特許第6222774号(P6222774)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6222774動画広告の視聴確認システム及び動画広告の視聴確認方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222774
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】動画広告の視聴確認システム及び動画広告の視聴確認方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/258 20110101AFI20171023BHJP
   H04N 21/233 20110101ALI20171023BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20171023BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   H04N21/258
   H04N21/233
   G06Q30/02 300
   G06F13/00 540R
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-193246(P2014-193246)
(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公開番号】特開2016-66841(P2016-66841A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2016年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】514242073
【氏名又は名称】大岩 克次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154210
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 宏
(72)【発明者】
【氏名】大岩 克次郎
【審査官】 富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−086696(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/037079(WO,A1)
【文献】 特開2005−286372(JP,A)
【文献】 特開2002−150185(JP,A)
【文献】 特開2010−044614(JP,A)
【文献】 特開2006−304133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
G06Q 30/02
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットを介して提供した動画広告の視聴を確認するシステムであって、
動画中の1つまたは2つ以上の区間に関する情報を視聴者に伝達する区間指示機能と、
動画の1時点のスクリーンショットを1つまたは2つ以上視聴者から受信する画面受信機能と、
前記画面受信機能によって受信された前記スクリーンショットが前記動画の前記区間に含まれるものであるか否かを判定する視聴判定機能とを備え、
前記区間は、前記動画の中のセリフを含む時間帯とその直後の猶予時間帯とからなる区間であり、
前記視聴判定機能によって前記動画の前記区間に含まれるものであると判定された場合に視聴されたと確認することを特徴とする、動画広告の視聴確認システム。
【請求項2】
前記動画に含まれる音声に係る音声認識を行い、前記音声認識の結果に基づいて前記セリフを抽出するセリフ抽出機能を備えることを特徴とする、請求項に記載の動画広告の視聴確認システム。
【請求項3】
前記区間指示機能は、前記セリフ抽出機能によって抽出されたセリフのうちの1つまたは2つ以上を視聴者に伝達することを特徴とする。請求項に記載の動画広告の視聴確認システム。
【請求項4】
インターネットを介して提供した動画広告の視聴を確認する方法であって、
動画中の1つまたは2つ以上の区間に関する情報を視聴者に伝達する区間指示処理と、
動画の1時点のスクリーンショットを1つまたは2つ以上視聴者から受信する画面受信処理と、
前記画面受信機能によって受信された前記スクリーンショットが前記動画の前記区間に含まれるものであるか否かを判定する視聴判定処理とを備え、
前記区間は、前記動画の中のセリフを含む時間帯とその直後の猶予時間帯とからなる区間であり、
前記視聴判定処理において前記動画の前記区間に含まれるものであると判定された場合に視聴されたと確認することを特徴とする、動画広告の視聴確認方法。
【請求項5】
前記動画に含まれる音声に係る音声認識を行い、前記音声認識の結果に基づいて前記セリフを抽出するセリフ抽出処理を備え、
前記区間指示処理は、前記セリフ抽出処理において抽出されたセリフのうちの1つまたは2つ以上を視聴者に伝達することを特徴とする、請求項に記載の動画広告の視聴確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介して配信した動画広告が視聴されたことを確認する動画広告の視聴確認システム、及び該システムを活用した動画広告の視聴確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介して広告を配信する場合、配信を受けた者に広告を見てもらうことが必要であり、実際に広告を見たか否かを知ることが広告の効率を高める上で重要である。広告を見てもらうための手段として、特許文献1には、広告を見た者に謝礼を支払うシステムが開示されている。また、実際に広告を見たか否かを知ることは、広告を表示するためのボタン(いわゆる広告バナー)をクリックしたことを検出してクリック率を求めることが広く行われている。
【0003】
広告が動画である場合、その動画の配信を受けた者(本明細書において、動画広告の配信を受けた者を「視聴者」と言う。)が実際に広告を見たか否かを判断することは容易ではない。1枚の静止画であれば、クリックの直後にその全てが表示されるので、クリックがあったことをもって見たものと推定することもできる。しかし、動画の場合には全てを見るには時間を要するため、その時間全体にわたって視聴者が動画を見たか否かを知ることは困難である。視聴者の使用するコンピュータの画面に動画広告が表示されたとしても、視聴者が実際にその動画に視線を向けていた(視聴した)ことが確認できるものではない。
【0004】
この問題の対策として、特許文献2には、広告の表示が完了(動画を最後まで再生)した時にクーポン情報を表示(広告を見たと判断)するシステムが開示されている。しかし、視聴者が他のホームページへの移動等によって動画の再生を停止させることなく動画が再生されたことが判断されるのみであり、再生された動画を実際に視聴したか否かは不明である。
【0005】
また、特許文献3には、表示後に広告の内容に基づき正解が導かれるクイズを表示し、そのクイズの回答によって実際に視聴したか否かを判断するシステムが開示されている。このシステムによれば、実際に視聴したか否かを高精度で判断できる。しかし、視聴者はクイズに回答するために動画の内容を記憶又は理解せねばならず、大きな負担を強いられてしまう。また、広告主(又は広告配信業者)はクイズの問題を作成することとなり、そのために大きな労力を費やすこととなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2000−501868号公報
【特許文献2】特開2005−284555号公報
【特許文献3】特開2000−183590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、視聴者に大きな負担を強いることなく、動画広告の要部を実際に視聴したことを確認する動画広告の視聴確認システム、及び該システムを活用した動画広告の視聴確認方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
動画広告の要部が表示されている時に視聴者による操作を求めることで、視聴者が動画広告の表示された画面に視線を向けることを実現する。要部の定め方及び求められる具体的な操作については後述する。
【0009】
本発明の動画広告の視聴確認システムは、
インターネットを介して提供した動画広告の視聴を確認するシステムであって、
動画中の1つまたは2つ以上の区間に関する情報を視聴者に伝達する区間指示機能と、
動画の1時点のスクリーンショットを1つまたは2つ以上視聴者から受信する画面受信機能と、
前記画面受信機能によって受信された前記スクリーンショットが前記動画の前記区間に含まれるものであるか否かを判定する視聴判定機能とを備え、
前記視聴判定機能によって前記動画の前記区間に含まれるものであると判定された場合に視聴されたと確認することを特徴とする。
【0010】
視聴者は、指示された区間(動画中の一定の時間帯)に含まれる時点において、スクリーンショットを記録する必要がある。このため、動画を実際に視聴する。
【0011】
本発明の動画広告の視聴確認システムは、
前記区間は、前記動画の中のセリフを含む時間帯とその直後の猶予時間帯とからなる区間であることを特徴とする。
【0012】
動画広告の中にセリフが含まれる場合、セリフを含む時間帯を確実に視聴してもらうことができる。例えば、動画広告中の製品名や製品の特長を示すセリフを使用することができる。視聴者はセリフを確認してスナップショットを取得する操作をするので、セリフを含む時間帯の直後におけるその操作に必要な時間(例えば5秒)を猶予時間帯として区間に含める。
【0013】
前記動画に含まれる音声に係る音声認識を行い、前記音声認識の結果に基づいて前記セリフを抽出するセリフ抽出機能を備えることを特徴とする。
【0014】
動画広告の広告主がセリフを選択しない場合にも、自動的にセリフを抽出し、区間を定めることができる。
【0015】
本発明の動画広告の視聴確認システムは、
前記区間指示機能は、前記セリフ抽出機能によって抽出されたセリフのうちの1つまたは2つ以上を視聴者に伝達することを特徴とする。
【0016】
視聴者に伝達されるセリフは、1つでなく2つ以上であってもよい。2つ以上のセリフが伝達される場合には、それらの全てのスクリーンショットを要求しても、いずれか1つのスクリーンショットを要求しても、3つのセリフのうち2つ以上のように他の要求をしてもよい。
【0017】
本発明の動画広告の視聴確認方法は、
インターネットを介して提供した動画広告の視聴を確認する方法であって、
動画中の1つまたは2つ以上の区間に関する情報を視聴者に伝達する区間指示処理と、
動画の1時点のスクリーンショットを1つまたは2つ以上視聴者から受信する画面受信処理と、
前記画面受信機能によって受信された前記スクリーンショットが前記動画の前記区間に含まれるものであるか否かを判定する視聴判定処理とを備え、
前記視聴処理において前記動画の前記区間に含まれるものであると判定された場合に視聴されたと確認することを特徴とする。
【0018】
本発明の動画広告の視聴確認方法は、
前記区間は、前記動画の中のセリフを含む時間帯とその直後の猶予時間帯とからなる区間であることを特徴とする。
【0019】
本発明の動画広告の視聴確認方法は、
前記動画に含まれる音声に係る音声認識を行い、前記音声認識の結果に基づいて前記セリフを抽出するセリフ抽出処理を備え、
前記区間指示処理は、前記セリフ抽出処理において抽出されたセリフのうちの1つまたは2つ以上を視聴者に伝達することを特徴とする。
【0020】
動画広告の視聴確認システムを用いて行うことのできる動画広告の視聴確認方法である。むろん、処理の一部を動画広告の視聴確認システム以外のものを用いて行ってもよい。
【発明の効果】
【0021】
動画広告の要部が表示されている時に視聴者による操作を求めることで、視聴者が動画広告の表示された画面に視線を向けることを実現し、視聴者に大きな負担を強いることなく、動画広告の要部を実際に視聴したことを確認する動画広告の視聴確認システムを提供することができる。また、該動画広告の視聴確認システムを活用した動画広告の視聴確認方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、動画広告の視聴確認システムの構成を示す図である。
図2図2は、区間データを示す図である。
図3図3は、視聴者端末機に表示される画面の例を示す図である。
図4図4は、視聴判定機能の処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、動画広告の視聴確認システムの構成及び該システムを活用した動画広告の視聴確認方法について、実施例として説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、動画広告の視聴確認システムの構成を示す図である。動画広告の視聴確認システム1には、ネットワーク2を介して視聴者端末機3が接続されている。視聴者端末機3は、パーソナルコンピュータ、スマートホンを含む。
【0025】
動画広告の視聴確認システム1は、セリフ抽出機能11、広告配信機能12、区間指示機能13、画面受信機能14及び視聴判定機能15を備え、動画データ16、区間データ17及びスクリーンショットデータ18を保持している。図において、矢印は、各機能による各データの読取、書込を示す。
【0026】
図2は、区間データを示す図である。区間データ17は、各々の区間について、開始時刻、終了時刻、猶予時間及び内容を含む。開始時刻及び終了時刻は、動画の先頭からの時間である。内容は、その区間に含まれるセリフ、画像等を示す。
【0027】
区間データ17は、音声認識確度及び送信設定を含んでもよい。セリフ抽出機能11によって抽出されたセリフについて音声認識の確からしさ(確度)を保持し、これを加味して、区間指示機能13が視聴者端末3に送信する際に用いる区間を設定(送信設定)することができる。
【0028】
以下、動画広告の視聴確認システムの処理、及びその処理による動画広告の視聴確認方法を説明する。
【0029】
配信される動画広告は、動画データ16として保存されている。広告配信機能12は、動画データ16を視聴者端末3に配信する。その際、区間指定機能13が合わせて動作し、区間の指定を視聴者端末3に配信(表示)する。
【0030】
区間の指定を配信するためには、指定対象となる区間の情報が必要である。この情報は区間データ17に含まれているが、広告主が動画データ16を作成することのみで求められる情報ではない。広告配信開始前に区間データ17を生成しなければならない。
【0031】
区間データ17を編集可能とし、広告主が、主体的に定めた区間を区間データ17として格納・保存してもよい。開始時刻、終了時刻、猶予時間及び内容を編集(入力)することは困難ではない。例えば、動画広告の中に視聴者に伝えたいメッセージがセリフとして含まれている場合に、そのセリフを含む区間を指定することができる。視聴者はそのセリフを聞き逃さないように注意深く動画広告を視聴することが期待される。
【0032】
また、セリフ抽出機能11が動画データ16に含まれるサウンドに対して音声認識を行い、セリフを抽出してもよい。セリフ抽出機能11は、音声認識によって抽出されたセリフ(言語的内容を有する人の声)について、動画データ16内の位置に基づいて開始時刻及び終了時刻を求め、音声認識された言語的内容から内容を構成して(音声認識された言語的内容の前に「(セリフ)」を付して)、これらを区間データ17に追加する。この際、音声認識確度をも区間データ17に追加することが好ましい。音声認識確度は、音声認識にあたり、データ中の音声が認識結果の言語的内容である確率を示すもので、音声認識処理において求められるものである。
【0033】
動画データ16には多くのセリフが含まれる場合が多い。そこで、区間指定機能13が視聴者端末3に配信(表示)する対象の区間を選択し、選択された区間について送信設定にその旨の情報(図では「〇」で示す。)を追加する。かかる選択は、少なくとも以下の2通りの方法で行い得る。
【0034】
区間データ17を編集可能とし、広告主(又は広告配信業者)が、区間データに含まれるセリフから1又は2以上を選択して、そのセリフに係る送信設定を更新する。この際、音声認識の誤りがある場合には内容を修正することができる。また、セリフやセリフと合わせて表示される動画等の内容に基づいて猶予時間を設定することもできる。なお、猶予時間は規定値(例えば5秒)とし、必要な場合にのみ変更することとしてもよい。
【0035】
セリフ抽出機能11がセリフを選択して送信設定を更新する。選択は、全てのセリフの中からランダムに選択する、動画データの後半にあるセリフからランダムに選択する(視聴者が動画データの多くに視聴するようにさせる)、所定の時間長さを有するセリフから選択する(視聴者が確実に聞き取れるセリフを選択させる)、所定の値以上の音声認識確度を有するセリフから選択する(音声認識による内容の誤りを減少させる)、その他の方法で行うことができる。システムが自動的にセリフを選択するので、広告主(又は広告配信業者)の手間が緩和される。なお、自動的に選択された結果の区間データ17を編集可能とし、広告主(又は広告配信業者)が必要に応じて修正することとしてもよい。
【0036】
以上、広告配信開始前における区間データ17の生成について説明した。以下、広告配信について説明する。1度生成された区間データ17は、その後の広告配信に継続して使用される。
【0037】
広告配信機能12は、動画データ16を視聴者端末3に配信する。その際、区間指定機能13が合わせて動作し、区間の指定を視聴者端末3に配信(表示)する。区間指定機能13は、区間データ17の配信設定に基づいて区間を選択する。本実施例では、「抜群の使いやすさ」のセリフを含む区間が選択される。
【0038】
図3は、視聴者端末機に表示される画面の例を示す図である。表示画面4は、インターネットのホームページとしてブラウザによって表示され、動画表示域41、区間指示表示42及び送信ボタン43が含まれる。なお、送信ボタン43はなくともよい。
【0039】
動画表示域41には、広告配信機能12によって配信された動画が表示される。動画の再生、一時停止のボタンなどを合わせて表示することが好ましい。
【0040】
区間指示表示42は、区間指定機能13が配信するものであり、動画表示域41内に動画と合わせて表示される。本実施例では、選択された「抜群の使いやすさ」のセリフに「のセリフが言われている画面を送信」と付加して視聴者の作業をガイドし、「ポイント獲得」と付加して視聴者に画面(スクリーンショット)を送信するように促す。具体的にどのような表示を行うかについては、広告の目的に応じて設計することができる。
【0041】
視聴者は、「抜群の使いやすさ」のセリフが言われている間に、又は言われた直後にスクリーンショットを取得し、クーポン、ポイント等の取得のための情報(例えば登録したID)と合わせて送信する。
【0042】
視聴者端末3がパーソナルコンピュータである場合、動画再生中にプリントスクリーンキー(PrtScrと表示されているキー)を押下することで、スクリーンショットをクリップボードに取得することができる。これをイメージファイルとして電子メールに添付し、メール本文にポイント等の取得のための情報を記載する。
【0043】
視聴者端末3がスマートホンである場合、動画再生中にカメラ操作を行うことでスクリーンショットが静止画として保存される。静止画をメール送信する機能を利用し、メール本文にポイント等の取得のための情報を記載する。
【0044】
以上のように、スクリーンショットを添付ファイルとする電子メールを生成することは複雑な操作ではない。しかし、不慣れな視聴者のために送信ボタン43を設けることが好ましい。視聴者が送信ボタンを押下すると、スクリーンショットが取得され、それを添付ファイルとした電子メールが表示される。視聴者は、メール本文にポイント等の取得のための情報を記載する。
【0045】
視聴者が電子メールを送信すると、画面受信機能14によって受信される。画面受信機能14は、添付ファイルのスクリーンショットをスクリーンショットデータ18に追加する。その際、ポイント等の取得のための情報を合わせてスクリーンショットデータ18に保存することが好ましい。
【0046】
視聴判定機能15は、スクリーンショットデータ18のそれぞれについて、それが動画データ16のうちの区間指定機能13が視聴者端末3に配信した対象の区間のものであるか否かを判定する。図4は、視聴判定機能の処理を示す図である。
【0047】
視聴判定機能15は、ステップ51において、スクリーンショットから動画画像部分を抽出する。スクリーンショットには表示画面4の全体が含まれるので、そこから動画画像部分を抽出するものである。かかる抽出は、動画表示域41の枠(長方形)を検出する等の公知の手法によって容易に行うことができる。
【0048】
視聴判定機能15は、ステップ52において、動画データ16から開始時刻のフレーム(画像)を読み取る。区間データ17のうち区間指定機能13が視聴者端末3に配信した対象の区間に係る開始時刻により、フレームが特定される。
【0049】
視聴判定機能15は、ステップ53において、フレームの画像と抽出された動画画像が一致するか否か(視聴者端末の画面解像度に起因する変化を除き同一か否か)を判定する。かかる判定は、解像度を合わせてピクセル毎の色を比較する、画像から求めた特徴量を抽出して比較する、その他の既知の方法を用いることができる。一致する場合には、視聴された旨の肯定的判定をする。
【0050】
一致しない場合には、視聴判定機能15は、次のフレームの画像(例えば、動画データのフレームレートが60Hzであれば、60分の1秒後の動画画像)に対して同様の処理を行う。この処理を時刻が「終了時刻+猶予時間」となるまで繰り返し、いずれかのフレームの画像と抽出された動画画像が一致する場合には肯定的判定をする。いずれのフレームの画像も抽出された動画画像と一致しない場合には、視聴されなかった旨の否定的判定をする(ステップ53、54、55)。
【0051】
肯定的判定が行われた場合には、謝礼の支払、クーポンの贈呈等を行う。この処理は、特許文献1に開示されたような公知のものでよい。
【0052】
以上詳細に説明したように、本発明の動画広告の視聴確認システムによれば、視聴者に大きな負担を強いることなく動画広告の要部を実際に視聴したことを確認することができる。発明の実装の形態によって、動画が提供されれば他の処理をシステムが自動的に行うことができ、広告主(又は広告配信業者)は追加的な作業を必要としないようにすることができる。また、そのシステムを活用して動画広告の視聴確認方法が提供され、その方法を用いて実際に視聴した視聴者のみに謝礼の支払、クーポンの贈呈等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
視聴者に大きな負担を強いることなく動画広告の要部を実際に視聴したことを確認する動画広告の視聴確認システム、及び該動画広告の視聴確認システムを活用した動画広告の視聴確認方法である。多くの広告提供者による利用が考えられる。
【符号の説明】
【0054】
1 動画広告の視聴確認システム
11 セリフ抽出機能
12 広告配信機能
13 区間指示機能
14 画面受信機能
15 視聴判定機能
16 動画データ
17 区間データ
18 スクリーンショットデータ
2 ネットワーク
3 視聴者端末機
4 表示画面
41 動画表示域
42 区間指示表示
43 送信ボタン
51 動画画像部分抽出処理
52 フレーム読取処理
53 一致判定処理
54 フレーム読取処理
55 時刻管理処理
図1
図2
図3
図4