特許第6223329号(P6223329)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴィアメット ファーマスーティカルズ,インコーポレイテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223329
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】金属酵素化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 257/04 20060101AFI20171023BHJP
   A61K 31/41 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 31/498 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20171023BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20171023BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20171023BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20171023BHJP
   A61P 5/00 20060101ALI20171023BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20171023BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20171023BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20171023BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20171023BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20171023BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20171023BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20171023BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20171023BHJP
   C07D 401/06 20060101ALI20171023BHJP
   C07D 403/06 20060101ALI20171023BHJP
   C07D 409/06 20060101ALI20171023BHJP
   C07D 417/06 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   C07D257/04 A
   A61K31/41
   A61K31/427
   A61K31/4709
   A61K31/497
   A61K31/498
   A61K31/501
   A61K31/506
   A61K45/00
   A61P1/00
   A61P3/10
   A61P5/00
   A61P9/00
   A61P15/00
   A61P25/00
   A61P27/02
   A61P29/00
   A61P31/04
   A61P35/00
   A61P43/00 111
   A61P43/00 121
   C07D401/06
   C07D403/06
   C07D409/06CSP
   C07D417/06
【請求項の数】16
【全頁数】110
(21)【出願番号】特願2014-517112(P2014-517112)
(86)(22)【出願日】2012年6月20日
(65)【公表番号】特表2014-517069(P2014-517069A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】US2012043292
(87)【国際公開番号】WO2012177725
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2015年6月11日
【審判番号】不服2016-18033(P2016-18033/J1)
【審判請求日】2016年12月1日
(31)【優先権主張番号】61/611,917
(32)【優先日】2012年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/500,372
(32)【優先日】2011年6月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514145497
【氏名又は名称】ヴィアメット ファーマスーティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】フックストラ,ウィリアム,ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ショットジンガー,ロバート,ジェー.
【合議体】
【審判長】 守安 智
【審判官】 中田 とし子
【審判官】 榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−193877(JP,A)
【文献】 特開昭59−163374(JP,A)
【文献】 特開2000−344744(JP,A)
【文献】 特表2010−510248(JP,A)
【文献】 特表平10−506652(JP,A)
【文献】 特開平6−49033(JP,A)
【文献】 特開平2−104583(JP,A)
【文献】 国際公開第92/17474(WO,A1)
【文献】 特開平8−20578(JP,A)
【文献】 特表平9−501690(JP,A)
【文献】 特表2014−523880(JP,A)
【文献】 Database REGISTRY,2007年12月21日,RN 959334−94−2,Retrieved from STN international[online];retrived on 7 March 2016
【文献】 Journal of Enzyme Inhibition and Medicinal Chemistry,2006年,21(3),p.293−303
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 255/00-259/00
C07D 401/00-421/14
A61P 1/00-43/00
CAPLUS/STN
REGISTRY/STN
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
の化合物またはその塩であって、
式中、
MBGが、任意に置換されたテトラゾリルであり、
が、ハロであり、
が、ハロであり、
が、1、2、もしくは3つの独立したRで任意に置換されたチエニル、チアゾリル、キノリニル、ベンゾチアゾリル、キノキサリニル、ピラジニル、またはピリダジニルであり、
が、0、1、2、または3つの独立したRで任意に置換されたフェニルであり、
各Rが独立して、H、ハロ、1、2、もしくは3つの独立したRで任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ハロアルケニル、アリールアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルキルアリール、アリールアルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、チオアルキル、SF、SF、SCN、SO、C(O)アルキル、C(O)OH、C(O)Oアルキルであり、
各Rが、独立して、アルキル、チオアルキル、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルコキシ、−C(O)アルキル、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、SF、SF、SCN、SOHおよびSOであり、
が、独立して、アルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリールまたは置換されたヘテロアリールであり、
が、Hである
化合物またはその塩。
【請求項2】
がフルオロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がフルオロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
およびRがフルオロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が、0、1、2、または3つの独立したハロで任意に置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、0、1、2、または3つの独立したフルオロで任意に置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、2,4−ジフルオロフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
がハロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
が、1、2、または3つの独立したRで任意に置換されたヘテロアリールであり、少なくとも1つのRがハロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
がフルオロであり、
がフルオロであり、
が2,4−ジフルオロフェニルであり、
が、1、2、または3つの独立したRで置換された2−ピリジル以外のヘテロアリールである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
がフルオロであり、
がフルオロであり、
が2,4−ジフルオロフェニルであり、
が、1、2、または3つの独立したRで置換された二環ヘテロアリールである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
が、1、2、または3つの独立したRで置換された2−キノリニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
1−(5−クロロチオフェン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(1)、
1−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(2)、
4−(2−(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロピル)チアゾール−4−イル)ベンゾニトリル(3)、
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(4);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(キノリン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(5);
1−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(6);
2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−クロロキノリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(8)、
1−(6−ブロモキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(9);
1−(6−クロロキノキリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(10);
1−(6−クロロベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(11);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(チアゾール−2−イル)プロパン−2−オル(12);
1−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(13);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(チオフェン−2−イル)プロパン−2−オル(14);
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(15);
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(16);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(6−フルオロキノリン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(17);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−(トリフルオロメチル)キノリン−2−イル)プロパン−2−オル(18);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)キノリン−2−イル)プロパン−2−オル(19)、
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(20);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)キノリン−2−イル)プロパン−2−オル(21);
2−(2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(6−クロロキノリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(22);
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(23);
2−(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロピル)キノリン−6−カルボニトリル(24);
1−(6−(ジフルオロメチル)キノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(25);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(6−メチルキノリン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(26);
1−(6−ブロモベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(27);
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(28);
1−(5,6−ジクロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(29)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)キノリン−2−イル)プロパン−2−オル(30);
1−(5−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(31);
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(32);
2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−クロロキノキリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(34);
1−(6−ブロモキノキサリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(38);
1−(5−(4−(ジフルオロメトキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(39);
1−(5−(4−クロロフェニル)ピラジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(40);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(5−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)プロパン−2−オル(41);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)プロパン−2−オル(42);
1−(5−(4−ブロモフェニル)ピラジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(43);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(5−(3,4−ジフルオロフェニル)ピラジン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(44);
1,1−ジフルオロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)プロパン−2−オル(45);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(46);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル)−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(47);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(48);
1−(5−クロロピラジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(49);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−((4−フルオロフェニル)エチニル)ピラジン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(50);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−((4−フルオロフェニル)エチニル)ピラジン−2−イル)−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(51);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−フルオロフェネチル)ピラジン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(52);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−フルオロフェネチル)ピラジン−2−イル)−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(53);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)キノキサリン−2−イル)プロパン−2−オル(54);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(6−フルオロキノキサリン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(55);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリダジン−3−イル)プロパン−2−オル(56);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリダジン−3−イル)プロパン−2−オル(57);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−3−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(58);
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−ビニルキノキサリン−2−イル)プロパン−2−オル(59);
のうちの1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物と薬学的に許容可能なキャリアーとを含む組成物。
【請求項15】
追加的な治療薬をさらに含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
抗癌剤、抗真菌剤、心血管治療薬、抗炎症薬、化学療法薬、抗血管新生薬、細胞傷害性薬物、抗細胞増殖剤、代謝性疾患用薬、眼性疾患用薬、中枢神経系(CNS)疾患用薬、泌尿器疾患用薬、または胃腸疾患用薬である追加的な薬剤をさらに含む、請求項14に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
生体は、特異的に金属を取り込み、それらを細胞内貯蔵部位に輸送し、最終的に使用部位に輸送する、厳重に調節されたプロセスを発達させてきた。生体内システムでの亜鉛および鉄などの金属の最も重要な機能の1つは、金属酵素の活性を可能にすることである。金属酵素は、金属イオンを酵素活性部位に取り込み、触媒プロセスの一部として金属を利用する酵素である。特性が明らかにされている全ての酵素のうちの1/3超が金属酵素である。
【0002】
金属酵素の機能は、酵素の活性部位に金属イオンが存在するか否かに大きく依存する。活性部位の金属イオンに結合して不活性化させる物質によって酵素の活性が著しく減少することは十分に認識されている。体の自然機能は、酵素活性が望まれていない期間に特定の金属酵素の活性を減少させることと同一の戦略を用いている。例えば、タンパク質TIMP(メタロプロテアーゼ組織阻害物質)は、様々なマトリックスメタロプロテアーゼ酵素の活性部位の亜鉛イオンに結合し、それにより、この酵素活性を停止させる。医薬品業界は、治療薬の設計にこれと同一の戦略を使用している。例えば、アゾール系抗真菌剤のフルコナゾールおよびボリコナゾールは、標的酵素であるラノステロールデメチラーゼの活性部位に存在するヘム鉄と結合することにより、酵素を不活性化させる1−(1,2,4−トリアゾール)基を含む。別の例としては、最も多く公開されているマトリックスメタロプロテイナーゼおよびヒストンデアセチラーゼ阻害剤の中に取り込まれた亜鉛結合ヒドロキサム酸基が挙げられる。別の例としては、最も多く公開されているアンジオテンシン変換酵素阻害剤の中に取り込まれた亜鉛結合カルボン酸基が挙げられる。
【0003】
臨床的に安全かつ有効な金属酵素阻害剤の設計では、特定の標的および臨床適応に最も適した金属結合基を使用することが重要である。弱く結合する金属結合基を利用する場合、効力は最適以下になる。他方で、非常に強固に結合した金属結合基を利用する場合、この関連した金属酵素に対する標的酵素の選択性は、最適以下になり得る。最適な選択性が欠損することにより、これら非特異的な金属酵素の意図しない阻害によって、臨床的に毒性を引き起こすこととなり得る。このような臨床的な毒性の一例として、フルコナゾールおよびボリコナゾールなどの現在利用可能なアゾール系抗真菌剤による、シトクロムP450 2C9 (CYP2C9)、CYP2C19およびCYP3A4などのヒト薬剤代謝酵素の意図しない阻害が挙げられる。この非特異的阻害は、主に、CYP2C9、CYP2C19およびCYP3A4の活性部位の鉄と、現在利用されている1−(1,2,4−トリアゾール)とが無差別に結合することにより引き起こされるとされている。別の例として、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の多くの臨床試験で観察されている関節痛がある。この毒性は、非特異的な活性部位の亜鉛にヒドロキサム酸基が無差別に結合することによる非特異的な金属酵素の阻害に関連するとされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、効力および選択性の良好なバランスをとることのできる金属結合基の探索が、未だに重要な目標となっており、未だに対処されていない必要性に対処する治療剤および方法の実現が、これらの疾患、障害、および症状を治療し予防する際に重要である。
【0005】
天然または合成由来の殺菌剤は、農業に関連する真菌により引き起こされる損傷から植物を保護し治癒する作用を有する。一般的に、単一の殺菌剤は、全ての状況に適してはいない。結果として、よりよい性能であり、使用しやすく、より安い費用であり得る殺菌剤を作製するための研究が継続中である。
【0006】
本開示は、以下に示す式Iの化合物およびその誘導体および殺菌剤としての使用法に関する。本開示の化合物は、子嚢菌、担子菌、不完全菌類、および卵菌に対する保護を提供してもよい。
【0007】
本発明は、金属酵素の活性を調節する(例えば、以下の本明細書に記載のいずれかの)化合物およびこれらの疾患、障害、または症状を治療する方法を目的とする。本方法は、本明細書中の化合物を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
植物および植物の周辺部のうちの1つと、式Iの化合物あるいはその塩、溶媒和化合物、水和物またはプロドラッグを含む組成物とを接触させることを含む、病原体からのリスクを減少させる植物の病原体誘導疾患(pathogen−induced disease)を制御する方法であって、
【化1】

式中、
MGBが、任意に置換したテトラゾリル、任意に置換したトリアゾリル、任意に置換したオキサゾリル、任意に置換したピリミジニル、任意に置換したチアゾリル、または任意に置換したピラゾリルであり、
が、H、ハロ、アルキル、またはハロアルキルであり、
が、H、ハロ、アルキル、またはハロアルキルであり、
が、4’−OCHCFもしくは4’−Fで置換された1,1−ビフェニルであり、または1、2、もしくは3つの独立したRで任意に置換されてもよいヘテロアリールであり
が、0、1、2、または3つの独立したRで任意に置換された、アリール、ヘテロアリール、アルキル、またはシクロアルキルであり、
各R独立してH、ハロ、1、2、または3つの独立したRで任意に置換されたアリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ハロアルケニル、アリールアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルキルアリール、アリールアルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、チオアルキル、SF、SF、SCN、SO、C(O)アルキル、C(O)OH、C(O)Oアルキルであり、
各Rが、独立して、アルキル、チオアルキル、シアノ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、ハロアルコキシ、−C(O)アルキル、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、SF、SF、SCN、SOH、およびSOであり、
各Rが、独立して、アルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリールまたは置換されたヘテロアリールであり、
各R、H、−Si(R、−P(O)(OH)、−CH−O−P(O)(OH)、またはアミノで任意に置換された−C(O)アルキルであり、
が、独立して、アルキルまたはアリールであり、
が1、2、または3つの独立したRで任意に置換された2−ピリジルでない、
方法である。
【0009】
他の態様では、本明細書の式の化合物であって、
式中、
がフルオロであり、
がフルオロであり、
およびRがフルオロであり、
が、0、1、2、または3つの独立したRで任意に置換されたフェニルであり、
が、0、1、2、または3つの独立したハロで任意に置換されたフェニルであり、
が、0、1、2、または3つの独立したフルオロで任意に置換されたフェニルであり、
が、ハロであり、
が、1、2、または3つの独立したRで任意に置換された2−ピリジル以外のヘテロアリールであり、
少なくとも1つのRがハロであり、
がフルオロであり、
がフルオロであり、
が、2,4−ジフルオロフェニルであり、
が、1、2、または3つの独立したRで任意に置換された2−ピリジル以外のヘテロアリールであり、
がフルオロであり、
がフルオロであり、
が、2,4−ジフルオロフェニルであり、
が、1、2、または3つの独立したRで置換された二環ヘテロアリールであり、
が、1、2、3つの独立したRで置換された2−キノリニルであり、
MBGが、任意に置換したテトラゾイルまたは任意に置換したトリアゾイルであり、
MBGが、1H−テトラゾール−l−イル、2H−テトラゾール−2−イル、4H−1,2,4−トリアゾル−4イル、または1H−1,2,4−トリアゾル−l−イルであり、
MBGが、lH−テトラゾール−l−イルまたは2H−テトラゾール−2−イルであり、
MBGが、4H−l,2,4−トリアゾル−4イル、またはlH−1,2,4−トリアゾル−l−イルであり、
が、1、2、または3つの独立したRとそれぞれ任意に置換したチエニル、チアゾリル、キノリニル、ピリジル、ベンゾチアゾリル、ピリミジニル、キノキサリニル、ピラリジニル、またはピリダジニル(pyridiazinyl)であり、
がフルオロであり、
がフルオロであり、
が、2,4−ジフルオロフェニルであり、
が、1、2、または3つの独立したRとそれぞれ任意に置換したチエニル、チアゾリル、キノリニル、ピリジル、ベンゾチアゾリル、ピリミジニル、キノキサリニル、ピラリジニル、またはピリダジニル(pyridiazinyl)であり、
が、1、2、または3つの独立した、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロフェニルで置換されたアルキル、ハロフェニルで置換されたアルキニル、またはハロアルコキシ、ハロ、もしくはシアノで置換されたフェニルとそれぞれ任意に置換したチエニル、チアゾリル、キノリル、ピリジル、ベンゾチアゾリル、ピリミジニル、キノキサリニル、ピラジニル、またはピリダジニルである化合物である。
【0010】
本明細書の化合物が、σ結合、共有結合、配位共有結合、イオン結合、π結合、δ結合、逆結合相互作用(backbonding interaction)などの種類のうちの1つ以上の金属ぶ対する化学的相互作用もしくは結合形成することにより、金属酵素と少なくとも部分的な親和性を得るものとして同定されることを含む。また、本化合物は、ファンデルワールス相互作用、π−カチオン相互作用、π−アニオン相互作用、双極子‐双極子相互作用、イオン‐双極子相互作用などの金属とのより弱い相互作用を介して親和性を得ることができる。一態様において、本化合物は、1−テトラゾイル部を介して金属と結合相互作用を有するものとして同定することができる。別の態様において、本化合物は、1−テトラゾイル部のN2を介して金属と結合相互作用を有するものとして同定することができる。別の態様において、本化合物は、1−テトラゾイル部のN3を介して金属と結合相互作用を有するものとして同定することができる。別の態様において、本化合物は、1−テトラゾイル部のN4を介して金属と結合相互作用を有するものとして同定することができる。一態様において、本化合物は、4−テトラゾイル部を介して金属と結合相互作用を有する物として同定され、別の態様において、この化合物は、4−テトラゾイル部のN1を介して金属と結合相互作用を有するものとして同定される。別の態様において、本化合物は、4−テトラゾイル部のN2を介して金属と結合相互作用を有するものとして同定される。
【0011】
金属‐リガンド結合相互作用を評価する方法は、例えば、“Principles of Bioinorganic Chemistry” by Lippard and Berg, University Science Books, (1994); “Mechanisms of Inorganic Reactions” by Basolo and Pearson, John Wiley & Sons Inc; 2nd edition (September 1967); “Biological Inorganic Chemistry” by Ivano Bertini, Harry Gray, Ed Stiefel, Joan Valentine, University Science Books (2007); Xue et al. “Nature Chemical Biology”, vol. 4, no. 2, 107− 109 (2008)を含む引用文献に例示されている技術として公知である。
【0012】
場合によっては、本発明の化合物は、
1−(5−クロロチオフェン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(1)、
1−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(2)、
4−(2−(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−3−(lH−テトラゾール−1−イル)プロピル)チアゾール−4−イル)ベンゾニトリル(3)、
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(4)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(キノリン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(5)、
1−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(6)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(ピリミジン−2−イル)−3−(lH−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(7)
2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−クロロキノリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(8)、
1−(6−ブロモキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(9)、
1−(6−クロロキノキリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(10)、
1−(6−クロロベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(11)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(チアゾール−2−イル)プロパン−2−オル(12)、
1−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(13)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−l−イル)−1−(チオフェン−2−イル)プロパン−2−オル(14)、
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(lH−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(15)、
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(16)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(6−フルオロキノリン−2−イル)−3−(lH−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(17)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−l−イル)−1−(6−(トリフルオロメチル)キノリン−2−イル)プロパン−2−オル(18)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−l−イル)−1−(6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)キノリン−2−イル)プロパン−2−オル(19)、
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(lH−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(20)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−l−イル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)キノリン−2−イル)プロパン−2−オル(21)、
2−(2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(6−クロロキノリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(22)、
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(23)、
2−(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロピル)キノリン−6−カルボニトリル(24)、
1−(6−(ジフルオロメチル)キノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(25)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(6−メチルキノリン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(26)、
1−(6−ブロモベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(27)、
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(28)、
1−(5,6−ジクロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(29)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−l−イル)−1−(5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)キノリン−2−イル)プロパン−2−オル(30)、
l−(5−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(31)、
l−(6−クロロキノリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(32)、
l−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)プロパン−2−オル(33)、
2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−クロロキノキリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(34)、
1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル)プロパン−2−オル(35)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−l−イル)−1−(6−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)ピリジン−3−イル)プロパン−2−オル(36)、
1−(7−クロロイソキノリン−3−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(37)、
1−(6−ブロモキノキサリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(38)、
1−(5−(4−(ジフルオロメトキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(39)、
1−(5−(4−クロロフェニル)ピラジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(40)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(5−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)プロパン−2−オル(41)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−l−イル)−1−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)プロパン−2−オル(42)、
1−(5−(4−ブロモフェニル)ピラジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(43)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(5−(3,4−ジフルオロフェニル)ピラジン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(44)、
1,1−ジフルオロ−2−(4−フルオロフェニル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(5−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)プロパン−2−オル(45)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(46)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル)−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(47)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−メトキシフェニル)ピラジン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(48)、
1−(5−クロロピラジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(49)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−((4−フルオロフェニル)エチニル)ピラジン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(50)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−((4−フルオロフェニル)エチニル)ピラジン−2−イル)−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(51)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−フルオロフェネチル)ピラジン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(52)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−フルオロフェネチル)ピラジン−2−イル)−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(53)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(lH−テトラゾール−l−イル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)キノキサリン−2−イル)プロパン−2−オル(54)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(6−フルオロキノキサリン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(55)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリダジン−3−イル)プロパン−2−オル(56)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−l−イル)−1−(6−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリダジン−3−イル)プロパン−2−オル(57)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−3−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(58)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−l−イル)−1−(6−ビニルキノキサリン−2−イル)プロパン−2−オル(59)、
2−(2,4−ジフルオロフェニル)1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−イル)−1−(4’−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)プロパン−2−オル(60)、および
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(4’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−(1H−テトラゾール−l−イル)プロパン−2−オル(61)
から選択される式I(およびその薬学的および能格的に許容可能な塩、溶媒和物、または水和物)である。
【0013】
別の態様において、本発明は、式Iの化合物および農業的に許容可能なキャリアーを含む農業用組成物を提供する。
【0014】
他の態様において、本発明は、本明細書中のいずれかの式の化合物を提供するものであり、この化合物は、ラノステロールデメチラーゼ(CYP51)を阻害する(または阻害と同定される)。
【0015】
他の態様において、本発明は、本明細書中のいずれかの式の化合物を提供し、本化合物は、標的となる生物に対してある活性範囲(例えば、C. albicansの最小発育阻止濃度(MIC)<0.25μg/mL(mLあたりのマイクログラム)、S.triticiの最小発育濃度(MIC)<0.5μg/mL(mLあたりのマイクログラム)、例えば、P. triticinaの最小発育阻止濃度(MIC)<0.5μg/mL(mLあたりのマイクログラム)など)を有するものとして同定される。
【0016】
別の態様において、本発明は、式Iの化合物および薬学的に許容可能なキャリアーを含む薬学的組成物を提供する。
【0017】
他の態様において、本発明は、対象の金属酵素活性を調節する方法であって、金属酵素活性を十分に調製する量および条件において、式Iの化合物と対象を接触させることを含む方法を提供する。
【0018】
一態様において、本発明は、金属酵素関連障害または疾患に罹患するまたは罹患している疑いのある対象を処置するための方法であって、式Iの化合物または薬学的組成物の有効量を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0019】
別の態様において、本発明は、金属酵素関連障害または疾患に罹患するまたは罹患する疑いのある対象を処置する方法であって、この対象を金属酵素関連障害または疾患の処置の必要のあるものとして同定し、この対象の障害を処置するために、式Iの化合物または薬学的組成物の有効量を、その必要がある対象に投与することを含む方法を提供することを含む方法を提供する。
【0020】
別の態様において、本発明は、金属媒介障害または疾患を罹患するまたは罹患する疑いのある対象を処置する方法を提供し、この対象を、金属酵素媒介障害または疾患の処置の必要があると同定し、この対象の金属酵素活性を調節(例えば、ダウンレギュレート、阻害)するために、式Iの化合物または薬学的組成物の有効量を、その必要のある対象に投与することを含む方法を提供する。
【0021】
本明細書における方法は、この疾患または障害が、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ、5−リポキシゲナーゼ、アデノシンデアミナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アミノペプチダーゼN、アンジオテンシン変換酵素、アロマターゼ(CYP19)、カルシニューリン、カルバモイルリン酸シンターゼ、炭酸脱水酵素ファミリー、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ、シクロオキシゲナーゼファミリー、ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ‐1、DNAポリメラーゼ、ファルネシルジホスフェートシンターゼ、ファルネシルトランスフェラーゼ、フマル酸レダクターゼ、GABAアミノトランスフェラーゼ、HIF−プロリルヒドロキシラーゼ、ヒストンデアセチラーゼファミリー、HIVインテグラーゼ、HIV−1逆転写酵素、イソロイシンtRNAリガーゼ、ラノステロールデメチラーゼ(CYP51)、マトリックスメタロプロテアーゼファミリー、メチオニンアミノペプチダーゼ、中性エンドペプチダーゼ、NOシンターゼファミリー、ホスホジエステラーゼIII、ホスホジエステラーゼIV、ホスホジエステラーゼV、ピルビン酸シンターゼ、腎臓ペプチターゼ、リボヌクレオシド二リン酸レダクターゼ、トロンボキサンシンターゼ(CYP5a)、甲状腺ペルオキシダーゼ、チロシナーゼ、ウレアーゼ、またはキサンチンオキシダーゼのいずれかにより媒介される疾患または障害であることを含む。
【0022】
本明細書における方法は、この疾患または障害が、1−デオキシ−D−キシルロース−5−ホスフェートレダクトイソメラーゼ(DXR)、17α−ヒドロキシラーゼ(CYP17)、アルドステロンシンターゼ(CYP11B2)、アミノペプチターゼP 、炭疽菌致死因子、アルギナーゼ、ベータラクタマーゼ、シトクロムP450 2A6、D−Ala D−Ala リガーゼ、ドーパミンβヒドロキシラーゼ、エンドセリン変換酵素−1、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼII、グルタミニルシクラーゼ、グリオキサラーゼ、ヘムオキシゲナーゼ、HPV/HSV Elヘリカーゼ、インドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ、ロイコトリエンA4ヒドロラーゼ、メチオニンアミノペプチダーゼ2、ペプチドデフォルミラーゼ、ホスホジエステラーゼVII、レクサーゼ(relaxase)、レチノイン酸ヒドロキシラーゼ(CYP26)、TNF−α変換酵素(TACE)、UDP−(3−O−(R−3−ヒドロキシミリストイル))−N−アセチルグルコサミンデアセチラーゼ(LpxC)、血管性接着タンパク質1(VAP−1)、またはビタミンDヒドロキシラーゼ(CYP24)のいずれかにより媒介される疾患または障害であることを含む。
【0023】
本明細書中の方法は、この疾患または障害が、癌、循環器疾患、炎症性疾患、感染性疾患、代謝性疾患、眼性疾患、中枢神経系(CNS)疾患、泌尿器疾患、または胃腸疾患であることを含む。
【0024】
本明細書中の方法は、この疾患または障害が、前立腺癌、乳癌、炎症性腸疾患、乾癬、全身性真菌感染症、皮膚構造真菌感染症、粘膜真菌感染症、または爪真菌症であることを含む。
【0025】
本明細書に記載する方法は、この対象を特定の処置を必要とすると同定することを含む。このような処置を必要とする対象の同定は、対象またはヘルスケアの専門家の判断とすることができ、(例えば意見等の)主観的あるいは(例えば、試験または診断方法により測定可能である)客観的なものとすることができる。
【0026】
本発明の別の態様は、本明細書の式(例えば式I)の化合物および農業的に許容可能なキャリアーを含む組成物である。
【0027】
本発明の別の態様は、植物内または植物表面の金属酵素の金属酵素媒介疾患または障害を処置または予防し、本発明の化合物とこの植物とを接触させることを含む方法である。
【0028】
本発明の別の態様は、植物内または植物表面の金属酵素活性を阻害し、本発明の化合物とこの植物とを接触させることを含む方法である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
定義
本発明を容易に理解するために、最初に、特定の用語を便宜上定義する。
【0030】
本明細書で使用されるように、障害を「処置する」という用語は、障害および/またはこの障害を引き起こし得る状態を予防し、回復させ、軽減し、かつ/または管理することを含む。用語「処置する」および「処置」は、疾患および/または疾患に付随する症状を回復または軽減させる方法を意味する。本発明による「処置」は、例えば、障害による弊害の発生を、予防し、ブロックし、阻害し、弱毒化し、保護し、調節し、逆行させることを含む。
【0031】
本明細書で使用される「阻害」は、進行を予防し、低減し、停止させることを含む。「酵素阻害」(例えば、金属酵素阻害)は、以下で区別され記載される
【0032】
用語「調節する」は、本発明の化合物の曝露に関する酵素活性を増加または減少させることを意味する。
【0033】
「分離した」、「精製した」、または「生物学的に純粋」との文言は、自然状態において形成された通常付随する成分が実質的にまたは本質的に存在しない物質を意味する。純度および均一性は、概して、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技術を使用して決定する。特に、実施形態において、本化合物は、少なくとも85%純粋であり、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%純粋である。
【0034】
用語「投与」または「投与する」は、意図する機能を実行するために、ある対象に本化合物を導入する経路を含む。使用することのできる投与経路の例は、注射(皮下、静脈内、非経口的、腹腔内、髄腔内)、局所投与、経口投与、吸入、直腸投与、および経皮投与を含む。
【0035】
用語「有効量」は、望ましい結果を得るために必要な用量および期間において有効である量を含む。化合物の有効量は、対象の疾患状態、年齢、および体重、ならびに対象の望ましい反応を除去するための化合物の性能により変動してもよい。最適な治療反応を提供するために投与計画を調整してもよい。また、有効量は、いずれかの阻害剤化合物の毒性効果または有害効果(例えば副作用)を、治療的に有益な効果が上回ることを意味する。
【0036】
本明細書で使用される「全身投与」、「全身に投与される」「末梢性投与」、および「末梢に投与される」との文言は、患者の体内システムに入る、すなわち、代謝プロセスまたは他のプロセスに入るように、化合物、薬剤または他の物質を投与することを意味する。
【0037】
用語「治療上または農業的な有効量」は、処置される状態または障害の1つ以上の症状をある程度の発達を十分に予防または軽減するように投与される化合物の量を意味する。
【0038】
化合物の治療上有効量(すなわち、有効薬量)は、体重の約0.005μg/kg(キログラムあたりのマイクログラム)〜約200μg/キログラム(キログラム値のマイクログラム)、好ましくは、約0.01mg/kg〜約200mg/kg、より好ましくは、約0.015mg/kg〜約30mg/kgの範囲であってもよい。他の実施形態において、治療上有効量は、約1.0ピコモル濃度(pM)〜約10マイクロモル濃度(μM)の範囲内であってもよい。当業者は、限定するものではないが、疾患または障害の重症度、以前の治療、対象の健康状態および/または年齢、ならびに他の疾患の存在を含む特定の要因により対象を処置するために要求される有効量が影響されてもよい。さらに、治療上有効量の化合物を用いた対象の処置は、単一治療を含んでもよく、好ましくは、一連の治療に含まれることができる。1つの例では、約1〜10週間の間、好ましくは約2〜8週間の間、より好ましくは約3〜7週間の間、さらにより好ましくは、約4、5、または6週間の間、1日1回、体重当たり約0.005μg/kg〜約200mg/kgの範囲の化合物で対象を処置する。別の例では、慢性状態または慢性疾患の状態の対象を数年間にわたって毎日処置してもよい。また、処置に使用する化合物の有効量を、特定の処置過程にわたって増加または減少させてもよい。
【0039】
用語「キラル」は、鏡像異性体と重ね合わせることのできない性質を有する分子を意味し、用語「アキラル」は、鏡像異性体と重ね合わせることのできる分子を意味する。
【0040】
用語「ジアステレオマー」は、互いに鏡像ではない分子である2つ以上の不均斉の中心を有するステレオアイソマーを意味する。
【0041】
用語「エナンチオマー」は、互い重ね合わせることのできない鏡像体である化合物の2つのステレオアイソマーである。2つのエナンチオマーの等量混合物を、「ラセミ混合物」または「ラセミ体」と呼ぶ。
【0042】
用語「アイソマー」または「ステレオアイソマー」は、同一の化学構造を有するが、原子または基の空間配置が異なる化合物を意味する。
【0043】
用語「プロドラッグ」は、in vivoで代謝することのできる部分を備えた化合物を含む。一般的に、プロドラッグは、エステラーゼまたは活性薬剤に対する他の代謝によりin vivoで代謝される。プロドラッグおよびその使用例は、当業者に公知である(例えば、Berge et al. (1977) “Pharmaceutical Salts”,J. Pharm. Sci. 66:1−19参照)。このプロドラッグを、化合物の最終的な分離および精製の間、in situで、または適切なエステル化剤を用いた遊離酸もしくはヒドロキシルの形態で、精製した化合物をそれぞれ反応させることにより、調製することができる。ヒドロキシル基を、カルボン酸での処置を介してエステルへと変換することができる。プロドラッグ部の例は、置換されたおよび非置換された、分枝または非分枝型低級アルキルエステル部(例えば、プロピオン酸エステル)、低級アルキルエステル、ジ低級アルキルアミノ低級アルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルエステル)、アシルアミノ低級アルキルエステル(例えば、アセチロキシメチルエステル)、アシルオキシ低級アルキルエステル(例えば、ピバロイルオキシメチルエステル)、アリールエステル(フェニルエステル)、アリール−低級アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル)、(例えば、メチル、ハロ、またはメトキシ置換基と)置換したアリールおよびアリール−低級アルキルエステル、アミド、低級アルキルアミド、ジ−低級アルキルアミドならびにヒドロキシアミドを含む。好ましいプロドラッグ部は、プロピオン酸エステルおよびアシルエステルである。また、他のin vivoでの代謝を介した活性形態に転換されるプロドラッグも含まれる。特定の実施形態において、本発明の化合物は、本明細書のいずれかの式のプロドラッグである。
【0044】
用語「対象」は、限定するものではないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ネズミ、マウスなどを含む哺乳類などの動物を意味する。ある実施形態では、この対象はヒトである。
【0045】
用語「a」、「an」、および「the」は、特許請求の範囲を含む本出願で使用される際に「1つ以上」を意味する。したがって、例えば、「a sample」は、本文脈に明確に反対の記載(例えば、複数のサンプル)等がされていない限り、複数の意味を含む。
【0046】
本明細書および特許請求の範囲において、用語「を含む」、「〜を含んでいる」は、文脈で他の意味とされない限り、非排他的な意味で使用される。
【0047】
本明細書で使用されるように、用語「約」は、開示される方法を実行し、または開示される組成物を使用するために適切な変動として、特定の量からいくつかの実施形態において±20%、いくつかの実施形態において±10%、いくつかの実施形態において、±5%、いくつかの実施形態において±1%、いくつかの実施形態において±0.5%、いくつかの実施形態において±0.1%の変動を含むことを意味する。
【0048】
本明細書における「阻害剤」との用語の使用は、金属酵素を阻害する活性を示す分子を意味する。本明細書の「阻害剤」により、阻害剤が存在しない際の金属酵素の活性と比較して、金属酵素の活性が減少することを意味する。いくつかの実施形態において、「阻害する」との用語は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%の金属酵素活性を減少させることを意味する。他の実施形態において、阻害は、約5%〜25%、約25〜50%、約50%〜75%、約75〜100%の金属酵素活性の減少を意味する。いくつかの実施形態において、阻害は、例えば、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の減少など、約95%〜100%の金属酵素活性の減少を意味する。このような減少を、当業者により理解される様々な技術を使用して測定することができる。個々の活性を測定する特定のアッセイを以下に記載する。
【0049】
さらに、本発明の化合物は、「シス」(同一の側)構成を意味する「Z」、「トランス」(反対側)構成を意味する「E」のいずれかの形状を有するオレフィンを含む。キラル中心の命名法に関して、用語「d」および「l」の構成は、IUPACの提言により定義される。用語ジアステレオマー、ラセミ体、エピマー、およびエナンチオマーを使用する際に、これらの用語は、この製剤の立体化学を記載するために通常の文脈において使用される。
【0050】
本明細書にわたり使用されるように、用語「R」は、特に明記されない限り、C1‐8アルキル、C3‐8アルケニル、またはC3‐8アルキニルを含む基を意味する。
【0051】
本明細書で使用されるように、用語「アルキル」は、1〜12つの炭素原子を含む直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味する。用語「低級アルキル」は、C1‐6アルキル鎖を意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、およびn−ペンチルを意味する。アルキル基は、1つ以上の置換基で任意に置換されてもよい。
【0052】
用語「アルケニル」は、2〜12の炭素原子および少なくとも1つの炭素‐炭素二重結合を含む直鎖または分枝鎖であってもよい不飽和型炭化水素を意味する。アルケニル基は、1つ以上の置換基で任意に置換されてもよい。
【0053】
用語「アルキニル」は、2〜12の炭素原子および少なくとも1つの炭素‐炭素三重結合を含む、直鎖または分枝鎖であってもよい不飽和型炭化水素を意味する。アルキニル基は、1つ以上の置換基で任意に置換されてもよい。
【0054】
アルケニル基およびアルキニル基のspまたはsp炭素は、それぞれ任意にアルケニルまたはアルキニル基の付着点であってもよい。
【0055】
用語「アルコキシ」は、−OR置換基を意味する。
【0056】
本明細書で使用されるように、用語「ハロゲン」、「ハル」、および「ハロ」は、−F、−Cl、−Br、または−Iを意味する。
【0057】
用語「ハロアルコキシ」は、−OR置換基を意味し、Rは、−Cl、−F、−I、または−Brまたはそれらのいずれかの組み合わせと完全にまたは部分的に置換されている。ハロアルコキシ基の例は、トリフルオロメトキシおよび2,2,2−トリフルオロエトキシを含む。
【0058】
用語「シクロアルキル」は、少なくとも1つの飽和環または少なくとも1つの非芳香環を有する3‐8員単環または7−14員二環系を意味し、この非芳香環は、ある程度不飽和であってもよい。
シクロアルキル基は、1つ以上の置換基で任意に置換されてもよい。一実施形態において、シクロアルキル基の各環の0、1、2、3、または4つの原子は、置換基により置換されてもよい。代表的なシクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロブチル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルなどを含む。
【0059】
用語「アリール」は、単環、二員環、三員環の芳香環系炭化水素を意味する。アリール基は、1つ以上の置換基で任意に置換されてもよい。一実施形態において、アリール基の各環の0、1、2、3、4、5、または6つの原子が、置換基で置換されてもよい。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、アントラアセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニルなどを含む。
【0060】
用語「ヘテロアリール」は、5−8の単員環、8−12の二員環、または11−14の三員環系であって、単員環の場合は1〜4つのヘテロ原子環、二員環の場合は1〜6つのヘテロ原子、三員環の場合は1〜9つのヘテロ原子を有し、このヘテロ原子は、O、N、またはSから選択され、残存する環の原子は、(他の記載がない限りは適切な水素原子を備えた)炭素であることを意味する。ヘテロアリール基は、1つ以上の置換基で任意に置換されてもよい。一実施形態において、ヘテロアリール基の0、1、2、3、またはあ4つの原子は、置換基で置換されてもよい。ヘテロアリール基の例は、ピリジル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、キノリニル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラリジニル、トリアジニル、イソキノリニル、インダゾリルなどを含む。
【0061】
用語「窒素含有ヘテロアリール」は、単員環である場合は1〜4つの窒素ヘテロ原子、二員環である場合は1〜6つの窒素ヘテロ原子、三員環である場合は1〜9つの窒素ヘテロ原子を有するヘテロアリール基を意味する。
【0062】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、非芳香性の3〜8つの単員環、7〜12の二員環、または10〜14つの三員環系を意味し、単員環の場合は1〜3つのヘテロ原子、二員環の場合は1〜6つのヘテロ原子、三員環の場合は1〜9つのヘテロ原子を含み、このヘテロ原子は、O、N、S、B、P、またはSiから選択され、この非芳香環系は、完全に飽和している。ヘテロシクロアルキル基は、1つ以上の置換基と任意に置換されてもよい。一実施形態において、ヘテロシクロアルキル基の各環の0、1、2、3、または4つの原子は、置換基により置換されてもよい。代表的なヘテロシクロアルキル基は、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、チエニル(thiirenyl)などを含む。
【0063】
用語「アルキルアミノ」は、1または2つのアルキル基とさらに置換されるアミノ置換基を意味する。用語「アミノアルキル」は、1つ以上のアミノ基とさらに置換されたアルキル置換基を意味する。用語「ヒドロキシアルキル」または「ヒドロキシルアルキル」は、1つ以上ヒドロキシル基とさらに置換されたアルキル置換基を意味する。アルキルアミノ、アミノアルキル、メルカプトアルキル、ヒドロキシアルキル、メルカプトアルコキシ、スルホニルアルキル、スルホニルアリール、アルキルカルボニル、およびアルキルカルボニルアルキルのアルキルまたはアリール部は、1つ以上の置換基と任意に置換されてもよい。
【0064】
本明細書中の方法に有益な酸および塩基は当業者に公知である。酸触媒は、化学的に酸性であり、天然において無機性物質(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、三塩化アルミニウム)または有機性物質(例えば、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、イッテルビウムトリフラート)とすることができる。塩基は、化学的に塩基性であり、無機性物質(例えば、重炭酸ナトリウム、水酸化カリウム)または有機性物質(例えば、トリエチルアミン、ピリジン)とすることができる。塩基は、触媒または化学量論的な量において、化学反応を促進する際に有益である。
【0065】
アルキル化剤は、論点となる官能基のアルキル化(例えば、アルコールの酸素原子、アミノ基の窒素原子)に影響を与えることができるいずれかの薬剤である。アルキル化剤は当業者に知られており、本明細書に引用される引用文献に含まれており、ハロゲン化アルキル(例えば、ヨウ化メチル、臭化ベンジル、または塩化ベンジル)、アルキル硫酸(例えば、硫酸メチル)または当業者に公知の他のアルキル基−脱離基の組み合わせが含まれる。脱離基は、反応(例えば、脱離反応、置換反応)の間の分子から解離することのできるいずれかの安定した化学種であり、当業者に知られており、本明細書に引用された引用文献に含まれている。脱離基は、ハロゲン化物(例えば、I−、Cl−、Br−、F−)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、−OMe、−O−t−Bu)、アルコキシアニオン(例えば、−OAc、−OC(O)CF)、スルホン酸塩(メシル酸、トシル)、アセトアミド(例えば、−NHC(O)Me)、カルバメート(例えば、N(Me)C(O)Ot−Bu)、ホスホン酸塩(例えば、−OP(O)(OEt))、水またはアルコール(プロトン状態)などを含む。
【0066】
特定の実施形態において、任意の基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル)に関する置換基は、この基のいずれかの原子とすることができ、(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルを)置換することのできる任意の基が、(同一または異なってもよい)1つ以上の置換基で任意に置換されてもよく、それぞれが、水素原子を置換する。適切な置換基は、限定するものではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、アルコキシ、アリーロキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシルアルキル、オキソ(すなわち、カルボニル)、カルボキシル、ホルミル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリーロキシカルボニル、ヘテロアリーロキシ、ヘテロアリーロキシカルボニル、チオ、メルカプト、メルカプトアルキル、アリールスルホニル、アミノ、アミノアルキル、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルカルボニル、またはアリールアミノ置換されたアリール;アリールアルキルアミノ、アラルキルアミノカルボニル、アミド、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、イミノ、カルバミド、カルバミル、チオウレイド、チオシアナト、スルホンアミド(sulfoamido)、スルホニルアルキル、スルホニルアリール、メルカプトアルコキシ、N−ヒドロキシアミジニル、またはN’−アリール、N’ ’−ヒドロキシアミジニルを含む。
【0067】
本発明の化合物を、当業者に公知の有機合成法により作製することができる。反応状態を最適化する、または必要に応じて競合する副産物を最小化する方法は当業者に公知である。最適化およびスケールアップの反応は、高速並列合成装置(high−speed parallel synthesis equipment)およびコンピュータ制御マイクロリアクタ(例えば、本明細書の引用文献であるDesign And Optimization in Organic Synthesis, 2nd Edition, Carlson R, Ed, 2005; Elsevier Science Ltd.; Jahnisch, K. et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2004, 43, 406)を有意に利用してもよい。商業的に利用可能な構造‐検索データベースソフトウェア、例えば、SciFinder(登録商標)(米国化学会のケミカルアブストラクツサービス(CAS(登録商標))およびCrossFire Beilstein(登録商標)(Elsevier MDL)を使用することにより、あるいはGoogle(登録商標)などのインターネット検索エンジンを使用して検索するキーワードまたは米国特許商標局のテキストデータベースなどのデータベースのキーワードにより、追加的な反応のスキームおよび手法を当業者が決定してもよい。
【0068】
また、本明細書の化合物は、結合(例えば、炭素‐炭素結合)を含んでもよく、特定の結合により結合の回転が限定され、例えば、環または二重結合の存在により限定される。したがって、全てのシス/トランスおよびE/Zアイソマーは、本発明にはっきりと含まれる。また、本明細書の化合物は、複数の互変異性形態で存在してもよく、例えば、単一の互変異性形態のみが存在してもよいが、本発明の化合物は、本明細書に記載した化合物の全ての互変異性形態を明示的に含む。このような本明細書の化合物の互変異性の形態は、本発明に明示的に含まれている。本明細書に記載した化合物の全ての結晶形態または多形は、本発明に明示的に含まれる。また、本発明の化合物を含む抽出物および画分も使用される。アイソマーという用語は、ジアステレオマー、エナンチオマー、位置異性体、構造異性体、回転異性体、互変異性体などを含むとされる。例えば、キラル化合物など、1つ以上の不斉中心を含む化合物のため、エナンチオマーを多く含む化合物、ラセミ体、またはジアステレオマーの混合物を用いて本発明の方法を実行する。
【0069】
好ましいエナンチオマーを多く含む化合物は、50%以上のエナンチオマー過剰率を有し、より好ましくは、この化合物は、60%、70%、80%、90%、95%、98%、または99%以上のエナンチオマー過剰率を有する。好ましい実施形態において、本発明のキラル化合物の1つのエナンチオマーまたはジアステレオマーのみが細胞または対象に投与される。
【0070】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載するように式I(または本明細書の式のいずれか)の化合物を合成する方法を提供する。別の実施形態は、本明細書に記載される反応のいずれか1つまたはその反応を組み合わせて使用して、本明細書のいずれかの式の化合物を作製する方法である。本方法は、本明細書に記載した1つ以上の中間体または化学試薬を使用することを含む。
【0071】
処置方法
一態様において、本発明は、対象の細胞の金属酵素活性を調節する方法であって、金属酵素活性を調節するために十分な量および条件で、本明細書の式(例えば、式I)のいずれかの化合物と対象を接触させることを含む方法を提供する。
【0072】
一実施形態において、この調節は阻害である。
【0073】
別の態様において、本発明は、金属酵素媒介障害または疾患を罹患するまたは罹患する疑いのある対象を処置する方法であって、本明細書の式(例えば、式I)のいずれかの化合物またはその薬学的もしくは農業的組成物である化合物の有効量を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0074】
他の態様において、本発明は、金属媒介障害または疾患を罹患するまたは罹患する疑いのある対象を処置する方法を提供し、この対象を、金属酵素媒介障害または疾患を処置する必要があると同定し、この対象の障害を処置するために、本明細書の式(例えば、式I)またはこの薬学的もしくは農業的組成物のいずれかの化合物の有効量を、その必要のある対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0075】
特定の実施形態において、本発明は、ある疾患、障害、または症状を処置する方法を提供し、この障害が、癌、循環器疾患、炎症性疾患、または感染性疾患である。他の実施形態において、この疾患、障害、または症状は、代謝性疾患、眼性疾患、中枢神経系(CNS)疾患、泌尿器疾患、または胃腸疾患である。特定の実施形態において、この疾患は、前立腺癌、乳癌、炎症性腸疾患、乾癬、全身性真菌感染症、皮膚構造真菌感染症、粘膜真菌感染症、および爪真菌症である。
【0076】
特定の実施形態において、この対象は哺乳類であり、好ましくは霊長類またはヒトである。
【0077】
別の実施形態において、本発明は上述の方法を提供し、本明細書の式(例えば、式I)のいずれかの化合物の有効量は、上述の通りである。
【0078】
別の実施形態において、本発明は、上述の方法を提供し、本明細書の式(例えば、式I)のいずれかの化合物の有効量を、静脈内、筋肉内、皮下、脳室内、経口的、または局所的に投与する。
【0079】
他の実施形態において、本発明は、上述の方法を提供し、本明細書の式(例えば、式I)のいずれかの化合物の有効量を、単独または1つ以上の他の治療と組み合わせて投与する。さらなる実施形態において、追加的な治療薬は、抗癌剤、抗真菌剤、心血管治療薬、抗炎症薬、化学療法薬、抗血管新生薬、細胞傷害性薬物、抗細胞増殖剤、代謝性疾患用薬、眼性疾患用薬、中枢神経系(CNS)疾患用薬、泌尿器疾患用薬、または胃腸疾患用薬である。
【0080】
本発明の別の目的は、金属酵素媒介障害または疾患の処置に使用するため、薬剤の製造における本明細書に記載した(例えば、本明細書のいずれかの式の)化合物を使用することである。本発明の別の目的は、金属酵素媒介障害または疾患の処置に使用にするため、本明細書に記載した(例えば、本明細書のいずれかの式の)化合物を使用することである。本発明の別の目的は、農業または農地のセッティングにおける金属酵素媒介障害または疾患の処置または予防において使用するため、農業用組成物の製造における本明細書に記載した(例えば、本明細書のいずれかの式の)化合物を使用することである。
【0081】
薬学的組成物
一態様において、本発明は、本明細書の式(例えば、式I)のいずれかの化合物および薬学的に許容可能なキャリアーを含む薬学的組成物を提供する。
【0082】
別の実施形態において、本発明は、追加的な治療薬をさらに含む薬学的組成物を提供する。さらなる実施形態において、追加的な薬剤は、抗癌剤、抗真菌剤、心血管治療薬、抗炎症薬、化学療法薬、抗血管新生薬、細胞傷害性薬物、抗細胞増殖剤、代謝性疾患用薬、眼性疾患用薬、中枢神経系(CNS)疾患用薬、泌尿器疾患用薬、または胃腸疾患用薬である。
【0083】
一態様において、本発明は、癌、固形腫瘍、循環器疾患、炎症性疾患、感染性疾患を含む金属酵素媒介疾患または障害を罹患するまたは罹患する疑いのある対象に本化合物を投与するための説明書を備えた、単位用量中に本明細書の式(例えば、式I)のいずれかの化合物の有効量を含むキットを提供する。他の実施形態において、この疾患、障害、または症状は、代謝性疾患、眼性疾患、中枢神経系(CNS)疾患、泌尿器疾患、または胃腸疾患である。
【0084】
用語「薬学的に許容可能な塩」または「薬学的に許容可能なキャリアー」は、本明細書に記載した化合物上で見いだされる特定の置換基により、相対的に非毒性の酸または塩基で調製される活性化合物の塩を含むことを意味する。本発明の化合物が、相対的に酸性の官能性を含む際に、適切な不活性溶媒中に、十分な量の望ましい塩基と中性型の化合物を接触させることにより、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容可能な塩基付加塩の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機網の、またはマグネシウム塩、または同様の塩を含む。本発明の化合物が相対的に塩基性の官能基を有する際に、適切な不活性溶媒中で、望ましい十分な量の酸とこのような中間型の化合物を接触させることにより、酸付加塩を得ることができる。このような薬学的に許容可能な酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などの無機酸由来の塩、および酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などの相対的に非毒性の有機酸由来の塩を含む。また、アルギン酸(arginate)などのアミノ酸塩およびグルクロン酸またはガラクツロン酸(galactunoric acid)などの有機酸塩も含まれる(例えば、Berge et ah, J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1−19参照)。本発明の特定の化合物は、塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに化合物を変換させる塩基性官能性と酸性官能性との両方を含む。当業者に公知の他の薬学的に許容可能なキャリアーは、本発明に適している。
【0085】
中間型の化合物を、塩基または酸とこの塩を接触させ、従来の方法において本化合物を分離することにより再生産してもよい。本発明の化合物の形態は、極性溶媒への溶解度などの特定の物理的特性において多様な塩の形態と異なるものであるが、この塩は、本発明の目的とする化合物の元の形態と同等である。
【0086】
塩の形態に加え、本発明は、プロドラッグの形態における化合物を提供する。本明細書に記載した化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を行い、本発明の化合物を提供する化合物である。さらに、生体外環境における化学的または生物学的方法により、プロドラッグを本発明の化合物に変換することができる。例えば、プロドラッグを、適切な酵素または化学試薬を備えた経皮パッチリザーバー内に配置した際に、本発明の化合物にゆっくりと転換させることができる。
【0087】
本発明の特定の化合物は、水和型の形態を含む溶媒和型の形態および非溶媒和型の形態において存在することができる。一般的に溶媒和型の形態は、非溶媒和型の形態と等量であり、本発明の範囲内に含まれることが意図される。本発明の特定の化合物は、複数の結晶質または非晶質の形態において存在してもよい。一般的に、全ての物理的形態は、本発明により熟考されて使用する形態と同等であり、本発明の範囲内にあるとされる。
【0088】
また、本発明は、本明細書に記載した化合物および薬学的に許容可能なキャリアーの有効量を含む薬学的組成物を提供する。ある実施形態において、化合物を、例えば、薬学的に許容可能な製剤を対象に投与してから少なくとも12時間、24時間、36時間、48時間、1週間、2週間、3週間、または4週間対象に化合物を持続して送達する薬学的に許容可能な製剤を使用して、対象に化合物を投与する。
【0089】
毒性(または許容できない毒性)のない状態で、特定の患者、組成物、および投与状態にとって望ましい治療反応を得るために有効な活性成分量を得るために、本発明の薬学的組成物の活性成分の投与の実際の用量レベルおよび時間経過が変動してもよい。
【0090】
使用する際に、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、もしくは脳質内注射、または経口投与または局所適用により、薬学的キャリアー中での本発明による少なくとも1つの化合物の薬学的有効量を、その必要のある対象に投与する。本発明によると、本発明の化合物を、単独で、または第2の異なる治療と併用して投与してもよい。「併用すること」は、実質的に同時に、または続いて投与することを意味する。一実施形態において、本発明の化合物を急性的に投与する。したがって、約1日〜約1週間などの短い治療期間の間、本発明の化合物を投与してもよい。別の実施形態において、処置される状態により、約1週間〜数か月の間などの慢性疾患を回復させるための長い期間にわたり、本発明の化合物を投与してもよい。
【0091】
本明細書に使用される「薬学的有効量」は、医学的判断の範囲内であり、処置される状態を有意であり確実に修正するためには十分高いが、重度の副作用(合理的な利益/リスク比)を回避するためには十分低い、本発明の化合物の量を意味する。本発明の化合物の薬学的有効量は、特定のゴールを達成するために、処置される対象の年齢および物理的状態、根底となる疾患の重症度、併用する処置の性質、および使用する特定の化合物により変動する。例えば、小児または新生児に投与する本発明の化合物の治療上有効量は、正当な医学的判断にしたがって比例して低減される。したがって、本発明の化合物の有効量は、望ましい効果を提供する最小量である。
【0092】
本発明の明確な実務的利点は、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、経口注射または脳室内注射により、あるいはクリームもしくはゲルなどの局所適用により、この化合物を投与してもよいことである。投与経路により、本発明の化合物を含む活性成分は、この化合物を不活性化し得る酵素、酸、および他の天然の条件の作用から化合物を保護する物質でコートされることを必要としてもよい。非経口の投与以外により本発明の化合物を投与するために、この化合物を、不活性化を予防するためのある材料でコートしても、あるいは投与してもよい。
【0093】
本化合物を、非経口的にまたは腹腔内に投与してもよい。また、分散のために、例えば、油中にグリセロール、液体のポリエチレングリコール、およびそれらの混合物を調製することができる。
【0094】
薬学的キャリアーとすることのできる物質の例として、ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖;コーンスターチ、ポテトスターチなどのスターチ;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、およびアセチルセルロースなどのセルロースおよびその誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;ステアリン酸;ステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;ピーナッツ油、ココナッツ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、カカオ油などの野菜油;プロピレングリコール、グリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;寒天;アルギン酸;発熱物質除去水;等張性生理食塩水;およびリン酸緩衝溶液;スキムミルク粉末、ならびにビタミンC、エストロゲン、およびエキネシアなどの薬学的製剤に使用される非毒性の互換性物質である。着色剤、芳香剤、潤滑剤、賦形剤、錠剤化剤、安定剤、抗酸化剤、および保存剤のほか、ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤および潤滑剤が存在する。例えば、クレマポア(cremaphore)およびβシクロデキストリンを含む可溶化剤を、本明細書の薬学的組成物中に使用することができる。
【0095】
本明細書に開示された対象物(またはそのプロドラッグ)の活性化合物を含む薬学的組成物を、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠作製、粉末化、乳化、被包、封入、または凍結乾燥する工程の手段により製造することができる。1つ以上の生理学的に許容可能なキャリアー、希釈剤、賦形剤、または薬学的に使用することのできる調製物へ活性化合物プロセスを促進させる補助剤を使用して、従来の方法によりこの組成物を製剤化することができる。
【0096】
本明細書に開示される対象物の薬学的組成物は、例えば、局所投与、直腸投与、経口投与、頬側投与、全身投与、経鼻投与、注射、経皮性投与、直腸投与、膣投与などを含むいずれかの様式の投与に適した形態、または吸引もしくはガス注入による投与に適した形態を取ることができる。
【0097】
局所投与では、活性化合物またはプロドラッグを、溶液、ゲル、軟膏、クリーム、懸濁液などとして製剤化することができる。
【0098】
全身性の製剤は、例えば、経皮投与、経粘膜的投与、経口投与、または肺性投与と同様に皮下、静脈内、筋肉内、髄腔内、腹腔内注射などの注射により投与するために設計されることを含む。
【0099】
有益な注射可能な調製は、水性または油性ビヒクルにおける活性化合物の無菌性懸濁液またはエマルジョンを含む。また、この組成物は、懸濁剤、安定化剤、および/または分散剤などの製剤を含む。注射のための製剤は、(例えば、アンプルまたは複数の剤形コンテナ中の)単一剤形中に存在することができ、添加した保存剤を含むことができる。
【0100】
あるいは、この注射可能な製剤は、限定するものではないが、使用前に、無菌性発熱物質除去水、緩衝液、ブドウ糖溶液などを含む適切なビヒクルを使用して、再構成のために粉末形態を提供することができる。最終的に、この活性化合物を、使用前に凍結乾燥などのいずれかの従来技術により乾燥し、再構成することができる。
【0101】
経粘膜的投与では、浸透させる障壁に適切な浸透剤を製剤に使用する。このような浸透剤は、当業者に公知である。
【0102】
経口投与では、薬学組成物は、例えば、結合剤(例えば、α化したトウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース、またはリン酸水素カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、またはシリカ)、崩壊剤(例えば、ポテトスターチ、またはデンプングリコール酸ナトリウム)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容可能な賦形剤と共に、従来の方法により調製した甘味入り錠剤、錠剤、またはカプセルの形態を取ることができる。
【0103】
経口投与用の液体の製剤は、例えば、エリキシル剤、溶液、シロップ、もしくは懸濁液の形態を取ることができ、または使用前に水もしくは他の適切なビヒクルと構成した乾燥産物として調製することができる。このような液体調製の際に、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または水素化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、または分画した植物油)、および保存剤(例えば、メチルもしくはプロピルp−ヒドロキシ安息香酸、またはソルビン酸)などの薬学的に許容可能な添加剤と共に、従来の方法により調製することができる。また、本製剤は、適切な緩衝剤の塩、保存剤、芳香剤、着色剤、甘味剤を含むことができる。
【0104】
経口投与用の製剤は、公知である従来の方法で、活性化合物またはプロドラッグを制御して徐放するために適切に製剤化することができる。
【0105】
頬側投与では、本組成物は、従来の方法において製剤化した錠剤または甘味入り錠剤の形態を取ることができる。
【0106】
直腸投与および膣投与での経路では、活性化合物を、ココアバターもしくは他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を含む(停留浣腸用)溶液、座薬または軟膏として製剤化することができる。
【0107】
経鼻投与または吸引もしくはガス注入による投与では、活性化合物またはプロドラッグを、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、フッ化炭素、二酸化炭素または他の適切なガスなどの適切な噴霧剤を用いて、加圧パックまたは噴霧器からエアロゾル・スプレーの形態で従来通り送達することができる。加圧エアロゾルの場合、計量した量を送達する弁を提供することにより、単位用量を決定することができる。吸引またはガス流に使用されるカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンを含むカプセルおよびカートリッジ)を、本化合物およびラクトースまたはスターチなどの適切な粉体基剤の粉体混合物を含有して、製剤化してもよい。
【0108】
商業的に利用可能な経鼻スプレー装置を使用した経鼻投与に適した水性懸濁液製剤の特定の例として、以下の、活性化合物またはプロドラッグ(0.5−20mg/mL)、塩化ベンザルコニウム(0.1−0.2mg/mL)、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)0.5−5mg/mL)、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたは微結晶セルロース(1−15mg/mL)、フェニルエタノール(1−4mg/mL)、およびブドウ糖(20−50mg/mL)の成分を含む。最終懸濁液のpHは、約pH5〜pH7の範囲に調節することができ、典型的には、pHは約5.5である。
【0109】
眼性投与では、活性化合物またはプロドラッグを、眼への投与に適した溶液、エマルジョン、懸濁液などとして製剤化することができる。目に化合物を投与することに適した多様なビヒクルは、当業者に公知である。特定の例として、限定するものではないが、米国特許第6,261,547号、米国特許第6,197,934号、米国特許第6,056,950号、米国特許第5,800,807号、米国特許第5,776,445号、米国特許第5,698,219号、米国特許第5,521,222号、米国特許第5,403,841号、米国特許第5,077,033号、米国特許第4,882,150号、および米国特許第4,738,851号に記載されており、これらは本明細書に参照により援用される。
【0110】
長く送達されるために、この活性化化合物またはプロドラッグを、インプラントまたは筋肉内注射により投与するためのデポー製剤として製剤化することができる。この活性化合物を、適切なポリマー材料または疎水性物質(例えば、許容可能な油を含むエマルジョン)、またはイオン交換樹脂と共に製剤化することができ、または例えば、難溶性の塩などの難溶性の誘導体として製剤化することができる。あるいは、経皮吸収用の活性化合物をゆっくりと徐放する付着ディスクまたはパッチとして製造した経皮送達システムを使用することができる。この目的を達成するために、活性化合物の経皮的浸透を促進するために、浸透促進剤を使用することができる。適切な経皮パッチは、例えば、米国特許第5,407,713号、米国特許第5,352,456号、米国特許第5,332,213号、米国特許第5,336,168号、米国特許第5,290,561号、米国特許第5,254,346号、米国特許第5,164,189号、米国特許第5,163,899号、米国特許第5,088,977号、米国特許第5,087,240号、米国特許第5,008,110号、および米国特許第4,921,475号に記載されており、これらは、本明細書に参照により援用される。
【0111】
あるいは、他の薬学的送達システムを使用することができる。リポソームおよびエマルジョンは、活性化合物またはプロドラッグを送達するために使用することのできる送達ビヒクルの良く知られた例である。ジメチルスルホキシド(DMSO)などの特定の有機溶媒も同様に使用することができる。
【0112】
必要に応じて、この薬学的組成物は、活性化合物を含む1つ以上の単位用量を含むパックまたはディスペンサー装置内に存在することができる。このパックは、例えば、ブリスター・パックなどの金属またはプラスチック箔を含むことができる。このパックまたはディスペンサー装置に、投与説明書を添付することができる。
【0113】
本開示の対象物またはこの組成物の活性化合物またはプロドラッグを、例えば、処置される特定の疾患を処置または予防するための有効量など、意図した結果を得るための有効量において一般的に使用する。本化合物を、治療上の利点を得るために、または予防上の利点を得るために、投与することができる。治療上の利点とは、処置される根本的な障害の根絶もしくは回復、および/または、患者が未だ、この根本的な障害に苦しめられているにも関わらず、感情または状態に改善があると患者が記録するような、根本の障害に関連した1つ以上の症状の根絶または回復を意味する。例えば、アレルギーに罹患する患者に化合物を投与することにより根本的なアレルギー反応が根絶もしくは回復する際の、治療上の利点だけではなく、患者がアレルゲンに曝された後のアレルギーに関連した症状の重症度または持続期間が減少することを記録する際の治療上の利点を提供する。別の例として、喘息の状況における治療上の利点は、喘息発作の発症後の呼吸改善、または喘息の発症頻度もしくは重症度の低減を含む。同様に、治療上の利点は、改善が認識されるかどうかに関わらず、疾患の進行の停止または遅くすることを含む。
【0114】
予防的投与では、本化合物を、前述した疾患の1つを発達させるリスクを有する患者に投与することができる。ある疾患を発達させるリスクを有する患者は、適切な医療専門家またはグループにより定義されるように診断したリスク患者のグループ内にいることを特徴とする患者とすることができる。また、リスクを有する患者は、本発明による金属酵素阻害剤の投与により治療してもよい基礎疾患の発達が起こる可能性のある状態が共通してまたは規定とする患者である。言い換えると、リスク患者は、限定した時間、曝露した状態を引き起こし、あるいは、急性的に曝露する疾患または疾病を共通とするまたは規定とする患者である。あるいは、根本的な障害と診断された患者の症状の発症を避けるために予防的投与を適用することができる。
【0115】
本化合物の投与量は、例えば、処置される特定の兆候、投与状態、所望の利点が予防上または治療上のいずれかであるか、処置される兆候の重症度、および患者の年齢および体重、特定の活性化合物の生体利用度を含む多様な要因に依存する援用される。有効薬量の決定は、当業者の能力の範囲内である。
【0116】
有効薬量は、最初はin vitroアッセイから推定することができる。例えば、動物に使用するための初期用量を、実施例の部分に記載したin vitroの真菌のMIC、または最小殺真菌濃度(MFC)および他のin vitroアッセイなどのin vitroアッセイにおいて測定した際の特定の化合物のIC50以上である活性化合物の循環する血液または血清濃度を得るために製剤化することができる。特定の化合物の生体利用度を考慮した循環血液または血清濃度を得る用量を計算することは、当業者の能力の範囲内である。手引きとして、Fingl & Woodbury, “General Principles,” In: Goodman and Gilman’s The Pharmaceutical Basイソf Therapeutics, Chapter 1, pp. 1−46, 12th edition, McGraw−Hill Professionalを参照。これらの引用文献は本明細書に引用され、本明細書に参照により援用される。
【0117】
同様に、動物モデルなどのin vivoのデータから初期用量を推定することができる。上述の多様な疾患を処置または予防する化合物の効力を試験するために有益な動物モデルは、当業者に公知である。
【0118】
投与量は、概して、約0.0001または0.001または0.01mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲内であるが、他の要因、本化合物の活性度、その生体利用度、投与状態、および上述の多様な要因によって変動することができる。投与量および投与間隔を、治療効果または予防効果を維持するために十分である化合物の血漿レベルを提供するため、個別に調節することができる。局部的な局所投与などの局所投与または選択的摂取の場合、活性化合物の有効な局部的濃度は、血漿濃度に関連することができない。当業者は、過度に実験を行うことなく有効な局所用量を最適化することができる。
【0119】
処置される兆候および処方医師の判断により、1日当たり1回、1日当たり数回、または1日当たり複数回、本化合物を投与することができる。
【0120】
好ましくは、本化合物は、実質的な毒性を引き起こすことなく治療上または予防上有用性を提供する。本化合物の毒性は、標準的な薬学的手順を使用して決定することができる、毒性と治療(または予防)効果との間の用量比は、治療上の指数である。高い治療上の指数を示す化合物が好ましい。
【0121】
本明細書の多様な定義内の化学基の表の記載は、単一基または列挙した基の組み合わせとして変動可能な定義を含む。本明細書の多様な実施形態の記載は、単一の実施形態、または他の実施形態またはその一部の組み合わせのいずれかとしての実施形態を含む。本明細書の実施形態の記載において、単一の実施形態、または他の実施形態もしくはその一部との組み合わせとした実施形態を含む。
【0122】
農業的用途
式Iの化合物は、農業的に利用可能な酸付加塩へと製剤化してもよい。限定するものではないが、例として、アミン官能基は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシメタンスルホン酸、およびヒドロキシエタンスルホン酸を備えた塩を形成することができる。さらに、限定するものではないが、例として、酸性官能基は、アルカリまたはアルカリ土類金属由来ならびにアンモニアおよびアミン由来の官能基を含む塩を形成することができる。好ましいカチオンの例は、ナトリウム、カリウム、およびマグネシウムを含む。
【0123】
式Iの化合物は、塩誘導体に製剤化されてもよい。限定するものではないが、塩誘導体を、十分な量の望ましい酸と遊離塩基を接触させることにより調製し、塩を作製することができる。遊離塩基を、希釈した水性水酸化ナトリウム(NaOH)、炭酸カリウム、アンモニア、および炭酸水素ナトリウムなどの希釈水性基剤溶液と塩を処置することにより再生産してもよい。例として、多くの場合、2,4−Dなどの殺虫剤は、そのジメチルアミン塩に変換されることにより水に可溶性となる。
【0124】
適切な塩は、アルカリまたはアルカリ土類金属ならびにアンモニアおよびアミン由来の塩を含む。好ましいカチオンは、式
10111213
のナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびアミニウムカチオンであり、
式中、
10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素、C1‐12アルキル、C3‐12アルケニル、またはC3‐12アルキニルであり、それぞれが1つ以上のヒドロキシ、C1‐アルコキシ、C1‐アルキルチオ、またはフェニル基により任意に置換され、ただし、R10、R11、R12およびR13は、立体的に互換性である、カチオンを含む。さらに、R10、R11、R12およびR13の内のいずれか2つが共に、1〜12つの炭素原子および最大2つの酸素もしくは硫黄原子を含む脂肪族2官能部を示しても良い。式Iの化合物の塩は、水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物、アンモニア、トリメチルアミン、ジエタノールアミン、2−メチルチオプロピルアミン、ビスアリールアミン、2−ブトキシエチルアミン、モルホリン、シクロドデシルアミン、もしくはベンジルアミンなどのアミン、またはテトラメチルアンモニウムヒドロキシドまたはコリンヒドロキシドなどのへトラアルキルアンモニウムヒドロキシドで式Iの化合物の処置することにより調製することができる。アミン塩は、水に可溶であり、望ましい水性系除草剤の組成物の調製に添加されるため、式Iの化合物の好ましい形態である。
【0125】
本明細書の化合物および組成物は、植物上の微生物における金属酵素活性を調節する方法であって、本明細書の化合物(または組成物)を、植物(例えば、種、苗木、草、雑草、穀物)と接触させることを含む方法に使用することができる。(例えば、接触、適用、スプレー、微粒化、粉じん化した)本化合物または組成物を対象植物に投与することにより、
本明細書の化合物および組成物を、(例えば、除草剤、駆除剤、成長調節因子などとして)植物、畑、または他の農業的領域に使用することができる。この投与を、出現前または出現後に行うことができる。この投与を、処置または予防計画のいずれかいずれかとして行うことができる。
【0126】
1つの態様は、植物内または植物表面の真菌疾患または障害を処置または予防する方法であって、本明細書の式のいずれかの化合物(または組成物)を植物と接触させることを含む方法である。別の態様は、植物内または植物表面の真菌の増殖を処置または予防する方法であって、本明細書の式のいずれかの化合物(または組成物)を植物と接触させることを含む方法である。別の態様は、植物内または植物上の微生物を阻害する方法であって、本明細書の式のいずれかの化合物(または組成物)を植物と接触させることを含む方法である。
【0127】
本明細書の化合物および組成物を、植物上の病原体誘導疾患を予防または制御する方法であって、植物(例えば、種、苗木、草、雑草、穀物)または植物に隣接する領域と本明細書の化合物を接触させることを含む方法において使用してもよい。本明細書の化合物および組成物を、対象となる植物、田畑、または他の農業領域に(例えば、接触、適用、スプレー、微粒化、粉じん化した)化合物または組成物を投与することにより、植物、畑、または他の農業領域に使用してもよい。この投与は、出現前または出現後に行うことができる。この投与を、処置または予防計画のいずれかとして行うことができる。このように、本明細書の化合物、組成物、および農業的な使用は、芝生、芝地、装飾的草木、家庭用の庭、農業の範囲および牧草地への適用を含む。この病原体は、植物のいずれかであってもよく、本明細書に記載したものを含む。
【0128】
本開示の一実施形態は、植物病原体生物による攻撃に対する植物の保護または植物病原体生物により外寄生した植物の処置を目的とする、式Iの化合物の使用であって、土壌、植物、植物の一部、葉、および/または種に本化合物に対する化合物を含む、式Iの化合物または組成物の適用を含む。
【0129】
さらに、本開示の別の実施形態は、植物病原体生物による攻撃に対する植物の保護、または植物病原体生物により外寄生した植物の処置に有益な組成物であり、式Iの化合物および生理学的に許容可能なキャリアー物質を含む組成物である。
【0130】
本開示の化合物を、本化合物を含む化合物または製剤のいずれかとして公知の各種技術のいずれかにより使用してもよい。例えば、植物の商業的価値を損傷することなく、多様な真菌の対照のために、植物の根、種、または葉に本化合物を適用してもよい。
【0131】
本明細書の化合物は、単独または他の農業的活性剤と組み合わせて使用することができる。本明細書の化合物または組成物の使用において、エポキシコナゾール、テブコナゾール、フルキンコナゾール、フルトリアホル、メトコナゾール、ミクロブタニル、シプロコナゾール(cycproconazole)、プロチオコナゾールおよびプロピコナゾールから選択されるアゾール殺菌剤などの追加的な活性剤をさらに含むことができる。
【0132】
本明細書の化合物または組成物の使用において、トリフロキシストロビン、ピラクロストロビン、オリサストロビン、フルオキサストロビン、およびアゾキシストロビンから選択されるアゾール殺菌剤などの累加的な活性剤をさらに含むことができる。
【0133】
好ましくは、本開示の化合物は、農業的または生理学的に許容可能なキャリアーと、1つ以上の式Iの化合物を含む、製剤の形態において適用される。本明細書の化合物を含む組成物は、例えば、直接スプレーすることが可能な水性溶液、粉体、懸濁液、さらには、高濃度の水性、油性、または他の懸濁液もしくは分散物、エマルジョン、油分散物、ペースト、粉じん、微粒化、スプレー、微粒子化粉じん、伝搬(spread)、もしくは注入(pour)の手段により伝搬または顆粒化する物質の形態で使用することができる。
【0134】
本開示は、1つ以上の本化合物を、殺菌剤として送達および使用することができる全てのビヒクルを考慮するものである。一般的に製剤は、水性懸濁液またはエマルジョンとして適用される。水性で使用される形態を、水を添加することにより、エマルジョン濃縮物、懸濁液、ペースト、水和剤または顆粒水和剤から調製することができる。笑めるジョン、ペースト、または油分散物を調製するため、油または溶媒に溶解するような基剤を、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤、または乳化剤により水にホモジナイズすることができる。しかしながら、また、活性基剤、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤、または乳化剤、適切である場合には、溶媒または油を含む濃縮物を調製することが可能でありこれらの濃縮物は、水での希釈に適している。
【0135】
水和剤は、水に分散可能な顆粒を形成するために圧縮されていてもよく、1つ以上の式Iの化合物、不活キャリアー、および界面活性剤の完全な混合物を含む。水和剤中の化合物の濃度は、水和剤の総重量に基づき、約10重量%〜約90重量%、より好ましくは約25重量%〜約75重量%であってもよい。水和剤の製剤の処方において、本化合物は、パイロフィライト(prophyllite)、タルク、石灰粉末、石膏、フラー土、ベントナイト、アタパルジャイト、スターチ、カゼイン、グルテン、モンモリロナイト粘土、珪藻土、精製したケイ酸塩などのいずれかの明確に分けられる固体と本化合物を調合してもよい。このような作用では、概して、明確に分けられたキャリアーおよび界面活性剤を本化合物と混合し、製粉してもよい。
【0136】
例えば、コーティングされた顆粒、同種の顆粒、および均質の顆粒などの顆粒を、固体のキャリアーに活性成分(例えば、本明細書の化合物)を混合することにより調製することができる。固体キャリアーは、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、石灰石、生石灰、石灰粉末、石灰粉末(bole)、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、土壌合成物資(ground synthetic material)などの無機土類、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素などの肥料、および穀類の粉、樹皮粉、木粉、および堅果穀粉、セルロース粉などの野菜由来の産物または他の固体キャリアーがある。
【0137】
本明細書の化合物を、通常の錠剤、カプセル、固体、液体、エマルジョン、スラリー、油、細顆粒、または粉体として製剤化してもよく、植物、畑、または他の農業領域への投与に適している。好ましい実施形態において、本製剤は、キャリアーまたは希釈剤中に1〜95%(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、25%、75%、80%、90%、95%)の化合物を含む。本明細書に記載の組成物は、本明細書に記載の式の化合物と同様に、もし存在するならば、金属酵素媒介農業疾患または障害を制御(例えば、調節、阻害)するための有効量の追加的な農薬を含む。
【0138】
1つの手法では、本明細書の化合物は、カプセル化した製剤(液体または粉体)中に提供される。カプセル材料での使用に適した特定の物質は、限定するものではないが、シリカ、パーライト、タルク、クレイ、パイロフィライト、珪藻土、ゼラチン、およびゲル、ポリマー(例えば、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステルなど)、ポリマー粒子、またはセルロースなどの多孔性粒子または基剤を含む。これらは、例えば、壁を介して本明細書に特異的な化合物を徐放する中空ファイバ、中空管またはチューブ、チューブの開口部から化合物を徐放する毛細管チューブ、条片、ブロック、錠剤、ディスクなどの異なる形状のポリマーブロックを含み、不透過性コンテナ内の化合物を保持し、前述の測定した透過性膜を介して化合物を徐放し、前述のものと組み合わせたポリマーマトリックス膜システムから化合物を徐放する。このような分散組成物の例は、ポリマーラミネート(polymer laminates)、ポリ塩化ビニルペレット、およびミクロキャピラリーである。
【0139】
カプセル封入工程は、一般的に化学的または機械的工程として分類される。カプセル化の化学的工程の例は、限定するものではないが、複合コアセルベーション、ポリマー間の配合変化、液体媒体中の界面重合、in situ の重合、液体中での乾燥(in−liquid drying)、液体媒体における熱的およびイオン性ゲル化、液体媒体中の脱溶媒和、スターチ系化学的工程、シクロデキストリン中への補足、およびリポソーム形成を含む。カプセル封入の機械的工程の例は、限定するものではないが、噴霧乾燥、噴霧冷却、流動層、静電塗装、遠心性押出、回転盤もしくは回転懸濁による分離、環状ジェット封入、液気界または固相界面での重合、溶媒の蒸発、溶媒抽出層内への圧力押出または噴霧を含む。
【0140】
また、マイクロカプセルは、本明細書の活性化合物の長期間の徐放にも適している。マイクロカプセルは、コーティングまたはシェル周辺のコア物質または活性成分を含む小粒子である。このマイクロカプセルの寸法は、概して1〜1000ミクロンで変動するが、ナノカプセルとして分類されるような1ミクロンよりも小さなカプセルおよびマクロカプセルなどの100ミクロンより大きなカプセルをも含む。コア物質の有効荷重は、0.1〜98重量%で通常変動する。マイクロカプセルは、多様な構造(連続的コア/シェル、多核性、またはモノリシック)を有し、変則的または幾何学的形状を有する。
【0141】
別の手法では、本明細書の化合物は、油系送達システムにおいて提供される。油徐放基剤は、植物および/または鉱物油を含む。一実施形態において、この基剤は、水に容易に分散可能な組成物とみなされる界面活性剤をも含み、このような物質は、湿潤剤、乳化剤、分散剤などを含む。
【0142】
また、本発明の化合物をエマルジョンとして提供することができる。エマルジョン製剤は、油中水(w/o)または水中油(o/w)として見出すことができる。液滴の寸法は、ナノメートルの規模(コロイド分散)から数百ミクロンまで変動することができる。界面活性剤および増粘剤が、通常、この液滴の寸法を修正し、エマルジョンを安定化させ、徐放を修正するために本製剤中に組み込まれる。
【0143】
式Iの化合物の乳化可能な濃縮物は、この濃縮物の総重量に基づき、適切な液体中で約10重量パーセント〜約50重量パーセントなどの従来の濃度の本化合物を含む。本化合物は、不活キャリアー中に溶解してもよく、不活キャリアーは、水と混合可能な溶媒または水と混合しない有機溶媒および乳化剤の混合物の内のいずれかであってもよい。この濃縮物は、水および油で希釈し、油中水エマルジョンの形態のスプレー混合物を形成してもよい。有益な有機溶媒は、芳香族、特に高沸点ナフタリン、重質芳香族ナフサなどの石油のオレフィン部を含む。また、例えば、ロジン誘導体を含むテルペン溶媒、シクロヘキサノンなどの脂肪族ケトン、および2−エトキシエタノールなどの複合アルコールなどの他の有機溶媒を使用してもよい。
【0144】
本明細書に有利に使用されてもよい乳化剤は、当業者により容易に決定されてもよく、多様な非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、および両性乳化剤を含んでもよく、または2つ以上の乳化剤を混合してもよい。乳化可能な濃縮物を調製する際に有益な非イオン性乳化剤の例は、ポリアルキレングリコールエーテルならびにアルキルおよびアリールフェノール、脂肪族アルコール、脂肪族アミンまたは酸化エチレンを備えた脂肪酸、エトキシ化アルキルフェノールなどの酸化プロピレンおよびポリオールもしくはポリアルキレンに溶解したカルボン酸エステルを含む。陽イオン性乳化剤は、4級アンモニウム化合物および脂肪族アミン塩を含む。陰イオン性乳化剤は、アルキルアリールスルホン酸の油可溶化塩(例えば、カルシウム)、リン酸化ポリグリコールエステルの油可溶化塩、または硫酸化ポリグルコールエーテルおよび適切な塩を含む。
【0145】
本発明の化合物の乳化可能な濃縮物を調製する際に使用されてもよい代表的な有機性の液体は、キシレン、プロピルベンゼン画分などの芳香族の液体、または;ナフチレン画分、鉱物油、ジオクチルフタル酸などの置換された芳香族の有機液体と混合した芳香族の液体;灯油;多様な脂肪酸のジアルキルアミド、特に、ジエチレングリコールのn−ブチルエーテル、エチルエーテル、またはメチルエーテルなどの脂肪酸グリコールのジメチルアミドおよびグリコール誘導体、トリエチレングリコールのメチルエーテル、鉱物油、芳香族溶媒、パラフィン油などの石油画分または炭化水素画分;大豆油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ココナッツ油、コーン油、綿実油、あまに油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油,ゴマ油、桐油などの野菜油;上述の野菜油のエステルなどである。また、乳化可能な濃縮物を調製する際に、2つ以上の有機性の液体の混合物を使用してもよい。有機性の液体は、キシレンおよびプロピルベンゼン画分を含み、キシレンを用いることが多くの場合最も好ましい。界面活性分散剤は、概して、液体製剤に使用され、1つ以上の化合物と分散剤を組み合わせた重量に基づき、約0.1〜20重量%の量で使用される。また、本製剤は、例えば、植物成長調節剤または農業に使用される他の生物学的活性化合物などの他の互換可能な添加剤を含むことができる。
【0146】
水性懸濁液は、水性懸濁液の総重量に基づき、約5〜50重量%の範囲内の濃度で水性ビヒクル中に分散した1つ以上の水に不溶な式Iの化合物を含む。1つ以上の本化合物を細かく粉砕し、この粉砕した物質を、水および上述と同一の種類から選択された界面活性剤を含むビヒクルへと勢いよく混合することにより、懸濁液を調製する。無機性塩および合成もしくは天然ゴムなどの他の成分を、水性ビヒクルの密度および粘度を増加させるために添加してもよい。通常、水性混合物を調製し、サンドミル、ボールミル、またはピストン型ホモジナイザーなどの器具でホモジナイズすることにより、同時に粉砕または混合することが最も有効である。
【0147】
水性エマルジョンは、水性エマルジョンの総重量に基づき、通常約5〜50重量%の範囲内の濃度で水性ビヒクルに乳化した、1つ以上の水に不溶性の殺虫剤用活性成分を含む。殺虫剤用活性成分が固体である場合、水性エマルジョンを調製する前に、適切な水と不溶性の溶媒に溶解させなければならない。液体殺虫性活性成分またはその水に不溶性の溶液を、上述のエマルジョンを形成して安定化させる目的で、概して界面活性剤を含んだ状態の水性媒体へ乳化することにより、エマルジョンを調製する。このことは、高せん断混合器またはホモジナイザーにより活発に混合して、乳化させる。
【0148】
また、式Iの化合物を、顆粒製剤として用いることができ、特に、土壌での使用に適している。顆粒製剤は、一般的に、本化合物の顆粒製剤の総重量に基づき、約0.5〜約10重量%を含み、アタパルジャイト、ベントナイト、珪藻土、粘土、または同様の安価な物質などの粗く分割した不活物質の全てまたは大部分を含む不活キャリアー内に分散させる。通常、適切な溶媒内に本化合物を溶解させ、約0.5〜約3mmの範囲内の適切な粒度に形成された顆粒のキャリアーに適用させることにより、このような製剤を調製する。適切な溶媒とは、実質的にまたは完全に化合物を溶解させることのできる溶媒である。このような製剤を、キャリアーおよび本化合物および溶媒の練粉またはペーストを作製し、
粉砕し、乾燥させて望ましい顆粒の粒子を得ることにより調製する。
【0149】
あるいは、本発明の化合物を、固体の錠剤として製剤化してもよく、本発明または金属酵素媒介農業的疾患または障害の処置に有益な油、タンパク質/炭水化物物質(好ましくは、植物由来)、甘味剤、および活性成分を含み(好ましくは、本質的に含み)得る。一実施形態において、本発明は、固体の錠剤を提供し、本発明または金属酵素媒介農業的疾患もしくは障害に有益な油、タンパク質/炭水化物(好ましくは植物由来)、甘味剤、活性成分(例えば、本明細書の化合物またはその組み合わせもしくは誘導体)を含む。錠剤は、概して、約4〜40重量%(例えば、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%)のコーン油、ヒマワリ油、ピーナッツ油、オリーブ油、ブドウ種油、アブラギリ油、カブ油、ダイズ豆油、綿実油、クルミ油、パーム油、ヒマシ油、ショクヨウガヤツリ(earth almond)油、ヘーゼルナッツ油、アボカド油、ゴマ油、ハズ油、カカオ油、亜麻仁油、ナタネ油、およびキャノーラ油ならびにそれらの水素化誘導体、石油由来の油(例えば、パラフィンおよび鉱油)ならびに他の水に不溶性の炭化水素(例えば、パラフィン)を含む。この錠剤は、植物系タンパク質/炭水化物物質の約5〜40重量%(例えば、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%)の植物系タンパク質/炭水化物をさらに含む。この材料は、(例えば、小麦、ライムギ、オオムギ、カラスムギ、トウモロコシ、米、アワ、モロコシ、粒餌、ソバ、アルファルファ、アルファルファ(mielga)、ひき割りとうもろこし、大豆油かす、穀粉、ふすま、小麦ふすま、コーングルテンミール、藻類粉末、乾燥酵母、豆類、米由来の)炭水化物部およびタンパク質部の両方を含む。
【0150】
活性成分の送達を支持するため、または錠剤に適切な構造を提供するために、多様な賦形剤および結合剤を任意に使用することができる。好ましい賦形剤および結合剤は、無水ラクトース、微結晶セルロース、コーンスターチ、マグネシウムエステアラート(estearate)、カルシウムエステアラート、亜鉛エステアラート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびそれらの混合物を含む。
【0151】
式Iの化合物を含む粉じんを、例えば、カオリン粘土、細粉した火山岩などの適切な粉じん状の農業的キャリアーを備えた粉体の形態で、本発明の1つ以上の化合物を最初に混合することにより調製してもよい。粉じんは、この粉じんの総重量に基づき、約1〜10重量%の本化合物を適切に含むことができる。
【0152】
さらに、本製剤は、目的となる穀物および生物上に本化合物の成膜、湿潤、浸透を高めるためのアジュバント界面活性剤を追加的に含んでもよい。これらのアジュバント界面活性材は、本製剤の成分またはタンク混合として任意に使用してもよい。アジュバント界面活性剤の量は、概して、水の散布量に基づき、約0.01〜1.0体積%、好ましくは、0.05〜0.5体積%で変動する。適切なアジュバント界面活性剤は、限定するものではないが、エトキシレート型ノニルフェノール、エトキシレート型合成または天然のアルコール、エステルまたはスルホコハク酸の塩、エトキシレート型有機ケイ素、エトキシレート型脂肪アミン、鉱物油、野菜油、穀物油濃縮物と界面活性剤の混合物(鉱物油(85%)+乳化剤(15%));ノニルフェノールエトキシレート;ベンジルコアルキルジメチル4級アンモニウム塩;石油炭化水素、アルキルエステル、有機酸、および陰イオン性界面活性剤の混合物;C−C11アルキルポリグリコシド;リン酸化アルコールエトキシレート;天然の第一級アルコール(C12−C16)エトキシレート;ジ−sec−ブチルフェノールEO−POブロックコポリマー;ポリシロキサン−メチルキャップ;ノニルフェノールエトキシレート;+尿素硝酸アンモニウム;乳化したメチル化種子油;トリデシルアルコール(合成)エトキシレート(8EO);牛脂アミンエトキシレート(15 EO); PEG(400)ジオレエート−99を含む。また、本製剤は、米国特許出願第11/495,228号に開示されような油中水型エマルジョンをも含み、本開示は、参照により本明細書に明示的に援用される。
【0153】
本製剤は、他の殺虫性化合物を含む組み合わせを任意に含んでもよい。このような追加的な殺虫性化合物は、適用するために選択された媒体中に、本発明の化合物と互換性があり、本発明の化合物の活性に対してアンタゴニストではない、殺真菌剤、防虫剤、除草剤、抗線虫薬、殺ダニ剤、節足動物駆除薬(arthropodicide)、殺菌薬、またはそれらの組み合わせであってもよい。したがって、このような実施形態において、他の殺虫性化合物は、殺虫する際の同一または異なる使用において追加的な毒物として使用される。式Iの化合物および併用する殺虫性化合物は、一般的に、1:100〜100:1の重量比で存在することができる。
【0154】
また、本開示の化合物は、殺真菌性混合物およびその相乗的混合物を形成するために、他の殺真菌剤と組み合わせてもよい。本開示の殺真菌性化合物は、一般的に、幅広く多岐わたる望ましくない疾患を制御するために、1つ以上の他の殺真菌剤と組み合わせて提供される。他の殺真菌剤と組み合わせて使用する際に、本発明の化合物は、他の殺真菌剤、他の殺真菌剤とのタンク混合と製剤化されてもよく、他の殺真菌剤と経時的に使用してもよい。このような他の殺真菌剤は、2−(チオシアナトメチルチオ)−ベンゾチアゾール、2−フェニルフェノール、8−硫酸ヒドロキシキノリン、アメトクトラジン、アミスルブロム(amisulbrom)、アンチマイシン、Ampelomyces quisqualis、アザコナゾール、アゾキシストロビン、Bacillus subtilis、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカル−イソプロピル、ベンジルアミノベンゼン−スルホン酸塩(BABS)、重炭酸塩、ビフェニル、ビスメルチアゾール、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジン−S、ホウ砂、ボルドー液、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、多硫化カルシウム、カプタホール、カプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、Coniothyrium minitans、水酸化銅、オクタン酸銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、硫酸銅 (三塩基性)、酸化第一銅、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、デバカルブ、エチレンビスジアンモニウム−(ジチオカルバミド酸)、ジクロフルアニド、ジクロロフェン、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコートイオン、ジフルメトリム、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ジノブトン、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジチアノン、ドデモルフ、ドデモルフアセタート、ドジン、ドジン遊離塩基、エジフェンホス、エネストロビン(enestrobin)、エポキシコナゾール、エタボキサムエトキシキン、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、フェンチン、フェンチンアセテート、水酸化トリフェニルすず、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオロイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホル、フルキサピロキサド、ホルペット、ホルムアルデヒド、ホセチル、ホセチル−アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、酢酸グアザチン、GY−81、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジントリアセテート、トリスイミノクタジン(アルベシル酸塩)、アイオドカルブ、イプコナゾール、イプフェンピラゾロン、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、ラミナリン、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、クレソキシム‐メチル、マンカッパー、マンコゼブ、マンジプロパミド、マンネブ、メフェノキサム、メパニピリム、メプロニル、メプチルディノキャップ、塩化水銀(II)、酸化水銀、塩化第一水銀、メタラキシル、メタラキシル−M、メタム、メチルジチオカルバミド酸アンモニウム、メチルジチオカルバミド酸カリウム、メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、メトコナゾール、メタスルホカルブ、ヨウ化メチル、メチルイソチオシアネート、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミルジオマイシン、ミクロブタニル、ナバム、ニトロタール−イソプロピル、ヌアリモール、オクチリノン、オフラセ、オレイン酸(脂肪酸)、オリサストロビン、オキサジキシル、オキシン‐銅、オキスポコナゾールフマル酸塩、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェニルラウリン酸塩、ペンチオピラド、酢酸フェニル水銀、ホスホン酸、フタリド、ピコキシストロビン、ポリオキシンB、ポリオキシン、ポリオキソリム(polyoxorim)、炭酸水素カリウム、ヒドロキシキノリンカリウム硫酸塩、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピコキシストロビン、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピリオフェノン、ピロキロン、キノクラミン、キノキシフェン、キントゼン、Reynoutria sachalinensis抽出物、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、ナトリウム2−フェニルフェノキシド、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、スピロキサミン、硫黄、SYP−Z071、SYP−Z048、タール油、テブコナゾール、テブフロキン、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チウラム、チアジニル、トルクロホスメチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、バリダマイシン、バリフェナラート、バリフェナール(valiphenal)、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、Candida oleophila、Fusarium oxysporum、Gliocladium spp.、Phlebiopsis gigantea、Streptomyces griseoviridis、Trichoderma spp.、(RS)−N−(3、5−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)−スクシンイミド、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロ1,1,3,3−テトラフルオロアセトン水和物、1−クロロ−2,4−ジニトロナフタレン、1−クロロ−2−ニトロプロパン、2−(2−へプタデシル−2−イミダゾリン−1−イル)エタノール、2,3−ジヒドロ−5−フェニル−1、4−ジチ−ine 1、1,4,4−テトラオキシド、2−酢酸メトキシエチル水銀、2−塩化メトキシエチル水銀、2−ケイ酸メトキシエチル水銀、3−(4−クロロフェニル)−5−メチルロダニン、4−(2−ニトロプロプ−1−エニル)フェニルチオシアン酸塩、アンプロピルホス、アニラジン、アジチラム、多硫化バリウム、Bayer 32394、べノダニル(benodanil)、ベンキノックス、ベンタルロン、ベンザマクリル;ベンザマクリル−イソブチル、ベンザモルフ(benzamorf)、ビナパクリル、ビス(メチル水銀)硫酸塩、ビス(トリブチルスズ)酸化物、ブチオバート、カドミウム、カルシウム、銅、亜鉛のクロム酸塩、硫黄塩、カルバモルフ、CECA、クロベンチアゾン、クロラニホルメタン、クロルフェナゾール、クロルキノックス、クリンバゾール、シクラフラミド、シペンダゾール、シプロフラム、デカフェンチン(decafentin)、ジクロン、ジクロゾリン、ジクロブトラゾール、ジメチリモール、ジノクトン、ジノスルホン、ジノテルボン、ジピリチオン、ジタリムホス、ドジシン、ドラゾキソロン、EBP、ESBP、エタコナゾール、エテム(etem)、エチリム、フェナミノスルフ、フェナパニル、フェニトロパン、フルオトリマゾール、フルカルバニル、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、フルメシクロックス、フロファナート、グリオジン(glyodine)、グリセオフルビン、ハラクリナート、Hercules 3944、ヘキシルチオホス、ICIA0858、イソパムホス(isopamphos)、イソバレジオン、メベニル、メカルビンジド、メタゾキソロン、メトフロキサム、ジシアンジアミドメチル水銀、メトスルホバックス、ミルネブ、ムコクロリン酸無水物、ミクロゾリン、N−3、5−ジクロロフェニル−スクシンイミド、N−3−ニトロフェニルイタコンイミド、ナタマイシン、N−エチルメルクリオ−4−トルエンスルホンアニリド、ニッケルビス(ジメチルジチオカルバミド酸)、OCH、フェニル水銀ジメチルジチオカルバミド酸、フェニル水銀硝酸塩、ホスダイフェン、ピコリンアミド UK−2Aおよびその誘導体、プロチオカルブ、プロチオカルブ塩酸塩、ピラカルボリド、ピリジニトリル、ピロキシクロル、ピロキシフル(pyroxyfur)、キナセトール、キナセトール硫酸塩、キナザミド、キンコナゾール、ラベンザゾール、サリチルアニリド、SSF−109、スルトロペン、テコラム、チアジフルオル(thiadifluor)、チシオフェン、チオクロルフェンヒム、チオファナート、チオキノックス、チオキシミド(tioxymid)、トリアミホス、トリアリモール、トリアズブチル、トリクラミド、ウルバシドおよびザリラミド、ならびにそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0155】
さらに、本発明の化合物は、適用するために選択された媒体中の本発明の化合物と互換性があり、本発明の化合物の活性に対してアンタゴニストではなく、殺虫性混合物および相乗的混合物を形成する防虫剤、抗線虫薬、殺ダニ剤、節足動物駆除薬(arthropodicide)、、殺菌薬を含む他の殺菌剤と組み合わせてもよい。本開示の抗真菌性化合物は、幅広く多様な望ましくない有害生物を制御するための1つ以上の殺虫剤と組み合わせて製剤化してもよい。他の殺虫剤と組み合わせて使用する際に、本請求の化合物は、他の殺虫剤とタンク混合した他の殺虫剤と製剤化してもよく、または他の殺虫剤と経時的に適用してもよい。典型的な防虫剤は、限定するものではないが、1,2−ジクロロプロパン、アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アセチオン、アセトプロール(acetoprole)、アクリナトリン、アクリロニトリル、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルドリン、アレトリン、アロサミジン、アリキシカルブ、α‐シペルメトリン、α‐エクジソン、α‐エンドスルファン、アミジチオン、アミノカルブ、アミトン、アミトンシュウ酸塩、アミトラズ、アナバシン、アチダチオン、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホス‐エチル、アジンホス−メチル、アゾトアート、ヘキサフルオロ珪酸バリウム、バルトリン、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、β‐シフルトリン、β‐シペルメトリン、ビフェントリン、ビオアレトリン、ビオエタノメチリン、ビオペルメトリン、ビストリフルロン、ホウ砂、ホウ酸、ブロムフェンビンホス、ブロモシクレン、ブロモ−DDT、ブロモホス、ブロモホス−エチル、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタカルブ、ブタチオフォス(butathiofos)、ブトカルボキシム、ブトナート、ブトキシカルボキシム、カズサホス、ヒ酸カルシウム、多硫化カルシウム、カンフェクロル、カルバノラート、カルバリル、カルボフラン、二硫化炭素、四塩化炭素、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、カルタップ塩酸塩、クロラントラニリプロール、クロルビシクレン、クロルダン、クロルデコン、クロルジメホルム、クロルジメホルム塩酸塩、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロホルム、クロロピクリン、クロルホキシム、クロルピラゾホス(chlorprazophos)、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロルチオホス、クロマフェノジド、シネリンI、シネリンII、シネリン類、シスメトリン、クロエトカルブ、クロサンテル、クロチアニジン、アセト亜ヒ酸銅、ヒ酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、クマホス、クミトアート、クロタミトン、クロトキシホス、クルホマート、氷晶石、シアノフェンホス、シアノホス、シアントアート、シアントラニリプロール、シクレトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、シチオアート、DDT、デカルボフラン、デルタメトリン、デメフィオン、デメフィオン−O、デメフィオン−S、デメトン、デメトン−メチル、デメトン−O、デメトン−O−メチル、デメトン−S、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、珪藻土、ダイアジノン、ジカプトン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジクレジル、ジクロトホス、ジシクラニル、ディルドリン、ジフルベンズロン、ジロール、ジメフルトリン、ジメホックス、ジメタン、ジメトエート、ジメトリン、ジメチルビンホス、ジメチラン、ジネックス、ジネックス−ジクレキシン(dinex−diclexine)、ジノプロップ、ジノサム、ジノテフラン、ジオフェノラン、ジオキサベンゾホス、ジオキサカルブ、ジオキサチオン、ジスルホトン、ジチオクロフォス(dithicrofos)、d−リモネン、DNOC、DNOC−アンモニウム、DNOC−カリウム、DNOC−ナトリウム、ドラメクチン、エクジステロン、エマメクチン、エマメクチン安息香酸塩、EMPC、エンペントリン、エンドスルファン、エンドチオン、エンドリン、EPN、エポフェノナン、エプリノメクチン、エスデパレトリン(esdepallethrine)、エスフェンバレラート、エタホス(etaphos)、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトアート−メチル、エトプロホス、エチルホルマート、エチル−DDD、二臭化エチレン、二塩化エチレン、酸化エチレン、エトフェンプロックス、エトリムホス、EXD、ファムフール、フェナミホス、フェナザフロル、フェンクロルホス、フェネタカルブ、フェンフルトリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノキサクリム(fenoxacrim)、フェノキシカルブ、フェンピリトリン(fenpirithrin)、フェンプロパトリン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンチオン−エチル、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルベンジアミド、フルコフロン、フルシクロクスロン、フルシトリナート、フルフェネリム(flufenerim)、フルフェノクススロン(FLUFENOXURON)、フルフェンプロックス(flufenprox)、フルフィプロル(flufiprole)、フルピラジフロン、フルバリネート、ホノホス、ホルメタナート、ホルメタナート塩酸塩、ホルモチオン、ホルムパラナート(formparanate)、ホルムパラナート塩酸塩、ホスメチラン、ホスピラート、ホスチエタン、フラチオカルブ、フレスリン、γ‐シハロトリン、γ−HCH、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド、HCH、HEOD、ヘプタクロル、ヘプテノホス、ヘプテロホス、ヘキサフルムロン、HHDN、ヒドラメチルノン、シアン化水素、ヒドロプレン、ヒキンカルブ(hyquincarb)、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、ヨードメタン、IPSP、イサゾホス、イソベンザン、イソカルボホス、イソドリン、イソフェンホス、イソフェンホス‐メチル、イソプロカルブ、イソプロチオラン、イソチオアート、イソキサチオン、イベルメクチン、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ヨードフェンホス、幼若ホルモンI、幼若ホルモンII、幼若ホルモンIII、ケレバン、キノプレン、ランブダ‐シハロトリン、ヒ酸鉛、レピメクチン、レプトホス、リンダン、リリンホス、ルフェヌロン、リチダチオン、マラチオン、マラノベン(malonoben)、マジドックス、メカルバム、メカルホン、メナゾン、メペルフルトリン、メホスホラ、塩化第一水銀、メスルフェンホス、メタフルミゾン、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メトクロトホス、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、臭化メチル、メチルイソチオシアネート、メチルクロロホルム、塩化メチレン、メトフルトリン、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、メキサカルバート、ミルベマイシン、ミルベマイシン‐オキシム、ミパホックス、ミレックス、モロスルタプ(molosultap)、モノクロトホス、モノメヒポ(monomehypo)、モノスルタプ(monosultap)、モルホチオン、モキシデクチン、ナフタロホス、ナレド、ナフタレン、ニコチン、ニフルリジド、ニテンピラム、ニチアジン、ニトリラカルブ、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトアート、オキサミル、オキシデメトンメチル、オキシフィオンホス、オキシジスルホトン、パラ−ジクロロベンゼン、パラチオン、パラチオン−メチル、ペンフルロン、ペンタクロロフェノール、ペルメトリン、フェンカプトン、フェノトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスホラン、ホスメット、ホスニクロ(phosnichlor)、ホスファミドン(phosphamidon)、 ホスフィン、ホキシム、ホキシム‐メチル、ピリメタホス、ピリミカルブ、ピリミカルブ‐エチル、ピリミカルブ‐−メチル、亜ヒ酸カリウム、チオシアン酸カリウム、pp’−DDT、プラレトリン、プレコセンI、プレコセンII、プレコセンIII、プリミドホス、プロフェノホス、プロフルラリン、プロマシル、プロメカルブ、プロパホス、プロペタムホス、プロポキスル、プロチダチオン、プロチオホス、プロトアート、プロトリフェンビュート(protrifenbute)、ピラクロホス、ピラフルプロール、ピラゾホス、ピレスメトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、ピレトリン類、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリフルキナゾン、ピリミジフェン、ピリミテート(pyrimitate)、ピリプロール、ピリプロキシフェン、カッシア、キナルホス、キナルホス−メチル、キノチオン、ラホキサニド、レスメトリン、ロテノロン、ライアニア、サバジラ、シュラーダン、セラメクチン、シラフルオフェン、シリカゲル、亜ヒ酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、ソファミド、スピネトラム、スピノサド、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルコフロン、スルコフロンナトリウム、スルフルラミド、スルホテップ、スルホキサフロール、フッ化スルフリル、スルプロホス、Tau−フルバリナート、タジムカルブ、TDE、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス(tebupirimfos)、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、TEPP、テラレトリン、テルブホス、テトラクロロエタン、テトラクロロビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、θ‐シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チクロホス(thicrofos)、チオカルボキシム、チオシクラム、しゅう酸チオシクラム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオスルタップ、チオスルタップジナトリウム、チオスルタップモノナトリウム、ツリンギエンシン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トランスフルトリン、トランスペルメトリン(transpermethrin)、トリアラテン(triarathene)、トリアザマート、トリアゾホス、トリクロルホン、トリクロロメタホス‐3、トリクロロナート、トリフェノホス、トリフルムロン、トリメタカルブ、トリプレン、バミドチオン、バニリプロール、XMC、キシリルカルブ、ζ‐シペルメトリン、ゾラプロホス、ならびにこれらの組み合わせを含む。
【0156】
さらに、本発明の化合物は、使用のために選択した媒体中の本発明の化合物と互換可能であり、本化合物の活性に対してアンタゴニストではなく、それらの農薬的混合物および相乗的混合物を形成する除草剤と組み合わせてもよい。この本開示の抗真菌性化合物は、幅広く多様な望ましくない植物を制御するための1つ以上の除草剤と組み合わせて使用してもよい。除草剤と組み合わせて使用する際に、本請求の化合物は、除草剤、タンク混合した除草剤と製剤化してもよく、または除草剤を経時的に使用してもよい。典型的な除草剤は、限定するものではないが、4−CPA、4−CPB;4−CPP、2,4−D、3,4−DA、2,4−DB、3,4−DB、2,4−DEB、2,4−DEP、3,4−DP、2,3,6−TBA、2,4,5−T、2,4,5−TB、アセトクロル、アシフルオルフェン、アクロニフェン、アクロレイン、アラクロール、アリドクロル、アロキシジム、アリルアルコール、アロラック、アメトリジオン、アメトリン、アミブジン(amibuzin)、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アミノシクロピラクロル、アミノピラリド、アミプロホスメチル、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アニスロン、アシュラム、アトラトン、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、アジプロトリン、バーバン、BCPC、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ベンフルラリン、ベンフレサート、ベンスルフロン、ベンスリド、ベンタゾン、ベンザドックス、ベンズフェンジゾン、ベンジプラム、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ベンゾフルオル(benzofluor)、ベンゾイルプロップ、ベンズチアズロン、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビアラホス、ビスピリバック、ホウ砂、ブロマシル、ブロモボニル(bromo
bonil)、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロムピラゾン、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロール(butenachlor)、ブチダゾール、ブチウロン、ブトラリン、ブトロキジジム、ブツロン、ブチラート、カコジル酸、フェンストロール、塩素酸カルシウム、カルシウムシアナミド、カンベンジクロル(cambendichlor)、カルバスラム(carbasulam)、カルベタミド、カルボキサゾール(carboxazole)、クロルプロカルブ(chlorprocarb)、カルフェントラゾン、CDEA、CEPC、クロメトキシフェン、クロランベン、クロラノクリル(chloranocryl)、クロラジホップ(chlorazifop)、クロラジン、クロルブロムロン、クロルブファム、クロレツロン、クロルフェナック、クロルフェンプロップ、クロルフルラゾール、クロルフルレノール、クロリダゾン、クロリムロン、クロニトロフェン、クロロポン、クロロトルロン、クロロクスロン、クロロキシニル、クロルプロファム、クロルスルフロン、クロルタール、クロルチアミド、シニドンエチル、シンメチリン、シノスルフロン、シサニリド、クレトジム、クリオジナート、クロジナホップ、クロホップ、クロマゾン、クロメプロップ、クロプロップ、クロプロキシジム(cloproxydim)、クロピラリド、クロランスラム、CMA、硫酸銅、CPMF、CPPC、クレダジン、クレゾール、クミルロン、シアナトリン、シアナジン、シクロアート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シクルロン、シハロホップ、シペルコート、シプラジン、シプラゾール、シプロミド、ダイムロン、ダラポン、ダゾメット、デラクロル、デスメジファム、デスメトリン、ジアラート、ジカンバ、ジクロベニル、ジクロラルウレア(dichloralurea)、ジクロルマート、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ−P、ジクロホップ、ジクロスラム、ジエタムクアット、ジエタチル、ジフェノペンテン(difenopenten)、ジフェノクスロン、ジフェンゾコート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメフロン、ジメピペラート、ジメタクロル、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド−P、ジメキサノ、ジミダゾン、ジニトラミン、ジノフェナート、ジノプロップ、ジノサム、ジノセブ、ジノテルブ、ジフェナミド、ジプロペトリン、ジクワット、ジスル(disul)、ジチオピル、ジウロン、DMPA、DNOC、DSMA、EBEP、エグリナジン、エンドタール、エプロナズ、EPTC、エルボン、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメトスルフロン、エチジムロン、エチオラート、エトフメサート、エトキシフェン、エトキシスルフロン、エチノフェン、エトニプロミド、エトベンザニド、EXD、フェナスラム(fenasulam)、フェノプロップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−P、フェノキサスルホン、フェントリコール、フェンチアプロップ、フェントラザミド、フェヌロン、硫酸第一鉄、フラムプロップ、フラムプロップ−M、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ−P、フルアゾラート、フルカルバゾン、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェニカン(flufenican)、フルフェンピル、フルメツラム、フルメジン、フルミクロラック、フルミオキサジン、フルミプロピン、フルオメツロン、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルロミジン、フルオロニトロフェン、フルチウロン、フルポキサム、フルプロパシル、フルプロパネート、フルピルスルフロン、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルルタモン、フルチアセト、ホメサフェン、ホラムスルフロン、ホサミン、フリロキシフェン、グルホシネート、グルホシネート−P、グリホサート、ハロサフェン(halosafen)、ハロスルフロン、ハロキシジン、ハロキシホップ、ハロキシホップ−P、ヘキサクロロアセトン、ヘキサフルレート、ヘキサジノン、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピク、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、インダノフアン、インダジフラム、ヨードボニル(iodobonil)、ヨードメタン、ヨードスルフロン、ヨーフェンスルフロン、イオキシニル、イパジン、イプフェンカルバゾン、イプリミダム、イソカルバミド、イソシル、イソメチオジン、イソノルロン、イソポリネート、イソプロパリン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、イソキサピリホップ、カルブチレート、ケトスピラドックス、ラクトフェン、レナシル、リヌロン、MAA、MAMA、MCPA、MCPA−チオエチル、MCPB、メコプロップ、メコプロップ−P、メジノテルブ、メフェナセット、メフルイジド、メソパジン、メソスルフロン、メソトリオン、メタム、メタミホプ、メタミトロン、メタザクロル、メタゾスルホン、メトフルラゾン、メタベンズチアズロン、メタルプロパリン、メタゾール、メチオベンカルブ、メチオゾリン、メチウロン、メトメトン、メトプロトリン、臭化メチル、メチルイソチオシアネート、メチルダイムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロル、メトスラム、メトキスロン、メトリブジン、メトスルフロン、モリネート、モナリド、モノイソウロン(monisouron)、モノクロロ酢酸、モノリヌロン、モヌロン、モルファムコート、MSMA、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプタラール、ネブロン、ニコスルフロン、ニピラクロフェン(nipyraclofen)、ニトラリン、ニトロフェン、ニトロフルオルフェン、ノルフルラゾン、ノルロン、OCH、オルベンカルブ、ortho−ジクロロベンゼン、オルソスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサピラゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パラフルロン、パラコート、ペブラート、ペラルゴン酸、ペンジメタリン、ペノクスラム、ペンタクロロフェノール、ペンタノクロル、ペントキサゾン、ペルフルイドン、ペトキサミド、フェニソファム、フェンメジファム、フェンメジファムエチル、フェノベンズロン、酢酸フェニル水銀、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、亜ヒ酸カリウム、アジ化カリウム、シアン酸カリウム、プレチラクロール、プリミスルフロン、プロシアジン、プロジアミン、プロフルアゾール(profluazol)、プロフルラリン、プロホキシジム、プログリナジン、プロメトン、プロメトリン、プロパクロル、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルファリン、プロスルホカルブ、プロスルフロン、プロキサン、プリナクロル、ピダノン、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラスルホトール、ピラゾレート、ピラゾスルフロン、ピラゾキシフェン、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリクロル、ピリダフォル、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピロキサスルホン、ピロックススラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キノナミド、キザロホップ、キザロホップ−P、ローデタニル(rhodethanil)、リムスルフロン、サフルフェナシル、S−メトラクロル、セブチラジン、セクブメトン、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトン、シメトン、SMA、亜ヒ酸ナトリウム、アジ化ナトリウム、塩素酸ナトリウム、スルコトリオン、スルファレート、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホスルフロン、硫酸、スルグリカピン、スウェップ、TCA、テブタム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、テルバシル、テルブカルブ、テルブクロル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テトラフルロン(tetrafluron)、テニルクロール、チアザフルロン、チアゾピル、チジアジミン、チジアズロン、チエンカルバゾンメチル、チフェンスルフロン、チオベンカルブ、チオカルバジル、チオクロリム(tioclorim)、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリアラート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン、トリカンバ、トリクロピル、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリホップ、トリホプシム(trifopsime)、トリヒドロキシトリアジン、トリメツロン、トリプロピンダン(tripropindan)、tトリタック(tritac)、トリトスルフロン、ベルノラート、ならびにキシラクロルを含む。
【0157】
本開示の別の実施形態は、真菌の攻撃を制御または予防するための方法である。この方法は、式Iの1つ以上の化合物の真菌に対しての有効量を、(例えば、穀類植物に適用して)外寄生を予防する土壌、植物、根、葉、種、または真菌の座位」に適用することを含む。本化合物は、植物毒性が低く、抗真菌性レベルで多様な植物を処置することに適している。本化合物は、保護剤および/または除草剤の形式の両方に有用であってもよい。
【0158】
本化合物は、農業で使用する際に、特に重要な真菌性効果を有することが見いだされた。多くの本化合物は、農業用作物および園芸用植物に使用する際に特に有効である。追加的な利点として、限定するものではないが、植物の健康状態の改善、植物の収率の改善(例えば、バイオマスの増加、および/または価値のある成分の増加)、植物の勢い(例えば、植物成長および/またはより濃い緑色の葉の増加)、植物の量の改善(例えば、ある成分の内容または組成物の改善)、ならびに、植物の非生物的および/または生物的ストレスへの耐性の改善を含んでもよい。
【0159】
式Iの化合物は、病原体誘導性疾患に対して有効であってもよく、植物真菌性病原体は、Blumeria、Podosphaera、Sphaerotheca、Uncinula、Erysiphe、Puccinia、Phakopsora、Gymnosporangium、Hemileia、Uromyces、Alternaria、Cercospora、Cladosporium、Cochliobolus、Colletotrichum、Magnaporthe、Mycosphaerella、Phaeosphaeria、Pyrenophora、Ramularia、Rhyncosporium、Septoria、Venturia、Ustilago、Aspergillus、Penicillium、Drechslera、Fusarium、Botrytis、Gibberella、Rhizoctonia、Pseudocercosporella、Sclerotinia、Helminthosporium、Stagonospora、ExserohilumおよびPyriculariaから選択される少なくとも1つの属に属している。Venturia inaequalis、 Septoria tritici、Cercospora beticola、Cercospora arachidicola、Colletotrichum lagenarium、Puccinia graminis f. sp. tritici、Puccinia recondita tritici、Uncinula necator、Blumeria graminis、およびMycosphaerella fijiensisなどの病原体は、式Iの組成物により、制御されていてもよい。さらに、式Iの組成物は、リンゴさび、葉の斑点、小麦の汚斑、テンサイの斑点病、ピーナッツの斑点病、キュウリの炭そ病、小麦の葉さび病、ブドウのうどんこ病、小麦のうどんこ病、およびblack sigatokaを含む疾患を予防または制御する際に有効であってもよい。
【0160】
本発明は、農業用または植物性疾患または障害の処置または予防用のキットを提供する。一実施形態において、本キットは、植物の部位に送達するために適した形態に、本明細書の化合物の有効量を含む組成物を含む。いくつかの実施形態において、本キットは、ボックス、アンプル、ボトル、バイアル、チューブ、バック、ポーチ、ブリスター包装、または当業者に公知の他の適したコンテナ形態であることができる。このようなコンテナは、プラスチック、ガラス、積層加工紙、金属箔、または化合物を保護するのに適した他の物質から作製することができる。
【0161】
必要に応じて、本発明の化合物を、植物、田畑、または他の農業用領域に投与するための説明書と共に提供する。この説明書は、一般に、金属酵素媒介農業用疾患または障害の処置または予防のための組成物の使用に関する情報を含む。他の実施形態において、本説明書は、以下の、本化合物に関する記述、金属酵素媒介農業用疾患または障害の処置または予防のための、投与計画および投与法、警告、研究の記載、ならびに/または参照文献のうちの少なくとも1つを含む。本説明書は、コンテナに適用されたラベルとしてコンテナ上に直接適用され、あるいは、分離したシート、パンフレット、カード、またはフォルダとして(存在する際には)コンテナ上に直接印刷されていてもよい。
【0162】
本開示の化合物は、疾患を阻害し、本草学的に許容可能な量の植物に使用する際に有効であってもよい。「疾患を阻害し、本草学的に許容可能な量」との文言は、制御が望まれている植物性疾患を死滅または阻害する化合物の量であるが、植物に有意な毒性ではない量を意味する。この量は、一般的に、約0.1〜約1000ppm(100万あたり)、好ましくは1〜500ppmである。要求される化合物の正確な量は、制御するべき真菌性疾患、使用する製剤の種類、適用する方法、特定の植物種、天候条件などにより変動する。適切な使用比率は、概して、約0.10〜4ポンド/エーカー(約0.01〜0.45平方メートル当たりのグラム、g/m)である。
【0163】
本明細書で得られるいずれかの範囲または望ましい値は、本明細書の技術を理解するために、当業者にとって適したものであるために、効力が失われることなく、拡張し、変動してもよい。
【実施例】
【0164】
本発明は、限定を意図するものではない特定の実施例を使用して記載する。
【0165】
一般的な実験の手順
本明細書のスキーム中の構造における変動した定義は、本明細書に記載したの式に対応する位置のものと同等のものである。
【0166】
アゾール標的の合成
【化2】


アゾール標的(式I)の合成は、以下に示される(スキーム1)の例示的な合成を使用して得てもよい。幅広い範囲の複素環を、官能性を持たせたハロ‐芳香開始物質(例えば、A)から開始して調製してもよい。この実施例の目的のため、Rは、Rでさらに置換されたアリール基である。Rは、縮合環二員環系または非縮合二員環系の一部であってもよい。
【化3】
【0167】
実施例1
【化4】

1−(5−クロロチオフェン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(1)
2−ヨードチオフェン(2.5グラム(g),11.9ミリモル(mmol))を含むn−ヘキサン(25ミリリットル(mL))撹拌溶液に、室温(RT)で触媒量の過塩素酸 (HClO)の後に、N−クロロスクシンイミド(NCS;1.58g、11.9mmol)を添加し、室温で24時間撹拌し続けた。この反応混合物を濾過し、この濾液を水(HO)および鹹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(NaSO)上で乾燥させ、真空下で濃縮し、液体としてD(1.7g、6.9mmol、58%)を得た。
1H NMR (200 MHz, CDCl3): d 7.18 (d, J = 4.2 Hz, 1 H), 6.69 (d, J = 4.2 Hz, 1 H).
【0168】
エチル 2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(1.6mL、13.9mmol)を含むジメチル スルホキシド(DMSO;30mL)撹拌溶液に、室温で銅粉(1.7g,27.9mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、2−クロロ―5−ヨードチオフェンD(1.7g,6.98mmol)を添加し、さらに撹拌を、室温で12時間連続で行った。この反応の進行を、薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニタリングした。この反応を、飽和型塩化アンモニウム(NHCl)溶液で反応停止させ、ジクロロメタン(CHCl;3×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機層をHO(2×50mL)および鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮させて粗生成物を得、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製して、液体としての化合物E(0.65g,2.7mmol,38%)を得る。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 7.19−7.17 (m, 1H), 6.89 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 4.37 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
【0169】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.3mL,2.7mmol)を含むエーテル(EtO;20mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、−78℃でn−ブチルリチウム(n−BuLi,1.6Mを含むヘキサン;1.77mL,2.7mmol)を添加した。−78℃で15分間撹拌した後、化合物E(0.65g,2.7mmol)を含むEtO(10mL)溶液に、この反応混合物を添加し、−78℃で1時間、室温で1時間撹拌し続けた。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応を、satdNHCl溶液で反応停止させ、エチルアセテート(EtOAc;3×30mL)で抽出した。この組み合わせた有機層を、HOおよび鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させて、減圧下で濃縮させて、粗生成物を得、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製して固体としての化合物F(0.5g,1.62mmol,60%)を得た。
H NMR(200MHz,CDCl):d 7.90−7.79(m,1H), 7.15−7.12(m,1H), 7.04−6.86(m, 3H)
【0170】
F(0.5g,1.62mmol)を含むEtO(40mL)撹拌溶液に、ジアゾメタン(ニトロシルメチル尿素(NMU;0.9g)を含む10%水酸化カリウム(KOH;40mL))を0℃で新たに添加し、その後、この反応混合物を室温まで温めた。室温で2時間撹拌した後、この揮発性物質を減圧下で蒸発させ、粗生成物を得た。この粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製して固体としてのエポキシドG(0.3g,0.93mmol,57%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 7.34−7.27 (m, 1H), 7.09−6.75 (m, 4H), 3.37 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 2.98 (m, 1H)
【0171】
1H−テトラゾール(0.039g,0.55mmol)を含むN,N−ジメチルホルムアミド(DMF;5mL)撹拌溶液に、窒素(N)雰囲気下、室温で、炭酸カリウム(KCO;0.064g,0.46mmol)を添加した。室温で10分撹拌後、エポキシドG(0.15g,0.46mmol)をこの反応混合物に添加し、この混合物を、65℃で8時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、HO(40mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機層をHO(2×25mL)および鹹水(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥して、減圧下で濃縮させた。この粗製物質をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製して、固体として1(30mg,0.13mmol,16%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.61 (s, 1H), 7.37−7.32 (m, 1H), 6.85 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.80−6.74 (m, 3H), 5.60 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.02 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 94.1%. MS(ESI): m/z 393 [M+1]
【0172】
表1の化合物12〜16を、(表1から得られる)商業的に利用可能な開始物質から化合物1と同一の条件を使用して調製した。
【0173】
実施例2
【化5】

1−(4−ブロモチアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル (2)
化合物2を、化合物1と同一の条件を使用して合成した。収率:47% (0.022 g)。
H NMR(200MHz, CDCl): d 8.73 (s, 1H), 7.35 (m, 2H), 6.84−6.74 (m, 2H), 5.66 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 5.59 (br s, 1H), 5.19 (d, J = 15.0 Hz, 1H). HPLC: 96.6%. MS(ESI): m/z 438, 440 [(M+1)+2].
【0174】
実施例3
【化6】

4−(2−(2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロピル)チアゾール−4−イル)ベンゾニトリル (3)
銅粉(1.04g,16.46mmol)を含むDMSO(20mL)懸濁液に、エチル 2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(1.83g,9.0mmol)を添加し、この混合物を室温で1時間撹拌した。その後、2,4−ジブロモチアゾール(1.0g,4.11mmol)を添加し、室温で16時間撹拌し続けた。この反応の進行をTLCによりモニタリングした。この反応を、水性(aq)NHCl(15mL)で反応停止させ、CHCl(3×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機層を、HOおよび鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥して減圧下で濃縮させることにより、粗生成物を得た。6%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで液体としてのエステル(0.35g,1.22mmol,37%)を得た。HNMR(200 MHz, CDCl): d 7.47 (s, 1H), 4.45−4.33 (m, 2H), 1.41−1.33 (m, 3H)
【0175】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.20mL,1.83mmol)を含むEtO(5mL)撹拌溶液に、−78℃でn−BuLi(2.5Mヘキサン溶液として;0.7mL,1.83mmol)を添加し、この混合物を30分間撹拌した。この前のステップのエステル(0.35g,1.22mmol)を含むEtO(10mL)を液滴で添加し、この混合物を、−70℃で1時間撹拌した。この温度を徐々に雰囲気温度まで上げ、さらに1時間撹拌し続けた。この反応混合物を、aqNHClで反応停止させ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。この組み合わせた有機層をHOおよび鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥して減圧下で濃縮させた。この粗製化合物を、4%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、液体としてケトン(0.13g,0.36mmol,30.09%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.10−8.02 (m, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.07−6.85 (m, 2H)
【0176】
ケトン(0.13g,0.36mmol)を含む無水EtO(30mL)撹拌溶液に、ジアゾメタン[NMU(0.37g)を含む10%KOH(20mL)]を、0℃で新たに調製し、この混合物を室温まで温めた。室温で1時間撹拌した後、この溶媒を減圧下で蒸発させて粗生成物を得た。この粗生成物を、4%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、液体としてのエポキシド(0.13g,0.36mmol,74%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 7.51−7.30 (m, 2H), 6.94−6.75 (m, 2H), 3.58 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.05−3.03 (m, 1H)
【0177】
エポキシド(0.1g,0.27mmol)および4−シアノフェニルボロン酸(0.059g,0.40mmol)を含むテトラヒドロフラン (THF)/HO(20mL,2:1)撹拌溶液に、KCO(0.112g,0.81mmol)を室温、不活雰囲気下で添加した。10分間アルゴンでパージした後、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl;0.049g,0.06mmol)を、この反応混合物にアルゴン雰囲気下で添加した。この結果として得られる混合物を、55℃で16時間撹拌した。この反応混合物を、HOで反応停止させ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機層を、HOおよび鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥して濃縮した。この粗生成物を、6%EtOAc/ヘキサンで溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体としての共役産物(0.065g,0.16mmol,62%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 7.99 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 7.81−7.67 (m, 3H), 7.67−7.41 (m, 1H), 6.92−6.74 (m, 2H), 3.66 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.09−3.07 (m, 1H)
【0178】
この共役産物(0.065g,0.16mmol)を含むDMF(2mL)撹拌溶液に、室温、不活性雰囲気下でKCO(0.011g,0.08mmol)に続き1H−テトラゾール(0.013g,0.19mmol)を添加した。この反応混合物を、70℃で16時間撹拌した。この反応混合物を、室温まで冷却し、HO(5mL)で希釈し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。この有機層をHOおよび鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥した。濾過した後、この溶媒を減圧下で蒸発させて粗製化合物を得た。この粗製化合物を、30%EtOAc/ヘキサンで溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体としての3(15mg,0.03mmol,19%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.71 (s, 1H), 7.91 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.78 (s, 1H), 7.77 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.39−7.35 (m, 1H), 6.83−6.79 (m, 1H), 6.76−6.73 (m, 1H), 5.87 (s, 1H), 5.67 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 95.8%. MS(ESI): m/z 461 [M+1]
【0179】
実施例4
【化7】

1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(4)
銅粉(3.14g,47.4mmol)を含むDMSO(50mL)撹拌溶液に、N雰囲気下、室温で、エチル 2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(4.99g,24.7mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、2−ブロモ−6−クロロキノリン(3.0g,12.3mmol)を添加し、さらに室温で16時間撹拌し続けた。この反応混合物をsatdNHClで反応停止させ、CHCl(3×100mL)で抽出した。この組み合わせた有機層を、HOおよび鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮させた。この粗製産物を、3%EtOAc/ヘキサンで溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体としての6−クロロ−2−キノリニルエチルエステル(2.6g,9.12mmol,73%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.26 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 4.44−4.39 (m, 2H), 1.38−1.34 (m, 3H). MS(ESI): m/z 286 [M+1]
【0180】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.15mL,1.40mmol)を含むEtO(20mL)撹拌溶液に、N雰囲気下、−70℃でn−BuLi(ヘキサン中で1.6M;0.87mL,1.40mmol)を添加した。−70℃で15分間撹拌した後、エステル(0.4g,1.40mmol)を含むEtO(5mL)を、反応混合物に−70℃で添加した。この反応混合物を、0℃で1時間撹拌し、室温まで温め、さらに1時間撹拌した。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応を、satd NHCl溶液で反応停止させ、EtOAc(3×10mL)で抽出した。この組み合わせた有機層を、HOおよび鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮させた。この粗製化合物を、3%EtOAc/ヘキサンで溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、液体としての対応するケトン(0.35g,0.98mmol,70%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.30−8.23 (m, 1H), 8.14−8.07 (m, 1H), 7.96−7.87 (m, 2H), 7.76−7.65 (m, 2H), 7.01−6.98 (m, 1H), 6.80− 6.76 (m, 1H). MS(ESI): m/z 354, 356 [(M+1)+2]
【0181】
このケトン(0.35g,0.98mmol)を含むEtO(15mL)撹拌溶液に、新たに調製したジアゾメタン(NMU(0.8g)を含む10%KOH(50mL))を、−5°で液滴して添加し、この混合物を室温まで温めた。室温で1時間撹拌した後、この揮発性物質を減圧下で蒸発させ、粗製産物を得た。この粗製産物を、カラムクロマトグラフィー(勾配としての1〜3%EtOAc/ヘキサン)により精製して、半固体として対応するエポキシド(0.14g,0.68mmol,39%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.16−8.06 (m, 2H), 7.88−7.85 (m, 1H), 7.74−7.58 (m, 2H), 7.43−7.28 (m, 1H), 6.87− 6.68 (m, 2H), 3.50 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 3.01 (br s, 1 H). MS(ESI): m/z 368 [M+1]
【0182】
エポキシド(0.14g,0.38mmol)を含むDMF(10mL)撹拌溶液に、室温、不活性雰囲気下で、KCO(0.079g,0.57mmol)に続き、1H−テトラゾール(0.026g,0.38mmol)を添加した。この反応混合物を、70℃、6時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、HO(5mL)で希釈し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。この有機層を、HOおよび鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥した。濾過した後、この溶媒を減圧下で蒸発させ、粗製化合物を得た。この粗製化合物を、30%EtOAc/ヘキサンで溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体としての4(0.085g,0.19mmol,51%)および白色固体としての1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(16;0.04g,0.09mmol,24%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.76 (s, 1H), 8.22 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.79 (dd, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.32−7.27 (m, 1H), 6.78− 6.73 (m, 1H), 6.60− 6.57 (m, 1H), 5.64 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.19 (d, J = 14.5 Hz, 1H)
HPLC:98.6%.MS(ESI):m/z438[M+1]
ラセミ体1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(少量生成物,16):H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.26 (s, 1H), 8.20 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.75 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.41− 7.36 (m, 1H), 6.98 (s, 1H), 6.81− 6.77 (m, 1H), 6.65−6.61 (m, 1H), 5.85 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.49 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 97.8%. MS(ESI): m/z 438 [M+1]
【0183】
4つのエナンチオマー(+および−)の分離
4つのエナンチオマーを、移動相(A)n−ヘキサン−(B)イソプロピルアルコール(IPA)(均一濃度A:B=70:30)および1.00mL/分の流量を備えたCHIRALPAK IC(登録商標)(250x4.6mm,5μ)を使用したカラム高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分離した。
希釈剤:IPA:ヘキサン(20:80)
キラル調製用HPLCの分離により、4−(−)([α]−7.5°(メチルアルコール(CHOH)中c=0.1%および4−(+)([α]3.58° CHOH中、c=0.1%)を得た。
【0184】
表1の化合物17〜33を、(表1で得られる)商業的に利用可能な開始物質または調製した中間体からの化合物4と同一の条件を使用して調製した。
【0185】
実施例5
【化8】

2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(キノリン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(5)
化合物5を、淡黄色の固体として分離した0.020gの2−ブロモキノリンから、4に使用した条件を使用して調製した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.78 (s, 1H), 8.31 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.14 (s, 1H), 8.11 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.90−7.85 (m, 2H), 7.71−7.65 (m, 2H), 7.35−7.30 (m, 1H), 6.77−6.73 (m, 1H), 6.59−6.55 (m, 1H), 5.68 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 14.0 Hz, 1H). HPLC: 97.65%. MS(ESI): m/z 404 [M+1]
【0186】
実施例6
【化9】

1−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(6)
化合物6を、黄褐色としての、0.027gの2−ブロモベンゾ[d]チアゾールから、4で使用した条件を使用して調製した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.75 (s, 1H) 8.12 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.63−7.60 (m, 1H), 7.56−7.53 (m, 1H), 6.81−6.76 (m, 1H), 6.70−6.66 (m, 1H), 6.42 (s, 1H), 5.73 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 96.1%. MS(ESI): m/z 410 [M+1]
【0187】
実施例7
【化10】

2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(ピリミジン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(7)
化合物7を、黄褐色の固体としての0.007gの2−ヨードピリミジンから、1で使用した条件を使用して調製した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.79 (d, J = 4.5 Hz, 2H), 8.73 (s, 1H), 7.47−7.45 (m, 1H), 7.36−7.31 (m, 1H), 6.79−6.75 (m, 1H), 6.70−6.67 (m, 1H), 6.39 (s, 1H), 5.60 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 98.8%. MS(ESI): m/z 355 [M+1]
【0188】
実施例8
【化11】

2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−(6−クロロキノリン−2−イル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(8)
化合物8を、白色固体として分離した0.021gの2−ブロモ−6−クロロキノリンおよび1−ブロモ−2−フルオロ−4−クロロベンゼンから、4で使用した条件を使用して調製した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.76 (s, 1H), 8.23 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.79 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.72 (s, OH), 7.67 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.28−7.24 (m, 1H), 7.04 (dd, J = 12.0, 2.0 Hz, 1H), 6.85 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 5.64 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 99.4%. MS (ESI): m/z 456 [M+1]
【0189】
8つのエナンチオマーのキラル調製用HPLCの分離
8つのエナンチオマー(150mg,0.33mmol)を、CHIRALPAK IC(登録商標)カラム(250x20mm,5μ;移動相(A)n−ヘキサン−(B)エチルアルコール(A:B=90:10)および15mL/分の流量)を使用した調製用HPLCにより分離し、灰白色の固体としての8−(−)(30mg,0.066mmol,20%)を得た。
分析データ
キラルHPLC:99.88%ee,R=20.29分(CHIRALPAK IC(登録商標)カラム,250x4.6mm,5μ;移動相(A)n−ヘキサン−(B)エチルアルコール(A:B=90:10);流量1.00mL/分)
任意の回転[α]25:−29.44°(c=0.1%CHOH中)
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.76 (s, 1H), 8.23 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.79 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.72 (s, OH), 7.67 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.28−7.24 (m, 1H), 7.04 (dd, J = 12.0, 2.0 Hz, 1H), 6.85 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 5.64 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 14.5 Hz, 1H). MS(ESI): m/z 454 [M]. HPLC: 99.29%
【0190】
実施例9
【化12】

1−(6−ブロモキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(9)
化合物9を、黄色の固体として分離した0.025gの2,6−ジブロモキノリンから、4で使用した条件を使用して調製した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d (8.76 (s, 1H), 8.21 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.97−7.91 (m, 2H), 7.67−7.65 (m, 2H), 7.32−7.27 (m, 1H), 6.77−6.73 (m, 1H), 6.60−6.57 (m, 1H), 5.63 (d, J = 14.5 Hz, 1 H), 5.20 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 93.3%. MS (ESI): m/z 482, 484 [M, M+2]
【0191】
9−(+)のエナンチオマーのキラル調製用のHPLC分離
9つのエナンチオマー(150mg,0.31mmol)を、移動相(A)n−ヘキサン−(B)[CHCl−エチルアルコール(80:20)](A:B=75:25)および12mL/分の流量を有するCHIRALPAK IC(登録商標カラム(250x20mm,5μ)を使用した調製用HPLCにより分離し、灰白色の固体としての9−(+)(30mg,0.062mmol,20%)を得た。
【0192】
分析データ
キラルHPLC:99.90%ee,R=21.25分(CHIRALPAK IC(登録商標)カラム,250x4.6mm,5μ;移動相(A)n−ヘキサン−(B)エチルアルコール(A:B=90:10);流量:1.00mL/分)
任意の回転[α]25:+5.80°(c=0.1%CHOH中)
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.76 (s, 1H), 8.21 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.92 (dd, J = 9.0, 1.5 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.66 (br s, OH), 7.32−7.27 (m, 1H), 6.77−6.73 (m, 1H), 6.60−6.57 (m, 1H), 5.64 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 99.55%. MS(ESI): m/z 482 [M
【0193】
実施例10
【化13】
1−(6−クロロキノキリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(10)
化合物10を、2−ブロモ−6−クロロキノキリンから、4で使用した条件を使用して合成した。2−ブロモ−6−クロロキノキリンを、以下の方法で調製した。6−クロロキノキリン−2(1H)−one(1.0g,5.5mmol)および3臭化リン(PBr;3.5mL,36.1mmol)の混合物を、120℃で4時間加熱した。この反応質量を室温まで冷却し、寒冷HOで希釈し、CHClで抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、無水NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮させ、粗製産物を得た。この粗製化合物を、(EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、固体として2−ブロモ−6−クロロキノキリン (550 mg,2.26mmol,42%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.86 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, H). MS (ESI): m/z 243 [M
【0194】
化合物10(25mg,0.056mmol,26%)を、灰白色固体として分離した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.01 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.02 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.85 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 6.80−6.75 (m, 1H), 6.69−6.64 (m, 1H), 5.78 (s, 1H, OH), 5.70 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 97.9%. MS (ESI): m/z 439 [M+1]
【0195】
10−(−)のエナンチオマーのキラル調製用のHPLC分離
10つのエナンチオマー(70mg,0.16mmol)を、移動相(A)n−ヘキサン−(B)エチルアルコール(A:B=70:30)および5mL/分の流量を有するCHIRALPAK IA(登録商標)カラム(250×20mm,5μ)を使用した調製用HPLCにより分離し、灰白色固体としての10−(−)(20mg,0.046mmol,28%)を得た。
【0196】
分析データ
キラルHPLC:99.68%ee,R=10.31分(CHIRALPAK IA(登録商標)カラム,250×4.6mm, 5μ;移動相(A)n−ヘキサン−(B)エチルアルコール(A:B=85:15);流量: 1.00mL/分)
任意の回転[α]25:−18.52°(c=0.1%CHOH中)
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.01 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.18 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.84 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 7.29−7.26 (m, 1H), 6.81−6.77 (m, 1H), 6.68−6.65 (m, 1H), 5.77 (s, OH), 5.71 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.21 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 99.06%. MS(ESI): m/z 439 [M+H]
【0197】
表1の化合物34を、(表1に得られる)商業的に利用可能な開始物質から、化合物10と同一の条件を使用して調製した。
【0198】
実施例11
【化14】

1−(6−クロロベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(11)
化合物11を、乳白色の固体として分離した、0.017gの2−ブロモ−6−クロロベンゾ[d]チアゾールから、4で使用した条件を使用して調製した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.73 (s, 1H), 8.03 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.58 (dd, J = 9.0, 2.5 Hz, 1H), 7.39−7.34 (m, 1H), 6.81−6.77 (m, 1H), 6.71−6.68 (m, 1H), 6.06 (s, 1H), 5.70 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 96.6%. MS (ESI): m/z 444 [M+1].
【0199】
実施例12中間体の調製
【化15】

2−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)キノリン (I−A)
2,2,2−トリフルオロエタノール(10.0 g, 100 mmol)を含むCHCl (100 mL)撹拌溶液に、トリエチルアミン (EtN; 27.8 mL, 200 mmol), p−トルエンスルホニル塩化物(19.1 g, 100 mmol)、および触媒量の4−ジメチルアミノピリジン (DMAP; 10 mg)を、0℃、不活性雰囲気下で添加した。この反応混合物を室温まで温め、さらに5時間撹拌し続けた。この反応混合物をHO (100 mL)で希釈し、CHCl (3××200 mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO (50 mL)および鹹水(50 mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、半固体としての化合物H(25.0 g, 98.42 mmol; 粗製)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 7.81 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.35 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 2.47 (s, 3H). MS(ESI): m/z 256 [M+2]
【0200】
6−ヒドロキシキノリン (2.0 g, 13.79 mmol)を含むDMF (15 mL)撹拌溶液に、KCO (5.71 g, 41.38 mmol)および化合物H(7.01 g, 27.59 mmol)を、室温で添加した。この反応温度を、徐々に80℃まで増加させ、この反応混合物をさらに16時間撹拌した。(TLCによりモニタリングした)反応の完了後、この反応混合物を室温まで冷却し、HO (25 mL)で希釈し、EtOAc (3××40 mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、鹹水(30 mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、(30〜35%のEtOAc勾配を含むヘキサン)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物I(2.7 g, 11.88 mmol, 86%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.83 (dd, J = 4.4, 1.8 Hz, 1H), 8.06−8.03 (m, 2H), 7.22−7.18 (m, 2H), 7.05 (d, J = 3.0, 1H), 4.50 (q, J = 8.0 Hz, 2H). MS(ESI): m/z 228 [M+H]
【0201】
I (0.6 g, 2.64 mmol)を含むEtOAc (25 mL)撹拌溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸 (m−CPBA; 1.14 g, 6.63 mmol)を室温、不活性雰囲気下で添加した。(TLCにより6時間モニタリングした)反応の完了後、この反応混合物を、satd 炭酸水素ナトリウム (NaHCO)溶液(30 mL)で反応停止させ、EtOAc (3××40 mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO (30 mL)および鹹水(30 mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、(75〜85%のEtOAc勾配を含むヘキサン)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物J(0.5 g, 2.06 mmol, 77.8%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.73 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 8.44 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 9.4, 2.8 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 8.2, 6.2 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 4.50 (q, J = 8.0 Hz, 2H). MS(ESI): m/z 244 [M+H]
【0202】
キノリン N−オキシド J (1.0 g, 4.11 mmol)を含む無水酢酸(AcO; 7 mL)撹拌溶液を、不活性雰囲気下、130〜140℃で、5時間加熱した。この結果として得られる混合物を室温まで冷却し、HO(25mL)で希釈し、EtOAc (3××30 mL)で希釈した。この組み合わせた有機抽出物を、鹹水(40 mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。オキシ臭化リン(III)(POBr; 2.95 g, 10.28 mmol)を、この粗生成物と混合し、130〜140℃まで加熱し、不活性雰囲気条件で4時間撹拌した。(TLCによりモニタリングした)反応の完了後、この反応混合物を室温まで冷却し、氷冷したHO (30 mL)で反応停止させ、EtOAc (3××30 mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO (30 mL)および鹹水(30 mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、(10〜15%のEtOAc勾配を含むヘキサン)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−ブロモ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)キノリン (I−A; 0.55 g, 1.79 mmol, 43.7%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.01 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 9.2, 2.8 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 4.46 (q, J = 8.0 Hz, 2H). MS(ESI): m/z 307 [M+H]
【0203】
【化16】

2−ブロモ−6−(トリフルオロメトキシ)キノリン(I−B)
4−(トリフルオロメトキシ)アニリン(1.0g,5.6mmol),ナトリウム−3−ニトロベンゼンスルホン酸塩(1.89g,8.4mmol),ホウ酸(0.55g,8.9mmol)、および硫酸鉄(II)七水和物(FeSO・7HO;0.31g,1.1mmol)を含むグリセロール(14mL)撹拌溶液に、濃硫酸(HSO;3.4mL)を液滴して0℃で添加した。この反応混合物を、徐々に150℃まで加熱し、5時間撹拌した。(TLCによりモニタリングした)反応の完了後、この反応混合物を氷冷したHO(100mL)に注ぎ、塩基性の50%aq水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を作製し、EtO(4x25mL)で抽出した。この分離した有機層を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(12%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の液体としてのキノリンK(0.95g,4.42mmol,79%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.96-8.94 (m, 1H), 8.16 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.65−7.56 (m, 2H), 7.47 (dd, J = 8.2, 4.2 Hz, 1H). MS (ESI): m/z 214 [M+H]
【0204】
K (0.95g,4.40mmol)を含む0℃のEtOAc(10mL)撹拌溶液に、m−CPBA(1.5g,8.8mmol)を添加し、この反応混合物を室温で6時間撹拌した。(TLCによる)反応の完了後、この反応混合物を、satd NaHCO溶液で反応停止させ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(20mL)および鹹水(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(10%CHOH/CHClで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、無色のL(0.72g,3.1mmol,70%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.82 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 8.55 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 7.75−7.69 (m, 2H), 7.60 (dd, J = 9.4, 1.6 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 9.4, 6.2 Hz, 1H). MS (ESI): 230 [M+H]
【0205】
N−オキシドL(1.0g,4.3mmol)を含むAcO(10mL)撹拌溶液を、130〜140℃で5時間、不活性雰囲気下で加熱した。この結果として得られる混合物を室温まで冷却し、HO(30mL)で希釈し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。POBr(2.2g,7.7mmol)を添加して粗生成物を得、この混合物を、不活性雰囲気下、130〜140℃で4時間加熱した。(TLCによりモニタリングした)反応の完了後、この反応混合物を室温まで冷却し、氷冷したHO(50mL)で反応停止させ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(50mL)および鹹水(50mL) で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、(10〜15%のEtOAc/ヘキサンを溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色の液体としての化合物I−B(0.55g,1.79mmol,43.7%)を得た。
1H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.09 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.64−7.59 (m, 3H). MS (ESI): 292 [M+H]
【0206】
【化17】

キノリン−6−カルボニトリル(I−C)
6−ブロモキノリン(2.0g,9.61mmol)を含むピリジン(30mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気、室温でCuCN(3.0g,33.6mmol)を添加した。この反応混合物を、徐々に200℃まで加熱し、8時間撹拌した。(TLCによる)開始材料の消費が完了した後、この反応混合物を室温まで冷却し、氷冷したHO(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(30%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、白色固体としての化合物I−C(1.25g,8.0 mmol,83%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 9.08−9.05 (m, 1H), 8.25−8.19 (m, 3H), 7.86 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 7.55 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H). MS (ESI): 155 [M+H]
【0207】
【化18】

6−(ジフルオロメチル)キノリン(I−D)
キノリン−6−カルバルデヒド(200mg,1.27mmol)を含む0℃のCHCl(10mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下で(ジエチルアミノ)三フッ化硫黄(DAST;0.2mL,1.53mmol)を添加した。この反応混合物を室温まで温め、16時間撹拌した。(TLCによる)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を、CHCl(20mL)で希釈し、satd NaHCO溶液(40mL)で反応停止させた。この分離した有機層を、氷冷したHO(20mL)および鹹水(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して黄色の液体としてのI−D(100mg,粗製)を得た。この産物を、H NMR分光法により明らかにし、精製することなく次のステップに使用した。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 9.00 (dd, J = 4.2, 1.4 Hz, 1H), 8.25−8.18 (m, 2H), 7.98 (s, 1H), 7.84 (dd, J = 8.8, 1.4 Hz, 1H), 7.48 (dd, J = 8.8, 4.2 Hz, 1H), 6.84 (t, J F,H = 74.0 Hz, 1H). MS (ESI): 180 [M+H]
【0208】
【化19】

5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)キノリン(I−E)
アミン5−アミノキノリン(5.0g,34.67mmol)を含むHO(100mL)撹拌溶液に、室温で、硫酸水素ナトリウム(NaHSO;25.2g,242.1mmol)を添加し、この混合物を還流温度で36時間撹拌した。この結果として得られる溶液を室温まで冷却し、NaOH(9.7g,242.5mmol)を添加し、この混合物を、還流温度で8時間撹拌した。(TLCによりモニタリングした)反応の完了後、この反応混合物を室温まで冷却し、pHを、通常の(6N)の塩酸(HCl)で7に調整した。この沈殿物を濾過し、HOで洗浄し、高真空下で乾燥し、淡黄色の固体としてのアルコールM(3.2g,22.04mmol,64%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.92 (s, 1H), 8.58 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.53 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 8.5, 4.5 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.10 (br s, 1H). MS (ESI): m/z 146 [M+H]
【0209】
アルコールM(3.2g,22.04mmol),2,2,2−トリフルオロエチル−4−メチルベンゼンスルホン酸塩(5.6g,22.04mmol)、およびKCO(9.12g,66.08mmol)を含むDMF(40mL)撹拌溶液を、不活性雰囲気下、120℃で加熱した。(TLCにより、16時間モニタリングした)反応の完了後、この反応混合物を室温まで冷却し、HO(30mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、鹹水(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(3〜8%のEtOAc勾配を含むヘキサンで溶出した)シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、白色固体としての化合物I−E(3.2g,14.08mmol,63.9%)を提供した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.94 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.59 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.63−7.60 (m, 1H), 7.44 (dd, J = 8.5, 4.5 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.57−4.52 (m, 2H). MS (ESI): m/z 228.0 [M+H]
【0210】
【化20】

4,4,5,5−テトラメチル−2−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(I−F)
ボロナートエステルN(300mg,1.36mmol)を含むDMF(10mL)撹拌溶液に、室温、不活性雰囲気下で、化合物H(342mg,1.36mmol)に続き、KCO(940mg,6.81mmol)を添加した。この反応混合物を、徐々に120℃まで加熱し、24時間撹拌した。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応混合物を室温まで冷却して、HO(50mL)で希釈した。この水性層を、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機層を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。この粗生成物を、(4%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、半固体としてI−F(40mg,13.2mmol,9.7%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 7.78 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.93 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 4.37 (q, J = 8.2 Hz, 2H), 1.36 (s, 12H)
【0211】
また、I−Fを、2つのステップの手順で合成してもよい。p−ブロモフェノール(1.5g,8.67mmol)を含むDMF(15mL)撹拌溶液に、室温、不活性雰囲気下で、トシル化合物H(2.2g,8.67mmol)に続き、KCO(6.0g,43.3mmol)を添加した。この反応混合物を、徐々に110℃まで4時間加熱した。(TLCによる)開始材料の消費が完了した後、この反応混合物を室温まで冷却し、HO (100mL)で希釈し、この水性層を、EtOAc(2×100mL)で希釈した。この組み合わせた有機層を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。この粗生成物を、(3%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、半固体としてのO(1.7 g,6.66mmol,76%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 7.45−7.38 (m, 2H), 6.87−6.79 (m, 2H), 4.32 (q, J = 8.2 Hz, 2H)
【0212】
O (0.5 g, 1.96 mmol)を含む1,4−ジオキサン (50 mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、室温で、酢酸カリウム(KOAc;0.576g,5.88mmol)に続き、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.54g,2.15mmol)を添加した。Nで10分間パージした後、Pd(dppf)Cl(72mg, 0.09mmol)を、N雰囲気下で反応混合物に添加し、この混合物を、徐々に110℃まで加熱し、2時間撹拌した。(TLCによる)開始物質の消費が完了した後、この揮発性物質を減圧下で蒸発させ、得られた残留分をHO(100mL)に溶解し、EtOAc(3×50mL)で希釈した。この組み合わせた有機流出物を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。この粗生成物を、(3〜4%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色のシロップとしてI−F(0.28g,0.92mmol,47%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 7.78 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.93 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 4.37 (q, J = 8.2 Hz, 2H), 1.36 (s, 12H)
【0213】
実施例13
【化21】

1−(6−クロロキノリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル)プロパン−2−オル(35)
銅粉体(2.6g,41.23mmol)を含むDMSO(25mL)撹拌懸濁液に、N雰囲気下、室温でエチル 2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(2.6mL, 20.62mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、2−ブロモ−6−クロロキノリン(2.5g,10.31mmol)をこの反応混合物に添加し、室温で16時間撹拌し続けた。(TLCによる)反応の完了後、この反応混合物を、satd NHCl溶液で反応停止させ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO (50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。(3%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、白色固体としてP(2.7g,9.47mmol,91%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.26 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.82 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.71 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H), 4.44−4.39 (m, 2H), 1.38− 1.34 (m, 3H). MS(ESI): m/z 286 [M+1]
【0214】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.6mL,4.89mmol)を含むEtO(20mL)撹拌溶液に、N雰囲気下、−78℃で、n−BuLi(2.5Mヘキサン中;2mL,4.89mmol)を添加し、15分間撹拌した後、エステルP(0.7g,2.44mmol)を含むEtO(10mL)を−78℃で添加し、さらに2時間撹拌し続けた。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応を、satd NHCl溶液で反応停止させ、CHCl(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、ケトンQ(0.5g,粗製)を得た。この粗製混合物を、精製することなく次のステップに使用した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.30−8.23 (m, 1H), 8.14−8.07 (m, 1H), 7.96−7.87 (m, 2H), 7.76−7.65 (m, 2H), 7.01−6.98 (m, 1H), 6.80− 6.76 (m, 1H). MS(ESI): m/z 354 [M+1]
【0215】
ケトンQ(0.5g,粗製)を含むEtO(50mL)撹拌溶液に、KOHのペレットを使用して有機層を分離し、乾燥した後に、−5℃で、10%KOH溶液(50 mL)およびEtO(50mL)の1:1の混合物中にNMU(2g)を溶解させることにより調製した)新たに調節したジアゾメタンを添加した。室温で1時間撹拌した後、この揮発性物質を、減圧下で蒸発させて粗生成物を得た。この粗製産物を、(1〜3%EtOAc/ヘキサンを溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体としての化合物R(0.35g,0.95mmol)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.16−8.06 (m, 2H), 7.88−7.85 (m, 1H), 7.74−7.58 (m, 2H), 7.43−7.28 (m, 1H), 6.87− 6.68 (m, 2H), 3.50 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 3.03−3.01 (m, 1H). MS(ESI): m/z 368 [M+1]
【0216】
エポキシドR(300mg,0.817mmol)を含むDMF(5mL)撹拌溶液に、室温で水性アンモニア(NH;5mL)を添加した。この反応混合物を、徐々に80℃まで温め、3時間撹拌した。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この揮発性物質を、減圧下で蒸発させ、この残留分を、EtOAcで希釈した。この有機層を、HO(25mL)および鹹水(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。(3% CHOH/CHClで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、シロップとしてアミンS(100mg,0.26mmol,31%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.14−8.01 (m, 2H), 7.85 (s, 1H), 7.70 (dd, J = 9.0, 2.2 Hz, 1H), 7.58−7.45 (m, 2H), 6.82−6.70 (m, 2H), 3.85 (dd, J = 14.0, 4.8 Hz, 1H), 3.30 (d, J = 14.0 Hz, 1H). MS(ESI): m/z 385 [M+1]
【0217】
N−ホルミルヒドラジン(16mg,0.26mmol)を含むCHOH(5mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、室温で、オルトギ酸トリエチル(0.1mL,0.26mmol)を添加した。この反応混合物を、80℃で3時間加熱し。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応混合物を、40℃まで冷却し、S(50mg,0.13mmol)を添加して、80℃でさらに3時間撹拌し続けた。この揮発性物質を、減圧下で蒸発させ、この残留分を、EtOAc(25mL)で希釈した。この有機層を、HO(25mL)および鹹水(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製産物を得た。この粗生成物を、(7%CHOH/CHClで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、無色の半固体としての35(25mg,0.05mmol,44%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.21 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.16 (s, 2H), 8.08 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.82−7.78 (m, 2H), 7.64 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.32−7.29 (m, 1H), 6.77−6.72 (m, 1H), 6.58−6.55 (m, 1H), 5.14 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 4.75 (d, J = 14.0 Hz, 1H). HPLC: 85.3%. MS(ESI): m/z 437 [M+1]
【0218】
実施例14
【化22】

2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−(4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル)ピリジン−3−イル)プロパン−2−オル(36)
2,5−ジブロモピリジン(5.0g,21.09mmol)を含むEtO(200mL)撹拌溶液に、−78℃で、n−BuLi(2.4Mヘキサン中;10.5mL,25.3mmol)を添加し、この反応混合物を、不活性雰囲気下で、1時間撹拌した。シュウ酸ジエチル(4.0mL,25.3mmol)を、−78℃の反応混合物に添加し、さらに10分間撹拌し続けた。この反応混合物を、0℃まで温め、2時間撹拌した。(TLCによる)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を、satd NHCl溶液で反応停止させ、CHCl(2×100mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(40mL)および鹹水(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製物を得た。この粗生成物を、(8%EtOAc/ヘキサンを溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色の液体としての化合物T(0.87g,3.37mmol 16%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.09 (s, 1H), 8.34 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.46 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.44 (t, J = 7.0 Hz, 3H). MS(ESI): m/z 259.2 [M+H]
【0219】
化合物T(180mg,0.69mmol)を含むCHCl(10mL)撹拌溶液に、0℃、不活性雰囲気下で、DAST(140mg,0.87mmol)を添加した。この結果として得られる反応混合物を室温まで温め、16時間撹拌した。(TLCによる)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を、CHCL(50ml)で希釈し、氷冷したHO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を、(6%EtOAc/ヘキサンを溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色の液体としてエステルU(105mg,0.37mmol,54%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.62 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 8.0 Hz, 2.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.33 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.29 (t, J = 7.0 Hz, 3H). MS(ESI): m/z 282 [M+2]
【0220】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.1mL,0.38mmol)を含むEtO(5mL)撹拌溶液に、−78℃でn−BuLi(2.3M ヘキサン中;0.16mL,0.38mmol)を添加し、この反応混合物を、不活性雰囲気下で30分間撹拌した。エステルU(90mg,0.32mmol)を含むEtO(5mL)溶液を、この反応混合物に−78℃で添加し、さらに2時間撹拌し続けた。(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この反応を、satdNHCl溶液で反応停止させ、この反応混合物を、EtOAc(2×30mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(30mL)および鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、ケトンV(0.37g,粗製)を得た。この物質は、さらに精製することなく次のステップに使用した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.60 (s, 1H), 7.91−7.87 (m, 1H), 7.77−7.75 (m, 1H), 7.62 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.05−7.01 (m, 1H), 6.93−6.88 (m, 1H). MS(ESI): m/z 348 [M+H]
【0221】
ケトンV(80mg、粗製)を含むEtO(10mL)撹拌溶液に、(KOHのペレットを使用した有機層を分離し乾燥させた後、0℃で、10%KOH溶液(20mL)およびEtO(20mL)の1:1混合物中にNMU(200mg,2.06mmol)を溶解させることにより調製した)新たに調製したジアゾメタンを添加し、この反応混合物を2時間撹拌した。この結果として得られる反応混合物を、室温まで温め、さらに16時間撹拌し続けた。(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を、減圧下で濃縮させ、粗製エポキシドW(54mg)を得た。この粗製産物を、H−NMR分析により確認し、さらに精製することなく次の反応に使用した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.37 (s, 1H), 7.57−7.52 (m, 2H), 7.28−7.2 (m, 1H), 6.87−6.78 (m, 2H), 3.28 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.97−2.91 (m, 1H). MS(ESI): m/z 364 [M+2]
【0222】
エポキシドW(120mg,0.33mmol)を含むTHF/HO(20mL,8:2)撹拌溶液に、室温、不活性雰囲気下で、ボロナートI−F(110mg,0.363mmol)に続き、KCO(137mg,0.99mmol)を添加した。45分間、Nとパージした後、Pd(dppf)Cl(12mg,0.016mmol)を、不活性雰囲気下で反応混合物に添加し、この結果として得られる混合物を、70℃で2時間撹拌した。(TLCによる)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を室温まで冷却し、HO(100mL)で希釈し、この水性層をEtOAc(2×200mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(100mL)および鹹水(100mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、(5〜6%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体としてX(115mg,0.25mmol,75%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.63 (s, 1H), 8.03 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.75−7.69 (m, 2H), 7.31−7.28 (m, 1H), 7.06 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.86−6.83 (m, 1H), 6.81−6.77 (m, 1H), 4.42 (q, J = 8.2 Hz, 2H), 3.32 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.98−2.97 (m, 1H). MS(ESI): m/z 456 [M−H]
【0223】
エポキシドX(115mg,0.25mmol)を含む乾燥DMF(10mL)撹拌溶液に、室温、不活性雰囲気下で、KCO(52mg,0.25mmol)に続き1H−テトラゾール(28mg,0.37mmol)を添加した。この反応混合物を、65℃まで徐々に加熱し、20時間撹拌した。(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を、氷冷したHO(30mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この分離した有機層を、HO(30mL)および鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製産物を得た。この粗製産物を、(45%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、灰白色の固体として36(48mg,0.09mmol,36%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDOD): d 8.66 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.99 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.10−7.03 (m, 3H), 6.81−6.79 (m, 1H), 6.68−6.64 (m, 1H), 5.73 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.14 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 4.44 (q, J = 8.2 Hz, 2H), 4.35 (s, OH). HPLC: 96.1%. MS(ESI): m/z 528 [M+H]
【0224】
実施例15
【化23】

1−(7−クロロイソキノリン−3−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(37)
2−(メチルアミノ)アセトニトリル塩酸塩(4.17g,39.13mmol)を含むCHOH/HO(45mL,2:1v/v)撹拌溶液に、NaCN(2.1g,42.68mmol)を添加し、この反応混合物を、5分間室温で維持した。上記の溶液に、4−クロロベンズアルデヒド(5.0g,35.56mmol)を含むCHOH(30mL)を20分間同一の温度でゆっくりと液滴し、その後、この温度を70℃まで徐々に上昇させ、8時間維持した。(TLC、20%EtOAc/ヘキサンによりモニタリングされた)の反応が完了した後、この反応を、HO(20mL)で反応停止させ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。この組み合わせた抽出物を、HO(25mL)、および鹹水(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗製産物を、(15〜20%のEtOAc勾配を含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、濃いシロップとしてY(4.0g,18.21mmol,51%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 7.48 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 4.86 (s, 1H), 3.47 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 3.45 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 2.51 (s, 3H). MS (ESI): m/z 218 [M−H]
【0225】
シアノ化合物Y(5.0g,22.76mmol)を含む硫酸ジメチル(8.6mL,91.04mmol)ニート混合物を、不活性条件下で、120℃、6時間で加熱し、(TLC、30%EtOAc/ヘキサンによりモニタリングされた)反応が完了した後、この反応混合物を室温まで冷却して、精製を行うことなく次のステップに直接使用した。
【0226】
メチル硫酸塩Z(5.0g,粗製)を含むCHCl(50mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、−25℃で、aqNH溶液(40mL)を添加し、この反応混合物を、同一条件で30分間維持した。(TLC、30%EtOAc/ヘキサンによりモニタリングされた)反応が完了した後、この反応混合物を、HO(40mL)で希釈し、CHCl(3×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した粗製AAを得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 7.67 (s, 1H), 7.43−7.42 (m, 2H), 4.92 (s, 1H), 3.94 (s, 2H), 2.30 (s, 6H). MS(ESI): m/z 234 [M+H]
【0227】
得られた粗製産物AA(〜5.0g)を、エチルアルコール(EtOH;40mL)に溶解させ、不活性条件下で撹拌し続けた。この撹拌した溶液に、硫酸銅(II)五水和物(CuSO・5HO;7.5g,30.03mmol)を含むHO(40mL)を室温で添加し、この混合物を、30分間還流するまでゆっくりと加熱した。(TLC、30%EtOAc/ヘキサンによりモニタリングされた)反応が完了した後、この反応混合物を室温まで冷却し、その後濾過した。この濾液を、CHCl(2×70mL)で抽出し、この組み合わせた抽出物を、鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(15〜20%のEtOAc勾配を含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ABを得た(1.2g,6.68mmol、3つの連続的なステップ中のYから得た収率の合計:29%)。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 10.03 (s, 1H), 7.82 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.65−7.62 (m, 2H), 4.23 (s, 2H). MS(ESI): m/z 178 [M−H]
【0228】
ベンズアルデヒドAB(2.0g,11.13mmol)を含むEtOH(25mL)撹拌溶液に、4−メトキシベンジルアミン(PMBNH;1.91g,13.92mmol)および触媒量のトリフルオロ酢酸(TFA;5mol%)を、室温で添加し、この混合物を、不活性雰囲気下で還流温度まで徐々に加熱した。(TLCにより8時間モニタリングした)反応が完了した後、この反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた固体の残留分を、結晶化(50%CHCl/ペンタン)させ、無色の結晶性イソキノリン誘導体AC(2.0g,6.69mmol,60%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.75 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.45 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.46 (s, 1H), 5.02 (br s, 1H), 4.43 (s, 2H), 3.80 (s, 3H). MS(ESI): m/z 299 [M+H]
【0229】
化合物AC(2.0g,6.69mmol)を含むCHCl(40mL)撹拌溶液に、室温でTFA(20mL)を添加し、不活性条件下で3時間還流させた。(TLCによりモニタリングした)反応が完了した後、この反応混合物を室温まで冷却し、satdNaHCO溶液(40mL)で反応停止させ、CHCl(3×40mL)で抽出した。この組み合わせた抽出物を、鹹水(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、真空下で蒸発させた。得られた粗生成物を、(EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、帯黄色の固体としてのアミンAD(1.11g,6.21mmol,93%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.78 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.48 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.70 (s, 1H), 4.48 (br s, 2H). MS(ESI): m/z 179 [M+H]
【0230】
アミンAD(1.0g,5.60mmol)を含む48%aq臭化水素酸(HBr)撹拌溶液(4.8mL)に、亜硝酸ナトリウム(NaNO;0.58g,8.40mmol)を含むHO(20mL)を、0℃で15分間液滴し、この反応混合物を、1時間同一温度で維持した。(TLC、40%EtOAc/ヘキサンによりモニタリングした)反応が完了した後、この反応混合物を、HO(20mL)で希釈し、2N aqNaOH溶液で塩基性(pH8−9)にし、EtO(3×30mL)で抽出した。この組み合わせた有機性抽出物を、鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、真空下で蒸発させた。この粗生成物を、(5−10%EtOAc勾配を含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、灰白色固体としての化合物AE(0.3g,1.23mmol,22%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.97 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.72 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.5 Hz, 1H). MS (ESI): m/z 242 [M
【0231】
銅−青銅(1.52g,8.25mmol)を含むDMSO(10mL)撹拌溶液に、室温でエチル 2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(0.55mL,4.13mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、化合物AE(0.5g,2.06mmol)を少量ずつ(portionwise)に添加し、この混合物を、不活性雰囲気下で16時間撹拌した。(TLCにより)反応が完了した後、この反応混合物を、satd NHCl溶液(50mL)で反応停止させ、Celite(登録商標)パッドを介して濾過し、CHCl(3×50mL)で洗浄した。この分離した有機層を、鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗製物質を、(5〜10%EtOAcを含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、濃いシロップとしてエステルAF(0.25g,0.87mmol,42%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.20 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.91 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.38 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.33 (t, J = 7.0 Hz, 3H). MS (ESI): m/z 286 [M+H]
【0232】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(68mg,0.35mmol)を含むEtO(6mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、−78℃で、n−BuLi(ヘキサン中1.6M 0.22mL,0.35mmol)を液滴し、この混合物を20分間撹拌した。エステルAF(100mg,0.35mmol)を含むEtO(5mL)溶液を、−78℃で、この反応混合物に添加し、同一温度で1時間、室温で15分間撹拌し続けた。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応を、satdNHCl溶液で反応停止させ、この混合物を、EtOAc(2×25mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(20mL)および鹹水(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮してケトンAG(100mg,粗製)を得た。この粗生成物を、さらに精製することなく次のステップに使用した。
MS (ESI): m/z 354 [M+H]
【0233】
ケトンAG(500mg,粗製)を含むEtO(25mL)撹拌溶液に、(KOHペレットを使用した有機層を分離し乾燥させた後に、0℃で、10%aqKOH溶液(50mL)およびEtO(25mL)の混合物中にNMU(1.0g,9.71mmol)を溶解させることにより調製した)新たに調製したジアゾメタンを添加し、この反応混合物を、0℃で4時間維持した。この反応の進行を、TLC(20%EtOAc/ヘキサン)によりモニタリングした。この反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製産物を得た。この粗生成物を、調製用HPLCに続き、(10−15% EtOAc勾配を含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、エポキシドAH(70mg,0.19mmol、2つのステップ中のAFから、13%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.21 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.82 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.43−7.26 (m, 1H), 6.79−6.62 (m, 1H), 6.72−6.68 (m, 1H), 3.53 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.01 (d, J = 5.0 Hz, 1H). HPLC: 99.9%. MS(ESI): m/z 368 [M+H]
【0234】
エポキシドAH(70mg,0.19mmol)を含む乾燥DMF(5mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、室温で、KCO(26.3mg,0.19mmol)に続き1H−テトラゾール(20mg,0.28mmol)を添加した。この結果として得られる反応混合物を65℃まで徐々に加熱し、16時間撹拌した。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応混合物を、氷冷したHOで希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この得られた粗生成物を、(40〜45%EtOAcを含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、灰白色の固体としての37(32mg,0.07mmol,38%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.08 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.85 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.77−7.75 (m, 2H), 7.39−7.34 (m, 1H), 6.77−6.72 (m, 1H), 6.63−6.59 (m, 1H), 5.62 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 99.9%. MS (ESI): m/z 438 [M+H]
【0235】
実施例16
【化24】

1−(6−ブロモキノキサリン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル (38)
6−ブロモキノキサリン−2(1H)−one(250mg,1.11mmol)に、室温でPOBr(500mg,2.61mmol)を添加した。この反応混合物を130℃まで徐々に加熱し、2時間撹拌した。(TLCにより)反応が完了した後。この反応混合物を0℃まで冷却し、satd NaHCO溶液(50mL)で中和し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(10%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、灰白色の固体として化合物AI(160mg,0.55mmol,50%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 8.84 (s, 1H), 8.30 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.96−7.82 (m, 2H).
【0236】
銅−青銅(380mg,2.08mmol)を含むDMSO(2mL)懸濁溶液に、室温でエチル 2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(0.15mL,1.04mmol)を添加し、この混合物を1時間撹拌した。化合物AI(150mg,0.52mmol)を含むDMSO(3mL)溶液をこの反応混合物に添加し、室温で16時間撹拌し続けた。(TLCにより)この反応が完了した後、反応混合物をsatd NHCl溶液(100mL)で反応停止させ、EtOAc(2×150mL)で抽出した。この組み合わせた有機層を、HO(100mL)および鹹水(100mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(20%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、灰白色の固体としてエステルAJ(120mg,0.34mmol,69%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 9.22 (s, 1H), 8.34 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 8.02−7.94 (m, 2H), 4.40 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 7.0 Hz, 3H). MS(ESI): m/z 331 [M]
【0237】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.1mL,0.36mmol)を含むEtO(5mL)撹拌溶液に、−78℃でn−BuLi(ヘキサン中1.6M 溶液;0.22mL,0.36mmol)を添加し、この混合物を、不活性雰囲気下で30分撹拌した。エステルAJ(0.31g,0.94mmol)を含むEtO(5mL)溶液を、−78℃でこの反応混合物に添加し、さらに5分間撹拌し続けた。反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応を、satd NHCl溶液(40mL)で反応停止させ、この反応混合物を、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(40mL)および鹹水(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(20%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、灰白色の固体としてケトンAK(0.1g,0.65mmol,69%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 9.31 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.22−7.88 (m, 3H), 7.10−6.92 (m, 1H), 6.83−6.78 (m, 1H). MS(ESI): m/z 399 [M]
【0238】
ケトンAK(0.35g,0.87mmol)を含むEtO(15mL)撹拌溶液に、(KOHペレットを使用した有機層を分離し乾燥させた後、0℃で10%KOH溶液(10mL)およびEtO(10mL)の1:1の混合物中にNMU(1.27g,12.5mmol)を溶解させることにより調製した)新たに調製したジアゾメタンを添加した。この反応混合物を、室温まで温め、さらに4時間撹拌し続けた。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製産物を得た。(10%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、黄色のシロップとしてエポキシドAL(0.24g,0.74mmol,85%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.99 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.10−8.05 (m, 1H), 7.96−7.85 (m, 1H), 7.49−7.41 (m, 1H), 6.88−6.82 (m, 1H), 6.79−6.75 (m, 1H), 3.46 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.03 (d, J = 5.0 Hz, 1H). MS(ESI): m/z 414 [M+H]
【0239】
エポキシドAL(140mg,0.34mmol)を含む乾燥DMF(5mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、室温で、KCO(56mg,0.45mmol)に続き1H−テトラゾール(36mg,0.61mmol)を添加した。この結果として得られる反応混合物を、65℃まで徐々に加熱し、16時間撹拌した。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応混合物を氷冷したHO(40mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(40mL)および鹹水(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(40%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、無色の高粘度ゴムとして38(30mg,0.06mmol,18.4%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.00 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.06−7.93 (m, 2H), 7.25−7.24 (m, 1H), 6.81−6.77 (m, 1H), 6.67−6.65 (m, 1H), 5.81 (s, OH), 5.72 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.21 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 96.5%. MS(ESI): m/z 485 [M+2]
【0240】
実施例17
【化25】

1−(5−(4−(ジフルオロメトキシ)フェニル)ピラジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(39)
4−ブロモフェノール(5g,28.90mmol)を含むアセトニトリル(350mL)撹拌溶液に、KOH(32.5g,580.35mmol)を含むHO(350mL)溶液を0℃で添加し、この混合物を5分間維持した。この混合物に、ジエチル(ブロモジフルオロメチル)ホスホナート(9.25mL,52.02mmol)を、同一の温度で15分にわたってゆっくりと添加し(発熱反応)、この混合物を室温で撹拌した。室温で10分間撹拌した後、この反応混合物を、EtOAc(100mL)で希釈し、有機層を分離した。この有機層を、HO(40mL)および鹹水(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(5〜10%のEtOAc勾配を含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、AM(3.0g,13.45mmol,46%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 7.48 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.01 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.48 (t, JF−H = 74.0 Hz, 1H)
【0241】
ブロモフェノール誘導体AM(2.0g,8.97mmol)を含む1,4−ジオキサン(40mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、室温でビス(ピナコラト)ジボロン(2.28g,8.97mmol)およびKOAc(2.64g,26.90mmol)を添加し、この混合物を、アルゴンでパージすることにより20分間脱気した。この溶液にPd(dppf)Cl(0.33g,0.45mmol)を添加し、この混合物をさらに10分間脱気した。その後、この反応混合物を80℃まで加熱し、この温度で3時間加熱した。この反応の進行をTLCによりモニタリングした。この反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(30mL)で希釈した。この結果として得られる溶液をCelite(登録商標)パッドを介して濾過し、この濾液を真空下で濃縮した。この粗製化合物を(5〜10%のEtOAc勾配を含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、AN(1.72g,6.37mmol,71%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 7.81 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.54 (t, JF−H = 74.0 Hz, 1H), 1.34 (s, 12H)
【0242】
2,5−ジブロモピラジン(1.32g,5.55mmol)、ボロナートAN(1.5g,5.55mmol)およびKCO(2.27g,16.45mmol)を含むTHF−HO(4:1;25mL)撹拌溶液を、室温で、アルゴンと20分間パージすることにより脱気した。この溶液にPd(dppf)Cl(0.4g,0.55mmol)を添加し、この混合物をさらに10分間脱気した。この結果として得られる反応混合物を、同一の温度で18時間維持し、この反応の進行をTLCによりモニタリングした。この反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈した。この有機層を分離し、水性層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。この組み合わせた有機層を、鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製化合物を得た。(5〜10%のEtOAc勾配を含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、AO(0.9g,2.99mmol,54%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.75 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.01 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.58 (t, JF−H = 74.0 Hz, 1H)
【0243】
銅粉(770mg,12.12mmol)を含むDMSO(8mL)撹拌懸濁液に、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(0.77mL,6.0mmol)を室温で添加し、この混合物を1時間撹拌した。化合物AO(900mg,2.99mmol)を含むDMSO(2mL)溶液をこの反応混合物に加え、さらに室温で18時間撹拌し続けた。(TLCにより)この反応が完了した後、この反応混合物をsatdNHCl溶液で反応停止させ、Celite(登録商標)パッドを介して濾過した。このCelite(登録商標)パッドをCHCl(3×50mL)で洗浄した。この分離した有機層を鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、(8%EtOAcを含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製してエステルAP(600mg,1.74mmol,58%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.02 (s, 1H), 9.01 (s, 1H), 8.09 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.60 (t, JF−H = 73.0 Hz, 1H), 4.40 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.35 (t, J = 7.0 Hz, 3H). MS(ESI): m/z 345 [M+H]
【0244】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(196mg,1.01mmol)を含むEtO(10mL)撹拌溶液に、n−BuLi(2.5Mを含むヘキサン;0.43mL,1.01mmol)を、不活性雰囲気下、−78℃で液滴し、この混合物を40分間撹拌した。エステルAP(350mg,1.01mmol)を含むTHF(5mL)溶液を、この反応混合物に、−78℃で添加し、さらに10分間撹拌し続けた。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応を、satdNHCl溶液で反応停止させ、この混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を鹹水で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮してケトンAQ(350mg,粗製)を得た。この粗製産物AQを、H−NMR分析により確認し、さらに精製することなく次のステップに使用した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.10 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.11−8.07 (m, 3H), 7.29−7.26 (m, 2H), 7.04−7.01 (m, 1H), 6.87−6.85 (m, 1H), 6.60 (t, JF−H = 73.0 Hz, 1H). MS(ESI): m/z 413 [M+H]
【0245】
ケトンAQ(350mg,粗製)を含むEtO(15mL)撹拌溶液に、(KOHペレットを使用した有機層を分離し乾燥させた後、0℃で10%aqKOH溶液(50mL)およびEtO(25mL)の混合物中にNMU(438mg,4.25mmol)を溶解させて使用することにより調製した)新たに調製したジアゾメタンを0℃で添加し、この混合物を3時間撹拌した。この結果として得られる反応混合物を室温でさらに30分間撹拌した。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製産物を得た。(15〜20%のEtOAc勾配を含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、エポキシドAR(2つのステップのエステルAPから160mg,0.37mmol,37%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.02 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.09 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.45−7.42 (m, 1H), 7.28 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.89−6.83 (m, 1H), 6.78−6.75 (m, 1H), 6.60 (t, JF−H = 73.0 Hz, 1H), 3.47 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.03 (d, J = 5.0 Hz, 1H)
【0246】
エポキシドAR(160mg,0.37mmol)を含む乾燥DMF(5mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、室温で、KCO(52mg,0.37mmol)に続き1H−テトラゾール(40mg,0.57mmol)を添加した。この結果として得られる反応混合物を、65℃まで徐々に加熱し、18時間撹拌した。この反応の進行をTLCによりモニタリングした。この反応混合物を氷冷したHOで希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。これにより得た粗生成物を、(45〜50%のEtOAc勾配を含むヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、白色固体として39(60mg,0.12mmol,32%)を得た。
【0247】
表1の化合物40−48を、(表1で得られた)商業的に利用可能な開始物質または調製した中間体から、化合物39と同一の条件を使用して調製した。
【0248】
実施例18
【化26】

42のエナンチオマーのキラル調製用HPLCの分離
42つのエナンチオマー(300mg,0.58mmol)を、移動相(A)n−ヘキサン−(B)EtOH(A:B=90:10)および15mL/分の流量を有するCHIRALPAK IC(登録商標)カラム(250x20mm,5μ)を使用して調製用HPLCにより分離し、白色固体として42(+)(90mg,0.17mmol,30%)を得た。
【0249】
分析データ
キラルHPLC:00%ee,R=15.22分(CHIRALPAK IC(登録商標)カラム,250x4.6mm,5μ;移動相(A)n−ヘキサン−(B)EtOH (A:B=90:10);流量:1.00mL/分)
任意の回転:[α]25: +33.04° (c=0.1%、CHOH中)
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.90 (s, 1H), 8.82 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.09 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.35−7.31 (m, 1H), 6.82−6.77 (m, 1H), 6.73−6.69 (m, 1H), 5.97 (s, OH), 5.64 (d, J = 15.0 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 15.0 Hz, 1H). HPLC: 99.78%. MS(ESI): m/z 515 [M+H]
【0250】
実施例19
【化27】

1−(5−クロロピラジン−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(49)
銅粉(3.0g,46.51mmol)を含むDMSO(10mL)撹拌懸濁液に、エチル 2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(4.7g,23.15mmol)を室温で添加し、この混合物を、不活性雰囲気下、室温、1時間で撹拌した。2−ブロモ−5−クロロピラジン(3.0g,15.54mmol)を含むDMSO(20mL)溶液を、この反応混合物に添加し、室温で16時間さらに撹拌し続けた。(TLCにより)開始物質が完了した後、この反応混合物を、aqNHCl溶液(40mL)で希釈し、Celite(登録商標)パッドを介して濾過し、CHCl(3×25mL)で洗浄した。この収集した濾液を、HO(30mL)および鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(20%EtOAc/ヘキサンを溶出した)カラムクロマトグラフィーによる精製により、液体としてエステルAS(1.12g,4.73mmol,31%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.78 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 4.38 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.37 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
【0251】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.98g,5.08mmol)を含むEtO(20mL)撹拌溶液に、n−BuLi(1.6M、ヘキサン中;3.2mL,5.08mmol)を、−78℃で液滴し、この混合物を30分間撹拌した。化合物AS(0.6g,2.54mmol)を含むEtO(8mL)溶液を、この反応混合物に−78℃で添加し。さらに5分間撹拌し続けた。(TLCにより)開始物質が消費された後、この反応混合物を、satdNHCl溶液(20mL)で反応停止させ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(40mL)および鹹水(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮してケトンAT(0.7g,粗製)を得て、これをさらに精製することなく次の反応に使用した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.87 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.07−8.02 (m, 1H), 7.06−7.02 (m, 1H), 6.90−6.84 (m, 1H)
【0252】
ケトンAT(0.6g,粗製)を含むEtO(10mL)撹拌溶液に、(KOHpペレットを使用した有機層を分離し乾燥させた後、0℃で、10%aq KOH(50mL)およびEtO(50mL)中にNMU(1.0g,9.70mmol)を溶解させることにより調製した)新たに調製したジアゾメタンを添加し、0℃で30分間撹拌し続けた。この結果として得られる反応混合物を室温まで温め、16時間撹拌した。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応混合物を減圧下で濃縮した。この粗生成物を、(20%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、半固体としてエポキシドAU(化合物ASから2つのステップにわたり0.27g,0.84mmol,33%m)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.62 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.42−7.37 (m, 1H), 6.89−6.86 (m, 1H), 6.79−6.77 (m, 1H), 3.43 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.00 (d, J = 5.0 Hz, 1H)
【0253】
エポキシドAU(200mg,0.62mmol)を含む乾燥DMF(6mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、室温で1H−テトラゾール(65mg,0.93mmol)およびKCO(86mg,0.62mmol)を添加した。この結果として得られる反応混合物を、70℃で徐々に加熱し、16時間撹拌した。(TLCにより)開始材料が消費された後、この反応混合物を室温まで冷却し、HO(30mL)で希釈し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(30mL)および鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製混合物を得た。この粗生成物を、(45%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して灰白色固体としての49(15mg,0.038mmol,6.2%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.65 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.28−7.25 (m, 1H), 6.81−6.74 (m, 2H), 5.63 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 5.23 (s, OH), 5.15 (d, J = 14.0 Hz, 1H). HPLC: 95.27%. MS(ESI): m/z 390[M+2]
【0254】
実施例20
【化28】

2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−((4−フルオロフェニル)エチニル)ピラジン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(50)および2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−((4−フルオロフェニル)エチニル)ピラジン−2−イル)−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(51)
エポキシドAU(94mg,0.29mmol)、1−エチニル−4−フルオロベンゼン(57mg,0.47mmol),EtN(0.1mL,0.72mmol)を含むTHF(15mL)撹拌溶液にヨウ化銅(I)(CuI;3mg,0.015mmol)を室温で添加した。不活性ガスで10分間パージした後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(Pd(PPhCl;10.4mg,0.15mmol)をこの反応混合物に、不活性雰囲気下で添加した。この反応混合物を70℃まで徐々に加熱し、3時間撹拌した。(TLCにより)この開始材料が消費された後、この反応混合物をCelite(登録商標)パッドを介して濾過し、EtOAc(4x15mL)で洗浄した。この濾液を、HO(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、(20%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色の固体としての化合物AV(40mg,0.099mmol,33%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.74 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 7.63 (dd, J = 9.0, 5.5 Hz, 2H), 7.42−7.38 (m, 1H), 7.12−7.09 (m, 2H), 6.89−6.86 (m, 1H), 6.79−6.75 (m, 1H), 3.46 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 3.01 (d, J = 4.5 Hz, 1H)
【0255】
エポキシドAV(260mg,0.65mmol)を含む乾燥DMF(10mL)撹拌溶液に、経時的にKCO(90mg,0.65mmol)および1H−テトラゾール(70mg,0.97mmol)を、不活性雰囲気下、室温で添加した。この反応混合物を、65℃まで徐々に加熱し、16時間撹拌した。(TLCにより)この開始物質が消費された後、この反応混合物を室温まで冷却し、HO(50mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この分離した有機層を、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、(25%EtOAc/ヘキサンで溶出した)灰白色固体としての51(15mg,0.03mmol,4.6%)および(35%EtOAc/ヘキサンで溶出した)淡褐色の固体としての50(30mg,0.06mmol,9.2%)を得た。
50: H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.74 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 7.63−7.60 (dd, J = 13.5, 7.5 Hz, 2H), 7.30−7.28 (m, 1H), 7.13−7.09 (m, 2H), 6.81−6.77 (m, 1H), 6.74−6.70 (m, 1H), 5.64 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.61 (s, OH), 5.17 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 93.5%. MS(ESI): m/z 472 [M−H]51H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.72 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.64−7.62 (m, 2H), 7.30−7.27 (m, 1H), 7.12−7.09 (m, 2H), 6.81−6.77 (m, 1H), 6.72−6.69 (m, 1H), 6.02 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.37 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.10 (s, OH). HPLC: 98.3%. MS(ESI): m/z 472 [M−H]
【0256】
実施例21
【化29】

2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−フルオロフェネチル)ピラジン−2−イル)−3−(1H−テトラゾール−1−イル)プロパン−2−オル(52)
50(25mg,0.053mmol)を含むEtOAc(10mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、炭素(Pd/C;5mg)上の10%パラジウムを添加し、この混合物を、H雰囲気下(バルーン圧)、室温で2時間撹拌した。(TLCにより)開始物質が消費された後、この反応混合物をCelite(登録商標)パッドを介して濾過し、EtOAc(3×10mL)で洗浄した。この濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(30%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、褐色の半固体として52(22mg,0.046mmol,88%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.72 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.28−7.24 (m, 1H), 7.07−7.05 (m, 2H), 6.96−6.93 (m, 2H), 6.80−6.76 (m, 1H), 6.70−6.67 (m, 1H), 6.08 (s, OH), 5.59 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.15 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 3.15 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.05 (t, J = 7.0 Hz, 2H). HPLC: 88.8%. MS (ESI): m/z 477 [M+H]
【0257】
実施例22
【化30】

2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−1−(5−(4−フルオロフェネチル)ピラジン−2−イル)−3−(2H−テトラゾール−2−イル)プロパン−2−オル(53)
51(30mg,0.063mmol)を含むEtOAc(10mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下で10%Pd/C(6mg)を添加し、この混合物を、H雰囲気下(バルーン圧)で2時間、室温で撹拌した
。(TLCにより)開始物質が消費された後、この反応混合物を、Celite(登録商標)パッドを介して濾過し、EtOAc(3×10mL)で洗浄した。この濾液を減圧下で濃縮して、褐色の半固体として53(23mg,0.05mmol,76%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.69 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.29−7.27 (m, 1H), 7.09−7.07 (m, 2H), 6.97−6.93 (m, 2H), 6.80−6.76 (m, 1H), 6.69−6.66 (m, 1H), 5.95 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.34 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.32 (s, OH), 3.15 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 3.05 (t, J = 7.5 Hz, 2H). HPLC: 91.7%. MS(ESI): m/z 477 [M+H]
【0258】
実施例23
【化31】

2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−(トリフルオロメトキシ)キノキサリン−2−イル)プロパン−2−オル(54)
2−ニトロ−5−(トリフルオロメトキシ)アニリン(5.0g,22.5mmol)を含むEtOH(5mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(1.2g)を不活性雰囲気下で添加した。この結果として得られる混合物を、H雰囲気下、室温で16時間撹拌した。(TLCにより)開始物質が消費された後、この反応混合物をCelite(登録商標)パッドを介して濾過し、EtOAc(3×50mL)で洗浄した。この濾液を減圧下で濃縮して、オレンジ色のシロップとして化合物AW(4.0g,20.83mmol,93%)を得た。
H NMR (500 MHz, DMSO−d): d 6.50−6.45 (m, 2H), 6.29 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.76−4.75 (br s, 4H). MS(ESI): m/z 194 [M+2]
【0259】
化合物AW (4.0g,20.83mmol)を含むCHOH(40mL)撹拌溶液に、2−オキソ酢酸(2.3mL,20.83mmol)を0℃で添加した。この結果として得られる混合物を、室温まで温め、24時間撹拌した。(TLCにより)開始物質が消費された後、この反応混合物をHO(50mL)で希釈し、5分撹拌した。この沈殿した固体を濾過し、HO(3×50mL)で洗浄した。この粗製固体を、(30%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、淡黄色固体としての化合物AX(1.4g,6.08mmol,29.8%)を得た。
H NMR (500 MHz, DMSO−d): d 12.6 (br s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.60 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.5 Hz, 1H). MS(ESI): m/z 230 [M+H]
【0260】
化合物AX(0.85g,3.69mmol)にPOBr(2.1g,7.34mmol)を室温で添加した。この反応混合物を、130℃まで徐々に温め、2時間撹拌した。(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を室温まで冷却し、氷冷したHO(30mL)で希釈し、satdNaHCO溶液(25mL)を使用して塩基性(pH〜8)にし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(2%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、灰白色の固体として化合物AY(0.65g,2.22mmol,65%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.89 (s, 1H), 8.09 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.65 (dd, J = 9.0, 2.0 Hz, 1H). MS(ESI): m/z 295.9 [M+2]
【0261】
銅粉(0.56g,0.89mmol)を含むDMSO(10mL)撹拌懸濁液に、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(0.9g,4.45mmol)を添加し、この混合物を室温で1時間撹拌した。この結果として得られる混合物に、化合物AY(0.65g,2.22mmol)を添加し、室温で16時間撹拌し続けた。(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を、satdNHCl溶液(100mL)で反応停止させ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(2%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、淡黄色のシロップとしてエステルAZ(0.55g,1.63mmol,73.6%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.26 (s, 1H), 8.21 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.71 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 4.42 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
【0262】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.27mL,2.45mmol)を含むEtO(5mL)撹拌溶液に、n−BuLi(1.6Mヘキサン中;1.5mL,2.45mmol)を−78℃で添加し、この混合物を、不活性雰囲気下で30分間撹拌した。エステルAZ(0.55g,1.63mmol)を含むTHF(5mL)溶液を、この反応混合物に−78℃で添加し、さらに1時間撹拌し続けた。(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を、satdNHCl溶液(50mL)で反応停止させ、EtOAc(2×25mL)で抽出した。この組み合わせた有機層を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製産物を得た。(5%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、黄色のシロップとしてケトンBA(0.4g,0.98mmol,60%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.34 (s, 1H), 8.12−8.11 (m, 2H), 8.03 (s, 1H), 7.67−7.65 (m, 1H), 7.07−7.05 (m, 1H), 6.83−6.79 (m, 1H). MS(ESI): 405 [M+H]
【0263】
ケトンBA(0.4g,0.99mmol)を含むEtO(15mL)撹拌溶液に、(KOHペレットを使用した有機層を分離し乾燥させた後に、0℃で10%KOH溶液(40mL)およびEtO(40mL)の1:1混合物中にNMU(509mg,4.95mmol)を溶解させることにより調製した)新たに調製したジアゾメタンを添加し、30分間撹拌し続けた。この結果として得られる反応混合物を室温まで温め、さらに4時間撹拌し続けた。(TLCにより)開始材料の消費が完了した後、この揮発性物質を減圧下で蒸発させた。この粗製物質を、(2%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、黄色のシロップとしてエポキシドBB(0.29g,0.69mmol,70%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.02 (s, 1H), 8.22 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.70 (dd, J = 9.5, 2.5 Hz, 1H), 7.46−7.43 (m, 1H), 6.89−6.85 (m, 1H), 6.78−6.74 (m, 1H), 3.46 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.03 (d, J = 5.0 Hz, 1H). MS(ESI): 419 [M+H]
【0264】
エポキシドBB(0.29g,0.69mmol)を含む乾燥DMF(5mL)撹拌溶液に、テトラゾールのナトリウム塩(95mg,1.03mmol)を、室温、不活性雰囲気下で添加した。この結果として得られる反応混合物を65℃まで徐々に加熱し、16時間撹拌した。(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を氷冷したHO(30mL)で希釈し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この得られた粗生成物を、(30%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、灰白色の固体として54(140mg,0.28mmol,41.4%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.04 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.13 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.73 (dd, J = 9.5, 2.0 Hz, 1H), 7.30−7.28 (m, 1H), 6.80−6.78 (m, 1H), 6.69−6.68 (m, 1H), 5.73 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.67 (s, OH), 5.21 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 98.3%. MS(ESI): m/z 489 [M+H]
【0265】
表1の化合物55を、(表1で得られた)商業的に利用可能な開始物質または調製した中間体から、化合物54と同一の条件を使用して調製した。
【0266】
実施例24
【化32】

2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリダジン−3−イル)プロパン−2−オル(56)
3,6−ジブロモピリダジン(200mg,0.84mmol)および4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(159.7mg,0.84mmol)を含む1,2−ジメトキシエタン(DME;12mL)撹拌溶液に、1M 炭酸ナトリウム(NaCO;1.2mL,1.26mmol)を室温で添加し、この混合物をアルゴンで30分間パージすることにより脱気した。この結果として得られる混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh;29.1mg,0.025mmol)を添加し、この混合物を室温でさらに5分間脱気した。この反応混合物を、18時間還流した。(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を室温まで冷却し、HO(50mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機層を、HO(40mL)および鹹水(40mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(12%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、モノおよびビスカップリング(ビス−カップリングした)産物BC(150mg,2:1比)の混合物を得て、これを分離することなく次のステップに使用した。(注:両化合物を同一のRで溶出し、全ての特徴的な部分は、H NMRスペクトル内で見られた。
MS(ESI): 303 [M+H]
【0267】
銅粉(0.75g,11.81mmol)を含むDMSO(3mL)撹拌懸濁液にエチル 2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(1.2g,5.92mmol)を室温で添加し、この混合物を1時間撹拌した。化合物BC(0.9g,混合物)を含むDMSO(7mL)溶液をこの反応混合物に添加し、室温でさらに18時間撹拌し続けた。(TLCにより)反応が完了した後、この反応混合物をsatdNHCl溶液(100mL)で反応停止させ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製産物を得た。(15%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、粗製物BD(0.7g、混合物として)を得、分離することなく次のステップに使用した。(注:全ての特徴的なプロトンがH NMRスペクトル中に見られた)
LC−MS: 347.8 [M+H] at 4.99 RT 純度(73.75%)
【0268】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(83.67mg,0.43mmol)を含むTHF(5mL)撹拌溶液にn−BuLi(1.6M ヘキサン中;0.27mL,0.43mmol)を、−78℃で添加し、不活性雰囲気下で1時間撹拌した。エステルBD(100mg,粗製)を含むTHF(3mL)溶液を、この反応混合物に−78℃で添加し、さらに2時間撹拌し続けた。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応をsatdNHCl溶液(50mL)に反応停止させ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮してケトンBE(100mg,粗製)を得た。この混合物を精製することなく次のステップに使用した。(注:H NMRスペクトル中に全ての特徴的なプロトンが見られた)
MS(ESI): 415 [M+H]
【0269】
ケトンBE(100mg,粗製)を含むEtO(20mL)撹拌溶液に、(KOHペレットを使用した有機層を分離し乾燥させた後、0℃で10%KOH溶液(40mL)およびEtO(40mL)の1:1混合物中にNMU(240mg,2.41mmol)を溶解させることにより調製した)新たに調製したジアゾメタンを0℃で添加し、この混合物を1時間撹拌した。この結果として得られる反応混合物を室温まで温め、さらに5時間撹拌し続けた。この反応混合物の進行をTLCによりモニタリングした。この反応混混合物を減圧下で濃縮し、BF(60mg,粗製)を得た。得られた粗製混合物を精製することなく次のステップに使用した。(注:H NMRスペクトル中に全ての特徴的なプロトンが見られた。
MS (ESI): 429.9 [M+H]
【0270】
エポキシドBF(60mg,粗製)を含む乾燥DMF(4mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、室温でKCO(19.25mg,0.14mmol)に続き1H−テトラゾール(19.25mg,0.27mmol)を添加した。この結果として得られる反応混合物を65℃まで徐々に加熱し、20時間撹拌した。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。この反応混合物を氷冷したHO(50mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物をHO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を(40%EtOAc/ヘキサン;R=0.2)調製用TLCにより精製し、無色の半固体として56(11.5mg,0.02mmol)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.80 (s, 1H), 8.19−8.17 (m, 2H), 8.01 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.83−7.81 (m, 3H), 7.41−7.37 (m, 1H), 6.80−6.68 (m, 3H), 5.70 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 97.6%. MS(ESI): m/z 499.4 [M+H]
【0271】
表1の化合物57および58を、(表1で得られる)商業的に利用可能な開始材料から、化合物56と同一の条件を使用して調製した。
【0272】
実施例25
【化33】

2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(6−ビニルキノキサリン−2−イル)プロパン−2−オル (59)
6−ブロモキノキサリン−2(1H)−one(1.0g,4.44mmol)に、POBr(2.54g,8.88mmol)を室温で添加した。この反応混合物を130℃まで徐々に加熱し、2時間撹拌した。(TLCにより)開始材料の消費が完了した後、この反応混合物を室温まで冷却し、satdNaHCO溶液で0℃にて中和し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(100mL)および鹹水(100mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製産物を得た。(10%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、灰白色の固体として化合物BG(2.5g,9.0mmol,40%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.84 (s, 1H), 8.30 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.96−7.82 (m, 2H)
【0273】
銅粉(0.77g,12.1mmol)を含むDMSO(15mL)撹拌懸濁液にエチル 2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(1.23g,6.09mmol)を室温で添加し、この反応混合物を1時間撹拌した。化合物BG(0.85g,3.04mmol)を含むDMSO(5mL)溶液をこの反応混合物に添加し、室温で16時間さらに撹拌し続けた。(TLCにより)開始材料の消費が完了した後、この反応混合物をsatd NHCl溶液(50mL)で反応停止させ、EtOAc(2×25mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(20%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、灰白色の固体としてエステルBH(0.53g,1.6mmol,53%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.22 (s, 1H), 8.34 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 8.02−7.94 (m, 2H), 4.40 (q, J = 7.0 Hz , 2H), 1.36 (t, J = 7.0 Hz, 3H). MS(ESI): m/z 332 [M+H]
【0274】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.32g,1.66mmol)を含むEtO (30 mL)撹拌溶液に、−78℃でn−BuLi(1.6 M ヘキサン中;0.1mL,1.66mmol)を添加し、この反応混合物を、不活性雰囲気下で30分間撹拌した。エステルBH(0.55g,1.66mmol)を含むEtO(10mL)溶液を、この反応混合物に−78℃で添加し、さらに5分間撹拌し続けた。(TLCにより)開始材料の消費が完了した後、この反応混合物をsatdNHCl溶液(50mL)で反応停止させ、EtOAc(2×25mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(25mL)および鹹水(25mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製産物を得た。(20%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、灰白色の固体としてケトンBI(0.58g,1.46mmol,88%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 9.31 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.22−7.88 (m, 3H), 7.10−6.92 (m, 1H), 6.83−6.78 (m, 1H). MS(ESI): m/z 400 [M+H]
【0275】
ケトンBI(0.59g,1.46mmol)を含むEtO(10mL)撹拌溶液に、(KOHペレットを使用した有機層を分離し乾燥させた後、0℃で、10% KOH溶液(20mL)およびEtO(20mL)の1:1混合物中にNMU(0.75g,7.3mmol)を溶解させることにより調製した)新たに調製したジアゾメタンを添加し、この混合物を30分間撹拌した。この結果として得られる混合物を室温まで温め、さらに4時間撹拌し続けた。(TLCにより)この開始材料の消費が完了した後、この反応混合物を減圧下で濃縮した粗製産物を得た。(10%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、黄色のシロップとしてBJ(0.53g,1.28mmol,88%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.99 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.10−8.05 (m, 1H), 7.96−7.85 (m, 1H), 7.49−7.41 (m, 1H), 6.88−6.82 (m, 1H), 6.79−6.75 (m, 1H), 3.46 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.03 (d, J = 5.0 Hz, 1H). MS(ESI): m/z 414 [M+H]
【0276】
化合物BJ(0.32g,0.72mmol)およびテトラビニルすず(0.115g,0.72mmol)を含む1,4−ジオキサン(20mL)撹拌溶液を、不活性ガスとパージすることにより、室温で10分間脱気した。この反応混合物にPd(PPh(0.08g,0.073mmol)を添加し、この混合物を室温でさらに10分間脱気した。その後、この反応混合物を、70℃で3時間撹拌した。(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この混合物を室温まで冷却し、Celite(登録商標)パッドを介して濾過し、この濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得た。(7%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、無色の液体として化合物BK(0.15g,0.41mmol,57%)を得た。この物質はいくらかのスズ不純物を含み、さらに精製することなく次のステップに使用した。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.95 (s, 1H), 8.11−8.09 (m, 2H), 8.10 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.99−7.97 (m, 1H), 7.45−7.43 (m, 1H), 6.87−6.84 (m, 1H), 6.77−6.74 (m, 1H), 6.04 (d, J = 17.5 Hz, 1H), 5.55 (d, J =11.5 Hz, 1H), 3.46 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 3.03 (d, J = 5.0 Hz, 1H). MS(ESI): m/z 361 [M+H]
【0277】
エポキシドBK(150mg,0.41mmol)を含む乾燥DMF(10mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、室温で、KCO(57mg,0.41mmol)に続き1H−テトラゾール(43mg,0.61mmol)を添加した。この結果として得られる混合物を、65℃まで徐々に加熱し、16時間撹拌した、(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を氷冷したHO(30mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(30mL)および鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製産物を得た。(40%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、無色の濃いシロップとして59(35mg,0.08mmol,20%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.98 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 8.02 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 7.31−7.29 (m, 1H), 6.96−6.93 (m, 1H), 6.80−6.76 (m, 1H), 6.65−6.63 (m, 1H), 6.22 (s, 1H), 6.06 (d, J = 17.5 Hz, 1H), 5.71 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.60 (d, J = 11 Hz, 1H) 5.21 (d, J = 14.5 Hz, 1H). HPLC: 94%. MS(ESI): m/z 431 [M+H]
【0278】
実施例26
【化34】

2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,1−ジフルオロ−3−(1H−テトラゾール−1−イル)−1−(4’−(2,2,2−トリフルオロエトキシ) ビフェニル−4−イル)プロパン−2−オル(60)
銅粉(1.8g,28.3mmol)を含むDMSO(20mL)懸濁液に、エチル2−ブロモ−2,2−ジフルオロアセテート(1.8mL,14.13mmol)を添加し、この混合物を、不活性雰囲気下、室温で1時間撹拌した。この結果として得られる溶液に1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(2.0g,7.07mmol)を添加し、室温で10時間撹拌し続けた。(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物をsatdNHCl溶液(30mL)で反応停止させ、CHCl(3×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(30mL)および鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製産物を得た。(2.5%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、液体としてエステルBL(2.1g,7.53mmol,72%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 7.59 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.48 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.30 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.30 (t, J = 7.0 Hz, 3H)
【0279】
1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン(0.2mL,1.79mmol)を含むEtO(5mL)撹拌溶液に、−78℃で、n−BuLi(1.6Mヘキサン中;1.1 mL,1.79mmol)を添加し、この混合物を不活性雰囲気下で30分間撹拌した。エステルBL(500mg,1.79mmol)を含むEtO(5mL)溶液をこの反応混合物に−78℃で添加し、さらに2時間撹拌し続けた。(TLCにより)開始物質の消費が完了した後、この反応混合物を、satdNHCl溶液で反応停止させ、CHCl(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(30mL)および鹹水(30mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製産物を得た。(3%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、淡黄色の液体としてケトンBM(400mg,1.15mmol,64%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 7.85−7.80 (m, 1H), 7.61 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.99−6.96 (m, 1H), 6.89−6.85 (m, 1H)
【0280】
ケトンBM(1.7g,4.91mmol)を含むEtO(15mL)撹拌溶液に、(KOHペレットを使用した有機層を分離し乾燥させた後、0℃の10%KOH溶液(25mL)およびEtO(25mL)の1:1混合物中にNMU(2.5g,24.56mmol)を溶解させることにより調製した)新たに調製したジアゾメタンを−5℃で添加し、この混合物を2時間撹拌した。この結果として得られる反応混合物を室温まで温め、さらに16時間撹拌し続けた。この反応の進行を、TLCによりモニタリングした。その後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製産物を得た。(2−3%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、半固体としてのエポキシドBN(1.5g,4.9mmol,88%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 7.55−7.51 (m, 2H), 7.29−7.21 (m, 3H), 7.86−6.71 (m, 2H), 3.25 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.97−2.91 (m, 1H)
【0281】
エポキシドBN(100mg,0.33mmol)を含むTHF−HO(15mL,8:2v/v)撹拌溶液に、経時的にNaCO(90mg,0.83mmol)およびボロナートI−F(120mg,0.33mmol)を不活性雰囲気下、室温で添加した。窒素で10分間パージした後、Pd(dppf)Cl(68mg,0.083mmol)を、不活性雰囲気下で反応混合物に添加し、この結果として得られる混合物を70℃で4時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、HO(15mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。この組み合わせた有機抽出物を、HO(20mL)および鹹水(20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。この粗生成物を、(3−4%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体としてBO(110mg,0.26mmol,86%)を得た。
H NMR (200 MHz, CDCl): d 7.62−7.43 (m, 5H), 7.28−7.22 (m, 3H), 7.04−7.00 (m, 1H), 6.84−6.76 (m, 2H), 4.40 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 3.28 (dd, J = 5.6, 2.0 Hz, 1H), 2.95−2.92 (m, 1H). MS(ESI): m/z 455 [M−H]
【0282】
エポキシドBO(120mg、0.26mmol)を含む乾燥DMF(5mL)撹拌溶液に、不活性雰囲気下、室温でKCO(73mg、0.52mmol)に続き1H−テトラゾール(28mg、0.39mmol)を添加した。この結果として得られる反応混合物を65℃まで徐々に加熱し、8時間撹拌した。この反応の進行をTLCによりモニタリングした。その後、この反応混合物を氷冷したHOで希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。この分離した有機層を、HO(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、(30%EtOAc/ヘキサンで溶出した)シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色の固体として60(20mg,0.04mmol,15%)を得た。
H NMR (500 MHz, CDCl): d 8.65 (s, 1H), 7.53 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.17−7.12 (m, 1H), 7.07−7.01 (m, 3H), 6.78−6.75 (m, 1H), 6.68−6.66 (m, 1H), 5.70 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 5.07 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 4.42−4.37 (q, J = 8.0 Hz, 2H). MS(ESI): m/z 527 [M+H]
【0283】
表1の化合物61は、(表1で得られる)商業的に利用可能な開始物質から、化合物60と同一の条件を使用して調製した。
【0284】
HPLC方法Aの詳述
カラム:Aquity BEH C−18(50x2.1mm,1.7μ)
移動相:A)アセトニトリル;B)0.025%aqTFA
流量:0.50mL/分
時間(分)/%B:0.01/90、0.5/90、3/10、6/10
表1.化合物例の構造
【表1】
【0285】
表1中の化合物例の分析データ
【表2】
【0286】
実施例27:金属酵素活性
A.最小発育阻止濃度(MIC)(C.albicans)
本開示の化合物を、標準的な手順(CLSI M27−A2)を使用して、真菌、カンジダ・アルビカンスの共通系統の成長を阻害する能力を評価した。
【0287】
試験化合物および標準物質の原液を1,600μg/mL(C.albicans)でDMSO中に調製した。11つの連続した化合物の1/2に希釈した希釈液を、96ウェルプレートのRPMI+MOPS中に調製した。このアッセイ濃度の範囲は、8−0.001μg/mL(C.albicans)であった。C.albicansの細胞懸濁液を調製し、約3.7×10cfu/mL(ミリリットルあたりのコロニー形成単位)の濃度で各ウェルに添加した。全ての試験は複製物を使用して行った。この播種したプレートを35±1°Cで約48時間インキュベートした。インキュベート完了した際に、各プレートのウェルを、真菌が増殖したことを視覚的に評価した。
【0288】
フルコナゾールおよび試験化合物では、このMICは、増殖が顕著に低下(約50%低下)した濃度であった。ボリコナゾールでは、MICは、(CLSI、M27−A2あたり)50%C.albicansの増殖が低下した濃度であった。QCのため、C. krusei分離菌ATCC 6258(4.0X10cfu/mL)は、VORアッセイに含まれる。この分離菌は、ボリコナゾールに対しては増殖を確認することができなかった。したがって、このMICは、装飾が完全に阻害される濃度であった。
【0289】
B.肝臓シトクロムP450酵素の阻害
各試験化合物の溶液を、DMSO:MeCN(50:50v/v)で段階希釈することにより、20000、6000、2000、600、200、および60μMの濃度にそれぞれ調製した。この個々の試験化合物溶液を、DMSO:MeCN:脱イオン水(5:5:180v/v/v)で、1000、300、100、30、10、および3μMの濃度に20倍希釈した。アイソマー阻害剤(アイソザイム2C9、2C19、および3A4の特定の阻害剤としてのスルファフェナゾール、トラニルシプロミン、およびケトコナゾール)をDMSOで段階希釈することにより、6000、2000、600、200、60、20、6、および2μMの濃度で各阻害剤を含むように調製した。この混合した阻害剤溶液を、300、30、10、3、1、0.3、および0.1μMの濃度にDMSO:MeCN:脱イオン化水(5:5:180v/v/v)で20倍希釈した。この有機溶媒のパーセントは、試験化合物によるものであり、最終反応混合物中の阻害剤混合物は、2%v/vである。
【0290】
収集したヒトの肝臓のミクロソーム懸濁液(20mg/mL)を、リン酸緩衝液で希釈して、5mg/mLの懸濁液を得た。NADPH溶液を、5mMの濃度でリン酸緩衝液で調製した。各基剤のそれぞれの原液を、DMSO:MeCN(50:50v/v)中で調製し、混合し、リン酸緩衝液で希釈し、実験で決定したKの5倍の濃度で各基剤を含む単一の溶液を得た。この有機溶媒のパーセントは、基剤混合物によるものであり、最終反応混合物中の基剤混合物は、1%v/vであった。
【0291】
基剤溶液およびミクロソーム懸濁液を、1:1の体積比で混合し、PCRプレートの反応ウェルに分注した。それぞれの試験化合物または各濃度で組み合わせた阻害剤溶液を、このウェルに添加し、それぞれを代表的な吸引‐分注サイクルにより混合した。活性対照では、ブランクのリン酸緩衝液を、試験化合物溶液内に添加した。反応混合物を、ピペットで混合した後、NADPH溶液を添加して反応を開始させる前に、約2分間37℃で平衡化した。NADPHを添加して10分後に、この反応混合物を寒冷アセトニトリルで反応停止させた。この試料をorbital shakingにより約1分間混合し、2900 RCFで10分間遠心した。この懸濁液の一部を、陽イオン状態のエレクトロスプレーイオン化トリプル四重極質量分析により検出することのできる逆相勾配HPLCにより分析した。
【0292】
データをシグモイド用量反応曲線に合わせ、各試験化合物の阻害活性をIC50値として決定した。
【0293】
結果
【表3】
Candida albicansのMICは、μg/mL、CYP IC50sはμMである。
【0294】
C.最小発育阻止濃度(MIC)(Septoria tritici)
本開示の化合物を、臨床・検査標準協会(CLSI)の糸状菌用の微量希釈のプロトコルを用いたに基づき、真菌類の植物病原体Septoria tritici (ATCC 26517)の共通系統の増殖を阻害する特性を評価した。
【0295】
試験化合物および標準物質の原液を6400μg/mLでDMSO中に調製した。各原液を、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)緩衝液および2%DMSOを含むRPMI−1640(Roswell Park Memorial Institute)媒体中に16〜0.016μg/mL(合計11の化合物の濃度)の連続した範囲で2倍に希釈して調製した。100μlの一定分量の希釈物を、11つの(0.016μg/mLの化合物)96ウェルマイクロタイタープレートを介してカラム1(16μg/mLの化合物)に添加した。この方式を、マイクロタイタープレートに2回続けて反復した。したがって、各マイクロタイタープレートは、2回反復した11つの濃度の4つの試験化合物または対照化合物を含むことができる。100μLの一定分量のRPMI−1640/MOPS/2%DMSO媒体を、マイクロタイタープレートのカラム12(化合物のない対照)に添加した。
【0296】
DMSOのないRPMI/MOPS媒体中に、約5×10cfu/mL(ミリリットル当たりのコロニー形成単位)の溶液を調製するために、新鮮なS. tritici 培養液を調製した。この溶液の100μLno一定分量を、マイクロタイタープレート中の全ての96ウェルに添加した。この結果として各試験化合物または対照化合物の最終濃度は、1%のDMSOおよび約2.5×10cfu/mLのS.tritici を含む200μlRPMI/MOPS培地中で8μg/mL〜0.008μg/mLである。このアッセイプレートを、振盪することなく、暗室で、7日間22℃でインキュベートした。各化合物のMICを、対照(カラム12)と比較してS.triticiの増殖が50%低下した濃度として視覚的に決定した。
【0297】
表3の場合、評価尺度は以下の通りである。
【表4】
【0298】
表3.表1の化合物のMICのデータ
【表5】
【0299】
D.真菌類の活性VS赤さび病(病因Puccinia recondita tritici = Puccinia triticina; Bayer code PUCCRT)の評価
小麦植物(variety Yuma)を、実生が第一葉を完全に有するまで、土壌のないピート系鉢植え(混合物)で種から育てた。各ポットは、3つから8つの実生を含むものであった。これらの植物に、製剤化した試験化合物を湿潤するまでスプレーした。この化合物を、10体積%のアセトン+(99.99wt%の水+0.01wt%のトリトンX100で脱イオン化した)90体積%のトリトンX水中に50ppmで製剤化し、「製剤化した試験化合物」を得た。製剤化した試験化合物を、約1500L/haの散布量で送達した2つの対向するエア噴霧ノズルに合わせたターンテーブル型スプレーを使用して植物に適用した。翌日、この葉にPuccinia recondita tritici の水性胞子懸濁液を播種し、この植物を高い湿度で一晩置き、胞子を出芽させ、葉に感染させた。この植物を、処置していない対照植物上で疾患が発達するまで温室に移した。疾患の重症度を、疾患の発達する速度により、7〜9日後に評価した。化合物4(−)、9(+)、11、13、18、21、25、26、27、28、32、34、37、38、39、42、43、48、51、52、56、57、および59を、50ppmのPUCCRTに対して試験するために選択した。50ppmを対照として、80%超の疾患を提供した化合物は、4(−)、9(+)、11、13、18、21、25、26、27、28、32、34、37、38、39、42、43、48、52、56、および57を含むものであった。
【0300】
参照援用
本出願で引用した(参照文献、発行された特許、公開された特許出願、および係属中の特許出願を含む全ての引用文献を含む)内容は、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0301】
等価物
当業者は、通常と同程度の実験を使用して認識または使用することができ、本発明の特定の実施形態の等価物の多くは、本明細書に記載されている。このような等価物は、以下の特許請求の範囲に包有されることを意図する。