(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の画像形成装置を、図面を参照して説明する。なお、各図において、同一構成については同一の符号を付す。
図1は、実施形態の画像形成装置の全体構成例を示す断面の模式図である。
図2は、実施形態の画像形成装置の画像形成部を示す断面の模式図である。
図3は、
図2におけるA部の拡大図である。
【0009】
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、コントロールパネル1、スキャナ部2、プリンタ部3、シート収容部4、および搬送部5を持つ。
コントロールパネル1は、操作者が操作を行うことにより画像形成装置100を動作させる。
スキャナ部2は、複写対象物の画像情報を光の明暗として読み取る。スキャナ部2は、読み取った画像情報をプリンタ部3に出力する。
【0010】
プリンタ部3は、スキャナ部2または外部からの画像情報に基づいて、トナー等を含む現像剤により出力画像(以下、トナー像という)を形成する。プリンタ部3は、トナー像をシートSの表面上に転写する。プリンタ部3は、シートSの表面上のトナー像に熱と圧力をかけてトナー像をシートSに定着する。
【0011】
シート収容部4は、プリンタ部3がトナー像を形成するタイミングに合わせて、シートSを1枚ずつ、プリンタ部3に供給する。シート収容部4は、複数の給紙カセット20A、20B、20Cを持つ。各給紙カセット20A、20B、20Cは、それぞれに予め設定するサイズおよび種類のシートSを収納する。各給紙カセット20A、20B、20Cは、それぞれピックアップローラ21A、21B、21Cを持つ。各ピックアップローラ21A、21B、21Cは、各給紙カセット20A、20B、20CからシートSを1枚ずつ取り出す。ピックアップローラ21A、21B、21Cは、取り出したシートSを搬送部5へ供給する。
【0012】
搬送部5は、搬送ローラ23と、レジストローラ24とを持つ。搬送部5は、ピックアップローラ21A、21B、21Cから供給されるシートSをレジストローラ24へ搬送する。レジストローラ24は、プリンタ部3がトナー像をシートSに転写するタイミングに応じてシートSを搬送する。
搬送ローラ23は、シートSの搬送方向の先端をレジストローラ24のニップNに突き当てる。搬送ローラ23は、シートSを撓ませることにより搬送方向でのシートSの先端の位置を整える。
レジストローラ24は、搬送ローラ23から送り出されるシートSの先端をニップNにおいて整合させる。さらにレジストローラ24は、シートSを後述する転写部28側に搬送する。
【0013】
プリンタ部3は、画像形成部25Y、25M、25C、25K、露光部26、中間転写ベルト27、転写部28、定着器29、および転写ベルトクリーニングユニット61を持つ。
【0014】
画像形成部25Y、25M、25C、25Kの各々は、シートSに転写するトナー像を中間転写ベルト27上に形成する。
中間転写ベルト27は、無端ベルトからなる。中間転写ベルト27は、内周面に当接された複数のローラによって張力が付与される。中間転写ベルト27は、扁平に張架される。中間転写ベルト27の内周面は、張架方向における最も離間した位置の一方で、支持ローラ28aに当接する。中間転写ベルト27の内周面は、張架方向における最も離間した位置の他方で、転写ベルトローラ60に当接する。
支持ローラ28aは、後述する転写部28の一部をなす。支持ローラ28aは、中間転写ベルト27を2次転写位置に導く。
転写ベルトローラ60は、中間転写ベルト27をクリーニング位置に導く。
【0015】
中間転写ベルト27の図示下面側には、転写ベルトローラ60から転写部28の方に向かって、画像形成部25Y、25M、25C、25Kがこの順に配置される。画像形成部25Y、25M、25C、25Kは、転写ベルトローラ60と支持ローラ28aとの間の領域で、互いに間をあけて配置される。
【0016】
図2に示すように、画像形成部25Y、25M、25C、25Kは、それぞれ円筒状の感光体ドラム30(感光体)を持つ。画像形成部25Y、25M、25C、25Kは、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を感光体ドラム30に形成する。
画像形成部25Y、25M、25C、25Kの構成は、それぞれ、後述する現像器32Y、32M、32C、32Kを除いて共通である。さらに、現像器32Y、32M、32C、32Kの構成は、それぞれが収容するトナーの色を除いて共通である。
以下では、現像器32Yを含む画像形成部25Yの構成を中心として説明する。画像形成部25M、25C、25Kの構成は、必要に応じて画像形成部25Yと異なる点を説明する。
【0017】
感光体ドラム30は、表面に感光体層30aを持つ。感光体ドラム30は、図示略のモータによって、図示時計回りに回転する。
感光体ドラム30の周囲には、帯電器31、現像器32Y、転写ローラ33、クリーニングユニット34、および除電器35が、図示時計回りに配置される。
帯電器31および現像器32Yの下方には、露光部26が配置されている。
【0018】
帯電器31は、感光体ドラム30を帯電させる。帯電器31は帯電電極を持つ。例えば、帯電電極は、放電ワイヤーまたは針状電極からなる。
露光部26は、帯電した感光体ドラム30の表面に、画像情報に基づいて発光制御されるレーザ光Lを照射する。レーザ光Lは、感光体ドラム30の表面において、帯電器31と現像器32Yとの間に照射される。露光部26は、レーザ光Lに代えてLED光を照射する構成も採用できる。
画像形成部25Y(25M、25C、25K)の露光部26には、イエロー(マゼンタ、シアン、ブラック)の画像情報が供給される。感光体ドラム30には、帯電後に露光部26が画像情報に基づくレーザ光Lを照射する。露光部26は、感光体ドラム30の表面にイエロー(マゼンタ、シアン、ブラック)の画像情報に基づく静電潜像を形成する。
【0019】
画像形成部25Y(25M、25C、25K)の現像器32Y(32M、32C、32K)は、イエロー(マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーを含む現像剤D
Y(D
M、D
C、D
K)を収容する。
現像器32Yは、収容した現像剤D
Yのトナーを帯電させる。現像器32Yは、感光体ドラム30の表面に帯電したトナーを供給する。トナーは、静電潜像に応じて感光体ドラム30の表面に付着する。現像器32Yは、露光部26によって形成された静電潜像を現像する。
現像器32Yは、2成分現像方式による現像を行う。現像器32Yの詳細構成は後述する。
【0020】
転写ローラ33は、中間転写ベルト27を挟んで感光体ドラム30と対向する。転写ローラ33は、感光体ドラム30の表面に当接する。転写ローラ33は、感光体ドラム30の表面のトナー像を中間転写ベルト27上に転写(1次転写)する。
画像形成部32Yは、1次転写位置で転写ローラ33に転写バイアスを与える。
【0021】
クリーニングユニット34は、1次転写後に、感光体ドラム30の表面の未転写トナーを掻き取るなどして除去する。
除電器35は、クリーニングユニット34を通過した感光体ドラム30と対向する。除電器35は、感光体ドラム30の表面に光を照射する。除電器35は、感光体ドラム30を除電する。
【0022】
図1に示すように、中間転写ベルト27において、画像形成部25Kと隣り合う位置には、転写部28が配置される。
転写部28は、支持ローラ28aと、2次転写ローラ28bとを持つ。2次転写ローラ28bは、支持ローラ28aとの間に中間転写ベルト27を挟持する。2次転写ローラ28bおよび中間手転写ベルト17が互いに当接する位置は、2次転写位置である。
転写部28は、中間転写ベルト27上の帯電しているトナー像を2次転写位置においてシートSの表面上に転写する。転写部28は、転写バイアスを2次転写位置に与える。転写部28は、転写バイアスにより中間転写ベルト27上のトナー像をシートSに転写する。
【0023】
定着器29は、シートSに熱と圧力とを与える。定着器29は、この熱と圧力とによってシートSに転写されたトナー像を定着させる。
転写ベルトクリーニングユニット61は、転写ベルトローラ60に対向する。転写ベルトクリーニングユニット61は中間転写ベルト27を挟んでいる。転写ベルトクリーニングユニット61は、中間転写ベルト27の表面のトナーを掻き取る。転写ベルトクリーニングユニット61は、掻き取ったトナーを廃トナータンクに回収する。
【0024】
プリンタ部3は、反転ユニット36を持つ。反転ユニット36は、定着器29から排出されるシートSを、スイッチバックにより反転させる。反転ユニット36は、反転したシートSをレジストローラ24の手前の搬送ガイド内に、再度、搬送する。反転ユニット36は、裏面に画像を形成するためにシートSを反転させる。
【0025】
以下、現像器32Yの詳細構成を説明する。
図2に示すように、現像器32Yは、現像剤収容部42、現像ローラ40、現像器上カバー43、第1ミキサ41A、および第2ミキサ41Bを持つ。
【0026】
現像剤収容部42は、現像剤D
Yを収容する容器である。現像剤D
Yは、磁性体微粒子からなるキャリアと、イエローのトナーとの混合物である。現像剤D
Yが攪拌されると、トナーが摩擦帯電する。トナーは、キャリアの表面に付着する。
現像剤収容部42の内部には、第1ミキサ41A、第2ミキサ41Bが配置される。第1ミキサ41Aおよび第2ミキサ41Bは、現像剤D
Yを攪拌する。第1ミキサ41Aおよび第2ミキサ41Bは、現像剤D
Yを搬送する。
第2ミキサ41Bは、現像ローラ40の下方に配置される。第2ミキサ41Bは、現像剤収容部42に供給された現像剤D
Yを現像ローラ40の表面に供給する。
現像剤収容部42の上部には、現像ローラ40および現像器上カバー43が配置される。
【0027】
図3に示すように、現像ローラ40のローラ表面は、感光体ドラム30と対向する。感光体ドラム30の表面の位置qでは、現像ローラ40のローラ表面と感光体ドラム30との間に一定の現像ギャップがあいている。現像ローラ40は、感光体ドラム30と平行に配置される。ただし、
図3では、見易さのため、現像剤D
Y等の図示は省略している。
位置qは、感光体ドラム30の中心軸線に対して一定の方位に位置する。本実施形態では、一例として、水平面に対して下方側に傾斜した位置である。
現像ローラ40は、位置qにて、感光体ドラム30の表面の静電潜像を現像する。以下では、現像ローラ40のローラ表面において、位置qに対向する位置を、現像位置Qと称する。
現像ローラ40は、現像スリーブ40aとマグネット40bとを持つ。現像スリーブ40aは、現像ローラ40のローラ表面を構成する円筒状部材である。マグネット40bは、現像スリーブ40aの内部に配置される。
【0028】
現像スリーブ40aは、図示略の現像モータに接続されている。現像モータは、現像スリーブ40aを正逆転可能に回転する。
現像スリーブ40aが正転するとは、現像スリーブ40aが対向する感光体ドラム30の画像形成時の回転方向と逆方向に回転することをいう。現像スリーブ40aが逆転するとは、現像スリーブ40aが対向する感光体ドラム30の画像形成時の回転方向と同方向に回転することをいう。
感光体ドラム30は、画像形成時に
図3において図示時計回りに回転する。このため、現像スリーブ40aは、正(逆)転時に、図示の反時計回り(時計回り)に回転する。
以下、現像スリーブ40aの回転方向に応じて、現像スリーブ40aの周方向における2位置の相対位置関係を説明する場合がある。その際、2位置の一方を基準位置に選んだとき、2位置の他方が、回転方向における「上流側」(「下流側」)にある、と説明する場合がある。あるいは、位置Xは、位置Yよりも回転方向において「上流側」(「下流側」)にある、と説明する場合がある。位置Yは参照の基準位置である。
「下流側」、「上流側」について以下のように定義する。
回転方向において基準位置の「下流側」にある位置とは、現像スリーブ40aの表面において基準位置から回転方向に進むとき半周未満で到達する位置である。
回転方向において基準位置の「上流側」にある位置とは、現像スリーブ40aの表面において基準位置から回転方向と逆方向に進むとき半周未満で到達する位置である。
【0029】
マグネット40bの磁界分布は、切り替え可能である。マグネット40bは、磁界分布を切り換えることにより、現像位置Qにおいて、現像剤D
Yの穂立ちおよび穂切りを行う。
【0030】
現像器上カバー43は、現像剤収容部42および現像ローラ40を上方から覆う。
現像ローラ40は、現像位置Qの近傍に露出する。現像ローラ40は、現像器上カバー43および現像剤収容部42の間の開口から露出する。
【0031】
現像器32Yは、さらに、規制板44、第1シート部材46(シート部材)、シート保持部材45、第2シート部材48、および固定部材47を持つ。
【0032】
規制板44は、現像スリーブ40aの正転時に現像位置Qに向かう際に、現像スリーブ40a上に付着する現像剤D
Yの層厚を規制する。
規制板44は、L字状の断面を持つ。規制板44は、矩形状の平板の短手方向の端部を折り曲げて形成される。規制板44のL字状の断面は、現像スリーブ40aにおける現像可能幅よりも長く延ばされている。
規制板44の短手方向の端部のうち、折り曲げられていない方の端部は、規制位置Pにおいて現像スリーブ40aと対向する。規制板44の折り曲げられていない方の端部と現像スリーブ40aとの間には一定の隙間がある。規制位置Pは、現像スリーブ40aの正転時の回転方向において現像位置Qよりも上流側である。
規制板44の端部と現像スリーブ40aとの間の隙間は、適正な現像を行うために現像位置Qに必要な現像剤D
Yの量に対応する層厚に合わせる。
【0033】
規制板44は、現像スリーブ40aの中心に向かう径方向に向けて配置される。
規制板44は固定面42aに固定される。固定面42aは、現像剤収容部42の上端部に形成される。規制板44の固定手段は特に限定されない。例えば、規制板44は、ねじ止め、接着、カシメ等によって固定面42aと固定される。
【0034】
規制板44には、複数の位置決め孔44aが厚さ方向に貫通されている。複数の位置決め孔44aは、後述するシート保持部材45の位置決めを行う。例えば、位置決め孔44aは、主基準となる円孔と、従基準となる長孔とからなる。
【0035】
本実施形態では、第1シート部材46は、矩形状の合成樹脂シートを短手方向の中間部でU字状に湾曲させて形成される。第1シート部材46を形成する合成樹脂シートは柔軟で可撓性を持つ。第1シート部材46として、特に好適な材料は、ポリウレタンシートである。
第1シート部材46の長手方向の幅は、現像ローラ40の現像可能幅よりも長い。第1シート部材46は、短手方向の第1端部46Aと第2端部46Bとの間でU字状に曲げられている。第1端部46Aと第2端部46Bとは、互いに対向する。
第1端部46Aと第2端部46Bとの間には、第1側面部46a(シート部材の側面のうちの一方)、先端折り返し部46c、および第2側面部46bが形成される。
第1側面部46aおよび第2側面部46bは、外力が作用しない自然状態では、平面、もしくは平面に近い湾曲面である。
先端折り返し部46cは、略半円状(半円の場合を含む)の湾曲面である。
【0036】
第1シート部材46は、規制位置Pと現像位置Qとの間の現像スリーブ40aの表面に対向する。対向方向における第1シート部材46の先端は、先端折り返し部46cである。第1シート部材46は、先端側のいずれかの部位で現像スリーブ40a上の現像剤D
Yに当接する。
本実施形態では、第1シート部材46は、第1側面部46aを現像スリーブ40aの方に向けている。第1シート部材46の基端側の第1側面部46aは、現像スリーブ40aに対して斜め方向に傾斜して近づく。第1側面部46aの傾斜は、現像スリーブ40aの正転時の回転方向に進むにつれて現像スリーブ40aに近づく方向である。先端折り返し部46cは、第1端部46Aよりも、現像スリーブ40aの正転時の回転方向において下流側に位置する。
第1シート部材46の先端側は、第1側面部46aの傾斜に沿って、現像スリーブ40aに食い込むような位置まで延ばされる。
このため、本実施形態の第1シート部材46には、現像剤D
Yに当接する当接部46Cが形成される。当接部46Cは、第1側面部46aにおいて先端折り返し部46c寄りに形成される。
本実施形態では、当接部46Cから第1端部46Aの方に延びる第1側面部46aは、現像スリーブ40aに対して傾斜している。当接部46Cから第1端部46Aの方に延びる第1側面部46aの傾斜角は鋭角である。傾斜角の測り方は、第1側面部46aが現像スリーブ40aと接する位置における、現像スリーブ40aの接平面を基準として測る。
第1シート部材46では、当接部46Cよりも先端側に湾曲部46Dが形成される。湾曲部46Dは、当接部46Cの端部から現像位置Qの方に向かうにつれて、現像剤D
Yから漸次離れていく。湾曲部46Dは、少なくとも先端折り返し部46cを含む。湾曲部46Dは、先端折り返し部46cの他に、当接部46Cを除く先端側の第1側面部46aを含む場合がある。
【0037】
シート保持部材45は、第1シート部材46の第1端部46Aおよび第2端部46Bを保持する。シート保持部材45は、現像ローラ40に対する第1シート部材46の姿勢を保つことができれば、現像器32Yのどこに設けられていてもよい。本実施形態では、シート保持部材45は、一例として、規制板44に固定されている。規制板44に対するシート保持部材45の固定方法は特に限定されない。本実施形態では、シート保持部材45は、一例として、両面接着テープまたは接着剤を用いて規制板44に接着固定されている。
シート保持部材45は、固定部45d、位置決めピン45a、保持部45c、および係止ピン45bを持つ。
【0038】
固定部45dは、規制板44に重ね合わせる平板からなる。固定部45dは、規制板44に重ね合わせる板面に、板面から突出する位置決めピン45aを持つ。
位置決めピン45aは、規制板44の位置決め孔44aと同数設けられる。各位置決めピン45aは、各位置決め孔44aと嵌合する。位置決めピン45aは、規制板44に対する固定部45dを位置決めする。
【0039】
保持部45cは、平板からなる。保持部45cは、固定部45dにおいて現像ローラ40の方に向く端部に設けられる。保持部45cは、規制位置Pと現像位置Qとの間に向かって突出される。保持部45cは、
図3の奥行き方向に延びる。保持部45cは、
図3の奥行き方向の長さが第1シート部材46の長さ以上である。
保持部45cの板厚方向の表面のうち、現像ローラ40の方に向く表面には、第1シート部材46の第1端部46Aが固定される。第1端部46Aの固定方法は特に限定されない。本実施形態では、第1端部46Aは、両面接着テープ49によって保持部45cに対して接着固定されている。
保持部45cの板厚方向の表面のうち、現像ローラ40と反対の方に向く表面には、第1シート部材46の第2端部46Bが固定される。第2端部46Bの固定方法は特に限定されない。本実施形態では、第2端部46Bは、固定部材47によって、保持部45cとの間に挟んで固定されている。
第1端部46Aおよび第2端部46Bは、保持部45cを挟んで、保持部45cの板厚分だけ離間して保持される。
【0040】
保持部45cにおいて、第2端部46Bが固定される表面には、第2端部46Bを係止する係止ピン45bが突出している。係止ピン45bは保持部45cの長手方向において、複数、離間して形成されている。
【0041】
固定部材47は、シート保持部材45において、規制板44と反対の方に向いた表面に固定される板状部材である。固定部材47は、係止孔47aを持つ。係止孔47aは、シート保持部材45の係止ピン45bと嵌合する。固定部材47は、係止ピン45bに係止孔47aを嵌合することで、シート保持部材45の表面に重ね合わされる。固定部材47は、係止ピン45bに係止された第2端部46Bを保持部45cとの間に挟持する。
固定部材47は、シート保持部材45と固定される。固定部材47とシート保持部材45との固定方法は、特に限定されない。例えば、固定部材47とシート保持部材45との固定方法は、接着、カシメ、ねじ止めなどを採用することができる。
【0042】
固定部材47の表面には、固定面47bが形成されている。
固定面47bは、シート保持部材45を介して規制板44に固定された状態では、感光体ドラム30の中心軸に平行かつ感光体ドラム30の表面に交差する方向に傾斜する。固定面47bは、感光体ドラム30の回転方向における上流側から位置qに向かうにつれて、漸次、感光体ドラム30に近づく斜め方向に傾斜している。
固定面47bは、第2シート部材48を固定する。本実施形態では、第2シート部材48は、両面接着テープ50を介して固定面47bに固定される。
【0043】
第2シート部材48は、固定面47bから感光体ドラム30の表面に向かって延ばされる。第2シート部材48の先端部は、トナー像が形成されない場合の感光体ドラム30の表面、または、感光体ドラム30に形成されたトナー像と当接する。
第2シート部材48は、軟質の合成樹脂フィルムからなる。第2シート部材48は、トナー像と当接する場合でも、トナー像を乱さない荷重で当接する。
【0044】
ここで、第1シート部材46の組立方法について説明する。
図4(a)、(b)、(c)は、実施形態の画像形成装置のシート部材の組立方法を示す模式図である。
【0045】
図4(a)に示すように、組立者(図示略。以下も同じ)は、第1シート部材46の第1端部46Aを、両面接着テープ49を介して保持部45cに貼り付ける。第1端部46Aの貼り付け位置は、保持部45cにおいて係止ピン45bが設けられたのと反対の表面である。次に、組立者は、第2端部46Bを、係止ピン45bが形成された保持部45cの表面の方に折り返す。
次に、
図4(b)に示すように、組立者は、第1シート部材46の係止孔46dを、係止ピン45bに挿通する。第2端部46Bは、係止ピン45bに係止される。
組立者は、固定部材47の各係止孔47aを、それぞれ対応する位置の係止ピン45bに合わせる。組立者は、固定部材47を矢印方向に押しつける。組立者は、適宜の固定方法により、固定部材47をシート保持部材45に固定する(
図4(c)参照)。
次に、組立者は、第2シート部材48を、両面接着テープ50を介して固定面47bに固定する。
こうして、シート保持部材45に、第1シート部材46、固定部材47、および第2シート部材48が固定される。
【0046】
次に、組立者は、シート保持部材45の位置決めピン45aを、規制板44の位置決め孔44aに挿入する。本実施形態では、規制板44に図示略の両面接着テープが貼り付けられている。このため、シート保持部材45が、図示略の両面接着テープを介して規制板44に固定される。
以上で、第1シート部材46の組み立てが終了する。
【0047】
次に、画像形成装置100の動作について、第1シート部材46の作用を中心として説明する。
図5(a)、(b)は、実施形態の画像形成装置の動作説明図である。
【0048】
画像形成装置100では、コントロールパネル1の操作または外部信号により、画像形成が開始される。画像情報は、スキャナ部2で複写対象物を読み取ってプリンタ部3に送出されるか、または外部からプリンタ部3に送出される。
プリンタ部3は、適宜のサイズのシートSをシート収容部4からレジストローラ24に供給する。
画像形成部25Y、25M、25C、25Kは、各色に応じた画像情報に基づいて、各感光体ドラム30の感光体層30aに静電潜像を形成する。各静電潜像は、それぞれ現像器32Y、32M、32C、32Kによって現像される。感光体ドラム30の表面に静電潜像に対応するトナー像が形成される。
各トナー像は、各転写ローラ33によって、中間転写ベルト27に1次転写される。このとき、転写タイミングは、画像形成部25Y、25M、25C、25Kの配置位置に応じて適宜ずらされている。このため、各トナー像は、中間転写ベルト27の移動とともに、色ズレを起こすことなく順次重ね合わされ、転写部28に送られる。
転写部28に到達したトナー像は、レジストローラ24から転写部28まで給送されたシートSに2次転写される。2次転写されたトナー像は、定着器29によってシートSに定着される。
転写部28によって、シートS上に転写できない転写残トナーは、転写ベルトクリーニングユニット61によって掻き取られる。中間転写ベルト27は再使用可能にクリーニングされる。
【0049】
本実施形態では、現像器32Y、32M、32C、32Kは、各感光体ドラム30に形成された静電潜像を2成分現像方式によって現像する。現像器32Y、32M、32C、32Kの現像動作は、それぞれ現像剤D
Y、D
M、D
C、D
Kを用いて現像を行う以外は、同様である。そこで、以下では、現像動作について、現像器32Yの例で説明する。
【0050】
現像器32Yは、現像ローラ40の現像スリーブ40aを、現像時の回転速度で正転させる。現像器32Yは、現像動作を行う。
現像剤収容部42内では、第1ミキサ41Aおよび第2ミキサ41Bが回転される。第1ミキサ41Aおよび第2ミキサ41Bは、現像剤D
Yを攪拌する。第1ミキサ41Aおよび第2ミキサ41Bは、現像剤D
Yを移動させる。現像剤D
Yが攪拌されると、トナーの摩擦帯電が進む。帯電されたトナーはキャリアに静電吸着する。
現像剤D
Yは、
図5(a)に示すように、現像ローラ40の下側に供給される。
供給された現像剤D
Yは、現像スリーブ40aの表面に形成される磁界によってキャリアが吸引されることにより、現像スリーブ40a上に付着する。現像剤D
Yは、現像スリーブ40aが正転するにつれて規制板44に向かって移動する。
【0051】
現像剤D
Yは、規制板44の先端部と現像スリーブ40aとの間の隙間の範囲で、正転時の回転方向の下流側に通り抜ける。このため、現像剤D
Yは、規制板44よりも正転時の回転方向の下流側では一定の層厚に層状化される。
本実施形態では、規制位置Pと現像位置Qとの間の現像剤D
Y上において、第1シート部材46による当接部46Cが形成される。当接部46Cでは、第1シート部材46の第1側面部46aの一部が変形している。当接部46Cでは、第1シート部材46の第1側面部46aの一部現像スリーブ40a上の現像剤D
Yの層表面にならっている。当接部46Cは、第1シート部材46の長手方向の全体に形成される。このため、規制位置Pと当接部46Cとの間では、現像剤D
Yの層を、規制板44および第1シート部材46が覆っている。
【0052】
現像剤D
Yが規制位置Pにおける隙間を通り抜ける際、現像剤D
Yは規制板44と強く擦れる。このため、一部のトナーTがキャリアから離れて飛散する。また、現像スリーブ40aの磁極が、正転時の回転方向において、規制板44よりも下流側であって、現像位置Qよりも上流側にある場合、磁極の対向位置で現像剤D
Yが穂立ちしている。このため、現像剤D
Yの一部のトナーTがキャリアから離れて飛散する。
飛散したトナーTが現像器32Yの外部に達すると、トナーTが他の装置部分に付着して画像形成に支障をきたすおそれがある。
しかし、本実施形態では、トナーTが飛散しても、トナーTは、規制板44と第1シート部材46との間の空間に封止される。このため、トナーTが現像器32Yの外部に飛散することが防止される。
【0053】
現像スリーブ40aがさらに正転するにつれて、層状の現像剤D
Yは、当接部46Cを通り抜けて現像位置Qに向かう。第1シート部材46は、ポリウレタンシートをU字状に湾曲させて形成されている。このため、当接部46Cの現像剤D
Yに対する押圧力は非常に小さい。さらに、当接部46Cよりも正転時の回転方向における上流側では、上流側に向かうにつれて第1側面部46aが漸次離れる傾斜を持つ。
このように第1シート部材46が当接していても、現像剤D
Yの層は当接部46Cに沿って正転時の回転方向における下流側に円滑に通り抜ける。このため、現像剤D
Yの層厚は変わらない。さらに、トナーが飛散することもない。
【0054】
万一、当接部46Cを通り抜ける際に、トナーが飛散したとしても、感光体ドラム30には第2シート部材48が当接している。このためトナーは、現像スリーブ40a、感光体ドラム30、第2シート部材48、および第1シート部材46に囲まれた空間内に封止される。しかし、この空間内にトナーが溜まっていくと、メンテナンス作業で現像器32Yを動かしたりすると溜まったトナーが飛散しやすくなる。
本実施形態では、第1シート部材46によって、トナー飛散が抑制されるためこのようなおそれもない。
【0055】
現像位置Qに移動した現像剤D
Yは、マグネット40bの磁界により穂立ちして、感光体ドラム30と接触する。現像スリーブ40aには現像バイアスが印加される。現像剤D
Yにおけるトナーは、感光体ドラム30上の静電潜像の電位分布に応じて感光体ドラム30の表面に静電吸着される。
このようにして、感光体ドラム30上の静電潜像が順次現像される。感光体ドラム30の表面には、静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0056】
画像形成装置100では、定着に必要な熱量を低減するために低融点トナーを用いる。画像形成を続けると、現像器32Yの温度が上昇することになるが、現像器32Yは一定の温度になるように冷却される構造となる。この冷却は図示しないファンと風路とによって行われる。しかし、温度が上昇した状態で画像形成装置100が停止すると、同時にファンも停止する。ファンの停止によって冷却が行われないため、特に温度が高くなる規制板44に接した現像剤D
Yの中のトナーの表面が軟化して固着しやすい。トナーの固着が発生すると、現像剤D
Yの層状化に支障が出るおそれがある。
そこで、画像形成装置100では、適宜枚数のシートSに画像形成した後、現像スリーブ40aを逆回転する動作を行う。
逆回転の量は、トナー固着を回避できれば、特に限定されない。本実施形態では、一例として、回転角度で90°(1/4回転)としている。
【0057】
図5(b)に示すように、現像スリーブ40aが逆転されると、逆転時の回転方向における上流側(正転時の回転方向における下流側)の現像剤D
Yの層が、当接部46Cを逆転時の回転方向における下流側に通り抜けようとする。
本実施形態では、第1シート部材46は、当接部46Cから現像位置Qの方に向かって現像剤D
Yから離れる湾曲部46Dが形成されている。
湾曲部46Dは、現像剤D
Yの近傍では、逆転時の回転方向における上流側から下流側に向かうにつれて現像スリーブ40aの方に漸次近づく滑らかな湾曲面である。
現像剤D
Yは、当接部46Cに到るまでに湾曲部46Dによって徐々に隙間が狭くなる空間を通って当接部46Cに到る。さらに、本実施形態では、湾曲部46Dは、ポリウレタンシートを湾曲しているため現像剤D
Yに対する押圧力は小さい。
このため、湾曲部46Dとの間の隙間が小さくなっても、当接部46Cが容易に変形する。現像剤D
Yの層は当接部46Cに沿って逆転時の回転方向の下流側に円滑に通り抜ける。
この結果、現像剤D
Yが湾曲部46Dと擦れる際に、トナー飛散することはない。万一、擦れる際に局所的にトナー飛散が起こっても、逆転方向における下流側に湾曲部46Dが延びているため、トナー飛散を抑制できる。さらに、正転時と同様に、第2シート部材48によっても、現像器32Y外へのトナー飛散が防止される。
【0058】
本実施形態では、第1シート部材46は湾曲部46Dを持つため、逆転時にも現像剤D
Yの表面に常に当接する。このため、万一、一部のトナーが飛散したとしても、現像スリーブ40aに磁気吸着されたキャリアが掻き取られる力は作用しない。このため、現像剤D
Yのキャリアが剥離して飛散することはない。
【0059】
さらに、第1シート部材46は、現像スリーブ40aが逆転する場合、現像スリーブ40aの回転方向に対してカウンター状に当接している。しかし、本実施形態では、先端部に湾曲部46Dが形成されているため、第1シート部材46が座屈して現像スリーブ40aの回転に巻き込まれることもない。
【0060】
第1シート部材46はU字状に湾曲されている。さらに第1シート部材46の第1端部46Aおよび第2端部46Bは保持部45cに固定されている。このため、第1シート部材46が薄いポリウレタンシートであっても、現像剤D
Yからの押圧力に抵抗する適度の剛性を持つことができる。
例えば、第1シート部材46は、第1シート部材46の第2端部46Bが固定されていない場合に比べて、より高い剛性を持つ。第1シート部材46は、第1シート部材46の第2側面部46bおよび第2端部46Bを削除して、J字状に湾曲している場合に比べて、より高い剛性を持つ。
【0061】
第1シート部材46の作用について、比較例と比べて説明する。
図6(a)、(b)は、比較例の画像形成装置の動作説明図である。
【0062】
図6(a)、(b)に示すように、比較例の現像器132は、現像器32Yの第1シート部材46、シート保持部材45に代えて、シート146、シート保持部材145を持つ。以下の説明は、第1シート部材46の作用に関係するため、比較例の現像器132では、現像器32Yの固定部材47、第2シート部材48は削除している。比較例において、その他の構成は、現像器32Y、画像形成装置100の構成と同様である。
【0063】
シート146は、平板状の矩形の合成樹脂フィルムからなる。シート146の長辺の長さは、第1シート部材46の長手方向の長さと等しい。シート146の短辺の長さは、第1シート部材46における第1端部46Aから当接部46Cまでの長さと同様な長さである。
シート146の短手方向の一端部である基端部146bは、シート保持部材145に固定される。
【0064】
シート保持部材145は、規制板44上において、シート146の基端部146bを固定する。シート保持部材145は、シート保持部材45の位置決めピン45aと同様に形成された位置決めピン147aにより、規制板44上で位置決めされる。シート保持部材145は、シート保持部材45と同様にして、規制板44に固定される。
シート保持部材145によるシート146の保持姿勢は、第1シート部材46の第1側面部46aの姿勢と同様である。
【0065】
シート146は、シート保持部材145から規制位置Pと現像位置Qとの間の現像スリーブ40aに向かって突き出されている。シート146は、現像スリーブ40aに食い込むような位置まで延ばされている。シート146では、基端部146bに対して、基端部146bと反対側の端部である先端部146aが正転方向における下流側に位置している。シート146は、正転時の回転方向における上流側から下流側に向かうにつれて、漸次、現像スリーブ40aの方に近づく。
先端部146aは、現像スリーブ40a上の現像剤D
Yに沿ってたわんだ状態で、現像剤D
Yに当接する。
【0066】
図6(a)に示すように、現像スリーブ40aが正転する場合、シート146の先端部146aが、規制板44によって層状化された現像剤D
Yと当接する。シート146は、現像器132の外部へのトナー飛散を防止する。
規制板44を通過した際に飛散するトナーTは、現像器32Yと同様に、規制板44、シート146、および現像スリーブ40aで囲まれた空間内に封止される。
【0067】
一方、
図6(b)に示すように、現像スリーブ40aが逆転する場合、シート146の先端部146aは、現像スリーブ40aの逆転時の回転方向に対してカウンター状に当接する。
このため、先端部146aは、現像剤D
Yの層内に食い込んでいく。先端部146aは、現像スリーブ40aの逆転が進むにつれて現像剤D
Yの下層に侵入する。先端部146aは、現像剤D
Yを現像スリーブ40aの表面からそぎ落とす。このため、磁力の圏外に移動した現像剤D
Yのキャリアが付着したトナーとともに下方に落下する。
このように、逆転時は、当接部よりも先端側に湾曲部が形成されていないシート146の先端部146aが、逆転時の回転方向に対してカウンター状に当接する。このため、先端部146aと、現像剤D
Yおよび現像スリーブ40aとが、正転時よりも格段に激しく摺動する。
この結果、現像スリーブ40aの表面に残存するキャリアがあっても、キャリアの表面からトナーTが離れて空間に飛散しやすくなる。したがって、万一キャリアの飛散が起こらないとしても、本実施形態に比べると格段にトナーTの飛散が起こりやすい。
【0068】
このように、比較例の現像器132では、現像スリーブ40aの逆転時にトナーおよびキャリアの飛散が発生してしまう。
一方、第1シート部材46を持つ本実施形態の現像器32Yは、上述したように、現像スリーブ40aが逆転する場合にも、現像スリーブ40aからの外部へのトナー飛散を抑制することができる。
【0069】
以下、本実施形態の種々の変形例について説明する。
上記実施形態では、当接部46Cが第1側面部46aに形成されるとして説明した。
しかし、当接部は、当接部よりも正転時の回転方向の下流側に湾曲部が形成される部位に設けられればよい。例えば、当接部は、先端折り返し部46cの一部に形成されてもよい。
【0070】
上記実施形態では、第1シート部材46はシートをU字状に湾曲させて形成されているとして説明した。さらに、第1シート部材46は、互いに対向する側面である第1側面部46aおよび第2側面部46bは、略平行(平行の場合を含む)に配列されている。
しかし、U字状の湾曲形状は、外力が作用しない自然状態で、より側方に広がった形状でもよい。例えば、第1シート部材46は、自然状態では第1側面部46aおよび第2側面部46bが外方に湾曲したC字状とされてもよい。この場合、第1シート部材46は、当接部が形成された際に側方の湾曲が潰れて、U字状を呈してもよい。
【0071】
上記実施形態では、第1シート部材46の第1端部46Aおよび第2端部46Bが保持部45cに固定されるとして説明した。
しかし、第1シート部材46に用いるシートの剛性によっては、第1シート部材46において、第2端部46Bを固定せず、第2端部46Bを移動可能に保持してもよい。
さらに、シート部材剛性によっては、シート部材の形状は、第1シート部材46の第2側面部46bおよび第2端部46Bを削除したようなJ字状の断面も採用できる。
【0072】
上記実施形態では、第1シート部材46は、シートがU字状に湾曲されているとして説明した。さらに、第1シート部材46は、第1端部46Aおよび第2端部46Bが保持部45cに固定して形成されているとして説明した。
このような構成とすれば、低剛性のシートであっても、現像スリーブ40aの正転、逆転によって、座屈や巻き込みを起こさない剛性を容易に実現できる。
しかし、シート部材は、現像剤に対する当接部と湾曲部との形状が形成され、現像剤の層に対して適宜の押圧力で当接できればよい。すなわち、シート部材において、シートを曲げることにより湾曲部を形成することは必須ではない。例えば、シート部材は、中実の弾性部材からなり、外表面が第1シート部材46のようなU字状を呈する部材でもよい。
【0073】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、規制位置と現像位置との間の現像ローラの表面に対向して配置され、現像剤に当接する当接部と、当接部から現像位置の方に向かうにつれて現像剤から漸次離れていく湾曲部とを持つシート部材を持つことにより、現像ローラを逆転させる場合でも現像ローラからのトナー飛散を抑制することができる。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。