特許第6222743号(P6222743)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222743
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】弾性外被付き光ファイバ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/44 20060101AFI20171023BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   G02B6/44 316
   G02B6/44 301A
   G02B6/02 391
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-556591(P2014-556591)
(86)(22)【出願日】2013年2月4日
(65)【公表番号】特表2015-511331(P2015-511331A)
(43)【公表日】2015年4月16日
(86)【国際出願番号】US2013024587
(87)【国際公開番号】WO2013119492
(87)【国際公開日】20130815
【審査請求日】2016年1月14日
(31)【優先権主張番号】61/595,223
(32)【優先日】2012年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/749,906
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(72)【発明者】
【氏名】メーアン、アショーク ケー
【審査官】 奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−091614(JP,A)
【文献】 特開2006−251339(JP,A)
【文献】 特開平05−281431(JP,A)
【文献】 特開2000−275481(JP,A)
【文献】 特開昭62−184410(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0003781(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第3821123(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02− 6/036
G02B 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバと、
前記光ファイバを覆い複数のクッション部材からなるクッション層と、
前記クッション層を覆うポリマ製スリーブと
を具備し、
少なくとも1個の前記クッション部材は、フッ化ポリマで少なくとも部分的に充填されていることを特徴とする外被付き光ファイバ。
【請求項2】
管状クッション部材を具備することを特徴とする請求項1記載の外被付き光ファイバ。
【請求項3】
前記管状クッション部材は、前記光ファイバの周囲に螺旋状に巻回されていることを特徴とする請求項2記載の外被付き光ファイバ。
【請求項4】
前記光ファイバ及び前記クッション層の中間にバッファ層をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の外被付き光ファイバ。
【請求項5】
前記クッション層及び前記ポリマ製スリーブの中間に接着層をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の外被付き光ファイバ。
【請求項6】
前記ポリマ製スリーブ上にフルオロポリマ層をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の外被付き光ファイバ。
【請求項7】
前記光ファイバはプラスチック製光ファイバであることを特徴とする請求項1記載の外被付き光ファイバ。
【請求項8】
前記プラスチック製光ファイバはポリメチルメタクリレートからなることを特徴とする請求項7記載の外被付き光ファイバ。
【請求項9】
前記クッション層はポリアリルエーテルからなることを特徴とする請求項1記載の外被付き光ファイバ。
【請求項10】
前記ポリアリルエーテルはポリエーテルエーテルケトンからなることを特徴とする請求項9記載の外被付き光ファイバ。
【請求項11】
前記クッション層は、ポリエーテルスルフォン、超高分子量ポリエチレン、ポリスルフォン、ポリエチレンイミド、及びそれらの共重合体からなるグループから選択された材料からなることを特徴とする請求項1記載の外被付き光ファイバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバに関し、特に弾性外被を有する頑丈な光ファイバに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバの搬送能力及び通信速度は、従来の銅線により提供されるものを著しく超える。このように、光ファイバは、通信から航空宇宙、家電まで、大情報容量、ノイズ耐性及び他の利点等の特徴が活用できる増大する多様な状況で使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの利点にも関わらず、光ファイバは、従来の銅線よりも一般的には脆い。これは、光ファイバがガラス製かプラスチック製かによらず当てはまる。いずれの場合であっても、機械的衝撃が光の流れに瞬断を潜在的に生じさせる。より問題なのは、機械的衝撃がガラス製ファイバの破断やプラスチック製ファイバの塑性変形となる場合である。これはファイバの形状に永久的な変形を生じさせるので、ノイズが混入し、情報伝達が遅延し、又はファイバの性能が期待する性能レベルを下回ることを招く。
【0004】
光ファイバは、取扱い及び他の摩耗に対する保護を与えるが、衝撃に対する十分なレベルの保護を与えない絶縁巻回、絶縁編組や外被を具備することが典型的である。巻回及びポリマ製外被と組み合わせたより厚い多層繊維のポリマ製編組又はセラミック製編組は、ファイバ組立体を分厚く且つ重くする傾向があり、寸法及び重量が重要になることが多い航空機体の用途にとっては魅力がないものにしてしまう。また、金属製保護層も、多くの空挺部隊の用途では重過ぎる。現在の光ファイバには、これらの欠点及び他の欠点が見られる。
【0005】
現在入手可能なものよりも頑丈な保護を提供し、衝撃に対する大きな保護と、より信頼性の高い性能とを与える外被付き光ファイバに対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
解決手段は、外被付き光ファイバにより提供される。この外被付き光ファイバは、光ファイバと、光ファイバを覆い複数のクッション部材からなるクッション層と、クッション層を覆うポリマ製スリーブとを具備する。或る実施形態ではクッション部材は中空であるが、他の実施形態ではクッション部材は柔軟な熱可塑性材料で少なくとも部分的に充填される。或る実施形態では、クッション層及びポリマ製スリーブの中間に、接着剤又はマスチック樹脂製材料からなる接着層が設けられる。
【0007】
本発明の典型的な実施形態の利点は、外被が大きな衝撃耐性を与えるクッション層を具備することである。これにより、光ファイバが受ける機械的衝撃が光強度の損失を生じ得る変形となる可能性を低減することを含む、良好な性能という結果となる。
【0008】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の原理を例示で示す添付図面と併せて以下の典型的な実施形態の詳細な説明から明白であろう。
【0009】
添付図面を参照して、本発明を例示により説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の典型的な一実施形態に係る、外被付き光ファイバの断面図である。
【0011】
図2】クッション層を取り付けた後であるが、他の上層は取り付ける前の図1の光ファイバの斜視図である。
【0012】
図3】クッション層を形成する際に使用される典型的なクッション部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
複数の図面に亘って見られる同じ部品には、明瞭にするために同じ参照番号が用いられる。
【0014】
本発明の典型的な一実施形態によれば、外被付き光ファイバが開示される。この外被付き光ファイバは、光ファイバと、光ファイバを覆い複数のクッション部材からなるクッション層と、クッション層を覆うポリマ製スリーブとを具備する。或る実施形態ではクッション部材は中空であるが、他の実施形態ではクッション部材は柔軟な熱可塑性材料で少なくとも部分的に充填される。或る実施形態では、クッション層及びポリマ製スリーブの中間に、接着剤又はマスチック樹脂製材料からなる接着層が設けられる。
【0015】
本発明の典型的な実施形態の利点は、外被が大きな衝撃耐性を与えるクッション層を具備することである。これにより、光ファイバが受ける機械的衝撃が光強度の損失を生じ得る変形となる可能性を低減することを含む、良好な性能という結果となる。
【0016】
典型的な実施形態は、機械的負荷の衝撃から損傷することを軽減するために全体的に極めて良好な機械的保護を与えることができる、いくつかの実施形態では中空管を具備する、クッション層を用いた、外被付き光ファイバに関する。
【0017】
図1を参照すると、本発明の典型的な実施形態は、外被付き光ファイバ100と、複数のファイバ100が束ねられた光ファイバケーブルとに関する。光ファイバケーブルを形成するために個別の光ファイバを束ねることに関する一般的な原理は当業界で公知であり、この結果、本明細書では詳細に説明しないことを理解されたい。
【0018】
外被付き光ファイバ100は、そのコアとして光ファイバ110を具備する。光ファイバ100は、ガラス製、プラスチック製、又は光ファイバを形成するために用いられる任意の他の材料製であってもよいが、当業界でPOFと称されることのあるプラスチック製ファイバが好適である。任意のPOFファイバを使用することができるが、典型的にはポリメチルメタクリレート(PMMA)で構成される。標準的なPMMA光ファイバは、薄い(典型的には約20μmの)フッ素重合体製クラッドを有する約980μmの直径を有する。本明細書で使用されるこれら及び他の直径は典型的であるが、本発明の原理はそれに限定されず、980μm以外の直径を有する光ファイバ100にも容易に適用できることを理解されたい。
【0019】
一般的には押し出し成形より形成されるバッファ層120は、任意であるものの、光ファイバ110上に設けられるのが好適である。バッファ層120は、典型的にはポリオレフィン製であり、約0.05mmから約0.25mmの範囲の、一般的には約0.15mmの厚さを有する。ポリオレフィンは、任意の適当な材料にすることができ、エラストマやフッ素重合体であってもよく、好適には架橋されていない。バッファ層120は、接続の際に、光ファイバ110から外被付きファイバ100のポリマ層をストリップする補助となる。バッファ層として用いられる典型的な材料には、塩化ポリエチレン(PE)、シリコーン、フッ素重合体、エポキシ又はポリマ樹脂層が挙げられる。
【0020】
クッション層130は、典型的にはバッファ層120に接触した状態で、光ファイバ110を覆って設けられる。クッション層130は、その長さに沿って光ファイバ110を少なくとも部分的に包み込み、強化された衝撃保護を提供するよう作用する1個以上のクッション部材を具備する。クッション部材は、好適には高強度材料で形成される。或る実施形態では、クッション部材は中空である。しかし、クッション部材は中空である必要は無く、或る実施形態では、1個以上のクッション部材は部分的又は全体的に柔軟な熱可塑性材料で充填される。図1に示されるように、クッション部材は、好適には管状クッション部材132(図3(A)参照)として形成されたファイバである。
【0021】
衝撃に対する保護に加えて、中空のクッション部材を使用することにより、ガラスファイバ、固い単繊維や固い複数繊維強度ロープのようなより強度が大きい特定材料を用いたケーブルと比べて軽量化が可能になる。例えば、本明細書に開示された中空のクッション部材を用いた実施形態は、改良された潰れ及び構造面での性能に影響を与える補助となる約25%の空気容量のクッション層130を有する。
【0022】
管状クッション部材132又は他のタイプのクッション部材は高弾性を有する任意の適当なポリマ材料で構成されてもよく、既に述べていることであるが、ポリアリレンエーテル及び特にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のようなポリアリルエーテルケトン等の高強度材料が好適であり、アニール処理されてもされなくてもよい。他の適当な材料として、例示に過ぎないが、ポリエーテルスルフォン(PES)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリスルフォン(PS)、ポリエチレンイミド(PEI)、及びそれらの共重合体が挙げられる。
【0023】
クッション層130の壁厚は、クッション部材の外径により決定される。管132は一般的に、約0.15mmから約0.25mmの範囲で、典型的には約0.2mmの外径を有する。管132の壁厚は一般に、約0.025mmから約0.076mmの範囲で、典型的には約0.05mmである。既に述べているが、これら及び本明細書の他の寸法に関連する範囲は、限定することを意図したものではないことを理解されたい。これらの寸法はコアとして約980μmの直径を有する標準的POFと併せて外被付き光ファイバ100を構成するために有用であるが、クッション部材の壁寸法と同様に様々な層厚も、他の寸法の光ファイバの使用に従って調整可能である。
【0024】
管状クッション部材132は、中空で空気を含有してもよいし、管がクッションとして作用するのに適当なレベルの弾性を示すように柔軟な熱可塑性材料で部分的又は全体的に充填されてもよい。典型的な充填材料として、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン共重合体(THV)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、又はフルオロエラストマ(これらはアフラス社又はバイトン社から市販されている)が挙げられ、これら全てはクッション効果を提供することができる。充填されたクッション132において、フッ化ポリマの使用により、可燃性及び耐煙性が改良された充填材料が提供する追加の利点を有する。
【0025】
図2に示されるように、クッション層130は、光ファイバ110の周囲に螺旋状に管状クッション部材132を巻回することにより形成してもよい。クッション部材が光ファイバ110の周囲に螺旋状に巻回される角度(すなわち、「螺旋角度」)は、別の実施形態では変更してもよく、少なくとも一部では使用されるクッション部材の数及び寸法による。螺旋角度は、約5°から約80°の範囲である。小さな螺旋角度では管状クッション部材132は楕円形断面をとる傾向があるが、管状クッション部材132は大きな螺旋角度では円形断面を保持する。
【0026】
クッション層130を形成するクッション部材は充填された又は中空のクッション部材132の観点で主に図示され説明されてきたが、実施形態はそれらに限定されないことを理解されたい。例えば、図3(B)は、所定長さのファイバに沿って空気の個別ビーズが形成されたクッション部材が密接配置されたビーズの連続した糸状物である別の実施形態を示す。中空のビーズファイバクッション部材134は、例えば、連続した渦巻状管を製造するのと同様の方法で適当な輪郭の冷却ローラを用いて押し出し成形することにより作製することができる。
【0027】
任意であるが、好適にはクッション層130上に接着層140が設けられる。接着層140は、衝撃不可を吸収しながらクッション部材を所定位置に維持するためと同様に、次の層の形成の際に、クッション層130の分離したクッション部材を互いに対して所定位置に維持するのに有用である。接着層140は、2層の密接を達成するためにポリマスリーブ150に対するのと同様に、クッション層130に対して良好に接合するアクリレート、ポリアミド、又はポリウレタンベースの接着剤を含む、任意の適当な接着剤又はマスチック材料であってもよい。
【0028】
接着層140はクッション部材を結合する目的の任意の接着剤を用いてもよいが、外被付き光ファイバ100が航空宇宙用途又は他の特殊用途で用いられる或る実施形態では、他の要素が作用し始めてもよい。例えば、接着層140に使用する接着剤を選択する際に、接着剤の可燃性、煙発生レベル、燃焼時の有毒ガスの発生、又は接着を超える他の物理的特性を考慮されてもよい。接着層140は、低い煙発生、低毒性及び低可燃性が必要な場合、ハロゲンを多く含む組成であることが好ましい。EVA、EMA、EMA−AA、EAA、EMA−GMAを混合したテトラフルオロエレン、ヘキサフルオロプロピレン及びビニリデンジフルオライドの三元重合体が特に適当である。一つの適当な接着剤の組成が米国特許出願公開第2009/0114343号に記載されている。
【0029】
接着層140の接着剤は、管状クッション部材132又は他のクッション部材の周囲の空間を埋める傾向を有する。接着層140は、クッション層130に用いられる管状クッション部材132に由来するトポグラフィの結果、典型的には他の層よりも一様ではない。そして、接着層の厚さは、光ファイバ100の直径の増大を最小するように、クッション層130の外径(すなわち、クッション部材の外径)に関して計測され選択されてもよい。いくつかの実施形態では、接着層140は、管状クッション部材132の外径を超える約0.025mmの厚さに形成される。そして、一実施形態では、接着層140の形成後、外被付き光ファイバ100が約1.8mmの外形を有するように接着層140が形成される。いくつかの実施形態では、加圧押し出し配置において、米国特許出願公開第2010/0219555号に記載されているように電線及びケーブル製造方法で広く用いられている、薄い層に形成できる接着層140用の材料を選択することがさらに好適である。
【0030】
或いは、接着層140は、管状クッション132の向きとは逆向きに光ファイバ100の周囲に巻回されたテープの形態で設けられてもよい。適当な一つのテープはポリイミドテープ(例えば、カプトン(登録商標)テープ)である。テープが用いられる場合、テープの厚さは約0.025mmであるが、任意の適当な厚さであってもよい。
【0031】
実施形態によっては、複数のクッション層130が用いられる。このような場合、クッション層130は、単一の接着層140の後に互いに上に直接設けられる。或いは、各別体のクッション層130の上に別体の接着層140を設けてもよい。
【0032】
ポリマ製スリーブ150は、クッション層130上に、典型的には接着層140上に接触した状態で設けられる。ポリマ製スリーブ150は一般に押し出し成形により形成され、接着層140に対してよく接合する任意の適当なポリマ材料で構成されてもよい。ポリマ製スリーブ150は、外被付き光ファイバ100に強度を与え、典型的には約4000psiより大きな張力を有し好適には約5000psiより大きな張力を有する材料で構成される。ポリマ製スリーブ150での使用に特に適当な材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のポリアリルエーテルケトンが挙げられるが、例えばナイロン、ポリエステル。シリコーンエラストマも用いてもよい。一般的には、ポリマ製スリーブ150を形成するのにクッション層130のクッション部材を形成する任意の適当な材料を使用してもよいし、逆もまた同様である。実施形態によっては、ポリマ製スリーブ150は、1以上の異なるタイプのポリマの混合物であってもよい。
【0033】
ポリマ製スリーブ150は一般に、約0.013mmから約0.25mmの範囲の厚さを有するが、本明細書に開示された厚さは典型であり、外被付き光ファイバ100の他の層の相対厚さ、特にコアとして作用する光ファイバ110の直径によって変更可能である。外被付き光ファイバ100の接続も、ポリマ製スリーブ150の特定厚さを選択する際に考慮されてもよい。
【0034】
ポリマ製スリーブ150は、環境に対して露出するように外被付き光ファイバ100用の外層であってもよい。実施形態によっては、任意の外被160がポリマ製スリーブ150上に設けられる。任意であるが、最終外被160は、化学的に不活性な性質、低い煙発生、可燃性特性及び航空宇宙用に有用な公知の特性のため、溶融押し出し成形可能なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、他のフルオロポリマ、PEI又は他の材料が設けられる航空宇宙用途では特に望ましい。外被160は、約0.1mmから約0.4mmの範囲、典型的には約0.15mmから約0.25mmまでの壁厚に設けられてもよい。
【0035】
本発明は、例示のためであって限定のためでなく、以下の実施例によりさらに記載される。
【実施例1】
【0036】
20μmのフルオロポリマ製クラッド及び約0.15μmの保護フルオロポリマバッファ層を有する直径980μm(±60μm)のPMMA光ファイバが提供された。クッション層は、クッション部材として中空の管を用いて形成された。中空の管は、PEEKから形成され、約0.23μmの公称外形及び約0.05μmの壁厚で押し出し成形された。34.6°の螺旋角度でファイバコアの周囲に巻回されることにより、8本の中空PEEK管がクッション層を形成するのに用いられた。巻回は、16キャリアのウォードウェルブレーダを用いて実行された。上側の8キャリアのみが全て時計回りで用いられた。各キャリアは、中空の管の2端を有するボビンを有していた。その結果、キャリッジの1回転で16個のスリーブが巻回された。巻回後のクッション層の厚さは約2.41mmであった。
【0037】
表1に記載された組成を有するフルオロポリマ(THV)ベースのホットメルト接着剤が、約0.025mmの厚さでクッション層上に設けられた。また、接着剤は、微量の第1抗酸化剤(イルガノクス1010)、第2安定剤(アレノクス1212)及び色彩濃縮物を含んでいた。その後、0.1mmのPEEKのポリマ製スリーブが設けられた。最後に、フルオロポリマ(溶融押し出し成形可能なPTFE、モールドフロングレードMF10010)製の外被が0.178mmの厚さで押し出し成形された。
【表1】
【実施例2】
【0038】
実施例2では、実施例1で使用された燃焼遅延型バッファの代わりにバッファ層が非燃焼遅延型ポリオレフィンエラストマである点を除き、実施例1と同じ方法で外被付き光ファイバが製造された。
【実施例3】
【0039】
実施例3では、非燃焼遅延型ポリオレフィンエラストマバッファでコーティングされた20μmフルオロポリマクラッドを有する直径980μm(±60μm)のPMMA光ファイバが再び提供された。クッション層は、実施例1及び実施例2と同じ方法で形成された。
【0040】
同じホットメルト接着剤が、コア上に加圧押し出し成形された。この実施例において、0.152mmのPEEKのポリマ製スリーブが押し出し成形により設けられ、その後、厚さ0.127mmのフルオロポリマ(モールドフロングレード10010)の外被が設けられた。
【0041】
実施例1,2,3の各々に従って形成されたファイバは、クッション層を含まない制御ファイバと共に衝撃試験に供された。試験では、ファイバは、光源に対してオシロスコープを接続するのに用いられた。次に、実験ファイバには、ファイバ長さの様々な地点で(約5cmの高さから約1.4kgの錘を落とすことで)衝撃が加えられた。衝撃時とその後の双方で、光強度の変化をオシロスコープで計測した。実験サンプルの衝撃時の光強度損失は約0.5dB以下であり、衝撃後の損失は約0.15dBであったが、比較サンプルの損失は大きさが2桁近く大きく、約10dBの範囲であった。
【符号の説明】
【0042】
100 外被付き光ファイバ
110 光ファイバ
120 バッファ層
130 クッション層
132 クッション部材
140 接着層
150 ポリマ製スリーブ
図1
図2
図3