(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記の詳細な記載は本質的に例示に過ぎず、実施形態またはさまざまな実施形態の適用および使用を限定することは意図されていない。さらに、上記技術分野もしくは背景技術、または以下の詳細な説明で提示される、いかなる表示または暗示された理論によっても束縛されることは意図されていない。
【0010】
簡潔かつ明瞭な説明のために、図面は一般的な構築様式を示し、既知の特徴および技法の説明および詳細は、実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために省略される場合がある。加えて、図面内の要素は必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。たとえば、さまざまな実施形態の理解の向上を助けるために、いくつかの図面内の要素または領域のうちのいくつかの寸法は同じまたは他の図面の他の要素または領域に対して誇張されている場合がある。
【0011】
本記載および特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語がある場合、これらは、同様の要素間で区別するために使用されることができ、必ずしも特定の連続する、または経時的な順序を説明するためのものではない。このように使用される用語は、本明細書に記載されている実施形態がたとえば、本明細書において例示または他の様態で記載されている以外の順序で使用することが可能であるように、適切な状況下で置き換え可能であることが理解されるべきである。さらに、「備える(comprise)」、「含む(include)」、「有する(have)」といった用語およびそれらの任意の変化形は非排他的な包含をカバーするように意図され、それによって、要素のリストを含むプロセス、方法、製品、または装置が必ずしもそれらの要素に限定されず、明示的に列挙されていない、またはこのようなプロセス、方法、製品、または装置に内在する他の要素を含むことができる。本明細書および特許請求の範囲における「左(left)」、「右(right)」、「中(in)」、「外(out)」、「正面(front)」、「裏(back)」、「上(up)」、「下(down)」、「上部(top)」、「底(bottom)」、「上(over)」、「下(under)」、「上(above)」、「下(below)」などの用語は、存在する場合、相対的な位置の説明を目的として使用されており、必ずしも空間における永久的な位置を記述するために使用されてはいない。本明細書に記載されている実施形態がたとえば、本明細書において例示または他の様態で記載されている以外の向きで使用される場合があることが理解されるべきである。本明細書において使用される場合、「結合される(coupled)」という用語は、電気的または非電気的な様式で直接的または間接的に接続されるものとして定義される。
【0012】
本明細書に記載されている本発明のさまざまな実施形態は、その導電型のデバイスまたは構造に適切なさまざまなPおよびNドープ領域を有する特定の導電型の半導体デバイスおよび構造によって示されている。しかし、これは説明を簡便にするためのものに過ぎず、限定であることは意図されていない。P型領域がN型領域になり、またはその反対のこともあるように、導電型を交換することによって反対の導電型のデバイスまたは構造が提供されてもよいことを当業者は理解しよう。代替的には、以下に示されている特定の領域は、より一般的に「第1の導電型」および「第2の反対の導電型」であるものとして参照される場合があり、第1の導電型はNまたはP型のいずれかであってよく、その場合、第2の反対の導電型はPまたはN型のいずれかである、などである。さらに、限定であることは意図されず説明を簡便にするために、本発明のさまざまな実施形態はシリコン半導体に関して本明細書において説明されるが、当業者は、本発明はシリコンには限定されず、広範な半導体材料に適用されることを当業者は理解しよう。非限定的な例は、バルク形態もしくは層状形態もしくは薄膜形態もしくはセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)の形態またはそれらの組み合わせのいずれかであってもよい、他のIV族半導体材料、ならびにIII−VおよびII−VI族半導体材料、有機半導体材料、ならびにそれらの組み合わせである。そのような材料は、単結晶もしくは多結晶もしくは非晶質またはそれらの組み合わせであってよい。
【0013】
図1は、一実施形態に応じた、誘導負荷(inductive load)132を含む外部回路130を駆動するように構成されるドライバ回路110を含む電子システム100の簡略図である。システム100は自動車または他の車両内に実装されてもよく、誘導負荷132はモータの一部、または車両の他の誘導性構成要素を表す。代替的には、システム100またはその派生物は、自動車または車両用途以外の用途に使用されてもよい。
【0014】
一実施形態に応じて、ドライバ回路110はシステム・オン・チップ(SOC)の一部であり、ドライバ回路110およびSOCの他の部分は、単一の半導体基板(下記では「SOC基板」と称する)上に形成される。たとえば、SOCは、さまざまな処理構成要素、メモリアレイ(たとえば、フラッシュアレイ、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)アレイなど)、および他の回路をも含んでもよい。単純にするために、SOCの他の部分は、
図1には示されていない。下記により詳細に説明されるように、実施形態は、望ましくない電流が誘導負荷132または他のソースからSOC基板内に注入されるのを低減するかまたはなくすように構成されるシステムおよび半導体構成要素に関する。
【0015】
ドライバ回路110およびSOCの他の部分は、少なくとも「ハイ・サイド・ゲート」(HG)ピン140、「ハイ・サイド・ソース」(HS)ピン141、「ロー・サイド・ゲート」(LG)ピン142、「ロー・サイド・ソース」(LS)ピン143、およびグランドピン144を介して外部回路130と結合される。本明細書においては「ピン」と称するが、ピン140〜144は、ピン、リード線、バンプ、ボール、または他のタイプのコンタクトの任意の組み合わせを含んでもよい。
図1において、ピン140〜144を通る垂直な破線は、SOC(ドライバ回路110を含む)と外部回路130との間の境界を表す。
【0016】
上記のように、外部回路130は、誘導負荷132を含む。加えて、外部回路130は、一実施形態では、第1の「ハイサイド」FET133と、第2の「ローサイド」FET134と、シャント抵抗器(shunt resistor)136とを含む。後により詳細に説明されるように、特定の状況下では、誘導負荷132は、注入電流のソースとしての役割を果たす場合があり、これはドライバ回路110に結合する。ハイサイドFET133およびローサイドFET134は各々、
図1に示されるようにボディダイオードを含む。HSピン141は、ノード120において誘導負荷132の入力端子、ハイサイドFET133のソース、およびローサイドFET134のドレインに結合される。ローサイドFET134のソースは、LSピン143に、およびシャント抵抗器136を介して接地に結合される。ハイサイドFET133のゲートはHGピン140に結合され、ハイサイドFET133は、ドライバ回路110からHGピン140を通じて受信される信号に応答してオンおよびオフにされる。ローサイドFET134のゲートはLGピン142に結合され、ローサイドFET134は、ドライバ回路110からLGピン142を通じて受信される信号に応答してオンおよびオフにされる。
【0017】
一実施形態に応じて、ドライバ回路110は、第1の電流路に沿って、少なくとも第1のN型LDMOS電界効果トランジスタ(NLDMOSFET)112および少なくとも第1のP型LDMOSFET(PLDMOSFET)116を含む。ノード150は、NLDMOSFET112のドレインならびにPLDMOSFET116のソースおよびボディをHGピン140に結合する。ノード151は、NLDMOSFET112のソースおよびボディならびにPLDMOSFET116のドレインをHSピン141に結合する。第2の電流路に沿って、ドライバ回路110は、第2のNLDMOSFET114および第2のPLDMOSFET118をも含んでもよい。ノード152は、NLDMOSFET114のドレインならびにPLDMOSFET118のソースおよびボディをLGピン142に結合する。ノード153は、NLDMOSFET114のソースおよびボディならびにPLDMOSFET118のドレインをLSピン143に結合する。SOC基板は、グランドピン144を通じてシステム接地(system ground)に接続される。
【0018】
他の図面とともに後により詳細に説明されるように、PLDMOSFET116および118の活性領域は各々、分離構造(isolation structure)または分離「タブ」(たとえば、活性領域を取り囲むN型埋込層およびN型シンカ領域)内に形成されてもよい。加えて、NLDMOSFET112および114の活性領域は各々、分離構造内に同様に形成されてもよい。分離構造は、NLDMOSFET112および114ならびにPLDMOSFET116および118の活性領域をSOC基板の残りの部分から分離するように構成される。分離構造は、NLDMOSFET112および114ならびにPLDMOSFET116および118がボディバイアスによって動作することを可能にし得る。加えて、分離構造は、通常の動作条件下でSOC基板への電流注入を防止するのを助け得る。たとえば、
図1において、ダイオード113および115は、NLDMOSFET112および114に関連付けられる埋込層−基板ダイオードを表し、ダイオード117および119は、PLDMOSFET116および118に関連付けられる埋込層−基板ダイオードを表し、ダイオード113、115、117、および119は、ピン141〜143が、SOC基板に短絡することなく正電位にあることを可能にする。
【0019】
或るシステムでは、PLDMOSFET116および118のソースならびにそれらの関連する分離構造は、メタライゼーション(metallization)を通じて電気的に短絡され、それによって、ソース電極および分離構造は常に同じ電位にある。加えて、PLDMOSFET116および118において、ボディ領域は、基板表面において、またはその下で分離構造と融合されてもよく、この場合、分離構造(またはより具体的にはN型シンカ領域)は、ボディタイ(body tie)であるとみなされてもよい。ソース領域およびボディ領域は一般的に高電位(たとえば、Vdd)に保持され、分離構造およびボディ領域を融合しながらソースを分離構造に短絡することによって、基板の、ボディ領域とN型埋込層との間の部分が最大Vddにおいて全逆バイアスをより良く維持することが可能になる。同様に、NLDMOSFET112および114のドレインならびにそれらの関連する分離構造は、メタライゼーションを通じて電気的に短絡され得、それによって、ドレイン電極および分離構造は、常に同じ電位にある。この構成は、NLDMOSFET112および114においてドリフト領域と各分離構造の埋込層との間の基板材料が、ドリフト領域および埋込層の両方からの最大Vddにおいて全逆バイアスを維持することが可能ではあり得ないため、有益である。
【0020】
電流搬送領域(たとえば、NLDMOSFET112および114のドレイン領域、ならびにPLDMOSFET116および118のソース領域)をともにそれぞれNLDMOSFET112および114の分離構造ならびにPLDMOSFET116および118のボディに短絡することは多くの動作条件下で良好に作用し得るが、この構成は、特定の他の動作条件下では望ましくない電流がSOCの基板に注入されることを可能にするおそれがある。たとえば、ドライバ回路110がハイサイドFET133を(たとえば、NLDMOSFET112をオンにすることによって)オフにした瞬間、ローサイドFET134もオフになる(たとえば、NLDMOSFET114が導通している)。この状態において、誘導負荷132内の電流は、ローサイドFET134のボディダイオードが順方向バイアスされるまでHSピン141を負にプッシュし得る。ドライバ回路110は、いくらかの時間の後、ローサイドFET134の電力損失(power dissipation)を低下させるために、ローサイドFET134をオンにするように制御され得る。次いで、ノード120およびHSピン141(ならびに、したがって、NLDMOSFET112のソースおよびボディ)における負電位が、誘導負荷電流に、シャント抵抗器136の抵抗およびローサイドFET134のRDSONの合計を乗算した値によって定義される。LSピン143(ならびにNLDMOSFET114のソースおよびボディ)上で、より低い負電位が、誘導負荷電流に、シャント抵抗器136の抵抗を乗算した値によって定義される。ハイサイドFET133がオフになった後しばらくの間、NLDMOSFET112および114は、正ゲート−ソース電圧(Vgs)を有し、したがって、ドレインがNLDMOSFET112および114のソースと短絡するようにする。NLDMOSFET112および114のドレイン電極および分離構造が短絡されるに過ぎないシステムでは、HSピン141およびLSピン143上の負電位はその後、NLDMOSFET112および114の導電性チャネルを通じて、ノード150、152およびSOC基板内の少なくとも2つの注入部位(N型領域)にアクセスし得る。HSピン141上の負電位は、LSピン143上の負電位よりも大きいため、HSピン141上の負電位の結果としての電流注入に関する電位は、LSピン143上の負電位の結果としての電流注入に関する電位よりも大きな問題である。長い時間期間にわたるローサイドFET134のボディダイオードにおける高い電力損失を回避するために、ローサイドFET134は、ハイサイドFET133がオフになった直後に(すなわち、NLDMOSFET114をオフにすることによって)、オンにされる。しかしながら、ノード120(および、したがってHSピン141)における電位は依然として負となり、電流注入の問題はより低い度合いであるにせよ、依然として存在し得る。
【0021】
さまざまな実施形態に応じて、ドライバ回路110はさらに、上記または他の動作条件下でSOC基板内への電流注入を低減するかまたはなくすように構成される回路を含む。より詳細には、一実施形態において、ドライバ回路110は、NLDMOSFET112のドレイン領域と分離構造との間に結合される第1のダイオード回路160と、NLDMOSFET114のドレイン領域と分離構造との間に結合される第2のダイオード回路161と、PLDMOSFET116のソース領域と分離構造との間に結合される第3のダイオード回路162と、PLDMOSFET118のソース領域と分離構造との間に結合される第4のダイオード回路163とを含む。ダイオード回路160〜163をこれらのロケーションに挿入することによって、注入電流(injection current)が低減またはなくなることができる。より具体的には、注入部位(injection sites)がダイオード回路160〜163の後ろに移動させられ、したがって、HSピン141および/またはLSピン143上の所与の電位においてSOC基板内に注入され得る電流が大きく制限される。たとえば、通常の動作との関連でハイ側がオフになっている間、HSピン141上の電圧は約−0.3ボルト〜約−6.0ボルト(または何らかの他の通常動作値)の間で負で変動し得る。さまざまな実施形態に応じて、ダイオード回路160〜163は、用途に応じて、最低通常負動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい降伏電圧を有するダイオードを含んでもよい。
図1には示されていないが、ドライバ回路110は、同様に、SOC基板内への電流注入を低減またはなくす目的でそれらのドレインまたはソース領域と分離構造との間に結合されるダイオード回路を含む追加のNLDMOSFETデバイスおよび/またはPLDMOSFETデバイスを含んでもよい。
【0022】
本明細書において使用される場合、「ダイオード回路」は、1以上のダイオードを含む回路である。残りの図面に関連して後により詳細に説明されるように、「ダイオード」は、ショットキーコンタクトおよびドープ半導体領域、PN接合、多結晶シリコンダイオード、ならびにこれらのまたは他のダイオード構成要素の組み合わせから形成されてもよい。また、本明細書において「ダイオード」を参照する場合、この用語は単一のダイオードまたは複数のダイオードの直列もしくは並列の構成を含んでもよいことを理解されたい。また、本明細書において「抵抗回路網(Resistive Network)」を参照する場合、この用語は単一の抵抗器または複数の抵抗器の直列もしくは並列の構成を含んでもよいことを理解されたい。後により詳細に説明されるように、本明細書において説明される「ダイオード回路」の実施形態は少なくとも1つのダイオードを含み、1つ以上の他の構成要素(たとえば、ダイオード回路のダイオード(複数の場合もあり)と直列および/または並列の1つ以上の抵抗回路網または他の構成要素)をも含んでもよい。
【0023】
PLDMOSFET(たとえば、PLDMOSFET116)および関連するダイオード回路(たとえば、ダイオード回路162)の実施形態を下記により詳細に説明する。たとえば、一実施形態に応じて、PLDMOSFET116のソース領域および分離構造を結合するダイオード回路162は、ショットキーダイオードを含む。そのような実施形態は
図2に示されており、この図は、下記により詳細に説明されるように、ショットキーダイオードを含むダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)を有するPLDMOSFET200(たとえば、
図1のPLDMOSFET116)の断面図である。一実施形態に応じて、PLDMOSFET200(ならびに
図6、
図7、
図11、および
図13のPLDMOSFET600、700、1100、1300、後述)のさまざまな領域は、
図2に示されている断面に垂直な面内に配向されるリング状構成を有する。本明細書における図面および記載は二重ゲートフィンガ構成に特に当てはまるが、本発明の主題の範囲は、そのような構成には限定されない。本明細書における記載に基づいて、当業者は示され記載されている実施形態を、隣接するゲートフィンガがドレイン(たとえば、ドレイン領域236)を共有し得る、複数(すなわち、>2)のゲートフィンガを含む構成に適用させるように改変する方法を理解するであろう。
【0024】
PLDMOSFET200は、基板上面212を有する半導体基板210(たとえば、
図1に関連して説明されたSOC基板)内およびその上に形成される。一実施形態に応じて、PLDMOSFET200は、分離構造を含み、分離構造は、PLDMOSFET200の活性領域230(すなわち、基板210の、内部に能動素子が形成される領域)に関連付けられる基板の部分216を実質的に取り囲む。言い換えれば、能動素子(active device)は、分離構造によって収容されるとみなされてもよい。分離構造は箱型構造であり、箱形構造は、N型埋込層(NBL)220(基板上面212の下の或る深さに位置する)、および基板上面212からNBL220の深さまで伸長するN型シンカ領域222から形成される。シンカ領域222は、シンカ領域222がNBL220まで伸長することを可能にするのに十分なインプラントエネルギーを有する一回のインプラント手順(single implantation procedure)を使用して形成されてもよく、または、シンカ領域222は、異なるインプラントエネルギーを有する複数回のインプラント手順を使用し、したがって、異なる深さに一連の相互接続されるシンカ部分領域が形成されるように形成されてもよい。
【0025】
PLDMOSFET200はさらに、活性領域230内に形成される能動素子を含む。一実施形態に応じて、能動素子は、P型ドリフト領域232と、N型ボディ領域234と、P型ドレイン領域236と、P型ソース領域238と、ゲート電極242と(ならびに、対応するゲート絶縁膜、参照番号なし)を含む。ドリフト領域232は、活性領域230の中心部分内に形成され、基板上面212から、NBL220よりも浅い深さまで基板210内に伸長する。ドレイン領域236はドリフト領域232内に形成され、ドリフト領域232よりも高濃度にドープされる。ドレイン領域236は、基板上面212から、ドリフト領域232よりも著しく浅い深さまで基板210内に伸長する。導電性相互接続(conductive interconnect)は、ドレイン領域236をドレイン端子266に電気的に結合する。
【0026】
ボディ領域234は、ドリフト領域232とシンカ領域222との間に形成され、基板上面212から基板210内へNBL220の深さよりも浅く、ドリフト領域232の深さよりも深い場合がある深さまで伸長する(ただし、ボディ領域234はドリフト領域232の深さよりも浅いかまたは実質的に等しい深さまで伸長してもよい)。一実施形態では、ボディ領域234はドリフト領域232に当接する。加えて、ボディ領域234は、
図2に示されるように一実施形態ではシンカ領域222と融合される。したがって、分離構造(またはより具体的にはシンカ領域222)は、ボディタイであるとみなされてもよい。代替の実施形態では、ボディ領域234は、ドリフト領域232および/もしくはシンカ領域222から横方向に分離されてもよく(たとえば、ボディ領域1634がP型間隙1637によってシンカ領域1622から分離される
図16の実施形態のように)、またはボディ領域234は、ドリフト領域232および/もしくはシンカ領域222に重なってもよい(そのチャネルまたはドリフト領域232および/もしくはシンカ領域222におけるものとは異なるドーパントプロファイルを有する領域が作成される)。ソース領域238は、ボディ領域234内に形成され、基板上面212から基板210内へボディ領域234の深さよりも著しく浅い深さまで伸長する。ソース領域238は、ドリフト領域232よりも高濃度にドープされてもよい。概してドレイン領域236とソース領域238との間で、基板上面212上のゲート酸化膜の上にゲート電極242が形成される。導電性相互接続は、ゲート電極242をゲート端子264に電気的に結合する。
【0027】
一実施形態に応じて、PLDMOSFET200はさらに、
図2に示されるように、さまざまなシャロー・トレンチ・アイソレーション(STI)構造250、252を含んでもよい。たとえば、基板上面212において、STI250はドリフト領域232内でドレイン領域236に当接し、STI252はソース領域238と分離構造(またはより詳細には、シンカ領域222)との間に位置付けられる。代替の実施形態では、STI構造250および/または252のいずれかまたは両方が除外されてもよい。たとえば、STI252が除外されてもよく、ソース領域238とシンカ領域222とがともに短絡されてもよい。加えて、STI250が除外されてもよく、それによってPLDMOSFET200が
図2に示されている「電界ドリフト素子(field drift device)」ではなく「能動ドリフト素子(active drift device)」となる。STI250を含むことによって高いゲート−ドレイン電位が可能になり、一方でゲート酸化膜が破断する危険性が低減される。また他の代替の実施形態では、STI構造のうちのいくつかまたはすべては、そうでなければ表面においてさまざまな領域をともに短絡することになるシリサイド(Silicides)の形成を防止するシリサイドブロック層に置き換えられてもよい。
【0028】
一実施形態に応じて、PLDMOSFET200は、ソース領域238と分離構造との間に接続されるダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)をさらに含む。より詳細には、ダイオード回路は、ショットキーコンタクト246(たとえば、基板上面212上でシリサイドを用いて形成される)とシンカ領域222の上面との間の金属−半導体接合から形成されるショットキーダイオードを含む。代替の実施形態では、ショットキーコンタクト246は、基板上面212と同一平面上にない側壁(sidewall)または他の表面上に、形成されてもよい。一実施形態に応じて、導電性相互接続は、ソース領域238、ショットキーコンタクト246、およびソース端子262を電気的に相互接続する。ショットキーダイオードは、用途に応じた所望の降伏電圧(たとえば、通常の最も大きい負の動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい降伏電圧)を提供するように設計されることができる。たとえば、一実施形態では、ショットキーダイオードは、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルトの範囲内の逆方向降伏電圧を提供するように設計されるが、より小さいまたはより大きい降伏電圧も達成されてもよい。
【0029】
上述のように、代替の実施形態に応じて、ボディ領域(たとえば、
図16のボディ領域1634)はシンカ領域(たとえば、
図16のシンカ領域1622)から横方向に分離されてよく、それによって、(たとえば、後述する
図16の実施形態におけるように)ボディ領域とシンカ領域との間にP型間隙が存在することになる。加えて、領域間の分離を保証するためにSTI構造(たとえば、
図16のSTI構造1654)またはシリサイドブロック層が、基板表面に含まれてもよい。P型間隙は、分離構造内のP型基板(たとえば、
図16の基板1610の部分1616)の一部分(たとえば、
図16の部分1637)(ボディ領域とシンカ領域との間の基板上面に向かって伸長する)から、または、基板上面から伸張するとともにボディ領域とシンカ領域との間に位置するP型ウェル領域から形成されてもよい。そのような実施形態では、PLDMOSFET(たとえば、
図16のPLDMOSFET1600)は、ボディ領域内に形成されるN型ボディコンタクト領域(たとえば、
図16のボディコンタクト領域1635)をさらに含んでもよい(たとえば、ソース領域とシンカ領域との間にあり、当該ボディコンタクト領域はSTI構造またはシリサイドブロック層によってソース領域から分離されてもよい)。ボディコンタクト領域およびソース領域(たとえば、
図16のソース領域1638)は、導電性相互接続を通じて電気的に結合(短絡)されてもよく、ダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)は、分離構造(たとえば、
図16のシンカ領域1622)と短絡されたソースおよびボディ領域との間に電気的に結合されてもよい。通常動作中、ボディ領域、ソース領域、および分離構造がすべて高い電位にあるとき、分離構造およびボディ領域は、いずれが先にくるかにかかわらず、それらの間のP型間隙の横方向空乏層(たとえば、それらの間の降伏の前に完全に使い果たされ得る)を通じて、またはP型基板の、ボディ領域とNBL(たとえば、
図16のNBL1620)との間の部分の垂直空乏層を通じて実効的に短絡されることができる。
【0030】
図3は、一実施形態に応じた、
図2のPLDMOSFET200の簡略化された回路
図300である。
図2も参照すると、端子362(たとえば、端子262)はソース領域(たとえば、ソース領域238)と結合され、端子364(たとえば、端子264)はゲート電極(たとえば、ゲート電極242)と結合され、端子366(たとえば、端子266)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域236)と結合される。
【0031】
一実施形態に応じて、かつ上述のように、PLDMOSFETはまた、ソース領域(たとえば、ソース領域238)とデバイスの分離構造との間で電気的に結合されるショットキーダイオード346(たとえば、ショットキーコンタクト246とシンカ領域222との間の接合部)をも含む。より具体的には、ショットキーダイオード346のアノードはソース領域に結合され、ショットキーダイオード346のカソードは分離構造(たとえば、シンカ領域222とNBL220との組み合わせ)によって形成される。ノード320において、ダイオード314は、分離構造と、分離構造の外側の基板の残りの部分との間の接合部によって形成されるダイオードを表す。
【0032】
ソース電位が高められる通常の動作中、ショットキーダイオード346は順方向にバイアスされる。したがって、分離構造の電位は、ショットキー障壁において小さな順方向電圧降下のみでソース領域の電位に密接に追随する。他方、ソース電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はショットキーダイオード346の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト)によって維持される。ソース電位が負になるときに分離構造の電位を維持することによって、そうでなければソースおよび分離構造が単に短絡された場合に発生し得る基板内へのキャリア注入が低減されるかまたはなくなり得、したがって、隣接回路ブロックの混乱(disruption)が回避される。
【0033】
別の実施形態に応じて、ダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)は、ショットキーダイオードと直列の抵抗回路網を含んでもよい。たとえば、
図4は、代替の実施形態に応じた、ショットキーダイオード446と直列の抵抗回路網410を含むダイオード回路を有する
図2のPLDMOSFET200の簡略化された回路
図400である。
図3の実施形態と同様に、端子462(たとえば、端子262)はソース領域(たとえば、ソース領域238)と結合され、端子464(たとえば、端子264)はゲート電極(たとえば、ゲート電極242)と結合され、端子466(たとえば、端子266)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域236)と結合される。
【0034】
ショットキーダイオード446(たとえば、ショットキーコンタクト246とシンカ領域222との間の接合部)および抵抗回路網410は、ソース領域(たとえば、ソース領域238)とデバイスの分離構造との間に電気的に直列に結合される。たとえば、抵抗回路網410は、多結晶シリコンから形成されてよく、基板の上面の分離された領域上に(たとえば、STI252上に)位置してもよい。代替的には、抵抗回路網410は他の材料から形成されてもよく、かつ/または他の場所に位置してもよい。動作中、ソース電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はショットキーダイオード446の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト)と直列の抵抗回路網410にわたる電圧降下によって維持される。ショットキーダイオード446と抵抗回路網410との組み合わせは、ショットキーダイオード446を構築する上でのより大きな柔軟性をもたらし得る。加えて、PLDMOSFETの完全性の維持において全体的に最適な結果を達成するために抵抗回路網410の値を選択する際に、基板注入を低減しながら静電放電(ESD)ロバスト性が達成され得る。より具体的には、たとえば、ショットキーダイオード446が降伏に陥る状況下(たとえば、ESDストレス中)では、ショットキーダイオード446を流れる電流は、抵抗回路網410によってその容量の範囲に制限され、したがって、ESD事象がショットキーダイオード446に損傷を与え得る可能性が低減される。
【0035】
また別の実施形態に応じて、ダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)は、ショットキーダイオードと並列の抵抗回路網を含んでもよい。たとえば、
図5は、代替の実施形態に応じた、ショットキーダイオード546と並列の抵抗回路網510を含むダイオード回路を有する
図2のPLDMOSFET200の簡略化された回路
図500である。
図2の実施形態と同様に、端子562(たとえば、端子262)はソース領域(たとえば、ソース領域238)と結合され、端子564(たとえば、端子264)はゲート電極(たとえば、ゲート電極242)と結合され、端子566(たとえば、端子266)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域236)と結合される。
【0036】
ショットキーダイオード546(たとえば、ショットキーコンタクト246とシンカ領域222との間の接合部)および抵抗回路網510は、ソース領域(たとえば、ソース領域238)とデバイスの分離構造との間に電気的に並列に結合される。たとえば、抵抗回路網510は多結晶シリコンから形成されてよく、基板の上面の分離された領域上に(たとえば、STI252上に)位置してもよい。代替的には、抵抗回路網510は他の材料から形成されてもよく、かつ/または他の場所に位置してもよい。動作中、ソース電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はショットキーダイオード546の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト)と並列の抵抗回路網510にわたる電圧降下によって維持される。
図4に関連して説明されたダイオード回路のように、ショットキーダイオード546と抵抗回路網510との組み合わせは、ショットキーダイオード546を構築する上でのより大きな柔軟性をもたらし得る。加えて、抵抗回路網510は、特定の状況下で、分離構造の電位をPLDMOSFETのソース電位により近く維持するように機能し得る。たとえば、ソース電位が(まだ正であるが)下降しているとき、分離構造の電位は、ショットキーダイオード546のキャパシタンスのみによって引き下げられ、これは十分である場合もあり、または十分でない場合もある。そのような場合、抵抗回路網510は、分離構造の電位をソース電位に向けて放電するのに役立ち得る。ソース電位が負に遷移するといくらかのわずかなキャリア注入が加えられ得るが、抵抗回路網510はキャリア注入の量を制限し得る。
【0037】
図4および
図5に関連して説明された実施形態において、ダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)は、ショットキーダイオード(たとえば、ショットキーダイオード446、546)と、ショットキーダイオードと直列に結合される抵抗回路網(抵抗回路網410)またはショットキーダイオードと並列に結合される抵抗回路網(抵抗回路網510)のいずれかとを含む。別の代替の実施形態では、ダイオード回路は、直列結合抵抗回路網構成および並列結合抵抗回路網構成の両方によってもたらされ得る利点を実現するために、ショットキーダイオードと、ショットキーダイオードと直列に結合される第1の抵抗回路網および並列に結合される第2の抵抗回路網とを含んでもよい。
【0038】
図2〜
図5に関連して説明された実施形態において、PLDMOSFETの一実施形態(たとえば、
図1のPLDMOSFET116)のソース領域および分離構造を結合するダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)は、ショットキーダイオードを含む。他の実施形態に応じて、PLDMOSFETの一実施形態のソース領域および分離構造を結合するダイオード回路は、代わりに、PN接合ダイオード(たとえば、PN接合(
図6)または多結晶シリコンダイオード(
図7)のいずれかを含む)を含む。たとえば、
図6および
図7は、各々がPN接合ダイオードを含むダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)を有するPLDMOSFET600、700(たとえば、
図1のPLDMOSFET116)の断面図である。PLDMOSFET600、700(
図6、
図7)の構造の多くは
図2に関連して詳細に説明されたPLDMOSFET200の構造と同様である。簡潔にするために、同様の構造的要素は下記には詳細には説明されず、
図2に関連した説明が
図6および
図7にも等しく適用されるように意図される。加えて、
図6および
図7の共通の要素を下記ともに説明し、それらのデバイス間の相違をその後明記する。
【0039】
PLDMOSFET600、700は、基板上面612、712を有するP型半導体基板610、710(たとえば、
図1に関連して説明されたSOC基板)内およびその上に形成される。各PLDMOSFET600、700は、基板610、710の、PLDMOSFET600、700の活性領域630、730に対応する部分616、716を実質的に取り囲む分離構造を含む。分離構造は、(基板上面612、712の下の或る深さに位置する)NBL620、720、および基板上面612、712からNBL620、720の深さまで伸長するN型シンカ領域622、722から形成される。PLDMOSFET600、700は、活性領域630、730内に形成される能動素子(active device)をさらに含む。一実施形態に応じて、能動素子は、P型ドリフト領域632、732と、N型ボディ領域634、734と、P型ドレイン領域636、736と、P型ソース領域638、738と、ゲート電極642、742とを含む。一実施形態では、ボディ領域634、734はドリフト領域632、732に当接する。加えて、ボディ領域634、734は、
図6および
図7に示されるように一実施形態ではシンカ領域622、722と融合される。したがって、分離構造(またはより具体的にはシンカ領域622、722)は、ボディタイであるとみなされてもよい。代替の実施形態では、ボディ領域634、734は、ドリフト領域632、732および/もしくはシンカ領域622、722から横方向に分離されてもよく(たとえば、ボディ領域2034、2134がP型間隙2037、2137によってシンカ領域2022、2122から分離される
図20および
図21の実施形態におけるように)、またはボディ領域634、734は、ドリフト領域632、732および/もしくはシンカ領域622、722に重なってもよい(そのチャネルまたはドリフト領域632、732および/もしくはシンカ領域622、722におけるものとは異なるドーパントプロファイルを有する領域が作成される)。導電性相互接続がドレイン領域636、736をドレイン端子666、766に電気的に結合する。同様に、導電性相互接続は、ゲート電極642、742をゲート端子664、764に電気的に結合する。PLDMOSFET600、700は、STI構造650、750、652、および752をさらに含んでもよい。代替の実施形態では、STI構造650、750、652、および/または752のうちのいくつかまたはすべてが除外されてもよい。また他の代替の実施形態では、STI構造のうちのいくつかまたはすべては、シリサイドブロック層に置き換えられてもよい。
【0040】
一実施形態に応じて、PLDMOSFET600(
図6)は、ソース領域638と分離構造との間に接続されるPN接合ダイオードを含むダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)をさらに含む。より詳細には、PLDMOSFET600は、シンカ領域622内に伸長するP型領域646をさらに含み、P型領域646はP型ドリフト領域632よりも高濃度にドープされてもよい。P型領域646とシンカ領域622との間のPN接合は、ダイオード回路のPN接合ダイオードを形成する。一実施形態に応じて、導電性相互接続がソース領域638、P型領域646、およびソース端子662を電気的に結合する。PN接合ダイオードは、用途に応じた所望の降伏電圧(たとえば、通常の最も大きい負の動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい降伏電圧)を提供するように設計されることができる。たとえば、一実施形態では、PN接合ダイオードは、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルトの範囲内の逆方向降伏電圧を提供するように設計されてもよいが、より小さいまたはより大きい降伏電圧も達成されてもよい。
【0041】
別の実施形態に応じて、PLDMOSFET700(
図7)は、ソース領域738と、シンカ領域722内に伸長するN型領域724との間に接続される、多結晶シリコンダイオード746を含むダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)をさらに含み、N型領域724は、シンカ領域722に対する抵抗接点をもたらすためにシンカ領域722よりも高濃度にドープされる。たとえば、多結晶シリコンダイオード(Polycrystalline Silicon Diode)746は、多結晶シリコンダイオード746の降伏電圧を定義する中性スペーサ領域によって分離されるP型領域およびN型領域から形成されてもよい。ポリシリコンダイオード(Polysilicon Diode)746は、基板の上面の分離された領域上に(たとえば、図示されているようにSTI752上に)形成されてもよい。代替的には、ダイオード746は他の材料から形成されてもよく、かつ/または他の場所に位置してもよい。一実施形態では、多結晶シリコンダイオード746は、通常の最も大きい負の動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい、用途に応じた所望の逆方向降伏電圧を提供するように設計されてもよい(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルトの範囲内の降伏電圧であるが、より小さいまたはより大きい降伏電圧も達成されてもよい)。一実施形態に応じて、導電性相互接続がソース領域738、多結晶シリコンダイオード746のアノード、およびソース端子762を電気的に結合する。追加の導電性相互接続が、基板上面712において多結晶シリコンダイオード746のカソードをシンカ領域722に電気的に結合する。
【0042】
図8は、一実施形態に応じた、
図6および
図7のPLDMOSFET600、700の簡略化された回路
図800である。
図6および
図7も参照すると、端子862(たとえば、端子662、762)はソース領域(たとえば、ソース領域638、738)と結合され、端子864(たとえば、端子664、764)はゲート電極(たとえば、ゲート電極642、742)と結合され、端子866(たとえば、端子666、766)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域636、736)と結合される。
【0043】
一実施形態に応じて、かつ上述のように、PLDMOSFETは、ソース領域(たとえば、ソース領域638、738)とデバイスの分離構造との間に電気的に結合されるPN接合ダイオード846(たとえば、P+領域646とシンカ領域622との間に形成されるPN接合ダイオード、または多結晶シリコンダイオード746)をも含む。より具体的には、PN接合ダイオード846のアノードはソース領域に結合され、PN接合ダイオード846のカソードは分離構造(たとえば、シンカ領域622、722とNBL620、720との組み合わせ)によって形成される。ノード820において、ダイオード814は、分離構造と、分離構造の外側の基板の残りの部分との間の接合部によって形成されるダイオードを表す。
【0044】
ソース電位が高められる通常の動作中、PN接合ダイオード846は、順方向にバイアスされる。したがって、分離構造の電位は、PN接合において小さな順方向電圧降下でソース領域の電位に密接に追随する。他方、ソース電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はPN接合ダイオード846の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト以上)によって維持される。
図2に関連して既に説明された実施形態のように、ソース電位が負になるときに分離構造の電位を維持することによって、そうでなければソースおよび分離構造が単に短絡された場合に発生し得る基板内へのキャリア注入が低減またはなくされ得、それによって、隣接する回路ブロックの混乱が回避される。
【0045】
別の実施形態に応じて、ダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)は、PN接合ダイオードと直列の抵抗回路網を含んでもよい。たとえば、
図9は、代替の実施形態に応じた、PN接合ダイオード946と直列の抵抗回路網910を含むダイオード回路を有する
図6、
図7のPLDMOSFET600、700の簡略化された回路
図900である。
図8の実施形態と同様に、端子962(たとえば、端子662、762)はソース領域(たとえば、ソース領域638、738)と結合され、端子964(たとえば、端子664、764)は、ゲート電極(たとえば、ゲート電極642、742)と結合され、端子966(たとえば、端子666、766)は、ドレイン領域(たとえば、ドレイン領域636、736)と結合される。
【0046】
PN接合ダイオード946(たとえば、P+領域646とシンカ領域622との間に形成されるPN接合ダイオード、または多結晶シリコンダイオード746)および抵抗回路網910は、ソース領域(たとえば、ソース領域638、738)とデバイスの分離構造との間に電気的に直列に結合される。たとえば、抵抗回路網910は、多結晶シリコンから形成されてよく、基板の上面の分離された領域上に(たとえば、STI652、752上に)位置してもよい。代替的には、抵抗回路網910は、他の材料から形成されてもよく、かつ/または他の場所に位置してもよい。動作中、ソース電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位は、PN接合ダイオード946の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト以上)と直列の抵抗回路網910にわたる電圧降下によって維持される。
図4に関連して既に説明された実施形態のように、PN接合ダイオード946と抵抗回路網910との組み合わせが、特定の有利な効果を提供し得る。
【0047】
また別の実施形態に応じて、ダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)は、PN接合ダイオードと並列の抵抗回路網を含んでもよい。たとえば、
図10は、代替の実施形態に応じた、PN接合ダイオード1046と並列の抵抗回路網1010を含むダイオード回路を有する
図6、
図7のPLDMOSFET600、700の簡略化された回路
図1000である。
図8の実施形態と同様に、端子1062(たとえば、端子662、762)は、ソース領域(たとえば、ソース領域638、738)と結合され、端子1064(たとえば、端子664、764)はゲート電極(たとえば、ゲート電極642、742)と結合され、端子1066(たとえば、端子666、766)は、ドレイン領域(たとえば、ドレイン領域636、736)と結合される。
【0048】
PN接合ダイオード1046(たとえば、P+領域646とシンカ領域622との間に形成されるPN接合ダイオード、または多結晶シリコンダイオード746)および抵抗回路網1010は、ソース領域(たとえば、ソース領域638、738)とデバイスの分離構造との間に電気的に並列に結合される。たとえば、抵抗回路網1010は、多結晶シリコンから形成されてよく、基板の上面の分離された領域上に(たとえば、STI652、752上に)位置してもよい。代替的には、抵抗回路網1010は他の材料から形成されてもよく、かつ/または他の場所に位置してもよい。動作中、ソース電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はPN接合ダイオード1046の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト以上)と並列の抵抗回路網1010にわたる電圧降下によって維持される。
図5に関連して既に説明されたダイオード回路のように、PN接合ダイオード1046と抵抗回路網1010との組み合わせが、特定の有利な効果を提供し得る。
【0049】
図9および
図10に関連して説明された実施形態において、ダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)は、PN接合ダイオード(たとえば、PN接合ダイオード946、1046)と、PN接合ダイオードと直列に結合される抵抗回路網(抵抗回路網910)またはPN接合ダイオードと並列に結合される抵抗回路網(抵抗回路網1010)のいずれかとを含む。別の代替の実施形態では、ダイオード回路は、直列結合抵抗回路網構成および並列結合抵抗回路網構成の両方によってもたらされ得る利点を実現するために、PN接合ダイオードと、PN接合ダイオードと直列に結合される第1の抵抗回路網および並列に結合される第2の抵抗回路網の両方を含んでもよい。
【0050】
図2〜
図10に関連して説明された実施形態において、PLDMOSFETの一実施形態(たとえば、
図1のPLDMOSFET116)のソース領域および分離構造を結合するダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)は、ショットキーダイオードまたはPN接合ダイオードのいずれかを含む。他の実施形態に応じて、PLDMOSFETの一実施形態のソース領域および分離構造を結合するダイオード回路は、代わりに、1つ以上のショットキーダイオードと1つ以上のPN接合ダイオードとの組み合わせを含む。たとえば、
図11および
図13は、1つ以上のショットキーダイオードと1つ以上のPN接合ダイオードとの組み合わせを含むダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)を各々有するPLDMOSFET1100、1300(たとえば、
図1のPLDMOSFET116)の断面図である。ここでも、PLDMOSFET1100、1300(
図11、
図13)の構造の多くは
図2に関連して詳細に説明されたPLDMOSFET200の構造と同様である。簡潔にするために、同様の構造的要素は下記には詳細には説明されず、
図2に関連した説明が
図11および
図13にも等しく適用されるように意図される。加えて、
図11および
図13の共通の要素を下記ともに説明し、それらのデバイス間の相違をその後明記する。
【0051】
PLDMOSFET1100、1300は、基板上面1112、1312を有するP型半導体基板1110、1310(たとえば、
図1に関連して説明されたSOC基板)内およびその上に形成される。各PLDMOSFET1100、1300は、基板1110、1310の、PLDMOSFET1100、1300の活性領域1130、1330と関連付けられる部分1116、1316を実質的に取り囲む分離構造を含む。分離構造は、(基板上面1112、1312の下の或る深さに位置する)NBL1120、1320、および基板上面1112、1312からNBL1120、1320の深さまで伸長するN型シンカ領域1122、1322から形成される。PLDMOSFET1100、1300は、活性領域1130、1330内に形成される能動素子をさらに含む。一実施形態に応じて、能動素子は、P型ドリフト領域1132、1332と、N型ボディ領域1134、1334と、P型ドレイン領域1136、1336と、P型ソース領域1138、1338と、ゲート電極1142、1342とを含む。一実施形態では、ボディ領域1134、1334はドリフト領域1132、1332に当接する。加えて、ボディ領域1134、1334は、
図11および
図13に示されるように一実施形態ではシンカ領域1122、1322と融合される。したがって、分離構造(またはより具体的にはシンカ領域1122、1322)は、ボディタイであるとみなされてもよい。代替の実施形態では、ボディ領域1134、1334は、ドリフト領域1132、1332および/もしくはシンカ領域1122、1322から横方向に分離されてもよく(たとえば、ボディ領域2534、2734がP型間隙2537、2737によってシンカ領域2522、2722から分離される
図25および
図27の実施形態におけるように)、またはボディ領域1134、1334は、ドリフト領域1132、1332および/もしくはシンカ領域1122、1322に重なってもよい(そのチャネルまたはドリフト領域1132、1332および/もしくはシンカ領域1122、1322におけるものとは異なるドーパントプロファイルを有する領域が作成される)。導電性相互接続がドレイン領域1136、1336をドレイン端子1166、1366に電気的に結合する。同様に、導電性相互接続は、ゲート電極1142、1342をゲート端子1164、1364に電気的に結合する。PLDMOSFET1100、1300は、STI構造1150、1350、1152、および1352をさらに含んでもよい。代替の実施形態では、STI構造1150、1350、1152、および/または1352のうちのいくつかまたはすべてが除外されてもよい。また他の代替の実施形態では、STI構造のうちのいくつかまたはすべては、シリサイドブロック層(Silicide Blocking Layer)に置き換えられてもよい。
【0052】
一実施形態に応じて、PLDMOSFET1100(
図11)は、ソース領域1138と分離構造との間に並列に接続されるショットキーダイオードとPN接合ダイオードとの組み合わせを含むダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)をさらに含む。より詳細には、ダイオード回路は、ショットキーコンタクト1145(たとえば、基板上面1112上でシリサイドを用いて形成される)とシンカ領域1122の上面との間の金属−半導体接合から形成されるショットキーダイオードを含む。加えて、PLDMOSFET1100は、シンカ領域1122内に伸長するとともに部分的にシンカ領域1122を横切るP型領域1146をさらに含む。P型領域1146とシンカ領域1122との間のPN接合は、ダイオード回路のPN接合ダイオードを形成する。基板表面1112において、ショットキーコンタクト1145は、P型領域1146の上面およびシンカ領域1122の上面の一部の両方に接触する。一実施形態に応じて、ショットキーダイオードと一緒にPNダイオードを置くことによって、PN接合がショットキーダイオードの下でシリコンを空乏化する(deplete)ことが可能になり、したがって、ショットキーダイオードにおける逆バイアスリーク(leakage)が低減される。
【0053】
一実施形態に応じて、導電性相互接続がソース領域1138、ショットキーコンタクト1145、P型領域1146、およびソース端子1162を電気的に結合する。ショットキーダイオードおよびPN接合ダイオードは、用途に応じた所望の降伏電圧(たとえば、通常の最も大きい負の動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい降伏電圧)を提供するように設計されることができる。たとえば、一実施形態では、ショットキーダイオードおよびPN接合ダイオードは各々、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルトの範囲内の逆方向降伏電圧を提供するように設計されてもよいが、より小さいまたはより大きい降伏電圧も達成されてもよい。
【0054】
図12は、一実施形態に応じた、
図11のPLDMOSFET1100の簡略化された回路
図1200である。
図11も参照すると、端子1262(たとえば、端子1162)はソース領域(たとえば、ソース領域1138)と結合され、端子1264(たとえば、端子1164)はゲート電極(たとえば、ゲート電極1142)と結合され、端子1266(たとえば、端子1166)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域1136)と結合される。
【0055】
一実施形態に応じて、かつ上述のように、PLDMOSFETは、ソース領域(たとえば、ソース領域1138)とデバイスの分離構造との間に電気的に結合される、PN接合ダイオード1246(たとえば、P+領域1146とシンカ領域1122との間に形成されるPN接合ダイオード)と並列なショットキーダイオード1245(たとえば、ショットキーコンタクト1145とシンカ領域1122との間の接合部)をも含む。一実施形態に応じて、かつ
図11に示されているように、PN接合ダイオード1246は、P+領域1146とシンカ領域1122との間の接合部から成る。ショットキーダイオード1245およびPN接合ダイオード1246のアノードはソース領域に結合され、ショットキーダイオード1245およびPN接合ダイオード1246のカソードは分離構造(たとえば、シンカ領域1122とNBL1120との組み合わせ)によって形成される。他の代替の実施形態では、
図4、
図5、
図9、および
図10に関連して既に説明されたように、ダイオード回路は、ショットキーダイオード1245とPN接合ダイオード1246との組み合わせと直列および/または並列に結合される1つ以上の抵抗回路網を含んでもよい。ノード1220において、ダイオード1214は、分離構造と、分離構造の外側の基板の残りの部分との間の接合部によって形成されるダイオードを表す。
【0056】
一実施形態に応じて、PLDMOSFET1300(
図13)は、ソース領域1338と分離構造との間に並列に接続されるショットキーダイオードと「スプリット(split)」PN接合ダイオードとの組み合わせを含むダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)を含む。より詳細には、ダイオード回路は、ショットキーコンタクト1345(たとえば、基板上面1312上でシリサイドを用いて形成される)とシンカ領域1322の上面との間の金属−半導体接合から形成されるショットキーダイオードを含む。加えて、PLDMOSFET1300は、シンカ領域1322の内壁(すなわち、活性領域1330に最も近い壁)においてシンカ領域1322内に伸長するとともに部分的にシンカ領域1322を横切る第1のP型領域1346と、シンカ領域1322の外壁(すなわち、活性領域1330から最も遠い壁)においてシンカ領域1322内に伸長するとともに部分的にシンカ領域1322を横切る第2のP型領域1347とをさらに含む。シンカ領域1322の一部は、第1のP型領域1346と第2のP型領域1347との間で基板上面1312に存在し、ショットキーコンタクト1345はシンカ領域1322の少なくともその部分と接触する。
【0057】
P型領域1346、1347とシンカ領域1322との間のPN接合が、ダイオード回路のPN接合ダイオードを形成する。基板表面1312において、ショットキーコンタクト1345は、第1のP型領域1346および第2のP型領域1347の上面とシンカ領域1322の上面の一部との両方に接触する。複数のP型領域1346、1347をともに近くに配置するとともにショットキー障壁を挟み込むことによって、P型領域1346、1347は、リーク電流を制限するために逆バイアス下でショットキー障壁領域を空乏化するのに役立ち得る。
【0058】
一実施形態に応じて、導電性相互接続がソース領域1338、ショットキーコンタクト1345、P型領域1346、1347、およびソース端子1362を電気的に結合する。ショットキーダイオードおよびPN接合ダイオードは、用途に応じた所望の降伏電圧(たとえば、通常の最も大きい負の動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい降伏電圧)を提供するように設計されることができる。たとえば、一実施形態では、ショットキーダイオードおよびPN接合ダイオードは各々、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルトの範囲内の逆方向降伏電圧を提供するように設計されてもよいが、より小さいまたはより大きい降伏電圧も達成されてもよい。
【0059】
図14は、一実施形態に応じた、
図13のPLDMOSFET1300の簡略化された回路
図1400である。
図13も参照すると、端子1462(たとえば、端子1362)はソース領域(たとえば、ソース領域1338)と結合され、端子1464(たとえば、端子1364)はゲート電極(たとえば、ゲート電極1342)と結合され、端子1466(たとえば、端子1366)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域1336)と結合される。
【0060】
一実施形態に応じて、かつ上述のように、PLDMOSFETは、ソース領域(たとえば、ソース領域1338)とデバイスの分離構造との間に電気的に結合される、第1のPN接合ダイオード1446および第2のPN接合ダイオード1447(たとえば、P+領域1346、1347とシンカ領域1322との間に形成されるPN接合ダイオード)と並列なショットキーダイオード1445(たとえば、ショットキーコンタクト1345とシンカ領域1322との間の接合部)をも含む。一実施形態に応じて、かつ
図13に示されているように、PN接合ダイオード1446、1447は、P+領域1346、1347とシンカ領域1322との間の接合部から成る。ショットキーダイオード1445およびPN接合ダイオード1446、1447のアノードはソース領域に結合され、ショットキーダイオード1445およびPN接合ダイオード1446、1447のカソードは分離構造(たとえば、シンカ領域1322とNBL1320との組み合わせ)によって形成される。他の代替の実施形態では、
図4、
図5、
図9、および
図10に関連して既に説明されたように、ダイオード回路は、ショットキーダイオード1445とPN接合ダイオード1446、1447との組み合わせと直列および/または並列に結合される1つ以上の抵抗回路網を含んでもよい。ノード1420において、ダイオード1414は、分離構造と、分離構造の外側の基板の残りの部分との間の接合部によって形成されるダイオードを表す。
【0061】
図12および
図14の両方を参照すると、ソース電位が高められる通常の動作中、ショットキーダイオード1245、1445およびPN接合ダイオード(複数の場合もあり)1246、1446、1447は順方向にバイアスされ、ショットキーダイオード1245、1445はPN接合ダイオード(複数の場合もあり)1246、1446、1447の順方向バイアスをクランプする。したがって、分離構造の電位は、ショットキーダイオード1245、1445およびPN接合ダイオード(複数の場合もあり)1246、1446、1447に関連付けられる相対的に小さな順方向電圧降下でソース領域の電位に密接に追随する。他方、ソース電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はショットキーダイオード1245、1445および/またはPN接合ダイオード(複数の場合もあり)1246、1446、1447の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト以上)によって維持される。
図2に関連して既に説明された実施形態のように、ソース電位が負になるときに分離構造の電位を維持することによって、そうでなければソースおよび分離構造が単に短絡された場合に発生し得る基板内へのキャリア注入が低減またはなくされ得、それによって、隣接する回路ブロックの混乱が回避される。
【0062】
上述の実施形態において、ボディ領域(たとえば、
図2のボディ領域234)と分離構造は融合し、分離構造(またはより具体的にはシンカ領域(たとえば、
図2のシンカ領域222))は、ボディタイであるとみなされてもよい。そのような実施形態において、ダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)がソース端子に結合されるとき、ソース−ボディ領域接合が順方向バイアスになり得るため、動作中にボディバイアスが生成され得る。
図15〜
図28に関連してより詳細に説明する代替の実施形態において、ボディ領域および分離構造は、P型材料から成る領域(たとえば、活性領域と関連付けられる基板の一部分またはP型ウェル)によって分離されてもよく、ボディ領域に対する電気的アクセスを容易にするために別個のボディ端子が設けられてもよい。そのような実施形態において、上述のダイオード回路と同様のダイオード回路が、上述の実施形態におけるようにソース領域と分離構造との間にダイオード回路を結合するのではなく、ボディ領域と分離構造との間に結合されてもよい。ボディ領域と分離構造とが分離される実施形態において、ボディ領域とソース領域とがともに連結されてもよく(たとえば、それらは通常動作中に同じバイアスを有してもよい)、ソース/ボディ端子に負電位があるとき、分離構造の電圧はダイオード回路によって維持されてもよい。通常動作中、ボディ領域、ソース領域、および分離構造がすべて高い電位にあるとき、分離構造およびボディ領域は、ボディ領域とNBLとの間のP型材料の完全空乏化を通じて実効的に短絡されることができる。
【0063】
たとえば、
図15は、別の実施形態に応じた、ドライバ回路1510を含む電子システム1500の簡略化された図である。システム1500の大部分は
図1に描かれているシステム100と同様であり、
図1と
図15との間の同様の参照符号は、類似のシステム要素を表している。簡略にするために、それらの同様のシステム要素は、ここでは詳細には説明されないが、それらの上記の説明が、
図15のシステムに等しく適用される。
【0064】
システム1500は、ドライバ回路1510が、(
図1のPLDMOSFET116に関してソース領域と分離構造との間に結合されているダイオード回路162ではなく)PLDMOSFET1516のボディ領域と分離構造との間に結合されているダイオード回路1562を含むという点において、システム100とは異なっている。加えて、ドライバ回路1510は、(
図1のPLDMOSFET118に関してソース領域と分離構造との間に結合されているダイオード回路163ではなく)PLDMOSFET1518のボディ領域と分離構造との間に結合されているダイオード回路1563を含む。ダイオード回路1562、1563は、前述の動作条件下でのSOC基板への電流注入を低減するかまたはなくすように構成されている。
【0065】
さまざまな実施形態において、PLDMOSFET1516、1518のボディ領域および分離構造が融合(merge)されていないため、PLDMOSFET1516、1518のボディ領域と分離構造との間にダイオード回路1562、1563を挿入することが可能である。より具体的には、
図15のPLDMOSFET1516、1518において、前述のように、また
図16〜
図28に関連してより詳細に説明するように、ボディ領域および分離構造がP型材料から成る領域によって分離されている。ボディ領域および分離構造を分離することによって、そうでなければ(たとえば、ボディ領域および分離構造が融合されている前述の実施形態において)動作中に生成され得るボディバイアスが、ダイオード回路がソース端子に結合されているときには生成されない。加えて、前述の実施形態のように、PLDMOSFET1516、1518のボディ領域と分離構造との間にダイオード回路1562−1563を挿入することによって、システム1500における注入電流を低減またはなくすことができる。さまざまな実施形態に応じて、ダイオード回路1562−1563は、用途に応じて、最低通常負動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい降伏電圧を有するダイオードを含んでもよい。
【0066】
PLDMOSFET(たとえば、PLDMOSFET1516)および関連するダイオード回路(たとえば、ダイオード回路1562)のさらなる実施形態を下記により詳細に説明する。たとえば、一実施形態に応じて、PLDMOSFET1516のボディ領域および分離構造を結合するダイオード回路1562は、ショットキーダイオードを含む。そのような実施形態は
図16に示されており、この図は、下記により詳細に説明されるように、ショットキーダイオードを含むダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)を有するPLDMOSFET1600(たとえば、
図15のPLDMOSFET1516)の断面図である。一実施形態に応じて、PLDMOSFET1600(ならびに、後述する
図20、
図21、
図25、および
図27のPLDMOSFET2000、2100、2500、2700)のさまざまな領域は、
図16に示されている断面に垂直な面内に配向されるリング状構成を有する。本明細書における図面および記載は二重ゲートフィンガ構成に特に当てはまるが、本発明の主題の範囲はそのような構成には限定されない。本明細書における記載に基づいて、当業者は示され記載されている実施形態を、隣接するゲートフィンガがドレイン(たとえば、ドレイン領域1636)を共有し得る、複数(すなわち、>2)のゲートフィンガを含む構成に適用させるように改変する方法を理解するであろう。
【0067】
PLDMOSFET1600は、基板上面1612を有する半導体基板1610(たとえば、
図1に関連して説明されたSOC基板)内およびその上に形成される。一実施形態に応じて、PLDMOSFET1600は、基板の、PLDMOSFET1600の活性領域1630に関連付けられる部分1616(すなわち、基板1610の、内部に能動素子が形成される領域)を実質的に取り囲む分離構造を含む。言い換えれば、能動素子は分離構造によって収容されるとみなされてもよい。分離構造は箱型構造(box−type structure)であり、NBL1620(基板上面1612の下の或る深さに位置する)、および基板上面1612からNBL1620の深さまで伸長するN型シンカ領域1622から形成される。シンカ領域1622は、シンカ領域1622がNBL1620まで伸長することを可能にするのに十分なインプラントエネルギーを有する一回のインプラント手順を使用して形成されてもよく、または、シンカ領域1622は、異なるインプラントエネルギーを有する複数回のインプラント手順を使用し、したがって、異なる深さに一連の相互接続されるシンカ部分領域が形成されるように形成されてもよい。
【0068】
PLDMOSFET1600は、活性領域1630内に形成される能動素子をさらに含む。一実施形態に応じて、能動素子は、P型ドリフト領域1632と、N型ボディ領域1634と、P型ドレイン領域1636と、P型ソース領域1638と、ゲート電極1642と(ならびに、対応するゲート絶縁膜、参照番号なし)を含む。ドリフト領域1632は、活性領域1630の中心部分内に形成され、基板上面1612から、NBL1620よりも浅い深さまで基板1610内に伸長する。ドレイン領域1636はドリフト領域1632内に形成され、ドリフト領域1632よりも高濃度にドープされる。ドレイン領域1636は、基板上面1612から、ドリフト領域1632よりも著しく浅い深さまで基板1610内に伸長する。導電性相互接続がドレイン領域1636をドレイン端子1666に電気的に結合する。
【0069】
ボディ領域1634はドリフト領域1632とシンカ領域1622との間に形成され、基板上面1612から基板1610内へNBL1620の深さよりも浅く、ドリフト領域1632の深さよりも深い場合がある深さまで伸長する(ただし、ボディ領域1634はドリフト領域1632の深さよりも浅いかまたは実質的に等しい深さまで伸長してもよい)。ソース領域1638とシンカ領域1622との間のボディ領域1634内にN型ボディコンタクト領域1635が形成される。ボディコンタクト領域1635は、ボディ領域1634よりも高濃度にドープされてもよい。一実施形態では、ボディ領域1634はドリフト領域1632に当接する。代替の実施形態では、ボディ領域1634をドリフト領域1632から横方向に分離してもよく、またはボディ領域1634はドリフト領域1632に重なってもよい(そのチャネルまたはドリフト領域1632のものとは異なるドーパントプロファイルを有する領域が作成される)。
【0070】
一実施形態に応じて、ボディ領域1634は本明細書において「P型間隙(p−type gap)」と称する、P型材料から成る領域1637によってシンカ領域1622から横方向に分離されている。一実施形態に応じて、P型間隙1637は、分離構造によって収容されるP型基板材料1616の一部分から形成され、P型間隙1637は、ボディ領域1634とシンカ領域1622との間で基板上面1612に向かって伸長する。代替の実施形態において、P型間隙1637は、ボディ領域1634とシンカ領域1622との間に形成されるP型ウェル(たとえば、高電圧Pウェルまたは低電圧Pウェル)から形成されてもよい。
【0071】
概してドレイン領域1636とソース領域1638との間で、基板上面1612上のゲート酸化膜の上にゲート電極1642が形成される。導電性相互接続は、ゲート電極1642をゲート端子1664に電気的に結合する。ソース領域1638がボディ領域1634内に形成され、基板上面1612から、ボディ領域1634の深さよりも著しく浅い深さまで基板1610内に伸長する。ソース領域1638はドリフト領域1632よりも高濃度にドープされてもよい。導電性相互接続がソース領域1638をソース端子1662に電気的に結合する。
【0072】
一実施形態に応じて、PLDMOSFET1600は、
図16に示されるようにさまざまなSTI領域1650、1652、1654をさらに含んでもよい。たとえば、基板上面1612において、STI1650はドリフト領域1632内のドレイン領域1636に当接し、STI1652はソース領域1638とボディコンタクト領域1635との間に位置付けられ、STI1654はボディ領域1634と分離構造(またはより具体的には、シンカ領域1622)との間に位置付けられる。代替の実施形態では、STI構造1650、1652、および/または1654の1以上が除外されてもよい。また他の代替の実施形態では、STI構造のうちのいくつかまたはすべては、そうでなければ表面においてさまざまな領域をともに短絡することになるシリサイドの形成を防止するシリサイドブロック層に置き換えられてもよい。
【0073】
一実施形態に応じて、PLDMOSFET1600は、ボディ領域1634(またはより具体的にはボディコンタクト領域1635)と分離構造との間に接続されるダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)をさらに含む。より詳細には、ダイオード回路は、ショットキーコンタクト1646(たとえば、基板上面1612上でシリサイドを用いて形成される)とシンカ領域1622の上面との間の金属−半導体接合から形成されるショットキーダイオードを含む。代替の実施形態では、ショットキーコンタクト1646は側壁、または基板上面1612と同一平面上にない他の表面上に形成されてもよい。一実施形態に応じて、導電性相互接続が、ボディ領域1634(ボディコンタクト領域1635を介して)、ショットキーコンタクト1646、およびボディ端子1668を電気的に結合する。ショットキーダイオードは、用途に応じた所望の降伏電圧(たとえば、通常の最も大きい負の動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい降伏電圧)を提供するように設計されることができる。たとえば、一実施形態では、ショットキーダイオードは、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルトの範囲内の逆方向降伏電圧を提供するように設計されるが、より小さいまたはより大きい降伏電圧も達成されてもよい。
【0074】
前述のように、かつ
図15に示されているように、ボディ領域1634およびソース領域1638は導電性相互接続(
図16には示されていない)を通じて電気的に結合(短絡)されてもよく、ダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)は分離構造(たとえば、シンカ領域1622)と短絡されたソースおよびボディ領域との間に電気的に結合されてもよい。言い換えれば、ソース端子1662とボディ端子1668とはともに短絡されてもよい。通常動作中、ボディ領域1634、ソース領域1638、および分離構造がすべて高い電位にあるとき、分離構造およびボディ領域1634は、いずれが先にくるかにかかわらず、それらの間のP型間隙1637の横方向空乏層(たとえば、それらの間の降伏の前に完全に使い果たされ得る)を通じて、またはP型基板の、ボディ領域1634とNBL1620との間の部分の垂直空乏層を通じて実効的に短絡されることができる。
【0075】
図17は、一実施形態に応じた、
図16のPLDMOSFET1600の簡略化された回路
図1700である。
図16も参照すると、端子1762(たとえば、端子1662)はソース領域(たとえば、ソース領域1638)と結合され、端子1764(たとえば、端子1664)はゲート電極(たとえば、ゲート電極1642)と結合され、端子1766(たとえば、端子1666)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域1636)と結合され、端子1768(たとえば、端子1668は(たとえば、ボディコンタクト領域1635を介して)はボディ領域に結合される。
【0076】
一実施形態に応じて、かつ上述のように、PLDMOSFETはまた、ボディ領域(たとえば、ボディ領域1634)とデバイスの分離構造との間で電気的に結合されるショットキーダイオード1746(たとえば、ショットキーコンタクト1646とシンカ領域1622との間の接合部)をも含む。より具体的には、ショットキーダイオード1746のアノードはボディ領域に結合され、ショットキーダイオード1746のカソードは分離構造(たとえば、シンカ領域1622とNBL1620との組み合わせ)によって形成される。ノード1720において、ダイオード1714は、分離構造と、分離構造の外側の基板の残りの部分との間の接合部によって形成されるダイオードを表す。
【0077】
ボディ領域電位が高められる通常の動作中、ショットキーダイオード1746は順方向にバイアスされる。したがって、分離構造の電位は、ショットキー障壁において小さな順方向電圧降下のみでボディ領域の電位に密接に追随する。他方、ボディ電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はショットキーダイオード1746の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト)によって維持される。ボディ電位が負になるときに分離構造の電位を維持することによって、そうでなければボディおよび分離構造が単に短絡された場合に発生し得る基板内へのキャリア注入が低減されるかまたはなくなり得、したがって、隣接回路ブロックの混乱が回避される。
【0078】
別の実施形態に応じて、ダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)は、ショットキーダイオードと直列の抵抗回路網を含んでもよい。たとえば、
図18は、代替の実施形態に応じた、ショットキーダイオード1846と直列の抵抗回路網1810を含むダイオード回路を有する
図16のPLDMOSFET1600の簡略化された回路
図1800である。
図17の実施形態と同様に、端子1862(たとえば、端子1662)はソース領域(たとえば、ソース領域1638)と結合され、端子1864(たとえば、端子1664)はゲート電極(たとえば、ゲート電極1642)と結合され、端子1866(たとえば、端子1666)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域1636)と結合され、端子1868(たとえば、端子1668は(たとえば、ボディコンタクト領域1635を介して)はボディ領域に結合される。
【0079】
ショットキーダイオード1846(たとえば、ショットキーコンタクト1646とシンカ領域1622との間の接合部)および抵抗回路網1810は、ボディ領域(たとえば、ボディ領域1634)とデバイスの分離構造との間に電気的に直列に結合される。たとえば、抵抗回路網1810は多結晶シリコンから形成されてよく、基板の上面の分離された領域上に(たとえば、STI1652または1654上に)位置してもよい。代替的には、抵抗回路網1810は他の材料から形成されてもよく、かつ/または他の場所に位置してもよい。動作中、ボディ電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はショットキーダイオード1846の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト)と直列の抵抗回路網1810にわたる電圧降下によって維持される。ショットキーダイオード1846と抵抗回路網1810との組み合わせは、ショットキーダイオード1846を構築する上でのより大きな柔軟性をもたらし得る。加えて、PLDMOSFETの完全性(integrity)の維持において全体的に最適な結果を達成するために抵抗回路網1810の値を選択する際に、基板注入を低減しながら静電放電(ESD)ロバスト性が達成され得る。より具体的には、たとえば、ショットキーダイオード1846が降伏に陥る状況下(たとえば、ESDストレス中)では、ショットキーダイオード1846を流れる電流は、抵抗回路網1810によってその容量の範囲に制限され、したがって、ESD事象がショットキーダイオード1846に損傷を与え得る可能性が低減される。
【0080】
また別の実施形態に応じて、ダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)は、ショットキーダイオードと並列の抵抗回路網を含んでもよい。たとえば、
図19は、別の代替の実施形態に応じた、ショットキーダイオード1946と並列の抵抗回路網1910を含むダイオード回路を有する
図16のPLDMOSFET1600の簡略化された回路
図1900である。
図16の実施形態と同様に、端子1962(たとえば、端子1662)はソース領域(たとえば、ソース領域1638)と結合され、端子1964(たとえば、端子1664)はゲート電極(たとえば、ゲート電極1642)と結合され、端子1966(たとえば、端子1666)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域1636)と結合され、端子1968(たとえば、端子1668)は(たとえば、ボディコンタクト領域1635を介して)はボディ領域に結合される。
【0081】
ショットキーダイオード1946(たとえば、ショットキーコンタクト1646とシンカ領域1622との間の接合部)および抵抗回路網1910は、ボディ領域(たとえば、ボディ領域1634)とデバイスの分離構造との間に電気的に並列に結合される。たとえば、抵抗回路網1910は多結晶シリコンから形成されてよく、基板の上面の分離された領域上に(たとえば、STI1652または1654上に)位置してもよい。代替的には、抵抗回路網1910は他の材料から形成されてもよく、かつ/または他の場所に位置してもよい。動作中、ボディ電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はショットキーダイオード1946の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト)と並列の抵抗回路網1910にわたる電圧降下によって維持される。
図18に関連して説明されたダイオード回路のように、ショットキーダイオード1946と抵抗回路網1910との組み合わせは、ショットキーダイオード1946を構築する上でのより大きな柔軟性をもたらし得る。加えて、抵抗回路網1910は、特定の状況下で、分離構造の電位をPLDMOSFETのボディ電位により近く維持するように機能し得る。たとえば、ボディ電位が(まだ正であるが)下降しているとき、分離構造の電位は、ショットキーダイオード1946のキャパシタンスのみによって引き下げられ、これは十分である場合もあり、または十分でない場合もある。そのような場合、抵抗回路網1910は、分離構造の電位をボディ電位に向けて放電するのに役立ち得る。ボディ電位が負に遷移するといくらかのわずかなキャリア注入が加えられ得るが、抵抗回路網1910はキャリア注入の量を制限し得る。
【0082】
図18および
図19に関連して説明された実施形態において、ダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)は、ショットキーダイオード(たとえば、ショットキーダイオード1846、1946)と、ショットキーダイオードと直列に結合される抵抗回路網(抵抗回路網1810)またはショットキーダイオードと並列に結合される抵抗回路網(抵抗回路網1910)のいずれかとを含む。別の代替の実施形態では、ダイオード回路は、直列結合抵抗回路網構成および並列結合抵抗回路網構成の両方によってもたらされ得る利点を実現するために、ショットキーダイオードと、ショットキーダイオードと直列に結合される第1の抵抗回路網および並列に結合される第2の抵抗回路網とを含んでもよい。
【0083】
図16〜
図19に関連して説明された実施形態において、PLDMOSFETの一実施形態(たとえば、
図15のPLDMOSFET1516)のソース領域および分離構造を結合するダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)は、ショットキーダイオードを含む。他の実施形態に応じて、PLDMOSFETの一実施形態のボディ領域および分離構造を結合するダイオード回路は、代わりに、PN接合ダイオード(たとえば、PN接合(
図20)または多結晶シリコンダイオード(
図21)のいずれかを含む)を含む。たとえば、
図20および
図21は、各々がPN接合ダイオードを含むダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)を有するPLDMOSFET2000、2100(たとえば、
図15のPLDMOSFET1516)の断面図である。PLDMOSFET2000、2100(
図20、
図21)の構造の多くは
図16に関連して詳細に説明されたPLDMOSFET1600の構造と同様である。簡潔にするために、同様の構造的要素は下記には詳細には説明されず、
図16に関連した説明が
図20および
図21にも等しく適用されるように意図される。加えて、
図20および
図21の共通の要素を下記ともに説明し、それらのデバイス間の相違をその後明記する。
【0084】
PLDMOSFET2000、2100は、基板上面2012、2112を有するP型半導体基板2010、2110(たとえば、
図15に関連して説明されたSOC基板)内およびその上に形成される。各PLDMOSFET2000、2100は、基板2010、2110の、PLDMOSFET2000、2100の活性領域2030、2130に対応する部分2016、2116を実質的に取り囲む分離構造を含む。分離構造は、(基板上面2012、2112の下の或る深さに位置する)NBL2020、2120、および基板上面2012、2112からNBL2020、2120の深さまで伸長するN型シンカ領域2022、2122から形成される。PLDMOSFET2000、2100は、活性領域2030、2130内に形成される能動素子をさらに含む。一実施形態に応じて、能動素子は、P型ドリフト領域2032、2132と、N型ボディ領域2034、2134と、N型ボディコンタクト領域2035、2135と、P型ドレイン領域2036、2136と、P型ソース領域2038、2138と、ゲート電極2042、2142とを含む。一実施形態では、ボディ領域2034、2134はドリフト領域2032、2132に当接する。加えて、ボディ領域2034、2134は、一実施形態では、
図20および
図21に示すようなP型間隙2037、2137によってシンカ領域2022、2122から横方向に分離されている。代替の実施形態では、ボディ領域2034、2134をドリフト領域2032、2132から横方向に分離してもよく、またはボディ領域2034、2134はドリフト領域2032、2132に重なってもよい(そのチャネルまたはドリフト領域2032、2132のものとは異なるドーパントプロファイルを有する領域が作成される)。導電性相互接続がドレイン領域2036、2136をドレイン端子2066、2166に電気的に結合する。加えて、導電性相互接続は、ゲート電極2042、2142をゲート端子2064、2164に電気的に結合する。さらに、導電性相互接続がソース領域2038、2138をソース端子2062、2162に電気的に結合する。PLDMOSFET2000、2100は、STI構造2050、2150、2052、2152、2054、2154をさらに含んでもよい。代替の実施形態では、STI構造2050、2150、2052、2152、2054、および/または2154のうちのいくつかまたはすべてが除外されてもよい。また他の代替の実施形態では、STI構造のうちのいくつかまたはすべては、シリサイドブロック層に置き換えられてもよい。
【0085】
一実施形態に応じて、PLDMOSFET2000(
図20)は、ボディ領域2034(ボディコンタクト領域2035を介して)と分離構造との間に接続されるPN接合ダイオードを含むダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)をさらに含む。より詳細には、PLDMOSFET2000は、シンカ領域2022内に伸長するP型領域2046をさらに含み、P型領域2046はP型ドリフト領域2032よりも高濃度にドープされてもよい。P型領域2046とシンカ領域2022との間のPN接合は、ダイオード回路のPN接合ダイオードを形成する。一実施形態に応じて、導電性相互接続が、ボディ領域2034(ボディコンタクト領域2035を介して)、P型領域2046、およびボディ端子2068を電気的に結合する。PN接合ダイオードは、用途に応じた所望の降伏電圧(たとえば、通常の最も大きい負の動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい降伏電圧)を提供するように設計されることができる。たとえば、一実施形態では、PN接合ダイオードは、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルトの範囲内の逆方向降伏電圧を提供するように設計されてもよいが、より小さいまたはより大きい降伏電圧も達成されてもよい。
【0086】
別の一実施形態に応じて、PLDMOSFET2100(
図21)は、多結晶シリコンダイオード2146を含むダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)をさらに含み、当該ダイオードは、ボディ領域2134(ボディコンタクト領域2135を介して)と、シンカ領域2122内に伸長するN型領域2124との間に接続され、N型領域2124はシンカ領域2122に抵抗接点をもたらすためにシンカ領域2122よりも高濃度にドープされる。たとえば、多結晶シリコンダイオード2146は、多結晶シリコンダイオード2146の降伏電圧を定義する中性スペーサ領域(neutral spacer region)によって分離されるP型領域およびN型領域から形成されてもよい。ポリシリコンダイオード2146は、基板の上面の分離された領域上に(たとえば、図示されているようにSTI2154上に)形成されてもよい。代替的には、ダイオード2146は他の材料から形成されてもよく、かつ/または他の場所に位置してもよい。一実施形態では、多結晶シリコンダイオード2146は、通常の最も大きい負の動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい、用途に応じた所望の逆方向降伏電圧を提供するように設計されてもよい(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルトの範囲内の降伏電圧であるが、より小さいまたはより大きい降伏電圧も達成されてもよい)。一実施形態に応じて、導電性相互接続が、ボディ領域2134(ボディコンタクト領域2135を介して)、多結晶シリコンダイオード2146のアノード、およびボディ端子2168を電気的に結合する。追加の導電性相互接続が、基板上面2112において多結晶シリコンダイオード2146のカソードをシンカ領域2122に電気的に結合する。
【0087】
図22は、一実施形態に応じた、
図20および
図21のPLDMOSFET2000、2100の簡略化された回路
図2200である。
図20および
図21も参照すると、端子2262(たとえば、端子2062、2162)はソース領域(たとえば、ソース領域2038、2138)と結合され、端子2264(たとえば、端子2064、2164)はゲート電極(たとえば、ゲート電極2042、2142)と結合され、端子2266(たとえば、端子2066、2166)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域2036、2136)と結合され、端子2268(たとえば、端子2068、2168)はボディ領域(たとえば、ボディコンタクト領域2035、2135を介して)と結合される。
【0088】
一実施形態に応じて、かつ上述のように、PLDMOSFETは、ボディ領域(たとえば、ボディ領域2034、2134)とデバイスの分離構造との間に電気的に結合されるPN接合ダイオード2246(たとえば、P+領域2046とシンカ領域2022との間に形成されるPN接合ダイオード、または多結晶シリコンダイオード2146)をも含む。より具体的には、PN接合ダイオード2246のアノードはボディ領域に結合され、PN接合ダイオード2246のカソードは分離構造(たとえば、シンカ領域2022、2122とNBL2020、2120との組み合わせ)によって形成される。ノード2220において、ダイオード2214は、分離構造と、分離構造の外側の基板の残りの部分との間の接合部によって形成されるダイオードを表す。
【0089】
ボディ領域電位が高められる通常の動作中、PN接合ダイオード2246は順方向にバイアスされる。したがって、分離構造の電位は、PN接合において相対的に小さな順方向電圧降下でボディ領域の電位に密接に追随する。他方、ボディ電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位は、PN接合ダイオード2246の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト以上)によって維持される。
図16に関連して既に説明された実施形態のように、ボディ電位が負になるときに分離構造の電位を維持することによって、そうでなければボディおよび分離構造が単に短絡された場合に発生し得る基板内へのキャリア注入が低減またはなくされ得、それによって、隣接する回路ブロックの混乱が回避される。
【0090】
別の実施形態に応じて、ダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)は、PN接合ダイオードと直列の抵抗回路網を含んでもよい。たとえば、
図23は、代替の実施形態に応じた、PN接合ダイオード2346と直列の抵抗回路網2310を含むダイオード回路を有する
図20、
図21のPLDMOSFET2000、2100の簡略化された回路
図2300である。
図22の実施形態と同様に、端子2362(たとえば、端子2062、2162)はソース領域(たとえば、ソース領域2038、2138)と結合され、端子2364(たとえば、端子2064、2164)はゲート電極(たとえば、ゲート電極2042、2142)と結合され、端子2366(たとえば、端子2066、2166)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域2036、2136)と結合され、端子2368(たとえば、端子2068、2168)はボディ領域(たとえば、ボディコンタクト領域2035、2135を介して)と結合される。
【0091】
PN接合ダイオード2346(たとえば、P+領域2046とシンカ領域2022との間に形成されるPN接合ダイオード、または多結晶シリコンダイオード2146)および抵抗回路網2310は、ボディ領域(たとえば、ボディ領域2034、2134)とデバイスの分離構造との間に電気的に直列に結合される。たとえば、抵抗回路網2310は多結晶シリコンから形成されてよく、基板の上面の分離された領域上に(たとえば、STI2052、2152、2054、2154上に)位置してもよい。代替的には、抵抗回路網2310は他の材料から形成されてもよく、かつ/または他の場所に位置してもよい。動作中、ボディ電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はPN接合ダイオード2346の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト以上)と直列の抵抗回路網2310にわたる電圧降下によって維持される。
図18に関連して既に説明された実施形態のように、PN接合ダイオード2346と抵抗回路網2310との組み合わせが、特定の有利な効果を提供し得る。
【0092】
また別の実施形態に応じて、ダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)は、PN接合ダイオードと並列の抵抗回路網を含んでもよい。たとえば、
図24は、代替の実施形態に応じた、PN接合ダイオード2446と並列の抵抗回路網2410を含むダイオード回路を有する
図20、
図21のPLDMOSFET2000、2100の簡略化された回路
図2400である。
図22の実施形態と同様に、端子2462(たとえば、端子2062、2162)はソース領域(たとえば、ソース領域2038、2138)と結合され、端子2464(たとえば、端子2064、2164)はゲート電極(たとえば、ゲート電極2042、2142)と結合され、端子2466(たとえば、端子2066、2166)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域2036、2136)と結合され、端子2468(たとえば、端子2068、2168)はボディ領域(たとえば、ボディコンタクト領域2035、2135を介して)と結合される。
【0093】
PN接合ダイオード2446(たとえば、P+領域2046とシンカ領域2022との間に形成されるPN接合ダイオード、または多結晶シリコンダイオード2146)および抵抗回路網2410は、ボディ領域(たとえば、ボディ領域2034、2134)とデバイスの分離構造との間に電気的に並列に結合される。たとえば、抵抗回路網2410は多結晶シリコンから形成されてよく、基板の上面の分離された領域上に(たとえば、STI2052、2152、2054、2154上に)位置してもよい。代替的には、抵抗回路網2410は他の材料から形成されてもよく、かつ/または他の場所に位置してもよい。動作中、ボディ電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はPN接合ダイオード2446の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト以上)と並列の抵抗回路網2410にわたる電圧降下によって維持される。
図19に関連して既に説明されたダイオード回路のように、PN接合ダイオード2446と抵抗回路網2410との組み合わせが、特定の有利な効果を提供し得る。
【0094】
図23および
図24に関連して説明された実施形態において、ダイオード回路(たとえば、
図1のダイオード回路162)は、PN接合ダイオード(たとえば、PN接合ダイオード2346、2446)と、PN接合ダイオードと直列に結合される抵抗回路網(抵抗回路網2310)またはPN接合ダイオードと並列に結合される抵抗回路網(抵抗回路網2410)のいずれかとを含む。別の代替の実施形態では、ダイオード回路は、直列結合抵抗回路網構成および並列結合抵抗回路網構成の両方によってもたらされ得る利点を実現するために、PN接合ダイオードと、PN接合ダイオードと直列に結合される第1の抵抗回路網および並列に結合される第2の抵抗回路網の両方を含んでもよい。
【0095】
図16〜
図24に関連して説明された実施形態において、PLDMOSFETの一実施形態(たとえば、
図15のPLDMOSFET1516)のソース領域および分離構造を結合するダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)は、ショットキーダイオードまたはPN接合ダイオードのいずれかを含む。他の実施形態に応じて、PLDMOSFETの一実施形態のボディ領域および分離構造を結合するダイオード回路は、代わりに、1つ以上のショットキーダイオードと1つ以上のPN接合ダイオードとの組み合わせを含む。たとえば、
図25および
図27は、1つ以上のショットキーダイオードと1つ以上のPN接合ダイオードとの組み合わせを含むダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)を各々有するPLDMOSFET2500、2700(たとえば、
図15のPLDMOSFET1516)の断面図である。ここでも、PLDMOSFET2500、2700(
図25、
図27)の構造の多くは
図16に関連して詳細に説明されたPLDMOSFET1600の構造と同様である。簡潔にするために、同様の構造的要素は下記には詳細には説明されず、
図16に関連した説明が
図25および
図27にも等しく適用されるように意図される。加えて、
図25および
図27の共通の要素を下記ともに説明し、それらのデバイス間の相違をその後明記する。
【0096】
PLDMOSFET2500、2700は、基板上面2512、2712を有するP型半導体基板2510、2710(たとえば、
図1に関連して説明されたSOC基板)内およびその上に形成される。各PLDMOSFET2500、2700は、基板2510、2710の、PLDMOSFET2500、2700の活性領域2530、2730と関連付けられる部分2516、2716を実質的に取り囲む分離構造を含む。分離構造は、(基板上面2512、2712の下の或る深さに位置する)NBL2520、2720、および基板上面2512、2712からNBL2520、2720の深さまで伸長するN型シンカ領域2522、2722から形成される。PLDMOSFET2500、2700は、活性領域2530、2730内に形成される能動素子をさらに含む。一実施形態に応じて、能動素子は、P型ドリフト領域2532、2732と、N型ボディ領域2534、2734と、N型ボディコンタクト領域2535、2735と、P型ドレイン領域2536、2736と、P型ソース領域2538、2738と、ゲート電極2542、2742とを含む。一実施形態では、ボディ領域2534、2734はドリフト領域2532、2732に当接する。加えて、ボディ領域2534、2734は、一実施形態では、
図25および
図27に示すようなP型間隙2537、2737によってシンカ領域2522、2722から横方向に分離されている。代替の実施形態では、ボディ領域2534、2734をドリフト領域2532、2732から横方向に分離してもよく、またはボディ領域2534、2734はドリフト領域2532、2732に重なってもよい(そのチャネルまたはドリフト領域2532、2732のものとは異なるドーパントプロファイルを有する領域が作成される)。導電性相互接続がドレイン領域2536、2736をドレイン端子2566、2766に電気的に結合する。加えて、導電性相互接続は、ゲート電極2542、2742をゲート端子2564、2764に電気的に結合する。さらに、導電性相互接続がソース領域2538、2738をソース端子2562、2762に電気的に結合する。PLDMOSFET2500、2700は、STI構造2550、2750、2552、2752、2554、2754をさらに含んでもよい。代替の実施形態では、STI構造2550、2750、2552、2752、2554、および/または2754のうちのいくつかまたはすべてが除外されてもよい。また他の代替の実施形態では、STI構造のうちのいくつかまたはすべては、シリサイドブロック層に置き換えられてもよい。
【0097】
一実施形態に応じて、PLDMOSFET2500(
図25)は、ボディ領域2534(ボディコンタクト領域2535を介して)と分離構造との間に並列に接続されるショットキーダイオードとPN接合ダイオードとの組み合わせを含むダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)をさらに含む。より詳細には、ダイオード回路は、ショットキーコンタクト2545(たとえば、基板上面2512上でシリサイドを用いて形成される)とシンカ領域2522の上面との間の金属−半導体接合から形成されるショットキーダイオードを含む。加えて、PLDMOSFET2500は、シンカ領域2522内に伸長するとともに部分的にシンカ領域2522を横切るP型領域2546をさらに含む。P型領域2546とシンカ領域2522との間のPN接合は、ダイオード回路のPN接合ダイオードを形成する。基板表面2512において、ショットキーコンタクト2545は、P型領域2546の上面およびシンカ領域2522の上面の一部の両方に接触する。一実施形態に応じて、ショットキーダイオードと一緒にPNダイオードを置くことによって、PN接合がショットキーダイオードの下でシリコンを空乏化することが可能になり、したがって、ショットキーダイオードにおける逆バイアスリークが低減される。
【0098】
一実施形態に応じて、導電性相互接続が、ボディ領域2534、ショットキーコンタクト2545、P型領域2546、およびボディ端子2568を電気的に結合する。ショットキーダイオードおよびPN接合ダイオードは、用途に応じた所望の降伏電圧(たとえば、通常の最も大きい負の動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい降伏電圧)を提供するように設計されることができる。たとえば、一実施形態では、ショットキーダイオードおよびPN接合ダイオードは各々、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルトの範囲内の逆方向降伏電圧を提供するように設計されてもよいが、より小さいまたはより大きい降伏電圧も達成されてもよい。
【0099】
図26は、一実施形態に応じた、
図25のPLDMOSFET2500の簡略化された回路
図2600である。
図25も参照すると、端子2662(たとえば、端子2562)はソース領域(たとえば、ソース領域2538)と結合され、端子2664(たとえば、端子2564)はゲート電極(たとえば、ゲート電極2542)と結合され、端子2666(たとえば、端子2566)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域2536)と結合され、端子2668(たとえば、端子2568)は(たとえば、ボディコンタクト領域2535を介して)はボディ領域に結合される。
【0100】
一実施形態に応じて、かつ上述のように、PLDMOSFETは、ボディ領域(たとえば、ボディ領域2534)とデバイスの分離構造との間に電気的に結合される、PN接合ダイオード2646(たとえば、P+領域2546とシンカ領域2522との間に形成されるPN接合ダイオード)と並列なショットキーダイオード2645(たとえば、ショットキーコンタクト2545とシンカ領域2522との間の接合部)をも含む。一実施形態に応じて、かつ
図25に示されているように、PN接合ダイオード2646は、P+領域2546とシンカ領域2522との間の接合部から成る。ショットキーダイオード2645およびPN接合ダイオード2646のアノードはボディ領域に結合され、ショットキーダイオード2645およびPN接合ダイオード2646のカソードは分離構造(たとえば、シンカ領域2522とNBL2520との組み合わせ)によって形成される。他の代替の実施形態では、
図18、
図19、
図23、および
図24に関連して既に説明されたように、ダイオード回路は、ショットキーダイオード2645とPN接合ダイオード2646との組み合わせと直列および/または並列に結合される1つ以上の抵抗回路網を含んでもよい。ノード2620において、ダイオード2614は、分離構造と、分離構造の外側の基板の残りの部分との間の接合部によって形成されるダイオードを表す。
【0101】
別の実施形態に応じて、PLDMOSFET2700(
図27)は、ボディ領域2734(ボディコンタクト領域2735を介して)と分離構造との間に並列に接続されるショットキーダイオードと「スプリット」PN接合ダイオードとの組み合わせを含むダイオード回路(たとえば、
図15のダイオード回路1562)を含む。より詳細には、ダイオード回路は、ショットキーコンタクト2745(たとえば、基板上面2712上でシリサイドを用いて形成される)とシンカ領域2722の上面との間の金属−半導体接合から形成されるショットキーダイオードを含む。加えて、PLDMOSFET2700は、シンカ領域2722の内壁(すなわち、活性領域2730に最も近い壁)においてシンカ領域2722内に伸長するとともに部分的にシンカ領域2722を横切る第1のP型領域2746と、シンカ領域2722の外壁(すなわち、活性領域2730から最も遠い壁)においてシンカ領域2722内に伸長するとともに部分的にシンカ領域2722を横切る第2のP型領域2747とをさらに含む。シンカ領域2722の一部は、第1のP型領域2746と第2のP型領域2747との間で基板上面2712に存在し、ショットキーコンタクト2745はシンカ領域2722の少なくともその部分と接触する。
【0102】
P型領域2746、2747とシンカ領域2722との間のPN接合が、ダイオード回路のPN接合ダイオードを形成する。基板表面2712において、ショットキーコンタクト2745は、第1のP型領域2746および第2のP型領域2747の上面とシンカ領域2722の上面の一部との両方に接触する。複数のP型領域2746、2747をともに近くに配置するとともにショットキー障壁を挟み込むことによって、P型領域2746、2747は、リーク電流を制限するために逆バイアス下でショットキー障壁領域を空乏化するのに役立ち得る。
【0103】
一実施形態に応じて、導電性相互接続が、ボディ領域2734、ショットキーコンタクト2745、P型領域2746、2747、およびボディ端子2768を電気的に結合する。ショットキーダイオードおよびPN接合ダイオードは、用途に応じた所望の降伏電圧(たとえば、通常の最も大きい負の動作電圧よりも大きい、小さい、または等しい降伏電圧)を提供するように設計されることができる。たとえば、一実施形態では、ショットキーダイオードおよびPN接合ダイオードは各々、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルトの範囲内の逆方向降伏電圧を提供するように設計されてもよいが、より小さいまたはより大きい降伏電圧も達成されてもよい。
【0104】
図28は、一実施形態に応じた、
図27のPLDMOSFET2700の簡略化された回路
図2800である。
図27も参照すると、端子2862(たとえば、端子2762)はソース領域(たとえば、ソース領域2738)と結合され、端子2864(たとえば、端子2764)はゲート電極(たとえば、ゲート電極2742)と結合され、端子2866(たとえば、端子2766)はドレイン領域(たとえば、ドレイン領域2736)と結合され、端子2868(たとえば、端子2768)は(たとえば、ボディコンタクト領域2735を介して)はボディ領域に結合される。
【0105】
一実施形態に応じて、かつ上述のように、PLDMOSFETは、ボディ領域(たとえば、ボディ領域2734)とデバイスの分離構造との間に電気的に結合される、第1のPN接合ダイオード2846および第2のPN接合ダイオード2847(たとえば、P+領域2746、2747とシンカ領域2722との間に形成されるPN接合ダイオード)と並列なショットキーダイオード2845(たとえば、ショットキーコンタクト2745とシンカ領域2722との間の接合部)をも含む。一実施形態に応じて、かつ
図27に示されているように、PN接合ダイオード2846、2847は、P+領域2746、2747とシンカ領域2722との間の接合部から成る。ショットキーダイオード2845およびPN接合ダイオード2846、2847のアノードはボディ領域に結合され、ショットキーダイオード2845およびPN接合ダイオード2846、2847のカソードは分離構造(たとえば、シンカ領域2722とNBL2720との組み合わせ)によって形成される。他の代替の実施形態では、
図18、
図19、
図23、および
図24に関連して既に説明されたように、ダイオード回路は、ショットキーダイオード2845とPN接合ダイオード2846、2847との組み合わせと直列および/または並列に結合される1つ以上の抵抗回路網を含んでもよい。ノード2820において、ダイオード2814は、分離構造と、分離構造の外側の基板の残りの部分との間の接合部によって形成されるダイオードを表す。
【0106】
図26および
図28の両方を参照すると、ボディ領域電位が高められる通常の動作中、ショットキーダイオード2645、2845およびPN接合ダイオード(複数の場合もあり)2646、2846、2847は順方向にバイアスされ、ショットキーダイオード2645、2845はPN接合ダイオード(複数の場合もあり)2646、2846、2847の順方向バイアスをクランプする。したがって、分離構造の電位は、ショットキーダイオード2645、2845およびPN接合ダイオード(複数の場合もあり)2646、2846、2847に関連付けられる相対的に小さな順方向電圧降下でボディ領域の電位に密接に追随する。他方、ボディ電位が負電圧に遷移すると、分離構造の電位はショットキーダイオード2645、2845および/またはPN接合ダイオード(複数の場合もあり)2646、2846、2847の逆方向降伏電圧(たとえば、約−0.3ボルト〜約−14.0ボルト以上)によって維持される。
図16に関連して既に説明された実施形態のように、ボディ電位が負になるときに分離構造の電位を維持することによって、そうでなければボディおよび分離構造が単に短絡された場合に発生し得る基板内へのキャリア注入が低減またはなくされ得、それによって、隣接する回路ブロックの混乱が回避される。
【0107】
既に説明されたように、上述のPLDMOSFETの実施形態のさまざまな領域は、リング状構成を有し得る。たとえば、シンカ領域(たとえば、
図2、
図6、
図7、
図11、
図13、
図16、
図20、
図21、
図25、および
図27のシンカ領域222、622、722、1122、1322、1622、2022、2122、2522、2722)は、デバイスの活性領域を実質的に取り囲むリング状構成を有し得、ショットキーおよびPN接合ダイオードに関連付けられる対応するショットキーコンタクト(たとえば、
図2、
図11、
図13、
図16、
図25、
図27のショットキーコンタクト246、1145、1345、1646、2545、2745)および/またはP型領域(たとえば、
図6、
図11、
図13、
図20、
図25、
図27のP型領域646、1146、1346、1347、2046、2546、2746、2747)もリング状構成を有し得る。たとえば、
図29は、さまざまな実施形態に応じた、シンカ領域(
図2、
図6、
図7、
図11、
図13、
図16、
図20、
図21、
図25、および27のシンカ領域222、622、722、1122、1322、1622、2022、2122、2522、2722)、ショットキーコンタクト(たとえば、
図2、
図11、
図13、
図16、
図25、
図27のショットキーコンタクト246、1145、1345、1646、2545、2745)、または、シンカ領域全体にわたって伸長するPN接合ダイオードのP型領域(たとえば、
図6、
図20のP型領域646、2046)のリング状構成2910の簡略化された上面図である。図示されているように、シンカ領域、ショットキーコンタクト、またはP型領域は、デバイスの活性領域2920を実質的に取り囲む。代替の実施形態では、シンカ領域、ショットキーコンタクト、またはP型領域は、デバイスの活性領域2920を完全には取り囲まなくてもよい。たとえば、シンカ領域はデバイスの活性領域2920を実質的に取り囲んでよく、ショットキーコンタクトはシンカ領域の上面の一部(または複数部分)のみと接触してもよい。同様に、P型領域は、シンカ領域の上面の一部(または複数部分)のみの周りに存在してもよい。
【0108】
上述のように、或る実施形態では、PN接合ダイオードのP型領域は、シンカ領域全体にわたっては伸長しない場合がある(たとえば、
図11、
図25のP型領域1146、2546)。そのような実施形態では、シンカ領域、P型領域、およびショットキーコンタクト(存在する場合)は、同心状に配置されてもよい。たとえば、
図30は、一実施形態に応じた、シンカ領域3010(たとえば、
図11、
図25のシンカ領域1122、2522)、および、シンカ領域全体にわたっては伸長しないPN接合ダイオードのP型領域3012(たとえば、
図11、
図25のP型領域1146、2546)のリング状構成の簡略化された上面図である。ショットキーコンタクト(たとえば、
図11、
図25のショットキーコンタクト1145、2545)は、同心状に配置されるシンカ領域3010およびP型領域3012の上に完全にまたは部分的に重なってもよい。図示されているように、シンカ領域およびP型領域は、デバイスの活性領域3020を実質的に取り囲む。代替の実施形態では、シンカ領域および/またはP型領域は、デバイスの活性領域3020を完全には取り囲まなくてもよい。たとえば、シンカ領域はデバイスの活性領域3020を実質的に取り囲んでよく、P型領域はシンカ領域の一部(または複数部分)のみの周りに存在してもよい。
【0109】
同じく上述したように、他の実施形態では、2つのPN接合ダイオードに関連付けられる2つのP型領域がシンカ領域の対向する両壁に含まれてもよく、P型領域はシンカ領域の全体にわたっては伸長しない(たとえば、
図13、
図27のP型領域1346、1347、2746、2747)。そのような他の実施形態でも、シンカ領域、P型領域、およびショットキーコンタクト(存在する場合)は、同心状に配置されてもよい。たとえば、
図31は、一実施形態に応じた、シンカ領域3110(たとえば、
図13、
図27のシンカ領域1322、2722)、第1のPN接合ダイオードの第1のP型領域3112(たとえば、
図13、
図27のP型領域1346、2746)、および第2のPN接合ダイオードの第2のP型領域3114(たとえば、
図13、
図27のP型領域1347、2747)のリング状構成の簡略化された上面図である。ショットキーコンタクト(たとえば、
図13、
図27のショットキーコンタクト1345、2745)は、同心状に配置されるシンカ領域3110およびP型領域3112、3114の上に完全にまたは部分的に重なってもよい。図示されているように、シンカ領域およびP型領域は、デバイスの活性領域3120を実質的に取り囲む。代替の実施形態では、シンカ領域および/またはP型領域は、デバイスの活性領域3120を完全には取り囲まなくてもよい。たとえば、シンカ領域はデバイスの活性領域3120を実質的に取り囲んでよく、一方または両方のP型領域はシンカ領域の一部(または複数部分)のみの周りに存在してもよい。
【0110】
分離構造(またはより具体的にはシンカ領域)と接触するショットキーコンタクトとPN接合ダイオードとの組み合わせを含むまた他の実施形態では、ショットキーコンタクトおよびPN接合に関連付けられるP型領域は、リング状シンカ領域の周りの交互の構成に置かれてもよい。たとえば、
図32は、別の代替の実施形態に応じた、デバイスの活性領域3220を取り囲むリング状シンカ領域の周りに交互の配列になるように配列されるショットキーコンタクト3210およびP型領域3212の構成の簡略化された上面図である。シンカ領域を使用して構築される、ショットキーダイオードおよび1つ以上のPN接合ダイオードの両方を含む、図面に示され本明細書において説明されているすべての実施形態において、PNダイオードのP型アノード領域は半導体表面と交差する必要はなく、物理的に1つ以上のより大きい接続領域を形成する必要もない。さまざまな実施形態において、PN接合ダイオードのP型アノード領域は、(たとえば、側壁コンタクトまたは埋込拡散を通じて)電気的にアクセスされ、ショットキーダイオードとの直列および/または並列の組み合わせを形成するために接続されることが可能であれば十分である。
【0111】
図33は、さまざまな実施形態に応じた、たとえば、
図2、
図6、
図7、
図11、
図13、
図16、
図20、
図21、
図25、および
図27に示されているデバイスを形成するとともに、それらのデバイスをSOCおよび誘導負荷(たとえば、
図1、
図15の誘導負荷132)を有するシステム(たとえば、
図1、
図15のシステム100、1500)に組み込むための方法を示す簡略化された流れ図である。SOCを製造するにあたっては標準的な半導体処理技法が採用され得、簡潔にするために、それらの技法は本明細書においては詳細には説明されない。
【0112】
方法は、ブロック3302において、第1の導電型を有する基板(たとえば、SOC基板)(たとえば、P型基板210、610、710、1110、1310、1610、2010、2110、2510、2710)を提供することによって開始する。基板は、たとえば、ベース基板と、当該ベース基板上に成長されるエピタキシャル層とを含んでもよい。その後、(たとえば、ドライバ回路に関連付けられる)能動素子が形成されてもよい(ブロック3304、3306、3308)。たとえば、ブロック3304において、分離構造が基板内に形成されてもよい。既に詳細に説明されたように、分離構造は、第2の導電型の埋込層(たとえば、NBL220、620、720、1120、1320、1620、2020、2120、2520、2720)と、基板上面から埋込層まで伸長する第2の導電型のシンカ領域(たとえば、シンカ領域222、622、722、1122、1322、1622、2022、2122、2522、2722)とを含んでもよい。埋込層とシンカ領域との組み合わせから形成される分離構造は、デバイスの活性領域(たとえば、活性領域230、630、730、1130、1330、1630、2030、2130、2530、2730)を実質的に取り囲んでもよい。ブロック3306において、能動素子が活性領域内に形成されてもよい。たとえば、活性領域内に形成される能動素子は、既に説明されたように、第1の導電型のドリフト領域、第2の導電型のボディ領域、第1の導電型のドレイン領域、第1の導電型のソース領域、およびゲート電極(および対応するゲート絶縁体)を含んでもよい。
【0113】
ブロック3308において、ダイオード回路(たとえば、
図1、
図15のダイオード回路162、1562)が、能動素子と分離構造(またはより具体的にはシンカ領域222、622、722、1122、1322、1622、2022、2122、2522、2722のようなシンカ領域)との間に形成および相互接続されてもよい。たとえば、
図1〜
図14と関連付けられる実施形態において、ダイオード回路はデバイスのソース領域(たとえば、ソース領域238、638、738、1138、1338)と分離構造との間に形成および相互接続される。逆に、
図15〜
図28と関連付けられる実施形態において、ダイオード回路はデバイスのボディ領域(たとえば、ボディ領域1634、2034、2134、2534、2734)と分離構造との間に形成および相互接続される。
図2〜
図32に関連して詳細に上述されているように、ダイオード回路の実施形態は、1つ以上のショットキーダイオード、PN接合ダイオード、および抵抗回路網を含んでもよい。
【0114】
ブロック3304、3306、および3308と並行して実行されてもよいブロック3310において、「他のデバイス」が基板の中および上に形成されてもよく、これは、ドライバ回路(たとえば、
図1、
図15のドライバ回路110、1510)に関連付けられる追加のデバイス、およびシステム・オン・チップ(SOC)に関連付けられる追加のデバイス(たとえば、処理構成要素、メモリアレイ、および他の回路)を形成することを含む。ドライバ回路および他のSOC構成要素はブロック3312において相互接続されてもよく、SOC基板はパッケージされてもよく、したがってSOCの作製が完了する。ブロック3314において、SOCは、パッケージされているか否かにかかわらず、誘導負荷(たとえば、
図1、
図15の誘導負荷132、1532)を含むシステムのようなより大きなシステム内に組み込まれてもよく、方法は終了し得る。
【0115】
既に説明されたように、ブロック3304、3306、および3308において形成されるデバイスは、さまざまな動作条件下でSOC内への電流注入を低減またはなくすように構成される。より詳細には、ドライバ回路の少なくとも1つの能動素子のソースまたはボディ領域と分離構造との間にダイオード回路が結合される結果として、そのようなダイオード回路が存在しない他のシステム(たとえば、ソース領域、ボディ領域、および分離構造が単にともに短絡されるシステムにおける)と比較して、注入電流が低減されるか、またはなくなり得る。したがって、さまざまな実施形態は、著しく有利な結果をもたらし得る。
【0116】
前述の詳細な説明の中で少なくとも1つの例示的な実施形態を提示してきたが、特にデバイスタイプ、材料およびドーピングの選択に関して、膨大な数の変形形態が存在することが理解されるべきである。1つまたは複数の例示的な実施形態は例に過ぎず、実施形態の範囲、適用性または構成を限定することは決して意図されていないことが理解されるべきである。そうではなく、前述の詳細な説明は、説明された1つまたは複数の例示的な実施形態を実行するための有意義な指針を当業者に提供するものである。添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の主題の範囲およびその合法の均等物から逸脱することなく、要素の機能および構成におけるさまざまな変更を行うことができることが理解されるべきである。