(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体中から分離した分離物を搬送する搬送手段として、水平搬送部とこの水平搬送部に接続された傾斜搬送部とを備え、前記分離物を前記傾斜搬送部の終端から排出するコンベア装置であって、
前記水平搬送部の始端に設けた始端スプロケットと、
前記傾斜搬送部の終端に設けた終端スプロケットと、
前記始端スプロケットと終端スプロケットとの間に懸架され、その間を周回することにより前記分離物を前記傾斜搬送部の終端まで搬送するエンドレスコンベアと、
前記傾斜搬送部の終端下に設けた液体噴射ユニットおよび固液回収ユニットと、を具備し、
前記液体噴射ユニットは、
前記終端スプロケットで下向きに折返した前記エンドレスコンベアの折返し面に対して洗浄液を噴射する洗浄ノズルを備え、
前記固液回収ユニットは、
前記洗浄ノズルから噴射された洗浄液および前記エンドレスコンベアの折返し面から脱落した前記分離物を回収する回収槽と、
前記回収槽の上部側に設けた上部スプロケットと、
前記回収槽の下部側に設けた下部スプロケットと、
前記傾斜搬送部の終端から排出された直後の分離物の落下軌跡線上に位置する固液回収ユニット排出口と、
前記上部スプロケットと前記下部スプロケットとの間に懸架され、その間を周回することにより前記回収槽内の前記分離物を掻き上げて前記固液回収ユニット排出口まで搬送するスクレーパーコンベアと、
前記固液回収ユニットの幅と前記傾斜搬送部の幅が重なる範囲内に設けた液戻し流路を通じて前記回収槽内の前記洗浄液を前記傾斜搬送部へ戻す液戻し部と、
前記固液回収ユニット排出口に設けられるとともに、前記傾斜搬送部の終端から排出された前記分離物が当たることによって、該分離物の落下軌跡が前記固液回収ユニットの前方に多少ずれた状態とすることで、該分離物の一部が前記固液回収ユニット排出口から前記回収槽内に入り込むことを防止する手段として機能する巻き込み防止板と、を備えること
を特徴とするコンベア装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明を適用したコンベア装置(第1実施形態)の平面図、
図2は
図1のコンベア装置を側面から見た断面図、
図3は
図1および
図2のコンベア装置における傾斜搬送部の終端付近拡大図である。
【0019】
《コンベア装置の概要》
図1から
図3を参照すると、本第1実施形態のコンベア装置1は、液体中から分離した分離物を搬送する搬送手段として、水平搬送部2と、該水平搬送部2に接続された傾斜搬送部3とを備え、分離物を傾斜搬送部3の終端3Aから排出するように機能する。
【0020】
前記のような機能を得るための構成として、本第1実施形態のコンベア装置1は、水平搬送部2の始端2Aに設けた始端スプロケット4と、傾斜搬送部3の終端3Aに設けた終端スプロケット5と、始端スプロケット4と終端スプロケット5との間に懸架され、その間を周回することにより前記分離物を傾斜搬送部3の終端3Aまで搬送するエンドレスコンベア6と、傾斜搬送部3の終端3A下に設けた液体噴射ユニット7および固液回収ユニット8と、を具備している。
【0021】
水平搬送部2の始端2Aには軸受で支持された始端シャフト4Aが設けられており、始端スプロケット4はその始端シャフト4Aに取り付けてある。また、傾斜搬送部3の終端3Aには軸受で支持された終端シャフト5Aが設けられており、終端スプロケット5はその終端シャフト5Aに取り付けてある。
【0022】
《エンドレスコンベア5の詳細》
【0023】
本第1実施形態のコンベア装置1では、エンドレスコンベア6の一実施例として、連結されたヒンジパンをチェーンに取付けた方式(公知のヒンジパン方式)のコンベアを採用したが、これに限定されることはなく、他の形式のコンベアをエンドレスコンベア6として採用することも可能である。
【0024】
エンドレスコンベア6や始端スプロケット4および終端スプロケット5を収容する手段として、
図1のコンベア装置1は、水平ケース9とこれに接続された傾斜ケース10を備えている。
【0025】
水平ケース9と傾斜ケース10との接続部には、下から上向きに所定の曲率で湾曲した円弧状のガイド部材11Aが設けられており、このガイド部材11Aに沿ってエンドレスコンベア6が案内されることにより、エンドレスコンベア6は、水平搬送部2では水平方向に延びた形態の水平コンベア部6Aとして構成され、傾斜搬送部3では斜め上方に立ち上がった形態の傾斜コンベア部6Bとして構成されている。
【0026】
水平ケース9の天板には、液体(機械加工屑を含んだ機械加工液)を流し込むための液体投入口12が開設されており、本第1実施形態のコンベア装置1では、その液体投入口12から水平ケース9内に向けて当該液体が流し込まれることにより、水平搬送部2に位置するエンドレスコンベア6、すなわち水平コンベア部6Aに対して当該液体が最初に投入されるように構成してある。
【0027】
前記のように投入された液体中の液体成分(機械加工液)は、エンドレスコンベア6から水平ケース9の内底面(水平搬送部2の内底面)に向けて流れ落ち、水平ケース9内に一時的に貯留される。この一時貯留された液体は濾過を経て再利用される。
【0028】
一方、前記のように投入された液体中の固体成分(機械加工屑)は、その大部分が液体中から分離した分離物としてエンドレスコンベア6上に止まり、エンドレスコンベア6によって傾斜搬送部3の終端3Aまで搬送される。
【0029】
エンドレスコンベア6は、途中で途切れることなく環状に連続した構造、および、終端スプロケット5で下向きに折返し、始端スプロケット4で上向きに折返す構造になっている。
【0030】
前記のようなエンドレスコンベア6の弛みを除去する手段として、本第1実施形態のコンベア装置1では、エンドレスコンベア6の傾斜方向に沿った形状の長穴H1を傾斜搬送部3の終端3A付近に設けるとともに、その長穴H1内に終端シャフト5Aを通すことにより、終端シャフト5Aおよび終端スプロケット5がエンドレスコンベア6の傾斜方向に沿ってスライド可能となっており、そのような方向への終端シャフト5Aおよび終端スプロケット5のスライドによりエンドレスコンベア6の弛みは除去される。
【0031】
傾斜搬送部3の終端3Aから排出される分離物には液体が付着している。このため、傾斜搬送部3の終端3A(具体的には、終端スプロケット5で折り返したエンドレスコンベア9の折返し端付近)から液体が垂れ落ちること(液垂れ)は避けられない。
【0032】
前記のような液垂れの発生位置が前述の弛み除去によって変位することを防止するための手段(以下「液垂れ位置固定手段」という)として、本第1実施形態のコンベア装置1においては、終端スプロケット5より前方の下方位置に円弧状のガイド部材11Bを設けるとともに、そのガイド部材11Bにエンドレスコンベア6を掛けまわすことにより、終端スプロケット5で折り返した直後のエンドレスコンベア6の一部がガイド部材11B付近で凸形状となるように構成している。この場合、液体はその凸形状部の頂点から垂れ落ちるようになり、凸形状部の位置は前述の弛み除去によって変動しないので、液垂れの発生が変位することはない。
【0033】
《液体噴射ユニット7の詳細》
先に説明した通り、エンドレスコンベア6は終端スプロケット5で下向きに折返しており、液体噴射ユニット7は、そのように折返したエンドレスコンベア6の下向き折返し面6Cに対して洗浄液を噴射する洗浄ノズル13を備えている。
【0034】
洗浄ノズル13は、バルブ付配管(図示省略)を介して洗浄液供給手段に接続されており、本第1実施形態のコンベア装置では、その洗浄液供給手段からバルブ付配管を通じて洗浄ノズル13に洗浄液が圧送され、洗浄ノズル13からエンドレスコンベア6の下向き折返し面6Cに向けて洗浄液が噴射される。これにより、エンドレスコンベア6の下向き折返し面6Cに付着している分離物(機械加工屑)は、洗浄液で洗い流され、エンドレスコンベア6の下向き折返し面6Cから容易に脱落し得る。
【0035】
先に説明した液垂れ位置固定手段の採用により、エンドレスコンベア6の折返し面6Cは、前述の凸形状部の前後付近において円弧状に湾曲した湾曲面RSを有する形態になっている。また、エンドレスコンベア6の一実施例として本第1実施形態で採用したヒンジパン方式のコンベアは、前記のような湾曲面RSの部分において、隣接する2枚のヒンジパンがヒンジを基点として折れた形態になるので、少なくとも2枚のヒンジパンに跨って付着している分離物は比較的脱落しやすい。このことから、本第1実施形態のコンベア装置1では、洗浄ノズル13から前記湾曲面Rに対して洗浄液を噴射するように構成している。
【0036】
《固液回収ユニット7の詳細》
図3を参照すると、固液回収ユニット7は、前記のように洗浄ノズル13から噴射された洗浄液およびエンドレスコンベア6の折返し面6Cから脱落した分離物を回収する回収槽15と、回収槽15の上部側に設けた上部スプロケット16と、回収槽15の下部側に設けた下部スプロケット17と、傾斜搬送部3の終端3A直下に位置する固液回収ユニット排出口18と、上部スプロケット16と下部スプロケット17との間に懸架され、その間を周回することにより回収槽15内の前記分離物を掻き上げて固液回収ユニット排出口18まで搬送するスクレーパーコンベア19と、固液回収ユニット7の幅と傾斜搬送部3の幅が重なる範囲W(
図1参照)内に設けた液戻し流路20を通じて回収槽15内の洗浄液を傾斜搬送部3へ戻す液戻し部21と、を備えている。
【0037】
回収槽15は、底板と前後左右方向の側板とでボックス状に形成されている。このような回収槽15の具体的な構成例として、本第1実施形態のコンベア装置1では、回収槽15を形成する後方側板として、傾斜搬送部3の傾斜底(具体的には、傾斜ケース10の傾斜した底板10A)を利用している。
【0038】
また、本第1実施形態のコンベア装置1では、回収槽15の底板の一部を所定曲率で湾曲した湾曲底形状部15Aとして構成するとともに、その湾曲底形状部15Aに洗浄液と分離物が一時貯留されるように構成してある。
【0039】
さらに、本第1実施形態のコンベア装置1では、回収槽15の前方側板15B(前板)を利用して分離物を掻き上げるために、回収槽15の前方側板15Bを所定角度で前方に傾斜させ、その傾斜に沿って分離物がスクレーパーコンベア19で掻き上げられるように構成している。
【0040】
上部スプロケット16は上部シャフト22に取り付けられており、下部スプロケット17は下部シャフト23に取り付けられている。また、上部シャフト22と下部シャフト23は図示しない軸受を介して固液回収ユニット7の側壁(具体的には、回収槽15を形成する左右方向の側板)で支持されている。さらに、上部シャフト22は、固液回収ユニット8のフレーム(具体的には、回収槽15を形成する左右方向の側板)に取り付けたモータ(図示省略)によって、回転駆動される。
【0041】
固液回収ユニット排出口18は、エンドレスコンベア6によって傾斜搬送部3の終端3Aから排出された直後の分離物の落下軌跡線上に位置する。また、そのように排出された分離物の一部が固液回収ユニット排出口18から回収槽15内に入り込んでしまうことを防止するための分離物巻込み防止手段として、本第1実施形態のコンベア装置1では、固液回収ユニット排出口18に巻き込み防止板24を設けるとともに、前記のように排出された分離物が巻き込み防止板24に当たるように構成することで、傾斜搬送部3の終端3Aから排出された直後の分離物の落下軌跡が固液回収ユニット排出口18の前方に多少ずれるように構成している。
【0042】
前記のように多少ずれた落下軌跡の構成を採用しても、傾斜搬送部3の終端3Aから排出される分離物の落下軌跡T1と、固液回収ユニット排出口18から排出される分離物の落下軌跡T2とは、略重なるので、そのように個別に排出される分離物を回収するための図示しないダストボックスは、いずれか一つの落下軌跡線上に一つだけ配置すればよい。
【0043】
スクレーパーコンベア19は、上部スプロケット16と下部スプロケット17に掛け回したチェーン19Aと、このチェーン19Aに対して所定間隔で取り付けた複数の掻き取り部材19Bとを有している。本第1実施形態のコンベア装置1では、上部スプロケット16と下部スプロケット17とを相対的に前後方向にずらして配置することで、スクレーパーコンベア19の周回軌跡が回収槽15の前方側板(前板)に沿って傾斜するように構成している。
【0044】
そして、図示しないモータの動力によって上部シャフト22と上部スプロケット16が回転し、その回転力によってチェーン19Aが移動することによって、掻き取り部材19は、回収槽15の内底面から固液回収ユニット排出口18の方向に向けて斜め上方に移動する。このとき、本第1実施形態のコンベア装置1では、掻き取り部材19が回収槽15の湾曲底形状部15Aと前方側板15Bとに沿って摺動することにより、掻き取り部材19による分離物の掻上げ動作がなされる。
【0045】
《液戻し部21の詳細構成》
液戻し部21の液戻し流路20は、回収槽15を形成する後方側板から傾斜搬送部3の傾斜底に向けて開口した構造の液戻し口20Aによって形成されている。本第1実施形態のコンベア装置1では、先に説明した通り、回収槽15を形成する後方側板として、傾斜搬送部3の傾斜底(具体的には、傾斜ケース10の傾斜した底板10A)を利用していることから、回収槽15を形成する後方側板の一部を開口することによって、前記のような液戻し口20Aを設けている。この場合、液戻し口20Aは、その開口構造上、固液回収ユニット7の幅と傾斜搬送部3の幅が重なる範囲W(
図1参照)内に設けられるものとなり、また、回収槽15内の洗浄液は、液戻し口20Aを通じて最短距離で、傾斜搬送部3へ流れ込むように構成される。
【0046】
液戻し流路20から傾斜搬送部3への分離物の流出を防止する手段として、本第1実施形態のコンベア装置1では、液戻し流路20(液戻し口20A)の前方にバッフル板25を設けている。このバッフル板25は、その先端部付近が回収槽15内の液面下に配置されることにより、回収槽15内の液面付近から液戻し流路20(液戻し口20A)側への分離物の移行を遮断する。
【0047】
《コンベア装置1の使用例》
機械加工液を供給しながら機械加工を行う工作機械では、その機械加工で使用された機械加工液を再利用するために、使用済み機械加工液を液体分(油分)と固体分(使用済み機械加工液中に含まれている機械加工による切屑等)とに分離し、分離した液体分は濾過して再利用可能とし、分離した固体分は分離物としてコンベア装置によって外部へ排出している。この種のコンベア装置として本第1実施形態のコンベア装置1は使用される。
【0048】
《コンベア装置1全体の動作説明》
前記のようなコンベア装置1の使用例において、機械加工で使用された機械加工液(使用済み機械加工液)は、液体投入口12から水平ケース9内に向けて流し込まれることにより、水平搬送部2に位置するエンドレスコンベア6、すなわち水平コンベア部6Aに対して最初に投入される。
【0049】
前記のように投入された使用済み機械加工液のうち、固体成分(機械加工屑)は、その大部分が液体(使用済み機械加工液)中から分離した分離物としてエンドレスコンベア6上に止まり、エンドレスコンベア6によって傾斜搬送部3の終端3Aまで搬送される。一方、前記のように投入された使用済み機械加工液のうち、液体成分(機械加工液)は、エンドレスコンベア6から水平ケース9の内底面に向けて流れ落ち、水平ケース9内に一時的貯留される。
【0050】
前記のように傾斜搬送部3の終端3Aまで搬送された分離物((機械加工屑)は、終端スプロケット5によるエンドレスコンベア6の折返しによって、下方に落下し、外部へ排出される。
【0051】
ところで、終端スプロケット5で折り返したエンドレスコンベア6の下向き折返し面6Cには、洗浄ノズル13から噴射された洗浄液が供給されおり、その洗浄液によって、同エンドレスコンベア6の下向き折返し面6Cに付着している分離物(機械加工屑)は、洗い流され、脱落し、固液回収ユニット8の回収槽15で回収される。洗浄ノズル13から噴射された洗浄液も、エンドレスコンベア6の下向き折返し面6Cから滴下し、同じ回収槽15で回収される。
【0052】
この際、固液回収ユニット8では、上部スプロケット16と下部スプロケット17との間をスクレーパーコンベア19が周回しており、前記回収によって回収槽15内に溜まった分離物(機械加工屑)は、そのように周回するスクレーパーコンベア19の掻き取り部材19Bで掻き上げられ、固液回収ユニット排出口18まで搬送されるとともに、固液回収ユニット排出口18に設けた液垂れ防止板26から外部へ押し出される方式で排出される。
【0053】
この一方、前記回収によって回収槽15内に溜まった洗浄液は、その液面が液戻し口20Aを越えた時点で、液戻し口20Aを通じて傾斜搬送部3に流れ込む。傾斜搬送部3に流れ込んだ洗浄液は、傾斜搬送部3の傾斜底に沿って流れ落ちることで、水平搬送部2に到達し、前述のように水平ケース9内に一時的に貯留されている使用済み機械加工液の液体成分(機械加工液)と合流する。
【0054】
《本発明の他の実施形態》
図4は本発明を適用したコンベア装置(第2実施形態)の説明図である。なお、
図4では先に説明した第1実施形態のコンベア装置1と同一の部材には同一の符号を付し、その詳細説明は重複するので省略し、以下、異なる構成のみを説明する。
【0055】
図4を参照すると、第2実施形態のコンベア装置1も、第1実施形態のコンベア装置1と同じく、エンドレスコンベア6の弛みを除去する手段を有しているが、その弛みを除去する手段は、第2実施形態のコンベア装置1のものとは異なる。
【0056】
すなわち、第2実施形態のコンベア装置1では、エンドレスコンベア6の弛みを除去する手段として、傾斜搬送部3の終端3A付近に水平前後方向に延びた長穴H2を設け、その長穴H2内に終端シャフト5Aを通すことにより、終端シャフト5Aおよび終端スプロケット5が水平前後方向にスライド可能となっており、そのような方向への終端シャフト5Aおよび終端スプロケット5のスライドによりエンドレスコンベア6の弛みは除去される。
【0057】
第2実施形態のコンベア装置1も、第1実施形態のコンベア装置1と同じく、液戻し部21を有しているが、その液戻し部21の液戻し流路20は、第2実施形態のコンベア装置1のものとは異なる。
【0058】
すなわち、第2実施形態のコンベア装置1では、液戻し部21の液戻し流路20は、回収槽15を形成する底板から傾斜搬送部3の傾斜底(具体的には、傾斜ケース10の傾斜した底板10A)に接続された液戻しホース20Bによって形成されている。この液戻しホース20Bも、その接続構造上、固液回収ユニット7の幅と傾斜搬送部3の幅が重なる範囲W(
図1参照)内に設けられる。
【0059】
前記のような液戻しホース20Bによる液戻し流路20の形成方式は、第1実施形態のコンベア装置1に適用してもよい。
【0060】
以上説明した第1および第2実施形態のコンベア装置1によると、固液回収ユニット8の構成として、スクレーパーコンベア19を採用し、採用したスクレーパーコンベア19は、回収槽15の上部側に設けた上部スプロケット16と回収槽15の下部側に設けた下部スプロケット17との間に懸架され、その間を周回することにより回収槽15内の分離物を掻き上げて固液回収ユニット排出口18まで搬送するように構成した。このため、回収槽15から分離物を排出する経路が下部スプロケット17から上部スプロケット16に向う方向、つまりコンベア装置1の上下方向に沿ったものとなるから、かかる経路がコンベア装置1の幅(
図1の符号Wで示す範囲を参照)方向に張り出すことはなく、幅の狭いスペースへの設置に好適である。
【0061】
これに加えて更に、第1および第2実施形態のコンベア装置1によると、スクレーパーコンベア19によって回収槽15から掻き上げた分離物は、傾斜搬送部3の終端3A直下に位置する固液回収ユニット排出口18から排出される構成になるので、そのように排出される分離物を受け取るためのダストボックスは、傾斜搬送部3の終端3A下に設置すれば良く、かかるダストボックスをコンベア装置1の幅(
図1の符号Wで示す範囲を参照)方向に設置する必要がない点でも、幅の狭いスペースへの設置に好適である。
【0062】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により多くの変形が可能である。
【解決手段】コンベア装置1では、固液回収ユニット8の構成として、スクレーパーコンベア19を採用し、このスクレーパーコンベア19は、回収槽15の上部側に設けた上部スプロケット16と回収槽15の下部側に設けた下部スプロケット17との間に懸架されるとともに、その間を周回することにより回収槽15内の分離物を掻き上げて、固液回収ユニット排出口18まで搬送する。固液回収ユニット排出口18は、斜搬送部3の終端3A直下に位置するように設けられる。