特許第6222856号(P6222856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝エレベータ株式会社の特許一覧

特許6222856かご内表示システム及びかご内表示制御装置
<>
  • 特許6222856-かご内表示システム及びかご内表示制御装置 図000002
  • 特許6222856-かご内表示システム及びかご内表示制御装置 図000003
  • 特許6222856-かご内表示システム及びかご内表示制御装置 図000004
  • 特許6222856-かご内表示システム及びかご内表示制御装置 図000005
  • 特許6222856-かご内表示システム及びかご内表示制御装置 図000006
  • 特許6222856-かご内表示システム及びかご内表示制御装置 図000007
  • 特許6222856-かご内表示システム及びかご内表示制御装置 図000008
  • 特許6222856-かご内表示システム及びかご内表示制御装置 図000009
  • 特許6222856-かご内表示システム及びかご内表示制御装置 図000010
  • 特許6222856-かご内表示システム及びかご内表示制御装置 図000011
  • 特許6222856-かご内表示システム及びかご内表示制御装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222856
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】かご内表示システム及びかご内表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   B66B3/00 Q
   B66B3/00 G
   B66B3/00 F
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-4815(P2016-4815)
(22)【出願日】2016年1月13日
(65)【公開番号】特開2017-124904(P2017-124904A)
(43)【公開日】2017年7月20日
【審査請求日】2016年1月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊山 賢一
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−154978(JP,A)
【文献】 特開2009−161285(JP,A)
【文献】 特開2010−254472(JP,A)
【文献】 特開2014−105047(JP,A)
【文献】 特開2011−255982(JP,A)
【文献】 特開平08−268658(JP,A)
【文献】 実開平04−117883(JP,U)
【文献】 国際公開第2007/132499(WO,A1)
【文献】 特開2012−126560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00− 3/02
B66B 1/00− 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客が乗車する乗りかご内に設けられている表示装置と、当該表示装置と接続される表示制御装置とを備えるかご内表示システムにおいて、
前記表示装置は、前記乗りかご内の第1の領域に設けられている第1の表示装置と、前記第1の領域とは異なる第2の領域に設けられている第2の表示装置とを備え、
前記表示制御装置は、前記第1の表示装置と接続される第1の表示制御装置と、前記第2の表示装置と接続される第2の表示制御装置とを備え、
前記第1の表示制御装置は、
管制運転時におけるエレベータの運転状況を示す運転状況情報を受信する第1の受信手段と、
前記受信された運転状況情報によって示されるエレベータの運転状況に応じた前記乗客に対する有用情報を表す第1の複数の言語の第1のテキストメッセージを前記第1の表示装置に表示する第1の表示処理手段と
前記有用情報を表す音声メッセージを出力する出力手段と
を含み、
前記第2の表示制御装置は、
前記運転状況情報を受信する第2の受信手段と、
前記受信された運転状況情報によって示されるエレベータの運転状況に応じた前記乗客に対する有用情報を表す第2の複数の言語の第2のテキストメッセージを前記第2の表示装置に表示するとともに、前記有用情報を表すピクトグラムを前記第2の表示装置に表示する第2の表示処理手段と
を含み、
前記第1の表示処理手段は、前記第2のテキストメッセージ及び前記ピクトグラムを前記第1の表示装置に表示せず、
前記第2の表示処理手段は、前記第1のテキストメッセージを前記第2の表示装置に表示せず、
前記出力手段は、前記第1の複数の言語及び前記第2の複数の言語のうちの主要な言語の音声メッセージを出力する
ことを特徴とするかご内表示システム。
【請求項2】
前記第2の表示制御装置は、エレベータの運転状況の各々に応じた有用情報を表すピクトグラムを予め格納する格納手段を含み、
前記第2の表示処理手段は、前記格納手段に格納されている前記受信された運転状況情報によって示されるエレベータの運転状況に応じた有用情報を表すピクトグラムを表示する
ことを特徴とする請求項1記載のかご内表示システム。
【請求項3】
前記第1の複数の言語は、少なくとも日本語を含み、
前記第2の複数の言語は、前記第1の複数の言語以外の言語を含む
ことを特徴とする請求項1記載のかご内表示システム。
【請求項4】
前記第2の表示装置及び第2の表示制御装置は、前記第1の表示装置及び前記第1の表示制御装置を備える既存のかご内表示システムに増設されることを特徴とする請求項1記載のかご内表示システム。
【請求項5】
前記第2の表示処理手段は、前記ピクトグラムに代えて、前記有用情報を表すアニメーションを前記表示装置に表示する請求項1記載のかご内表示システム。
【請求項6】
乗客が乗車する乗りかご内の第1の領域に設けられている第1の表示装置及び前記第1の領域とは異なる第2の領域に設けられている第2の表示装置と接続されるかご内表示制御装置において、
管制運転時におけるエレベータの運転状況を示す運転状況情報を受信する受信手段と、
前記受信された運転状況情報によって示されるエレベータの運転状況に応じた前記乗客に対する有用情報を表す第1の複数の言語の第1のテキストメッセージを前記第1の表示装置に表示する第1の表示処理手段と、
前記受信された運転状況情報によって示されるエレベータの運転状況に応じた前記乗客に対する有用情報を表す第2の複数の言語の第2のテキストメッセージを前記第2の表示装置に表示するとともに、前記有用情報を表すピクトグラムを前記第2の表示装置に表示する第2の表示処理手段と
を具備し、
前記第1の表示処理手段は、前記有用情報を表す音声メッセージを出力する出力手段を含み、前記第2のテキストメッセージ及び前記ピクトグラムを前記第1の表示装置に表示せず、
前記第2の表示処理手段は、前記第1のテキストメッセージを前記第2の表示装置に表示せず、
前記出力手段は、前記第1の複数の言語及び前記第2の複数の言語のうちの予め定められた主要な言語の音声メッセージを出力する
とを特徴とするかご内表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、かご内表示システム及びかご内表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本には多くの外国人観光客が訪れており、当該外国人によってエレベータが使用される機会が増えている。
【0003】
一般的に、エレベータの基本操作は万国共通であるため、当該エレベータの使用方法等に関しての説明は不要である場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭62−25495号公報
【特許文献2】特許第4585844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば地震、火災またはエレベータの故障等が発生した場合には、乗りかご内の乗客を避難させるために、エレベータの管制運転が行われる。
【0006】
しかしながら、エレベータの管制運転について知識のある利用者は少ないため、当該管制運転が行われる場合、乗りかご内に設けられている表示装置には例えば乗客が取るべき行動等を含む有用な情報が表示される。これにより、乗りかご内の乗客は速やかに適切な行動を取ることができる。
【0007】
しかしながら、上記した有用な情報が日本語(のテキストメッセージ)で表示されている場合には、外国人は当該情報の内容を理解することができないため、適切な行動を取ることができない場合がある。
【0008】
したがって、エレベータの管制運転時に外国人を含む全ての乗客が有用な情報を得ることができるようにすることが望まれている。
【0009】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、管制運転が行われる場合に、乗りかご内の乗客が容易に理解できる態様で有用な情報を提供することが可能なかご内表示システム及びかご内表示制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、乗客が乗車する乗りかご内に設けられている表示装置と、当該表示装置と接続される表示制御装置とを備えるかご内表示システムにおいて、前記表示装置は、前記乗りかご内の第1の領域に設けられている第1の表示装置と、前記第1の領域とは異なる第2の領域に設けられている第2の表示装置とを備え、前記表示制御装置は、前記第1の表示装置と接続される第1の表示制御装置と、前記第2の表示装置と接続される第2の表示制御装置とを備え、前記第1の表示制御装置は、管制運転時におけるエレベータの運転状況を示す運転状況情報を受信する第1の受信手段と、前記受信された運転状況情報によって示されるエレベータの運転状況に応じた前記乗客に対する有用情報を表す第1の複数の言語の第1のテキストメッセージを前記第1の表示装置に表示する第1の表示処理手段と、前記有用情報を表す音声メッセージを出力する出力手段とを含み、前記第2の表示制御装置は、前記運転状況情報を受信する第2の受信手段と、前記受信された運転状況情報によって示されるエレベータの運転状況に応じた前記乗客に対する有用情報を表す第2の複数の言語の第2のテキストメッセージを前記第2の表示装置に表示するとともに、前記有用情報を表すピクトグラムを前記第2の表示装置に表示する第2の表示処理手段とを含み、前記第1の表示処理手段は、前記第2のテキストメッセージ及び前記ピクトグラムを表示せず、前記第2の表示処理手段は、前記第1のテキストメッセージを表示せず、前記出力手段は、前記第1の複数の言語及び前記第2の複数の言語のうちの主要な言語の音声メッセージを出力することを特徴とするかご内表示システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係るかご内表示システムを含むエレベータシステムの構成の一例を示す図。
図2】かご内表示システムを構成する表示制御装置の機能構成の一例を示すブロック図。
図3】主表示制御装置に含まれる格納部のデータ構造の一例を示す図。
図4】副表示制御装置に含まれる格納部のデータ構造の一例を示す図。
図5】主表示制御装置の処理手順を示すフローチャート。
図6】副表示制御装置の処理手順を示すフローチャート。
図7】乗りかごが最寄階に停車することを表すピクトグラムの一例を示す図。
図8】ドアが開いたら降車することを表すピクトグラムの一例を示す図。
図9】非常呼びボタンを押下することを表すピクトグラムの一例を示す図。
図10】呼び出し中であることを表すピクトグラムの一例を示す図。
図11】通話が可能であることを表すピクトグラムの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るかご内表示システムを含むエレベータシステムの構成を示す。
【0014】
図1に示すように、エレベータシステムは、エレベータ全体の制御を行うエレベータ制御装置10を備える。エレベータ制御装置10は、制御盤と称され、利用者が乗車する乗りかご20が昇降動作する昇降路の上部(図示しない機械室)等に配置される。エレベータ制御装置10は、ホール呼び及びかご呼びに応じてエレベータ(乗りかご20)を昇降動作させる通常運転に加えて、例えば地震、火災またはエレベータの故障等の際(つまり、非常時)に乗りかご20内の乗客を避難させるようにエレベータを動作させる管制運転を行う機能を有している。
【0015】
なお、図1においては省略されているが、エレベータシステムにおいては、昇降路内に乗りかご20及びカウンタウェイト(釣り合い錘)が設けられており、それぞれガイドレールに昇降動作可能に支持されている。
【0016】
また、昇降路の上部には、エレベータ制御装置10と接続される巻上げ機が設置されている。巻上げ機には、一端が乗りかご20と接続され、他端がカウンタウエイトと接続されたメインロープが巻き架けられている。
【0017】
エレベータシステムにおいては、エレベータ制御装置10の制御に基づいて巻上げ機が駆動されることによって、メインロープに接続された乗りかご20(及びカウンタウエイト)を昇降動作させることができる。
【0018】
また、本実施形態において、エレベータシステムには、例えば複数の液晶インジケータを有するかご内表示システム30が設けられている。図1に示す例では、かご内表示システム30は、2つの表示制御装置31a及び31bと、2つの表示装置32a及び32bとを備える。
【0019】
具体的には、表示制御装置31a及び31bは、それぞれエレベータ制御装置10に接続されている。また、この2つの表示制御装置31a及び31bは、乗りかご20内に配置されている液晶インジケータ(液晶モニタ)である表示装置32a及び32bとそれぞれ接続される。表示制御装置31a及び31bは、例えば表示装置32a及び32bそれぞれの背面に位置し、当該表示装置32a及び32bの表示(内容)を制御する。
【0020】
なお、表示装置32aは、例えば乗りかご20内のかごドアの右側の領域(第1の領域)に設けられており、表示装置32bは、当該乗りかご20内のかごドアの左側の領域(第2の領域)に設けられている。表示装置32a及び32bは、図1に示す例ではかご内操作盤に取り付けられているが、当該表示装置32a及び32b単体でかご内(のかご内操作盤とは異なる位置)に取り付けられていてもよい。
【0021】
図2は、かご内表示システム30を構成する表示制御装置の機能構成を示すブロック図である。図1において説明したように、本実施形態に係るかご内表示システム30は2つの表示制御装置31a及び31bを備えるが、図2においては表示制御装置31aの機能構成について説明する。
【0022】
図2に示すように、表示制御装置31aは、運転状況受信部101、格納部102、制御部103、表示処理部104及び音声出力部105を含む。
【0023】
運転状況受信部101は、エレベータ制御装置10によって制御される例えば管制運転時におけるエレベータの運転状況を示す情報(以下、運転状況情報と表記)を、当該エレベータ制御装置10から受信する。なお、エレベータの運転状況には、例えば乗りかご20を最寄階に停止させるための動作中であることまたは戸開動作中であること等が含まれる。
【0024】
格納部102は、管制運転時におけるエレベータの運転状況の各々に対応づけて当該運転状況に応じて乗りかご20内の乗客に提供すべき有用な情報(以下、有用情報と表記)が予め格納(登録)されている。この有用情報には、例えば管制運転時に乗客等が取るべき行動(を指示する情報)等が含まれる。格納部102に格納されている有用情報は、後述するように例えばテキストメッセージ、音声メッセージ及びピクトグラム等の態様で乗客に提供される。なお、ピクトグラムは、例えば文字を使用しない図形等によって表される視覚記号の1つである。
【0025】
制御部103は、運転状況受信部101によって受信された運転状況情報に基づいて、乗りかご20内の乗客に対する有用情報(つまり、現在のエレベータの運転状況に応じた有用情報)を格納部102から取得する。
【0026】
表示処理部104は、制御部103による制御のもと、制御部103によって取得された有用情報を表すテキストメッセージ及びピクトグラムを表示装置32aに表示する。この場合、表示処理部104、例えば2以上の言語のテキストメッセージを表示してもよい。
【0027】
音声出力部105は、制御部103による制御のもと、制御部103によって取得された有用情報を表す音声メッセージを出力する。音声出力部105は、例えば2以上の言語の音声メッセージを出力してもよい。
【0028】
ここでは、表示制御装置31aについて説明したが、表示制御装置31bについても表示制御装置31aと同様の機能構成を有するため、その詳しい説明を省略する。また、表示制御装置31bの機能構成について言及する場合には、適宜、図2を用いて説明する。
【0029】
ここで、上記したように乗りかご20内に複数の表示装置(ここでは、2つの表示装置32a及び32b)が設けられている場合、当該表示装置32a及び32bの各々には上記した有用情報を異なる態様で表示することが可能である。
【0030】
この場合、表示制御装置31aに含まれる格納部102には表示装置32aに表示されるべき態様の情報が格納されていればよいし、表示制御装置31bに含まれる格納部102には、表示装置32bに表示されるべき態様の情報が格納されていればよい。すなわち、本実施形態においては、表示装置32a及び32bに表示される情報の態様に応じて、表示制御装置31aに含まれる格納部102と表示制御装置31bに含まれる格納部102との内容(データ構造)が異なっていてもよい。
【0031】
以下、上記したように表示装置32a及び32bに異なる態様で有用情報が表示される場合における表示制御装置31a及び31bの各々に含まれる格納部102のデータ構造の一例について説明する。
【0032】
ここでは、表示装置32aには、有用情報を表す日本語及び英語(第1の複数の言語)によるテキストメッセージが表示されるものとして説明する。一方、表示装置32bには、有用情報を表す日本語及び英語以外の言語(第2の複数の言語)によるテキストメッセージ及びピクトグラムが表示されるものとして説明する。また、日本語及び英語以外の言語としては例えば中国語及び韓国語が使用されるものとする。
【0033】
以下の説明では、便宜的に、日本語及び英語によるテキストメッセージが表示される表示装置32a及び当該表示装置32aと接続される表示制御装置31aを主表示装置32a及び主表示制御装置31aと称し、中国語及び韓国語によるテキストメッセージ及びピクトグラムが表示される表示装置32b及び当該表示装置32bと接続される表示制御装置31bを副表示装置32b及び副表示制御装置31bと称する。
【0034】
まず、図3は、主表示制御装置31aに含まれる格納部102のデータ構造の一例を示す。上記したように、主表示装置32aに日本語及び英語によるメッセージが表示されるものとすると、当該主表示装置32aと接続される主表示制御装置31aに含まれる格納部102には、図3に示すように運転状況に対応づけてテキストメッセージ(日本語)及びテキストメッセージ(英語)が格納されている。なお、図3に示す例において、格納部102には、音声メッセージ(日本語)及び音声メッセージ(英語)が更に格納されている。
【0035】
運転状況は、管制運転時におけるエレベータの運転状況を示す。テキストメッセージ(日本語)は、対応づけられている運転状況に応じた日本語のメッセージ(テキスト)である。テキストメッセージ(英語)は、対応づけられている運転状況に応じた英語のメッセージ(テキスト)である。
【0036】
また、音声メッセージ(日本語)は、対応づけられている運転状況に応じた日本語のメッセージ(音声)である。音声メッセージ(英語)は、対応づけられている運転状況に応じた英語のメッセージ(音声)である。これらの音声メッセージは、上記したように主表示装置32aに表示されるテキストメッセージとは異なり、例えば乗りかご20内のスピーカ等を介して出力される。
【0037】
図3に示す例では、主表示制御装置31aに含まれる格納部102には、運転状況「状況1」に対応づけてテキストメッセージ(日本語)「テキストメッセージ1.1」、テキストメッセージ(英語)「テキストメッセージ1.2」、音声メッセージ(日本語)「音声メッセージ1.1」及び音声メッセージ(英語)「音声メッセージ1.2」が格納されている。これによれば、管制運転時におけるエレベータの運転状況が「状況1」である場合には、日本語のテキストメッセージである「テキストメッセージ1.1」及び英語のテキストメッセージである「テキストメッセージ1.2」が主表示装置32aに表示され、日本語の音声メッセージである「音声メッセージ1.1」及び英語の音声メッセージである「音声メッセージ1.2」がスピーカから出力されることが示されている。
【0038】
次に、図4は、副表示制御装置31bに含まれる格納部102のデータ構造の一例を示す。上記したように、副表示装置32bに中国語及び韓国語によるテキストメッセージ及びピクトグラムが表示されるものとすると、当該副表示装置32bと接続される副表示制御装置31bに含まれる格納部102には、図4に示すように、運転状況に対応づけてテキストメッセージ(中国語)、テキストメッセージ(韓国語)及びピクトグラムが格納されている。
【0039】
運転状況は、上記した図3において説明したように、管制運転時におけるエレベータの運転状況を示す。テキストメッセージ(中国語)は、対応づけられている運転状況に応じた中国語のメッセージ(テキスト)である。テキストメッセージ(韓国語)は、対応づけられている運転状況に応じた韓国語のメッセージ(テキスト)である。また、ピクトグラムは、対応づけられている運転状況に応じたピクトグラムである。
【0040】
図4に示す例では、副表示制御装置31bに含まれる格納部102には、運転状況「状況1」に対応づけてテキストメッセージ(中国語)「テキストメッセージ1.3」、テキストメッセージ(韓国語)「テキストメッセージ1.4」及びピクトグラム「ピクトグラム1」が格納されている。これによれば、エレベータの運転状況が「状況1」である場合には、中国語のテキストメッセージである「テキストメッセージ1.3」、韓国語のテキストメッセージである「テキストメッセージ1.4」及び「ピクトグラム1」が副表示装置32bに表示されることが示されている。
【0041】
なお、図3及び図4において、同一の運転状況に対応づけられているテキストメッセージ、音声メッセージ及びピクトグラム(例えば、状況1に対応づけられているテキストメッセージ1.1〜1.4、音声メッセージ1.1及び1.2、及びピクトグラム1)は、当該運転状況において乗りかご20内の乗客にとって有用な同一の情報(内容)を表している。これによれば、例えばエレベータの運転状況に応じた有用情報(例えば、乗客が取るべき行動及び乗りかご20の動作に関する状況等)を、4か国語(日本語、英語、中国語及び韓国語)のテキストメッセージとして表示することができ、更に2か国語(日本語及び英語)の音声メッセージとして出力することができる。また、これらの4つの言語を使用可能でない地域(国)の乗客に対しては、上記した有用情報をピクトグラムとして表示することができる。
【0042】
ここでは、運転状況「状況1」に対応づけられているテキストメッセージ、音声データメッセージ及びピクトグラムについて説明したが、当該テキストメッセージ、音声メッセージ及びピクトグラムは、管制運転時のエレベータの運行状況毎に予め用意されているものとする。
【0043】
なお、管制運転は迅速な行動等が必要とされる非常時等に行われる場合が多いが、例えば4か国語の音声メッセージを出力するためには時間がかかることが想定される。この場合、ある動作中(例えば、乗りかご20を最寄階に停止させる動作中)であることを表す4か国語の音声メッセージを全て出力する前に、次の動作(例えば、戸開動作)が開始されてしまうような事態が生じ得る。これは、乗客の混乱を招く原因となる。このため、音声メッセージに関しては、エレベータシステム(かご内表示システム30)が使用される国における主要な2つの言語の音声メッセージが出力されるものとする。本実施形態においては、エレベータシステム(かご内表示システム30)が例えば日本国内で使用される場合を想定しており、主要な言語として日本語及び英語の音声メッセージが出力されるものとする。
【0044】
ここで、本実施形態において、音声メッセージは表示制御装置31aに含まれる格納部102に格納されているため、当該音声メッセージは、表示制御装置31a(音声出力部105)から出力され、表示制御装置31bからは出力されない。この場合、表示制御装置31bは音声出力部105を含まない構成であってもよい。
【0045】
すなわち、本実施形態においては、表示制御装置31a及び31bによって乗客に提供される情報の態様に応じて、当該表示制御装置31a及び31bの機能構成は適宜変更(省略または追加)されても構わない。
【0046】
なお、図3及び図4に示すデータ構造は一例であり、エレベータシステムが使用される国(地域)に応じて、異なる言語のテキストメッセージ及び音声メッセージが用意されていても構わない。また、多数の言語のテキストメッセージ及び音声メッセージを用意しておくことによって、エレベータシステム(かご内表示システム30)が使用される状況または環境等に応じて、適切な言語を選択することができるような構成としても構わない。
【0047】
次に、管制運転時におけるかご内表示システム30の動作について説明する。まず、図5のフローチャートを参照して、主表示制御装置31aの処理手順について説明する。ここでは、主表示制御装置31aに含まれる格納部102のデータ構造は、図3において説明した通りであるものとする。
【0048】
ここで、エレベータシステムにおいて、例えば地震、火災またはエレベータの故障等(以下、単に地震等と表記)が発生した場合、エレベータ制御装置10は、乗りかご20の昇降動作等を制御することによってエレベータの管制運転を行う。なお、エレベータ制御装置10は地震等を検知する機能を有しており、管制運転は、当該機能によって地震等が検知された際に行われる。
【0049】
管制運転を行う場合、エレベータ制御装置10は、当該管制運転におけるエレベータの運転状況(を示す運転状況情報)を当該運転状況の変化に応じてかご内表示システム30に送信(通知)するものとする。
【0050】
ここで、運転状況情報について具体的に説明する。エレベータ制御装置10は、管制運転時には、例えば乗りかご20を最寄階に停止させて、当該乗りかご20内の乗客を避難させるためにドア(かごドア及びホールドア)を開けるような運転を行う。この場合、エレベータ制御装置10は、乗りかご20を最寄階に停止させることを示す運転状況情報を管制運転の開始後にかご内表示システム30に送信する。また、エレベータ制御装置10は、乗りかご20が最寄階に停止した場合、ドアが開くことを示す運転状況情報をかご内表示システム30に送信する。
【0051】
主表示制御装置31aに含まれる運転状況受信部101は、上記したようにエレベータ制御装置10によって送信された運転状況情報を受信する(ステップS1)。
【0052】
主表示制御装置31aに含まれる制御部103は、運転状況受信部101によって受信された運転状況情報によって示される運転状況に応じた日本語及び英語のテキストメッセージを取得する(ステップS2)。この場合、制御部103は、運転状況情報によって示される運転状況に対応づけて格納部102に格納されているテキストメッセージ(日本語)及びテキストメッセージ(英語)を取得する。
【0053】
また、制御部103は、運転状況受信部101によって受信された運転状況情報によって示される運転状況に応じた日本語及び英語の音声メッセージを取得する(ステップS3)。この場合、制御部103は、運転状況情報によって示される運転状況に対応づけて格納部102に格納されている音声メッセージ(日本語)及び音声メッセージ(英語)を取得する。
【0054】
次に、主表示制御装置31aに含まれる表示処理部104は、ステップS2において取得された日本語及び英語のテキストメッセージを主表示装置32aに表示する(ステップS4)。この場合、日本語のテキストメッセージ及び英語のテキストメッセージは、同一の内容を表すメッセージであることが乗客に認識されるように例えば並べて表示されるものとする。
【0055】
また、主表示制御装置31aに含まれる音声出力部105は、ステップS3において取得された日本語及び英語の音声メッセージを例えばスピーカ等を介して出力する(ステップS5)。この場合、例えば日本語の音声メッセージが出力された後に、英語の音声メッセージが出力されるものとする。
【0056】
上記した図5に示す主表示制御装置31aの処理によれば、主表示装置32aには日本語及び英語のテキストメッセージが表示されるとともに、日本語及び英語の音声メッセージが乗りかご20内のスピーカから出力される。
【0057】
具体的には、ステップS1において上記した乗りかご20を最寄階に停止させることを示す運転状況情報が受信された場合には、主表示装置32aには例えば「最寄階にとまります。」のメッセージが日本語及び英語で表示され、同様のメッセージが日本語及び英語の音声で出力される。
【0058】
また、ステップS1において上記したドアが開くことを示す運転状況情報が受信された場合には、主表示装置32aには例えば「ドアが開いたら足元に注意して降りてください。」のメッセージが日本語及び英語で表示され、同様のメッセージが日本語及び英語の音声で出力される。
【0059】
これによれば、乗りかご20内の乗客のうち、使用言語(母国語)が日本語または英語である乗客は、主表示装置32aに表示されているテキストメッセージを確認することにより、管制運転時におけるエレベータの運行状況に応じた乗客に対する有用情報の内容(つまり、乗客が取るべき行動や乗りかご20の動作に関する状況等)を把握することができる。また、表示装置32aを視認できないような場合であっても、スピーカ等から出力される音声メッセージを聞くことにより、有用情報の内容を把握することができる。なお、主表示装置32aには、地震等が発生した旨のテキストメッセージやマーク等が更に表示されても構わない。
【0060】
次に、図6のフローチャートを参照して、副表示制御装置31bの処理手順について説明する。ここでは、副表示制御装置31bに含まれる格納部102のデータ構造は、図4において説明した通りであるものとする。
【0061】
この場合、副表示制御装置31bに含まれる運転状況受信部101は、エレベータ制御装置10によって送信された運転状況情報を受信する(ステップS11)。このステップS11において運転状況受信部101によって受信される運転状況情報は、上記した図5に示すステップS1において主表示制御装置31a(に含まれる運転状況受信部101)によって受信された運転状況情報と同一の情報である。
【0062】
副表示制御装置31bに含まれる制御部103は、運転状況受信部101によって受信された運転状況情報によって示される運転状況に応じた中国語及び韓国語のテキストメッセージを取得する(ステップS12)。この場合、制御部103は、運転状況情報によって示される運転状況に対応づけて格納部102に格納されているテキストメッセージ(中国語)及びテキストメッセージ(韓国語)を取得する。
【0063】
また、制御部103は、運転状況受信部101によって受信された運転状況情報によって示される運転状況に応じたピクトグラムを取得する(ステップS13)。この場合、制御部103は、運転状況情報によって示される運転状況に対応づけて格納部102に格納されているピクトグラムを取得する。
【0064】
次に、副表示制御装置31bに含まれる表示処理部104は、ステップS12において取得された中国語及び韓国語のテキストメッセージを副表示装置32bに表示する(ステップS14)。この場合、中国語のテキストメッセージ及び韓国語のテキストメッセージは、同一の内容を表すメッセージであることが乗客に認識されるように例えば並べて表示されるものとする。
【0065】
また、表示処理部104は、ステップS13において取得されたピクトグラムを副表示装置32bに表示する(ステップS15)。すなわち、本実施形態において、ピクトグラムは、上記した主表示制御装置31a(音声出力部105)によって出力される音声メッセージの言語(ここでは、日本語及び英語)以外の言語が表示される表示装置(ここでは、副表示装置32b)に表示される。この場合、ピクトグラムは、ステップS14において表示されたテキストメッセージと同様の内容を表すものであることが乗客に認識されるように、当該テキストメッセージの近傍に表示される。
【0066】
上記した図6に示す副表示制御装置31bの処理によれば、副表示装置32bには、中国語及び韓国語のテキストメッセージとともにピクトグラムが表示される。
【0067】
具体的には、ステップS11において上記した乗りかご20を最寄階に停止させることを示す運転状況情報が受信された場合には、副表示装置32bには、例えば「最寄階にとまります。」のメッセージが中国語及び韓国語で表示され、更に当該メッセージと同様の内容を表すピクトグラムが表示される。なお、図7は、この場合におけるピクトグラム(つまり、乗りかご20が最寄階に停車することを表すピクトグラム)の一例を示す。
【0068】
また、ステップS11において上記したドアが開くことを示す運転状況情報が受信された場合には、副表示装置32bには、例えば「ドアが開いたら足元に注意して降りてください。」のメッセージが中国語及び韓国語で表示され、更に当該メッセージと同様の内容を表すピクトグラムが表示される。なお、図8は、この場合におけるピクトグラム(つまり、ドアが開いたら降車することを表すピクトグラム)の一例を示す。
【0069】
これによれば、乗りかご20内の乗客のうち、使用言語が中国語または韓国語である乗客は、副表示装置32bに表示されているテキストメッセージを確認することにより、管制運転時におけるエレベータの運行状況に応じた乗客に対する有用情報の内容(つまり、乗客が取るべき行動や乗りかご20の動作に関する状況等)を把握することができる。また、使用言語が上記した4か国語(日本語、英語、中国語及び韓国語)以外の乗客は、副表示装置32bに表示されているピクトグラムを確認することにより、上記の有用情報の内容を把握することができる。
【0070】
ここで、例えばエレベータの故障が発生した場合には、停止した乗りかご20内に乗客が閉じ込められるという事故(閉じ込め事故)が発生する場合がある。このような場合には、乗りかご20内に設けられた表示装置32a及び32bを介して乗客に対して取るべき行動等を指示する必要がある。
【0071】
この場合、例えば主表示装置32aには「非常呼びボタンを押してください。」のメッセージを日本語及び英語で表示し、副表示装置32bには同様のメッセージを中国語及び韓国語で表示することができる。更に、副表示装置32bには、例えば図9に示すような非常呼びボタンを押すことを表すピクトグラムを表示することができる。これによれば、例えば使用言語が日本語、英語、中国語及び韓国語以外の乗客に対しても、取るべき行動を適切に指示することができる。なお、このような指示に従って非常呼びボタンが押下された後は、例えば「呼び出し中です。しばらくお待ちください。」のメッセージとともに図10に示すような呼び出し中であることを表すピクトグラムが表示されてもよい。更に、外部との通話が可能となった場合には、例えば「通話できます。お話し下さい。」のメッセージとともに図11に示すような通話が可能であることを表すピクトグラムが表示されてもよい。
【0072】
上記したように本実施形態においては、管制運転時におけるエレベータの運転状況を示す運転状況情報を受信し、当該受信された運転状況情報によって示されるエレベータの運転状況に応じた乗客に対する有用情報(乗客が取るべき行動及び乗りかご20の動作に関する状況等)を表すピクトグラムを表示装置32bに表示する。
【0073】
ここで、表示装置32a及び32bには上記した有用情報を表すテキストメッセージが表示されるが、乗りかご20内に設けられる表示装置32a及び32bの大きさには制約があるため、全ての言語に対応するテキストメッセージを表示することは困難である。このため、テキストメッセージに用いられている言語を使用言語としない乗客は、当該テキストメッセージの内容を理解することはできない。また、テキストメッセージに用いられている言語を使用言語とする乗客であっても、例えば高齢者等はテキストメッセージを即時に理解することが困難な場合がある。
【0074】
これに対して、本実施形態においては、上記したように有用情報を表すピクトグラムを表示装置32bに表示することにより、特定の言語のテキストメッセージを理解できない乗客であっても容易に有用情報を得ることが可能となる。すなわち、本実施形態においては、管制運転が行われる場合に、乗りかご内の乗客(例えば、使用言語の異なる世界中の様々な国の人々や高齢者)が容易に理解できる態様で有用な情報を提供することが可能となる。
【0075】
なお、表示装置32bに表示されるピクトグラムはエレベータの運転状況に応じた有用情報毎に予め用意されているため、当該運転状況に応じて適切なピクトグラムを表示することが可能なる。
【0076】
また、本実施形態においては、上記したように有用情報を表す複数の言語のテキストメッセージを表示装置32a及び32bに表示することも可能である。これによれば、テキストメッセージの言語を理解できる乗客であれば、ピクトグラムよりも正確な情報を得ることができる。
【0077】
また、本実施形態においては、有用情報を表す複数の言語の音声メッセージが出力されるため、例えば表示装置32a及び32bを視認できないような状態の場合であっても、音声メッセージの言語を理解できる乗客であれば当該有用情報を得ることが可能となる。
【0078】
上記したように本実施形態においては、管制運転時におけるエレベータの運転状況に応じた有用情報を表すピクトグラム及びテキストメッセージを表示するとともに、当該有用情報を表す音声メッセージを出力することによって、乗りかご20内の全ての乗客(利用者)が状況を把握し、適切な行動等を取ることができるため、当該乗客に対して安心感を与えることが可能となる。
【0079】
なお、本実施形態においては、4か国語(例えば、日本語、英語、中国語及び韓国語)のテキストメッセージが表示装置32a及び32bに表示されるが、音声メッセージの出力には時間を要するため、当該音声メッセージの出力は2か国語(例えば、日本語及び英語)で行われるものとする。
【0080】
ここで、本実施形態においては、表示装置32a及び32b(第1の表示装置及び第2の表示装置)と、表示制御装置31a及び31b(第1の表示制御装置及び第2の表示制御装置)とを備えている。表示制御装置31aは、日本語及び英語(第1の複数の言語)で表現されたテキストメッセージ(第1のテキストメッセージ)を表示装置32aに表示し、表示制御装置31bは、日本語及び英語以外の言語(第2の複数の言語)で表現されたテキストメッセージ(第2のテキストメッセージ)及びピクトグラムを表示装置32bに表示する。
【0081】
本実施形態においては、上記したように他の言語より比較的長文となる日本語のテキストメッセージが表示される表示装置32aとは異なる表示装置32bにピクトグラムを表示することにより、表示装置32a及び32bの表示量が同等となるように調整されている。
【0082】
また、本実施形態においては、表示装置32aに表示されるテキストメッセージの言語(ここでは、日本語及び英語)の音声メッセージが表示制御装置31aから出力される。この場合、ピクトグラムは、音声メッセージに対応する言語以外の言語のテキストメッセージ(ここでは、中国語及び韓国語)が表示される表示装置32bに表示される。換言すれば、ピクトグラムは、音声メッセージの言語以外の言語を使用する乗客が注視すると推測される表示装置32b側に表示される。ここで、日本語及び英語を使用言語とする乗客は音声メッセージにより有用情報を即時に把握することができるが、日本語及び英語以外の言語を使用言語とする乗客は乗りかご20内の表示装置を確認しなければ有用情報を得ることはできない。このため、本実施形態においては、上記したように音声メッセージに対応する言語以外の言語のテキストメッセージとピクトグラムとを同一の表示装置32bに表示することによって、日本語及び英語以外の言語を使用言語とする乗客がいずれの表示装置を確認すればよいかが明確であるため、当該乗客は有用情報を即時に把握することが可能となる。
【0083】
更に、近年ではグローバル化に伴い、例えば日本語及び英語のテキストメッセージ及び音声メッセージに対応するかご内表示システムが普及している。このため、上記した本実施形態に係るかご内表示システム30は、日本語及び英語のテキストメッセージ及び音声メッセージに対応する既存のかご内表示システム(つまり、表示制御装置31a及び表示装置32aから構成されるかご内表示システム)に対して、上記した表示制御装置31b及び表示装置32bを増設することによっても実現することができる。
【0084】
なお、本実施形態においては、ピクトグラムが表示されるものとして説明したが、特定の言語を理解することができない乗客に対して有用情報を提供することが可能であればよいため、例えば当該ピクトグラムに代えて当該有用情報を表すアニメーション等が表示装置32bに表示されるような構成であってもよい。
【0085】
更に、本実施形態においては、管制運転時に有用情報を提供する場合について主に説明したが、通常運転時に例えばドアの開閉等を表すピクトグラムが表示される構成であっても構わない。
【0086】
また、本実施形態においては、表示制御装置31a及び31bがそれぞれ表示装置32a及び32bの表示を制御するものとして説明したが、例えば1の表示制御装置が当該表示装置32a及び32bの表示を制御するようにしてもよい。更に、上記した格納部102が例えばエレベータ制御装置10に設けられ、当該エレベータ制御装置10において取得されたテキストメッセージ及びピクトグラム等が表示制御装置31a及び31bを介して表示装置32a及び32bに表示されるような構成とすることも可能である。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0088】
10…エレベータ制御装置、30…かご内表示システム、31a,31b…表示制御装置(かご内表示制御装置)、32a,32b…表示装置、101…運転状況受信部、102…格納部、103…制御部、104…表示処理部、105…音声出力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11