特許第6222881号(P6222881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 杉山 開知の特許一覧

<>
  • 特許6222881-情報処理装置及びプログラム 図000002
  • 特許6222881-情報処理装置及びプログラム 図000003
  • 特許6222881-情報処理装置及びプログラム 図000004
  • 特許6222881-情報処理装置及びプログラム 図000005
  • 特許6222881-情報処理装置及びプログラム 図000006
  • 特許6222881-情報処理装置及びプログラム 図000007
  • 特許6222881-情報処理装置及びプログラム 図000008
  • 特許6222881-情報処理装置及びプログラム 図000009
  • 特許6222881-情報処理装置及びプログラム 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6222881
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 27/00 20060101AFI20171023BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   G09B27/00 A
   G09B5/02
【請求項の数】2
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-549808(P2016-549808)
(86)(22)【出願日】2015年12月17日
(86)【国際出願番号】JP2015085310
(87)【国際公開番号】WO2016114064
(87)【国際公開日】20160721
【審査請求日】2016年8月5日
(31)【優先権主張番号】特願2015-3807(P2015-3807)
(32)【優先日】2015年1月13日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307013086
【氏名又は名称】杉山 開知
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 富彦
(72)【発明者】
【氏名】杉山 開知
【審査官】 前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−023369(JP,A)
【文献】 特開平07−020775(JP,A)
【文献】 米国特許第05701678(US,A)
【文献】 実開昭48−112461(JP,U)
【文献】 特許第4010422(JP,B1)
【文献】 特表2005−501284(JP,A)
【文献】 実開昭56−095720(JP,U)
【文献】 いま、自分はどこにいるんだろう?宇宙のリズムを暮らしにつなげる時空間地図「地球暦」,greenz.jp,2014年 6月 5日,[2017年 1月19日検索],URL,http://greenz.jp/2014/06/05/chikyureki/
【文献】 チーム地球暦全体会合,結びの日々,2011年 7月29日,[2017年 1月19日検索],URL,http://blogwatawata.blog.fc2.com/blog-entry-985.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00− 9/56
G09B17/00−19/26
G09B27/00−27/08
B42D 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の時間を特定する時計部と、
利用者の操作に基づいて情報を入力する入力部と、
太陽系の複数の天体の軌道と、前記複数の天体の軌道上の位置と、前記複数の天体の軌道上の位置に対応しかつ少なくとも暦の情報を含む時間情報と、を配した時空間図の画像を携帯端末の表示装置に表示する制御部と、を備え、
前記複数の天体のうちの所定の天体は、太陽から当該所定の天体までの実際の距離又はその距離に近い距離を所定の縮尺で示した位置に配され、
前記制御部は、
前記時計部で特定された現在の時間に対応する位置に、前記複数の天体のうちの全部又は一部の天体の画像を表示するとともに、前記天体の軌道上の位置に対応する暦の情報を表示し、
前記入力部により入力された過去から未来にわたるいずれかの時点の時間情報が示す時間に対応する位置に、前記複数の天体のうちの全部又は一部の天体の画像を表示するとともに、前記天体の軌道上の位置に対応する暦の情報を表示し、
利用者により選択された天体の画像を表示し、
利用者により選択された前記時空間図内の領域の画像を拡大表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置に、
現在の時間を特定する時間特定処理と、
太陽系の複数の天体の軌道と、前記複数の天体の軌道上の位置と、前記複数の天体の軌道上の位置に対応しかつ少なくとも暦の情報を含む時間情報と、を配した時空間図の画像を携帯端末の表示装置に表示する表示処理と、を実行させ、
前記複数の天体のうちの所定の天体は、太陽から当該所定の天体までの実際の距離又はその距離に近い距離を所定の縮尺で示した位置に配され、
前記表示処理は、
前記時間特定処理で特定された現在の時間に対応する位置に、前記複数の天体のうちの全部又は一部の天体の画像を表示するとともに、前記天体の軌道上の位置に対応する暦の情報を表示し、
利用者により入力された過去から未来にわたるいずれかの時点の時間情報が示す時間に対応する位置に、前記複数の天体のうちの全部又は一部の天体の画像を表示するとともに、前記天体の軌道上の位置に対応する暦の情報を表示し、
利用者により選択された天体の画像を表示し、
利用者により選択された前記時空間図内の領域の画像を拡大表示する
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間と空間を表す時空間図、並びにその時空間図を表示する情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、時間の流れを年・月・週・日などの単位で数えられるように体系付けた暦(カレンダーともいう。)として、様々な形式のものが知られている。例えば特許文献1には、日付とその日付に対応する二十四節気とを円弧状に配置して表示し、日付を表示する部分に地球の自転を示すマークと月の見え方を示すマークとを関連付けて表示したカレンダーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−207407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたカレンダーにおいては、太陽を中心とした地球の位置と、その位置に対応する日付や二十四節気などの情報とがわかるだけで、太陽系における複数の天体の位置と時間との関係がわからない。太陽系の複数の天体の位置と時間との関係がわかれば、暦の成り立ちや天文学などの理解を深めることができる。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、太陽系の複数の天体の位置と時間との関係を視覚的に認識することができる時空間図、並びにその時空間図の画像を表示する情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る時空間図では、太陽系の複数の天体の軌道と、複数の天体の軌道上の位置と、複数の天体の軌道上の位置に対応しかつ少なくとも暦の情報を含む時間情報と、を配し、複数の天体のうちの所定の天体は、太陽から当該所定の天体までの実際の距離又はその距離に近い距離を所定の縮尺で示した位置に配され、当該所定の天体の軌道上における太陽に最も近い距離を半径とする円と太陽に最も遠い距離を半径とする円とで囲われたリング状の領域を配し、各天体の太陽からの位置は、太陽の中心から所定の方向に向かう基準方向からの角度の情報で表されることを特徴とする。
【0007】
また、地球の周囲を回る月の軌道と、月の満月及び新月の位置とを配してもよい。また、複数の天体の軌道は、水星の軌道、金星の軌道、地球の軌道、月の軌道、火星の軌道、木星の軌道、土星の軌道、天王星の軌道、海王星の軌道、及び冥王星の軌道を含み、水星の軌道、金星の軌道、地球の軌道、月の軌道、及び火星の軌道のそれぞれは、地球の北極のはるか上方から太陽系を見た視点で太陽系における太陽から各天体までの実際の距離又はその距離に近い距離を1兆分の1の縮尺で示した位置に配され、木星の軌道、土星の軌道、天王星の軌道、海王星の軌道、及び冥王星の軌道のそれぞれは、当該縮尺と異なる縮尺で示され実際の軌道よりも太陽からの距離が近い軌道で表されてもよい。
【0008】
また、本発明に係る情報処理装置は、時空間図の画像を表示装置に表示することを特徴とする。
【0009】
また、現在の時間を特定する時計部と、時計部で特定された現在の時間に対応する位置に、複数の天体のうちの全部又は一部の天体の画像を表示する制御部と、を含む構成でもよい。また、制御部は、利用者により選択された天体の画像を表示してもよい。また、制御部は、利用者により選択された時空間図内の領域の画像を拡大表示してもよい。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、情報処理装置に、時空間図の画像を表示装置に表示する処理を実行させることを特徴とする。
【0011】
また、情報処理装置に、現在の時間を特定する時間特定処理と、時間特定処理で特定された現在の時間に対応する位置に、複数の天体のうちの全部又は一部の天体の画像を表示する表示処理と、を実行させてもよい。また、表示処理は、利用者により選択された天体の画像を表示してもよい。また、表示処理は、利用者により選択された時空間図内の領域の画像を拡大表示してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、時空間図は、太陽系における複数の天体の軌道と、複数の天体の軌道上の位置と、それらの位置に対応する時間情報とを配置しているので、太陽系の複数の天体の位置と時間との関係を知ることができ、暦の成り立ちや天文学などの理解を深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の時空間図を示す図である。
図2図1に示した時空間図の1/4の領域を示す拡大図である。
図3図2に示した領域の一部の領域を示す拡大図である。
図4】第2実施形態の時空間図を示す図である。
図5】第3実施形態の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図6】表示装置に表示される画像の表示例を示す図である。
図7】第3実施形態の情報処理装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
図8】第4実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図9】太陽系における太陽と惑星との関係を表すデータを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては、実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現することがある。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の時空間図1を示す図である。また、図2は、図1に示した時空間図1の1/4の領域を示す拡大図である。また、図3は、図2に示した領域の一部の領域を示す拡大図である。図1から図3において、紙面を図中の符号の向きに見た場合、紙面の右方向を+X軸方向とし、紙面の左方向が−X軸方向とし、紙面の上方向を+Y軸方向とし、紙面の下方向を−Y軸方向とする。また、中心点Oから−X軸方向に向かう方向を基準方向とし、基準方向から反時計回りに0度から360度の角度が付されている(図2及び図3参照)。すなわち、−X軸方向が0度(又は360度)であり、−Y軸方向が90度であり、+X軸方向が180度であり、+Y軸方向が270度である。
【0016】
なお、図2に示す領域は、図1に示す時空間図1の左下1/4の領域(図1において矢印で示す領域)である。また、図3に示す領域は、図2に示す領域における0度から30度までの領域(図2において矢印で示す領域)である。
【0017】
図1から図3に示す時空間図1は、太陽系の天体(惑星、準惑星、衛星)の位置と時間との関係を平面上に図案化したものである。すなわち、時空間図1は、太陽系の複数の天体の軌道と、複数の天体の軌道上の位置と、複数の天体の軌道上の位置に対応する時間情報と、を平面上に配置した図である。図1に示すように、時空間図1には、太陽系の複数の天体として、太陽の周りを公転する惑星(水星10、金星20、地球30、火星50、木星60、土星70、天王星80、海王星90)と、太陽の周りを公転する準惑星(冥王星100)と、地球の周りを回る衛星(月)とが描かれている。なお、時空間図1の中心点Oは太陽の位置(太陽の中心位置)に相当する。また、時空間図1は、地球30の北極のはるか上方(地球30の地軸の上方)から太陽系を見た視点で各天体を描いている。
【0018】
水星10は、太陽の最も近くを回る惑星であり、中心点Oを1つの焦点とする楕円軌道(以下、水星軌道11という。)上を動く。時空間図1には、水星軌道11上における太陽に最も近い距離を半径とする円と太陽に最も遠い距離を半径とする円とで囲われたリング状の領域を水星10の軌道領域12として描いている。時空間図1に軌道領域12を描くことによって、水星10の軌道のぶれ幅を容易に認識することができる。時空間図1には、水星10の近日点13(つまり、太陽からの距離が最も近くになる点)の位置及び遠日点14(つまり、太陽からの距離が最も遠くになる点)の位置も描かれている。白い三角の記号の位置が水星10の近日点13の位置であり、黒い三角の記号の位置が水星10の遠日点14の位置である。図1に示すように、近日点13は、水星軌道11上における約80度の位置となっており、遠日点14(つまり、太陽からの距離が最も遠くになる点)は、水星軌道11上における約260度の位置となっている。
【0019】
金星20は、水星10の次に太陽の近くを回る惑星である。金星20も、水星10と同様に、中心点Oを1つの焦点とする楕円軌道(以下、金星軌道21という。)上を動く。金星軌道21は円形に近い軌道となっている。金星20についても、金星軌道21における太陽に最も近い距離を半径とする円と太陽に最も遠い距離を半径とする円とで囲われたリング状の領域を金星20の軌道領域22として描いている。時空間図1に軌道領域22を描くことによって、金星20の軌道のぶれ幅を容易に認識することができる。図1から図3に示すように、金星20の軌道領域22は水星10の軌道領域12よりも幅が狭い。時空間図1には、金星20の近日点23の位置及び遠日点24の位置も描かれている。近日点23は、金星軌道21上における約130度の位置となっており、遠日点24は、金星軌道21上における約310度の位置となっている。
【0020】
地球30は、金星20の次に太陽の近くを回る惑星である。地球30も、中心点Oを1つの焦点とする楕円軌道(以下、地球軌道31という。)上を動く。地球30についても、地球軌道31における太陽に最も近い距離を半径とする円と太陽に最も遠い距離を半径とする円とで囲われたリング状の領域を地球30の軌道領域32として描いている。時空間図1に軌道領域32を描くことによって、地球30の軌道のぶれ幅を容易に認識することができる。図1から図3に示すように、地球30の軌道領域32は、水星10の軌道領域12よりも幅が狭く、金星20の軌道領域22よりも幅が広い。時空間図1には、地球30の近日点33の位置及び遠日点34の位置も描かれている。近日点33は、地球軌道31上における約100度の位置となっており、遠日点34は、地球軌道31上における約280度の位置となっている。
【0021】
図1から図3に示すように、時空間図1には、地球30の周りを回る月の軌道(以下、月軌道40という。)も描かれている。地球30が太陽の周囲を反時計回りに回るとともに、月が地球30の周囲を反時計回りに回る。地球30の地軸のはるか上方の位置から地球30と月の動きを見た場合、月軌道40は地球軌道31の内側と外側とを行ったり来たりするような、太陽を中心とした波状の軌道となる。月軌道40において、月が太陽に最も遠ざかる位置が満月41であり、月が太陽に最も近づく位置が新月42である。時空間図1に月軌道40を描くことによって、月が地球を追い抜いたり地球に追い抜かれたりしながら太陽の周りを回っていることがわかる。
【0022】
火星50は、地球30の次に太陽の近くを回る惑星である。火星50も、中心点Oを1つの焦点とする楕円軌道(以下、火星軌道51という。)上を動く。火星50についても、火星軌道51における太陽に最も近い距離を半径とする円と太陽に最も遠い距離を半径とする円とで囲われたリング状の領域を火星50の軌道領域52として描いている。時空間図1に軌道領域52を描くことによって、火星50の軌道のぶれ幅を容易に認識することができる。図1から図3に示すように、火星50の軌道領域52は、水星10の軌道領域12よりも幅が広い。時空間図1には、火星50の近日点53の位置及び遠日点54の位置も描かれている。近日点53は、火星軌道51上における約335度の位置となっており、遠日点54は、火星軌道51上における約155度の位置となっている。
【0023】
木星60は、火星50の次に太陽の近くを回る惑星である。木星60も、中心点Oを1つの焦点とする楕円軌道(以下、木星軌道61という。)上を動く。ただし、図1に示す例では、木星軌道61として、実際の木星60の軌道よりも太陽からの距離が近い円形の軌道を描いている。時空間図1には、木星60の近日点62の位置及び遠日点63の位置も描かれている。近日点62は、木星軌道61上における約15度の位置となっており、遠日点63は、木星軌道61上における約195度の位置となっている。
【0024】
土星70は、木星60の次に太陽の近くを回る惑星である。土星70も、中心点Oを1つの焦点とする楕円軌道(以下、土星軌道71という。)上を動く。ただし、図1に示す例では、土星軌道71として、実際の土星70の軌道よりも太陽からの距離が近い円形の軌道を描いている。時空間図1には、土星70の近日点72の位置及び遠日点73の位置も描かれている。近日点72は、土星軌道71上における約95度の位置となっており、遠日点73は、土星軌道71上における約275度の位置となっている。
【0025】
天王星80は、土星70の次に太陽の近くを回る惑星である。天王星80も、中心点Oを1つの焦点とする楕円軌道(以下、天王星軌道81という。)上を動く。ただし、図1に示す例では、天王星軌道81として、実際の天王星80の軌道よりも太陽からの距離が近い円形の軌道を描いている。時空間図1には、天王星80の近日点82の位置及び遠日点83の位置も描かれている。近日点82は、天王星軌道81上における約170度の位置となっており、遠日点83は、天王星軌道81上における約350度の位置となっている。
【0026】
海王星90は、天王星80の次に太陽の近くを回る惑星である。海王星90も、中心点Oを1つの焦点とする楕円軌道(以下、海王星軌道91という。)上を動く。ただし、図1に示す例では、海王星軌道91として、実際の海王星90の軌道よりも太陽からの距離が近い円形の軌道を描いている。時空間図1には、海王星90の近日点92の位置及び遠日点93の位置も描かれている。近日点92は、海王星軌道91上における約45度の位置となっており、遠日点93は、海王星軌道91上における約225度の位置となっている。
【0027】
冥王星100は、太陽の最も遠くを回る準惑星である。冥王星100も、中心点Oを1つの焦点とする楕円軌道(以下、冥王星軌道101という。)上を動く。ただし、図1に示す例では、冥王星軌道101として、実際の冥王星100の軌道よりも太陽からの距離が近い円形の軌道を描いている。時空間図1には、冥王星100の近日点102の位置及び遠日点103の位置も描かれている。近日点102は、冥王星軌道101上における約220度の位置となっており、遠日点103は、冥王星軌道101上における約40度の位置となっている。
【0028】
時空間図1において、水星軌道11、金星軌道21、地球軌道31、月軌道40、及び火星軌道51は、太陽からそれらの天体までの実際の距離又はその距離に近い距離を所定の縮尺で表している。例えば、上記の天体の軌道は、太陽系における太陽からそれらの天体までの実際の距離又はその距離に近い距離を1兆分の1の縮尺で表している。この場合、地球軌道31の直径は30cmとなる。一方、時空間図1において、木星軌道61、土星軌道71、天王星軌道81、海王星軌道91、及び冥王星軌道101は、上述したように、所定の縮尺(例えば1兆分の1)で表しておらず、実際の天体の軌道よりも太陽からの距離が近い軌道を表している。ただし、木星軌道61、土星軌道71、天王星軌道81、海王星軌道91、及び冥王星軌道101についても、水星軌道11、金星軌道21、地球軌道31、月軌道40、及び火星軌道51と同じ縮尺で表してもよい。
【0029】
時空間図1においては、太陽系の各天体の軌道上の位置を円で示している。各天体の円の大きさを所定の縮尺(例えば1兆分の1)で表すと、各天体が小さすぎて見えなくなってしまう。従って、各天体の円については、所定の縮尺(例えば1兆分の1)を所定倍(例えば100倍)した縮尺で表している。なお、図1から図3において、各天体の位置を認識しやすくするために、異なる大きさの円で各天体を表している。すなわち、図1及び図2の各天体の円を図3の各天体の円よりも大きく表している。図3の各天体の円の大きさが時空間図1における実際の各天体の円の大きさ又は実際の各天体の円の大きさに近い大きさである。
【0030】
図2及び図3に示すように、時空間図1には、基準方向(−X軸方向)から反時計回りに15度ずつの角度(0度、15度、30度、45度、・・・、360度)が描かれている。また、図3に示すように、時空間図1は、地球30が地球軌道31上を1日に動く距離に相当する角度(約1度)を複数の線200で区切っている。地球30の軌道領域32内における、複数の線200で区切られた各領域(地球30の1日に相当する各領域)には、地球30の位置を示す円が表されている。これにより、地球30の1日毎の位置がわかる。また、地球30の軌道領域32と火星50の軌道領域52の間の領域内における、複数の線200で区切られた各領域には、地球30の位置に対応つけて、暦の情報としての日付201(年月日)及び曜日202が表記されている。
【0031】
日付201及び曜日202としては、ある1年間(365日又は366日)の日付及び曜日が割り振られる。図3に示す例では、西暦2014年3月21日から2015年3月20日(365日)が割り振られている。また、日付201は、0度の位置が秋分の日、90度の位置が冬至の日、180度の位置が春分の日、270度の位置が夏至の日となるように割り当てられている。図3に示す例では、秋分の日が9月23日、冬至の日が12月22日、春分の日が3月21日、夏至の日が6月21日となる。
【0032】
図3に示すように、時空間図1は、水星10の一定の時間(例えば数日)毎の移動距離に相当する位置に水星10の位置を示す円が表されている。これにより、水星10の所定の時間毎の位置がわかる。また、図3には示していないが、時空間図1は、水星10の位置に対応つけて、所定の時間(例えば数日)毎の日付の情報が表記される。また、図3に示すように、時空間図1は、金星20の一定の時間(例えば数日)毎の移動距離に相当する位置に金星20の位置を示す円が表されている。これにより、金星20の所定の時間毎の位置がわかる。また、図3に示すように、時空間図1は、金星20の位置に対応つけて、所定の時間(例えば数日)毎の日付の情報203が表記されている。
【0033】
図3に示すように、時空間図1は、火星50の一定の時間(例えば数日)毎の移動距離に相当する位置に火星50の位置を示す円が表されている。これにより、火星50の所定の時間毎の位置がわかる。また、図3には示していないが、時空間図1は、火星50の位置に対応つけて、所定の時間(例えば月)毎の日付の情報が表記される。また、図1及び図2に示すように、時空間図1は、木星60、土星70、天王星80、海王星90及び冥王星100の一定の時間(例えば年)毎の移動距離に相当する位置に、それらの天体の位置を示す円が表されている。これにより、それらの天体の所定の時間毎の位置がわかる。また、図1から図3には示していないが、時空間図1は、木星60、土星70、天王星80、海王星90及び冥王星100の位置に対応つけて、所定の時間(例えば年)毎の日付の情報が表記される。
【0034】
上記したように、時空間図1においては、太陽系における複数の天体の軌道と、複数の天体の軌道上の位置と、それらの位置に対応する時間情報とを配置しているので、太陽系の複数の天体の位置と時間との関係を知ることができる。これにより、暦の成り立ちや天文学などの理解を深めることができる。
【0035】
すなわち、太陽の周りを回る地球30の公転周期によって「年」が決められ、地球30の周りを回る月の公転周期によって「月」が決められ、地球30の自転周期によって「日」が決められている。このように、暦は太陽の周りを回る地球30と月の動きによって決められているので、時空間図1を見ただけで直ちに暦の成り立ちを理解することができる。また、太陽の周りを回る地球30の速度(1日の移動距離)が一定でないこと、1年のうちの上半期と下半期が同じ日数でないこと(例えば、2014年3月21日から2015年3月20日の場合は、上半期が186日で下半期が179日であり、7日分のずれがあること)、1年を4分割した四半期も同じ日数でないこと(第1四半期は92日、第2四半期は94日、第3四半期は90日、第4四半期は89日)などについても理解することができる。また、季節の移り変わりも直感的に理解することができる。
【0036】
また、太陽の周りを回る地球30の位置と時間との関係だけでなく、太陽系における地球30以外の天体の位置と時間との関係も知ることができる。従って、日付を知るための暦として利用するだけでなく、天文学などの学術的な理解も深めるために利用することもできる。例えば、所定の時間(例えば日、月、年の単位)で各天体がどのくらい移動するのか、ある時間(例えば年月日)における太陽系の複数の天体の位置がどの位置にあるかを知ることができる。また、太陽系における各天体の配置が同じ形になることは二度とないこと、各天体はどのような軌道を描いて動くのか、各天体が何年で太陽を1周するのか、などについても視覚的に認識することができる。
【0037】
また、複数の天体のうちの地球30の位置に対応する時間情報は、少なくとも暦の情報を含むので、時空間図1を暦として利用することができる。ここで、暦の情報として西暦を地球30の位置に対応つければ、日本で一般に利用されている西暦で表記された暦(カレンダー)として利用することができる。しかし、時空間図1では、世界各国又は地域で用いられている様々な暦の情報を地球30の位置に対応つけることもできる。従って、1つのフォーマットで様々な国や地域の暦として利用することができる。また、春分や秋分、冬至、夏至は世界共通であることも理解することができる。
【0038】
また、複数の天体のうちの所定の天体(例えば水星10、金星20、地球30、月、火星50)は、太陽から当該所定の天体までの実際の距離又はその距離に近い距離を所定の縮尺で示した位置に配置しているので、各天体間の距離についても視覚的に認識することができる。
【0039】
また、時空間図1は、各天体の軌道上における太陽に最も近い距離を半径とする円と太陽に最も遠い距離を半径とする円とで囲われたリング状の領域(軌道領域12,22,32,52)を表しているので、各天体の軌道のぶれ幅を容易に認識することができる。つまり、ぶれ幅だけ太陽と各天体の距離に差があることを認識することができる。また、各天体の近日点や遠日点も容易に認識することができる。また、近日点及びその点に近い位置における天体の速度は、遠日点及びその点に近い位置の天体の速度よりも速いことも認識することができる。
【0040】
また、時空間図1は、地球30の周囲を回る月の位置を配置しているので、月がどのような軌道を描いて動くのか、満月41や新月42はどのようなタイミングで現れるのか、などについても理解することができる。また、例えば2014年12月22日が冬至と新月42が重なる朔旦冬至であることも容易に認識することができる。また、満月41や新月42の時期が年毎に少しずつずれていき、19年で元の位置にくること(朔旦冬至も19年に1度であること)についても容易に認識することができる。
【0041】
また、時空間図1においては、各天体は太陽を反時計回りに回るので、地球30の北極のはるか上方の宇宙の位置からの視点で太陽系の各天体の位置を見ることができる。従って、時計を見るように太陽系の各天体の位置を見ることができる。また、各天体の位置と基準位置からの角度の情報を対応つけているので、各天体の位置が角度の情報(基準位置からの度数)によって容易に認識することができるとともに、角度の情報と時間の情報(暦の情報)を対応つけることで容易に世界各国又は地域の暦として利用することができる。
【0042】
時空間図1は、暦などの用途に限らず、天体の配置に基づく占いに利用されることも考えられる。また、各天体の位置と生命体(人を含む)のバイオリズムとの関係がわかれば、生命体の行動パターンの決定にも利用され得る。
【0043】
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態の時空間図3を示す図である。図4に示す時空間図3は、図1から図3に示す時空間図1と同様に、太陽系の天体の位置と時間との関係を平面上に図案化したものである。なお、図4においては、地球の位置を示す円が描かれていないが、実際には地球の1日毎の位置を示す円が描かれる。図4においては、地球と月(及びこれらの軌道)だけを描いているが、地球と月以外の太陽系の天体(及びこれらの軌道)を描いてもよい。
【0044】
図4において、中心点Oは太陽の位置(太陽の中心位置)に相当する。時空間図1には、中心点Oを中心とした同心円状の複数の領域300,312,330,340が設けられている。最も内側の内側領域300には、地球の位置に対応つけて春、夏、秋、冬の季節が表記されている。また、図1等に示した時空間図1と同様に、時空間図3には、地球が移動する際に描く地球軌道311が軌道領域312内に描かれている。また、時空間図3には、月が移動する際に描く波状の月軌道320も描かれている。また、月軌道320において、月が太陽に最も遠ざかる位置の満月321と、月が太陽に最も近づく位置の新月322も時空間図3に描かれている。
【0045】
図4に示すように、第1外側領域330には、月の位置に対応つけて、時間情報としての月の呼び名(新月、上弦、満月、下弦)を表記している。また、図4に示すように、第2外側領域340には、地球の位置に対応つけて、時間情報としての暦の情報(日付)を表記している。
【0046】
図4に示す時空間図3によれば、月の位置と時間との関係が容易に認識することができるとともに、月の呼び名についての理解を深めることができる。なお、三日月などの月の呼び名について時空間図3に表記してもよい。また、時空間図3には、月の呼び名とともに又は月の呼び名に代えて、月齢を表記してもよい。
【0047】
なお、図1から図4に示した時空間図1,3は一例であって、これらの図に示した構成に限定されない。例えば、太陽系の天体として、水星10、金星20、地球30、月、火星50、木星60、土星70、天王星80、海王星90、冥王星100を表していたが、これらの天体以外の天体、例えば、エリス、ケレスなどの準惑星や、フォボス、ダイモスなどの惑星の衛星、彗星などの太陽系小天体なども表してもよい。また、人工衛星を表してもよい。また、時空間図1,3において、太陽系の外の星の位置や星座の位置(方角)などの情報を表してもよい。これら星座などの情報は、時空間図1,3において、太陽からの位置(方角)に対応する領域に配置してもよく、太陽系における複数の天体の軌道の外側のスペースに配されてもよい。この場合、時空間図1,3において、太陽から地球30に向かう方向の領域に付されている星座は夜に観測される。一方、地球30から太陽に向かう方向の領域に付されている星座は昼に観測される。また、時空間図1,3において、このように星座の情報が付される場合、天球上での太陽の通り道(黄道)に近い星座を選択的に付してもよい。
【0048】
また、時空間図1,3には、時間情報として、睦月、如月、弥生、卯月などの陰暦の月の名称を付してもよい。また、時空間図1,3には、時間情報として、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口という六曜を付してもよい。また、時空間図1,3には、時間情報として、1年の上半期や下半期の日数、四半期の日数などの情報を表記してもよい。また、時空間図1,3には、時間情報として、二十四節気、五節句などの雑節の情報を表記してもよい。
【0049】
また、時空間図1,3において、現在の各天体の位置に目印を配置する(例えばピンをさす)ことにより、容易に各天体の位置を認識することができる。また、時空間図1,3が表される媒体としては、紙だけでなく、プラスチック、金属などの各種媒体であってもよい。また、時空間図1,3は建物の壁面などに表されてもよい。また、時空間図1,3は地上に描かれてもよく、また、建築物として作られてもよい。
【0050】
<第3実施形態>
上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、時空間図1,3を紙などの媒体に表示する構成であったが、第3実施形態では、時空間図1,3を表示装置に画像として表示する構成としたものである。
【0051】
図5は、第3実施形態の情報処理装置501の構成を示すブロック図である。第3実施形態の情報処理装置としての情報端末501は、例えば、情報を処理するコンピュータである。図5に示すように、情報端末501は、画像を表示画面502Aに表示する例えば液晶ディスプレイのような表示装置502と、ユーザの操作に基づいて情報を入力するための入力手段としてのキーボード503及びマウス504とが接続される。
【0052】
情報端末501は、演算処理部510及び記憶部520を備えている。演算処理部510は、各種演算処理を行う処理部である。この演算処理部510は、表示制御部(制御部)511、操作制御部512、画像処理部(制御部)513、及び時計部514を有している。なお、演算処理部510は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを有し、そのプロセッサが記憶部520に記憶されているプログラム530に基づいて実行する処理又は制御が表示制御部511、操作制御部512、画像処理部513、及び時計部514に相当する。
【0053】
表示制御部511は、表示装置502の表示画面502Aに画像を表示する制御を行う。操作制御部512は、ユーザによるキーボード503やマウス504の操作に応じて情報を入力する制御を行う。画像処理部513は、ユーザによるキーボード503やマウス504の操作に応じて、又は自動的に画像処理を行う。時計部514は、年月日や時分秒などの現在時刻を自身で計測することで現在時刻情報を取得し、又は外部装置(標準時間を計測する装置)から現在時刻情報を取得する。時計部514は取得した現在時刻情報に基づいて現在の時刻を認識する。
【0054】
記憶部520は、各種情報を記憶する。記憶部520に記憶される情報には、演算処理部510に処理を実行させるプログラム530が含まれる。また、記憶部520に記憶される情報には、図1から図3に示した時空間図1の画像データや、図4に示した時空間図3の画像データが含まれる。時空間図1,3は、天体の画像、軌道の画像、軌道領域の画像、近日点及び遠日点の画像などの複数の画像データと、暦などの時間情報(テキスト情報)などとで構成されている。また、記憶部520に記憶される情報には、過去から未来にわたる太陽系の各天体の位置の情報(例えば1日毎の各天体の位置の情報)が含まれる。また、記憶部520に記憶される情報には、表示装置502の表示画面502Aに表示される各種ボタンなどの画像データも含まれる。
【0055】
図6は、表示装置502に表示される画像の表示例を示す図である。図6に示す例では、表示装置502の表示画面502Aには図1から図3に示した時空間図1の画像が表示されている。また、表示装置502の表示画面502Aの右下には、現在の時間(年月日)を表示する時間表示領域601が設けられている。また、表示装置502の表示画面502Aには、ユーザのマウス504の操作に応じて移動するカーソル602が表示されている。
【0056】
また、表示装置502の表示画面502Aの右上には、表示する天体(及び/又は天体の軌道)を選択するための選択ボタンが表示されている。選択ボタンとしては、すべての天体を選択する第1選択ボタン611(図6中「全て」と表記したボタン)と、水星10を選択する第2選択ボタン612(図6中「水星」と表記したボタン)と、金星20を選択する第3選択ボタン613(図6中「水星」と表記したボタン)と、火星50を選択する第4選択ボタン614(図6中「火星」と表記したボタン)と、木星60を選択する第5選択ボタン615(図6中「木星」と表記したボタン)と、土星70を選択する第6選択ボタン616(図6中「土星」と表記したボタン)と、天王星80を選択する第7選択ボタン617(図6中「天王星」と表記したボタン)と、海王星90を選択する第8選択ボタン618(図6中「海王星」と表記したボタン)と、冥王星100を選択する第9選択ボタン619(図6中「冥王星」と表記したボタン)と、が設けられている。なお、選択ボタンとして、地球30を選択するボタンや、月を選択するボタンを設けてもよい。これらの選択ボタンのいずれか1つ又は複数が選択されることにより、選択された天体(及び/又は軌道)が表示される。
【0057】
図7は、第3実施形態の情報処理装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。例えば情報端末501が起動されること又はプログラム530が起動されることにより、図7に示す処理が開始される。図7に示す処理において、まず、時計部514は、現在時刻を自身で計測することで現在時刻情報を取得し、又は外部装置から現在時刻情報を取得する(ステップS1)。時計部514は取得した現在時刻情報に基づいて現在の時刻を認識する。次に、表示制御部511は、記憶部520に記憶されている時空間図1の画像を読み出して表示装置502の表示画面502Aに表示する(ステップS2)。このとき、画像処理部513は、時計部514により認識された現在の時刻に対応した位置に配置された天体の画像を生成する。そして、表示制御部511は、画像処理部513で生成された時空間図1の画像を表示する。また、表示制御部511は、時計部514で認識された現在の時刻を時間表示領域601に表示するとともに、記憶部520に記憶されている選択ボタン611〜619の画像を読み出して表示画面502Aに表示する。また、表示制御部511は、記憶部520に記憶されているカーソル602の画像を読み出して表示画面502Aに表示する。
【0058】
操作制御部512は、常に、キーボード503やマウス504からユーザの操作に応じた情報が入力されたか否か確認している。操作制御部512は、例えばマウス504による画像のクリックの情報(クリックされた位置を示す位置情報)を、拡大表示の指示の情報として入力する。操作制御部512は、拡大表示の指示の情報を入力した場合、その情報を画像処理部513に出力する。画像処理部513は、操作制御部512から拡大表示の指示の情報が出力されたか否かにより、ユーザによる拡大表示の指示があったか否かを判定する(ステップS3)。画像処理部513は、拡大表示の指示があったと判定した場合、拡大表示の指示の情報に基づいてユーザにより選択された画像(クリックされた画像)を特定し、特定した画像を拡大した画像を生成する。表示制御部511は、画像処理部513で生成された画像を表示画面502Aに拡大表示する(ステップS4)。
【0059】
操作制御部512は、例えばマウス504による選択ボタンのクリックの情報(クリックされた位置を示す位置情報)を、選択表示の指示の情報として入力する。操作制御部512は、選択表示の指示の情報を入力した場合、その情報を画像処理部513に出力する。画像処理部513は、操作制御部512から選択表示の指示の情報が出力されたか否かにより、ユーザによる選択表示の指示があったか否かを判定する(ステップS5)。画像処理部513は、選択表示の指示があったと判定した場合、選択表示の指示の情報に基づいてユーザにより選択された選択ボタン(クリックされた選択ボタン)を特定し、特定した選択ボタンに応じた天体の画像だけの画像を生成する。表示制御部511は、画像処理部513で生成された画像を表示画面502Aに表示する(ステップS6)。
【0060】
操作制御部512は、例えばユーザによるキーボード503の操作に基づき、時間情報(例えば年月日)を入力する。操作制御部512は、時間情報を入力した場合、その時間情報を画像処理部513に出力する。画像処理部513は、操作制御部512から時間情報が出力されたか否かにより、ユーザによる時間の指示があったか否かを判定する(ステップS7)。画像処理部513は、時間の指示があったと判定した場合、時間情報に基づいてユーザにより指定された時間を特定する。そして、画像処理部513は、記憶部520に記憶されている過去から未来にわたる太陽系の各天体の位置の情報に基づいて、ユーザによって指定された時間に対応した天体の位置を特定する。画像処理部513は、特定した位置に配置された天体の画像を生成する。表示制御部511は、画像処理部513で生成した画像を表示画面502Aに表示する(ステップS8)。例えば、ユーザは、自分の生年月日を時間情報として情報端末501に入力する。画像処理部513は、ユーザによって指定された生年月日に対応した天体の位置を特定し、特定した位置に配置された天体の画像を生成する。そして、表示制御部511は、画像処理部513で生成した画像を表示画面502Aに表示する。
【0061】
なお、図6においては、第1実施形態の時空間図1の画像が表示装置502に表示される場合について説明したが、第2実施形態の時空間図3の画像が表示装置502に表示される場合についても同様の構成で実現される。
【0062】
以上のように、第3実施形態では、情報処理装置501は、時空間図1,3の画像を表示装置に表示するので、ユーザは紙などの媒体以外に表示される時空間図1,3を認識することができる。また、第3実施形態では、現在の時間を特定する時計部514と、時計部514で特定された現在の時間に対応する位置に、複数の天体のうちの全部又は一部の天体の画像を表示する制御部511,513と、を含む。このような構成によれば、現在の時間に対応する天体の位置を表示することができる。
【0063】
また、第3実施形態では、制御部511,513は、利用者により選択された天体の画像を表示する。このような構成によれば、ユーザが見たい天体についてだけ、天体の現在の位置を表示することができる。従って、すべての天体の画像を表示することによって、画像の表示が煩雑となってしまうのを防止することができる。特に、表示装置502の表示画面502Aが小さい場合に効果的である。また、第3実施形態では、制御部511,513は、利用者により選択された時空間図1,3内の領域の画像を拡大表示する。このような構成によれば、天体の画像や軌道の画像などの細部についてもユーザに認識させることができる。この場合も、表示装置502の表示画面502Aが小さいときに大きな効果を発揮する。
【0064】
なお、上記第3実施形態において、制御部511,513が、現在の時間又はユーザにより指定された時間に対応する位置に配置された各天体の画像を強調表示させる構成でもよい。強調表示とは、天体の画像を光らせたり、天体の画像を点滅させたり、天体の画像の色を変えたりするような表示である。また、制御部511,513が、現在の時間又はユーザにより指定された時間に対応する位置に配置された各天体の画像をそれぞれ結ぶ線を表示させる構成でもよい。また、制御部511,513が、現在の時間又はユーザにより指定された時間に対応する位置に配置された各天体の画像と中心点Oとをそれぞれ結ぶ線を表示させる構成でもよい。
【0065】
<第4実施形態>
上記第3実施形態では、スタンドアローンの形態のシステムである。しかし、そのような形態のシステムには限定されない。第4実施形態では、例えばクライアントサーバシステムなどの通信ネットワークを通じて接続された情報処理システムSYSについて説明する。以下の説明において、上記第3実施形態と同一又は同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略又は簡略化する。
【0066】
図8は、第4実施形態の情報処理システムSYSの構成を示すブロック図である。図8に示すように、情報処理システムSYSは、クライアント端末501Aとサーバ(情報処理装置)700とを備えている。クライアント端末501Aの演算処理部510Aにおいて、表示制御部511と、操作制御部512と、通信部515とを有している。これらの処理部のうち、表示制御部511及び操作制御部512は、図5に示した表示制御部511及び操作制御部512に相当する。また、図8に示す記憶部520は、図5に示す記憶部520に相当する。ただし、図8に示す記憶部520は、図5に示した記憶部520と異なり、プログラム530を備えていない。また、図8に示す記憶部520には、時空間図1,3の画像データなども記憶されていない。
【0067】
図8に示す演算処理部510Aの通信部515は、通信ネットワーク800を介してサーバ700とデータを送受信する。サーバ700は、演算処理部710と記憶部720とを備えている。演算処理部710は、通信部711と、画像処理部(制御部)712と、時計部713とを有している。通信部711は、通信ネットワーク800を介してクライアント端末501Aとデータを送受信する。画像処理部712は、ユーザによるキーボード503やマウス504の操作に応じて、又は自動的に画像処理を実行する。この画像処理部712は、図5に示した画像処理部513に対応する処理部である。時計部713は、現在時刻を自身で計測することで現在時刻情報を取得し、又は外部装置(標準時間を計測する装置)から現在時刻情報を取得する。時計部713は取得した現在時刻情報に基づいて現在の時刻を認識する。この時計部713は、図5に示した時計部514に対応する処理部である。
【0068】
なお、演算処理部710は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを有し、そのプロセッサが記憶部720に記憶されているプログラム730に基づいて実行する処理又は制御が通信部711、画像処理部712、及び時計部713に相当する。
【0069】
記憶部720は、各種情報を記憶する。記憶部720に記憶される情報には、演算処理部710に処理を実行させるプログラム730、図1から図3に示した時空間図1の画像データや図4に示した時空間図3の画像データが含まれる。記憶部720に記憶される情報には、過去から未来にわたる太陽系の各天体の位置の情報が含まれる。また、記憶部720に記憶される情報には、表示装置502の表示画面502Aに表示される各種ボタンなどの画像データも含まれる。
【0070】
ユーザがキーボード503やマウス504を操作して、拡大表示の指示の情報、選択表示の指示の情報、又は時間情報(例えば年月日)を指定すると、操作制御部512がそれらの情報を入力する。そして、通信部515がそれらの情報を通信ネットワーク800を介してサーバ700に送信する。サーバ700において、通信部711は、クライアント端末501Aからの情報を受信する。時計部713は、現在の時刻を示す現在時刻情報を取得して現在の時刻を認識する。画像処理部712は、通信部711で受信された情報に基づいてユーザによる指示に応じた画像を生成する。通信部711は、画像処理部712で生成された画像データを通信ネットワーク800を介してクライアント端末501Aに送信する。クライアント端末501Aにおいて、表示制御部511は、サーバ700から送信された画像データを表示装置502に出力して表示させる。
【0071】
このような構成によれば、クライアント端末501Aが大容量のデータを記憶しておく必要がなくなり、データ管理を一元化できるなど、コストを低減させることができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記の実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能である。また、上記の実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。そのような変更又は改良、省略した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記した実施形態や変形例の構成を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【0073】
例えば、時空間図1等において、時間情報として暦の情報を表記する場合に、どの角度から1年の暦の情報を開始させるか、どの日付から1年の暦の情報を開始させるか、などについても適宜変更可能である。また、時空間図1等において、角度の情報をどの方向を基準として表記していくかについても適宜変更可能である。また、上記の第3実施形態における情報端末501や上記の第4実施形態におけるクライアント端末501Aはコンピュータとしていたが、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などであってもよい。また、上記の第3実施形態及び第4実施形態では、表示装置502の表示画面502Aに表示する時空間図1,3として平面上の画像(つまり2次元の画像)を表示させていたが、3次元の画像を表示させてもよい。また、情報端末501やクライアント端末501Aは、ホログラムで立体的に時空間図1,3を表示させてもよい。
【0074】
また、時空間図1等において、地球の位置に対応する時間情報を表記する場合に、当該時間情報に対応させて、所定の地域や場所(例えば、本州、山形県庄内地方)における、旬の野菜や、果実、魚介などの旬の食材の情報(例えば、カブ、水菜、イチゴ、ヤリイカ、ホタテ)や、旬の食材を用いた料理の代表的なメニューの情報(例えば、ヤリイカと水菜のスパゲッティー)を付してもよい。この場合、旬の食材の情報とメニューの情報とを区分して付してもよい。また、旬の食材の情報は、例えば野菜や、果実、魚介といった種類ごとに区分して付してもよい。また、所定の地域や場所としては、単一の地域あるいは場所を選択してもよいが、複数の地域や場所を選択してもよい。複数の地域や場所を選択した場合、時空間図1等において、旬の食材の情報や旬の食材を用いた料理の代表的なメニューの情報については、地域や場所ごとに区分して表記してもよい。
【0075】
また、時空間図1等において、地球の位置に対応する時間情報を表記する場合に、当該時間情報とともに、当該時間情報に対応する歳時記の情報を付してもよい。
【0076】
<太陽系に関する詳細データ>
図9は、太陽系における太陽と惑星との関係を表すデータを示す表である。図9において、軌道長半径aは、各惑星(水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星)の楕円軌道の長軸方向の半径である。軌道長半径aを含む直線は、楕円軌道の中心と2つの焦点を通る。図9では軌道長半径aを天文単位で表している。天文単位は、天文学で用いられる単位で、地球と太陽との間の距離を1とした単位である。離心率eは、各惑星の楕円軌道の離心率である。楕円軌道の中心から焦点までの距離(離心距離)は、ae(つまり軌道長半径×離心率)で表される。なお、惑星間の重力の相互作用により、地球の離心率は略0から約0.05の間で振れている。
【0077】
軌道傾斜(軌道傾斜角)iとは、ある天体(図9では太陽)の周りを軌道運動する天体(太陽系の惑星)について、その軌道面と基準面とのなす角度のことをいう。近日点黄経ωは、近日点の方向を示す角度である。昇交点は、天体の軌道と基準面の交点のうち、天体が基準面を下側から上側に通過する軌道上の点である。昇交点黄経Ωは、春分から昇交点まで軌道面に沿って地球の公転の方向に測った角度である。近日点黄経、昇交点黄経、軌道傾斜角iの3つの角度によって軌道の向きが決まる。
【0078】
太陽から各惑星までの距離の最小が近日点における太陽と各惑星との距離(近日点距離)に相当する。また、太陽から各惑星までの距離の最大が遠日点における太陽と各惑星との距離(遠日点距離)に相当する。また、近日点距離と遠日点距離の中間の距離が軌道長半径aに相当する。なお、これらの距離の単位は10の8乗kmである。作用圏(影響圏ともいう。)半径の距離の単位は10の6乗kmである。対恒星平均運動μは平均太陽日で示し、対恒星公転周期Pは平均太陽年で示している。軌道平均速度は、各惑星が軌道上を移動するときの平均速度である。この速度の単位はkm/sである。会合周期は、ある天体を地球から観測した時に、天球上で太陽に対して同じ位置に来る、すなわち太陽との離角が同じ値になる周期である。その天体が太陽との合の位置に来る時間間隔であり、地球から見たその天体の見かけの公転周期と言える。なお、図9に示した表は、国立天文台の理科年表表(2014年度版)に基づくものである。
【0079】
上記した各実施形態において、太陽系における各天体の位置及び動きは図9に示したデータに基づき作成すれば、より一層、太陽系における各天体の位置及び動きを再現することができる。
【符号の説明】
【0080】
1,3…時空間図、10…水星(天体)、11…水星軌道(軌道)、12…軌道領域、20…金星(天体)、21…金星軌道(軌道)、22…軌道領域、30…地球(天体)、31…地球軌道(軌道)、32…軌道領域、40…月軌道(軌道)、50…火星(天体)、51…火星軌道(軌道)、52…軌道領域、60…木星(天体)、61…木星軌道(軌道)、70…土星(天体)、71…土星軌道(軌道)、80…天王星(天体)、81…天王星軌道(軌道)、90…海王星(天体)、91…海王星軌道(軌道)、100…冥王星(天体)、101…冥王星軌道(軌道)、501…情報端末(情報処理装置)、511…表示制御部(制御部)、513…画像処理部(制御部)、514…時計部、520…記憶部、700…サーバ(情報処理装置)、712…画像処理部(制御部)、713…時計部、SYS…情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9