(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222777
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】頭髪用ブラシ
(51)【国際特許分類】
A46B 15/00 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
A46B15/00 E
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-513331(P2014-513331)
(86)(22)【出願日】2012年5月2日
(86)【国際出願番号】JP2012061613
(87)【国際公開番号】WO2013164893
(87)【国際公開日】20131107
【審査請求日】2014年9月8日
【審判番号】不服2016-11484(P2016-11484/J1)
【審判請求日】2016年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】507191566
【氏名又は名称】エス・ハート・エス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】木下 恵
【合議体】
【審判長】
長屋 陽二郎
【審判官】
内藤 真徳
【審判官】
関谷 一夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−6038(JP,A)
【文献】
特開2000−262328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 15/00 E
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部の表面側から起立する長短をなす複数のブリッセルと、
当該ベース部の長手方向に設けられた柄部と、を備え、
当該柄部と前記ベース部との長さ比率を1:1.5〜1:2となるように設定し、
前記ベース部よりも低くした柄部の底部から0.5cm〜2.0cmの範囲内で起立させるとともに、前記長短をなすブリッセルのうち、短いブリッセルよりも低く設定した突起片とを設け、
当該突起片の後端側の柄部を自由端となるように突出させ、
前記ベース部と突起片との間の柄部に薬指を位置させて突起片に係止させるとともに、当該突起片の後端側の突出した柄部に小指を位置させた状態で、ベース部の背面側を親指と人差指で挟み込ませるようにしたことを特徴とする頭髪用ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部に使用される頭髪用ブラシに関するものであり、より詳しくは、柄部に特徴を有する頭髪用ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、頭髪用ブラシは、複数本のブリッセルから成るブラシ部と、このブラシ部を動かすための柄部とを有するように構成されている。ところで、このような頭髪用ブラシを使用する場合、洗面所や浴室などのような濡れた場所で使用すると、手が滑ってしまう可能性がある。このため、柄部に連続する波状の凹凸を設けるようにしたものが提案されている(特許文献1、特許文献2)。このような波状の凹凸を設ければ、その凹凸によって手の滑りを防止することができるため、洗面所や浴室などのような濡れた場所で使用する場合であっても快適に使用することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−95727号公報
【特許文献2】意匠登録第1297685号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の頭髪用ブラシにおいても次のような問題がある。
【0005】
すなわち、上述のような柄部に凹凸を設けるようにした場合であっても、シャンプーや石鹸などの界面活性剤が付着すると、どうしても手が滑ってしまうため、柄部を強く握らなければならなってしまう。
【0006】
また、このように手の滑りを防止するためには、柄部をしっかりと握れるように比較的長めに設定すればよいが、このように柄部を長めに設定した場合は、どうしても頭髪用ブラシ全体が大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたもので、濡れた状態で使用する場合であっても確実に手の滑りを防止することができるようにするとともに、柄部を短くした場合であっても柄部をしっかりと握れるようにした頭髪用ブラシを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の頭髪用ブラシは、ベース部の表面側から起立する
長短をなす複数のブリッセルと、当該ベース部の長手方向に設けら
れた柄部と、を備え、当該柄部と前記ベース部との長さ比率を1:1.5〜1:2となるように設定し、前記ベース部よりも低くした柄部の底部から0.5cm〜2.0cmの範囲内で起立させるとともに、前記長短をなすブリッセルのうち、短いブリッセルよりも低く設定した突起片とを設け、当該突起片の後端側の柄部を自由端となるように突出させ、前記ベース部と突起片との間の柄部に薬指を位置させて突起片に係止させるとともに、当該突起片の後端側の突出した柄部に小指を位置させた状態で、ベース部の背面側を親指と人差指で挟み込ませるようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、突起片に指を当てて止めることができ、手全体で柄部を強く握らなくても石鹸やシャンプーなどで手が滑ってしまうことがなくなる。しかも、その突起片に指を当てて止めることで、そこを中心としてブラシ部の裏側を押圧してモーメントを付与することができ、これによって力強く頭皮をマッサージしたり、頭髪を解かしたりすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第一の実施の形態における頭髪用ブラシの正面図
【
図3】同形態における頭髪用ブラシのフレームを示す平面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態における頭髪用ブラシ1の構成ついて、図面を参照しながら説明する。
【0012】
この実施の形態における頭髪用ブラシ1は、浴室や洗面所、美容室などで使用されるものであって、
図1に示すように、複数のブリッセル30からなるブラシ部3と、このブラシ部3のブリッセル30を植毛するベース部21および柄部23からなるフレーム2とを有して構成されている。そして、特徴的には、このフレーム2の柄部23の表面側に突起片4を設け、この突起片4に指の側面を当接させて使用できるようにしたものである。以下、本実施の形態における頭髪用ブラシ1について詳細に説明する。なお、説明の関係上、フレーム2の長手方向におけるブラシ部3を有する側を先端側(柄部23側を後端側)とし、また、フレーム2におけるブラシ部3を有する面側を表面側(その裏側を背面側)として説明する。
【0013】
この頭髪用ブラシ1のフレーム2は、プラスチックなどの樹脂によって構成されるものであって、長手方向に沿ってベース部21および柄部23を一体的に有するように構成されている。ここでベース部21とは、フレーム2の長手方向における先端側からブリッセル30の後端側までを示すものとし、柄部23とは、そのブリッセル30の後端側からフレーム2の後端部分までを示すものとする。
【0014】
このベース部21の表面側には、
図3に示すように、複数の微小孔22が設けられており、この微小孔22にブリッセル30を挿入して固定させている。このブリッセル30を挿入させる場合、一本の細い可撓性線材を長さが異なるように180度屈曲させ、その屈曲部分を微小孔22に挿入して固定させるようにしている。このため、ベース部21の表面側には、長いブリッセル31と短いブリッセル32が対をなして複数設けられることになる。
【0015】
このベース部21の後端側に設けられる柄部23は、ベース部21よりも長手方向の寸法が短くなるように構成されるものであって、これによって、全体的にコンパクトにできるようにしている。ここで、この柄部23とベース部21との長さ寸法の比率については、「柄部:ベース部≒1:1.5〜1:2」となるように設定され、これによって、収納時に場所を取らないようにしている。
【0016】
そして、特徴的には、このような柄部23の表面側に、人間の指を引っ掛けるための突起片4を設けるようにしている(
図1、
図2参照)。この突起片4は、フレーム2の長手方向を横切るような方向(この実施の形態では長手方向に垂直な方向)に起立する面状のものであって、人間の指の側面を当接させるように構成される。これによって、石鹸やシャンプーなどが付着した場合であっても、柄部23から手が滑べり落ちないようにするとともに、また、使用時においては、その突起片4に係止された指を中心としてベース部21の背面側を押圧させ、これによって、ブラシ部3に大きなモーメントを付与させるようにしている。
【0017】
この突起片4の起立位置については、可能な限り頭髪用ブラシ1全体をコンパクトにできるように、ブリッセル30の後端側との隙間に中指と薬指が丁度収まるような位置に起立させ、また、小指をその突起片4の後端側の柄部23に位置させるようにしている。このように、小指を突起片4の後端側に位置させるようにすれば、小指を握りしめることによって突起片4に係止された薬指を中心としてブラシ部3に大きなモーメントを付与することができるとともに、柄部23を全体的にしっかりと握らせることができるというメリットがある。
【0018】
ところで、このような突起片4をブラシ部3の近くに設ける場合、その突起片4の高さが高いと、その突起片4が頭部に当たってしまう可能性がある。そこで、柄部23の表面側にベース部21の表面側の高さ位置よりも低い低部24を形成し、その低部24から突起片4を起立させるようにしている。また、このとき、その突起片4の高さ位置については、短いブリッセル32の高さ位置よりも低くなるようにしておく。具体的には、この突起片4の高さ寸法については、上限値を2.0cm以下としておくのが好ましいが、使用者の指の厚みからはみ出してしまう場合は、1.5cm以下の範囲内にしておくとよい。また、突起片4の高さ寸法の下限値については、0.5cm以上とすれば手の滑りをある程度防止できるが、より確実に滑りを防止するためには、少なくとも1.0cm以上としておくのが好ましい。すなわち、この突起片4の高さ寸法を0.5cm〜2.0cm(好ましくは、1.0cm〜1.5cm)としておく。なお、ここでは短いブリッセル32よりも低くなるように突起片4を設けるようにしているが、長いブリッセル31だけでブラシ部3が構成されている場合は、その長いブリッセル31よりも短くしておけばよく、あるいは、短いブリッセル32よりも高くしても頭皮に突起片4が当たらない場合は、短いブリッセル32と長いブリッセル31の中間位の高さにしておいてもよい。
【0019】
次に、このように構成された頭髪用ブラシ1の使用状態を説明する。
【0020】
このように構成された頭髪用ブラシ1を使用する場合、突起片4とブラシ部3との間の柄部23に中指と薬指を位置させるとともに、突起片4の後端側の柄部23に小指を位置させ、薬指と小指によって突起片4を挟み込ませるようにする。また、これと同時に、ベース部21の背面側を親指と人差指で挟み込ませるようにする。
【0021】
そして、このように頭髪用ブラシ1を把持させて使用させる場合、頭皮を押圧しながらブラシ部3を前後左右に移動させる。このとき、この頭髪用ブラシ1は、柄部23が非常に短く構成されているが、突起片4に当接する薬指を中心にベース部21の背面側を押圧するとともに、小指で柄部23を握り締めることによって、ブラシ部3に頭皮側へ押圧させる大きなモーメントを付与させることができる。しかも、ブラシ部3を長手方向に沿って移動させる場合、突起片4によって薬指が固定されるため、石鹸やシャンプーなどによって手が滑り落ちてしまうようなことがなくなる。
【0022】
また、頭皮を更に強く押圧させる際、短いブリッセル32によって頭皮が押圧させることになるが、この突起片4の高さが短いブリッセル32よりも低くなっているため、突起片4が頭皮に当たってしまうようなことがなくなる。
【0023】
しかも、この突起片4を設ける場合、ベース部21よりも低く設定された低部24に突起片4を設けるようにしているため、突起片4の高さをある程度高くした場合であっても、その突起片4を頭皮に当接させることがなくなる。
【0024】
このように上記実施の形態によれば、ベース部21の表面側から起立する
長短をなす複数のブリッセル30(31、32)と、当該ベース部21の長手方向に設けら
れた柄部23とを備え、当該柄部23と前記ベース部21との長さ比率を1:1.5〜1:2となるように設定し、前記ベース部21よりも低くした柄部23の底部24から0.5cm〜2.0cmの範囲内で起立させるとともに、前記長短をなすブリッセル30のうち短いブリッセル32よりも低く設定した突起片4とを設け、当該突起片4の後端側の柄部23を自由端となるように突出させ、前記ベース部21と突起片4との間の柄部23に薬指を位置させて突起片4に係止させるとともに、当該突起片4の後端側の突出した柄部23に小指を位置させた状態で、ベース部21の背面側を親指と人差指で挟み込ませるようにしたので、突起片4に指を当てて止めることができ、手全体で柄部23を強く握らなくても石鹸やシャンプーなどで手が滑ってしまうことがなくなる。しかも、その突起片4に指を当てて止めることで、そこを中心としてブラシ部3の裏側を押圧してモーメントを付与することができ、これによって強い力で頭皮をマッサージしたり、頭髪を解かしたりすることができるようになる。
【0025】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施させることができる。
【0026】
例えば、上記実施の形態では、薬指を突起片4に当接させるようにしているが、中指を当接させるようにしてもよい。但し、中指を当接させる場合は、大きなモーメントをブラシ部3に付与させることが難しくなるため、突起片4の後端側に柄部23を延出させるようにしておくとより良い。
【0027】
さらに、上記実施の形態では、突起片4を一つだけ設けるようにしているが、複数個設けるようにしてもよい。
【0028】
加えて、この突起片4の形状については、扁平状のものに限らず、指を係止させるようにするものであればどのような形状のものであってもよい。
【0029】
また、上記実施の形態においては頭髪用として説明したが、頭髪用に限らず、顔面、皮膚、その他の人体に使用する場合にも使用できる。このため、本発明における「頭髪用ブラシ」とは、主として頭髪用に使用されるブラシを意味するものとする。
【符号の説明】
【0030】
1・・・頭髪用ブラシ
2・・・フレーム
21・・・ベース部
22・・・微小孔
23・・・柄部
24・・・低部
3・・・ブラシ部
30・・・ブリッセル
31・・・長いブリッセル
32・・・短いブリッセル
4・・・突起片