特許第6223065号(P6223065)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6223065車両用表示装置および車両用表示装置の操作ボタンの取付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223065
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】車両用表示装置および車両用表示装置の操作ボタンの取付方法
(51)【国際特許分類】
   B62J 99/00 20090101AFI20171023BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20171023BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20171023BHJP
   H05K 5/06 20060101ALI20171023BHJP
   H01H 13/14 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   B62J99/00 B
   B60R16/02 640Z
   H05K5/02 L
   H05K5/06 E
   H01H13/14 Z
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-176178(P2013-176178)
(22)【出願日】2013年8月28日
(65)【公開番号】特開2015-44464(P2015-44464A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年7月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 満
(72)【発明者】
【氏名】武津 英明
(72)【発明者】
【氏名】三川 正治
【審査官】 常盤 務
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−190534(JP,A)
【文献】 特開2012−028175(JP,A)
【文献】 特開平08−096646(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3094197(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 99/00
B60R 16/02
H05K 5/02
H05K 5/06
H01H 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取付けられる表示装置であって、
ケース内に切換スイッチが設けられ、
ケースに、切換スイッチを外部から操作して切換えるための操作ボタンが設けられ、
切換スイッチと操作ボタンとの間をシールする弾性変形自在な防水部材が、ケース内に設けられて、切換スイッチと操作ボタンとの間に配置され、
ケースに、ボタン取付用孔と防水部材取付用孔とが形成され、
ボタン取付用孔とケースの内部とが防水部材取付用孔を介して連通し、
操作ボタンはボタン取付用孔に出退自在に嵌め込まれ、
防水部材は、防水部材取付用孔に着脱自在に嵌め込まれて防水部材取付用孔を閉塞するとともに、操作ボタンを外側へ突出させる方向に付勢し、且つ、操作ボタンの操作を切換スイッチに伝達し、
組み込み時において、防水部材取付用孔に嵌め込まれた防水部材の位置が防水部材取付用孔の外側へずれるのを防止するためのずれ止め部が、防水部材に形成されており、
防水部材は、弾性部材で製作されており、防水部材取付用孔に嵌め込まれる胴部を有し、
ずれ止め部は、胴部に設けられ、胴部の外周面から径方向における外側へ突出し、防水部材の脱抜方向において、防水部材取付用孔に係止することを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
防水部材取付用孔の径方向における外側には、環状の溝が防水部材取付用孔の開口端部を取り囲むように形成され、
溝はボタン取付用孔側に開放され、
防水部材は胴部から径方向における外側へ張り出す鍔部を有し、
鍔部には突部が形成され、
胴部が防水部材取付用孔に嵌め込まれるとともに、突部が溝に嵌め込まれて接着剤でケースに接着されることを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。
【請求項3】
防水部材取付用孔は、小径部と、小径部よりも奥に形成された大径部と、小径部と大径部との境界部分に形成された段付部とを有し、
ずれ止め部は、防水部材の脱抜方向において、防水部材取付用孔の段付部に係止し、
ずれ止め部の外径は、防水部材取付用孔の小径部の孔径よりも大きく、大径部の孔径よりも小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
ずれ止め部は、防水部材の脱抜方向において、防水部材取付用孔の内端開口部に係止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
上記請求項2記載の車両用表示装置の操作ボタンの取付方法であって、
溝内に接着剤を塗布し、
防水部材の胴部を外側からケースの防水部材取付用孔に嵌め込むとともに、防水部材の突部を外側から溝に嵌め込み、
操作ボタンを外側からケースのボタン取付用孔に嵌め込むことを特徴とする車両用表示装置の操作ボタンの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電動自転車等の車両に取付けられる表示装置および表示装置の操作ボタンの取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両用表示装置としては、電動自転車のハンドルに取付けられるものがあり、表示装置の液晶画面には、走行速度、走行距離、バッテリの残量、アシストモード等の走行に関する様々な情報が表示される。表示装置には、表示装置の電源をオン・オフする操作ボタンが設けられている。操作ボタンを押してオンに切換えることにより、表示装置の液晶画面に上記走行情報が表示され、操作ボタンをもう一度押してオフに切換えることにより、表示装置の液晶画面の表示が消える。
【0003】
図22は、操作ボタン101の取付構造を示すものであり、操作ボタン101は、ボタン本体102と、ボタン本体102に連結された軸部103とを有している。また、ケース104には、孔部を有するボス105が形成されている。操作ボタン101はボス105の孔部に嵌め込まれている。軸部103の外周面とボス105の内周面との間には防水用のゴムリング106が設けられている。
【0004】
また、ケース104内にはタッチスイッチ107が設けられ、操作ボタン101が押されて軸部103の先端がタッチスイッチ107を押圧する毎に、タッチスイッチ107のオンとオフとが切換えられる。
【0005】
尚、上記のような操作ボタン101の取付構造については例えば下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4883543号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記の従来形式では、操作ボタン101の取付には、ボタン本体102と、軸部103と、ゴムリング106といった3種類の個別の部品が必要であるため、取付作業に手間を要するといった問題がある。
【0008】
本発明は、操作ボタンの取付作業に要する手間を少なくし、操作ボタンを正確に取付けることが可能な車両用表示装置および車両用表示装置の操作ボタンの取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本第1発明は、車両に取付けられる表示装置であって、
ケース内に切換スイッチが設けられ、
ケースに、切換スイッチを外部から操作して切換えるための操作ボタンが設けられ、
切換スイッチと操作ボタンとの間をシールする弾性変形自在な防水部材が、ケース内に設けられて、切換スイッチと操作ボタンとの間に配置され、
ケースに、ボタン取付用孔と防水部材取付用孔とが形成され、
ボタン取付用孔とケースの内部とが防水部材取付用孔を介して連通し、
操作ボタンはボタン取付用孔に出退自在に嵌め込まれ、
防水部材は、防水部材取付用孔に着脱自在に嵌め込まれて防水部材取付用孔を閉塞するとともに、操作ボタンを外側へ突出させる方向に付勢し、且つ、操作ボタンの操作を切換スイッチに伝達し、
組み込み時において、防水部材取付用孔に嵌め込まれた防水部材の位置が防水部材取付用孔の外側へずれるのを防止するためのずれ止め部が、防水部材に形成されており、
防水部材は、弾性部材で製作されており、防水部材取付用孔に嵌め込まれる胴部を有し、
ずれ止め部は、胴部に設けられ、胴部の外周面から径方向における外側へ突出し、防水部材の脱抜方向において、防水部材取付用孔に係止するものである。
【0010】
これによると、防水部材をケースの外部から防水部材取付用孔に嵌め込み、その後、操作ボタンをケースの外部からボタン取付用孔にはめ込むことにより、操作ボタンを表示装置に取付けることができる。このように防水部材と操作ボタンといった2種類の個別の部品を取付ければよいので、操作ボタンの取付作業に要する手間を少なくすることができる。
【0011】
操作ボタンを押すことにより、防水部材が操作ボタンに押されて弾性変形し、切換スイッチが防水部材を介して切換えられる。また、防水部材取付用孔は防水部材によって閉塞されているため、ケースの内部と外部とが防水部材によってシールされ、雨等の水が外部からケースの内部に浸入するのを防止することができる。
【0012】
本第2発明における車両用表示装置は、防水部材取付用孔の径方向における外側には、環状の溝が防水部材取付用孔の開口端部を取り囲むように形成され、
溝はボタン取付用孔側に開放され、
防水部材は胴部から径方向における外側へ張り出す鍔部を有し、
鍔部には突部が形成され、
胴部が防水部材取付用孔に嵌め込まれるとともに、突部が溝に嵌め込まれて接着剤でケースに接着されるものである。
本第3発明における車両用表示装置は、防水部材取付用孔は、小径部と、小径部よりも奥に形成された大径部と、小径部と大径部との境界部分に形成された段付部とを有し、
ずれ止め部は、防水部材の脱抜方向において、防水部材取付用孔の段付部に係止し、
ずれ止め部の外径は、防水部材取付用孔の小径部の孔径よりも大きく、大径部の孔径よりも小さいものである。
本第4発明における車両用表示装置は、ずれ止め部は、防水部材の脱抜方向において、防水部材取付用孔の内端開口部に係止するものである。
【0013】
本第発明は、上記第2発明に記載の車両用表示装置の操作ボタンの取付方法であって、
溝内に接着剤を塗布し、
防水部材の胴部を外側からケースの防水部材取付用孔に嵌め込むとともに、防水部材の突部を外側から溝に嵌め込み、
操作ボタンを外側からケースのボタン取付用孔に嵌め込むものである。
【0014】
これによると、防水部材の胴部を防水部材取付用孔に嵌め込むとともに突部を溝に嵌め込んだ際、ずれ止め部が防水部材の脱抜方向において防水部材取付用孔に係止することにより、防水部材の位置が防水部材取付用孔の外側へずれるのを防止することができる。
【0015】
これにより、防水部材を接着剤で正確な位置に取り付けることができ、ひいては、操作ボタンを正確に取付けることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように本発明によると、操作ボタンの取付作業に要する手間を少なくすることができ、さらには、防水部材を接着剤で正確な位置に取り付けて、操作ボタンを正確に取付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施の形態における自転車の側面図である。
図2】同、自転車に取付けられた表示装置の平面図である。
図3】同、表示装置の斜視図であり、表示部材を支持部材に装着した状態を示す。
図4】同、表示装置の斜視図であり、表示部材を支持部材から取り外した状態を示す。
図5】同、表示装置の縦断面図である。
図6】同、表示装置の表示部材を底面側から見た斜視図である。
図7】同、表示装置の係合孔と係合爪との拡大断面図であり、係合爪が係合孔の下方に脱抜された状態を示す。
図8】同、表示装置の表示部材を支持部材に装着したときの縦断面図であり、係合爪と係合孔とが係合している状態を示す。
図9】同、表示装置の係合孔と係合爪との拡大断面図であり、係合爪が係合孔に挿入された状態を示す。
図10】同、表示装置の表示部材を支持部材に対して離脱方向へスライドさせたときの縦断面図である。
図11図2におけるX−X矢視図である。
図12図11の一部拡大縦断面図である。
図13図12におけるX−X矢視図である。
図14】同、表示装置の操作ボタンの斜視図である。
図15】同、表示装置の表示部材の組立手順を示す縦断面図であり、(a)は防水部材を防水部材取付用孔に嵌め込む前の状態を示し、(b)は防水部材を防水部材取付用孔に嵌め込んだ状態を示す。
図16】同、表示装置の防水部材の斜視図である。
図17】同、表示装置の操作ボタンの取付構造を示す分解斜視図である。
図18】本発明の第2の実施の形態における自転車に取付けられた表示装置の斜視図である。
図19】同、表示装置の縦断面図である。
図20図19の一部拡大縦断面図である。
図21】同、表示装置の組立手順を示す縦断面図であり、(a)は防水部材を防水部材取付用孔に嵌め込む前の状態を示し、(b)は防水部材を防水部材取付用孔に嵌め込んだ状態を示す。
図22】従来の操作ボタンの取付構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1に示すように、1は車両の一例である電動自転車である。この電動自転車1は、フレーム2と、ハンドル3と、前車輪4と、後車輪5と、ペダル6の踏力を後車輪5に伝達するチェン(図示省略)と、チェンに補助駆動力を付与する電動式の補助駆動装置8と、補助駆動装置8に電力を供給するバッテリ9等を有している。尚、補助駆動装置8はモータ8aや減速機等から構成されている。
【0019】
図1図2に示すように、電動自転車1には、走行速度、走行距離、時刻、バッテリ9の残量、アシストモード等の様々な走行情報を表示する表示装置15が取付けられている。図3図4に示すように、表示装置15は、ハンドル3(固定部材の一例)に取付けられる支持部材16と、支持部材16に着脱自在に接合される表示部材17とを有している。
【0020】
図5図6に示すように、表示部材17は、第1のケース20と、液晶画面ユニット21と、第1の回路基板22と、第1の回路基板22に電気的に接続されている複数本の第1の接続端子23とを有している。第1のケース20は上部ケース体24と下部ケース体25とに上下2分割されている。これら上部ケース体24と下部ケース体25とは複数のねじによって連結されている。また、上部ケース体24は、上部に、ガラス又は樹脂製の透明板26を有している。第1の回路基板22は第1のケース20内に保持されている。液晶画面ユニット21は、第1の回路基板22上に設けられて、第1のケース20内に収納されている。
【0021】
図4図5に示すように、支持部材16は、環状の取付部35と、第2のケース36と、第2のケース36内に収納された第2の回路基板37と、第2の回路基板37に電気的に接続されている複数本の第2の接続端子38とを有している。
【0022】
第1のケース20は、下部に、第2のケース36に接合する第1の接合面31を有している。また、第2のケース36は、上部に、第1のケース20の第1の接合面31に接合する第2の接合面40を有している。
【0023】
表示部材17は、第1および第2の接合面31,40に沿って着脱方向A,B(前後方向に相当)にスライドすることにより、支持部材16に着脱可能である。
図6に示すように、第1の接続端子23の先端部(下端部)は第1の接合面31に露出し、図4に示すように、第2の接続端子38の先端部(上端部)は第2の接合面40に露出している。表示部材17を支持部材16に装着した場合、図5に示すように、第1の接続端子23の先端部が第2の接続端子38の先端部に接触し、第1の回路基板22と第2の回路基板37とが第1および第2の接続端子23,38を介して電気的に接続される。
【0024】
図6図7に示すように、表示部材17の第1のケース20の下面には、係合孔60(第1の係合部の一例)が設けられている。係合孔60は、第1のケース20の内側に形成された差込孔部60aと、差込孔部60aに連通し且つ第1のケース20の下面に開口する開口部60bとを有している。また、図4図7に示すように、支持部材16の第2のケース36の上面には、係合爪61(第2の係合部の一例)が設けられている。
【0025】
図8図9の仮想線で示すように、係合孔60は、表示部材17を支持部材16に装着する装着方向A(前から後への方向)において、係合爪61に係合し、図9の実線,図10に示すように、表示部材17を支持部材16から離脱する離脱方向B(後から前への方向)において、係合爪61から離脱する。尚、図8および図9の仮想線で示すように、係合孔60が係合爪61に係合した際、係合爪61は開口部60bから差込孔部60aに差し込まれる。また、図9の実線および図10で示すように係合孔60が係合爪61から離脱した際、係合爪61は、差込孔部60aから脱抜され、図7に示すように開口部60bから第1のケース20の下方に抜き出される。
【0026】
図4図6に示すように、係合孔60と係合爪61とは、幅方向(左右方向)において左右一対設けられているとともに、着脱方法A,B(前後方向)において3組(複数組)設けられている。
【0027】
図2図4に示すように、表示部材17には、電源のオンとオフとを切換えるための電源用操作ボタン67(操作ボタンの一例)が設けられている。図11図13に示すように、第1のケース20(ケースの一例)内には、電源用スイッチであるタクトスイッチ68(切換スイッチの一例)が設けられている。タクトスイッチ68は第1の回路基板22に取付けられている。操作ボタン67は、タクトスイッチ68を外部から操作して切換えるためのものである。また、操作ボタン67とタクトスイッチ68との間をシールする弾性変形自在な防水部材69が、第1のケース20内に設けられて、操作ボタン67とタクトスイッチ68との間に配置されている。
【0028】
第1のケース20には、ボタン取付用孔71と防水部材取付用孔72とが形成されている。ボタン取付用孔71は第1のケース20の外部に開口している。また、ボタン取付用孔71と第1のケース20の内部とが防水部材取付用孔72を介して連通している。操作ボタン67はボタン取付用孔71に出退自在に嵌め込まれている。
【0029】
図14に示すように、操作ボタン67は、両側部に係止片73を有し、裏側に突起部74を有している。図13に示すように、両係止片73がボタン取付用孔71の内部から第1のケース20の内側に係止することによって、操作ボタン67がボタン取付用孔71の外部へ脱落するのを防止している。
【0030】
図15(a)に示すように、防水部材取付用孔72は小径部76と大径部77とを有している。大径部77は、小径部76よりも奥に形成されており、第1のケース20の内部に開口している。また、小径部76と大径部77との境界部分には、大径部77から小径部76に向かって次第に縮径する段付部78が形成されている。さらに、防水部材取付用孔72の径方向における外側には、円環状の溝79が形成されている。この溝79は、防水部材取付用孔72の開口端部を取り囲むように形成され、ボタン取付用孔71の側に開放されている。
【0031】
図12に示すように、防水部材69は、防水部材取付用孔72に着脱自在に嵌め込まれて、防水部材取付用孔72を閉塞するとともに、操作ボタン67を外側に突出させる方向へ付勢し、且つ、操作ボタン67の操作をタクトスイッチ68に伝達する。図12図16に示すように、防水部材69は、ゴム等の弾性材料で製作されており、円形の胴部81と、胴部81から径方向における外側へ張り出す鍔部82とを有している。鍔部82には、突部83が全周にわたり形成されている。胴部81が防水部材取付用孔72に嵌め込まれるとともに、突部83が溝79に嵌め込まれて接着剤で溝79の内面に接着されている。
【0032】
また、組み込み時において、防水部材取付用孔72に嵌め込まれた防水部材69の位置が防水部材取付用孔72の外側へずれるのを防止するためのずれ止め部84が、胴部81に複数形成されている。これらずれ止め部84は、胴部81の外周面から径方向における外側へ突出しており、胴部81の周方向において90°おきの4箇所に設けられている。また、ずれ止め部84の外径は、防水部材取付用孔72の小径部76の孔径よりも大きく、大径部77の孔径よりも小さい。ずれ止め部84は、防水部材69の脱抜方向Fにおいて、防水部材取付用孔72の段付部78(図15(a)参照)に係止可能である。
【0033】
以下、上記構成における作用を説明する。
図3に示すように表示部材17を支持部材16に装着すると、図5に示すように、各第1の接続端子23の先端が各第2の接続端子38の先端に接触し、これにより、第1および第2の接続端子23,38を介して、第1の回路基板22と第2の回路基板37とが電気的に接続される。
【0034】
そして、図12に示すように、操作ボタン67を内方Gへ押すと、防水部材69が操作ボタン67の突起部74に押されて弾性変形し、操作ボタン67の操作が防水部材69を介してタクトスイッチ68に伝達され、タクトスイッチ68がオンに切換えられる。これにより、バッテリ9に蓄えられた電力が、第2の回路基板37から、第1および第2の接続端子23,38を介して、第1の回路基板22に供給され、図2に示すように、様々な走行情報が表示部材17の液晶画面ユニット21に表示される。
【0035】
また、もう一度、操作ボタン67を内方Gへ押すことにより、タクトスイッチ68がオフに切換えられ、液晶画面ユニット21の表示が消える。
また、表示部材17を支持部材16から取り外す場合、図9の実線および図10に示すように、表示部材17を離脱方向Bにスライドさせることにより、各係合爪61を差込孔部60aから開口部60bへ脱抜し、その後、図4図7に示すように、表示部材17を支持部材16から持上げて、各係合爪61を開口部60bの下方へ離脱させる。これにより、各係合孔60と各係合爪61とが離脱し、表示部材17が支持部材16から取り外される。
【0036】
また、表示部材17を支持部材16に装着する際、図4図7に示すように表示部材17を支持部材16に向けて下降し、図9図10に示すように支持部材16の各係合爪61を表示部材17の各係合孔60の開口部60bに下方から挿入し、図8および図9の仮想線で示すように表示部材17を装着方向Aにスライドさせる。これにより、各係合爪61が各係合孔60の開口部60bから差込孔部60aに差し込まれ、各係合孔60と各係合爪61とが係合する。これにより、図3に示すように、表示部材17が支持部材16に装着される。
【0037】
また、表示部材17を組み立てるとき、図15(a)に示すように、表示部材17の第1のケース20を上部ケース体24と下部ケース体25とに分割した状態で、上部ケース体24の溝79の内部に接着剤を塗布し、図15(b)に示すように、防水部材69の胴部81を外側から防水部材取付用孔72に嵌め込むとともに、防水部材69の突部83を外側から溝79に嵌め込んで溝79の内面に接着する。この接着作業の際、防水部材69のずれ止め部84が、防水部材69の脱抜方向Fにおいて、防水部材取付用孔72の段付部78に係止する。これにより、防水部材69の位置が防水部材取付用孔72の外側(すなわち脱抜方向Fの側)へずれることが防止されるため、防水部材69を接着剤で正確な位置に取り付けることができる。
【0038】
その後、図12に示すように、操作ボタン67をボタン取付用孔71に嵌め込み、上部ケース体24を下部ケース体25に連結し、表示部材17を組み立てる。このように防水部材69と操作ボタン67といった2種類の個別の部品を取付ければよいので、操作ボタン67の取付作業に要する手間を少なくすることができる。
【0039】
表示部材17を組み立てた後、操作ボタン67を押すことにより、防水部材69が操作ボタン67の突起部74に押されて弾性変形し、タクトスイッチ68が防水部材69を介して切換えられる。また、防水部材取付用孔72は防水部材69によって閉塞されているため、第1のケース20の内部と外部とが防水部材69によってシールされ、雨等の水が外部から第1のケース20の内部に浸入するのを防止することができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、図4に示すように、表示部材17を支持部材16から取り外すことが可能な表示装置15を挙げたが、以下に説明する第2の実施の形態では、図18図21に示すように、取り外し可能な構成ではなく、表示部材91と支持部材92とが一体的に形成された表示装置93である。この場合、表示部材91のケース94に操作ボタン67が設けられ、ケース94の内部に防水部材69とタクトスイッチ68と回路基板95等が設けられている。尚、ケース94は上部ケース体24と下部ケース体25とに2分割されている。
【0041】
図21(a)に示すように、防水部材取付用孔72は、内端開口部72aから外端開口部72bにわたって、同径のストレート状の孔である。また、図20に示すように、防水部材69のずれ止め部84は、防水部材69の脱抜方向Fにおいて、防水部材取付用孔72の内端開口部72aに係止可能である。
【0042】
これによると、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
上記各実施の形態では、図16に示すように、防水部材69のずれ止め部84が胴部81の周方向において4箇所に設けられているが、4箇所以外の複数箇所に設けられてもよい。また、ずれ止め部84が胴部81の全周にわたって設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、電動自転車に取付けられる表示装置に最適であるが、電動自転車以外の自転車に取付けてもよく、或は、自転車以外の車両、例えば自動二輪や車椅子等に取付けてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 電動自転車(車両)
15 表示装置
20 第1のケース(ケース)
67 操作ボタン
68 タクトスイッチ(切換スイッチ)
69 防水部材
71 ボタン取付用孔
72 防水部材取付用孔
79 溝
81 胴部
82 鍔部
83 突部
84 ずれ止め部
93 表示装置
94 ケース
F 脱抜方向
図1
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