(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について
図1ないし
図5を参照して説明する。
【0011】
図1に示すように、第1の実施形態に係るX線画像診断装置1は、患者などの被検体Pが横たわる寝台2と、その寝台2上の被検体Pに対して撮像を行う撮像装置3と、それらの寝台2及び撮像装置3を制御する制御装置4とを備えている。
【0012】
寝台2は、被検体Pを載せる長方形状の天板2aと、その天板2aを支持して水平方向及び鉛直方向(昇降方向)に移動させる移動駆動部2bとを備えている。移動駆動部2bは、天板2a移動用の移動機構やその移動のための駆動力を供給する駆動源などを有している。この寝台2は、移動駆動部2bにより天板2aを所望の高さまで移動させ、さらに、その天板2aを水平方向に移動させて、天板2a上の被検体Pを所望位置に移動させる。
【0013】
撮像装置3は、X線を照射するX線照射器3aと、そのX線照射器3aに高電圧を供給する高電圧発生部3bと、天板2a上の被検体Pを透過したX線を検出する可搬型の平面検出器(X線平面検出器)3cと、その平面検出器3cを保持する平面検出器保持装置3dと、平面検出器3cにより検出されたX線をX線透過データとして収集するデータ収集部3eとを備えている。
【0014】
X線照射器3aは、X線を出射するX線管3a1と、そのX線管3a1から出射されたX線を絞るコリメータなどのX線絞り器3a2とを備えている。このX線照射器3aは、X線管3a1によりX線を出射し、そのX線をX線絞り器3a2により絞って、天板2a上の被検体Pに対しコーン角を持つファンビーム形状、例えば、角錐形状のX線を照射する。
【0015】
ここで、X線照射器3aは、天井面や床面などに設けられた支柱やアーム(いずれも図示せず)によって移動可能に支持され、天板2a上の被検体Pに対する相対位置が変更可能に構成されている。このX線照射器3aは、側面撮影を行う場合、天板2a上の被検体Pの側面にX線を照射する側面位置に移動し(
図1中の実線参照)、一般撮影を行う場合、天板2a上の被検体Pの上面にX線を照射する上方位置に移動する(
図1中の二点鎖線参照)。
【0016】
高電圧発生部3bは、X線照射器3aのX線管3a1に供給する高電圧を発生させる装置であり、制御装置4から与えられた電圧を昇圧及び整流し、その電圧をX線管3a1に供給する。なお、制御装置4は、X線管3a1により所望のX線を発生させるため、高電圧発生部3bに与える電圧の波形、すなわち振幅やパルス幅などの各種条件を制御する。
【0017】
平面検出器3cは、X線照射器3aから照射されたX線を検出可能に形成されており、天板2a上の被検体Pを透過したX線を電気信号に変換してデータ収集部3eに無線(あるいは有線)で送信する。この平面検出器3cとしては、X線を電気信号に直接変換する直接変換型やX線を光信号に変換した後に電気信号に変換する間接変換型などの平面検出器(FPD:Flat Panel Detector)を用いることが可能である。
【0018】
ここで、平面検出器3cは、側面撮影を行う場合、天板2a上に平面検出器保持装置3dと共に設けられ(
図1中の実線参照)、一般撮影を行う場合、天板2a上の被検体Pの下方、例えば天板2aの下方の移動駆動部2b内に平面検出器保持装置3dと共に設けられる(
図1中の二点鎖線参照)。このように、平面検出器3cは、側面撮影や一般撮影などの撮影内容に応じて利用者(ユーザ)が希望する位置に設置される。
【0019】
平面検出器保持装置3dは、平面検出器3cを保持して寝台2の天板2a上あるいは天板2aの下方への設置を可能にする装置である(詳しくは、後述する)。なお、平面検出器保持装置3dにより、利用者は天板2a上の所望位置に自由に平面検出器3cを設けることが可能となり、さらに、天板2aの下方位置に平面検出器3cを設けることが可能となる。
【0020】
データ収集部3eは、平面検出器3cから送信された電気信号をデジタル信号に変換し、デジタルデータであるX線透過データ(X線量分布データ)を収集し、そのX線透過データを制御装置4に送信する。
【0021】
制御装置4は、各部を制御する制御部4aと、X線透過データに対して各種画像処理を行う画像処理部4bと、各種プログラムや各種データなどを記憶する記憶部4cと、利用者により入力操作される操作部4dと、画像を表示する表示部4eとを備えている。これらの制御部4a、画像処理部4b、記憶部4c、操作部4d及び表示部4eはバスライン4fにより電気的に接続されている。
【0022】
制御部4aは、記憶部4cに記憶された各種プログラムや各種データに基づいて寝台2の移動駆動部2bや撮像装置3の高電圧発生部3bなどの各部を制御する。加えて、制御部4aは、X線照射器3aのX線絞り器3a2も制御し、さらに、表示部4eに各種画像を表示する制御も行う。この制御部4aとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを用いることが可能である。
【0023】
画像処理部4bは、データ収集部3eから送信されたX線透過データからX線画像を生成する処理などの各種画像処理を行う。この画像処理部4bとしては、例えば、アレイプロセッサなどを用いることが可能である。
【0024】
記憶部4cは、各種プログラムや各種データなどを記憶する記憶装置である。この記憶部4cとしては、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などを用いることが可能である。
【0025】
操作部4dは、利用者による入力操作を受け付ける入力部であり、例えば、撮影指示や画像表示、画像の切り替え、各種設定などの様々な入力操作を受け付ける。この操作部4dとしては、例えば、キーボードやマウス、スイッチ、レバーなどの入力デバイスを用いることが可能である。
【0026】
表示部4eは、被検体PのX線画像や操作画面などの各種画像を表示する表示装置である。この表示部4eとしては、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、CRT(ブラウン管)ディスプレイなどを用いることが可能である。
【0027】
このようなX線画像診断装置1は、操作部4dに対する利用者の入力操作に応じて、被検体Pが載置された天板2aを移動駆動部2bにより所望の位置に移動させる。この状態で、利用者はX線照射器3aを所望の位置に移動させ、そのX線照射器3aに天板2a上の被検体Pを介して対向する所望の位置に、平面検出器3cを内蔵する平面検出器保持装置3dを設ける。このときの平面検出器保持装置3dの設置位置、すなわち平面検出器3cの設置位置は一般撮影や側面撮影などの撮影内容に応じて変わるものである。したがって、平面検出器3cはその設置位置を変えることによって一般撮影及び側面撮影の双方に対応することが可能である。
【0028】
前述の状態で、X線画像診断装置1は、操作部4dに対する利用者の入力操作に応じて、X線照射器3aにより天板2a上の被検体Pに対してX線を照射し、被検体Pを透過したX線量を平面検出器3cにより検出する撮影(一般撮影や側面撮影など)を行う。さらに、X線画像診断装置1は、平面検出器3cからの電気信号をデータ収集部3eによりX線透過データとして収集し、そのX線透過データを画像処理部4bにより処理してX線画像を生成し、表示部4eにより表示する。なお、X線画像は必要に応じて記憶部4cに保存される。
【0029】
次に、前述の平面検出器保持装置3dについて
図2及び
図3を参照して説明する。
【0030】
図2及び
図3に示すように、平面検出器保持装置3dは、平面検出器3cを着脱可能に保持する保持部11と、その保持部11を支える支持部12とを備えており、保持部11により平面検出器3cを保持しつつ支持部12により自立することが可能な構造に形成されている。
【0031】
なお、平面検出器3cは、利用者に自身の動作状況を報知する報知部3c1及び3c2を有している。これらの報知部3c1及び3c2は平面検出器3cの側面に設けられている。各報知部3c1及び3c2としては、例えば、光を発するLED(Light Emitting Diode)などのランプや音を出力するスピーカなどを用いることが可能である。
【0032】
保持部11は、平面検出器3cを着脱可能に内蔵し、さらに、その平面検出器3cに加えてグリッド13を保持する箱形状の筐体である。この保持部11の材料としては、金属や樹脂などの各種材料を用いることが可能である。
【0033】
なお、グリッド13は、散乱光を除去するためのものであり、平面検出器3cのX線検出面とほぼ同じ大きさに形成されている。このグリッド13は、例えば、X線を吸収する部材とX線を透過する部材とが縞状又は格子状となるように交互に配置されて形成されたものである。
【0034】
保持部11には、グリッド13が嵌め込まれる第1の開口部11aが形成されており、グリッド13はその第1の開口部11aに嵌め込まれて固定されている。さらに、保持部11には、平面検出器3cを挿入及び取り出し可能にする第2の開口部11bが形成されており、平面検出器3cはその第2の開口部11bを介して保持部11内に挿入され、あるいは、保持部11内から取り出される。
【0035】
第2の開口部11bの第1の端部には、第1のレール14が保持部11の内壁に沿って設けられており、その第1の端部の反対に位置する第2の端部には、第2のレール15が保持部11の内壁に沿って設けられている。これらのレール14及び15の材料としては、樹脂などの各種材料を用いることが可能である。各レール14及び15は、平面検出器3cを第2の開口部11bから保持部11の内部に案内し、その平面検出器3cを挟み込むように保持する。なお、平面検出器3cを確実に保持するためには、保持部11内に平面検出器3cを固定する固定部材(例えば、ラッチ機構のような機構など)を設けるようにしても良い。
【0036】
また、保持部11には、利用者が保持部11内の平面検出器3cの側面に位置する各報知部3c1及び3c2を視認することを可能とする切り欠き部11cが形成されている。この切り欠き部11cは、利用者が保持部11内の平面検出器3cの側面に位置する各報知部3c1及び3c2を視認することが可能となるように形成されている。なお、保持部11を軽量化するためには、保持部11の必要強度を維持することが可能な範囲内で、できるだけ大きく切り欠き部11cを形成することが望ましい。
【0037】
支持部12は、保持部11に取り付けられており、その保持部11により保持された平面検出器3cがX線を検出することが可能な体勢(X線を検出可能な状態)に保持部11を支える。これにより、平面検出器保持装置3dは、保持部11に平面検出器3cを内蔵した状態で支持部12により自身で立っている状態(自立状態)となる。
【0038】
また、支持部12は、一本の棒状に形成されており、箱形状の保持部11の側面(
図2中の上面を含む)に沿う枠のような形状、すなわち3つの側面に沿うU字形状に成形されている。この支持部12の材料としては、金属や樹脂などの各種材料を用いることが可能である。ここで、支持部12の断面形状としては、例えば、丸形状や楕円形状、四角形状、六角形状などの各種形状を用いることが可能である。なお、支持部12の断面サイズは、例えば15mm〜20mm程度であることが望ましい。
【0039】
また、支持部12は、保持部11の側面に沿って収納されるように形成されている。具体的には、U字形状の支持部12の両端が保持部11における対向する一対の側面にそれぞれ取り付けられており、支持部12はその両端を通る直線を回転中心として回動可能(回転可能)に形成されている。この支持部12は、保持部11を挟み込んでおり、その保持部11との摩擦力によって自身の停止位置を希望の位置にすることが可能に形成されている。
【0040】
ここで、支持部12は、保持部11を支える二つの支持位置(例えば、
図2中の実線参照)と保持部11の側面に位置する収納位置(
図2中の二点鎖線参照)とに移動する。この収納位置に移動した支持部12は、ユーザが保持部11を持ち運ぶためのハンドル(取っ手や握りなど)として機能する。なお、収納位置に移動した支持部12の位置を確実に固定するためには、収納位置で支持部12を固定する固定部材(図示せず)を設けるようにしても良い。
【0041】
次いで、このような平面検出器保持装置3dの側面撮影時の自立状態(第1の設置方法及び第2の設置方法)について
図4及び
図5を参照して説明する。
【0042】
第1の設置方法において、
図4に示すように、平面検出器3cを内蔵する平面検出器保持装置3dは、支持部12が天板2a上の被検体Pと反対側に倒され(第1の支持位置)、保持部11が内蔵する平面検出器3cが天板2a上の被検体Pを透過したX線を検出することが可能な体勢になるよう、すなわち天板2aの上面である載置面にほぼ垂直になるように天板2a上に設けられる。このとき、平面検出器3cを内蔵する保持部11は支持部12により支えられ、平面検出器保持装置3dは天板2a上に自立することになる。
【0043】
第2の設置方法において、
図5に示すように、平面検出器3cを内蔵する平面検出器保持装置3dは、支持部12が天板2a上の被検体P側に倒され(第2の支持位置)、前述と同様、保持部11が内蔵する平面検出器3cが天板2a上の被検体Pを透過したX線を検出することが可能な体勢になるよう、すなわち天板2aの上面である載置面にほぼ垂直になるように天板2a上に設けられる。このとき、支持部12は被検体Pの下(天板2a上の被検体Pと天板2aとの間)に位置し、平面検出器3cを内蔵する保持部11は支持部12により支えられ、平面検出器保持装置3dは天板2a上の端部に自立することになる。なお、支持部12は天板2a上の被検体Pの下に敷かれるように配置されており、被検体Pの体重によって抑え込まれる。このため、保持部11は被検体Pによって天板2a上に固定されることになる。
【0044】
ここで、側面撮影を行う場合には、前述の第1の設置方法及び第2の設定方法のどちらの方法を用いても良いが、第1の設定方法は天板2a上のスペースに依存する。すなわち、第1の設置方法は、天板2a上の被検体Pの反対側に支持部12を倒しても、天板2a上に平面検出器保持装置3dを載置可能なスペースが存在している場合に用いられる。一方、このスペースが存在しない場合、第2の設置方法を用いることになるが、この第2の設置方法は天板2a上のスペースに関係無く用いることが可能である。
【0045】
このようにどちらの設置方法においても、平面検出器3cを内蔵する平面検出器保持装置3dが自立するため、天板2a上のどこにでも自由に平面検出器保持装置3d、すなわち平面検出器3cを設置することが可能となり、平面検出器3cを配置する自由度が向上する。さらに、側面撮影のたびに平面検出器3cやグリッド13の取り付け固定を行う場合に比べ、平面検出器保持装置3dの支持部12を展開し、その平面検出器保持装置3dを天板2a上に載置するだけで良いため、利用者の手間を軽減することができる。加えて、天板2aの側面側に固定されている側面撮影用保持ツールが不要となり、その側面撮影用保持ツールを取り除くことが可能となる。このため、複雑な機構の側面撮影用保持ツールを用いる場合に比べ、省スペース化及び低コスト化を達成することができる。
【0046】
また、支持部12は保持部11の側面に沿って収納されるため、平面検出器保持装置3dを運ぶ際などに支持部12が邪魔になることが無く、平面検出器保持装置3dの利便性を向上させることができる。さらに、支持部12は利用者が保持部11を持ち運ぶためのハンドルとしても機能するため、利用者はその支持部12を掴んで平面検出器保持装置3dを容易に持ち運ぶことが可能となり、平面検出器保持装置3dの利便性をさらに向上させることができる。
【0047】
また、保持部11は平面検出器3cを着脱可能に保持するため、平面検出器3cを交換することが可能となり、平面検出器保持装置3dの利便性をより向上させることができる。加えて、保持部11に切り欠き部11cを設けることによって、各報知部3c1及び3c2が保持部11により覆われないため、各報知部3c1及び3c2がランプやスピーカであっても、利用者はランプの点灯状態や音声によって平面検出器3cの動作状況を把握することができる。また、保持部11の一部が切り欠かれるため、その保持部11を軽量化することができる。
【0048】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、X線を検出する平面検出器3cを保持する保持部11と、その保持部11を支える支持部12とによって、平面検出器保持装置3dを構成する。これにより、保持部11が支持部12により支えられ、平面検出器保持装置3dが自立することになる。このため、天板2a上のどこにでも自由に平面検出器保持装置3d、すなわち平面検出器3cを設置することが可能となるので、配置自由度を向上させることができる。さらに、側面撮影用保持ツールを用いる場合に比べ、平面検出器保持装置3dの支持部12を展開し、その平面検出器保持装置3dを天板2a上に載置するだけで良いため、利用者の手間を軽減することが可能となり、設置作業性を向上させることができる。加えて、側面撮影用保持ツールが不要となり、その側面撮影用保持ツールを取り除くことが可能となるため、複雑な機構の側面撮影用保持ツールを用いる場合に比べ、省スペース化を実現することができる。
【0049】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について
図6を参照して説明する。
【0050】
第2の実施形態は基本的に第1の実施形態と同様である。このため、第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点について説明し、第1の実施形態で説明した部分は同一符号で示し、その説明も省略する。
【0051】
図6に示すように、第2の実施形態に係る平面検出器保持装置3dでは、支持部12が一対の支持部材、すなわち第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bにより構成されている。これらの第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bは、保持部11の下面に設けられており、その保持部11内の平面検出器3cがX線を検出することが可能な体勢に保持部11を支える。これにより、平面検出器保持装置3dは、保持部11に平面検出器3cを内蔵した状態で支持部12により自身で立っている状態(自立状態)となる。なお、保持部11の下面とは、
図6中における下面(自立状態時の下面)であり、平面検出器保持装置3dを天板2a上に設置する場合、保持部11の天板2a側の面である。
【0052】
また、第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bは、それぞれ保持部11の下面に沿って収納されるように形成されている。具体的には、第1の支持部材12aは、その一端部が保持部11の下面の一端部に取り付けられ、保持部11の下面に沿って回転可能に形成されている。また、同様に、第2の支持部材12bも、その一端部が保持部11の下面の他の一端部(前述の一端部の反対側の端部)に取り付けられ、保持部11の下面に沿って回転可能に形成されている。
【0053】
ここで、第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bは、それぞれ立方体形状に形成されているが、これに限るものではなく、例えば、円柱形状や楕円柱形状、四角柱形状、六角柱形状などの各種の形状に形成されても良い。なお、支持部12を天板2a上の被検体Pの下に敷くように配置することがあるが、被検体Pである被験者に負担をかけないためにも、第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bのそれぞれの厚さは、例えば10mm以下であることが望ましい。
【0054】
このような第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bは、保持部11を支える二つの支持位置(例えば、
図6中の実線参照)と保持部11の下面に位置する収納位置(
図6中の二点鎖線参照)とに移動する。第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bが支持位置に移動すると、保持部11が第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bにより支えられ、平面検出器保持装置3dが自立することになる。このため、第1の実施形態と同様、天板2a上のどこにでも自由に平面検出器保持装置3d、すなわち平面検出器3cを設置することが可能となる。
【0055】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、前述の第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能となり、設置作業性の向上、設置自由度の向上及び省スペース化を実現することができる。
【0056】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について
図7を参照して説明する。
【0057】
第3の実施形態は基本的に第2の実施形態と同様である。このため、第3の実施形態では、第2の実施形態との相違点について説明し、第2の実施形態で説明した部分は同一符号で示し、その説明も省略する。
【0058】
図7に示すように、第3の実施形態に係る平面検出器保持装置3dでは、第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bが、保持部11の側面、すなわち保持部11における対向する一対の側面に個別に設けられている。これらの第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bは、保持部11内の平面検出器3cがX線を検出することが可能な体勢に保持部11を支える。これにより、平面検出器保持装置3dは、保持部11に平面検出器3cを内蔵した状態で支持部12により自身で立っている状態(自立状態)となる。
【0059】
また、第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bは、それぞれ保持部11の側面に沿って収納されるように形成されている。具体的には、第1の支持部材12aは、その一端部が保持部11の側面の一端部(
図7中の下端部)に取り付けられ、保持部11の側面に沿って回転可能に形成されている。また、同様に、第2の支持部材12bも、その一端部が保持部11の他の側面(前述の側面の反対側の側面)の一端部(
図7中の下端部)に取り付けられ、保持部11の側面に沿って回転可能に形成されている。
【0060】
このような第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bは、保持部11を支える二つの支持位置(例えば、
図7中の実線参照)と保持部11の側面に位置する収納位置(
図7中の二点鎖線参照)とに移動する。第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bが支持位置に移動すると、保持部11が第1の支持部材12a及び第2の支持部材12bにより支えられ、平面検出器保持装置3dが自立することになる。このため、第2の実施形態と同様、天板2a上のどこにでも自由に平面検出器保持装置3d、すなわち平面検出器3cを設置することが可能となる。
【0061】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、前述の第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能となり、設置作業性の向上、設置自由度の向上及び省スペース化を実現することができる。
【0062】
(第4の実施形態)
第4の実施形態について
図8を参照して説明する。
【0063】
第4の実施形態は基本的に第1の実施形態と同様である。このため、第4の実施形態では、第1の実施形態との相違点について説明し、第1の実施形態で説明した部分は同一符号で示し、その説明も省略する。
【0064】
図8に示すように、第4の実施形態に係る平面検出器3cは、可搬型の平面検出器本体3c3と、その平面検出器本体3c3を支える支持部12と、平面検出器本体3c3に設けられたグリッド13を備えており、支持部12により自立することが可能な構造に形成されている。つまり、第4の実施形態では、第1の実施形態に係る平面検出器保持装置3d、すなわち保持部11を備えておらず、第1の実施形態に係る支持部12及びグリッド13が平面検出器3cに直接取り付けられている。
【0065】
支持部12は、平面検出器本体3c3を支える二つの支持位置(例えば、
図8中の実線参照)と保持部11の側面に位置する収納位置(
図8中の二点鎖線参照)とに移動する。この支持部12が支持位置に移動すると、平面検出器本体3c3が支持部12により支えられ、平面検出器3cが自立することになる。このため、第1の実施形態と同様、例えば天板2a上のどこにでも自由に平面検出器3cを設置することが可能となる。
【0066】
以上説明したように、第4の実施形態によれば、前述の第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能となり、設置作業性の向上、設置自由度の向上及び省スペース化を実現することができる。
【0067】
すなわち、X線を検出する平面検出器本体3c3と、その平面検出器本体3c3を支える支持部12とによって、平面検出器3cを構成する。これにより、平面検出器本体3c3が支持部12により支えられ、平面検出器3cが自立することになる。このため、例えば天板2a上のどこにでも自由に平面検出器3cを設置することが可能となるので、配置自由度を向上させることができる。さらに、側面撮影用保持ツールを用いる場合に比べ、平面検出器3cの支持部12を展開し、その平面検出器3cを天板2a上に載置するだけで良いため、利用者の手間を軽減することが可能となり、設置作業性を向上させることができる。加えて、側面撮影用保持ツールが不要となり、その側面撮影用保持ツールを取り除くことが可能となるため、複雑な機構の側面撮影用保持ツールを用いる場合に比べ、省スペース化を実現することができる。
【0068】
なお、前述の第4の実施形態においては、第1の実施形態に係る支持部12を平面検出器本体3c3に取り付けているが、これに限るものではなく、例えば、第2又は第3の実施形態に係る支持部12(
図6及び
図7参照)を平面検出器本体3c3に取り付けるようにしても良い。この場合には、第2又は第3の実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0069】
また、前述の第1ないし第4の実施形態においては、平面検出器3cを内蔵する保持部11を天板2aの上面である載置面にほぼ垂直にして支持部12により支持するようにしているが、これに限るものではなく、例えば、天板2aの上面である載置面に対して傾斜させて支持部12により支持するようにしても良い。このときの傾斜角度は撮影部位(例えば、腕や足など)や撮影内容などに応じて変わるものである。
【0070】
また、前述の第1ないし第4の実施形態においては、平面検出器3cを天板2a上に載置する例を示したが、これに限ることはなく、天板2a以外の場所に平面検出器3cが載置されてもよい。
【0071】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。