特許第6222731号(P6222731)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222731
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】生体測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/05 20060101AFI20171023BHJP
   A61B 5/04 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   A61B5/05 B
   A61B5/04 R
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-23493(P2014-23493)
(22)【出願日】2014年2月10日
(65)【公開番号】特開2015-150002(P2015-150002A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133179
【氏名又は名称】株式会社タニタ
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【弁理士】
【氏名又は名称】大林 章
(72)【発明者】
【氏名】谷田 千里
【審査官】 永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−006057(JP,A)
【文献】 特開2008−279181(JP,A)
【文献】 特開2008−154855(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0018706(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0262046(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05 − 5/053
A61B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の生体状態を示す生体情報を測定する生体測定装置であって、
生体との距離に応じた大きさの検出信号を出力する検出部と、
前記使用者の生体状態に応じた計測信号を生成する信号生成部と、
前記計測信号に基づいて前記生体情報を生成する第1モードと周辺の生体を検知する第2モードとを設定可能なモード設定部と、
前記第2モードにおいて、前記信号生成部の動作を停止させる待機状態に設定し、前記検出信号に基づいて、前記生体が近づいたことを検知する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記第1モードにおいて、前記検出信号に基づいて、前記生体との距離が第1距離以下であるか否かを判定し、前記生体との距離が前記第1距離以下である場合に前記信号生成部を動作させる使用状態に設定し、前記生体との距離が前記第1距離を上回る場合に前記待機状態に設定し、
前記第2モードにおいて、前記待機状態を維持し、前記検出信号に基づいて、前記生体との距離が第2距離以下であるか否かを判定し、前記生体との距離が前記第2距離以下である場合に、前記生体が近づいたことを検知する、
ことを特徴とする生体測定装置。
【請求項2】
使用者の生体状態を示す生体情報を測定する生体測定装置であって、
生体との距離に応じた大きさの検出信号を出力する検出部と、
前記使用者の生体状態に応じた計測信号を生成する信号生成部と、
前記計測信号に基づいて前記生体情報を生成する第1モードと周辺の生体を検知する第2モードとを設定可能なモード設定部と、
前記第2モードにおいて、前記信号生成部の動作を停止させる待機状態に設定し、前記検出信号に基づいて、前記生体が近づいたことを検知する制御部とを備え、
前記第2モードは侵入者を検知するために用いられる、
ことを特徴とする生体測定装置。
【請求項3】
前記侵入者に警報を発する警報部を備え、
前記制御部は、前記第2モードにおいて前記侵入者を検知すると、前記侵入者に警報を発するように前記警報部を制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の生体測定装置。
【請求項4】
前記使用者の前記生体情報を記憶する第一の記憶部を備え、
前記制御部は、前記警報部が警報を発した後、前記信号生成部を動作させる使用状態に設定し、前記使用者が前記生体情報の測定を実行すると、生成された前記生体情報と前記第一の記憶部に記憶された前記生体情報とを比較し、両者が所定範囲内にある場合に、前記警報を解除するように前記警報部を制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の生体測定装置。
【請求項5】
情報を記憶する第二の記憶部と、
別情報を記憶した外部装置と通信可能である通信部とを備え、
前記制御部は、
前記通信部を用いて前記外部装置から取得した前記識別情報を予め前記第二の記憶部に記憶させ、
前記第2モードにおいて前記警報部が警報を発した後、前記使用者が前記外部装置を当該生体測定装置と通信可能な距離に近づけて、前記識別情報が前記外部装置から送信されると、前記通信部によって受信した識別情報と前記第二の記憶部に記憶された前記識別情報とが一致するか否かを判定し、一致する場合に、前記警報を解除するように前記警報部を制御する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の生体測定装置。
【請求項6】
使用者の生体状態を示す生体情報を測定する生体測定装置であって、
生体との距離に応じた大きさの検出信号を出力する検出部と、
前記使用者の生体状態に応じた計測信号を生成する信号生成部と、
前記計測信号に基づいて生体情報を生成する第1モードと周辺の生体を検知する第2モードとを設定可能なモード設定部と、
前記第2モードにおいて、前記信号生成部の動作を停止させる待機状態に設定し、前記検出信号に基づいて、前記生体が近づいたことを検知する制御部と、
通信を行う通信部とを備え、
前記制御部は、前記第2モードにおいて侵入者を検知すると、警告情報を生成し、当該警告情報を外部に送信するように前記通信部を制御する
ことを特徴とする生体測定装置。
【請求項7】
前記使用者の前記生体情報を記憶する第一の記憶部と、
前記侵入者に警報を発する警報部とを備え、
前記制御部は、前記第2モードにおいて前記警報部が警報を発した後、前記信号生成部を動作させる使用状態に設定し、前記使用者が前記生体情報の測定を実行すると、生成された前記生体情報と前記第一の記憶部に記憶された前記生体情報とを比較し、両者が所定範囲内にある場合に、前記警告情報の送信を取りやめ、又は、既に送信済みの前記警告情報を撤回するための情報を送信する、
ことを特徴とする請求項に記載の生体測定装置。
【請求項8】
使用者の生体状態を示す生体情報を測定する生体測定装置であって、
生体との距離に応じた大きさの検出信号を出力する検出部と、
前記使用者の生体状態に応じた計測信号を生成する信号生成部と、
前記計測信号に基づいて生体情報を生成する第1モードと周辺の生体を検知する第2モードとを設定可能なモード設定部と、
前記第2モードにおいて、前記信号生成部の動作を停止させる待機状態に設定し、前記検出信号に基づいて、前記生体が近づいたことを検知する制御部と、
通信を行う通信部を備え、
前記第2モードは、前記使用者の活動を把握するために用いられ、
前記制御部は、前記第2モードにおいて、前記検出信号に基づいて、前記使用者の活動を示す活動情報を生成し、前記通信部を用いて前記活動情報を外部に送信する、
ことを特徴とする生体測定装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第2モードにおいて、前記検出信号に基づいて、前記生体との距離が第1距離以下であるか否かを判定し、前記生体との距離が前記第1距離以下である場合に前記信号生成部を動作させる使用状態に設定し、前記生体との距離が前記第1距離を上回る場合に前記待機状態に設定し、
記待機状態から前記使用状態に移行したことに基づいて前記活動情報を生成する、
ことを特徴とする請求項に記載の生体測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象(典型的には使用者)の重量等の生体情報を生成する生体測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体重計や体脂肪計などの生体測定装置は、電池で駆動されるものが多い。このため、消費電力を削減すべく、入力操作等がない場合、使用状態から待機状態へ移行させる自動オフ機能を備えたものがある。特許文献1に記載の生体測定装置においては、自動オフを判断するための基準時間を予め定めており、測定や操作がない状態が基準時間以上に達すると自動的に装置の電源を遮断している。
【0003】
また、待機状態にある生体測定装置において荷重がかかったことをセンサで検知し、検知結果に基づいて、装置の電源を入れて、生体情報の測定が可能な使用状態へ移行させる機能を備えた、いわゆるステップオンタイプの生体測定装置が提案されている。一例としては、人が乗った時にその荷重で機械的スイッチ機構がオンされることにより、装置を待機状態から使用状態に移行させるものや(特許文献2参照)、ロードセルの出力を短い時間間隔で取得して、人が乗ったと評価できる出力を検出したか否かを監視し続け、そのような出力を検出した場合には、生体測定装置を待機状態から使用状態に移行させるものなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-204704号公報
【特許文献2】特開昭62-126318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、生体測定装置は、家庭で個人の健康状態の管理に使用され、リビングやキッチンなどに設置されるのが一般的である。このように広く普及している生体測定装置を、留守中のセキュリティ管理や、あるいは、独居の家族の活動を把握するのに利用することができれば、利便性が向上する。
しかしながら、従来の生体測定装置には、ステップオンの機能が搭載されているものは存在するが、留守中のセキュリティ管理や独居の家族の活動を把握する機能はなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体測定装置の利便性を向上することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明に係る生体測定装置の一態様は、使用者の生体状態を示す生体情報を測定する生体測定装置であって、生体との距離に応じた大きさの検出信号を出力する検出部と、前記使用者の生体状態に応じた計測信号を生成する信号生成部と、前記計測信号に基づいて前記生体情報を生成する第1モードと周辺の生体を検知する第2モードとを設定可能なモード設定部と、前記第2モードにおいて、前記信号生成部の動作を停止させる待機状態に設定し、前記検出信号に基づいて、前記生体が近づいたことを検知する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1モードにおいて、前記検出信号に基づいて、前記生体との距離が第1距離以下であるか否かを判定し、前記生体との距離が前記第1距離以下である場合に前記信号生成部を動作させる使用状態に設定し、前記生体との距離が前記第1距離を上回る場合に前記待機状態に設定し、前記第2モードにおいて、前記待機状態を維持し、前記検出信号に基づいて、前記生体との距離が第2距離以下であるか否かを判定し、前記生体との距離が前記第2距離以下である場合に、前記生体が近づいたことを検知する、ことを特徴とする。
この態様によれば、第2モードに設定すれば、生体が近づいたことが検知できるので、生体測定装置の利便性を向上させることができる。
【0007】
また、この態様によれば、さらに、第1モードにおける待機状態と使用状態との判別に用いる検出部を第2モードにおける生体が近づいたこの検知に兼用したので、生体測定装置の構成を簡素化することができる。
また、前記第1距離は前記第2距離以下であってもよい。第1距離は、使用者が生体測定装置に載って計測する可能性が高くなるように比較的短い距離に設定する必要がある。一方、侵入者はできるだけ広範囲で検知することが好ましい。この態様によれば、第1距離は第2距離以下であるので、広範囲で生体が近づいたことを検知しつつ、使用者が計測する可能性が高い場合に限って信号生成部を動作させることが可能となる。
【0008】
本発明に係る生体測定装置の他の態様は、使用者の生体状態を示す生体情報を測定する生体測定装置であって、生体との距離に応じた大きさの検出信号を出力する検出部と、前記使用者の生体状態に応じた計測信号を生成する信号生成部と、前記計測信号に基づいて前記生体情報を生成する第1モードと周辺の生体を検知する第2モードとを設定可能なモード設定部と、前記第2モードにおいて、前記信号生成部の動作を停止させる待機状態に設定し、前記検出信号に基づいて、前記生体が近づいたことを検知する制御部とを備え、前記第2モードは侵入者を検知するために用いられる。この場合には、生体状態の測定で用いられることがない留守中に、留守中の侵入者を検知できるので、生体測定装置を有効に活用することができる
【0009】
上述した生体測定装置の他の態様において、前記侵入者に警報を発する警報部を備え、前記制御部は、前記第2モードにおいて前記侵入者を検知すると、前記侵入者に警報を発するように前記警報部を制御するようにしてもよい。この態様によれば、侵入者に警報を発するので、侵入者に監視されていることを知らしめ、退去を促すことにより、被害を減らすことが可能となる。なお、警報部は第1モードにおいて音声ガイダンスを行う報知部と兼用するようにしてもよい。
【0010】
上述した生体測定装置の他の態様において、前記使用者の前記生体情報を記憶する第一の記憶部を備え、前記制御部は、前記警報部が警報を発した後、前記信号生成部を動作させる使用状態に設定し、前記使用者が前記生体情報の測定を実行すると、生成された前記生体情報と前記第一の記憶部に記憶された前記生体情報とを比較し、両者が所定範囲内にある場合に、前記警報を解除するように前記警報部を制御するようにしてもよい。
【0011】
この態様によれば、使用者の生体の特徴を用いて、警報を停止することができる。従って、侵入者が警報を止めようとして生体測定装置を操作しても、警報は継続されるので、侵入者の退去を確実に促すことができる。ここで、制御部は、警報を解除するように警報部を制御した場合、第2モードから第1モードに移行させるようにしてもよい。
【0012】
上述した生体測定装置の他の態様において、情報を記憶する第二の記憶部と、識別情報を記憶した外部装置と通信可能である通信部とを備え、前記制御部は、前記通信部を用いて前記外部装置から取得した前記識別情報を予め前記第二の記憶部に記憶させ、前記第2モードにおいて前記警報部が警報を発した後、前記使用者が前記外部装置を当該生体測定装置と通信可能な距離に近づけて、前記識別情報が前記外部装置から送信されると、前記通信部によって受信した識別情報と前記第二の記憶部に記憶された前記識別情報とが一致するか否かを判定し、一致する場合に、前記警報を解除するように前記警報部を制御するようにしてもよい。
【0013】
この態様によれば、外部装置の識別情報を用いて、警報を停止することができる。従って、侵入者が警報を止めようとして生体測定装置を操作しても、警報は継続されるので、侵入者の退去を確実に促すことができる。ここで、外部装置は、例えば、端末装置であってもよいし、あるいは、活動量計などの携帯型の生体測定装置であってもよい。また、制御部は、警報を解除するように警報部を制御した場合、第2モードから第1モードに移行させるようにしてもよい。
【0014】
上述した生体測定装置の一態様において、前記制御部は、前記第2モードにおいて侵入者を検知すると、警告情報を生成し、当該警告情報を外部に送信するように前記通信部を制御し、前記警報を解除するように前記警報部を制御した時点で前記警告情報を外部に送信していない場合には、前記警告情報の送信を取り止めるようにしてもよい。
この態様によれば、警告情報を送信する前に警報を解除すれば、警告情報の送信を停止することができる。例えば、第2モードに設定した後、誤って、使用者が生体測定装置に近づいた場合、警告情報が生成されるが、警告情報が送信される前であれば、送信を取りやめることができるので、使用者が無意味な警告情報を受け取ることを防止できる。
また、制御部は、警報を解除するように警報部を制御した後、警報を解除したことを示す確認情報を外部に送信するように通信部を制御してもよい。
【0015】
本発明に係る生体測定装置の他の態様は、使用者の生体状態を示す生体情報を測定する生体測定装置であって、生体との距離に応じた大きさの検出信号を出力する検出部と、前記使用者の生体状態に応じた計測信号を生成する信号生成部と、前記計測信号に基づいて生体情報を生成する第1モードと周辺の生体を検知する第2モードとを設定可能なモード設定部と、前記第2モードにおいて、前記信号生成部の動作を停止させる待機状態に設定し、前記検出信号に基づいて、前記生体が近づいたことを検知する制御部と、通信を行う通信部とを備え、前記制御部は、前記第2モードにおいて侵入者を検知すると、警告情報を生成し、当該警告情報を外部に送信するように前記通信部を制御するようにしてもよい。この態様によれば、警告情報を外部に送信するので、使用者やセキュリティ管理会社に警告情報を知らせることができる。
【0016】
上述した生体測定装置の他の態様において、前記使用者の前記生体情報を記憶する第一の記憶部と、前記侵入者に警報を発する警報部とを備え、前記制御部は、前記第2モードにおいて前記警報部が警報を発した後、前記信号生成部を動作させる使用状態に設定し、前記使用者が前記生体情報の測定を実行すると、生成された前記生体情報と前記第一の記憶部に記憶された前記生体情報とを比較し、両者が所定範囲内にある場合に、前記警告情報の送信を取りやめ、又は、既に送信済みの前記警告情報を撤回するための情報を送信するようにしてもよい。
この態様によれば、生体情報に基づいて、警告情報の送信を取りやめることでき、また、既に警告情報を送信済みの場合は、これを撤回する情報を送信することができる。従って、
使用者が無意味な警告情報を受け取ることを防止でき、あるいは、使用者は警告情報の撤回を知ることができる。
【0017】
本発明に係る生体測定装置の他の態様は、使用者の生体状態を示す生体情報を測定する生体測定装置であって、生体との距離に応じた大きさの検出信号を出力する検出部と、前記使用者の生体状態に応じた計測信号を生成する信号生成部と、前記計測信号に基づいて生体情報を生成する第1モードと周辺の生体を検知する第2モードとを設定可能なモード設定部と、前記第2モードにおいて、前記信号生成部の動作を停止させる待機状態に設定し、前記検出信号に基づいて、前記生体が近づいたことを検知する制御部と、通信を行う通信部を備え、前記第2モードは、前記使用者の活動を把握するために用いられ、前記制御部は、前記第2モードにおいて、前記検出信号に基づいて、前記使用者の活動を示す活動情報を生成し、前記通信部を用いて前記活動情報を外部に送信するようにしてもよい。
この態様によれば、検出部から出力する検出信号に基づいて生成した活動情報を外部に送信するので、一人で暮らす親の活動を家族に知らせることができ、生体測定装置の利便性が向上する。
【0018】
上述した生体測定装置の他の態様において、前記制御部は、前記第2モードにおいて、前記検出信号に基づいて、前記生体との距離が第1距離以下であるか否かを判定し、前記生体との距離が前記第1距離以下である場合に前記信号生成部を動作させる使用状態に設定し、前記生体との距離が前記第1距離を上回る場合に前記待機状態に設定し、記待機状態から前記使用状態に移行したことに基づいて前記活動情報を生成するようにしてもよい。
【0019】
この態様によれば、第2モードにおいても第1モードと同様に、使用状態と待機状態とを切り替えることができるので、生体測定装置の消費電力を削減することができる。さらに、使用者の活動を待機状態から使用状態に移行したことに基づいて生成するので、制御部の処理負荷を軽減することができる。なお、待機状態から前記使用状態に移行したことに基づいて生成する活動情報には、待機状態から前記使用状態に移行したことそのもの、あるいは、所定期間における待機状態から使用状態へ移行した回数が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る生体測定装置の外観図である。
図2】生体測定装置及び周辺構成の機能的な構成図である。
図3】使用状態と待機状態とを示す説明図である。
図4】第1モードにおける制御部の動作を示すフローチャートである。
図5】第1モードにおける使用状態の動作を示すフローチャートである。
図6】測定開始画像の表示例である。
図7】測定結果画像の表示例である。
図8】第2モードにおける制御部の動作を示すフローチャートである。
図9】変形例における健康管理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態>
図1は、実施形態に係る生体測定装置100の外観図であり、図2は、生体測定装置100及び周辺構成の機能構成を示すブロック図である。図1及び図2に示すように、生体測定装置100は、平板状の測定台122上の使用者の体重及び体組成などの生体状態を示す生体情報Mを測定する計測機器である。また、生体測定装置100は、生体情報Mを生成する第1モード、生体が生体測定装置100に近づいたことを検知する第2モードがある。更に、第2モードには、侵入者を検知する検知モード、又は使用者の活動を把握する見守りモードが含まれる。
【0022】
図2に示すように、生体測定装置100は、制御部20、時間を計測する計時部21、プログラムやデータを記憶する記憶部22、各種の情報を表示する表示部24、侵入者に対して警報を発する警報部26、使用者が各種の入力を行う操作部28、外部と通信を行う通信部29、信号生成部30、及び検出部40を具備する。本実施形態の生体測定装置100は、生体測定装置100の内部に挿入された電池(不図示)によって駆動されるが、これに限られるものではない。制御部20は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することで生体測定装置100の各要素を制御する。制御部20は、使用者の体重(重量)MAと体組成指標MBとを生体情報Mとして生成する。体組成指標MBは、使用者の体組成に関する指標であり、例えば、体脂肪率、筋肉量、体水分率、BMI(Body Mass Index)等が該当する。記憶部22には、制御部20が実行するプログラムや制御部20が利用する各種のデータの他、使用者の生体情報Mを、使用者ごとに記憶する手段(例えば不揮発性のメモリ)である。
【0023】
図2の表示部24(例えば液晶表示パネル)は、図1に例示される通り、測定台122に形成された開口内に設置され、制御部20による制御のもとに各種の画像を表示する。例えば使用者の測定結果(生体情報M)や、後述するモードが表示部24に表示される。警報部26は、侵入者に対して警報を発する。例えば、警報部26は、スピーカ及びアンプによって構成され、アンプで増幅した信号をスピーカから大音量で放音する。なお、警報部26は第1モードにおいて音声ガイダンスを行う報知部と兼用してもよい。この場合、報知部は、「測定準備が完了しました」、「体重は60kです」といった音声ガイダンスを行う。操作部28は、利用者からの指示を受付ける入力機器であり、図1に例示される通り、測定台122に設置された複数の操作子を含んで構成される。操作部28は、例えば、電源をオン・オフするための電源ボタン、表示部の表示を切り替えるための表示切替ボタン、使用者をメモリするためのメモリボタン、各種機能を選択するための機能ボタン、各種設定を行うための設定ボタン、設定や機能選択等の際に決定を行うための決定ボタンなどが含まれるが、これらに限られるものではない。なお、表示部24と一体に構成されたタッチパネルを操作部28として利用することも可能である。
【0024】
図2の信号生成部30は、使用者の体重又は体組成に応じた計測信号D(DA,DB)を生成する。信号生成部30は、重量検出部32と体組成検出部34とを含んで構成される。重量検出部32は、測定台122に作用する荷重に応じた計測信号DAを生成する。重量検出部32は、図2に示すように、検出体322と増幅器324とを含む。検出体322は、測定台122に作用する荷重に応じた電圧を生成する。具体的には、測定台122の下方に配設された起歪体の変形に応じた電圧(すなわち、測定台122上の使用者の体重に応じた電圧)を生成する歪ゲージが検出体322として利用することができる。増幅器324は、検出体322が生成した電圧を増幅して計測信号DAを生成する。計測信号DAは、A/D変換器(図示略)でデジタル信号に変換されたうえで制御部20に入力される。
【0025】
検出部40は、生体と検出部40との間の距離に応じた大きさの検出信号DCを生成する。図1及び図2では赤外線センサを検出部40として用いる場合を説明するが、例えば、超音波を用いた超音波型センサであってもよく、特に限定されない。また、生体測定装置100へ使用者が近接したときと離れたときとでは、生体測定装置100の測定台122上での照度が変化するので、この照度に応じた検出信号DCを出力できる照度センサを、検出部40に用いることも可能である。本実施形態では、検出部40の検出信号DCに基づいて、測定処理部52が生体の近接を判定する構成を説明するが、生体の近接を判定できる人感センサを用いてもよいことは言うまでもない。
【0026】
検出部40は、図1及び図2に示すように、一例として、赤外線を照射する照射部41と、反射した赤外線を受光する受光部42と、を備える。照射部41は、制御部20からの指示信号に従って所定量の赤外線を照射する。受光部42は、生体測定装置100の周囲の物体等によって反射された赤外線を検出して、その検出した赤外線の大きさに応じた検出信号DCを測定処理部52へ出力する。測定処理部52は、受光部42からの検出信号DCに基づいて使用者の生体測定装置100への近接を判定する。例えば、測定処理部52は、受光部42からの検出信号DCが所定闇値よりも大きい場合には、生体測定装置100に人が近接していると判定する。また、今回の判定時に受光部42から取得した検出信号DCと、前回の判定時に受光部42から取得した検出信号DCとの両出力値の差分が、所定闇値よりも大きい場合には、生体測定装置100に人が近接していると判定するようにしてもよく、判定手法は特に限定されない。
【0027】
生体測定装置100は、検出部40が検知する範囲は、照射部41及び受光部42の設置位置、照射部41が照射する赤外線の角度範囲・強度、その他の条件によって適宜設定する。また、照射部及び受光部は、2つ以上設けてもよいし、同数でなくてもよい。また、必ずしも照射部を備える赤外線センサに限られるものではなく、赤外線を検出して検出信号DCを出力可能な赤外線センサによって、人が熱エネルギーとして放出している赤外線を検出するようにしてもよい。
【0028】
次に、体組成検出部34は、使用者の体組成に応じた計測信号DBを生成する。図2に示すように、体組成検出部34は、電流供給部342と電圧測定部344と一対の電流供給電極346と一対の電圧測定電極348とを含んで構成される。各電流供給電極346及び各電圧測定電極348は、図1に例示される通り、測定台122上の使用者の右足及び左足に接触するように測定台122の表面に設置される。電流供給部342は、一対の電流供給電極346の間に測定電流を供給する。測定電流は、使用者の身体を経由して各電流供給電極346の間を流れる所定の周波数(例えば5kHz〜250kHz)の交流電流である。電圧測定部344は、一対の電圧測定電極348の間の電圧に応じた計測信号DBを生成する。計測信号DBは、使用者の体組成(生体インピーダンス)に応じた信号であり、A/D変換器(図示略)でデジタル信号に変換されたうえで制御部20に入力される。
【0029】
図2に示すように、制御部20は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することで、生体情報Mを生成するための複数の要素(測定処理部52,通信制御部54,モード設定部55,表示制御部56)として機能する。なお、制御部20の各機能を複数の装置に分散した構成や、制御部20の一部の機能を専用の電子回路(例えばDSP)で実現した構成も採用され得る。
【0030】
測定処理部52は、信号生成部30が生成した計測信号D(DA,DB)に応じた生体情報Mを生成する。具体的には、測定処理部52は、重量検出部32が生成した計測信号DAに応じた使用者の体重MAを算定し、体組成検出部34が生成した計測信号DBに応じた使用者の体組成指標MBを算定する。通信制御部54は、通信部29を介した端末装置14との通信を制御する。表示制御部56は、各種の画像を表示部24に表示させる。
【0031】
次に、モード設定部55は、使用者の操作に応じて操作部28から出力される操作信号に基づいて、第1モード及び第2モード(検知モード・見守りモード)を設定する。なお、この例では、初期状態として第1モードが設定されている。
【0032】
まず、第1モードの動作について説明する。上述したように第1モードは、生体情報Mを生成するモードである。第1モードにおいて、制御部20は、検出信号DCを第1閾値ref1と比較する。第1閾値ref1は、生体と検出部40(受光部42)との距離が第1距離L1である場合に相当する。従って、制御部20は、検出信号DCに基づいて、生体との距離が第1距離L1以下であるか否かを判定する。判定結果が第1距離L1以下である場合、制御部20は信号生成部30を動作させる使用状態に設定し、信号生成部30に電力を供給するように制御する。一方、判定結果が第1距離L1を上回る場合、信号生成部30の動作を停止させる待機状態に設定し、制御部20は信号生成部30に電力を供給しないように制御する。この結果、図3に示すように生体測定装置100の受光部42から距離L1以内(図中点線の範囲内)に使用者が近づくと、制御部20は使用状態に設定し、当該範囲から使用者が離れると制御部20は待機状態に設定する。
【0033】
ところで、図3に示す点線の境界に使用者がいて、点線内に入ったり出たりを繰り返すと、使用状態と待機状態とが頻繁に切り替わることになる。そこで、待機状態から使用状態に移行すると、所定時間を経過しない限り、使用状態を継続するようにしてもよい。図4は、使用状態と待機状態との遷移に時間的なヒステリシス特性を持たせた制御部の動作を示すフローチャートである。
【0034】
まず、制御部20は、検出信号DCが第1閾値ref1以下であるか否かを判定する(S1)。この判定条件が否定される場合は、第1距離L1以内に生体が存在しない場合であり、制御部20は、待機状態に設定し(S2)、信号生成部30の動作を停止させ、処理をステップS1に戻す。
【0035】
そして、ステップS1の判定条件が肯定されると、制御部20は使用状態に設定し(S3)、計時部21に計時を開始させる(S4)。この後、制御部20は、計時部21で計時した時間Tが基準時間Tref以上となったか否かを判定し(S5)、Tref≦Tとなるまで判定処理を繰り返す。そして、時間Tが基準時間Tref以上になると、処理をステップS1に戻し、検出信号DCが第1閾値ref1以下であるか否かを判定する。
従って、待機状態から使用状態に移行すると、少なくとも基準時間Trefだけ使用状態を継続することができ、使用状態と待機状態とが頻繁に切り替わることを防止できる。
【0036】
次に、図5は、使用状態における制御部20の動作を示すフローチャートである。待機状態から使用状態に移行すると、制御部20の測定処理部52は、重量検出部32が生成する計測信号DAに応じた零点重量W0を設定する(S11)。零点重量W0は、使用者の体重の基準(零点)となる重量値(基準値)である。測定処理部52が生成した零点重量W0は記憶部22に記憶される。零点重量W0の設定が完了すると、表示制御部56は、測定可能な状態に遷移したことを利用者に報知する図6の測定開始画像G1を表示部24に表示させる(S12)。
【0037】
表示部24に表示された測定開始画像G1を確認すると、使用者は、測定台122に載る。測定処理部52は、信号生成部30が生成した計測信号D(DA,DB)に応じて測定台122上の使用者の生体情報Mを生成する(S13)。具体的には、測定処理部52は、重量検出部32が生成した計測信号DAに応じた重量から零点重量W0を減算することで使用者の体重(重量)MAを算定する。すなわち、零点重量W0を基準とした使用者の体重MAが算定される。また、測定処理部52は、体組成検出部34が生成した計測信号DBから使用者の体組成指標MB(体脂肪率)を算定する。具体的には、測定処理部52は、計測信号DBと測定電流との関係に応じて使用者の生体インピーダンスを算定し、生体インピーダンスと予め使用者が生体測定装置100に入力した生体基本情報B(例えば、年齢、性別、身長など)とに応じて体組成指標MBを算定する。体組成指標MBの算定には公知の技術が任意に採用され得る。例えば、生体インピーダンスと体組成指標MBとの統計的な相関を表現する複数種の回帰式のうち生体基本情報Bに応じて選択した回帰式に生体インピーダンスの測定値を適用することで体組成指標MBを算定することが可能である。
【0038】
以上の手順で生体情報Mが生成されると、表示制御部56は、測定処理部52が算定した生体情報Mを使用者に報知する図7の測定結果画像G2を表示部24に表示させる(S14)。図6に例示される通り、測定結果画像G2は、体重MAと体組成指標(図7の例示では体脂肪率)MBとを含む。このようにして、使用状態では生体情報Mを生成することができる。
【0039】
次に、第2モードに属する検知モードについて説明する。上述したように検知モードは、侵入者を検知するモードである。例えば、家を留守にして外出する場合に、検知モードが用いられる。第2モードにおいて、制御部20は、待機状態を維持し、待機状態から使用状態に移行させない。検知モードは、侵入者の検知に用いられるため、生体情報Mを計測する必要がないからである。
【0040】
図8は、検知モードにおける制御部20の動作を示すフローチャートである。まず、制御部20は、検出信号DCを第2閾値ref2と比較し、検出信号DCが第2閾値ref2以上であるか否かを判定する(S21)。第2閾値ref2は、生体と検出部40との距離が第2距離L2である場合に相当する。ここで、第2距離L2は第1距離L1以上であってもよい。第1距離L1は、待機状態から使用状態へ移行させるため、使用者が生体測定装置100を使用する可能性が高い距離に設定すべきであるが、第2距離L2は侵入者の判定基準となる距離であるため、一定の検出精度が得られるのであれば長い方がよいからである。但し、L1=L2とすることにより、第1閾値ref1と第2閾値ref2とが一致するので、記憶部22の記憶容量を削減することができ、検知モードにおいても第1モードと同じ閾値を読み出せばよいので、処理を簡素化することができる。
【0041】
生体との距離が第2距離L2以下である場合、判定結果は「YES」となり、制御部20は、待機状態を維持し、侵入者がいることを示す警告情報を生成する(S22)。この後、制御部20は、警告情報を外部に送信するように通信部29を制御する(S23)。具体的には、予め登録してある端末装置14のメールアドレスに警告情報を送信する。これによって、端末装置14の使用者は、外出中に何者かが家に侵入したことを知ることができる。
【0042】
次に、制御部20は、侵入者に警報を発するように警報部26を制御する警報処理を実行する(S24)。警報を発することによって、侵入者が退去し被害を減らすことが可能となる。この後、制御部20は、警報を解除する解除条件が充足されたか否かを判定する(S25)。警報の解除については、各種の態様がある。第1の態様は、使用者が操作部28を操作して解除コードを入力する方法である。この場合、使用者は操作部28を操作して予め解除コードを登録する。登録された解除コードは、記憶部22に記憶される。警報を解除する場合、使用者は操作部28を操作して解除コードを入力する。ステップS20の判定処理において、制御部20は入力された解除コードと記憶部22に記憶された解除コードとを比較して両者が一致する場合に、解除条件が充足したと判定する。なお、予め解除コードを登録する際、上記のように、使用者は端末装置14を用いて予め解除コードを生体測定装置100に送信する形態に限られない。例えば、使用者が生体測定装置100を用いて解除コードを端末装置14に送信してもよいし、生体測定装置100と端末装置14のそれぞれに共通の解除コードを入力するようにしてもよい。
【0043】
第2の態様は、端末装置14から解除コードを入力する方法である。この場合、使用者は端末装置14を用いて予め解除コードを生体測定装置100に送信する。制御部20は通信部29が解除コードを受信すると、受信した解除コードを記憶部22に記憶する。警報を解除する場合、使用者は端末装置14を操作して解除コードを生体測定装置100に送信する。ステップS2の判定処理において、制御部20は受信した解除コードと記憶部22に記憶された解除コードとを比較して両者が一致する場合に、解除条件が充足したと判定する。
【0044】
解除条件を充足すると、制御部20は警報部26の動作を停止させる警報解除処理を実行し(S26)、この後、モードを検知モード(第2モード)から第1モードに遷移させる(S27)。なお、警告情報の送信がない状態で解除条件が充足されると、制御部20はモードを検知モードから第1モードに遷移させる。従って、使用者が、検知モードに設定した後、侵入者が無いまま自宅に戻った場合には、所定の操作を行うことによって、第1モードに移行させることができる。
【0045】
次に、見守りモードについて説明する。上述したように見守りモードは、使用者の活動を外部に通知するモードである。見守りモードを設定することによって、例えば、離れて暮らす家族の安否を確認することが可能となる。見守りモードでは、第1モードと同様に生体情報Mを生成するとともに、制御部20は、検出信号DCに基づいて、使用者の活動を示す活動情報を生成し、通信部29を用いて活動情報を外部に送信する。送信先は、例えば、予め生体測定装置100に登録されたメールアドレスである。
【0046】
より具体的には、見守りモードにおいて、制御部20は、検出信号DCを第1閾値ref1と比較することによって、生体との距離が第1距離L1以下であるか否かを判定し、判定結果が第1距離L1以下である場合、使用状態に設定する一方、判定結果が第1距離L1を上回る場合、待機状態に設定する。制御部20は、所定期間における待機状態から使用状態に移行した回数を活動情報として生成し、これを端末装置14に送信する。この場合、端末装置14は使用者が所有するのではなく、使用者の子供など、使用者の活動を見守る家族が所有している。
【0047】
生体測定装置100は、リビングや洗面所など、使用者が日常生活を営む場所に配置されることが多い。このため、見守りの対象となる使用者が生体測定装置100から所定範囲内に近づいた回数を活動情報として生成することによって、使用者に病気などの障害があり日常生活が円滑に行われていないことなどを間接的に家族が知ることが可能となる。
なお、所定期間は適宜定めればよいが、例えば、1日であってもよい。また、所定時刻に活動情報を送信してもよい。加えて、活動情報と共に所定期間中に測定された生体情報Mを送信するようにしてもよい。また、待機状態から使用状態に移行すると、その都度、使用者が活動したことを示す活動情報を送信してもよい。
【0048】
以上説明したように本実施形態によれば、検出信号DCに基づいて、侵入者を検知したり、独居の使用者を見守ることができるので、生体測定装置100の利便性を向上させることができる。加えて、侵入者の検知に用いる検出部40は、第1モードにおいて待機状態と使用状態とを判定するために用いる検出部40と兼用することができるので、消費電力を削減しつつ構成を簡素化することができる。さらに、見守りモードでは、第1モードにおける待機状態及び使用状態の判定結果に基づいて活動情報を生成するので、活動情報を生成するために特別な処理を実行する必要がなく、処理を簡素化すると共に、消費電力を削減しつつ、使用者の活動を外部に知らせることが可能となる。
【0049】
<変形例>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。また、各変形例と実施形態は適宜、組み合わせることができる。
(1)上述した実施形態では、検知モードにおける解除条件として、操作部28又は端末装置14を用いた解除コードを一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、予め登録した使用者の生体情報Mを記憶部22に記憶しおく。警報を解除する際に使用者が測定台122に載ると、制御部20は計測信号DAに基づいて使用者が測定台122に載ったことを検知して使用状態に移行させ、生体情報Mの計測を実行する。この場合、重量検出部32に検知モードの開始から電力を供給してもよいし、あるいは、検知モードにおいて侵入者を検知した後に、重量検出部32に電力を供給してもよい。後者の場合は、消費電力を削減することができる。なお、使用者が測定台122に載ると計測信号DAの出力は大きく変化するため、使用者が測定台122に載ったことの検知には、比較的低い精度で十分である。したがって、例えば、第2モードにおける計測信号DAのA/D変換を第1モードにおける計測信号DAのA/D変換よりも粗いサンプリング間隔で行うことにより、消費電力を削減することが可能である。この後、記憶部22から読み出した生体情報Mと計測した生体情報Mとを比較し、両者が所定範囲内にある場合、解除条件が充足されたと判定して警報を解除してもよい。なお、使用者が測定台122に載ったことの検知は、制御部20が検出信号DCを判定閾値と比較することによって判定してもよい。判定閾値は判定距離に対応しており、判定距離は第1距離よりも短かく設定してもよい。あるいは、図8に示すステップS21の判定結果が肯定を示す場合に、制御部20は待機状態から使用状態に移行させてもよい。
くわえて、生成された生体情報と記憶部22に記憶された生体情報とが所定範囲内にある場合に、制御部20は、警告情報の送信を取りやめたり、あるいは、既に送信済みの警告情報を撤回するための情報を送信するように通信部29を制御してもよい。外出していた使用者が自宅に戻り警報を解除した場合には、警告情報を送信する必要がないからである。あるいは、家族の一人が自宅に戻り、警報を解除した場合に、他の家族には警告情報の撤回を送信することによって、他の家族を安心させることが可能となる。
また、警告情報を生成することは、本発明において必須ではない。その場合は、図8に示すステップS22及びS23を省略してもよい。また、ステップS24において警報処理を実行中あるいは実行した後、制御部20は信号生成部30を待機状態から使用状態に移行させてもよい。これにより、使用者が測定台122に載った場合に生体情報Mを生成することが可能となる。
【0050】
(2)また、使用者の所有する活動量計を生体測定装置100に近づけることを解除条件としてもよい。例えば、図9に示す健康管理システム1000において、活動量計200は、使用者が携帯する機器であって、歩数に基づいて活動量を計測する機器である。生体測定装置100は活動量計200と通信を行い、活動量計200で測定された活動量情報及び生体情報Mを、使用者を識別する識別情報と共にサーバー300に送信する。サーバー300は、識別情報と生体情報M及び活動量情報とを対応づけて記憶する。そして、使用者が端末装置14を用いてサーバー300にアクセスすると、過去の生体情報M及び活動量情報の履歴などを閲覧できるようになっている。このような健康管理システム1000において、活動量計200には識別情報が割り当てられており、生体測定装置100の記憶部22はこれを予め記憶している。予め識別情報を記憶した活動量計200を生体測定装置100に近づけると、通信が行われ、活動量計200の識別情報が生体測定装置100に送信される。制御部20は、受信した識別情報と記憶部22に記憶した識別情報とが一致する場合に図8に示す警報解除処理(S26)を実行してもよい。
上述した各種の解除条件は、それぞれを単独で用いてもよいし、二以上の条件を組合せて用いてもよい。二以上の条件を組み合わせて用いる場合は、複数の条件を満たした場合に解除するにしてもよいし、いずれか一つの条件を満たした場合に解除するようにしてもよい。
なお、上述した変形例(1)及び変形例(2)では、生体情報Mと識別情報を同じ記憶部22に記憶した。記憶部22には、生体情報Mを記憶する第一の記憶領域と、識別情報を記憶する第二の記憶領域とを有している。この場合、第一の記憶領域は第一の記憶部として機能する一方、第二の記憶領域は第二の記憶部として機能する。あるいは、生体情報Mを記憶する第一の記憶部と、識別情報を記憶する第二の記憶部を別々に設けてもよい。
【0051】
(3)上述した実施形態では、警告情報及び活動情報は生体測定装置100から端末装置14に送信したが、本発明はこれに限定されるものではなく、外部に送信するものであればよい。例えば図9に示す健康管理システム1000において、警告情報及び活動情報をサーバー300に送信してもよい。この場合、サーバー300は警告情報を端末装置14に通知するようにしてもよい。一方、活動情報は端末装置14からのアクセスがあった場合に閲覧できるようにしてもよい。
【0052】
(4)上述した実施形態の見守りモードにおいて、制御部20は、所定期間における待機状態から使用状態に移行した回数を活動情報として生成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、活動情報は、検出信号DCなどに基づいて生成される使用者の活動を示す情報であれば、どのようなものであってもよい。例えば、制御部20は、検出信号DCを第3閾値ref3と比較することによって、生体との距離が第3距離L3以下であるか否かを判定し、所定期間中に、使用者が第3距離L3の範囲内に近づいた回数を活動情報として生成してもよい。この場合、第1距離L1と第3距離L3とは必ずしも一致する必要がない。但し、第3距離L3は第1距離L1以上であってもよい。使用者が生体測定装置100の近くを通れば、使用者が室内を移動したことが判るからである。また、第3距離L3は、第2距離L2と一致してもよい。
【0053】
(5)上述した実施形態では、通信部29を備え、警告情報を外部に送信したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通信部29を必ずしも備えなくてもよい。
また、上述した実施形態の生体測定装置100は、第1モード、検知モード及び見守りモード(第2モード)を備えたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1モードと検知モードとを備え、見守りモードを備えない態様、第1モードと見守りモードとを備え、検知モードを備えない態様であってもよい。
また、上述した実施形態では警告情報を使用者の端末装置14に送信したが、本発明はこれに限定されるものではなく、外部に送信するのであれば送信先は不問である。例えば、セキュリティ会社に警告情報を送信するものであってもよい。
また、上述した実施形態では警報部26を備えたが、本発明はこれに限定されるものではなく、警報部26を備えないものであってもよい。この場合、例えば、警告情報を外部の制御機器に送信し、制御機器においてテレビや音響装置の電源を入れて大音量にしたり、照明を点滅させるようにして、侵入者に警報を発してもよい。
【0054】
(6)上述した実施形態では、第1モードにおいて、制御部20は、検出信号DCに基づいて使用状態と待機状態とを自動的に切り替えたが、本発明はこれに限定されるものではなく、使用状態と待機状態との切り替えを使用者が操作部28を操作することにより手動で実行してもよい。この場合、制御部20は、使用者の操作に応じて操作部28から出力される出力信号に基づいて、使用状態と待機状態とを切り替えればよい。
【0055】
(7)制御部20は、所定の条件を充足すると警告情報を外部に送信するように通信部29を制御してもよい。所定の条件は、例えば、玄関の扉が開閉されることを検出するセンサから供給される開閉したことを示す開閉情報を通信部29が受信したことであってもよいし、あるいは、侵入者を検知してから1分が経過したことであってもよい。
さらに、制御部20は、警報を解除するように警報部26を制御した時点で警告情報を外部に送信していない場合には、警告情報の送信を取り止めてもよい。検知モードに設定した後、誤って、使用者が生体測定装置100に近づいた場合、警告情報が生成されてしまう。しかしながら、この態様によれば、警告情報が送信される前であれば、送信を取りやめることができるので、使用者が無意味な警告情報を受け取ることを防止できる。
また、制御部20は、警報を解除するように警報部26を制御した後、警報を解除したことを示す確認情報を外部に送信するように通信部29を制御してもよい。
【0056】
(8)上述した実施形態では、検知モードにおいて、警報が解除されると、制御部20は、自動的にモードを第1モードに移行したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、使用者が操作部28を操作することにより手動で実行してもよい。この場合、制御部20は、使用者の操作に応じて操作部28から出力される出力信号に基づいて、検知モード(第2モード)から第1モードに移行させればよい。
【0057】
(9)上述した実施形態に加えて、バックアップの電源や通信部を備えるようにしてもよい。
例えば、生体測定装置100の通常の電源(上述した実施形態では、生体測定装置100の内部に挿入された電池)の他に、生体測定装置100の内部又は外部に別の電源を設けてもよい。かかる構成により、生体測定装置100の通常の電源が切れた場合であっても、当該別の電源を使うことにより、当該別の電源により、引き続き、検知・見守り等が可能となる。
また、生体測定装置100の通信部29とは別の通信部を設けてもよい。例えば、通信部29をいわゆる無線LAN接続できるものとし、当該別の通信部を携帯電話通信網と接続できるものとするように、通信種別が異なるものとしてもよい。かかる構成により、通信部29及び/又は通信部29が接続する先のネットワークに不具合があった場合でも、外部装置への情報の送信を継続することが可能となる。
このように、バックアップの電源及び/又は通信部を設けることで、検知あるいは見守り等における信頼性を向上させることが可能である。バックアップの電源及び/又は通信部を複数設ければ、より信頼性が向上する。
【符号の説明】
【0058】
100……生体測定装置、14……端末装置、20……制御部、22……記憶部、26……警報部、28……操作部、29……通信部、30……信号生成部、40……検出部、52……測定処理部、54……通信制御部、55……モード設定部、100……生体測定装置、1000……健康管理システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9