(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る照明ランプ及び照明装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、
図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明ランプ1を示す一側面断面図、
図2は、実施の形態1に係る照明ランプ1を示す他側面断面図である。この
図1、
図2に基づいて、照明ランプ1について説明する。
図1、
図2に示すように、照明ランプ1は、光源3と、グローブ4と、筐体5と、放熱蓋8と、口金部9と、点灯回路ユニット10と、係合部材13とを備えている。
【0013】
(光源3)
このうち、光源3は、例えば発光ダイオード(以下、LED)3aを発光手段としており、光源3は、このLED3aと、LED3aが載置されたLED基板3bとを備えている。また、光源3は、点灯回路ユニット10と電気的に接続され、点灯回路ユニット10から駆動電力を光源3に供給するためのワイヤーハーネス又はコネクタ等の配線部材(図示せず)も備えている。そのほかに、光源3は、LED3aを筐体5に取り付けるための螺子14等の取付部材及び照明ランプ1の設計仕様に応じて適宜必要となる電子部品(図示せず)等も備えている。LED基板3bには、基板螺子孔3baと基板通線孔3bbとが形成されており、基板螺子孔3baには、螺子14が挿通され、基板通線孔3bbには、配線部材が通されている。なお、本実施の形態1では、光源3の発光手段としてLED3aを使用しているが、例えば、光源3の発光手段として、レーザーダイオード又は有機EL等を使用してもよい。
【0014】
(グローブ4)
また、グローブ4は、ドーム状(曲面形状)をなしており、光源3全体を覆っている。このグローブ4は、ガラス又は樹脂等の素材で形成され、透光性を有しており、LED3aから出射される光を透過するものである。このグローブ4が、樹脂である場合、樹脂素材として、ポリカーボネート又はアクリル等が、製品仕様に応じて選択される。
【0015】
なお、このグローブ4は、照明ランプ1の仕様に応じて、LED3aから出射される光に、拡散、集光又は反射等の作用を及ぼすように構成されてもよい。そして、これらの拡散、集光又は反射等の機能は、グローブ4の基材であるガラス又は樹脂等に、拡散層若しくは拡散面、レンズ又は反射層若しくは反射面等の処理を、基材に直接施すことによって、得られてもよい。また、拡散、集光又は反射等の機能は、グローブ4の基材の表面に、基材とは別の部材を設け、これらを組み合わせることによって、得られてもよい。
【0016】
(筐体5)
次に、筐体5について説明する。筐体5は、筒状をなしており、第1の筐体部6と第2の筐体部7とを備えており、一端部に光源3が載置され、他端部に口金部9が設けられている。
【0017】
(第1の筐体部6)
このうち、第1の筐体部6は、点灯回路ユニット10を内部に収容するハウジングであり、例えば、プラスチック等の樹脂素材を用いて成形されたものである。そして、この第1の筐体部6は、上記のとおり、筒状をなしており、内部に空間が形成されていると共に、両端部が開口している。そして、第1の筐体部6は、光源3側の端部の開口から点灯回路ユニット10が挿入されることにより、第1の筐体部6の内部に、点灯回路ユニット10が設置される。なお、第1の筐体部6は、光源3側の端部から軸Oに対し平行(矢印Z方向)に延び、途中から徐々に縮径した錘状部6fを有し、この錘状部6fの終端から、他端部まで軸Oに平行(矢印Z方向)に延びている。また、第1の筐体部6の光源3側の端面には、更に、螺子14を受ける螺子受けであるボス6eと、このボス6eに形成された筐体螺子孔6dが設けられている。
【0018】
(スリット61)
また、第1の筐体部6において、光源3側の端面には、例えばこの端面から第1の筐体部6の長手方向(矢印Z方向)にかけて、矩形状のスリット61が形成されている。このスリット61は、第1の筐体部6の端面に、筐体5の軸Oに対称に、2個形成されている。このように、スリット61は、複数形成されていてもよいし、単数でも良い。
【0019】
(第2の筐体部7)
また、第2の筐体部7は、第1の筐体部6の外周を覆い、第1の筐体部6からの熱を放熱するヒートシンクであり、例えば、アルミニウム合金等の金属素材で成形される。なお、第2の筐体部7は、酸化アルミニウム(アルミナ)等の熱伝導性材料が混合されたセラミック素材等を用いて構成してもよい。この第2の筐体部7は、筒状をなしており、内部に空間が形成されていると共に、両端部が開口している。そして、第2の筐体部7の内部に第1の筐体部6が挿入されている。その際、第1の筐体部6は、第2の筐体部7におけるいずれの端部から挿入されてもよい。なお、第2の筐体部7は、第1の筐体部6における錘状部6fを、覆っていない。
【0020】
(溝部71)
そして、この第2の筐体部7においても、光源3側の端面には、例えばこの端面から第2の筐体部7の長手方向(矢印Z方向)にかけて、溝部71が形成されている。この溝部71は、第2の筐体部7の端面に、筐体5の軸Oに対称に、2個形成されている。このように、溝部71は、複数形成されていてもよい。なお、第1の筐体部6と第2の筐体部7とは、スリット61と溝部71とが重なるように位置決めされている。
【0021】
(放熱蓋8)
次に、放熱蓋8について説明する。放熱蓋8は、第2の筐体部7における溝部71が形成されている側、即ち光源3側の端部に取り付けられ、この第2の筐体部7の端部を塞ぐものである。また、この放熱蓋8には、光源3におけるLED基板3bが載置され、これにより、放熱蓋8は、光源3から発生する熱を放熱する。放熱蓋8には、LED基板3bにおける基板螺子孔3ba及び基板通線孔3bbに対応する位置に、夫々蓋螺子孔8a及び蓋通線孔8bが設けられている。そして、螺子14は、基板螺子孔3ba及び蓋螺子孔8aに挿通され、筐体螺子孔6dに螺合される。また、配線部材(図示せず)は、基板通線孔3bb及び蓋通線孔8bに通されている。なお、螺子14は、蓋螺子孔8aのみに挿通されて、筐体螺子孔6dに螺合されてもよい。この場合、LED基板3bは、接着部材又は接着テープ等を用いて、放熱蓋8に接着されるように構成することができる。
【0022】
また、放熱蓋8は、光源3からの発熱を考慮して、熱容量の確保及び効率的な放熱を得るため、金属材料等の熱伝導性材料で構成される。なお、放熱蓋8においては、製品の設計仕様又は目的により、金属材料以外の材料を選択することもできる。例えば、第1の筐体部6の内部に設置される点灯回路ユニット10は、光源3から発生する熱の影響を受けるが、放熱蓋8が、樹脂材料等で構成される場合、この影響を軽減する遮熱又は断熱の効果を奏する。更に、放熱又は遮熱がそこまで要求されない照明ランプ1では、放熱蓋8を省いてもよい。これにより、材料コストの削減及び組立工数の削減を図ることができる。
【0023】
(口金部9)
次に、口金部9について説明する。口金部9は、筒状をなしており、その側面が波形状となっている。そして、この口金部9は、第1の筐体部6の他端部に嵌合している。なお、口金部9は、第1の筐体部6における錘状部6fとは嵌合されておらず、第2の筐体部7とは接触していない。即ち、第2の筐体部7と口金部9とは、第1の筐体部6における錘状部6fにより、電気的に絶縁されている。
【0024】
また、口金部9の他端部には、配線部材(図示せず)を通すための口金通線孔9aが設けられている。そして、この口金通線孔9aの先端には、口金通線孔9aの先端を封止する中心電極9bが設けられており、口金通線孔9aに通された配線部材によって、中心電極9bと、点灯回路ユニット10とが電気的に接続されている。なお、中心電極9bは、配線部材と、口金部9の他端部とを半田等で接合することにより設けられたものである。そして、この口金部9は、照明器具(例えば、ソケット)(図示せず)に取り付けられることにより、照明器具を経由して、商用電力を照明ランプ1に入力する入力端となる。
【0025】
(点灯回路ユニット10)
次に、点灯回路ユニット10について説明する。点灯回路ユニット10は、回路基板11を備え、光源3を駆動するものである。この回路基板11には、商用電力である交流電力を、LED3aを駆動するための直流電力に変換するAC−DCコンバータ回路(図示せず)が実装されている。また、そのほかに、点灯回路ユニット10は、口金部9と電気的に接続され、口金部9から商用電力を点灯回路ユニット10に供給するためのワイヤーハーネス又はコネクタ等の配線部材(図示せず)も備えている。そして、この点灯回路ユニット10は、口金部9から入力された商用電力を駆動電力(直流電力)に変換し、光源3に供給する。なお、LED3aを安定的に駆動するため、負荷変動の検出機能、AC−DCコンバータ回路から出力される駆動電流を負荷変動に応じて制御する制御機能、及び商用電力の供給経路を介して流入又は流出するノイズを除去又は低減するフィルタ機能等を、点灯回路ユニット10に搭載してもよい。これらの機能は、電解コンデンサ等の回路部品で実現される。なお、光源3の発光手段として、レーザーダイオード又は有機EL等を用いる場合には、それらに適した点灯回路ユニット10を用いて、光源3を点灯させる。
【0026】
(回路基板11、突出部12)
次に、回路基板11について詳細に説明する。回路基板11は、第1の筐体部6の光源3側の端部の開口から挿入されるものであり、第1の筐体部6の内部に設置される。点灯回路ユニット10の回路基板11は、第1の樹脂部の内形に沿う形状を有しており、その端部且つ両側部から、第1の筐体部6の径方向(図中の矢印X方向)に延びる突出部12を備えている。この突出部12は、第1の筐体部6のスリット61に係合し、これにより、回路基板11が、第1の筐体部6に固定される。なお、第1の筐体部6の内面6gと、回路基板11に実装された回路部品(図示せず)との間には、所定の間隙が設けられており、回路基板11は、回路部品に機械的応力が加わることなく、第1の筐体部6の内部に固定されている。なお、回路基板11に突出部12を設けず、例えば、樹脂封止する等の方法で、第1の筐体部6に、回路基板11を保持する保持構造を形成することによって、回路基板11が保持されてもよい。
【0027】
(係合部材13)
次に、係合部材13について説明する。係合部材13は、棒状をなしており、第1の筐体部6におけるスリット61、及び第2の筐体部7における溝部71に係合する。このように、係合部材13がスリット61及び溝部71に係合するとき、係合部材13の長手方向は、筐体5の径方向を向いている。また、スリット61及び溝部71は、いずれも、筐体5の軸Oに対称に、夫々第1の筐体部6及び第2の筐体部7に、2個設けられている。このため、係合部材13が、これらのスリット61及び溝部71に係合すると、係合部材13は、筐体5の軸Oと交差した状態となる。更に、スリット61及び溝部71は、夫々第1の筐体部6及び第2の筐体部7における光源3側の端面に形成されている。このため、係合部材13が、スリット61及び溝部71に係合することにより、筐体5における光源3側で、第1の筐体部6と第2の筐体部7との相互の回転が規制される。このように、係合部材13は、第1の筐体部6と第2の筐体部7との相互の回転を規制する回転規制部である。
【0028】
なお、係合部材13の素材及び形状等は、所定の強度を有する上で、適宜決定される。また、係合部材13の製造方法は、選択される素材及び形状等に応じて、射出成形法、押出成形法又はプレス成形法等が、適宜決定される。なお、係合部材13には、光源3から発生する熱を、第1の筐体部6に伝達する伝熱機能を付加してもよいし、光源3から発生する熱が、点灯回路ユニット10に伝達することを抑制する遮熱機能を付加してもよい。
【0029】
(寸法)
次に、各部材の寸法について説明する。
図3(a)、(b)、(c)、(d)は、実施の形態1に係る照明ランプ1の各部材を示す一側面断面図、
図4(a)、(b)、(c)、(d)は、実施の形態1に係る照明ランプ1の各部材を示す他側面断面図である。
図3のうち、
図3(a)は、係合部材13を示す一側面断面図、
図3(b)は、回路基板11を示す一側面断面図、
図3(c)は、第1の筐体部6を示す一側面断面図、
図3(d)は、第2の筐体部7を示す一側面断面図である。また、
図4のうち、
図4(a)は、係合部材13を示す他側面断面図、
図4(b)は、回路基板11を示す他側面断面図、
図4(c)は、第1の筐体部6を示す他側面断面図、
図4(d)は、第2の筐体部7を示す他側面断面図である。
【0030】
図3(a)、
図4(a)に示すように、係合部材13において、係合部材13の幅(矢印X方向の長さ)をW5、高さ(矢印Z方向の長さ)をL5、奥行き(矢印Y方向の長さ)をD2とする。また、
図3(b)、
図4(b)に示すように、回路基板11において、回路基板11の突出部12を含む部分の幅(矢印X方向の長さ)をW1、回路基板11の突出部12を除く部分の幅(矢印X方向の長さ)をW2、一方の突出部12の幅(矢印X方向の長さ)をW3、他方の突出部12の幅(矢印X方向の長さ)をW4、一方の突出部12の高さ(矢印Z方向の長さ)をL1、他方の突出部12の高さ(矢印Z方向の長さ)をL2、奥行き、即ち厚さ(矢印Y方向の長さ)をD1とする。これらの寸法について、W1=W2+W3+W4の関係が成り立つ。なお、L1とL2とは、同一寸法としてもよい。
【0031】
更に、
図3(c)、
図4(c)に示すように、第1の筐体部6において、第1の筐体部6の外径(矢印X方向の長さ)をR1、内径(矢印X方向の長さ)をR2、第1の筐体部6の肉厚(矢印X方向の長さ)をD3、一方のスリット61の高さ(矢印Z方向の長さ)をL3、他方のスリット61の高さ(矢印Z方向の長さ)をL4、両方のスリット61の幅(矢印Y方向の長さ)をT1とする。これらの寸法について、R1=R2+D3+D3の関係が成り立つ。なお、L3とL4とは、同一寸法としてもよい。更にまた、
図3(d)、
図4(d)に示すように、第2の筐体部7において、第2の筐体部7の内径(矢印X方向の長さ)に2個の溝部71の長さ(矢印X方向の長さ)を加算した幅をR3、第2の筐体部7の内径(矢印X方向の長さ)をR4、両方の溝部71の高さ(矢印Z方向)をL6、両方の溝部71の幅(矢印Y方向の長さ)をT2とする。
【0032】
先ず、係合部材13と、第1の筐体部6及び第2の筐体部7との寸法関係について説明する。幅方向(矢印X方向の長さ)については、R1≦W5≦R3の関係が成り立ち、高さ方向(矢印Z方向の長さ)については、L5≦L6≦L3、L5≦L6≦L4の関係が成り立ち、奥行き方向(矢印Y方向)については、D2≦T1,D2≦T2の関係が成り立つ。即ち、係合部材13は、第1の筐体部6におけるスリット61及び第2の筐体部7における溝部71に嵌合できるように設計され、また、係合部材13は、第2の筐体部7における放熱蓋8が設置される領域7dに及ばないように設計されている。
【0033】
次に、回路基板11と、第1の筐体部6及び第2の筐体部7との寸法関係について説明する。幅方向(矢印X方向の長さ)については、R2≦W1≦R1、W2≦R2、D3≦W3、D3≦W4の関係が成り立ち、高さ方向(矢印Z方向の長さ)については、L1≦L3、L2≦L4の関係が成り立ち、奥行き方向(矢印Y方向)については、D1≦T1、D1≦T2の関係が成り立つ。即ち、回路基板11の突出部12は、第1の筐体部6におけるスリット61に係合し、第2の筐体部7における溝部71の領域には及ばないように設計されている。
【0034】
次に、係合部材13及び回路基板11と、第1の筐体部6との高さ方向(矢印Z方向)の寸法関係について説明する。これらについては、L5+L1≦L3、L5+L2≦L4の関係が成り立つ。即ち、係合部材13及び回路基板11は、いずれも、高さ方向(矢印Z方向)において、第1の筐体部6におけるスリット61に収まる。更に、第1の筐体部6と第2の筐体部7との寸法関係について説明する。これらについては、R1≦R4の関係が成り立つ。即ち、第1の筐体部6の外径R1は、第2の筐体部7の内径R4より小さく設計されており、これにより、第1の筐体部6は、第2の筐体部7の内部への挿入が可能である。
【0035】
(組立)
次に、照明ランプ1の組立工程について説明する。
図5は、実施の形態1に係る照明ランプ1の組立斜視図である。
図5に示すように、先ず、回路基板11が設置された第1の筐体部6が、第2の筐体部7における他端部から挿入され、嵌合する。そして、係合部材13が、第1の筐体部6におけるスリット61及び第2の筐体部7における溝部71に係合する。その後、第2の筐体部7に放熱蓋8が載置され、放熱蓋8に光源3におけるLED基板3bが載置される。これにより、照明ランプ1が組み立てられる。なお、
図3、
図4に示すように、第1の筐体部6は、第2の筐体部7における一端部から挿入されて、嵌合されてもよい。
【0036】
(作用)
次に、本実施の形態1に係る照明ランプ1の作用について説明する。前述の如く、係合部材13は、第1の筐体部6におけるスリット61及び第2の筐体部7における溝部71に係合している。このように、係合部材13が、スリット61及び溝部71に係合することにより、筐体5における光源3側で、第1の筐体部6と第2の筐体部7との相互の回転が規制されている。従って、従来のように、筐体5における口金部9側で回転を規制するスペースを設ける必要がなくなり、その結果、照明ランプ1の口金部9側の部分が大型化することを抑制することができる。また、回路基板11における突出部12が、第1の筐体部6におけるスリット61に係合するため、回路基板11が第1の筐体部6の内部で揺動することを抑制することができる。更に、係合部材13は、回路基板11の上方において、スリット61に係合するため、回路基板11が、第1の筐体部6から外れ難くなっている。このように、本実施の形態1では、回路基板11の保持性を高めることができる。
【0037】
(第1変形例)
次に、実施の形態1の第1変形例に係る照明ランプ1について説明する。
図6は、第1変形例における係合部材13dを示す斜視図である。この第1変形例に係る照明ランプ1は、係合部材13dの形状が、実施の形態1と相違する。
図6に示すように、係合部材13dは、棒状ではなく、断面十字状の構造を有する。そして、これに伴い、第1の筐体部6の端面には、スリット61が、筐体5の軸Oに対称に、4個形成され、第2の筐体部7の端面には、溝部71が、筐体5の軸Oに対称に、4個形成されている。第1変形例では、係合部材13dが、4個のスリット61及び溝部71に係合することにより、第1の筐体部6と第2の筐体部7との相互の回転が規制されている。このため、実施の形態1よりも、更に、回転を規制する効果を高めることができる。なお、係合部材13dにおける奥行き方向(矢印Y方向)の長さは、幅(矢印X方向)と同様に、W5である。
【0038】
(第2変形例)
次に、実施の形態1の第2変形例に係る照明ランプ1について説明する。
図7は、第2変形例における係合部材13eを示す斜視図である。この第2変形例に係る照明ランプ1も、係合部材13eの形状が、実施の形態1と相違する。
図7に示すように、係合部材13eは、円形状をなしており、その周縁部に、係合部材13eの軸Oに対称に2個の突起13iが形成されている。この突起13iが、第1の筐体部6におけるスリット61及び第2の筐体部7における溝部71に係合することにより、第1の筐体部6と第2の筐体部7との相互の回転が規制されている。第2変形例では、係合部材13eは、円形状をなしているため、その体積が大きい。このため、係合部材13eの強度を向上させることができる。また、第1の筐体部6の内部に設置される点灯回路ユニット10は、光源3から発生する熱の影響を受けるが、係合部材13eが、樹脂材料等で構成される場合、この影響を軽減する遮熱又は断熱の効果を奏する。更に、係合部材13eが、金属材料等の熱伝導性材料で構成される場合、熱伝導性材料の容積の増加による熱容量の増加が可能であり、また、主に光源3から発生する熱が第2の筐体部7に伝達する伝熱性を増大させることができる。なお、係合部材13eにおける円形状の部分の径は、回路基板11の突出部12を除く部分の幅と同様に、W2である。
【0039】
(第3変形例)
次に、実施の形態1の第3変形例に係る照明ランプ1について説明する。
図8は、第3変形例における係合部材13fを示す斜視図である。この第3変形例に係る照明ランプ1も、係合部材13fの形状が、実施の形態1と相違する。
図8に示すように、係合部材13fは、円形状をなしており、その周縁部に、係合部材13fの軸Oに対称に4個の突起13iが形成されている。そして、これに伴い、第1の筐体部6の端面には、スリット61が、筐体5の軸Oに対称に、4個形成され、第2の筐体部7の端面には、溝部71が、筐体5の軸Oに対称に、4個形成されている。
【0040】
第3変形例では、4個の突起13iが、第1の筐体部6におけるスリット61及び第2の筐体部7における溝部71に係合することにより、第1の筐体部6と第2の筐体部7との相互の回転が規制されている。このため、実施の形態1よりも、更に、回転を規制する効果を高めることができる。その上、係合部材13fは、円形状をなしているため、その体積が大きい。このため、係合部材13fの強度を向上させることができる。また、第1の筐体部6の内部に設置される点灯回路ユニット10は、光源3から発生する熱の影響を受けるが、係合部材13fが、樹脂材料等で構成される場合、この影響を軽減する遮熱又は断熱の効果を奏する。更に、係合部材13fが、金属材料等の熱伝導性材料で構成される場合、熱伝導性材料の容積の増加による熱容量の増加が可能であり、また、主に光源3から発生する熱が第2の筐体部7に伝達する伝熱性を増大させることができる。
【0041】
(第4変形例)
次に、実施の形態1の第4変形例に係る照明ランプ1について説明する。
図9は、第4変形例における係合部材13gを示す斜視図である。この第4変形例に係る照明ランプ1は、係合部材13gの形状が、第1変形例と同様に断面十字状をなしている。そして、
図9に示すように、係合部材13gは、放熱蓋8に接触して、互いに固定されている。この係合部材13gの材質は、照明ランプ1の設計仕様に応じて、適宜選択することが可能であるが、係合部材13gと放熱蓋8とが、同一の材質で構成されている場合は、これらの係合部材13gと放熱蓋8とが、一体成形されていることが好ましい。また、係合部材13gの少なくとも一部分でも、放熱蓋8の材質と異なる材質で構成されている場合は、接着部材による接着、螺子等を用いた組立、インサート成形等によって、係合部材13gと放熱蓋8とが固定される。なお、係合部材13gの形状は、断面十字状ではなく、第1の筐体部6と第2の筐体部7との相互の回転を規制することができる形状であれば、適宜変更することができる。なお、放熱蓋8の径は、係合部材13gの幅W5よりも大きいW6とし、厚さを、L7とする。
【0042】
(第5変形例)
次に、実施の形態1の第5変形例に係る照明ランプ1について説明する。
図10は、第5変形例における係合部材13hを示す斜視図である。この第5変形例に係る照明ランプ1は、係合部材13hの形状が、第3変形例と同様に円形状をなしており、更に、その周縁部に、係合部材13hの軸Oに対称に4個の突起13iが形成されている。そして、
図10に示すように、係合部材13hは、第4変形例と同様に、放熱蓋8に接触して、互いに固定されている。この係合部材13hの材質は、照明ランプ1の設計仕様に応じて、適宜選択することが可能であるが、係合部材13hと放熱蓋8とが、同一の材質で構成されている場合は、これらの係合部材13hと放熱蓋8とが、一体成形されていることが好ましい。また、係合部材13hの少なくとも一部分でも、放熱蓋8の材質と異なる材質で構成されている場合は、接着部材による接着、螺子等を用いた組立、インサート成形等によって、係合部材13hと放熱蓋8とが固定される。なお、係合部材13hの形状は、円形状ではなく、第1の筐体部6と第2の筐体部7との相互の回転を規制することができる形状であれば、適宜変更することができる。
【0043】
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る照明ランプ1aについて説明する。
図11は、実施の形態2に係る照明ランプ1aを示す周方向断面図である。本実施の形態2は、係合部材13aが、筐体5aの軸O上からずれた位置においてスリット61a及び溝部71aに係合している点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0044】
実施の形態2では、
図11に示すように、第1の筐体部6aにおいて、スリット61aは、筐体5aの軸Oに対称ではない2箇所に形成されている。また、第2の筐体部7aにおいても、溝部71aは、筐体5aの軸Oに対称ではない2箇所に形成されている。筐体5aの軸Oに対称の2箇所に形成されている場合、2個のスリット61aの間の距離及び2個の溝部71aの間の距離は、夫々第1の筐体部6a及び第2の筐体部7aの径と同等となるが、本実施の形態2では、これらのスリット61a及び溝部71aが、筐体5aの軸Oに対称ではないため、2個のスリット61aの間の距離及び2個の溝部71aの間の距離は、筐体5aの軸Oに対称の2箇所に形成されている場合よりも、短い。そして、係合部材13aは、スリット61a及び溝部71aに係合する。
【0045】
このため、本実施の形態2では、係合部材13aの長手方向の長さを短くすることができる。よって、係合部材13aに使用される材料が、削減されるという効果を奏する。また、回路基板11aを、実施の形態1と同様に、筐体5aの軸Oと交差する位置に配置しておけば、回路基板11aの光源3側に、係合部材13aが設置されていた空間が空くため、この空間にまで、回路基板11aを拡大することができる。このように、本実施の形態2によれば、狭小空間を有効に活用することができるという効果を奏する。
【0046】
実施の形態3.
次に、実施の形態3に係る照明ランプ1bについて説明する。
図12は、実施の形態3に係る照明ランプ1bを示す一側面断面図、
図13は、実施の形態3に係る照明ランプ1bを示す他側面断面図、
図14(a)、(b)は、実施の形態3に係る照明ランプ1bの各部材を示す一側面断面図、
図15(a)、(b)は、実施の形態3に係る照明ランプ1bの各部材を示す他側面断面図である。
図14のうち、
図14(a)は、回路基板11b及び副回路基板15を示す一側面断面図、
図14(b)は、第1の筐体部6bを示す一側面断面図である。また、
図15(a)は、回路基板11b及び副回路基板15を示す他側面断面図、
図15(b)は、第1の筐体部6bを示す他側面断面図である。本実施の形態3は、回路基板11bに副回路基板15が接続されている点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態3では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0047】
本実施の形態3では、
図12、
図13に示すように、点灯回路ユニット10bは、回路基板11b及び副回路基板15を備えている。副回路基板15は、回路基板11bに対し垂直の方向(矢印Y方向)に、基板接続部材17によって接続されている。この基板接続部材17は、回路基板11bと副回路基板15とを電気的に接続するコネクタであり、これにより、回路基板11bは、副回路基板15と電気的に接続されている。光源3におけるLED3aは、回路基板11b及び副回路基板15に実装される回路部品(図示せず)によって、駆動、駆動制御又はその両方が行われる。
【0048】
そして、副回路基板15は、その端部から、筐体5bの径方向に延びる副突出部16を備えている。また、第1の筐体部6bにおいて、光源3側の端面には、スリット61bのほかに、例えばこの端面から第1の筐体部6bの長手方向(矢印Z方向)にかけて、矩形状の副スリット62が形成されている。そして、副回路基板15の副突出部16が、この副スリット62に係合されている。その際、
図14(a)、
図14(b)、
図15(a)、
図15(b)に示すように、第1の筐体部6bの内部に、回路基板11b及び副回路基板15が挿入されて設置される。なお、副スリット62は、1個に限らず、複数形成されていてもよい。
【0049】
図16は、実施の形態3に係る照明ランプ1bを示す周方向断面図である。
図16に示すように、回路基板11b及び副回路基板15が、第1の筐体部6bの内部に設置されると、回路基板11bにおける突出部12bが、スリット61bに係合し、且つ、副回路基板15における副突出部16が、副スリット62に係合する。このように、本実施の形態3では、副回路基板15における副突出部16が、第1の筐体部6bにおける副スリット62に係合するため、実施の形態1で得られる効果に加え、回路基板11bに副回路基板15が接続されていても、副回路基板15が第1の筐体部6bの内部で揺動することが抑制される。
【0050】
実施の形態4.
次に、実施の形態4に係る照明ランプ1cについて説明する。
図17は、実施の形態4に係る照明ランプ1cを示す一側面断面図、
図18は、実施の形態4に係る照明ランプ1cを示す他側面断面図である。本実施の形態4は、第1の筐体部6cと第2の筐体部7cとの相互の回転を規制する回転規制部が、係合部材13ではなく、回路基板11cにおける突出部12cである点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態4では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0051】
本実施の形態4では、
図17、
図18に示すように、係合部材13が省かれており、回路基板11cにおける突出部12cが、第1の筐体部6cにおけるスリット61c及び第2の筐体部7cにおける溝部71cに係合している。突出部12cの幅(矢印X方向)は、第1の筐体部6cの肉厚よりも長く、即ち、実施の形態1における突出部12cの幅よりも長くなっている。これにより、突出部12cは、スリット61cには収まらず、その先端がスリット61cから露出する。そして、この露出した先端が、溝部71cに係合する。
【0052】
図19、
図20は、いずれも、実施の形態4に係る照明ランプ1cの組立斜視図である。このうち、
図19は、回路基板11cと第1の筐体部6cとの組立斜視図であり、
図20は、回路基板11cが設置された第1の筐体部6cと、第2の筐体部7cとの組立斜視図である。照明ランプ1cの組立工程としては、
図19に示すように、回路部品(図示せず)が実装された回路基板11cは、第1の筐体部6cにおける光源3側の開口から挿入される。その際、回路基板11cにおける突出部12cは、第1の筐体部6cにおけるスリット61cに係合する。突出部12cの幅は、前述の如く、第1の筐体部6cの肉厚よりも長いため、
図20に示すように、突出部12cがスリット61cに収まらず、突出部12cの先端が、第1の筐体部6cの外部に露出する。その後、回路基板11cが設置された第1の筐体部6cが、第2の筐体部7cにおける光源3側の開口から挿入される。その際、回路基板11cにおける突出部12cにおいて、第1の筐体部6cの外部から露出した突出部12cの先端が、第2の筐体部7cにおける溝部71cに係合する。
【0053】
このように、回路基板11cにおける突出部12cが、第1の筐体部6cにおけるスリット61c及び第2の筐体部7cにおける溝部71cに係合するため、実施の形態1と同様に、筐体5cにおける光源3側で、第1の筐体部6cと第2の筐体部7cとの相互の回転が規制されている。即ち、本実施の形態4では、第1の筐体部6cと第2の筐体部7cとの相互の回転を規制する回転規制部は、係合部材13ではなく、回路基板11cにおける突出部12cである。このように、回路基板11cにおける突出部12cが、第1の筐体部6cに保持されるための機能だけではなく、第1の筐体部6cと第2の筐体部7cとの相互の回転を規制する機能も兼ねているため、係合部材13を省くことができる。このため、部品点数を削減すると共に、コストを削減することが可能である。
【0054】
なお、本実施の形態4のように、回路基板11cによって、第1の筐体部6cと第2の筐体部7cとの相互の回転を規制する場合は、ガラスエポキシ又はセラミック等の比較的硬質の材料を用いることが好ましい。更に、回路基板11cは、その厚寸をできるだけ厚くして、第1の筐体部6cと第2の筐体部7cとの相互の回転力に対抗することができる強度を備えることが好ましい。また、照明ランプ1cの組立工程は、上記に限らず、先ず、第1の筐体部6cが、第2の筐体部7cにおける口金部9側の開口から挿入され、その後、回路部品が実装された回路基板11cが、第1の筐体部6cにおける光源3側の開口から挿入されるようにしてもよい。
【0055】
実施の形態5.
次に、実施の形態5に係る照明装置2について説明する。
図21は、実施の形態5に係る照明装置2を示す概略図である。この照明装置2は、実施の形態1〜4のいずれか一つの照明ランプ1を備えている。
図21に示すように、照明装置2は、例えば天井に取り付けられるものであり、天井の器具取付部24には、照明ランプ1を格納できる大きさの孔が設けられており、これが器具本体21となっている。この器具本体21は、奥部に、照明ランプ1が取り付けられるソケット22が設けられており、このソケット22に、照明ランプ1の口金部9が取り付けられることによって、照明ランプ1が器具本体21に装着される。なお、この器具本体21の内壁には、照明ランプ1から出射された光を反射するためのドーム状のリフレクタ23が設けられている。このように、照明ランプ1は、天井に設置して天井用の照明装置2として使用することが可能であるが、そのほかの照明装置2として使用することも可能である。例えばデスクに設置してデスクを照らす照明装置2として使用することもできる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上記の実施の形態は、本発明を限定するものではない。なお、係合部材13は、1本の場合を例示したが、2本以上であってもよい。この場合、係合部材13の数に対応する数のスリット61及び溝部71を設ける。