特許第6222857号(P6222857)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝エレベータ株式会社の特許一覧

特許6222857エレベータ制御装置及びエレベータ制御方法
<>
  • 特許6222857-エレベータ制御装置及びエレベータ制御方法 図000002
  • 特許6222857-エレベータ制御装置及びエレベータ制御方法 図000003
  • 特許6222857-エレベータ制御装置及びエレベータ制御方法 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222857
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】エレベータ制御装置及びエレベータ制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/34 20060101AFI20171023BHJP
   B66B 1/06 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   B66B1/34 A
   B66B1/06 K
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-56508(P2016-56508)
(22)【出願日】2016年3月22日
(65)【公開番号】特開2017-171414(P2017-171414A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2016年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高上 遼馬
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−246095(JP,A)
【文献】 特開2001−187676(JP,A)
【文献】 特開2015−054729(JP,A)
【文献】 特許第4787539(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00−1/52
B66C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの回生運転によって生じる回生電力が充電されるバッテリから巻上機を駆動する駆動装置に供給される電力量を制御するエレベータ制御装置において、
前記エレベータを利用する利用者が乗りかごに乗車する乗場に設置されている乗場呼び登録装置によって出力された当該乗場からの行先方向を示す乗場呼び登録情報を取得する第1の取得手段と、
前記乗場を含む画像を取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段によって取得された画像に基づいて、前記乗場から乗りかごに乗車すると予測される利用者の人数を検出する人数検出手段と、
前記第1の取得手段によって取得された乗場呼び登録情報によって示される行先方向及び前記検出された利用者の人数に基づいて、前記エレベータの運転パターンを予測する予測手段と、
前記予測された運転パターンに基づいて、前記エレベータの回生運転の前に力行運転が実施されるかを判定する判定手段と、
前記エレベータの回生運転の前に力行運転が実施されると判定された場合、当該回生運転によって生じる回生電力量を推定する推定手段と、
前記バッテリの充電残量を検出するバッテリ残量検出手段と、
前記推定された回生電力量及び前記検出されたバッテリの充電残量に基づいて、前記力行運転時に前記バッテリから前記駆動装置に供給される電力量を制御する制御手段と
を具備することを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項2】
前記バッテリから前記駆動装置に供給される電力は、商用電源から前記駆動装置への電力供給時に前記駆動装置の駆動をアシストするアシスト電力として利用されることを特徴とする請求項1記載のエレベータ制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、予め定められた時間帯に前記バッテリの充電残量が予め定められた値以上となるように、前記バッテリから前記駆動装置に供給される電力量を制御することを特徴とする請求項記載のエレベータ制御装置。
【請求項4】
前記バッテリは、商用電源から供給される電力を充電するように構成され、
前記制御手段は、前記推定された回生電力量に基づいて、前記商用電源から前記バッテリに供給される電力量を制御する
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ制御装置。
【請求項5】
前記バッテリは、自然エネルギーを利用して得られる電力を充電するように構成され、
前記制御手段は、前記推定された回生電力量及び前記自然エネルギーを利用して得られる電力量に基づいて、前記バッテリから前記駆動装置に供給される電力量を制御する
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ制御装置。
【請求項6】
エレベータの回生運転によって生じる回生電力が充電されるバッテリから巻上機を駆動する駆動装置に供給される電力量を制御するエレベータ制御方法であって、
前記エレベータを利用する利用者が乗りかごに乗車する乗場に設置されている乗場呼び登録装置によって出力された当該乗場からの行先方向を示す乗場呼び登録情報を取得するステップと、
前記乗場を含む画像を取得するステップと、
前記取得された画像に基づいて、前記乗場から乗りかごに乗車すると予測される利用者の人数を検出するステップと、
前記取得された乗場呼び登録情報によって示される行先方向及び前記検出された利用者の人数に基づいて、前記エレベータの運転パターンを予測するステップと、
前記予測された運転パターンに基づいて、前記エレベータの回生運転の前に力行運転が実施されるかを判定するステップと、
前記エレベータの回生運転の前に力行運転が実施されると判定された場合、当該回生運転によって生じる回生電力量を推定するステップと、
前記バッテリの充電残量を検出するステップと、
前記推定された回生電力量及び前記検出されたバッテリの充電残量に基づいて、前記力行運転時に前記バッテリから前記駆動装置に供給される電力量を制御するステップと
を具備することを特徴とするエレベータ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータ制御装置及びエレベータ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エレベータでは、巻上機(電動機)の回転軸に巻き架けられたロープの両端に乗りかご及びカウンタウェイトが吊り下げられ、当該巻上機の回転によりロープを介して乗りかごがカウンタウェイトと反対方向につるべ式に昇降動作する。なお、巻上機の駆動制御等は、エレベータが設けられているビルの機械室等に設置されたエレベータ制御装置によって行われる。
【0003】
通常、エレベータは、商用電源(三相交流電源)から供給される所要の電力によって動作する。しかしながら、停電時には、商用電源からの電力供給が停止される。このため、停電時にエレベータの運転を継続するためにバッテリが備えられている場合が多い。
【0004】
ここで、例えば昇降路の下方向に動く乗りかごの荷重(乗りかご及び当該乗りかごに乗車している利用者の重量)がカウンタウェイトより重い場合、上記した巻上機が発電機として機能して電力が生じる。一方、昇降路の上方向に動く乗りかごの荷重がカウンタウェイトよりも軽い場合も同様に電力が生じる。このように巻上機が発電機として機能することにより生じる電力は回生電力と称され、当該回生電力が生じるようなエレベータの運転は回生運転と称される。このような回生運転によって生じる回生電力は、上記したバッテリを充電するために利用される。
【0005】
ところで、近年では、商用電源からの電力供給が可能な通常運転時においても、バッテリから供給される電力を駆動装置の駆動をアシストするアシスト電力として利用する技術が開発されている。この技術によれば、例えば通常運転時において回生電力(バッテリ電力)を使用することにより、商用電源からの電力供給を低減し、省電力化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−037986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、回生電力量はエレベータの運転状況に応じて変化するため、当該運転状況によっては回生電力量(つまり、バッテリの充電量)がバッテリから供給されるアシスト電力量を上回る場合がある。このような場合には、より多くのアシスト電力を供給することによって商用電源からの電力供給を低減することが考えられる。
【0008】
しかしながら、通常運転時にバッテリから供給されるアシスト電力(量)は一定となるように制御されている。このような制御では、回生運転が見込まれる(つまり、バッテリが回生電力を利用して充電されることが見込まれる)場合であっても、商用電源からの電力供給を低減することができず、回生電力を効率的に利用しているということはできない。
【0009】
また、バッテリが十分に充電されている状態において多くの回生電力が生じた場合には、当該回生電力の全てを充電することができないため、当該回生電力を無駄にすることになる。このような場合にも回生電力を効率的に利用しているということはできない。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、回生運転によって生じる回生電力を効率的に利用することが可能なエレベータ制御装置及びエレベータ制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態によれば、エレベータの回生運転によって生じる回生電力が充電されるバッテリから巻上機を駆動する駆動装置に供給される電力量を制御するエレベータ制御装置が提供される。前記エレベータ制御装置は、第1の取得手段と、第2の取得手段と、人数検出手段と、予測手段と、判定手段と、推定手段と、バッテリ残用検出手段と、制御手段とを具備する。前記第1の取得手段は、前記エレベータを利用する利用者が乗りかごに乗車する乗場に設置されている乗場呼び登録装置によって出力された当該乗場からの行先方向を示す乗場呼び登録情報を取得する。前記第2の取得手段は、前記乗場を含む画像を取得する。前記人数検出手段は、前記第2の取得手段によって取得された画像に基づいて、前記乗場から乗りかごに乗車すると予測される利用者の人数を検出する。前記予測手段は、前記第1の取得手段によって取得された乗場呼び登録情報によって示される行先方向及び前記検出された利用者の人数に基づいて、前記エレベータの運転パターンを予測する。前記判定手段は、前記予測された運転パターンに基づいて、前記エレベータの回生運転の前に力行運転が実施されるかを判定する。前記推定手段は、前記エレベータの回生運転の前に力行運転が実施されると判定された場合、当該回生運転によって生じる回生電力量を推定する。前記バッテリ残量検出手段は、前記バッテリの充電残量を検出する。前記制御手段は、前記推定された回生電力量及び前記検出されたバッテリの充電残量に基づいて、前記力行運転時に前記バッテリから前記駆動装置に供給される電力量を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係るエレベータ制御装置を備えるエレベータの構成の一例を示す図。
図2】エレベータ制御装置に備えられる制御マイコンの機能構成の一例を示すブロック図。
図3】本実施形態に係るエレベータ制御装置の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係るエレベータ制御装置を備えるエレベータの構成を示す。図1に示すエレベータは、駆動装置10、バッテリ装置20及びエレベータ制御装置30を備える。
【0015】
駆動装置10は、コンバータ11、平滑コンデンサ12、インバータ13を有し、エレベータ制御装置30の駆動指示に従って巻上機2の駆動に必要な電力を供給する。
【0016】
なお、コンバータ11は、商用電源1から供給される交流電圧を直流電圧に変換する。商用電源1は、三相の交流電源からなる。平滑コンデンサ12は、コンバータ11によって変換された直流電流のリプルを平滑化する。インバータ13は、コンバータ11から平滑コンデンサ12を介して与えられた直流電圧をPWM(Pulse Width Modulation)制御により任意の周波数、電圧値の交流電圧に変換し、これを駆動電力として巻上機2に供給する。
【0017】
巻上機2は、同期電動機からなり、駆動装置10からの電力供給によって回転する。巻上機2にはシーブ(図示せず)を介してロープ3が巻回されており、当該ロープ3の一端には乗りかご4、他端にはカウンタウェイト5が連結されている。このような巻上機2が回転することによって、ロープ3を介して乗りかご4とカウンタウェイト5とがつるべ式に昇降動作する。
【0018】
バッテリ装置20は、駆動装置10を介して得られる商用電源1からの電力及びエレベータの回生運転時に生じた電力を蓄えるための蓄電装置である。また、バッテリ装置20は、蓄えられた電力をエレベータの力行運転時に駆動装置10に供給する。また、バッテリ装置20は、当該バッテリ装置20に蓄えられた電力を、エレベータ制御装置30にも供給可能に構成されている。
【0019】
なお、回生運転とは、例えば乗りかご4の荷重(乗りかご4及び当該乗りかご4に乗車している利用者の重量)がカウンタウェイト5よりも重い状態で当該乗りかご4を下降方向に移動させる、または乗りかご4の荷重がカウンタウェイト5よりも軽い状態で当該乗りかご4を上昇方向に移動させるような電力を必要としない運転である。なお、回生運転が実施された場合には、巻上機が発電機として機能して電力が生じる。一方、力行運転とは、例えば乗りかご4の荷重がカウンタウェイト5よりも重い状態で当該乗りかご4を上昇方向に移動させる、または乗りかご4の荷重がカウンタウェイト5よりも軽い状態で当該乗りかご4を下降方向に移動させるような電力を必要とする運転である。
【0020】
バッテリ装置20は、AC/DC変換器21、DC/DC変換器22、DC/DC変換器23及びバッテリ24を備える。
【0021】
AC/DC変換器21のAC側は、エレベータ制御装置30に接続されている。一方、AC/DC変換器21のDC側は、バッテリ装置20の直流母線に接続されている。このAC/DC変換器21は、AC(交流電流)からDC(直流電流)への変換機能と、DC(直流電流)からAC(交流電流)への変換機能を有する。
【0022】
このようなAC/DC変換器21によれば、バッテリ装置20からエレベータ制御装置30に対して所要の電力を供給することができる。この場合、バッテリ装置20の電力(直流電流)をAC/DC変換器21で電圧の異なる交流電流に変換してエレベータ制御装置30に与えている。
【0023】
DC/DC変換器22は、バッテリ24の前段に設けられており、DC(直流電流)から電圧の異なるDC(直流電流)への変換機能を有する。本実施形態において、上記した回生運転時に生じた電力(以下、回生電力と表記)は、駆動装置10からバッテリ24に蓄積(供給)される。その際、DC/DC変換器22でバッテリ24の規格電圧に変換してバッテリ24に蓄積する。また、DC/DC変換器22は、エレベータの力行運転時にバッテリ24の電力を駆動装置10に供給する際に、所定の電圧に変換する。
【0024】
DC/DC変換器23は、エレベータ制御装置30(の非常用電源装置)とバッテリ装置20の直流母線との間に設けられ、DC(直流電流)から電圧の異なるDC(直流電流)への変換機能を有する。このDC/DC変換器23は、駆動装置10で得られた回生電力またはバッテリ24の電力をエレベータ制御装置30の非常用電源として利用する場合に用いられる。
【0025】
バッテリ24は、上記したようにエレベータの回生運転によって生じる回生電力を充電するように構成されている。また、バッテリ24は、商用電源1から供給される電力を利用して充電することも可能である。更に、バッテリ24は、当該バッテリ24に充電された電力を駆動装置10及びエレベータ制御装置30に供給可能なように構成されている。バッテリ24は、大容量かつ高性能な充放電機能を有し、例えばリチウムイオン電池等によって構成される。
【0026】
エレベータ制御装置30は、例えば制御盤等と称され、エレベータ全体の制御を行う。エレベータ制御装置30は、制御電源トランス31、非常用電源装置32、制御電源装置33、照明電源装置34及び制御マイコン35を備える。
【0027】
制御電源トランス31は、一次側に2種類の異なる電圧を入力可能な構成を有する。この制御電源トランス31の一次側の一方に商用電源1が接続され、一次側の他方にバッテリ装置20のAC/DC変換器21が接続されており、これらの電力が変圧されて二次側に接続された制御電源装置33及び照明電源装置34に与えられる。なお、バッテリ装置20(バッテリ24)から供給される電力の電圧値V2は商用電源1から供給される電力の電圧値V1よりも低く設定されている(つまり、V2<V1)。
【0028】
非常用電源装置32は、非常灯やインターホン等の非常時に用いられる機器に対して所要の電力を供給する装置であり、電力供給回路等を含む。制御電源装置33は、制御マイコン35に対して所要の電力を供給する装置であり、電力供給回路等を含む。照明電源装置34は、乗りかご4内の照明及び空調機器に対して所要の電力を供給する装置であり、電力供給回路等を含む。
【0029】
これらのうち、制御電源装置33及び照明電源装置34は、制御電源トランス31にて変圧された電力を受けて動作し、非常用電源装置32についてはバッテリ装置20からDC/DC変換器23を介して直接電力を受けて動作する。
【0030】
制御マイコン35は、エレベータ運転制御用のコンピュータである。この制御マイコン35は、駆動装置10の駆動制御やバッテリ装置20の充放電制御等、エレベータの運転に関する制御を行う。
【0031】
また、図中のSW1〜4は、電力供給/遮断切り替え用のスイッチである。SW1は、商用電源1とエレベータ制御装置30の電力入力側である制御電源トランス31との間に接続された三相の電力供給ラインに設けられている。このSW1がONしている場合、商用電源1からエレベータ制御装置30に対して電力が供給される。
【0032】
SW2は、商用電源1と駆動装置10の電力入力側であるコンバータ11との間に接続された三相の電力供給ラインに設けられている。このSW2がONしている場合、商用電源1から駆動装置10に対して電力が供給される。
【0033】
SW3は、駆動装置10及びバッテリ装置20の直流母線間に接続された2本の電力供給ラインに設けられている。このSW3がONしている場合、駆動装置10からバッテリ装置20に対して電力が供給され、また、バッテリ装置20から駆動装置10に対して電力が供給される。
【0034】
SW4は、バッテリ装置20の電力出力側であるAC/DC変換器21とエレベータ制御装置30の電力入力側である制御電源トランス31に接続された三相の電力供給ラインに設けられている。このSW4がONしている場合、バッテリ装置20からエレベータ制御装置30に対して電力が供給され、また、エレベータ制御装置30を通じてバッテリ装置20に対して電力が供給される。
【0035】
このような構成によれば、バッテリ装置20は、駆動装置10及びエレベータ制御装置30に対して電力をやり取り可能に接続される。したがって、通常運転時に駆動装置10で得られた回生電力や商用電源1から供給される電力をバッテリ装置20に蓄え、当該蓄えた電力を例えば停電時等に駆動装置10及びエレベータ制御装置30に与えてエレベータの運転に利用することができる。
【0036】
なお、本実施形態におけるエレベータは、商用電源1からの電力供給が可能な通常運転時において、バッテリ装置20(に備えられるバッテリ24)から供給される電力を例えば駆動装置10の駆動をアシストするアシスト電力として利用することができるものとする。このようなエレベータは、ハイブリッド駆動型エレベータと称される。
【0037】
本実施形態に係るエレベータ制御装置30に備えられる制御マイコン35は、上記したバッテリ24から駆動装置10に供給されるアシスト電力量を制御する機能を有する。
【0038】
また、本実施形態において、エレベータを利用する利用者が乗りかご4に乗車する各階の乗場(つまり、乗りかご4が着床する乗場)には、当該乗場を含む画像を撮影する機能を有するカメラ40(画像センサ)が設置されている。このカメラ40は、エレベータ制御装置30(に備えられる制御マイコン35)と接続されている。
【0039】
図2は、図1に示す制御マイコン35の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、制御マイコン35は、乗場呼び取得部351、バッテリ残量検出部352、画像取得部353、格納部354及び運転制御部355を含む。
【0040】
本実施形態におけるエレベータにおいて、利用者が乗りかご4に乗車する各階の乗場には、乗場呼び登録装置が設置されている。乗場呼び登録装置は、利用者が乗りかご4に乗車する乗場の位置(登録階)を登録するための乗場呼びボタンを含む。乗場において乗場呼びボタンを押下する操作が利用者によって行われた場合、利用者によって登録された当該乗場の位置及び行先方向(上方向/下方向)を表す情報(以下、乗場呼び登録情報と表記)が乗場呼び登録装置からエレベータ制御装置30に出力される。
【0041】
乗場呼び取得部351は、このように乗場呼び登録装置から出力された乗場呼び登録情報を取得する。
【0042】
ここで、上記したようにバッテリ装置20に備えられるバッテリ24は、回生運転によって生じる回生電力及び商用電源1によって供給される電力を利用して充電される。このようにバッテリ24が充電された場合には、バッテリ24の充電残量(以下、バッテリ残量と表記)は増加する。一方、バッテリ24から供給される電力が例えば上記したようにアシスト電力として利用された場合には、バッテリ残量は減少する。
【0043】
バッテリ残量検出部352は、このように増減するバッテリ残量を検出する。なお、バッテリ残量は、例えばバッテリ24において測定される端子電圧の電圧レベルから検出(算出)することができる。
【0044】
画像取得部353は、上記したカメラ40によって撮影された画像(乗場を含む画像)を取得する。
【0045】
格納部354は、エレベータの運転に関する設定情報が予め格納されている。具体的には、設定情報には、上述したバッテリ24から駆動装置10に供給されるアシスト電力量を制御するための情報等が含まれる。
【0046】
運転制御部355は、駆動装置10の駆動を制御することによりエレベータの運転を制御する。なお、エレベータの運転(乗りかご4の昇降動作)は、乗場呼び取得部351によって取得された乗場呼び登録情報に基づいて制御される。具体的には、運転制御部355は、乗場呼び登録情報に基づいて、利用者によって登録された乗場(の位置)に乗りかご4を移動(着床)させる制御を実行する。なお、乗場呼び登録情報に基づいて移動された乗りかご4に利用者が乗車した場合には、当該利用者が乗りかご4内に設置されている行先階登録装置に対する操作を行うことができる。これによれば、利用者の行先階を表す情報(以下、かご呼び登録情報)が行先階登録装置からエレベータ制御装置30に対して出力される。この場合、運転制御部355は、行先階登録装置から出力されたかご呼び登録情報に基づいて、乗りかご4を当該かご呼び登録情報によって示される行先階に移動させる制御を実行する。
【0047】
また、運転制御部355は、上記したバッテリ24から駆動装置10に供給されるアシスト電力量を制御する機能に関して、解析部355a、予測部355b、推定部355c及び制御部355dを含む。
【0048】
解析部355aは、画像取得部353によって取得された画像を解析する。解析部355aは、画像の解析結果に基づいて、当該画像を撮影したカメラ40が設けられている乗場で待機する利用者の人数を検出する。この解析部355aによって検出される利用者の人数は、例えば乗りかご4に乗車すると予測される利用者の人数である。
【0049】
予測部355bは、乗場呼び取得部351によって取得された乗場呼び登録情報によって示される行先方向及び解析部355aによって検出された利用者の人数に基づいて、エレベータの運転パターンを予測する。
【0050】
推定部355cは、予測部355bによって予測された運転パターンにおいて回生運転の前に力行運転が実施される場合、当該回生運転によって生じる回生電力量を推定する。
【0051】
制御部355dは、推定部355cによって推定された回生電力量に基づいて、予測部355bによって予測された運転パターンにおいて回生運転の前に実施される力行運転時にバッテリ24から駆動装置10に供給されるアシスト電力量を制御(調整)する。
【0052】
なお、上記した運転制御部355(解析部355a、予測部355b、推定部355c及び制御部355d)によって実行される各種処理においては、必要に応じて格納部354に格納されている設定情報が用いられる。
【0053】
以下、図3のフローチャートを参照して、本実施形態に係るエレベータ制御装置30(に備えられる制御マイコン35)の処理手順について説明する。
【0054】
まず、乗場に設置されている乗場呼び登録装置に対する操作が行われた場合、乗場呼び取得部351は、当該乗場呼び登録装置によって出力される乗場呼び登録情報を取得する(ステップS1)。この乗場呼び登録情報は、上記したように乗場の位置及び行先方向を示す。
【0055】
次に、画像取得部353は、例えばステップS1において取得された乗場呼び登録情報によって示される位置の乗場(つまり、当該乗場呼び登録情報を出力した乗場呼び登録装置が設置されている乗場)に設けられているカメラ40によって撮影された画像を当該カメラ40から取得する(ステップS2)。
【0056】
解析部355aは、ステップS2において取得された画像を解析することによって、当該画像に含まれる人物(利用者)を抽出する。解析部355aは、画像から抽出された人物に基づいて、乗場から乗りかご4に乗車すると予測される利用者の人数(以下、乗車予測人数と表記)を検出する(ステップS3)。
【0057】
なお、例えば画像から抽出された人物の全てがエレベータを利用するとは限らない。このため、例えば乗場を含む画像に基づいて当該乗場に存在する人物の乗車意思を推測するような構成としてもよい。具体的には、乗場に存在する人物と当該乗場から乗りかご4に乗車する際に開閉する乗場ドアとの距離や当該人物の向き等に基づいて当該人物の乗車意思を推測してもよい。更に、カメラ40が動画像を撮影可能な場合には、乗場に存在する人物の動きに基づいて当該人物の乗車意思を推測してもよい。このような構成の場合には、乗車意思があると推測される人物(利用者)の数が乗車予測人数として検出される。
【0058】
予測部355bは、ステップS1において取得された乗場呼び登録情報によって示される行先方向及びステップS3において検出された乗車予測人数に基づいて、エレベータの運転パターンを予測する(ステップS4)。なお、予測部355bによって予測される運転パターンには、回生運転及び力行運転等の運転種別、及びこれらの運転が実施される順番等が含まれる。
【0059】
ここで、例えばエレベータ(乗りかご4)がビルの層階で停止している(つまり、利用者が乗りかご4に乗車していない)状態において、当該ビルの層階(以下、登録階と表記)に設置されている乗場呼び登録装置から行先方向として下方向を示す乗場呼び登録情報が出力された場合を想定する。この場合において、乗場呼び登録情報に基づいて乗りかご4を登録階(つまり、下降方向)に移動させるエレベータの運転は力行運転である。
【0060】
また、この登録階で乗車予測人数の利用者が乗りかご4に乗車したものとする。このときの乗りかご4の荷重がカウンタウェイト5よりも重い場合、乗場呼び登録情報に基づいて当該乗りかご4を登録階から下降方向に移動させるエレベータの運転は回生運転である。
【0061】
このような場合、予測部355bは、回生運転の前に力行運転が実施されるという運転パターンを予測することができる。
【0062】
なお、乗りかご4自体の重量、利用者一人当たりの重量(の推定値)及びカウンタウェイト5の重量等のステップS4の処理において必要な情報は、設定情報として格納部354に格納されているものとする。
【0063】
次に、推定部355cは、ステップS4において予測されたエレベータの運転パターンが所定の運転パターンであるか否かを判定する(ステップS5)。所定の運転パターンは、上記した設定情報として予め定められており、例えば回生運転の前に力行運転が実施される運転パターンを含む。
【0064】
所定の運転パターンであると判定された場合(ステップS5のYES)、推定部355cは、上記した乗場呼び登録情報(によって示される乗場の位置)及び乗車予測人数等に基づいて当該回生運転によって生じる回生電力量を推定する(ステップS6)。なお、回生電力量は乗りかご4自体の重量及び当該乗りかご4に乗車する利用者の数に基づく重量(つまり、乗りかごの荷重)とカウンタウェイト5の重量との差分や当該乗りかご4の移動距離等に依存する。
【0065】
バッテリ残量検出部352は、バッテリ24の現在の充電残量(バッテリ残量)を検出する(ステップS7)。
【0066】
次に、制御部355dは、ステップS6において推定された回生電力量及びステップS7において検出されたバッテリ残量に基づいて、例えばステップS5の所定の運転パターンにおける力行運転(つまり、回生運転の前に実施される力行運転)時にバッテリ24から駆動装置10に供給されるアシスト電力量を決定(設定)する(ステップS8)。
【0067】
ここで、例えばバッテリ24が十分充電されている状態(バッテリ24の充電率が100%に近い状態)である場合において、力行運転が実施された後に回生運転が実施される場合を想定する。この場合において、回生運転によって生じる回生電力量(つまり、バッテリ24に充電される電力量)よりも力行運転によってバッテリ24から駆動装置10に供給される電力量(つまり、バッテリ24から消費される電力量)が少ない場合、当該回生電力を充電している途中でバッテリ24は満充電状態(充電率が100%の状態)となるため、当該回生電力の全てをバッテリ24に充電することができない。これによれば、回生電力を効率的に利用していないばかりでなく、商用電源1からの電力供給が増加することになる。
【0068】
このため、本実施形態においては、例えばステップS7において検出された現在のバッテリ残量に対して力行運転及び回生運転が順次実施された場合を想定し、当該回生運転時にステップS6において推定された回生電力量の電力が充電された際にバッテリ24の充電限界(充電率100%)を超えることがないようなアシスト電力量が決定される。
【0069】
具体的には、上記したように回生運転の前に力行運転が実施されると予測されている場合、例えばバッテリ24に充電される回生電力量(つまり、ステップS6において推定された回生電力量)と同程度の電力量がアシスト電力量として決定されるものとする。このような構成によれば、少なくとも力行運転の後に実施される回生運転によって生じる回生電力によってバッテリ24の充電限界を超えてしまうという事態を回避することができる。
【0070】
また、ステップS7において検出されたバッテリ残量が予め定められた値以上である(つまり、バッテリ残量が十分にある)場合には、ステップS6において推定された回生電力量以上の電力をアシスト電力として利用するようにしてもよい。このような構成によれば、商用電源1からの電力供給を低減することができる。
【0071】
一方、ステップS7において検出されたバッテリ残量が予め定められた値以上でない(つまり、バッテリ残量が少ない)場合には、バッテリ24を充電する(バッテリ残量を増加させる)ことを優先し、ステップS6において推定された回生電力量より少ない電力をアシスト電力として利用するようにしてもよい。
【0072】
ステップS8の処理が実行されると、制御部355dは、当該ステップS8において決定されたアシスト電力量がバッテリ24から駆動装置10に供給されるようにエレベータの運転を制御する(ステップS9)。
【0073】
一方、上記したステップS4において予測された運転パターンが所定の運転パターンでないと判定された場合(ステップS5のNO)、ステップS8の処理が実行される。この場合においては、制御部355dは、例えば所定の電力量をアシスト電力量として決定する。この所定の電力量は、設定情報として格納部354に格納されているものとする。
【0074】
上記した図3に示す処理は、例えば予め定められた数(例えば、1つ)の乗場呼び登録情報に応答してエレベータ(乗りかご4)が運転される度に実行されるものとする。これによれば、例えば上記したステップS4において予測された運転パターンまたはステップS6において推定された回生電力量等に誤りがあったとしても、その影響を小さくすることができる。なお、所定の期間中は上記したステップS8において決定されたアシスト電力量に基づいてエレベータの運転が制御されるような構成とすることも可能である。
【0075】
上記したように本実施形態においては、乗場を含む画像に基づいて乗車予測人数(当該乗場から乗りかご4に乗車すると予測される利用者の人数)を検出し、当該乗場に設置されている乗場呼び登録装置によって出力された当該乗場からの行先方向を示す乗場呼び登録情報及び当該検出された乗車予測人数に基づいてエレベータの運転パターンを予測する。また、本実施形態においては、予測された運転パターンに基づいてエレベータの回生運転の前に力行運転が実施されると判定された場合、当該回生運転によって生じる回生電力量を推定し、当該推定された回生電力量に基づいて当該回生運転の前に実施される力行運転時にバッテリ24から駆動装置10に供給される電力量(商用電源1から駆動装置10への電力供給時に利用されるアシスト電力量)を制御する。換言すれば、本実施形態においては、乗場呼び登録情報によって示される行先方向及びカメラ40によって撮影される画像に基づいて検出される乗車予測人数に基づいて予測される力行運転及び回生運転の運転パターンにおいて回生電力による充電が見込まれる場合にはバッテリ24から供給されるアシスト電力量(放電量)が制御される。
【0076】
本実施形態においては、このような構成により、力行運転時にバッテリ残量を温存しておくことにより、当該力行運転後に実施される回生運転によって生じる回生電力の一部が充電されない状態を回避する(つまり、満充電時の回生電力の損失を減少させる)ことができるため、当該回生運転によって生じる回生電力を効率的に利用することが可能となる。また、回生電力を効率的に利用することによって、商用電源1から供給される電力量を低減することができるため、省電力化を図ることができる。また、一般的に満充電の状態が維持されるとバッテリ24の劣化を進める場合がある。これに対して、本実施形態においては、例えば予め定められたバッテリ残量を維持しながら、満充電状態が維持されないようにアクセス電力量を制御することで、バッテリ24の長寿命化を実現することも可能である。
【0077】
また、本実施形態においては、バッテリ残量(バッテリ24の充電残量)を検出し、当該バッテリ残量に基づいてアシスト電力量を制御する。このような構成によれば、例えば力行運転後に回生運転が実施される場合であって、バッテリ残量が予め定められた値以上であるような場合には、アシスト電力量を増加させるような制御を実施することが可能となり、更に省電力化を図ることが可能となる。
【0078】
なお、エレベータにおいては、例えば1日の間にエレベータの運転に必要な電力量が最大となる時間帯(以下、電力ピーク時と表記)が存在する。例えば企業(の従業員等)が利用するビルにエレベータが設けられている場合は、この電力ピーク時は、例えば出勤時または帰宅時等である。ここで、本実施形態においては、上記したようにバッテリ24に充電される回生電力量を推定することが可能であるため、電力ピーク時にバッテリ24の充電量(バッテリ残量)が予め定められた値以上の状態(例えば、満充電に近い状態)となるように、力行運転時にバッテリ24から駆動装置10に供給されるアシスト電力量を制御する構成としてもよい。具体的には、電力ピーク時の前の時間帯においては回生運転が実施されることによって充電される回生電力量よりも力行運転においてバッテリ24から供給されるアシスト電力量を少なくすることによって、当該バッテリ残量を増加させ、電力ピーク時に当該バッテリ残量が予め定められた値以上となるような制御を実行することができる。これによれば、多くの電力が必要な電力ピーク時にバッテリ残量が不足するような事態の発生を抑制することができる。なお、電力ピーク時は、例えば設定情報として予め定められていればよい。
【0079】
また、本実施形態においては、上記したように力行運転及び回生運転の運転パターンを予測するが、当該予測の精度を向上させるためには、上述したかご呼び登録情報及び乗りかご4内の積載量(乗りかご4に乗車している利用者等の重量)を考慮するものとする。なお、乗りかご4内の積載量は、例えば当該乗りかご4に設けられた積載量検出器等を用いて計測されてもよいし、当該乗りかご4内に設けられたカメラによって撮像された画像に含まれる利用者の人数に基づいて予測(算出)されてもよい。なお、行先階登録装置が乗りかご4内ではなく乗場に設けられているような場合であっても、当該行先階登録装置に対する操作に応じて指定された行先階(を示す情報)を考慮して上記した運転パターンの予測精度を向上させることができる。
【0080】
また、上記したようにバッテリ24は、商用電源1から当該バッテリ24に供給される電力を利用して充電することも可能である。このため、上記したように推定される回生電力量に基づいて商用電源1からバッテリ24に供給される電力量を制御するような構成としてもよい。具体的には、上記した力行運転及び回生運転の運転パターン及び当該運転パターンに基づくバッテリ24の充放電パターンから商用電源1からバッテリ24に供給される電力量を制御してもよい。このような構成によれば、例えば回生電力による充電が予測される場合には、充電のために商用電源1からバッテリ24に供給される電力を抑制することによって、省電力化を図ることができる。
【0081】
また、本実施形態において、商用電源1からの電力供給が可能な通常運転時には、バッテリ24から供給される電力は駆動装置10の駆動をアシストするアシスト電力として利用される。一方、停電の発生時(つまり、商用電源1からの電力供給が停止した場合)には、バッテリ24から供給される電力を用いてエレベータの運転を継続することが可能である。
【0082】
ここで、本実施形態においては上記したようにアシスト電力量を可変制御することが可能であるが、この場合におけるバッテリ24の放電動作に対するリミット値(電流リミット値)は低めに設定されている。これは、通常運転時にバッテリ24から供給されるアシスト電力は比較的少ない電力で足りるためである。また、異常時に備えてバッテリ24の残量に余裕を持たせておく必要もあるため、リミット値は低めに設定されている。
【0083】
一方、停電が発生してバッテリ24から供給される電力のみでエレベータの運転が実施される場合には、上記したリミット値は通常運転時よりも上げられる。このような構成とすることで、停電等が発生した場合でもバッテリ24から供給される電力を利用してスムーズにエレベータの運転を継続することができる。また、バッテリ24から供給される電力に切り換えたときに駆動系に瞬時的に大電流が流れ込み、そのときの衝撃で乗りかご4が揺れる場合があるが、当該衝撃等についても防止することができる(ショックレス運転)。
【0084】
本実施形態においては、このようなショックレス運転時に開放されるリミット値を、例えば上記した乗りかご4内の積載量等に基づいて可変制御する構成としてもよい。
【0085】
更に、本実施形態においては推定された回生電力量に基づいてアシスト電力量が制御されるものとして説明したが、自然エネルギー(例えば、太陽光のエネルギー等)を利用して発電する発電装置が設けられている場合には、当該回生電力量及び自然エネルギーを利用して得られる電力量に基づいてアシスト電力量が制御される構成としてもよい。なお、自然エネルギーを利用して得られる電力量は、季節及び時間帯等によって変動するため、当該季節及び時間帯等に基づいて推定されればよい。
【0086】
本実施形態においては、回生電力量等に基づいて単にアシスト量を制御するものとして説明したが、例えばアシスト箇所を変更するような制御が実行されても構わない。また、本実施形態は、例えば群管理システム等に適用されても構わない。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0088】
1…商用電源、2…巻上機、3…ロープ、4…乗りかご、5…カウンタウェイト、10…駆動装置、11…コンバータ、12…平滑コンデンサ、13…インバータ、20…バッテリ装置、21…AC/DC変換器、22…DC/DC変換器、23…DC/DC変換器、24…バッテリ、30…エレベータ制御装置、31…制御電源トランス、32…非常用電源装置、33…制御電源装置、34…照明電源装置、35…制御マイコン、40…カメラ、351…乗場呼び取得部(第1の取得手段)、352…バッテリ残量検出部、353…画像取得部(第2の取得手段)、354…格納部、355…運転制御部、355a…解析部(人数検出手段)、355b…予測部、355c…推定部、355d…制御部。
図1
図2
図3