツまたは35,000ヘルツの周波数で用いられるが、よく用いられる15kHzから70kHzの周波数帯域を備えた、軸のピーク・トゥ・ピークの震動移動をもたらす。したがって、トランスデューサーは高周波電気エネルギーを高周波の機械的な運動に変換する。
【0044】
スタックの取付点として使用される昇圧器も、トランスデューサーによって生成された振動の振幅を、ホーンに送信される前に適切に変更するために用いられる。昇圧器は振動の振幅を減少または増加させてもよく、そのような変化は「利得」としての比率の形態で知られている。1対3(1:3.0)の昇圧器は、トランスデューサーによって生成された振動の振幅を3倍にし、その一方で、1対0.5(1:0.5)の昇圧器は、振動の振幅を2分の1に減少する。異なる材料の種類や実行される作業の種類に利得の差が必要とされることもあるため、昇圧器は、特定の操作に適するように利得を変更するために、スタック内で交換されてもよい。
【0045】
ホーンは、ワークピースに機械的エネルギーを供給するスタックの特別に設計された部分である。ホーンはアルミニウム、鋼またはチタンで作られるのが一般的である。アルミニウム製のホーンがチタンや鋼で作られたホーンよりも早く摩耗するので少量の用途にはもっとも頻繁に用いられるが、ホーンのなかには局所的な摩耗に耐えるために特別に硬化した先端で製造されるものもある。より迅速な熱放散が必要な場合、アルミニウム製のホーンも時々使用される。さらに、部品を溶接するために、多元素合成物のホーンが使用されてもよい。
【0046】
ホーンの長さはその設計の重要な態様である。ホーンの最大の振動振幅が確実に長手方向(昇圧器から離れて、ワークピースとアンビルに向かって)になるように、ホーンは一連の穴のあいた開口部(66)を包含してもよい(
図13Aを参照)。同様に、ホーンは昇圧器のように調整された部品である。したがって、振動の波長とホーンの長さは調和させなければならない。一般に、その長さは、ホーンの材料を介して伝えられる波長の2分の1の整数倍に近いように設定されなければならない。したがって、ホーンは、半分の波長、完全な波長、または、長さが倍の波長の大きさであってもよい。この配置は、十分な振幅がその先端に伝えられることで、先端におけるホーンの拡大と縮小の形態で適切な振動をもたらし、それによって、ワークピースの溶解に必要な摩擦熱が生成されることを保証する。この振幅は、ほとんどのホーンについて、30−120μmの範囲にあるのが一般的である。
【0047】
スタックの3つの要素−変換器、昇圧器、および、ソノトロード−はすべて、同じ周波数(前述の超音波周波数)で共振するように調整される。可聴範囲以上のこれらの高速で低振幅の周波数は、小さな溶接領域に加えられることで、震動エネルギーの吸収により、熱可塑性材料の局所的な溶解を引き起こす。超音波震動の適用は、溶接時間として知られているあらかじめ決められた時間、または、溶接エネルギーとして知られているあらかじめ決められたエネルギー量であってもよい。典型的には、溶接プロセスは一般に、音響エネルギーが適用される接合線上の2つの部品の一部を融合するのに、1秒未満を必要とする。ワークピースを介したホーンからの振動の適切な伝達を達成するために、固定具で支持されたアンビルによって、および、プレス機の使用を介して、圧力がそこに加えられる。
【0048】
図10Aと10Bは、本発明の変換器、昇圧器、プレス機、および、ソノトロード/アンビルの配置を利用する超音波溶接機(100)を示している。昇圧器(30)はしばしば、プレス機(110)にスタックを固定する手段であり、それは通常、プレス機(110)のフランジまたは他の部分に固定されている。変換器(10)は、昇圧器(30)の片側に取り付けられてもよく、その一方で、ソノトロード(ホーン)(50)は、アンビル(70)に近接するように変換器のもう一方の側に取り付けられてもよい。一緒に融合される材料はアンビル(70)に位置付けられてもよい。プレス機(110)内の空気圧システムは、フランジが取り付けられたスタックを下方に並進させ、それによって、アンビル(70)に対して材料を介して接触して圧力を加え、その間に超音波震動が変換器によって放出され、昇圧器とソノトロードを介して共振する。
【0049】
図13は、本発明の第1の実施形態を示しており、スタックは、直線のパターンを溶接するために使用されてもよい、変換器(10)、昇圧器(30)、ソノトロード(50)、および、アンビル(70)を含んでいる。変換器(10)は電気的コネクタ(11、12、および13)からなるものであってもよい。変換器(10)は平面(15)を含んでもよく、平面(15)から円筒形の接続手段(16)が突き出ており、該接続手段は、昇圧器(30)に変換器を取り付けるために、昇圧器(30)の平面(32)内の対応する円筒状の開口部(31)で受け取られてもよい。昇圧器(30)は、プレス機に昇圧器を固定する際に使用されるフランジ(33)を有してもよい。ホーン(50)の対応する円筒状の突起(51)を受け取るために、昇圧器は、内部に円筒状の開口部(36)を備えた第2の平面(35)を有してもよい。代替的に、昇圧器は、
図21Aの代替的なソノトロード(50A)に関して見て分かるように、円筒状の凹部(51A)によって受け取られる円筒状の突起を有してもよい。ホーン(50)の円筒状の突起(51)は、長さ(53)、幅(54)、および、深さ(55)を有する、長方形のブロックから突き出てもよい。長方形のブロックは、深さ(55)で、狭い長方形のブロックに移行し、該ブロックは、幅(58)を有し、十分な長さ(59)であり、切り取られた遷移領域(52)を含むことで、全長(57)のホーンが形成される。ホーン(50)は、アンビル(70)との接触のために設計された幅(58)と長さ(53)を備えた接触表面(56)を有してもかまわない。
【0050】
図14−20で見られるアンビル(70)は固定具で支持され、および、ソノトロード(50)の表面(56)によって係合されるように構成されている。アンビル(70)は、幅(72)、長さ(73)、および、深さ(74)を有する、取付プラットフォーム(71)で構成されてもよい。取付プラットフォーム(71)は、取付固定具にアンビル(70)を保持するために使用されてもよい。取付プラットフォーム(71)から離れて突出するのは、取付プラットフォームと同じ幅(72)を共有する台座部分(75)であってもよいが、台座部分は、取付プラットフォーム(71)の長さ(73)よりも短く、長さ(73)のほぼ中心にある、長さ(76)を有してもよい。台座(75)は、1対の円弧表面(77)の分だけ幅が狭くなり、係合表面(78)になってもよい。
【0051】
図18および19の係合表面(78)の拡大した細部と、
図20の切断部に見られるように、アンビル(70)の係合表面(78)は特別に構築された接合面を含み、接合面は、2つの水平な連続する係合表面によって形成されるよりも大きな溶接強度を提供する幅の狭い超音波溶接領域を作るために、ソノトロード(50)によって放たれた振動を受け取るように設計されている。係合表面(78)は、複数の特別に作られたエネルギーダイレクター(79)を含むが、関連する技術で用いられるような単純な意味ではエネルギーダイレクターではない。先行技術内のエネルギーダイレクターは、1つの部分が平らで別の部分が先端が尖るように、ワークピースそれ自体−超音波溶接される部分を意味する−が形成されるものである(
図23)。先行技術のエネルギーダイレクターの場合、1つの例がRuppelに対する米国特許番号6,066,216号によって示されているが、先端のとがったワークピースは、摩擦熱を生成する振動の焦点を提供し、ゆえに、2つの部分を接合すべく溶解した材料の比容を提供するものであった(
図23A)。本明細書の本発明では、アンビルとソノトロードは複数の特別に構築されたエネルギーダイレクター(79)を含んでもよく、エネルギーダイレクター(79)は、調整した3次元格子パターン(ソノトロードとアンビルとの間で調整される)へと配され、それによって、アンビルの総表面積を選択的に増加させ、該パターンは、ソノトロードとの振動透過性の接触の三次元接触パターンで振動を分配することができ、および、最初のホーンとアンビルの係合の間ワークピースを最低限変形させることもある(
図22)。変形は好ましくはわずかな量に限定され、したがって、材料の弾性の範囲内に留まるように限定されてもよい。以下に記載されるように、接触の表面積の増加は、使用されるプラトー面の幅に依存してもよい。三次元の接触パターンは、
図19、
図20、および、22を参照することによって確認されてもよい。
【0052】
図19で見られるように、アンビル(70)のエネルギーダイレクター(79)は、互いから離れて規則的に間隔を置かれてもよい。エネルギーダイレクター(79)は、好ましくは、溶接線に平行な第1の方向に間隔をおいて配されてもよく、溶接線から離れた、または、溶接線に対して直角な第2の方向に同様に間隔をおいて配されてもよく、それによって格子パターンが形成される。第1の実施形態では、エネルギーダイレクター(79)のそれぞれは、第1の角のある側面(81)、第2の角のある側面(82)、第3の角のある側面(83)、および、第4の角のある側面(84)によって形成されてもよいプラトー面(80)を含んでもよく、プラトー面(80)は、溶接線に対して45度の角度で配向する長方形の形状を含んでもよい。隣接するプラトー面(80)の隣り合う側面(81)と(82)の交わるところに、溶接線に対してマイナス45度の角度で配向する谷底または谷線(87)があってもよく、隣接するプラトー面(80)の隣り合う側面(83)と(84)の交わるところに、溶接線に対してプラス45度の角度で配向する谷線(88)があってもよい。
【0053】
長方形形状のプラトー面(80)は、以下に記載されるソノトロードとの、2つの異なる種類の繰り返されるパターンの係合に非常によく役立つが、しかしながら、その側面配置を自然に変化させる、他の幾何学的なプラトー形状も利用されてもよい。同様に、
図20Aで見られるように、曲線の付いたプラトー面(80A)は、切り取られた谷または円弧状の谷(87A)とともに代替的に用いられてもかまわないが、長方形形状のプラトー面(80)は、それぞれが一般的に平らであってもよい。
【0054】
図20で見られる第1の実施形態では、アンビル(70)のエネルギーダイレクター(79)は、そのあいだに約0.020インチの間隔を有してもよく、プラトー面(80)から谷(87または88)まで約0.006インチの深さを有してもよい。角のある側面はそれぞれ、様々な構造ごとに異なる角度θであってもよいが、第1の実施形態では、角のある側面(81)、(82)、(83)、および、(84)は、角度θが、幾何学的に解明すると、0.008インチのプラトー面(80)の幅をもたらす45度の角度となるように、配向されてもかまわない。エネルギーダイレクター(79)の寸法が溶接される材料の厚みに対して非常に大きくなる必要はないため、先ほど議論された変形の量は、同様に膨大に多くなくてもよく、ゆえに、ワークピースの材料の引き裂きに関しては問題とはならず、あるいは、プラスチックの変形に関する問題すら必ずしも引き起こすわけではない。
【0055】
図21A−21Eで見られるように、ソノトロード(50)は対応するエネルギーダイレクターを有してもよく、側面(61、62、63、および、64)と同様に、プラトー面(60)を同じく含んでもよい。改善されたソノトロード(50)およびアンビル(70)は、表面の平らなアンビルに接触する従来の表面の平らなソノトロードよりも大きな、対応するプラトー面と谷の間の接触表面積を含むエネルギーダイレクターのソノトロードとアンビル間の係合を有するように構築されてもよい。これは、
図22のワークピースを用いたソノトロードとアンビルの係合からも見られるように、接触の表面積を増加させ、それによって、超音波震動を掛ける前にわずかに弾性変形させ、結果として2つのワークピースのより耐久性のある超音波溶接をもたらす。
【0056】
本発明のソノトロードとアンビルの間で達成される溶接の1つの実施形態では、夫々の場合で決定的な意味を持つアンビルとソノトロードの位置合わせは、ソノトロードのプラトー面がアンビルのプラトー面に対して直接接するように位置合わせされたエネルギーダイレクター格子からなる(
図22B)。これは震動エネルギーを選択される格子パターンに集中させ、その結果、ワークピースがソノトロードとアンビルの間に挿入されるとき(
図22A)、超音波溶接は溶接全体で、より高速かつ効率的に達成される。接触表面の位置合わせ方法は、好ましくは、より厚いワークピースとより薄い非ホイルの用途に使用される。
【0057】
より薄いワークピースに有利な本発明の溶接の第2の実施形態では、エネルギーダイレクター格子間の位置合わせを用いることによって、劇的に改善された溶接耐性が達成され、それによって、ソノトロードプラトーの側面は、ワークピースのわずかな弾性変形を含む反復3次元パターンのアンビルプラトーの側面(
図22D)と噛み合う。ソノトロードとアンビルの間にワークピースが挿入されるとき(
図22C)、三次元の溶接がもたらされる。三次元の溶接は、従来の超音波溶接を上回る著しく改善された耐性を示す。アンビルとソノトロードの両方で用いられるプラトー面の長さによって、接触表面積は、先行技術の溶接機の平らな係合表面の接触表面積よりもよりも大きくても小さくてもかまわない。接触表面積が先行技術の平らな係合表面の接触表面積よりも幾分小さい場合であっても、耐性を増加させた溶接がもたらされる。しかしながら、
図20および22Dに例証されたプラトー面よりも恐らく幾分小さいような、比較的小さなプラトー面が使用される場合、接触表面積は著しく大きくなり、したがって、溶接時間をさらに減らす役目を果たし、溶接の質/耐性をさらに改善する役目を果たすこともある。限定的なケースはプラトーの長さがゼロに近づく場合で、その結果、本質的に噛み合ったピラミッド型ができ、45度傾斜した側面については、約41.4パーセントの表面積の増加(ピラミッドの表面積の数式は、1/2×外周×[横の長さ]×[土台面積]である)という結果になるだろう。本発明のエネルギーダイレクター格子を記載するおよび/または視覚化する別の手段は、
図19−20および2IEで見られるように、角錐台としてである。
【0058】
噛み合わせて位置合わせする方法におけるアンビルとソノトロードの位置合わせが、本明細書で提供される結果を達成するために必要不可欠であるので、ホーン(50E)は、ホーンの中央平面あたりにある周辺のフランジ(65)を含むように設計されることが好ましい。フランジ(65)は、昇圧器との、または、昇圧器および変換器との取付接続にのみ頼るよりもむしろ、接触面(56)に近接してホーンを取り付けることを可能にしてもよい。位置合わせに役立つこの種のフランジの付いたホーンの必要性は、非常に薄い材料を溶接する際に極めて明白である。
【0059】
図24は、長方形の外面を有する細長い溶接の形態をした直線状の溶接を形成すべく、直線を辿らない超音波溶接を形成するために、および、代替的に、小袋の上に複雑で非線形の溶接形状を形成して小袋を密封する、本発明のエネルギーダイレクターを利用するソノトロード(50B)とアンビル(70B)の使用を示している。
図25は、さらに別の複雑な曲がった溶接の形成で使用可能なアンビル(70D)を示している。これらの非線形のアンビル/ソノトロードの組み合わせは、ほとんどの自動販売機で入手可能なポテトチップスの包装などで一般的に用いられる単純で直線的な溶接よりもむしろ、複雑で不規則な形状をした材料を溶接するために利用されてもよい。これらのアンビル/ホーンのエネルギーダイレクター格子の組み合わせを使用することにより、耐性のある3次元の形状を生成する材料の溶接が可能となる。
【0060】
最後に、
図26は、第1のレーン(50Ci)と第2のレーン(50Cii)を有する、代替的な「二重レーン」のホーン(50C)を示している。二重レーンのホーン(50C)は、本発明によって超音波溶接を達成し、溶接が完了した後に、溶接線に沿って溶接された材料の中心を切断するブレードも収容し、ブレードはレーン間の谷で最も低い位置にある。
【0061】
提供された例と記載は、本発明の好ましい実施形態を示すに過ぎない。当業者と本開示の利益を有する者は、本発明の範囲内で様々な変更とともに、さらなる実施形態が実行されてもよいことを認識するだろう。本発明の精神を逸脱することなく、用いられる設計、大きさ、材料、あるいは、好ましい実施形態の要素または部材の割合、操作条件、組み立て順序、または、配置あるいは位置付けにおいて、他の改良、置換、省略、および変更がなされてもよい。