(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る群管理装置を備える基板処理システムの概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る基板処理装置及び群管理装置のブロック構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る群管理装置により作成されるファイル群(組合せファイル)の内容を示す概念図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る群管理装置によりファイル群(組合せファイル)が作成される様子を示す概念図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る群管理装置によりファイルが取得され、ファイル群(組合せファイル)が作成され、ファイル群(組合せファイル)が転送される様子を示す概念図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る群管理装置のデータ表示部に表示される画面の一例を示す概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る群管理装置のデータ表示部に表示される画面の一例を示す概略図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る群管理装置により作成されるファイル群(組合せファイル)の他の例を示す概念図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の斜透視図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の側面透視図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る基板処理装置が備える処理炉の縦断面図である。
【
図12】従来の群管理装置において、関連ファイルの取得漏れが発生する様子を示す概念図である。
【
図13】本発明の他の実施形態に係る群管理装置により作成されるファイル群(組合せファイル)の例を示す概念図である。
【
図14】本発明の他の実施形態に係る群管理装置により作成される出荷パラメータ確認用ファイル群(エクスポートファイル)の実施例を示す図である。
【
図15】本発明の他の実施形態に係る群管理装置により作成されるHDD故障対応用ファイル群(エクスポートファイル)の実施例を示す図である。
【
図16】本発明の他の実施形態に係る群管理装置により作成されるメンテ後戻し忘れ防止用ファイル群(エクスポートファイル)の実施例を示す図である。
【0010】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
(1)基板処理システムの構成
まず、本発明の一実施形態にかかる基板処理システムの構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る基板処理システムの概略構成図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る基板処理システムは、少なくとも一台の基板処理装置100と、基板処理装置100とデータ交換可能なように接続される群管理装置500と、を備えている。基板処理装置100と群管理装置500との間は、例えば構内回線(LAN)や広域回線(WAN)等のネットワーク400により接続されている。
【0013】
(2)基板処理装置の構成
続いて、本実施形態に係る基板処理装置100の構成について、主に
図9及び
図10を参照しながら説明する。
図9は、本実施形態に係る基板処理装置100の斜透視図である。
図10は、本実施形態に係る基板処理装置100の側面透視図である。なお、本実施形態に係る基板処理装置100は、例えばウエハ等の基板に酸化、拡散処理、CVD処理などを行なう縦型の装置として構成されている。
【0014】
図9及び
図10に示すように、本実施形態に係る基板処理装置100は、耐圧容器として構成された筐体111を備えている。筐体111の正面壁111aの正面前方には、メンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口103が設けられている。正面メンテナンス口103には、正面メンテナンス口103を開閉する正面メンテナンス扉104が設けられている。
【0015】
シリコン(Si)等で構成される基板としてのウエハ200を筐体111内外へ搬送するには、複数のウエハ200を収納するウエハキャリア(基板収容器)としてのポッド110が使用される。筐体111の正面壁111aには、ポッド搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が、筐体111内外を連通するように開設されている。ポッド搬入搬出口112は、フロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるように構成されている。ポッド搬入搬出口112の正面下方側には、ロードポート(基板収容器受渡し台)114が設置されている。ポッド110は、工程内搬送装置によって搬送され、ロードポート114上に載置されて位置合わせされるように構成されている。
【0016】
筐体111内におけるロードポート114の近傍には、ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されている。筐体111内のポッド搬送装置118のさらに奥、筐体111内の前後方向の略中央部における上方には、回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105が設置されている。
【0017】
ポッド搬送装置118は、ポッド110を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと、搬送機構としてのポッド搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されている。ポッド搬送装置118は、ポッドエレベータ118aとポッド搬送機構118bとの連続動作により、ロードポート114と、回転式ポッド棚105と、ポッドオープナ121との間で、ポッド110を相互に搬送するように構成されている。
【0018】
回転式ポッド棚105上には複数個のポッド110が保管されるように構成されている。回転式ポッド棚105は、垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱116と、支柱116に上中下段の各位置において放射状に支持された複数枚の棚板(基板収容器載置台)117と、を備えている。複数枚の棚板117は、ポッド110を複数個それぞれ載置した状態で保持するように構成されている。
【0019】
筐体111内の下部には、サブ筐体119が、筐体111内の前後方向の略中央部から後端にわたって設けられている。サブ筐体119の正面壁119aには、ウエハ200をサブ筐体119内外に搬送する一対のウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が、垂直方向に上下二段に並べられて設けられている。上下段のウエハ搬入搬出口120のそれぞれには、ポッドオープナ(基板収容器蓋体開閉機構)121が設置されている。
【0020】
各ポッドオープナ121は、ポッド110を載置する一対の載置台122と、ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構(蓋体着脱機構)123とを備えている。ポッドオープナ121は、載置台122上に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより、ポッド110のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0021】
サブ筐体119内には、ポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105等が設置された空間から流体的に隔絶された移載室124が構成されている。移載室124の前側領域にはウエハ移載機構(基板移載機構)125が設置されている。ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125aと、ウエハ移載装置125aを昇降させるウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとで構成されている。ウエハ移載装置エレベータ125bは、サブ筐体119の移載室124前方領域右端部と筐体111右側端部との間に設置されている(
図9参照)。ウエハ移載装置125aは、ウエハ200の載置部としてのツイーザ(基板保持体)125cを備えている。これらウエハ移載装置エレベータ125b及びウエハ移載装置125aの連続動作により、ウエハ200をボート(基板保持具)217に対して装填(チャージング)及び脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
【0022】
移載室124の後側領域には、ボート217を収容して待機させる待機部126が構成されている。待機部126の上方には、ウエハ200を処理する処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は、炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。なお、処理炉202の構成については後述する。
【0023】
サブ筐体119の待機部126の右端部と筐体111右側端部との間には、ボート217を昇降させるためのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置されている(
図9参照)。ボートエレベータ115の昇降台には、連結具としてのアーム128が連結されている。アーム128には、炉口蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられている。シールキャップ219は、ボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
【0024】
ボート217は、複数枚(例えば、50枚〜125枚程度)のウエハ200を、その中心を揃えて垂直方向に整列させた状態でそれぞれ水平に保持するように構成されている。
【0025】
図9に示すように、移載室124のウエハ移載装置エレベータ125b側及びボートエレベータ115側と反対側である左側端部には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエア133を供給するよう供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134が設置されている。クリーンユニット134から吹き出されたクリーンエア133は、ノッチ合わせ装置、ウエハ移載装置125a、待機部126にあるボート217の周囲を流通した後、ダクトにより吸い込まれて筐体111の外部に排気されるか、もしくはクリーンユニット134の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環されてクリーンユニット134によって移載室124内に再び吹き出されるように構成されている。
【0026】
(3)基板処理装置の動作
次に、本実施形態に係る基板処理装置100の動作について、主に
図9及び
図10を参照しながら説明する。以下の動作は、例えば搬送レシピに基づいて実施される。搬送レシピは、基板処理装置100内のウエハ200の搬送に用いられ、例えば基板処理を行うプロセスレシピと併用されて基板処理工程に適用される。
【0027】
図9及び
図10に示すように、ポッド110がロードポート114に供給されると、ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放される。そして、ロードポート114上のポッド110は、ポッド搬送装置118によってポッド搬入搬出口112から筐体111内部へと搬入される。
【0028】
筐体111内部へと搬入されたポッド110は、ポッド搬送装置118によって回転式ポッド棚105の棚板117上へ自動的に搬送されて一時的に保管された後、棚板117上から一方のポッドオープナ121の載置台122上に移載される。なお、筐体111内部へと搬入されたポッド110は、ポッド搬送装置118によって直接ポッドオープナ121の載置台122上に移載されてもよい。ポッドオープナ121のウエハ搬入搬出口120はキャップ着脱機構123によって閉じられており、移載室124内にはクリーンエア133が流通され、充満されている。例えば、不活性ガス等のクリーンエア133で移載室124内が充満されることにより、移載室124内の酸素濃度が例えば20ppm以下となり、大気雰囲気である筐体111内の酸素濃度よりも遥かに低くなるように設定されている。
【0029】
載置台122上に載置されたポッド110は、その開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され、ウエハ出し入れ口が開放される。その後、ウエハ200は、ウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってウエハ出し入れ口を通じてポッド110内からピックアップされ、ノッチ合わせ装置にて円周方向の位置合わせがされた後、移載室124の後方にある待機部126内へ搬入され、ボート217内に装填(チャージング)される。ボート217内にウエハ200を装填したウエハ移載装置125aは、ポッド110に戻り、次のウエハ200をボート217内に
装填する。
【0030】
ウエハ移載機構125によって、一方(上段または下段)のポッドオープナ121からボート217へとウエハ200を装填する間に、他方(下段または上段)のポッドオープナ121の載置台122上には、別のポッド110が回転式ポッド棚105上からポッド搬送装置118によって搬送されて移載され、上記ウエハ200の装填作業と同時進行で、ポッドオープナ121によるポッド110の開放作業が行われる。
【0031】
予め指定された枚数のウエハ200がボート217内に装填されると、炉口シャッタ147によって閉じられていた処理炉202の下端部が開放される。続いて、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより、ウエハ200を保持したボート217が処理炉202内へ搬入(ボートローディング)される。
【0032】
ボートローディング後は、処理炉202内にてウエハ200に任意の処理が実施される。処理後は、ノッチ合わせ装置によるウエハ200の位置合わせを除き、上述の手順とほぼ逆の手順で、処理後のウエハ200を装填したボート217が処理室201内より搬出され、処理後のウエハ200を格納したポッド110が筐体111外へと搬出される。
【0033】
(4)処理炉の構成
続いて、本実施形態に係る処理炉202の構成について、
図11を用いて説明する。
図11は、本実施形態に係る基板処理装置100の処理炉202の縦断面図である。
【0034】
図11に示すように、処理炉202は、反応管としてのプロセスチューブ203を備えている。プロセスチューブ203は、内部反応管としてのインナーチューブ204と、その外側に設けられた外部反応管としてのアウターチューブ205と、を備えている。インナーチューブ204は、例えば石英(SiO
2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。インナーチューブ204内の筒中空部には、基板としてのウエハ200を処理する処理室201が形成されている。処理室201は、後述するボート217を収容可能なように構成されている。アウターチューブ205は、インナーチューブ204と同心円状に設けられている。アウターチューブ205は、内径がインナーチューブ204の外径よりも大きく、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。アウターチューブ205は、例えば石英または炭化シリコン等の耐熱性材料からなる。
【0035】
プロセスチューブ203の外側には、プロセスチューブ203の側壁面を囲うように、加熱機構としてのヒータ206が設けられている。ヒータ206は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース251に支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0036】
プロセスチューブ203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。ヒータ206と温度センサ263とには、温度制御部237が電気的に接続されている。温度制御部237は、温度センサ263により検出された温度情報に基づいて、処理室201内の温度が所望のタイミングにて所望の温度分布となるように、ヒータ206への供給電力を調整するように構成されている。
【0037】
アウターチューブ205の下方には、アウターチューブ205と同心円状になるように、マニホールド209が設けられている。マニホールド209は、例えばステンレス等からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209は、インナーチューブ204の下端部とアウターチューブ205の下端部とにそれぞれ係合しており、これらを支持するように設けられている。なお、マニホールド209とアウターチューブ205との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。プロセスチューブ203とマニホールド209とにより反応容器が形成される。
【0038】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、マニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は、例えばステンレス等の金属からなり、円板状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219は、プロセスチューブ203の外部に垂直に設備された昇降機構としてのボートエレベータ115によって、垂直方向に昇降されるように構成されている。シールキャップ219を昇降させることにより、ボート217を処理室201内外へ搬送することが可能なように構成されている。
【0039】
シールキャップ219の中心部付近であって処理室201と反対側には、ボートを回転させる回転機構254が設置されている。回転機構254の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217を下方から支持している。回転機構254は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させることが可能なように構成されている。
【0040】
回転機構254及びボートエレベータ115には、搬送制御部238が電気的に接続されている。搬送制御部238は、回転機構254及びボートエレベータ115が所望のタイミングにて所望の動作をするように、これらを制御するように構成されている。なお、搬送制御部238は、上述のポッドエレベータ118a、ポッド搬送機構118b、ポッドオープナ121、ウエハ移載装置125a、ウエハ移載装置エレベータ125b等にも電気的に接続され、これら構成各部が所望のタイミングにて所望の動作をするように、これらを制御するように構成されている。主に、ポッドエレベータ118a、ポッド搬送機構118b、ポッドオープナ121、ウエハ移載装置125a、ウエハ移載装置エレベータ125bにより、本実施形態に係る搬送系が構成される。
【0041】
基板保持具としてのボート217は、複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。ボート217は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる。ボート217の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる円板形状をした断熱部材としての断熱板216が水平姿勢で多段に複数枚配置されており、ヒータ206からの熱がマニホールド209側に伝わり難くなるように構成されている。
【0042】
シールキャップ219には、ガス導入部としてのノズル230が処理室201内に連通するように接続されている。ノズル230の上流端には、ガス供給管232の下流端が接続されている。ガス供給管232には、上流側から順に処理ガスや不活性ガス等の1つ又は複数のガス供給源、ガス流量制御器としてのMFC(マスフローコントローラ)241、1つ以上のバルブが設けられている。MFC241には、ガス流量制御部235が電気的に接続されている。ガス流量制御部235は、処理室201内に供給するガスの流量が所望のタイミングにて所望の流量となるように、MFC241を制御するように構成されている。主に、ノズル230、ガス供給管232、MFC241、バルブにより、本実施形態に係るガス供給系が構成されている。なお、ガス供給源をガス供給系に含めて考えてもよい。
【0043】
マニホールド209の側壁には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231は、インナーチューブ204とアウターチューブ205との隙間によって形成される筒状空間250の下端部に配置されており、筒状空間250に連通している。排気管231には、上流側から順に、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245、圧力調整装置としての例えばAPC(Auto Pressure Contoroller)バルブ242、及び真空排気装置としての真空ポンプ246が設けられている。APCバルブ242及び圧力センサ245には、圧力制御部236が電気的に接続されている。圧力制御部236は、圧力センサ245により検出された圧力値に基づいて、処理室201内の圧力が所望のタイミングにて所望の圧力となるように、APCバルブ242を制御するように構成されている。主に、排気管231、圧力センサ245、及びAPCバルブ242により本実施形態に係るガス排気系が構成されている。なお、真空ポンプ246をガス排気系に含めて考えてもよい。
【0044】
制御部としての基板処理装置用コントローラ240は、信号線Aを通じて温度制御部237を、信号線Bを通じて圧力制御部236を、信号線Cを通じてガス流量制御部235を、信号線Dを通じて搬送制御部238を、それぞれ制御するように構成されている。これら、ガス流量制御部235、圧力制御部236、温度制御部237、及び搬送制御部238は、基板処理装置用コントローラ240の構成の一部を成す。基板処理装置用コントローラ240の構成や動作については、後述する。
【0045】
(5)処理炉の動作
続いて、半導体装置の製造工程の一工程として、上述の処理炉202を用いて実施される基板処理工程について説明する。係る基板処理工程は、ウエハ200に所定の処理を施すプロセスレシピに基づいて繰り返し実行される。また、プロセスレシピには複数のステップが含まれることがある。本実施形態では、複数のステップを含むプロセスレシピに基づく基板処理工程の一例として、ウエハ200上に薄膜を形成する成膜処理工程について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置100を構成する各部の動作は基板処理装置用コントローラ240により制御される。
【0046】
(基板搬入工程)
まず、複数枚のウエハ200をボート217に装填(ウエハチャージ)し、複数枚のウエハ200を保持したボート217を、ボートエレベータ115によって持ち上げて処理室201内に搬入(ボートローディング)する。この状態で、シールキャップ219はOリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
【0047】
(圧力・温度調整工程)
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気する。この際、処理室201内の圧力を圧力センサ245で測定し、この測定した圧力値に基づきAPCバルブ242(の弁の開度)をフィードバック制御する(圧力調整)。また、処理室201内が所望の温度となるように、ヒータ206によって処理室201内を加熱する。この際、温度センサ263が検出した温度値に基づき、ヒータ206への供給電力をフィードバック制御する(温度調整)。続いて、回転機構254により、ボート217の回転、すなわちウエハ200の回転を開始する。圧力調整、温度調整、ウエハ200の回転は、少なくとも後述する成膜工程の終了まで継続する。
【0048】
(成膜工程)
処理室201内が、所望の圧力、所望の温度に達したら、ガス供給管232に設けられたバルブを開け、MCF241で流量制御しながら、処理室201内に処理ガスを供給する。処理室201内に供給された処理ガスは処理室201内を上昇し、インナーチューブ204の上端開口から筒状空間250内に流出して排気管231から排気される。処理ガスは、処理室201内を通過する際にウエハ200の表面と接触し、熱CVD反応によってウエハ200の表面上に薄膜が堆積(デポジション)される。予め設定された処理時間が経過したら、ガス供給管232に設けられたバルブを閉じ、処理室201内への処理ガスの供給を停止する。
【0049】
(パージ工程)
処理室201内への処理ガスの供給を停止した後、処理室201内にガス供給源から不活性ガスを供給し、処理室201内を不活性ガスで置換する。これにより、処理室201内に残留している残留ガスや反応生成物を除去する。
【0050】
(大気圧復帰・基板搬出工程)
パージ工程が完了したら、ヒータ206への電力供給を停止して処理室201内を降温させるとともに、APCバルブ242の開度を調整して処理室201内の圧力を大気圧に復帰させる。そして、上述した基板搬入工程に示した手順と逆の手順によりボート217を処理室201内から搬出(ボートアンロード)する。そして、処理済のウエハ200をボート217から脱装(ウエハディスチャージ)して、ポッド110内へ格納し、本実施形態に係る基板処理工程を終了する。
【0051】
(6)基板処理装置用コントローラの構成
続いて、本実施形態に係る基板処理装置100の制御部の構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る基板処理装置100及び群管理装置500のブロック構成図である。
【0052】
上述したように、基板処理装置100には、制御部としての基板処理装置用コントローラ240が電気的に接続されている。基板処理装置用コントローラ240は、中央処理装置(CPU)として構成された表示装置制御部(操作部)239と、処理制御部239aと、I/O制御部と、搬送制御部238と、メカ機構I/O238aと、通信手段としての通信制御部239bと、データ保持部239eと、表示手段としてのディスプレイ装置等のデータ表示部240aと、キーボード等の入力手段240bと、を備えるコンピュータとして構成されている。上述の処理制御部239a、搬送制御部238、通信制御部239b、データ保持部239e、データ表示部240a、入力手段240bは、内部バス等を介して、表示装置制御部239とデータ交換可能なように構成されている。
【0053】
(処理制御部)
処理制御部239aには、処理炉202を制御するI/O制御部(ガス流量制御部235、圧力制御部236、温度制御部237)がデータ交換可能なように接続されている。処理制御部239aは、I/O制御部を介して処理炉202の動作を制御すると共に、処理炉202の状態(温度、ガス流量、圧力等)を示すモニタデータを収集する(読み出す)ように構成されている。
【0054】
(搬送制御部)
搬送制御部238には、メカ機構I/O238aがデータ交換可能なように接続されている。メカ機構I/O238aには、基板処理装置100を構成する各部(例えばポッドエレベータ118a、ポッド搬送機構118b、ポッドオープナ121、ウエハ移載機構125、ボートエレベータ115、回転機構254等)が接続されている。搬送制御部238は、メカ機構I/O238aを介して基板処理装置100を構成する各部の動作を制御すると共に、基板処理装置100を構成する各部の状態(例えば位置、開閉状態、動作中であるかウエイト状態であるか等)を示すモニタデータを収集する(読み出す)ように構成されている。
【0055】
(データ保持部)
データ保持部239e内には、基板処理装置用コントローラ240に種々の機能を実現する制御プログラムが格納されている。また、データ保持部239e内には、例えば、I/O制御部(ガス流量制御部235、圧力制御部236、温度制御部237)や搬送制御部238から読み出したモニタデータ等が、読み出し可能に格納されている。データ保持部239eは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等で構成されている。
【0056】
また、データ保持部239e内には、設定ファイル280、及び設定ファイル280に関連する1つ以上の関連ファイル(以下、単に「関連ファイル」ともいう)281が読み出し可能に保持(格納)されている。設定ファイル280とは、例えば、処理炉202にて実施される基板処理工程の処理条件及び処理手順が定義されたプロセスレシピファイルである(
図3参照)。また、設定ファイル280に関連する関連ファイル281とは、例えば、サブレシピが記載されたサブレシピファイル、温度制御を行うPIDテーブルが記載された温度制御パラメータファイル、圧力制御を行うPIDテーブルが記載された圧力制御パラメータファイル、移載パラメータが記載された移載パラメータファイルである(
図3参照)。
【0057】
ここで、一般的に、プロセスレシピを実行するには、設定ファイル280(プロセスレシピファイル)の内容と、設定ファイル280(プロセスレシピファイル)に関連付けられた全ての関連ファイル281の内容とを読み出す必要がある。例えば、本実施形態では、設定ファイル280(プロセスレシピファイル)と、サブレシピファイル、温度制御パラメータファイル、圧力制御パラメータファイル、移載パラメータファイルの全ての関連ファイル281とを読み出すことで、プロセスレシピを実行することができる。なお、設定ファイル280に関連付けられる関連ファイル281の数は4つに限定されるものではなく、設定ファイル280によって適宜変更してもよい。すなわち、設定ファイル280に関連する関連ファイル281の数は3つ以下であってもよく、あるいは5つ以上であってもよい。
【0058】
設定ファイル280中には、設定ファイル280と関連ファイル281との組み合わせを示す組み合わせ定義情報282が記載されている。組み合わせ定義情報282は、設定ファイル280に関連する全ての関連ファイル281を示す。すなわち、本実施形態では、
図3に示すように、組み合わせ定義情報282には、サブレシピファイル、温度制御パラメータファイル、圧力制御パラメータファイル、移載パラメータファイルといった全ての関連ファイル281を特定する情報が示されている。
【0059】
なお、上述のプロセスレシピやサブレシピは、基板処理工程における各手順を基板処理装置用コントローラ240に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものである。前記基板処理装置用コントローラ240が、制御プログラムを実行することにより、設定レシピ280としてのプロセスレシピファイル及びサブレシピファイル、温度制御パラメータファイル、圧力制御パラメータファイル、移載パラメータファイルといった全ての関連ファイル281をそれぞれ読込んで、プロセスレシピやサブレシピの各ステップが実行される。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。
【0060】
(通信制御部)
通信制御部239bは、I/O制御部(ガス流量制御部235、圧力制御部236、温度制御部237)を介して読み出した処理炉202の状態(温度、ガス流量、圧力等)を示すモニタデータを、処理制御部239a及び表示装置制御部239を介して受信し、群管理装置500へ送信することが可能なように構成されている。また、通信制御部239bは、メカ機構I/O238aを介して読み出した基板処理装置100を構成する各部の状態(位置、開閉状態、動作中であるかウエイト状態であるか等)を示すモニタデータを、搬送制御部238及び表示装置制御部239を介して受信し、群管理装置500へ送信することが可能なように構成されている。なお、通信制御部239bは、後述する群管理装置500とネットワーク400を介してデータ交換可能なように接続されている。
【0061】
(表示装置制御部)
表示装置制御部239は、データ保持部239eから制御プログラムを読み出して実行するように構成されている。表示装置制御部239は、入力手段240bからの入力(操作コマンドの入力等)を受け付けると、入力手段240bからの入力に応じてデータ保持部239eから例えばプロセスレシピ等を読み出すように構成されている。そして、表示装置制御部239は、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、ガス流量制御部235によるガス流量調整動作、圧力制御部236による圧力調整動作、温度制御部237による温度調整動作等を制御するように構成されている。
【0062】
また、表示装置制御部239は、例えば操作員による入力手段240bからの入力(操作コマンドの入力等)を受け付けると共に、基板処理装置100の状態表示画面や操作入力受付画面等をデータ表示部240aに表示させるように構成されている。
【0063】
また、表示装置制御部239は、データ保持部239eから制御プログラムを読み出して実行することで、以下の機能を実現させるように構成されている。すなわち、表示装置制御部239は、後述する群管理装置500から、通信制御部239bを介して、設定ファイル280や関連ファイル281の送信要求を受信するように構成されている。そして、表示装置制御部239は、データ保持部239eから送信要求があった設定ファイル280や関連ファイル281を取得し、取得した設定ファイル280及び関連ファイル281を、通信制御部239bを介して群管理装置500に送信するように構成されている。
【0064】
(7)群管理装置の構成
続いて、上述の基板処理装置100とデータ交換可能なように構成された本実施形態に係る群管理装置500の構成について、主に
図2〜
図7を参照しながら説明する。
【0065】
図2に示すように、群管理装置500は、中央処理装置(CPU)として構成された制御部501と、内部に共有メモリ領域を有するメモリ(RAM)502と、例えばフラッシュメモリ、HDD、EEPROM等の記憶装置としてのデータ保管部503と、例えばディスプレイ装置等の表示手段としてのデータ表示部505と、キーボード等の入力手段506と、通信手段としての通信制御部504と、を備えるコンピュータとして構成されている。上述のメモリ502、データ保管部503、データ表示部505、入力手段506、通信制御部504は、内部バス等を介して制御部501とデータ交換可能なように構成されている。
【0066】
通信制御部504は、上述したように、ネットワーク400を介して基板処理装置用コントローラ240の通信制御部239bとデータ交換可能なように接続されている。通信制御部504は、基板処理装置100からデータを受信してメモリ502に渡し、メモリ502に保管されているデータを基板処理装置100に送信するように構成されている。なお、メモリ502に渡されるデータとしては、例えば、I/O制御部(ガス流量制御部235、圧力制御部236、温度制御部237)又はメカ機構I/O238aから取得したモニタデータや、設定ファイル280、関連ファイル281等がある。通信制御部504が基板処理装置100からデータを受信するタイミングとしては、例えば入力手段506からの入力(操作コマンドの入力等)を受け付けたタイミング等がある。
【0067】
データ保管部503内には、種々の群管理プログラムが格納されている。制御部501は、データ保管部503内に保管されている群管理プログラムを読み出して実行することで、後述する入力受付機能507、ファイル取得機能508、ファイル群作成・保管機能509、ファイル群表示機能510、ファイル群転送機能511等を実現させるように構成されている。
【0068】
(入力受付機能)
図2、
図4及び
図5に示すように、入力受付機能507は、例えば、装置特定情報や設定ファイル280を決定するボタン506a,506b(
図4参照)等を表示する。入力受付機能507は、入力手段506から基板処理装置100を特定する装置特定情報、及び設定ファイル280の入力を受け付ける。例えば、操作員がボタン506aを押下することで、ファイル転送先の基板処理装置100を特定する装置特定情報及び設定ファイル280の入力を少なくとも受付ける。また、ボタン506bを押下することで、ファイル転送先の基板処理装置100を特定する装置特定情報及び設定ファイル280の入力だけでなく、前記設定ファイル280及び設定ファイル280に関連する関連ファイル281を含む組合せファイル(ファイル群)作成の入力を少なくとも受付ける。尚、設定ファイル280は複数のファイルでも良いのは言うまでも無い。
【0069】
(ファイル取得機能)
ファイル取得機能508は、入力受付機能507が入力手段506から組合せファイル(ファイル群)作成の入力を受け付けると、基板処理装置100に、前記設定ファイル280の送信要求を出す。ファイル取得機能508は、前記基板処理装置100から前記設定ファイル280を受信して取得すると、メモリ502やデータ保管部503に保管する。
【0070】
また、ファイル取得機能508は、取得した設定ファイル280中に記載されている組み合わせ定義情報282を自動で読み出し、読み出した組み合わせ定義情報282に示される関連ファイル281の送信要求を基板処理装置100に出す。そして、ファイル取得機能508は、基板処理装置100から、関連ファイル281を受信して取得し、メモリ502やデータ保管部503に保管する。すなわち、ファイル取得機能508は、基板処理装置100から設定ファイル280に関連する全ての関連ファイル281を自動で取得する。
【0071】
(ファイル群作成・保管機能)
ファイル群作成・保管機能509は、基板処理装置100から取得した複数の設定ファイル280を集合体として一つにまとめたファイル群283、または、一つの設定ファイル280及び設定ファイル280に関連する全ての関連ファイル281を含むファイル集合体である組合せファイルとしてのファイル群283を作成し、作成したファイル群283をデータ保管部503内に出力(読み出し)可能に保管(格納)する。
【0072】
(ファイル群表示機能)
ファイル群表示機能510は、データ保管部503内から読み出したファイル群283に含まれる設定ファイル280及び関連ファイル281を、データ表示部505に表示する。すなわち、例えば
図3に示すように、ファイル群表示機能510は、ファイル群283のファイル名、設定ファイル280のファイル名、関連ファイル281のファイル名をデータ表示部505に表示する。また、ファイル群表示機能510は、設定ファイル280及び関連ファイル281を取得した基板処理装置100の名称、設定ファイル280及び関連ファイル281に記載されている各種パラメータ等を表示してもよい。さらに、ファイル群表示機能510は、設定ファイル280の内容(例えばプロセスレシピの処理条件等)や、関連ファイル281の内容(例えば温度制御ファイルに記載されている温度制御テーブルやパラメータ設定値等)を、データ表示部505に表示してもよい。
【0073】
また、例えば
図7に示すように、ファイル群表示機能510は、2つ以上のファイル群283をデータ表示部505に表示する際、2つ以上のファイル群283のいずれかを、比較の基準となるマスターファイル群として表示してもよい。すなわち、例えば、製品の出荷時のファイル群をマスターファイル群とし、マスターファイル群を先頭に表示し、当該製品を製作する複数の基板処理装置100からそれぞれ取得した設定ファイル280及び関連ファイル281を含む各ファイル群283を、マスターファイル群と並べて表示してもよい。
【0074】
また、
図7に示すように、ファイル群表示機能510は、2つ以上のファイル群283間で相違する箇所が分かるように、データ表示部505に表示してもよい。すなわち、ファイル群表示機能510は、例えば、2つ以上のファイル群283間で、関連ファイル281の数が異なる箇所や、パラメータ設定値等の関連ファイル281に記載された事項が異なる箇所等に、例えば相違マーク等を付してデータ表示部505に表示してもよい。
【0075】
また、例えば
図6に示すように、ファイル群表示機能510は、ファイル群283に含まれる設定ファイル280及び関連ファイル281をツリー形式で表示してもよい。
【0076】
また、
図6に示すように、ファイル群表示機能510は、エクスポートされたファイル群283の内容をファイル種別毎に表示すると共に、コピー元の基板処理装置100の名称(装置名称)も表示する。このように、ツリー形式で表示すると、必要なファイルを選択するのに好適である。
【0077】
(ファイル群転送機能)
ファイル群転送機能511は、例えばボタン506a,506bを押下することで、装置特定情報及び設定ファイル280の入力を少なくとも受付け、入力受付機能507が入力手段506(ボタン506b)からファイル転送先の基板処理装置100を特定する装置特定情報だけでなく、複数の設定ファイル280を一つのファイルにまとめたファイル群の作成、または、設定ファイル280及び設定ファイル280に関連する関連ファイル281を含む組合せファイル(ファイル群)作成の入力を受け付けると、データ保管部503内からファイル群283を検索して読み出す。ファイル群転送機能511は、データ保管部503内から読み出したファイル群283を、所定の基板処理装置100にファイル群283のまま一括で転送する。
【0078】
(8)群管理装置の動作
続いて、本実施形態に係る群管理装置500の動作について、主に
図2、
図4及び
図5を用いて説明する。かかる動作は、半導体装置の製造工程の一工程として行われる。
【0079】
(入力受付工程)
図2、
図4及び
図5に示すように、例えば操作者がボタン506a,506bを押下すると、群管理装置500が有する入力受付機能507が、入力手段506から基板処理装置100を特定する装置特定情報、及び基板処理装置100が保持する設定ファイル280を特定する設定ファイル特定情報の入力を受け付ける。
【0080】
(ファイル取得工程)
入力手段506が、装置特定情報及び設定ファイル特定情報の入力を受け付けると、群管理装置500が有するファイル取得機能508が、所定の基板処理装置100に、設定ファイル特定情報により特定される設定ファイル280の送信要求を出す。そして、ファイル取得機能508は、通信制御部504を介して、所定の基板処理装置100から、設定ファイル特定情報により特定された設定ファイル280を受信して取得する。ファイル取得機能508は、取得した設定ファイル280中に記載されている組み合わせ定義情報282を自動で読み出し、読み出した組み合わせ定義情報282に示される全ての関連ファイル281の送信要求を所定の基板処理装置100に出す。そして、ファイル取得機能508は、通信制御部504を介して、所定の基板処理装置100から関連ファイル281を自動で受信して取得する。
【0081】
(ファイル群作成・保管工程)
ファイル取得機能508が基板処理装置100から複数の設定ファイル280、または設定ファイル280及び設定ファイル280に関連する全ての関連ファイル281を取得すると、ファイル群作成・保管機能509は、取得した設定ファイル280及び全ての関連ファイル281に基づいてファイル群283を作成し、データ保管部503内にファイル群283を出力可能(読み出し可能)に保管する。
【0082】
(ファイル群表示工程)
入力受付機能507が、ファイル群表示機能510はデータ保管部503内からファイル群283を検索して読み出し、読み出したファイル群283に含まれる設定ファイル280及び関連ファイル281をデータ表示部505に表示する。
【0083】
(ファイル群転送工程)
入力受付機能507が、ファイル群283の転送入力を受け付けると、ファイル群転送機能512はデータ保管部503内からファイル群283を検索して読み出し、読み出したファイル群283をファイル群283のまま一括で所定の基板処理装置100に転送する。また、入力受付機能507が、例えばボタン506aを押下することで、装置特定情報及び設定ファイル280の入力を受付けると、選択された設定ファイル280からファイル群283を作成し、装置特定情報に基づいて所定の基板処理装置100に転送するようにしてもよい。更に、例えばボタン506bを押下することで、装置特定情報及び設定ファイル280の入力を受付けると、選択された設定ファイル280から関連ファイル281を取得し、これら設定ファイル280及び関連ファイル281を含むファイル群283を作成し、装置特定情報に基づいて所定の基板処理装置100に転送するようにしてもよい。
【0084】
(9)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0085】
(a)本実施形態によれば、群管理装置500は、基板処理装置100を特定する装置特定情報、及び設定ファイル280の入力を受け付けると、基板処理装置100から、設定ファイル280を自動で取得するように構成されている。また、群管理装置500は、基板処理装置100から取得した設定ファイル280中に記載された組み合わせ定義情報282を自動で読み出し、組み合わせ定義情報282に示される全ての関連ファイル281を基板処理装置100から自動で取得するように構成されている。そして、群管理装置500は、基板処理装置100から取得した設定ファイル280及び関連ファイル281に基づいてファイル群283を作成して出力可能に保管するように構成されている。これにより、設定ファイル280に関連する関連ファイル281の取得漏れを抑制できる。また、設定ファイル280に関連しない関連ファイル281を誤って取得してしまうことを抑制できる。また、操作員は装置特定情報及び設定ファイル280を入力するだけでよいので、操作員の負担が軽減される。
【0086】
(b)本実施形態によれば、群管理装置500が、ファイル群283に含まれる設定ファイル280及び関連ファイル281をデータ表示部505に表示させるように構成されている。これにより、基板処理装置100の状態の分析が容易になり、基板処理装置100の状態を正確に把握できる。
【0087】
(c)本実施形態によれば、群管理装置500が、2つ以上のファイル群283をデータ保管部503から読み出し、各ファイル群283に含まれる設定ファイル280及び関連ファイル281をそれぞれ比較表示させるように構成されている。
【0088】
例えば、結果が良かったプロセスレシピが記載された設定ファイル280及び設定ファイル280に関連する関連ファイル281を含むファイル群283と、他の1つ以上のファイル群283とを並べて表示させるように構成されている。これにより、操作員が、複数のファイル群283間で、ファイル群283に含まれる設定ファイル280や関連ファイル281の比較を行いやすくなる。従って、操作員が、例えばファイル群283に含まれる関連ファイル281の数や、関連ファイル281に記載されているパラメータ設定値等、各ファイル群283の間で異なる箇所を見つけやすくなる。その結果、基板処理のスループットを向上させ、基板処理の品質を向上させることができる。
【0089】
また、例えば、一の基板処理装置100から取得した設定ファイル280及び関連ファイル281を含むファイル群283と、他の基板処理装置100から取得した設定ファイル280及び関連ファイル281を含むファイル群283と、を並べて表示させるように構成されている。これにより、操作員が、複数の基板処理装置100間で、ファイル群283に含まれる設定ファイル280及び関連ファイル281の比較を行いやすくなる。従って、複数の基板処理装置100間で、各基板処理装置100の状態の分析が容易になる。その結果、操作員が、各基板処理装置の状態を正確に把握することができ、複数の基板処理装置100間の機差管理をより正確に行うことができる。
【0090】
また、例えば、メンテナンス前の基板処理装置100の設定ファイル280及び関連ファイル281を含むファイル群283と、メンテナンス後の基板処理装置100の設定ファイル280及び関連ファイル281を含むファイル群283と、を並べて表示させるように構成されている。これにより、操作員が、基板処理装置100のメンテナンスの前後で、ファイル群283に含まれる設定ファイル280及び関連ファイル281の比較を行いやすくなる。すなわち、メンテナンスの前後での基板処理装置100の状態の分析が容易になる。従って、例えば、操作員がメンテナンスによってパラメータ設定値等が変更されてしまった関連ファイル281を見つけやすくなるため、パラメータ設定値に起因して発生する事故を未然に防ぐことができる。
【0091】
また、例えば、新しく出荷した製品を製作した際の設定ファイル280及び関連ファイル281を含むファイル群283と、以前に出荷した製品を製作した際の設定ファイル及び関連ファイル281を含むファイル群283と、を並べて表示させるように構成されている。これにより、例えば、新しく出荷した製品と、以前に出荷した製品との間で、製品を正確に分析して確認することができる。
【0092】
(d)本実施形態によれば、2つ以上のファイル群283をデータ表示部505に比較表示させる際、2つ以上のファイル群283のいずれかを比較の基準となるマスターファイル群として表示させるように構成されている。これにより、例えば、データ表示部505に多数のファイル群283を表示させた場合であっても、操作者は、ファイル群283間で設定ファイル280及び関連ファイル281の比較を容易に行うことができる。
【0093】
(e)本実施形態によれば、群管理装置500が、例えば、ファイル群283に含まれる設定ファイル280及び関連ファイル281の内容をツリー形式で表示させるように構成している。これにより、設定ファイル280に関連する関連ファイル281の数が膨大であっても、関連ファイル281の所在が分かり易くなる。従って、操作員の負担が軽減されるとともに、作業効率を向上させることができる。
【0094】
(f)本実施形態によれば、一の基板処理装置100から取得した設定ファイル280及び関連ファイル281を含むファイル群283を、他の基板処理装置100に転送させるように構成されている。すなわち、設定ファイル280及び関連ファイル281をファイル集合体であるファイル群283で転送させるように構成されている。従って、関連ファイル281の転送漏れを抑制できる。
【0095】
以下、参考までに、従来の設定ファイル280´及び設定ファイル280´に関連する関連ファイル281´を取得する方法について
図12を用いて説明する。従来では、操作員が、例えば、基板処理装置100とデータ交換可能なように接続された作業端末300を介して、設定ファイル280´及び全ての関連ファイル281´を手動で取得していた。このため、
図12に示すように、操作員のミスで、必要な関連ファイル281´の取得漏れが発生する場合があった。そして、作業端末300を介して、設定ファイル280´及び関連ファイル281´を一の基板処理装置100から他の基板処理装置100へ転送する際も、操作員が設定ファイル280´及び関連ファイル281´を手動で転送していた。このため、転送時においても、操作員のミスで設定ファイル280´や関連ファイル281´の転送漏れが発生する場合があった。これに対し、本実施形態によれば、群管理装置500が、基板処理装置100から設定ファイル280及び設定ファイル280に関連する関連ファイル281を自動で取得するように構成されている。また、群管理装置500は、設定ファイル280及び設定ファイル280に関連する全ての関連ファイル281を含むファイル群283を作成して保管するように構成されている。このため、この課題を効果的に解決することができる。
【0096】
上述の実施形態では、設定ファイル280中に組み合わせ定義情報282が記載されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、基板処理装置100は、設定ファイル280及び関連ファイル281の他に、組み合わせ定義情報282が記載された組み合わせ定義ファイルを別に保持していてもよい。すなわち、群管理装置500が、設定ファイル280及び組み合わせ定義ファイルを特定する組み合わせ定義ファイル特定情報の入力を受け付けると、基板処理装置100から、設定ファイル特定情報により特定される設定ファイル280、及び組み合わせ定義ファイル特定情報により特定される組み合わせ定義ファイルに記載された組み合わせ定義情報282により読み出される全ての関連ファイル281を取得するように構成してもよい。
【0097】
上述の実施形態では、設定ファイル280がプロセスレシピファイルであり、関連ファイル281が、サブレシピファイル、温度制御ファイル、圧力制御ファイル、移載パラメータファイルである場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、用途等に応じて、設定ファイル280及び関連ファイル281の組み合わせを変更し、種々のファイル群283を作成することができる。例えば、
図8(a)に示すように、設定ファイル280が、HDD故障対応用リストアファイルであり、関連ファイル281が、一の基板処理装置100に保持されている各プロセスレシピファイル(例えばプロセスレシピファイルA、プロセスレシピファイルB、・・・、プロセスレシピファイルZ)であってもよい。これにより、例えばHDDが故障した際のリカバリをより短時間で行うことができる。また、例えば、
図8(b)に示すように、設定ファイル280が、メンテナンス後戻し忘れ防止用リストアファイルであり、関連ファイル281が、メンテナンス前の装置コンフィギュレーションが記載された装置コンフィグファイル、安全制御パラメータが記載された安全制御ファイル、通信パラメータが記載された通信制御ファイルであってもよい。これにより、メンテナンス前の装置コンフィグファイル、安全制御ファイル、通信制御ファイルを含むファイル群283を、メンテナンス後に元の基板処理装置100に
転送するだけで、例えばパラメータ設定値等をメンテナンス前の状態に戻すことができる。従って、例えばパラメータ設定値を戻し忘れることによる事故を未然に防ぐことができる。
【0098】
また、上述の実施形態では、ファイル群283の内容を群管理装置500が備えるデータ表示部505に表示させるように構成したが、これに限定されるものではない。この他、例えば、ファイル群283の内容を基板処理装置100が備えるデータ表示部240aに表示させるように構成してもよい。また、例えば、群管理装置500が備えるデータ表示部505及び基板処理装置100が備えるデータ表示部240aにファイル群283の内容を表示させるように構成してもよい。
【0099】
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。次に、1つのファイル(設定ファイル280)から関連するファイル(関連ファイル281)を自動的に基板処理装置100から取得する仕組みを必要としない実施形態について説明する。
【0100】
図13は、エクスポートファイルとしてのファイル群383を用途別に作成した一例であり、本実施の形態では、ファイル群383が、3つの用途で使用される実施例について説明する。
図13に示すように、出荷パラメータ確認用のファイル群383と、HDD故障対応用のファイル群383と、メンテ後戻し忘れ防止用のファイル群383のそれぞれについて説明する。
【0101】
<他の実施形態1>
図14は、出荷時の基板処理装置100のパラメータと出荷後の基板処理装置100のパラメータとを比較する際に、出荷パラメータ確認用のファイル群383を利用した一実施例である。
図14のようにファイル群(エクスポートファイル)として組み合せるファイルを選択して、エクスポートボタンを押下し、ファイル群383を作成する。そして、このファイル群383をマスターファイルとして保存しておく。次に、出荷先の工場内の群管理装置500に、このマスターファイルを送付すると共に出荷後の各基板処理装置100とパラメータ比較を行う。尚、群管理装置500におけるパラメータ比較に関しては、既に説明しているので省略する。
【0102】
<他の実施形態1における効果>
例えば、装置据付後、パラメータが勝手に変更されていないか出荷装置全台の全パラメータを確認する場合、40種類以上のファイルで30000個近いパラメータ数を確認する事は容易な作業ではないが、本実施の形態によれば、装置出荷時の全パラメータ検証が容易にできる。尚、比較内容結果は、
図7と同様に、CSVフォーマットでエクセルにて参照可能である。このように、パラメータ項目(行)毎にマスターファイルと差異がある場合に相違マークが表示するので、意図しないパラメータ変更があったとしても、パラメータ設定値の妥当性確認が行える。
【0103】
<他の実施形態2>
図15は、ある基板処理装置100のHDDが故障した際に、HDD故障対応用のファイル群を利用した一実施例である。例えば、
図15の例では、Process Recipe階層に「1F」と「5_Test」のフォルダを含めた全レシピファイルのバックアップとしてのファイル群383が作成される。具体的には、
図15では所定のアイコン(Process Recipe)を選択して、エクスポートボタンを押下し、ファイル群383を作成する。そして、このファイル群383をバックアップファイルとして保存しておく。そして、ある基板処理装置100のHDDが故障した場合、このバックアップファイルを保存しておいた他の基板処理装置100から群管理装置500を介してある基板処理装置100へバックアップファイルを送付して、全てのレシピファイルを交換する。尚、群管理装置500におけるファイルの交換に関しては、既に説明しているので省略する。このように、基板処理装置のファイルは階層化(装置名称を先頭にファイル種別、ファイルの順で表現)されて管理されている。このため、ファイル群383は、階層単位で作成されるので、ファイル群作成の(エクスポートする)際に、ファイル選択に便利である。
【0104】
<他の実施形態2における効果>
このように、本実施の形態において、ファイル群作成(エクスポート)は、階層単位で作成できるようになっているので、まとまりを意識したバックアップがしやすいようになっている。また、本実施形態におけるProcess Recipe階層の上の装置名を指定した場合には、その装置が保有するレシピファイルやテーブルファイルを全てエクスポートしてファイル群383が作成される。作成されたファイル群383は、HDDのフルバックアップとして使用できる。このように、作成されたエクスポートファイルとしてのファイル群383は、HDD故障時のリカバリ用として使用される。但し、リストア時でも階層単位でコピーできるようになっているので、気軽にエクスポートが出来るようになっている。
【0105】
<他の実施形態3>
図16は、メンテナンス後に変更したパラメータを元に戻し忘れることを防止するために、メンテ後戻し忘れ防止用のファイル群383を利用した一実施例である。
図16のように、メンテナンスを実施する前に、メンテナンスで使用する(若しくは変更する)パラメータファイルを全て選択して、エクスポートボタンを押下し、ファイル群383を作成する。そして、このファイル群383をバックアップファイルとして保存しておく。次に、メンテナンス終了後に、群管理装置500のパラメータ比較機能を利用してこのバックアップファイル(メンテナンス前のパラメータ)とメンテナンス後のパラメータとを比較して、差異の有無を確認する。パラメータ間の差異の有無だけであるので、全パラメータを表示する必要は無いが、
図7のように各パラメータを並べて表示してもよい。ここで、群管理装置500のパラメータ比較機能については、既に説明しているので省略する。
【0106】
<他の実施形態3における効果>
装置メンテナンス中に変更した装置パラメータを戻し忘れて、装置リリース後に装置トラブルが発生した事例があった。通常メンテナンス後にパラメータの戻し忘れが無いか確認するが、変更したパラメータが多い場合、忘れる場合があった。これの解決策として、
図16で説明しているように、メンテナンス前に対象のパラメータをエクスポートしておき、メンテナンス後に、エクスポートしたファイルと一括比較することで、容易にパラメータの戻し忘れが確認できる。
【0107】
上述の実施形態では、基板処理装置100が保有する全てのファイルをエクスポート対象にしているので、エクスポートするファイルの組合せにより、色々な用途に使用できる。また、上述の実施形態では、エクスポートファイルとしてのファイル群(組合せファイル)283,383を活用することで、装置ファイルの水平展開が容易になり、装置ファイル管理業務の作業負荷が低減できた。また、パラメータ一括機能との併用により、パラメータファイルを一括して比較することができるので、短時間でパラメータ内容が確認できるようになり、現地のトラブル解析時間の短縮が図れた。
【0108】
尚、本実施例で記載する以外の用途に合わせて、ファイル群383を作成し、管理装置500を経由することにより、ファイル群を基板処理装置100間で水平展開することができるのはいうまでも無い。
【0109】
また、上述の実施形態では、基板処理装置100が備える通信制御部239bは、I/O制御部を介して読み出した処理炉202の状態を示すモニタデータを、処理制御部239a及び表示装置制御部239を介して受信するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、通信制御部239bは、I/O制御部を介して読み出したモニタデータを、処理制御部239a及び表示装置制御部239を介さずに直接受信するように構成してもよい。また、上述の実施形態では、通信制御部239bは、メカ機構I/O238aを介して読み出した基板処理装置100を構成する各部の状態を示すモニタデータを、表示装置制御部239を介して受信するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、通信制御部239bは、メカ機構I/O238aを介して読み出したモニタデータを、表示装置制御部239を介さずに直接受信するように構成してもよい。また、例えば、I/O制御部や搬送制御部238は、処理制御部239a、表示装置制御部239、及び通信制御部239bを介さずに、群管理装置500と直接データ交換可能なように構成してもよい。
【0110】
また、上述の実施形態では、ファイル群作成機能を群管理装置500に有していたが、基板処理装置用コントローラ240で保持される制御プログラムで実現するようにしてもよい。つまり、基板処理装置100でファイル群(組合せファイル)283,383を作成することができるので、群管理装置500を介することなく、このファイル群283,383を他の基板処理装置100にファイル転送することにより、直接対象とする基板処理装置100とファイル比較が可能である。
【0111】
また、基板処理装置100にファイル群283,383機能を備えることにより、出荷時のパラメータと出荷後のパラメータとを比較する際は、出荷前の基板処理装置100でファイル群283,383を作成しておくことができる。ここで、出荷時の基板処理装置100は、半導体製造メーカ内の工場、出荷後の基板処理装置100は、デバイスメーカ内の工場にそれぞれあるので、インターネット等の通信回線を介してファイルの送受信は、不可能であるが、例えば、出荷時の基板処理装置100で作成されたファイル群283,383をCD−ROM等の外部記憶媒体に記録し、この外部記憶媒体を介して出荷後装置と比較することができる。
【0112】
なお、基板処理装置用コントローラ240、群管理装置500は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)を用意し、係る外部記憶装置を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係る基板処理装置用コントローラ240、群管理装置500を構成してもよい。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板(BBS)に当該プログラムを掲示し、これをネットワークを介して搬送波に重畳してプログラムを供給するようにしてもよい。そして、このように供給されたプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。なお、データ保持部239e、データ保管部503、外部記憶装置は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。本明細書では、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、データ保持部239eあるいはデータ保管部503単体のみを含む場合、外部記憶装置単体のみを含む場合、データ保持部239e、データ保管部503、外部記憶装置のうちの2つを含む場合、又は、その全てを含む場合がある。
【0113】
また、本発明は、基板処理装置100と群管理装置500とが同じフロア内(同じクリーンルーム内)に配置される場合に限定されない。例えば、基板処理装置100をクリーンルーム内に配置すると共に、統合管理装置500を事務所内(クリーンルームとは異なるフロア内)に配置し、LAN等のネットワーク400を介して、ファイル群の作成を遠隔から行ってもよい。或いは、群管理装置500が備える一部の構成、例えばデータ表示部505のみを事務所内に配置してもよい。
【0114】
また、本発明は、酸化膜や窒化膜、金属膜等の種々の膜を形成する成膜処理を行う場合に適用できるほか、拡散処理、アニール処理、酸化処理、窒化処理、リソグラフィ処理等の他の基板処理を行う場合にも適用できる。また、本発明は、薄膜形成装置の他、エッチング装置、アニール処理装置、酸化処理装置、窒化処理装置、露光装置、塗布装置、モールド装置、現像装置、ダイシング装置、ワイヤボンディング装置、乾燥装置、加熱装置、検査装置等の他の基板処理装置にも適用できる。また、本発明は、これらの装置が混在していてもよい。また、本発明では、縦型の基板処理装置100に限らず、横型の基板処理装置や、枚葉式の各種基板処理装置であってもよく、これらの装置が混在していてもよい。
【0115】
また、本発明は、本実施形態に係る基板処理装置100のような半導体ウエハを処理する半導体製造装置等に限らず、ガラス基板を処理するLCD(Liquid Crystal Display)製造装置等の基板処理装置にも適用できる。
【0116】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0117】
本発明の一態様によれば、
所定の設定ファイルの入力を受け付け、
前記所定の設定ファイルの内容を読み込み、前記所定の設定ファイル、及び前記所定の設定ファイルに関連する1つ以上の関連ファイルを、前記基板処理装置からそれぞれ取得し、
取得した前記所定の設定ファイル及び取得した前記関連ファイルを含むファイル群を作成して出力可能に保管するように構成されている群管理装置が提供される。
【0118】
好ましくは、
前記設定ファイル中には、前記設定ファイルと前記関連ファイルとの組み合わせを示す組み合わせ定義情報が記載されており、
前記基板処理装置から前記設定ファイル及び前記関連ファイルを取得する際には、
前記設定ファイルを取得すると共に、取得した前記設定ファイルから前記組み合わせ定義情報を読み出し、前記組み合わせ定義情報に示された全ての前記関連ファイルをそれぞれ取得する。
【0119】
また好ましくは、
前記設定ファイルと前記関連ファイルとの組み合わせを示す組み合わせ定義情報が記載された組み合わせ定義ファイルを備え、
前記基板処理装置から前記設定ファイル及び前記関連ファイルを取得する際には、
前記設定ファイルを取得すると共に、前記組み合わせ定義ファイルから前記組み合わせ定義情報を読み出し、前記組み合わせ定義情報に示された全ての前記関連ファイルをそれぞれ取得する。
【0120】
また好ましくは、
前記ファイル群に含まれる前記設定ファイル及び前記関連ファイルを表示させるように構成されている。
【0121】
また好ましくは、
2つ以上の前記ファイル群に含まれる前記設定ファイル及び前記関連ファイルを比較表示させるように構成されている。
【0122】
また好ましくは、
前記ファイル群に含まれる前記設定ファイル及び前記関連ファイルをツリー形式で表示させるように構成されている。
【0123】
また好ましくは、
2つ以上の前記ファイル群を比較表示させる際、
2つ以上の前記ファイル群のいずれかを比較の基準となるマスターファイル群とするように構成されている。
【0124】
また好ましくは、
一の前記基板処理装置から取得した前記設定ファイル及び前記関連ファイルを含む前記ファイル群を、他の前記基板処理装置に転送させるように構成されている。
【0125】
本発明の他の態様によれば、
基板処理装置に接続されるコンピュータに、
所定の設定ファイルの入力を受け付ける処理と、
前記所定の設定ファイルの内容に基づいて、前記所定の設定ファイル、及び前記所定の設定ファイルに関連する1つ以上の関連ファイルを、前記基板処理装置からそれぞれ取得する処理と、
取得した前記所定の設定ファイル及び取得した前記関連ファイルを含むファイル群を作成して出力可能に保管する処理と、を実行させるファイル群作成プログラムが提供される。
【0126】
本発明の更に他の態様によれば、
基板処理装置に接続されるコンピュータに、
所定の設定ファイルの入力を受け付ける処理と、
前記所定の設定ファイルの内容に基づいて、前記所定の設定ファイル、及び前記所定の設定ファイルに関連する1つ以上の関連ファイルを、前記基板処理装置からそれぞれ取得する処理と、
取得した前記所定の設定ファイル及び取得した前記関連ファイルを含むファイル群を作成して出力可能に保管する処理と、
を実行させるためのファイル群作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0127】
本発明の更に他の態様によれば、
基板処理装置に接続されるコンピュータに、
所定の設定ファイルの入力を受け付ける処理と、
前記所定の設定ファイルの内容に基づいて、前記所定の設定ファイル、及び前記所定の設定ファイルに関連する1つ以上の関連ファイルを、前記基板処理装置からそれぞれ取得する処理と、
取得した前記所定の設定ファイル及び取得した前記関連ファイルを含むファイル群を作成して出力可能に保管する処理と、
2つ以上の前記ファイル群に含まれる前記設定ファイル及び前記関連ファイルの内容を比較表示する処理と、を実行させるファイル群比較表示プログラムが提供される。
【0128】
本発明の更に他の態様によれば、
基板処理装置に接続されるコンピュータに、
所定の設定ファイルの入力を受け付ける処理と、
前記所定の設定ファイルの内容に基づいて、前記所定の設定ファイル、及び前記所定の設定ファイルに関連する1つ以上の関連ファイルを、前記基板処理装置からそれぞれ取得する処理と、
取得した前記所定の設定ファイル及び取得した前記関連ファイルを含むファイル群を作成して出力可能に保管する処理と、
2つ以上の前記ファイル群に含まれる前記所定の設定ファイル及び前記関連ファイルを比較表示する処理と、
を実行させるためのファイル群比較表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0129】
本発明の更に他の態様によれば、
少なくとも所定の設定ファイルを保持する基板処理装置と、
前記基板処理装置に接続される群管理装置と、を備え、
前記群管理装置は、
所定の設定ファイルの入力を受け付けると、
前記所定の設定ファイルの内容を読み込み、前記設定ファイル、及び前記設定ファイルに関連する1つ以上の関連ファイルを、前記基板処理装置からそれぞれ取得し、
取得した前記所定の設定ファイル及び取得した前記関連ファイルを含むファイル群を作成して出力可能に保管する基板処理システムが提供される。
【0130】
好ましくは、
前記設定ファイル中には、前記設定ファイルと前記関連ファイルとの組み合わせを示す組み合わせ定義情報が記載されており、
前記群管理装置は、
前記基板処理装置から前記設定ファイル及び前記関連ファイルを取得する際には、
前記設定ファイルを取得すると共に、取得した前記設定ファイルから前記組み合わせ定義情報を読み出し、前記組み合わせ定義情報に示された全ての前記関連ファイルをそれぞれ取得する。
【0131】
本発明の更に他の態様によれば、
少なくとも基板処理装置を特定する装置特定情報、及び設定ファイルの入力を受け付ける工程と、
前記設定ファイルの内容に基づいて、前記設定ファイル、及び前記設定ファイルに関連する1つ以上の全ての関連ファイルを、前記基板処理装置からそれぞれ取得する工程と、
取得した前記設定ファイル及び取得した前記関連ファイルを含むファイル群を作成する工程と、
作成された前記ファイル群を前記装置特定情報により特定される他の基板処理装置に転送する工程と、を有する基板処理装置のファイル転送方法が提供される。
【0132】
本発明の更に他の態様によれば、
少なくとも基板処理装置を特定する装置特定情報、及び設定ファイルの入力を受け付ける工程と、
前記設定ファイルの内容に基づいて、前記設定ファイル、及び前記設定ファイルに関連する1つ以上の全ての関連ファイルを、前記基板処理装置からそれぞれ取得する工程と、
取得した前記設定ファイル及び取得した前記関連ファイルを含むファイル群を作成する工程と、
作成された前記ファイル群を前記装置特定情報により特定される他の基板処理装置に転送する工程と、
前記ファイル群と前記ファイル群に対応する前記他の基板処理装置内のファイルとを比較する工程と、を有する基板処理装置のファイル転送方法が提供される。
【0133】
本発明の更に他の態様によれば、
設定ファイルの入力を受け付ける工程と、
前記設定ファイルの内容に基づいて、前記設定ファイル、及び前記設定ファイルに関連する1つ以上の全ての関連ファイルを、前記基板処理装置からそれぞれ取得する工程と、
取得した前記設定ファイル及び取得した前記関連ファイルを含むファイル群を作成して出力可能に保管する工程と、を有する基板処理装置のファイル管理方法が提供される。
【0134】
本発明の更に他の態様によれば、
複数のファイルを操作画面に表示する工程と、
前記複数のファイルのうち所定のファイルを選択し、所定の基板処理装置を特定する装置特定情報、及び所定のファイルの入力を受け付ける工程と、
前記所定のファイルを含むファイル群を作成して出力可能に保管する工程と、
作成された前記ファイル群を前記装置特定情報により特定される他の基板処理装置に転送する工程と、を有する基板処理装置のファイル転送方法が提供される。
【0135】
本発明の更に他の態様によれば、
複数のファイルを操作画面に表示する工程と、
前記複数のファイルのうち所定のファイルを選択し、所定の基板処理装置を特定する装置特定情報、及び前記所定のファイルの入力を受け付ける工程と、
前記所定のファイルを含むファイル群を作成して出力可能に保管する工程と、
作成された前記ファイル群を前記装置特定情報により特定される他の基板処理装置に転送する工程と、
前記ファイル群と前記ファイル群に対応する前記他の基板処理装置内のファイルとを比較する工程と、を有する基板処理装置のファイル比較方法が提供される。