(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ガス流通路が内部に形成されたガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス流通路のガス流通方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁を作動状態から非作動状態へリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられるガス栓において、
前記ガス流通路の上流側と下流側とを分離する隔壁を備えると共に、前記隔壁に前記ガス流通路の上流側と下流側とを繋ぐ開口部を設け、
閉じ位置と開き位置との間での前記スライド弁の移動に対応して、前記開口部の閉止状態と開放状態とを切り替える切替部材を備え、
前記切替部材、前記過流出防止弁、及び前記スライド弁が、前記ガス流通路の前記ガス流通方向で上流側から下流側へ向けて記載順に設けられており、
前記隔壁は、前記ガス流通路の上流側に位置する上流側ガス流入部を外側周面に有すると共に前記ガス流通路の下流側に位置する下流側ガス流出部を有する筒状部材であり、
当該筒状部材を、その筒軸心を前記ガス流通路のガス流通方向に沿わせた状態で、且つ前記ガス流通路を流通するガスのすべてが前記上流側ガス流入部から流入すると共に前記下流側ガス流出部から流出する状態で備え、
前記切替部材は、前記筒状部材の外側周面に沿う状態で摺動して、前記ガス流通路を閉止する閉じ位置と開放する開き位置との間の前記スライド弁の移動に対応して、前記上流側ガス流入部を閉止する閉止状態と開放する開放状態とを切り替えるガス栓。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示の技術では、ガス流通路を通流するガス流量が一定未満の場合、ガス流通路の内周面とスライド弁の外周面との間のシールのみで、ガス流通路からのガスの流出が阻止されているため、例えば、スライド弁が開き位置から閉じ位置の側へ移行しているときに、ガス流通路の内周面とスライド弁の外周面との間に異物を噛み込んだ場合等に、ガス流通路のシールが不十分となる虞があった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス流通路の閉止状態において、当該ガス流通路のガスの流通をより確実に阻止可能なガス栓を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためのガス栓は、
ガス流通路が内部に形成されたガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス流通路のガス流通方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁を作動状態から非作動状態へリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられるガス栓であって、その特徴構成は、
前記ガス流通路の上流側と下流側とを分離する隔壁を備えると共に、前記隔壁に前記ガス流通路の上流側と下流側とを繋ぐ開口部を設け、
閉じ位置と開き位置との間での前記スライド弁の移動に対応して、前記開口部の閉止状態と開放状態とを切り替える切替部材を備え、
前記切替部材、前記過流出防止弁、及び前記スライド弁が、前記ガス流通路の前記ガス流通方向で上流側から下流側へ向けて記載順に設けられて
おり、
前記隔壁は、前記ガス流通路の上流側に位置する上流側ガス流入部を外側周面に有すると共に前記ガス流通路の下流側に位置する下流側ガス流出部を有する筒状部材であり、
当該筒状部材を、その筒軸心を前記ガス流通路のガス流通方向に沿わせた状態で、且つ前記ガス流通路を流通するガスのすべてが前記上流側ガス流入部から流入すると共に前記下流側ガス流出部から流出する状態で備え、
前記切替部材は、前記筒状部材の外側周面に沿う状態で摺動して、前記ガス流通路を閉止する閉じ位置と開放する開き位置との間の前記スライド弁の移動に対応して、前記上流側ガス流入部を閉止する閉止状態と開放する開放状態とを切り替える点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、スライド弁が閉じ位置に位置することに加えて、切替部材により開口部を閉止状態にすることによりガス栓を閉止しているから、例え、何れか一方による閉止が不十分となったとしても、ガス栓の閉止状態を良好に確保できる。
更に、上記特徴構成では、切替部材、過流出防止弁、スライド弁を、ガス流通路のガス流通方向で上流側から下流側へ向けて記載順に設けている。これにより、スライド弁と過流出防止弁との間で、リセット手段が設けられる領域に、切替部材が設けられないから、リセット手段と切替部材との干渉等を防止できる。
更に、上記特徴構成によれば、隔壁を、その外側周面に上流側ガス流入部を有する筒状部材から構成すると共に、切替部材を、筒状部材の外側周面に沿う状態で摺動移動して上流側ガス流入部を閉止状態と開放状態とに切り換えるように構成する。即ち、当該筒状部材及び切替部材を、筒形状にできるから、従来からあるガス栓の中空円筒状のガス流通路に対し、容易に取り付けることができる。
ここで、筒状部材の外側周面とは、筒状部材の両端面を除く外側の面を意味する。
【0011】
本発明のガス栓の更なる特徴構成は、
前記筒状部材の内部に、前記過流出防止弁を設けている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、過流出防止弁を筒状部材の内部に設ける構成を採用することで、隔壁の機能を発揮する筒状部材を、過流出防止弁の筐体としても働かせることができ、部品点数の減少、及び構成の簡素化を図ることができる。
【0013】
上記目的を達成するためのガス栓は、
ガス流通路が内部に形成されたガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス流通路のガス流通方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁を作動状態から非作動状態へリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられるガス栓であって、その特徴構成は、
前記ガス流通路の上流側と下流側とを分離する隔壁を備えると共に、前記隔壁に前記ガス流通路の上流側と下流側とを繋ぐ開口部を設け、
閉じ位置と開き位置との間での前記スライド弁の移動に対応して、前記開口部の閉止状態と開放状態とを切り替える切替部材を備え、
前記切替部材、前記過流出防止弁、及び前記スライド弁が、前記ガス流通路の前記ガス流通方向で上流側から下流側へ向けて記載順に設けられており、
前記リセット手段は、前記スライド弁に設けられ、前記過流出防止弁が嵌合する嵌合状態で上流側から下流側へのガスの流通を阻止すると共に、前記過流出防止弁の嵌合が外れた非嵌合状態で上流側から下流側へのガスの流通を許容する嵌合開口部から構成され、
前記スライド弁の開き位置から閉じ位置への移動に伴って、前記嵌合開口部が前記過流出防止弁から離間して前記過流出防止弁のリセット操作を行う点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、
特に、リセット手段を、スライド弁に設けられる嵌合開口部から構成し、スライド弁の開き位置から閉じ位置への移動により、当該嵌合開口部への過流出防止弁への嵌合を解除させることで、リセット操作を実現できるから、例えば、リセット操作により、過流量防止弁を押圧操作する部材等を設ける必要がなく、部品点数の減少、及び構成の簡略化を図ることができる。
【0015】
上記目的を達成するためのガス栓は、
ガス流通路が内部に形成されたガス栓本体に、閉じ位置と開き位置との間で前記ガス流通路のガス流通方向に移動自在なスライド弁と、前記ガス流通路のガス流通方向で前記スライド弁よりも上流側に配置された過流出防止弁と、前記ガス流通方向で前記スライド弁と前記過流出防止弁との間に配置されて、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動により前記過流出防止弁を作動状態から非作動状態へリセットさせるリセット操作を行うリセット手段とが備えられるガス栓であって、その特徴構成は、
前記ガス流通路の上流側と下流側とを分離する隔壁を備えると共に、前記隔壁に前記ガス流通路の上流側と下流側とを繋ぐ開口部を設け、
閉じ位置と開き位置との間での前記スライド弁の移動に対応して、前記開口部の閉止状態と開放状態とを切り替える切替部材を備え、
前記切替部材、前記過流出防止弁、及び前記スライド弁が、前記ガス流通路の前記ガス流通方向で上流側から下流側へ向けて記載順に設けられており、
前記隔壁は、基端側部位を前記ガス流通路の内部に配設する状態で前記ガス流通路のガス流出端に気密に接続され、前記基端側部位に前記ガス流通路からガス流入可能な前記開口部位としてのガス流入部を有すると共に、前記ガス流通路の外部に位置する先端側部位から外部へのガス流出可能な前記開口部位としてのガス流出部を有する筒状筐体から成り、
前記筒状筐体の内部に、前記ガス流出部を閉止又は開放するスライド弁と、前記ガス流出部を閉止する閉止位置と開放する開放位置との間の前記スライド弁の移動に対応して、前記ガス流入部を閉止する閉止状態と開放する開放状態とを切り替える切替部材とを備え、
前記筒状筐体は、前記ガス流通路の内部に位置する他端部に、前記スライド弁及び前記切替部材を内部に入れ込み自在な開口部位を有すると共に、前記開口部位を閉止可能な閉止部材を備える点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、
特に、筒状筐体は、その基端側端部に、スライド弁及び切替部材を内部に挿入自在な開口部位を備えるから、スライド弁及び切替部材を当該開口部位から筒状筐体の内部へ容易に挿入することができ、挿入した後は、当該開口部位を閉止部材により閉止することで、当該開口部位を介するガスの流入・流出を防止できる。
結果、比較的簡易な構成を維持しながらも、ガス流出端からのガス流出の禁止と許容を適切に切り替えることができるガス栓を実現できる。
【0017】
本願のガス栓の更なる特徴構成は、
前記筒状筐体は、その筒軸心が前記ガス流通路の流路軸心に沿った方向として備えられると共に、前記スライド弁が、前記閉じ位置と前記開き位置との間の移動方向が前記筒軸心に沿って備えられ、
前記ガス流入部は、前記筒状筐体の前記筒軸心回りの筒周部位に設けられ、
前記切替部材は、前記筒状筐体の筒内周部位に沿って摺動可能であると共に、前記閉じ位置と前記開き位置との間での前記スライド弁の移動に対応して、前記ガス流入部を閉止する閉止状態と開放する開放状態とを切り替える点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、筒状筐体の筒軸心をガス流通路の流路軸心に沿わせ、スライド弁の閉じ位置と開き位置との間の移動方向を筒軸心に沿わせ、切替部材を筒状筐体の筒内周部位に沿って摺動移動自在に構成することで、スライド弁の筒軸心に沿う方向での移動に合わせて、切替部材を筒外周部に沿って摺動移動させ、筒周部位に設けられるガス流入部の開放と閉止を行うことができる。
これにより、比較的簡易な構成により、スライド弁の閉止位置と開放位置との移動に、切替部材によるガス流入部の閉止状態と開放状態との切り替えを対応させることができる。
【0019】
本願のガス栓の更なる特徴構成は、
前記閉止部材は、前記スライド弁の前記開き位置側から前記閉じ位置側への方向へ前記切替部材を付勢する付勢手段の一端が当接する当接部位を備える点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、スライド弁の開き位置側から閉じ位置側への方向へ、切替部材を付勢する付勢手段の一端が当接する当接部位を、閉止部材に備えるから、開口部位から、スライド弁及び切替部材を順に挿入した後に、当該付勢手段も挿入し、その後、閉止部材を開口部位に装着し、当接部位に付勢手段の一端を当接させるという比較的簡易な組み立て操作で、切替部材の付勢を実現できる。
【0021】
本願のガス栓の更なる特徴構成は、
前記閉止部材は、前記筒状筐体の内側に、前記ガス流出部からのガスの過流出を防止する過流出防止弁を有する過流出防止ユニット、又は前記ガス流通路でのガス圧を検知する検圧プラグを、螺合接続する螺合部位を有する点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、閉止部材の螺合部位に、過流出防止ユニット又は検圧プラグを螺合接続できるから、当該閉止部材を筒状筐体の開口部位に装着することで、過流出防止ユニット又は検圧プラグを、筒状筐体の内部の適切な位置に位置させ、その機能を発揮させることができる。
結果、ガス流通路において、過流出防止ユニットや検圧プラグを位置決めする機構を、簡素化できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のガス栓200は、
図2に示すガス栓200の閉止状態において、ガスの流出をより適切に防止することができるものに関する。
【0025】
<第1実施形態>
ガス栓200は、
図1、2に示すように、ガス流出端3を先端部とする第1ガス流路部位1aを有すると共に当該第1ガス流路部位1aを閉止及び開放するスライド弁Gを内部に有するガス栓先端部材4と、第1ガス流路部位1aに上流側で連通接続する第2ガス流路部位1bを有するガス栓基端部材5とから成るガス栓本体2とを備えている。
以下、第1ガス流路部位1aと第2ガス流路部位1bとを合わせた流路を、ガス流通路1とする。
ガス栓200は、当該ガス栓200にガス接続具100を装着(
図2の状態)することで、ガス流通路1を開放し、ガス流通路1でのガス流通によりガス接続具100に接続されたガス器具(図示せず)へのガス供給を行い、ガス栓200からガス接続具100を取り外す(
図1の状態)ことで、ガス流通路1を閉止し、ガス流通路1でのガス流通を停止してガス器具へのガス供給を停止する、所謂ガスコンセントとして構成されている。
以下、まず、ガス栓200に対して装着及び取り外し自在なガス接続具100について説明する。当該ガス接続具100は、既に公知の構成であるので、詳細な説明は省略して簡単に説明する。
【0026】
ガス接続具100は、第1コイルバネ101により前方側(
図1、2で矢印Xの基端側)に付勢される突出部材102と、ロック用ボール103と、ロック用ボール103の位置を径方向の内側から規制するとともに、ガス栓先端部材4に当接して押圧されて引退する内径部材104と、ガス栓200に装着される際にスライド弁Gを押圧する棒状の押圧部105とを備えている。
【0027】
ガス接続具100をガス栓200に装着する場合、
図1、2に示すように、ガス栓先端部材4が内径部材104に当接して内径部材104を第2コイルバネ106の付勢力に抗して引退させる。内径部材104の引退によりロック用ボール103が径方向の内側に移動して、ガス栓先端部材4に形成された嵌込溝2aにロック用ボール103が嵌まり込み、突出部材102が第1コイルバネ101の付勢力により前方側(
図1、2で矢印Xの基端側)に突出する。このように、ガス接続具100がガス栓200に外嵌装着される。結果、ガス接続具100がガス栓200に装着される際、ガス接続具100の押圧部105にてスライド弁Gが押圧される。この押圧部105によるスライド弁Gに対する押圧により、スライド弁Gが、ガス流通路1のガス流通方向に沿ってガス流通路1の上流側(
図1、2で矢印Xの基端側)に移動して、閉じ位置(
図1に示す位置)から開き位置(
図2に示す位置)に移動することになり、ガス流通路1が開弁されてガス器具へのガス供給が行われる。
【0028】
ガス接続具100をガス栓200から取り外す場合、突出部材102を第1コイルバネ101の付勢力に抗して押込操作(
図1、2で矢印Xの先端側への押込操作)することで、嵌込溝2aへのロック用ボール103の嵌まり込みが解除されるので、ガス接続具100をガス栓200から取り外すことができる。そして、ガス接続具100をガス栓200から取り外すと、スライド弁Gに対する押圧部105による押圧が解除され、スライド弁Gが、第1付勢部材F1の付勢力により、ガス流通路1のガス流通方向に沿ってガス流通路1の下流側(
図2で矢印Xの先端側)に移動し、スライド弁Gが、開き位置から閉じ位置へ復帰されてガス流通路1が閉弁される。
【0029】
ガス栓200のガス流通路1には、
図1、2、3に示すように、ガス栓200のガス流通路1を閉止するシール機構Sと、ガス流通路1でのガス流量が一定以上の過流量となった場合にガス流通を停止する過流出防止機構Hと、上述のスライド弁Gとが、上流側から記載の順に設けられている。また、スライド弁Gには、ガス接続具100のガス栓200からの取り外しが行われた場合に作動状態の過流出防止機構Hを非作動状態へリセットさせるリセット操作を行うリセット手段としての嵌合開口部G3が設けられている。
【0030】
説明を追加すると、過流出防止機構Hとシール機構Sとを内部に有するユニットUが、ガス栓先端部材4の上流端(
図1、2で矢印Xの基端側)の内周面に対し螺合接続可能に構成されており、当該ガス栓先端部材4が、自身に螺合接続されたユニットUを、ガス栓基端部材5の第2ガス流路部位1bの内部に配設する状態で、ガス栓基端部材5に螺合接続される。
【0031】
ユニットUは、下流端(
図1、2で矢印Xの先端側)に第1ガス流路部位1aに連通する下流側開口部U1aを有すると共にその外側周面に上流側開口部U1bを有する筒状の筐体U1を有する。筐体U1は、その下流側の外周面に形成される雄螺子部U1cを備え、当該雄螺子部U1cがガス栓先端部材4の上流端の内周面に形成される雌螺子部U1dに気密に螺合する。これにより、ガス流通路1を通流するガスのすべては、筐体U1の上流側開口部U1bから流入し下流側開口部U1aから流出する。
【0032】
筐体U1の内部には、ガス流通路1の上流側に位置する上流側ガス流入部S1a(開口部の一例)を外側周面に有すると共にガス流通路1の下流側に位置する下流側ガス流出部S1b(開口部の一例)を有する筒状部材S1(壁部の一例)が設けられる。
ここで、筒状部材S1は、その上流側ガス流入部S1aが筐体U1の外側周面の上流側開口部U1bに対向すると共に、その下流側ガス流出部S1bが筐体U1の下流側開口部U1aに対向する状態で、筐体U1に螺合接続される。これにより、ガス流通路1を通流するガスの圧力損失を低減している。ここで、筒状部材S1の外側周面とは、筒状部材S1の両端面を除く外側の面を意味する。
尚、筒状部材S1は、その筒軸心がガス流通路1のガス流通方向(
図1、2で矢印X方向)に沿う方向に設けられている。
筒状部材S1の外側には、その外側周面に沿う状態で摺動する切替部材S2が、第3付勢部材F3により下流側(
図1、2で矢印Xの先端側)へ付勢されると共に、その下流端がスライド弁Gの上流端に当接する状態で備えられている。これにより、切替部材S2は、閉じ位置(
図1に示す位置)と開き位置(
図2に示す位置)との間でのスライド弁Gの移動に対応して、筒状部材S1の上流側ガス流入部S1aを閉止する閉止状態と開放する開放状態との間で切り換え可能に構成される。
即ち、上記筒状部材S1と切替部材S2とが、ガス流通路1の閉止状態において、ガスの漏洩をより確実に防止するシール機構Sとして機能する。
【0033】
尚、筐体U1には、その内周部に形成される凹入部U1eに嵌まり込む摺動用ボールU1fが設けられている。当該摺動用ボールU1fは、切替部材S2の外周面に当接し、切替部材S2の筒状部材S1の外側周面に沿う摺動移動を円滑にする働きをする。
【0034】
筒状部材S1の内部には、
図4に示すように、ガス流通を許容する非作動状態(
図4(a)(b)に示す状態)とガス流通を阻止する作動状態(
図4(c)に示す状態)とが切替自在な過流出防止弁H2と、当該過流出防止弁H2をガス流通路1のガス流通方向に摺動自在に支持する支持部位H4とが備えられている。
支持部位H4は、その内部がガス流通路1のガス流通方向に貫通する円筒状に形成されている。支持部位H4の上流側部位は、過流出防止弁H2の軸部H2aに外嵌して、ガス流通路1のガス流通方向に移動自在に過流出防止弁H2を支持している。
【0035】
過流出防止弁H2は、第2付勢部材F2により、下流側に位置する作動状態(
図4(c)に示す状態)から上流側に位置する非作動状態(
図4(a)(b)に示す状態)に復帰するように付勢されており、支持部位H4に当接することで、非作動状態に保持されている。そして、過流出防止弁H2は、ガス流量が一定以上の過流量となると、そのガス流量の流動圧によって非作動状態から作動状態に移行自在に備えられており、作動状態に移行した過流出防止弁H2は、スライド弁Gに設けられる嵌合開口部G3に嵌合してガス流通を阻止している。
作動状態にある過流出防止弁H2は、スライド弁Gの開き位置から閉じ位置への移動(
図4(c)から(d)への移動)に伴って、嵌合開口部G3への過流出防止弁H2の嵌合が解除され、第2付勢部材F2により上流側に復帰付勢されることにより、上流側に位置する非作動状態(
図4(d)の状態)へリセットされる。
即ち、本発明にあっては、スライド弁Gの嵌合開口部G3、及び当該スライド弁Gを開き位置から閉じ位置へ付勢する第1付勢部材F1が、リセット手段Rとして働く。
【0036】
スライド弁Gは、ガス栓先端部材4の第1ガス流路部位1aを閉止する閉止位置(
図1に示す位置)と開放する開放位置(
図2に示す位置)との間で移動自在な弁体部G1と、当該弁体部G1に軸部で連結されると共に第1ガス流路部位1aの内周面に沿って摺動移動自在な円環状の摺動部G2と、当該摺動部G2の内径部位に形成されると共に過流出防止弁H2が嵌合する嵌合開口部G3とを備えている。
摺動部G2は、その外周面に沿ってリング状のシール部材G4を有しており、その外周面と第1ガス流路部位1aとの間でのガスの流通が阻止される。また、摺動部G2は、弁体部G1が開き位置に位置する場合、ユニットUの筐体U1と筒状部材S1との間に形成される隙間1c(
図2に図示)に嵌まり込み、当該隙間1cから下流側へのガスの流出が阻止される。
これにより、弁体部G1が開き位置(
図4(b)に示す位置)に位置する場合、ガス流通路1を通流するガスのすべては、嵌合開口部G3を通過することになる。この状態で、ガスの流量が一定以上の過流量になると、
図4(c)に示すように、嵌合開口部G3に過流出防止弁H2が嵌合し、嵌合開口部G3から下流側へのガスの流出が阻止される。
【0037】
以下、
図4に基づいて、スライド弁G、過流出防止機構H、リセット手段の動作について説明する。
図4(a)は、ガス接続具100をガス栓200から取り外している状態であり、
図4(b)は、ガス接続具100をガス栓200に装着した状態であり、
図4(c)は、ガス接続具100をガス栓200に装着しているときに、過流出防止弁H2が非作動状態から作動状態へ移行した状態であり、
図4(d)は、ガス接続具100をガス栓200から取り外したときにリセット操作が行われる状態である。
【0038】
図4(a)に示すように、ガス接続具100をガス栓200から取り外している場合、スライド弁Gの弁体部G1が閉じ位置に位置しており、ガス流通路1が弁体部G1により閉止されている。また、切替部材S2が、その内周面により、筒状部材S1の外側周面に形成されている上流側ガス流入部S1aを閉止している。
即ち、
図4(a)に示す状態では、ガス流通路1は、弁体部G1のガス流通路1の内周面への着座と、切替部材S2の内周面による筒状部材S1の外側周面のシールとの双方により、確実に閉止されている。
このとき、過流出防止弁H2は、スライド弁Gの嵌合開口部G3から離間した非作動状態にある。
【0039】
図4(b)に示すように、ガス接続具100をガス栓200に装着すると、ガス接続具100の押圧部105がスライド弁Gの弁体部G1をガス流通路1の上流側に押圧して、スライド弁Gの弁体部G1が閉じ位置から開き位置へ移動し、ガス流通路1を開弁させる。これに伴い、スライド弁Gの摺動部G2が、切替部材S2をガス流通路1の上流側へ押圧し、上流側ガス流入部S1aが開放状態となる。
【0040】
図4(c)に示すように、ガス流通路1に一定以上のガスが流通したときには、非作動状態にあった過流出防止弁H2が、スライド弁Gの嵌合開口部G3に嵌合して、当該嵌合開口部G3を閉止する作動状態となり、ガスの過流出が防止される。
【0041】
図4(c)に示す状態において、ガス接続具100がガス栓200から取り外されると、
図4(d)に示すように、押圧部105によるスライド弁Gの弁体部G1の上流側への押圧が解除され、スライド弁Gの弁体部G1が開き位置から閉じ位置へ移動する。
これに伴い、スライド弁Gの摺動部G2による切替部材S2の上流側への押圧が解除され、切替部材S2が筒状部材S1の上流側ガス流入部S1aを閉止する閉止位置に移動する。
また、スライド弁Gの嵌合開口部G3が下流側(
図4(d)で矢印Xの先端側)へ移動することにより、嵌合開口部G3への過流出防止弁H2の嵌合が解除され、当該嵌合開口部G3が開放され、作動状態の過流出防止弁H2を非作動状態に移行させるリセット操作が実行される。
【0042】
<第2実施形態>
第2実施形態のガス栓200は、ガス管11に直接接続可能なユニット構造体Kを備えている点に特徴があるものであるが、基本的な機能に関しては、上述の第1実施形態のものと変わるところがない。
以下の説明では、上記第1実施形態のガス栓200と重複する構成に関しては、同一の符号を付ることとし、その説明を割愛することがある。
【0043】
ガス栓200は、
図5.6に示すように、内部にガス導入路10(ガス流通路の一例)を有するガス管11と、当該ガス導入路10からガスを受け入れるガス流路13(ガス流通路の一例)を内部に有する筒状連結体12(ガス栓本体の一例)と、ガス流路13のガス流出端12aに気密に接続されるユニット構造体K(ガス栓本体の一例)とから構成されており、当該ユニット構造体Kに、ガス接続具100を装着(
図6の状態)ガス栓200は、当該ガス栓200にガス接続具100を装着(
図6の状態)することで、ガス流路13を開放し、ガス流路13でのガス流通によりガス接続具100に接続されたガス器具(図示せず)へのガス供給を行い、ガス栓200からガス接続具100を取り外す(
図5の状態)ことで、ガス流路13を閉止し、ガス流路13でのガス流通を停止してガス器具へのガス供給を停止する、所謂ガスコンセントとして構成されている。
【0044】
ユニット構造体Kは、
図5、6、7に示すように、基端側部位をガス流路13の内部に配設する状態でガス流出端12aに螺合部位K1cを介して気密に螺合接続され、基端側部位の筒軸心回りの筒周部位にガス流路13からガス流入可能なガス流入部K1bを有すると共に、ガス流路13の外部位置する先端側部位から外部へのガス流出可能なガス流出部K1dを有する筒状筐体K1を備えている。当該筒状筐体K1は、その筒軸心(
図5、6で直線P)がガス流路13の流路軸心(
図5、6で直線P)に沿って備えられる。
尚、
図5、6において、基端側部位は、螺合部位K1cに対して、ガス流れ方向で上流側(
図5、6で矢印Xの矢示逆側)の部位であり、先端側部位は、上流側(
図5、6で矢印Xの矢示側)の部位である。
【0045】
筒状筐体K1の内部には、その筒軸心に沿って、ガス流出部K1dを閉止する閉止位置と開放する開放位置とで移動するスライド弁Gが備えられると共に、筒状筐体K1の筒内周部位に沿って摺動可能であり、スライド弁Gの閉じ位置と開き位置との間での移動に対応して、ガス流入部K1bを閉止する閉止状態と開放する開放状態とを切り替える切替部材K4とを備えている。
当該切替部材K4は、その先端側端部(
図5、6で矢印Xの矢示側の端部)が、スライド弁Gの基端側端部(
図5、6で矢印Xの矢示逆側の端部)に当接すると共に、後述する第3付勢部材F3により先端側(
図5、6で矢印Xの矢示側)へ付勢されている。これにより、切替部材K4は、スライド弁Gの移動に対応して、移動可能となっている。
説明を追加すると、切替部材K4は、
図5、6、7に示すように、その筒周部位に、切欠部K4aを備えており、スライド弁Gがガス流出部K1dを閉止する閉止位置に位置する状態(
図5に示す状態)では、切欠部K4aが、筒軸心に沿う方向(
図5、6で矢印Xに沿う方向)で、筒状筐体K1の筒周部位のガス流入部K1bとズレて位置し、当該ガス流入部K1bからのガスの流入を阻止する。
一方、スライド弁Gがガス流出部K1dを開放する開放位置に位置する状態(
図6に示す状態)では、切欠部K4aが、筒軸心に沿う方向で、筒状筐体K1の筒周部位のガス流入部K1bに重畳して位置し、当該ガス流入部K1bからのガスの流入を許容する。
【0046】
このようにして、スライド弁Gによるガス流出部K1dの閉止と開放に対応して、切替部材K4がガス流入部K1bを閉止及び開放させるから、特に、スライド弁Gがガス流出部K1dを閉止しているときには、切替部材K4もガス流入部K1bを閉止し、2重のシールが行われ、ガスの漏洩を強固に防止する。
【0047】
尚、切替部材K4は、筒状筐体K1の内周部位に形成されるボール用凹欠部K1fに嵌り込む摺動用ボールK1eにより、軸心方向での摺動移動を補助されている。
【0048】
ここで、スライド弁Gに関し説明を追加すると、スライド弁Gは、ガス流出部K1dを閉止する弁体部G1、筒状筐体K1の内周部位をシールするシール部材G4、スライド弁Gの基端側端部に位置し筒状筐体K1の内周部位に沿って摺動自在な摺動部G2が設けられている。
当該摺動部G2は、その一部が、切替部材K4の先端側端部(
図5、6で矢印Xの矢示側の端部)に当接すると共に、スライド弁Gがガス流出部K1dを開放する開放位置に位置する状態(
図6に示す状態)においては、筒状筐体K1とユニット筐体K3との間に嵌り込み、筒状筐体K1とユニット筐体K3との間の隙間K4b(
図6に図示)から、ガスが下流側へ漏洩することを防止している。
【0049】
筒状筐体K1は、その基端側端部に、開口部位K2aを備えており、当該開口部位K2aは、閉止部材K2が螺合されて閉止自在に構成されている。
当該開口部位K2aは、閉止部材K2を取り外した状態において、筒状筐体K1の内部に、上述した、スライド弁G、切替部材K4、リング状部材K5を介して切替部材K4を下流側(
図5、6で矢印Xの矢示側)に付勢する第3付勢部材F3等を、挿入可能な口径とされている。これにより、ユニット構造体の組み立て操作性を向上させている。
閉止部材K2は、筒状筐体K1の内側に、ユニット筐体K3の雄螺子部K3aを螺合固定する螺合部位K2bを備えている。開口部位K2aから、スライド弁G、第1付勢部材F1、切替部材K4、リング状部材K5、第3付勢部材F3を順に挿入した後、当該開口部位K2aを、後述するユニット筐体K3を装着した閉止部材K2にて閉止して、ユニット構造体Kを組み立てる。これにより、過流出防止弁H2等を装着自在なユニット筐体K3を、閉止部材K2に螺合させた状態で、筒状筐体K1に螺合固定できるから、例えば、過流出防止弁H2と筒状筐体K1の芯出しを容易にしている。更に、閉止部材K2は、リング状部材K5を介して、切替部材K4を付勢する第3付勢部材F3の一端が当接する当接部位K2cを備えている。
【0050】
ユニット筐体K3は、筒軸心Pに沿う方向(
図5、6で矢印Xの矢示方向)で、ガス流入部K1bと重畳する位置に、ガス通流部K3bを備えており、ガス流入部K1bから流入したガスは、当該通流部K3bからユニット筐体K3の内部に流入可能に構成されている。
【0051】
ユニット筐体K3は、
図5、6、7、8に示すように、ガス流路13を通流するガス流量が一定以上となったときにガス流通を阻止する過流出防止機構H、及び作動状態にある過流出防止機構Hを非作動状態にリセットするリセット手段Rを備えている。
【0052】
ユニット筐体K3の内部には、
図5、6、7、8に示すように、ガス流通を許容する非作動状態(
図8(a)(b)に示す状態)とガス流通を阻止する作動状態(
図8(c)に示す状態)とが切替自在な過流出防止弁H2と、当該過流出防止弁H2をガス流路13のガス流通方向に摺動自在に支持する支持部位H4とが備えられている。
支持部位H4は、その内部がガス流路13のガス流通方向に貫通する円筒状に形成されている。支持部位H4の上流側部位は、過流出防止弁H2の軸部H2aに外嵌して、ガス流路13のガス流通方向に移動自在に過流出防止弁H2を支持している。
【0053】
過流出防止弁H2は、第2付勢部材F2により、下流側に位置する作動状態(
図8(c)に示す状態)から上流側に位置する非作動状態(
図8(a)(b)に示す状態)に復帰するように付勢されており、支持部位H4に当接することで、非作動状態に保持されている。そして、過流出防止弁H2は、ガス流量が一定以上の過流量となると、そのガス流量の流動圧によって非作動状態から作動状態に移行自在に備えられており、作動状態に移行した過流出防止弁H2は、スライド弁Gの上流側に設けられる嵌合開口部G3に嵌合してガス流通を阻止している。
作動状態にある過流出防止弁H2は、スライド弁Gの開き位置から閉じ位置への移動(
図8(c)から(d)への移動)に伴って、嵌合開口部G3への過流出防止弁H2の嵌合が解除され、第2付勢部材F2により上流側に復帰付勢されることにより、上流側に位置する非作動状態(
図8(d)の状態)へリセットされる。
即ち、本発明にあっては、スライド弁Gの嵌合開口部G3、及び当該スライド弁Gを開き位置から閉じ位置へ付勢する第1付勢部材F1が、リセット手段Rとして働く。
【0054】
上述したように、スライド弁Gは、弁体部G1と、摺動部G2に加え、当該摺動部G2の内径部位に形成されると共に過流出防止弁H2が嵌合する嵌合開口部G3を備えている。これにより、弁体部G1が開き位置(
図5に示す位置)に位置する場合、ガス流路13を通流するガスのすべては、嵌合開口部G3を通過することになる。この状態で、ガスの流量が一定以上の過流量になると、
図8(c)に示すように、嵌合開口部G3に過流出防止弁H2が嵌合し、嵌合開口部G3から下流側へのガスの流出が阻止される。
【0055】
以下、
図8に基づいて、スライド弁G、過流出防止機構H、リセット手段Rの動作について説明する。
図8(a)は、ガス接続具100をガス栓200から取り外している状態であり、
図8(b)は、ガス接続具100をガス栓200に装着した状態であり、
図8(c)は、ガス接続具100をガス栓200に装着しているときに、過流出防止弁H2が非作動状態から作動状態へ移行した状態であり、
図8(d)は、ガス接続具100をガス栓200から取り外したときにリセット操作が行われる状態である。
【0056】
図8(a)に示すように、ガス接続具100をガス栓200から取り外している場合、スライド弁Gの弁体部G1が閉じ位置に位置しており、ガス流路13が弁体部G1により閉止されている。また、切替部材K4が、その内周面により、筒状筐体K1のガス流入部K1bを閉止している。
即ち、
図8(a)に示す状態では、ガス流路13は、スライド弁Gのガス流出部K1dへの着座と、切替部材K4の内周面による筒状筐体K1の外側周面のシールとの双方により、確実に閉止されている。
このとき、過流出防止弁H2は、スライド弁Gの嵌合開口部G3から離間した非作動状態にある。
【0057】
図8(b)に示すように、ガス接続具100をガス栓200に装着すると、ガス接続具100の押圧部105がスライド弁Gをガス流路13の上流側に押圧して、スライド弁Gが閉じ位置から開き位置へ移動し、ガス流路13を開弁させる。これに伴い、スライド弁Gの摺動部G2が、切替部材K4をガス流路13の上流側へ押圧し、ガス流入部K1bが開放状態となる。
【0058】
図8(c)に示すように、ガス流路13に一定以上のガスが流通したときには、非作動状態にあった過流出防止弁H2が、スライド弁Gの嵌合開口部G3に嵌合して、当該嵌合開口部G3を閉止する作動状態となり、ガスの過流出が防止される。
【0059】
図8(c)に示す状態において、ガス接続具100がガス栓200から取り外されると、
図8(d)に示すように、押圧部105によるスライド弁Gの上流側への押圧が解除され、スライド弁Gが開き位置から閉じ位置へ移動する。
これに伴い、スライド弁Gの摺動部G2による切替部材K4の上流側への押圧が解除され、切替部材K4が筒状筐体K1のガス流入部K1bを閉止する閉止位置に移動する。
また、スライド弁Gの嵌合開口部G3が下流側(
図8(d)で矢印Xの先端側)へ移動することにより、嵌合開口部G3への過流出防止弁H2の嵌合が解除され、当該嵌合開口部G3が開放され、作動状態の過流出防止弁H2を非作動状態に移行させるリセット操作が実行される。
【0060】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態にあっては、筒状部材S1の外側周面に上流側ガス流入部S1aを備えると共に、筒状部材S1の下流側端部に下流側ガス流出部S1bを備える構成を示した。
当該筒状部材S1の別の構成としては、筒状部材S1の外側周面に上流側ガス流入部S1a及び下流側ガス流出部S1bの双方を備えても構わない。
【0061】
(2)上記実施形態においては、ガス流通路1は、そのガス流通方向がガス栓本体2の軸心に沿う直線状に形成されている例を示した。しかしながら、ガス栓本体2がL字状に屈曲している場合、ガス流通路1は、ガス流通方向が当該ガス栓本体2の形状に合わせてL字状に形成しても構わない。
【0062】
(3)また、本願のガス栓200は、従来技術で示した特許文献1の
図6に示しているように、プッシュプッシュ式のガス栓200にも適用可能である。
【0063】
(4)上記実施形態では、切替部材K4は、ユニット筐体K3と別体に設けられ、螺合部位K2bにて螺合するように構成した。しかしながら、部品点数を減らし構成を簡略化すると共に、筒状筐体K1とユニット筐体K3の芯ズレを防止する意味からは、これらを一体に構成しても構わない。
【0064】
(5)上記実施形態では、ユニット構造体Kは、筒状連結体12にてガス管11に連結され、ガス管11を成す例を示したが、別に、筒状連結体12を介さず、ユニット構造体Kを直接ガス管11に連結する構成を採用しても構わない。
この場合、ガス管11のガス導入路10のガス導入端が、ガス流出端となり、ガス管11のガス導入路10は、ガス流路13に含まれる概念となる。