特許第6223192号(P6223192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223192
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】組合せ秤
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   G01G19/387 D
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-2150(P2014-2150)
(22)【出願日】2014年1月9日
(65)【公開番号】特開2015-129720(P2015-129720A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2016年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】菊池 孝平
【審査官】 眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−242102(JP,A)
【文献】 特開2004−196403(JP,A)
【文献】 特開2011−088016(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/003706(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0199741(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/00−19/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の計量部と、前記計量部から排出される被計量物を搬送する搬送手段と、該搬送手段の搬送終端から排出される前記被計量物の保持及び排出が可能な集合ゲートとを備える組合せ秤であって、
前記集合ゲートは、前記搬送終端に対して互いに直交する水平な二方向に位置調節可能に設けられ、
前記集合ゲートは、第1可動部及び第2可動部を介して前記搬送終端の近傍の固定フレームに取り付けられると共に、前記第2可動部に支持されるものであり、
前記第1可動部は、前記固定フレームに取付けられると共に、該固定フレームに対して前記二方向の内の一方向である第1方向に位置調節可能であり、前記第2可動部は、前記第1可動部に取付けられると共に、前記第1可動部に対して前記二方向の内の他方向である第2方向に位置調節可能であり、
前記第1可動部は、前記固定フレームに取付け部材を介して取付けられる第1調節部材と、該第1調節部材と一体の軸部材とを備え、前記第1調節部材は、前記取付け部材に対して前記第1方向に位置調節可能であり、
前記第2可動部は、前記軸部材に取付けられるホルダ部材と、該ホルダ部材に取付けられる第2調節部材とを備え、前記ホルダ部材は、前記軸部材が挿入されると共に、該軸部材に対する上下方向の位置調節が可能な位置調節孔を有し、前記第2調節部材は、前記ホルダ部材に対して前記第2方向に位置調節可能である、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項2】
前記ホルダ部材は、前記軸部材に対して、該軸部材の軸線周りに回動位置調節可能である、
請求項1に記載の組合せ秤。
【請求項3】
前記軸部材には、該軸部材に対する前記ホルダ部材の取付けの下限高さを、当接規制する規制部材が取付けられる、
請求項1または2に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計量物が供給される複数の計量部の組合せを選択して、所定重量範囲の被計量物を包装機等へ投入する組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
上記組合せ秤として、例えば、被計量物の投入を作業者の手作業によって行う半自動式の組合せ秤がある。この半自動式の組合せ秤は、通常、直線状に列設された複数の計量ホッパと、各計量ホッパの下方に配置された搬送コンベヤとを備えており、作業者が、被計量物を計量ホッパに直接、または、計量ホッパの上方の供給ホッパを介して間接的に投入する。各計量ホッパに投入された被計量物の重量値に基づいて、組合せ演算を行ってその組合せ合計重量である組合せ重量が、目標組合せ重量に等しい、または、目標組合せ重量に最も近い値となる適量組合せを選択すると共に、その適量組合せに選択された計量ホッパの被計量物を、搬送コンベヤに排出する。搬送コンベヤは、複数の計量ホッパが列設された方向である搬送方向に被計量物を搬送し、その搬送終端から後段の装置、例えば、包装機へ投入する。
【0003】
かかる組合せ秤には、搬送コンベヤの搬送終端から包装機へ投入される被計量物を一旦保持し、包装機からの排出指令に応じて、被計量物を包装機へ投入できるように、前記搬送終端の下方に集合ゲートを設けたものがある(例えば、特許文献1)。集合ゲートを設けることによって、搬送コンベヤの搬送終端から順次排出される被計量物を纏めて包装機へ投入できるので、前記搬送終端から順次排出される被計量物をそのまま包装機へ投入するのに比べて、包装機への投入時間を短縮することができる。これによって、包装機での包装処理のサイクル時間を短くすることができ、組合せ秤を含む計量包装システム全体としての運転速度を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−242102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように被計量物を組合せ秤で計量し、所定重量範囲の被計量物を包装機へ投入し、包装機で被計量物を包装する生産ラインにおいては、例えば、包装機を新しいタイプのものに入れ替えるといったレイアウトの変更を行う場合には、組合せ秤で計量された被計量物を排出する集合ゲートの排出口と、包装機の投入口とを正しく位置合わせすることが要求される。
【0006】
実際には、組合せ秤と包装機とを一旦位置決め設置した上で仮運転し、組合せ秤からの被計量物が集合ゲートを介して適正に包装機の投入口に供給されて、所望の包装処理が適正に実行されるかどうかを確認し、不具合があった場合には、組合せ秤、及び、包装機の一方、あるいは、両方を床面上で細かく移動させる位置合わせと仮運転を繰り返し、最終的な位置合わせを行うことになる。
【0007】
しかしながら、一般に、床置き設置される大型で重量の大きい組合せ秤、及び、包装機の一方、あるいは、両方を床面上で細かく移動させたり、高さ調整するには多くの手数と時間を必要とし、速やかなレイアウト変更を妨げることになる。
【0008】
更に、集合ゲートは、搬送コンベヤの搬送終端よりも低い位置に配置されて、搬送コンベヤで順次搬送されて来る被計量物を一旦保持し、その後ゲートを開放して被計量物を纏めて包装機の投入口に投入するものであるために、集合ゲートを設けることなく、搬送コンベヤで順次搬送されて来る被計量物を包装機の投入口へそのまま投入する場合に比べて、投入速度が低く、被計量物も纏まっているので、集合ゲートから排出される被計量物が、包装機の投入口の内壁に接触して落下速度が低下すると、後続の被計量物が追いついて被計量物の詰まりが生じる虞がある。
【0009】
したがって、上記のレイアウト変更に限らず、被計量物の種類やロットを切換えるような場合には、被計量物のサイズや形状などに応じて、投入される被計量物が、包装機の投入口の内壁と接触しないように、組合せ秤の集合ゲートの排出口と、包装機の投入口との位置を微調整したい場合もある。
【0010】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、組合せ秤の集合ゲートの排出口と包装機等の投入口との位置合わせを容易かつ迅速に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0012】
(1)本発明は、複数の計量部と、前記計量部から排出される被計量物を搬送する搬送手段と、該搬送手段の搬送終端から排出される前記被計量物の保持及び排出が可能な集合ゲートとを備える組合せ秤であって、
前記集合ゲートは、前記搬送終端に対して互いに直交する水平な二方向に位置調節可能に設けられ、前記集合ゲートは、第1可動部及び第2可動部を介して前記搬送終端の近傍の固定フレームに取り付けられると共に、前記第2可動部に支持されるものであり、前記第1可動部は、前記固定フレームに取付けられると共に、該固定フレームに対して前記二方向の内の一方向である第1方向に位置調節可能であり、前記第2可動部は、前記第1可動部に取付けられると共に、前記第1可動部に対して前記二方向の内の他方向である第2方向に位置調節可能であり、前記第1可動部は、前記固定フレームに取付け部材を介して取付けられる第1調節部材と、該第1調節部材と一体の軸部材とを備え、前記第1調節部材は、前記取付け部材に対して前記第1方向に位置調節可能であり、前記第2可動部は、前記軸部材に取付けられるホルダ部材と、該ホルダ部材に取付けられる第2調節部材とを備え、前記ホルダ部材は、前記軸部材が挿入されると共に、該軸部材に対する上下方向の位置調節が可能な位置調節孔を有し、前記第2調節部材は、前記ホルダ部材に対して前記第2方向に位置調節可能である
【0013】
本発明によると、集合ゲートは、搬送手段の搬送終端に対して、直交する水平な二方向に位置調節可能であるので、例えば、当該組合せ秤と包装機とを有する生産ラインのレイアウトの変更をするような場合には、組合せ秤と包装機とを一旦位置決め設置した後、集合ゲートを、水平な二方向、例えば、前後方向及び左右方向に位置調節することで、集合ゲートの排出口を包装機の投入口に対して位置合わせし、仮運転によって投入口への被計量物の投入が好適に行われるか否かを確認し、必要に応じて集合ゲートの細かい位置調整を行って、最適な集合ゲートの位置を設定することが可能となる。
【0014】
このとき、集合ゲートの位置調節は、軽小な部材の位置調節となるので、調節に要する手間も時間も少なくてすみ、レイアウト変更に要する時間を短縮することができる。
【0015】
また、レイアウト変更に限らず、被計量物の種類やロットを切換える場合に、被計量物のサイズや形状などに応じて、組合せ秤の集合ゲートから包装機へ投入される被計量物が、包装機の投入口の内壁と接触しないように、組合せ秤の集合ゲートの排出口の位置を容易に調整することができる。
【0021】
搬送終端の近傍とは、固定フレームに取付けられる集合ゲートが、前記搬送終端から排出される被計量物の保持及び排出が可能な搬送終端の近辺をいう。
【0022】
本発明によると、搬送終端近傍の固定フレームに対する第1可動部の取付け位置、及び、第1可動部に対する第2可動部の取付け位置を調節することによって、集合ゲートの位置を、互いに直交する二方向、例えば、前後方向及び左右方向に調節することが可能となる。
【0026】
本発明によると、取付け部材に対する第1可動部の第1調節部材の取付け位置を調節することによって、集合ゲートの位置を、例えば前後方向(又は左右方向)に調節することが可能となり、第1可動部の軸部材が挿入される位置調節孔を有するホルダ部材の、前記軸部材に対する取付け位置を調節することによって、集合ゲートの位置を上下方向に調節することが可能となり、更に、前記ホルダ部材に対する第2調節部材の取付け位置を調節することによって、集合ゲートの位置を、例えば左右方向(又は前後方向)に調節することが可能となる。
【0027】
本発明の他の実施態様では、前記ホルダ部材を、前記軸部材に対して、該軸部材の軸線周りに回動位置調節可能としてもよい。
【0028】
この実施態様によると、第1可動部の軸部材に対する第2可動部のホルダ部材の取付け位置を、軸部材の軸線周りに調節することによって、集合ゲートの取付けの向きを調節することが可能となる。
【0029】
)本発明の好ましい実施態様では、前記軸部材には、該軸部材に対する前記ホルダ部材の取付けの下限高さを、当接規制する規制部材が取付けられる。
【0030】
この実施態様によると、上下方向の位置を調節するために、軸部材に対するホルダ部材の取付けを緩めた際に、誤って集合ゲートから手が離れても、ホルダ部材の下限高さが当接規制されるので、集合ゲートを床面等に落下して変形損傷してしまうようなことがなく、取り扱いが容易なものとなる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、生産ラインのレイアウト変更等に際して、組合せ秤の集合ゲートの排出口と包装機等の投入口との位置合わせを容易かつ迅速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】計量包装機の平面図である。
図2】計量包装機の正面図である。
図3】集合ゲートの取付け調節構造を示す一部切欠き側面図である。
図4】集合ゲートの取付け調節構造を示す平面図である。
図5図4におけるA−A断面図である。
図6】集合ゲートの取付け調節構造を示す斜視図である。
図7】集合ゲートの取付け調節構造の分解斜視図である。
図8】集合ゲートの位置を調節した状態の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面によって本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明に一実施形態に係る組合せ秤を備えた計量包装システムの概略平面図であり、図2は、その正面図である。この計量包装システムは、床面上に設置された台枠2の上に搭載支持された組合せ秤1と、床置き設置された包装機3とを備えている。
【0035】
この実施形態の組合せ秤1は、被計量物の供給を人手によって行う半自動式の組合せ秤であり、被計量物は特に限定されないが、鶏肉(ブロイラー)等の生肉、イカやカツオ等の魚介類等、粘着性があり単重(1個あたりの重さ)が比較的大きい被計量物の計量に好適である。
【0036】
この組合せ秤1では、作業者が被計量物を掴んで投入するための複数の投入口11が、直線状に列設されており、その下方には、各投入口11に個別的に対応するように複数の計量ホッパ4が配設されている。計量部としての各計量ホッパ4は、ロードセル等の荷重センサ(図示せず)にそれぞれ連結されており、投入される被計量物の重量がそれぞれ計測される。
【0037】
計量ホッパ4の下方には、各計量ホッパ4から排出される被計量物を搬送する搬送手段としての搬送コンベヤ6が設けられており、この搬送コンベヤ6の搬送方向(図の右方)の搬送終端の下方には、搬送コンベヤ6から落下排出される被計量物を下方に向けて案内するガイド7と、このガイド7で案内された被計量物を一旦保持して排出できるように集合ゲート8とが設けられている。
【0038】
この組合せ秤1では、計量ホッパ4の被計量物の重量を種々に組合せ、これら組合せの中から組合せ重量(合計重量)が、目標組合せ重量に等しい、あるいは、目標組合せ重量に最も近い所定重量範囲内にある適量組合せを探す、すなわち、組合せ演算を行う。そして、組合せが成立して、選択された適量組合せの計量ホッパ4の被計量物を搬送コンベヤ6上に排出し、搬送コンベヤ6によって、被計量物を搬送して集合ゲート8に排出し、この集合ゲート8を介して包装機の投入ホッパ10に投入する。
【0039】
なお、以降の説明においては、搬送コンベヤ6の搬送方向に沿う方向(図の左右方向)を前後方向、これと直交する水平方向を左右方向と呼称する。
【0040】
包装機3は、組合せ秤1の集合ゲート8から落下排出された被計量物を投入ホッパ10で受けて袋詰め処理するとともに、その後、真空チャンバにおける真空引き処理、及び、封止処理を施し、真空パック商品として手前の取出し口3aから送出するよう構成されている。
【0041】
この実施形態では、組合せ秤1の集合ゲート8の排出口と包装機の投入口との位置合わせを容易かつ迅速に行えるようにするために、搬送コンベヤ6で搬出されてきた被計量物を集めて包装機3の投入ホッパ10に排出する集合ゲート8は、互いに直交する水平な二方向である前後左右方向、及び、上下に位置調節可能、かつ、その向きも調節可能に構成されている。
【0042】
以下、集合ゲート8の取付け調節構造を詳細に説明する。
【0043】
図3は、集合ゲート8の取付け調節構造を示す一部切欠き側面図であり、図4は、集合ゲート8の取付け調節構造の平面図であり、図5は、図4におけるA−A断面図であり、図6は、集合ゲート8の取付け調節構造を示す斜視図であり、図7は、その分解斜視図である。
【0044】
被計量物を搬送する搬送コンベヤ6は、図3に示すように、外周に一定ピッチで滑り止め用の小突起12aを備えた搬送ベルト12を前後水平に張設して構成されており、その前端のベルト巻回部位に対向して前記ガイド7がコンベヤフレーム13の前部軸受けブラケット13aにフック方式で脱着可能に係止連結されている。
【0045】
組合せ秤1を支持する前後一対の横フレーム14が、図2及び図3に示すように、台枠2の上に配備され、搬送コンベヤ6の搬送終端の近傍である、前側の横フレーム14に、第1可動部としての第1可動ブラケット16、及び、第2可動部としての第2可動ブラケット17を介して集合ゲート8が支持されている。固定フレームとしての前記横フレーム14には、取付け部材としての取付け基板15が水平に連結固定されている。
【0046】
第1可動ブラケット16は、前後に向かう角筒状の第1調節部材としての主部16aと、その後部上面に溶接固着された連結板16bと、主部16aの前側下面から垂下延出された軸部材としての連結支軸16cとを備えており、連結板16bが取付け基板15の下面にボルト締め連結されている。
【0047】
取付け基板15には、前後一対の横向き長孔18が備えられ、連結板16bの前後に左右一対ずつ挿通した4本のボルト19が各横向き長孔18に挿通されて、取付け基板15の上面に配備した共通の板ナット20にそれぞれねじ込まれており、ボルト19を緩めることで、第1可動ブラケット16を横向き長孔18に沿って第1方向としての左右方向に位置調節し、任意の調節位置で締付け固定することができるようになっている。
【0048】
第2可動ブラケット17は、前後方向視でU形に屈折形成された第2調節部材としての主部17aと、その中央部位下面に固着されたホルダ部材としての連結ボス部17bと、主部17aの後部にボルト連結されたシリンダ連結部17cとを備えており、主部17aの前端部に集合ゲート8が脱着可能に支持されている。
【0049】
第2可動ブラケット17の主部17aには、第1可動ブラケット16の連結支軸16cを挿通する前後に長い開口21が形成されるとともに、左右一対の前後長孔22が形成されている。第1可動ブラケット16の連結支軸16cに連結される連結ボス部17bの座部17dに、下方から挿通された左右一対のボルト23が、主部17aの左右の前後長孔22に挿通され、その挿通端部にナット24が装着されている。このナット24を緩めることで、第2可動ブラケット17の主部17aを、第1可動ブラケット16の連結支軸16cが挿入される連結ボス部17bに対して、第2方向としての前後方向に位置調節し、任意の調節位置で締付け固定することができるようになっている。
【0050】
このように、第2可動ブラケット17の主部17aは、第1可動ブラケット16の連結支軸16cに対して、前後方向に位置調節可能であって、第1可動ブラケット16の連結支軸16cは、上記のように、組合せ秤1の横フレーム14に取付けられた取付け基板15に対して、左右方向に位置調節可能である。
【0051】
したがって、第2可動ブラケット17の主部17aは、搬送終端近傍の横フレーム14に対して、左右方向、及び、前後方向に位置調節可能である。
【0052】
集合ゲート8は、上端部25cが上拡がり状に開放された略角筒状の集合ホッパ25と、その内部に横向きの支点x周りに上下揺動可能に配備されたゲート26とを備えており、集合ホッパ25の後部上方に備えた左右一対の連結板25aにゲート26の上方基端が枢支連結されている。上記のように集合ホッパ25の上端部25cは、上拡がり状に開放されているので、集合ゲート8を、前後方向及び左右方向に位置調節した場合に、搬送コンベヤ6の搬送終端からの被計量物が、ガイド7を介して確実に集合ホッパ25内に投入される。
【0053】
また、図3に示すように、ゲート26の支点金具26aと、第2可動ブラケット17のシリンダ連結部17cとに亘ってエアシリンダ27が架設され、エアシリンダ27の伸長作動によってゲート26が閉じられ、エアシリンダ27の短縮作動によってゲート26が下方に開放揺動されようになっている。なお、シリンダ連結部17cの外側面には、シリンダ取付け部を覆う保護カバー31が装着されている。
【0054】
集合ホッパ25における連結板25aの後端には、上下一対のフック部25bが形成されており、第2可動ブラケット17の主部27aにおける前端部の左右外側面に上下一対ずつ備えた頭付きの連結ピン28に、上下のフック部25bを係止することで、集合ゲート8を第2可動ブラケット17の前端部に脱着可能に装着支持するようになっている。
【0055】
また、図5に示すように、第2可動ブラケット17の連結ボス部17bは、周方向の一部において切込み分断されて拡縮可能な位置調節孔が形成されるとともに、切り込みを跨いで装着した上下一対のボルト29の締め込み具合によって内径を拡縮操作可能に構成されており、ボルト29を締め込んで縮径させることで、挿入される第1可動ブラケット16の連結支軸16cに対して第2可動ブラケット17を固定することができるとともに、ボルト29を緩めて拡径させることで、連結支軸16cに対して第2可動ブラケット17を上下に位置調節可能、かつ、第2可動ブラケット17の主部17aを連結支軸16bの軸心である縦支点y周りに回動して、図4の仮想線で示すように、該主部17aに支持された集合ゲート8の向きを変更調節できるようになっている。
【0056】
このように集合ゲート8を支持する第2可動ブラケット17の主部17aは、第1可動ブラケット16の連結支軸16cに対して、上下方向に位置調節可能であると共に、連結支軸16cの軸心周りに取付け方向を変更可能である。
【0057】
また、集合ゲート8を支持する第2可動ブラケット17の主部17aは、上記のように、取付け基板15に対して、左右方向、及び、前後方向に位置調節可能である。
【0058】
したがって、集合ゲート8を支持する第2可動ブラケット17の主部17aは、搬送終端近傍の横フレーム14に対して、左右方向、前後方向、及び、上下方向に位置調節可能であると共に、取付け方向である向きを変更調節可能であり、例えば、上記図4の状態から図8に示すように、集合ゲート8の位置を左右方向に調節すると共に、向きを調節することができる。
【0059】
なお、連結支軸16cの下端には、連結ボス部17bの下限を当接規制する規制部材としての大径のストッパ30が取り付けられ、ボルト29を緩めた際に、不用意に集合ゲート8が第2可動ブラケット17と共に連結支軸16cから抜け落ちることが防止されるようになっている。
【0060】
本実施形態に係る組合せ秤は以上のように構成されており、組合せ秤1及び包装機3を位置決めして床置き設置する際、あるいは、既設の組合せ秤1に対して包装機3を取替え設置してレイアウト変更を行うような場合、組合せ秤1と包装機3とを凡その位置で一旦位置決め設置した後、包装機3の投入ホッパ10に対して、集合ゲート8を適正に位置調節し、また、必要に応じて向きを調節することで、組合せ秤1から送出されてきた所定重量範囲の被計量物を好適に包装機3に投入供給する状態にセットすることができる。
【0061】
これによって、従来例のように、床置き設置される大型で重量の大きい組合せ秤や包装機を床面上で細かく移動させたり、高さ調整する必要がなく、レイアウト変更を、容易かつ迅速に行うことが可能となる。
【0062】
また、レイアウト変更に限らず、被計量物の種類やロットを切換える場合に、被計量物のサイズや形状などに応じて、組合せ秤1の集合ゲート8から包装機3へ投入される被計量物が、包装機3の投入ホッパ10の内壁と接触して被計量物が詰まることがないように、組合せ秤1の集合ゲート8の排出口の位置を容易に微調整することができる。
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0063】
(1)集合ゲート8を前後方向及び左右方向の少なくともいずれか一方の方向にのみ位置調節する仕様で実施することもできる。
【0064】
(2)上記実施形態では、ボルト29を緩めて連結ボス部17bを拡径することで、連結支軸16cに対して第2可動ブラケット17の上下移動、及び、縦支点y周りの回動を許容することで、集合ゲート8全体の高さ調節及び向き調節を行うようにしているが、高さ調節と向き調節をそれぞれ別個の箇所で独立して行うように構成することも可能である。これによると、調節箇所が2箇所となって構造的には多少複雑になるが、一方の調節を行う際に、他方の調節がズレてしまうようなことを回避することができる。
【0065】
(3)各調節箇所に対応した目盛りを付しておくと、調節位置及び調節量を目視確認できて、調節操作が一層容易となる。
【0066】
(4)ガイド7をコンベヤフレーム13の前端部に、前後左右、及び、上下に位置調節可能に装着しておくと、ガイド7から集合ゲート8への被計量物の案内供給を一層好適に行うことができる。
【0067】
(5)計量部は、計量ホッパに限らず、計量コンベヤであってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 組合せ秤
3 包装機
4 計量ホッパ
7 ガイド
8 集合ゲート
16 第1可動ブラケット
17 第2可動ブラケット
25 集合ホッパ
26 ゲート
y 縦支点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8