特許第6223332号(P6223332)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6223332形質転換事象KK179−2に対応するアルファルファ植物および種子、ならびにその検出方法
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  • 特許6223332-形質転換事象KK179−2に対応するアルファルファ植物および種子、ならびにその検出方法 図000030
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223332
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】形質転換事象KK179−2に対応するアルファルファ植物および種子、ならびにその検出方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20171023BHJP
   C12Q 1/68 20060101ALI20171023BHJP
   A01H 5/00 20060101ALI20171023BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20171023BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20171023BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20171023BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   C12N15/00 AZNA
   C12Q1/68 A
   A01H5/00 A
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/10
【請求項の数】16
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2014-519006(P2014-519006)
(86)(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公表番号】特表2014-524742(P2014-524742A)
(43)【公表日】2014年9月25日
(86)【国際出願番号】US2012044590
(87)【国際公開番号】WO2013003558
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2015年5月26日
(31)【優先権主張番号】61/503,373
(32)【優先日】2011年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/664,359
(32)【優先日】2012年6月26日
(33)【優先権主張国】US
【微生物の受託番号】ATCC  PTA-11833
(73)【特許権者】
【識別番号】501231613
【氏名又は名称】モンサント テクノロジー エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】513323645
【氏名又は名称】フォレッジ・ジェネティクス・インターナショナル・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FORAGE GENETICS INTERNATIONAL, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(72)【発明者】
【氏名】シャーリーン・レベリング
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ウェイレン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・テンプル
(72)【発明者】
【氏名】マーク・マッキャスリン
(72)【発明者】
【氏名】マリー・エス・レディ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ハイアット
(72)【発明者】
【氏名】ウェン・バーンズ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・エリック・サーニー
【審査官】 田中 晴絵
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第01/073090(WO,A1)
【文献】 カナダ国特許出願公開第02005597(CA,A1)
【文献】 Plant Physiol,1998年,vol.117,p.761-770
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00−15/90
C12Q 1/68
CAplus/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
REGISTRY(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
事象KK179−2を含む種子の代表的な試料が、米国培養細胞系統保存機関(ATCC)に、特許委託指定PTA−11833として寄託されている、事象KK179−2を含むアルファルファ植物の種子。
【請求項2】
事象KK179−2を含む種子の代表的な試料が、米国培養細胞系統保存機関(ATCC)に、特許委託指定PTA−11833として寄託されている、事象KK179−2を含むアルファルファ植物または植物部分。
【請求項3】
植物部分が花粉、胚珠、花、新芽、根または葉である、請求項2に記載のアルファルファ植物または植物部分。
【請求項4】
アルファルファ事象KK179−2を含む、請求項2に記載のアルファルファ植物の子孫植物またはその部分。
【請求項5】
植物部分が花粉、胚珠、花、新芽、根または葉である、請求項4に記載の子孫植物またはその部分。
【請求項6】
DNA増幅法で試験される時に配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4から成る群から選択されるDNA分子を含むアンプリコンを生成するゲノムを有する、請求項4に記載の子孫植物。
【請求項7】
a.配列番号1および配列番号2から成る群から選択されるポリヌクレオチド分子、
b.配列番号6と100%の同一性を有するポリヌクレオチド分子、または
c.a)またはb)に相補的なポリヌクレオチド分子
を含む組換えDNA分子。
【請求項8】
前記DNA分子が事象KK179−2に由来し、事象KK179−2を含む種子の代表的な試料がATCC受入番号PTA−11833として寄託されている、請求項7に記載のDNA分子。
【請求項9】
事象KK179−2の判定に特徴的なアンプリコンである、請求項7に記載のDNA分子。
【請求項10】
事象KK179−2DNAの存在の判定に特徴的なポリヌクレオチドプローブであって、前記ポリヌクレオチドプローブが配列番号1および配列番号2、またはこれらの相補体を含む核酸分子に結合するのに十分な長さを有し、前記ポリヌクレオチドプローブが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1もしくは配列番号2、またはそれらの相補体を含むDNA分子とハイブリダイズし、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1、配列番号2またはこれらの相補体を含まないDNA分子とハイブリダイズしない、ポリヌクレオチドプローブ。
【請求項11】
DNA試料中の事象KK179−2に由来するDNA分子の存在を検出する方法であって、
a.前記DNA試料を請求項10に記載のポリヌクレオチドプローブと接触させることと、
b.前記DNA試料および前記ポリヌクレオチドプローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件に供することと、
c.前記DNA試料中の事象KK179−2に由来する前記DNA分子への前記ポリヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションを検出することと
を含む方法。
【請求項12】
第一のDNA分子および前記第一のDNA分子とは異なる第二のDNA分子から成るDNA分子の対であって、試料中で事象KK179−2DNAの判定に特徴的なアンプリコンを生成するための増幅反応において、事象KK179−2由来のテンプレートと併用した場合に、前記第一および第二のDNA分子が、DNAプライマーとして機能するために十分な長さの配列番号6の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列またはその相補体を有するポリヌクレオチド分子を含み、ここで、前記アンプリコンが配列番号1および配列番号2から成る群から選択される配列を含む、DNA分子の対。
【請求項13】
事象KK179−2に由来するDNAの存在を検出するために特異的なDNAプライマーまたはポリヌクレオチドプローブとして機能するために十分な長さの配列番号6の連続的ヌクレオチドまたはその相補体の少なくとも1つのポリヌクレオチド分子を含み、前記DNAの検出が試料中の前記KK179−2DNAの存在の判定に特徴的となる、DNA検出キット。
【請求項14】
少なくとも1つのポリヌクレオチド分子が配列番号1および配列番号2から成る群から選択される、請求項13に記載のDNA検出キット。
【請求項15】
請求項7に記載のDNA分子を含む微生物。
【請求項16】
植物細胞である、請求項15に記載の微生物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2011年6月30日出願の米国仮特許出願第61/503,373号および2012年6月26日出願の米国仮特許出願第61/664,359号の優先権を有し、これら出願の開示内容の全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
配列表の援用
電子的に提出され、2012年5月1日に作成されたファイル名「57978_seq_listing.txt」、(MS−WINDOWS上での)サイズが10,564バイトである、配列表のファイルを、参照により本明細書に援用する。
【0003】
本発明は、アルファルファ形質転換事象KK179−2に関する。また、本発明は、当該事象に関する細胞、植物部分、種子、植物および日用品、ならびに当該事象に特有であり、アルファルファ植物のゲノムに形質転換DNAを挿入することにより作成されたDNA分子も提供する。さらに、本発明は、試料中のアルファルファ事象ヌクレオチド配列の存在を検出するための方法、アルファルファ事象の存在の判定に特徴的なヌクレオチド配列の検出に用いられるプローブおよびプライマーを提供する。
【背景技術】
【0004】
アルファルファ(Medicago sativa)は、世界で最も栽培されているマメ科植物であり、米国はアルファルファの生産国としては1位である。アルファルファの農業形質および品質を改善するために、アルファルファ作物にバイオテクノロジー手法が適用されている。かかる農業形質の1つとしてリグニン含有量が挙げられる。
【0005】
リグニンは地上で2番目に多量に存在する生体高分子であり、有機炭素の30%を占める。リグニンは細胞壁の構造的一体性にとって不可欠であり、茎に硬度および強度を与える。リグニン含有量は、乳牛の飼料消化率に逆相関する。リグニンの低減は、かかる低減をもたらしながら、同時にアルファルファの消化率を増加させることができるRNA抑制構築体の発現により、形質転換植物で達成され得る。植物における外来遺伝子または抑制分子の発現は、用いられる調節要素、導入遺伝子挿入物の染色体位置、導入遺伝子挿入部位の近くにある任意の内在性調節要素の近接度、および光や温度などの環境的要因など、多くの要因により影響を受けることが知られている。例えば、導入遺伝子抑制の全体的なレベルにおける差異または類似して生成された事象間での導入遺伝子抑制の空間的もしくは時間的な差異が存在し得ることが観察されている。この理由のため、商業的な農業目的に有用な1つの事象を最終的に特定するために、数百もの独立した形質転換事象をスクリーニングすることが必要となることが多々ある。かかる事象は、所望される抑制表現型、分子特性および改善された形質を備えていると特定されると、植物育種方法を使用して、他の遺伝的背景にその改善された形質を遺伝子移入する目的に用いることができる。その結果、得られる子孫は、その形質転換事象を含み、したがって、元の形質転換体のその形質と同一の特性を有することになる。これは改善された形質を含み、特定の局地的な生育条件に好適に適合化したいくつもの異なる作物種を生産する目的に用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
有性交配の子孫に、対象とする導入遺伝子/ゲノムDNAが含まれるかを判断するために、特定の植物の導入遺伝子/ゲノムDNAの存在を検出することができれば有益であると考えられる。さらに、特定の植物を検出する方法は、形質転換作物由来の食物の市販前承認およびラベル付与を要求する規制に準拠すれば有用になるであろう。
【0007】
核酸プローブを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはDNAハイブリダイゼーションなどの、周知の核酸検出方法によって、抑制要素の有無を検出することが可能である。これらの検出方法は、一般に、プロモーター、ターミネーター、標識遺伝子などの、頻繁に利用される遺伝子要素に着目する。結果として、かかる方法は、挿入されるDNAに隣接する染色体DNA(「フランキングDNA」)の配列が判明している場合を除いては、異なる形質転換事象、とりわけ同一のDNA構築体を使用して生成した形質転換事象を区別するのに有用ではない可能性がある。事象特異的なPCRアッセイは、例えば、Taverniersら(J. Agric. Food Chem.,53:3041−3052,2005年)により記載され、そこでは、形質転換トウモロコシ系Bt11、Bt176およびGA21、ならびにキャノ−ラ事象GT73についての事象特異的な追跡システムが実証されている。この研究において、事象特異的なプライマーおよびプローブが、各事象のゲノム/導入遺伝子連結部の配列に基づいて設計された。また、遺伝子転換植物事象に特異的なDNA検出方法も、米国特許第7,632,985号;第7,566,817号;第7,368,241号;第7,306,909号;第7,718,373号;第7,189,514号;第7,807,357号および第7,820,392号に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、代表的な種子試料が米国培養細胞系統保存機関(ATCC)に、受入番号PTA−11833として寄託されている、事象KK179−2と命名されたアルファルファ形質転換事象である。
【0009】
本発明は、事象KK179−2を含む植物、細胞、植物部分または種子に由来する事象を含む植物、種子、細胞、子孫植物または植物部分を提供する。本発明は、よって、以下に限定されるものではないが、花粉、胚珠、花、新芽、根および葉を含む。
【0010】
本発明の1つの態様は、アルファルファ事象KK179−2の植物または種子からのDNA形質転換/ゲノム連結領域の存在を検出するための組成物および方法を提供する。配列番号1、配列番号2およびそれらの相補体から成る群から選択される少なくとも1つの導入遺伝子/ゲノム連結DNA分子を含むDNA分子が提供され、そこで、連結分子は挿入部位に渡る。これらのDNA分子を含むアルファルファ事象KK179−2および種子が、本発明の一態様である。
【0011】
アルファルファ事象KK179−2からのDNA導入遺伝子/ゲノム領域配列番号3またはその相補体である新規DNA分子が提供される。そのゲノムに配列番号3を含むアルファルファ植物および種子が、本発明の一態様である。本発明のもう1つの態様において、DNA導入遺伝子/ゲノム領域配列番号4またはその相補体であるDNA分子が提供され、そこで、このDNA分子は、アルファルファ事象KK179−2において新規である。そのゲノムに配列番号4を含むアルファルファ植物および種子が、本発明の一態様である。
【0012】
本発明は、事象KK179−2に関連するDNA分子を提供する。これらのDNA分子は、事象KK179−2の導入遺伝子挿入部とフランキングゲノムDNAとの連結部、および/または挿入されたDNAに隣接するゲノムDNAの領域、および/または挿入部位に隣接する統合された形質転換DNAの領域、および/または統合された形質転換発現カセットの領域、および/またはこれらの領域のいずれかの近接配列を表すか、またはこれらに由来するヌクレオチド配列を含み得る。また、本発明は、当該事象の判定に特徴的なプライマーおよびプローブとして有用なDNA分子も提供する。これらの分子を含む植物、細胞、植物部分、商用品、子孫および種子も提供される。
【0013】
本発明の一態様によれば、KK179−2と指定された新規アルファルファ植物からの導入遺伝子/ゲノム挿入領域の存在を検出するための組成物および方法が提供される。配列番号1(配列番号6の第1038〜1057位に対応、図1[F])、配列番号2(配列番号6の第3620〜3639位に対応する、図1[F])、およびその相補体から成る群から選択されるKK179−2の少なくとも1つの連結配列を含むDNA配列が提供され、連結配列はゲノムに挿入された異種のDNAにおいて、アルファルファ細胞ゲノムDNAに連結するポイントに渡るヌクレオチド配列であり、アルファルファDNAを含有する生物学的試料におけるこの配列の検出は、その試料中のアルファルファ事象KK179−2 DNAの存在の判定に特徴的である(図1)。これらのDNA分子を含むアルファルファ事象KK179−2およびアルファルファ種子が、本発明の一態様である。
【0014】
本発明の別の態様によれば、DNA検出方法で用いるための2つのDNA分子が提供され、第1のDNA分子は、配列番号3または配列番号5のDNA分子の導入遺伝子領域のいずれかの部分の十分な長さの連続するポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、ならびに配列番号3の5’フランキングアルファルファゲノムDNA領域のいずれかの部分の同様の長さの第2のDNA分子を含み、これらのDNA分子は、増幅反応で事象KK179−2に由来するテンプレートと併用される場合、DNAプライマーとして機能し、試料中の事象KK179−2DNAの判定に特徴的なアンプリコンを生成する。配列番号3および配列番号5のいずれかの部分に相同的または相補的なDNAプライマーによって生成されたいずれのアンプリコンおよび配列番号1を含むいずれのアンプリコンも、本発明の一態様である。
【0015】
本発明の別の態様によれば、DNA検出方法で用いるための2つのDNA分子が提供され、第1のDNA分子は、配列番号4または配列番号5のDNA分子の導入遺伝子領域のいずれかの部分の十分な長さの連続するポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、ならびに配列番号4の3’フランキングアルファルファゲノムDNAのいずれかの部分の同様の長さの第2のDNA分子を含み、増幅反応で事象KK179−2に由来するテンプレートと併用される場合、このDNA分子はDNAプライマーとして機能し、試料中の事象KK179−2DNAの判定に特徴的なアンプリコンを生成する。配列番号4および配列番号5のいずれかの部分に相同的または相補的なDNAプライマーによって生成されたいずれのアンプリコンおよび配列番号2を含むいずれのアンプリコンも、本発明の態様である。
【0016】
本発明は、アルファルファ事象KK179−2に由来するDNAの存在を検出するのに有用な方法、組成物およびキットを提供する。ある種の方法は、(a)DNAを含む試料を、アルファルファ事象KK179−2からのゲノムDNAとの核酸増幅反応で用いた場合に、その事象に特徴的であるアンプリコンを生成するプライマーセットと接触させることと、(b)核酸増幅反応を行い、それにより、アンプリコンを生成することと、(c)配列番号1および/または配列番号2を含む、そのアンプリコンを検出することを含む。また、本発明は(a)DNAを含む試料を、事象からのゲノムDNAとハイブリッド形成反応で用いた場合にその事象に特異的なDNA分子にハイブリダイズするプローブと接触させることと、(b)その試料およびプローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件に供することと、(c)DNA分子へのプローブのハイブリダイゼーションを検出することを含む。事象に由来するDNAの存在を検出するのに有用な本発明の方法および組成物を含むキットも提供される。
【0017】
さらに、本発明は、(a)KK179−2アルファルファ植物を、第2のアルファルファ植物と交配させ、それにより種子を生成することと、(b)この種子を栽培して複数の子孫植物を生成することと、(c)KK179−2を含む子孫植物または低減したリグニン含有量の子孫植物を選択することを含む、アルファルファ植物を生成する方法を提供する。
【0018】
本発明の前記の態様および他の態様は、以下の詳細な記載からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】アルファルファ事象KK179−2のゲノムにおける形質転換挿入物を示す図である。[A]は、配列番号3と配列番号5との連結を形成する配列番号1の相対位置に対応する。[B]は、配列番号4と配列番号5との連結を形成する配列番号2の相対位置に対応する。[C]は、配列番号3の相対位置に対応し、それはアルファルファゲノムフランキング領域および形質転換DNA挿入物の任意に割り当てた5’終端の一部を含む。[D]は、配列番号4の相対位置に対応し、それはアルファルファゲノムフランキング領域および形質転換DNA挿入部の任意に割り当てた3’終端の一部を含む。[E]は、配列番号5を表し、それは事象KK179−2のゲノムに組み込んだCCOMT抑制カセットを含む形質転換DNA挿入物の配列である。[F]は、配列番号6を表し、それは図中、左から右に表されている配列番号3、配列番号5および配列番号4を含む連続する配列である。これらの配列は、事象KK179−2のゲノム中に存在するため、配列番号1および配列番号2は、前記のように組み込まれている。LB:は、T−DNAの左側境界を表す。RB:は、T−DNAの右側境界を表す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
配列の簡単な説明
電子的に提出され、2012年5月1日に作成されたファイル名「57978_seq_listing.txt」、(MS−WINDOWS上での)サイズが10,564バイトである、配列表のファイルを、参照により本明細書に援用する。
【0021】
配列番号1は、アルファルファゲノムDNAと組み込まれたDNA挿入物との間の左側境界連結部を表す20塩基対のヌクレオチド配列である。この配列は、配列番号6の1038〜1057位、および配列番号3の1038〜1047に対応する(図1の[C])。加えて、配列番号1は、配列番号5の1〜10位にある発現カセットの組み込まれた左側境界に対応する(図1の[E])。
【0022】
配列番号2は、組み込まれたDNA挿入物とアルファルファゲノムDNAとの間の右側境界連結部を表す20塩基対のヌクレオチド配列である。この配列は、配列番号6の3620〜3639位および配列番号4の91〜111位に対応する(図1の[D])。加えて、配列番号2は、配列番号5の2573〜2582位に対応する(図1の[E])。
【0023】
配列番号3は、事象KK179−2の挿入されたDNAに隣接する5’アルファルファゲノム配列(1047塩基対)および組み込まれたDNAの領域(100塩基対)を含む1147塩基対のヌクレオチド配列である。この配列は、配列番号6の1〜1047位に対応する。
【0024】
配列番号4は、事象KK179−2の挿入されたDNAに隣接する3’アルファルファゲノム配列(1256塩基対)および組み込まれたDNAの領域(100塩基対)を含む1356塩基対のヌクレオチド配列である。この配列は、配列番号6の3529〜4885位に対応する。
【0025】
配列番号5は、組み込み後の左側および右側の境界配列を含む、組み込まれた発現カセットの配列である。配列番号5は、配列番号6の1048〜3629のヌクレオチド位置に対応する。
【0026】
配列番号6は、KK179−2の挿入されたDNAに隣接する5’配列(配列番号3)、組み込まれたDNA挿入物の配列(配列番号5)およびKK179−2の挿入されたDNAに隣接する3’配列(配列番号4)のコンティグを表す4885塩基対のヌクレオチド配列である。
【0027】
配列番号7は、KK179−2事象を特定するために用いられるプライマーSQ20901の配列である。プライマーSQ20901とSQ23728(配列番号8)との組合せを用いた81塩基対のPCRアンプリコンの生成は、事象KK179−2の存在に対する陽性の結果である。
【0028】
配列番号8は、KK179−2事象を特定するために用いられるプライマーSQ223728の配列である。
【0029】
配列番号9は、KK179−2事象を特定するために用いられるプローブPB10164の配列である。これは、6FAM(商標)標識された合成ヌクレオチドである。
【0030】
配列番号10は、エンドポイントTAQMAN(登録商標)アッセイにおける内部対照として用いられるプライマーSQ1532の配列である。
【0031】
配列番号11は、エンドポイントTAQMAN(登録商標)アッセイにおける内部対照として用いられるプライマーSQ1533の配列である。
【0032】
配列番号12は、エンドポイントTAQMAN(登録商標)アッセイにおける内部対照として用いられるVIC(商標)標識された合成オリゴヌクレオチドプローブPB0359の配列である。
【0033】
詳細な説明
以下の定義および方法は、本発明をより良好に定義し、当業者が本発明を実施する上での手引きとするために提供される。特段の記載のない限り、用語は、関連技術分野における当業者による通常の使用に従い理解されるものである。また、分子生物学における通常の用語の定義は、Riegerら、Glossary of Genetics: Classical and Molecular、第5版(Springer−Verlag:New York,1991年)およびLewin、Genes V(Oxford University Press:New York,1994年)に記載されている。
【0034】
本発明は、形質転換アルファルファ事象KK179−2を提供する。本明細書中で用いられる場合、「事象」という用語は、染色体上の特定の位置で植物のゲノムに形質転換DNAを組み込んだ結果として生成される植物、種子、子孫、細胞、その植物部分、およびDNA分子を指す。事象KK179−2は、Medicago sativaゲノムの特定の染色体位置に、本明細書中で配列番号5として提供される配列を有する形質転換DNAを挿入した結果として生成される植物、種子、子孫、細胞、それらの植物部分およびDNA分子を指す。KK179−2を含有する種子試料は、米国培養細胞系統保存機関(ATCC)に、受入番号PTA−11833として寄託されている。
【0035】
本明細書中で使用される場合、「アルファルファ」という用語は、Medicago sativaを意味し、野生アルファルファ種を含み、アルファルファと育種し得るすべての植物種を含む。また、アルファルファは、関係するクロ−バ−の花と類似の青または黄色の花をつけるウマゴヤシ属の旧世界の草本の任意の植物の名前であるメディック(medic)とも呼ばれる。トウモロコシや大豆と異なり、アルファルファ植物は同質四倍体である。したがって、各形質は2つではなく、4つの染色体上に存在する遺伝子により決定される。これは遺伝子研究を複雑にし、さらにアルファルファの改善をより困難にする。市販のアルファルファ種子は、選択されたクローン間での無作為の相互授粉に続き、隔離した自然受粉を1〜3世代行うことにより生成される合成栽培品種を構成し得るクローンの混合物から構成されることが多い。さらに、2つ以上のクローンの種子を混合するか、または隔離したクローンを相互授粉することによっても、アルファルファの合成栽培品種を開発することができる。合成栽培品種を形成するときは、コンポ−ネントクローン各々からの等量の種子を混合して、最初の原原種のストックを形成する。
【0036】
形質転換「事象」は、対象の遺伝子のRNA抑制を含む核酸構築体など、異種DNAによる植物細胞の形質転換、植物のゲノムへの導入遺伝子カセットの挿入に起因する独立して形質転換した形質転換植物の集団の再生、および特定のゲノム位置への導入遺伝子の挿入など、望ましい分子特性を有する特定の植物の選択により生成される。事象を含有する植物は、植物のゲノム中の特定位置に挿入された導入遺伝子を含む元来の形質転換体を指し得る。また、事象を含有する植物は、植物のゲノムにおける同一の特定位置に導入遺伝子を保持する元来の形質転換体の子孫を指し得る。かかる子孫は、形質転換体またはその子孫と別の植物との間の有性異系交配により生成することができる。かかる別の植物は、同一または異なる導入遺伝子を含有する形質転換植物であってもよく、あるいは、異なる変種からの植物など、非形質転換植物であってもよい。反復親に繰り返し戻し交配した後でも、形質転換された親からの事象DNAは、同一のゲノム位置での交配の子孫に存在する。
【0037】
事象KK179−2を含むDNA分子は、挿入された形質転換DNA(配列番号5として規定される)の少なくとも一部および挿入されたDNAのすぐ隣にあるフランキングゲノムDNAの一部を含むDNA分子を指す。したがって、事象KK179−2を含むDNA分子は、形質転換DNA挿入物の少なくとも一部および形質転換DNAが挿入された植物のゲノムの特定の領域の少なくとも一部を表すヌクレオチド配列を有する。周囲の植物ゲノムとの関係において、事象KK179−2に挿入したDNAの配列は、事象KK179−2に特異的かつ特有であり、したがって、かかるDNA分子のヌクレオチド配列は、事象KK179−2の判定に特徴的であり、特定に役立つ。かかるDNA分子の配列の例を、本明細書中に、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、および配列番号6として提供する。かかるDNA分子は、また、事象KK179−2を含む植物の染色体の必須部分であり、植物の子孫に伝わり得る。
【0038】
本明細書中で用いられる場合、「組換えDNA分子」は、自然には共に生じないDNA分子の組合せを含み、人間の介入の結果であるDNA分子であり、例えば、互いに異種の少なくとも2個のDNA分子の組合せから成るDNA分子、および/または人工的に合成され、天然に広く存在するポリヌクレオチド配列から逸脱したポリヌクレオチド配列を含むDNA分子、および/または宿主細胞のゲノムDNAに人工的に組み込まれた導入遺伝子を含むDNA分子、および宿主細胞のゲノムの対応するフランキングDNAなどである。組換えDNA分子の例は、Medicago sativa ゲノムへの導入遺伝子の挿入に起因する。本明細書中に記述するDNA分子であり、これは最終的に、その生物における組換えRNAおよび/またはタンパク質分子の抑制に帰結し得る。また、ヌクレオチド配列またはそれに由来する任意のフラグメントも、そのDNA分子が植物、種子または植物組織からの細胞、組織またはホモジネートから抽出することができる場合、あるいは、植物、種子または植物組織からの細胞、組織またはホモジネートから抽出したDNAまたはRNAからのアンプリコンとして生成可能であり、そのいずれも事象KK179−2に由来する、かかる物質に由来している場合、組換えDNA分子とみなされることになる。この件については、配列番号1および配列番号2で規定されている連結配列、ならびにこれらの連結配列も含む事象KK179−2に由来するヌクレオチド配列は、事象KK179−2の細胞のゲノム内に存在するのか、それとも事象KK179−2に由来する組織、子孫、生物学的試料または日用品に検出可能な量で存在するかにかかわらず、組換えDNAとみなされる。本明細書中で用いられる場合、「導入遺伝子」という用語は、宿主細胞のゲノムに人工的に組み込まれたポリヌクレオチド分子を指す。かかる導入遺伝子は、宿主細胞に対して異種であってもよい。「形質転換植物」という用語は、かかる導入遺伝子を含む植物を指す。「形質転換植物」は、組換えDNAの安定的な組み込みによりゲノムが改変されている植物、植物部分、植物細胞または種子を含む。形質転換植物は、元来的に形質転換されている植物細胞から再生された植物、および形質転換された植物の後の再生または交配からの子孫形質転換植物を含む。かかるゲノムの改変の結果として、形質転換植物は関係する野生型植物とは明確に異なる。形質転換植物の例は、事象KK179−2を含有するものとして、本明細書中に記載される植物である。
【0039】
本明細書中で用いられる場合、「異種」という用語は、現在、その配列が存在している遺伝的文脈において、所定の宿主ゲノムには、普通は存在しない配列を指す。この点において、この配列は宿主ゲノムに生来属していてもよいが、宿主配列の中にある他の遺伝子配列に対して、再配置されていてもよい。
【0040】
本発明は、DNA分子およびその対応するヌクレオチド配列を提供する。本明細書中で用いられる場合、「DNA配列」、「ヌクレオチド配列」および「ポリヌクレオチド配列」という用語は、通常、5’(上流)から3’(下流)の終端へと表される、DNA分子のヌクレオチドの配列を指す。本明細書中で用いられる命名法は、連邦規則集第37章第1条第822項によって要求され、WIPO標準ST.25(1998年)、付録2、表1および3に規定されたものである。本発明は、形質転換事象KK179−2で提供される2本のヌクレオチド配列鎖のうちの一方の鎖のみに関して開示される。したがって、含蓄および誘導により、当業で完全な相補体または逆相補的配列とも称される、相補的配列は、本発明の範囲内であり、したがって、請求の対象となる主題の範囲内であるものとする。
【0041】
挿入された形質転換DNAの完全なヌクレオチド配列および挿入された形質転換DNAのいずれかの端部に隣接するMedicago sativaゲノムDNAのかなりのセグメントに対応するヌクレオチド配列が、本明細書中では、配列番号6として提供される。このサブセクションは、配列番号5として提供される挿入された形質転換DNAである。挿入された形質転換DNAの5’終端に隣接するゲノムDNAのヌクレオチド配列および挿入されたDNAの5’終端の一部は、本明細書中では、配列番号3として提供される。挿入された形質転換DNAの3’終端に隣接するゲノムDNAのヌクレオチド配列および挿入されたDNAの3’終端の一部は、本明細書中では、配列番号4として提供される。形質転換DNAがゲノムDNAに接続し、連結される位置に渡る領域は、本明細書中では、連結部と称される。「連結配列」または「連結領域」は、挿入された形質転換DNAおよび隣接するフランキングゲノムDNAに渡るDNA配列および/または対応するDNA分子を指す。事象KK179−2の連結配列の例が、本明細書中では、配列番号1および配列番号2として提供される。アルファルファ植物または種子に由来するヌクレオチド分子中のこれらの連結配列の1つの特定は、そのDNAが事象KK179−2から得られ、事象KK179−2からのDNAの存在の判定に特徴的であるという確証である。配列番号1は、ゲノムDNAと挿入されたDNAの5’終端との連結部に渡る20塩基対のヌクレオチド配列である。配列番号2は、ゲノムDNAと挿入されたDNAの3’終端との連結部に渡る20塩基対のヌクレオチド配列である。配列番号1の連続するヌクレオチドを含む形質転換事象KK179−2由来のDNAの任意のセグメントは、本発明の範囲内である。配列番号2の連続するヌクレオチドを含む形質転換事象KK179−2由来のDNAの任意のセグメントは、本発明の範囲内である。加えて、本段落内で記述された配列のいずれかに対する相補的な配列を含むいずれのポリヌクレオチド分子も、本発明の範囲内である。図1は、アルファルファ事象KK179−2のゲノム中の形質転換DNA挿入物の図であり、配列ID番号1〜6の相対位置は5’から3’に配置されている。
【0042】
さらに、本発明は、試料中の事象KK179−2由来のDNAの存在を診断するためのプライマーまたはプローブのいずれかとして用いることのできる例となるDNA分子を提供する。かかるプライマーまたはプローブは、標的核酸配列に対して特異的であり、したがって、本明細書中に記載する本発明の方法による、事象KK179−2核酸配列の特定に有用である。
【0043】
「プローブ」は、検出可能な標識またはリポーター分子、例えば、放射性同位体、リガンド、化学発光剤または酵素が付着した単離された核酸である。かかるプローブは、標的核酸の鎖、本発明の場合には、アルファルファ事象KK179−2からのDNAを含むアルファルファ植物からであろうと、試料からであろうと、その事象からのゲノムDNAの鎖に相補的である。本発明に従うプローブは、デオキシリボ核酸またはリボ核酸だけではなく、標的DNA配列に特異的に連結するポリアミドおよび他のプローブ物質を含み、かかる連結の検出を用いて、特定の試料におけるその標的DNA配列の存在の診断/決定/確定を行うことができる。
【0044】
「プライマー」は、一般には、特異的なアニーリングまたはハイブリダイゼーション方法で使用するために設計され、相補的なDNA鎖にハイブリダイズし、プライマーと標的DNA鎖とのハイブリッドを形成し、次いで、ポリメラーゼ、例えば、DNAポリメラーゼによって、標的DNA鎖に沿って伸張される単離されたポリヌクレオチドである。プライマーの対は、Medicago sativaゲノムDNAの試料などのテンプレートDNA、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などのサーマル増幅もしくはアイソサーマル増幅、またはその他の核酸増幅方法などと組み合わせて使用し、アンプリコンを生成することができ、かかる反応から生成されるアンプリコンは、プライマーがテンプレートにハイブリダイズした2つの部分の間に位置するテンプレートDNAの配列に対応する。本明細書中で用いられる場合、「アンプリコン」は、増幅反応の生成物など、増幅技法を用いて合成されたDNAの切片またはフラグメントである。本発明の1つの実施形態において、事象KK179−2の判定に特徴的なアンプリコンは、Medicago sativaゲノム中に通常は見られない配列を含む。本発明で用いられる場合、プライマー対は、通常、サーマル増幅もしくはアイソサーマル増幅反応またはその他の核酸増幅方法において、プライマーの個々のメンバーによる連結の標的にされる位置と位置の間にあるポリヌクレオチドセグメントを線形的に増幅する目的のために、2本鎖のヌクレオチドセグメントの相対する鎖を連結する2つのプライマーの使用を指すことが意図される。プライマーとして有用な例示的なDNA分子は、配列番号7〜9として提供され、第1のDNA分子および第1のDNA分子とは異なる第2のDNA分子として用いることができ、どちらの分子もそれぞれ、配列番号4、配列番号5、もしくは配列番号6、またはこれらの相補体の十分な長さの連続的なヌクレオチドであり、DNAプライマーとして機能するため、事象KK179−2由来のテンプレートDNAと一緒に増幅反応で使用すると、形質転換事象KK179−2に特異的かつ特有のアンプリコンが生成される。「アンプリコン」という用語の使用は、DNA増幅反応で形成される可能性のあるプライマーダイマーを明示的に除外する。
【0045】
本発明によるプローブおよびプライマーは、標的配列に対して完全に配列同一性を有することができるが、その標的配列とは異なり、標的配列に優先的にハイブリダイズする能力を維持するプライマーおよびプローブを従来の方法により設計し得る。核酸分子がプライマーまたはプローブとして機能するためには、使用した特定の溶媒および塩の濃度下で2本鎖構造を形成できる配列において十分に相補性であることだけが必要である。どのような核酸ハイブリダイゼーションまたは増幅方法も、試料中の事象KK179−2からの形質転換DNAの存在を特定する目的に用いることができる。プローブおよびプライマーは、一般に、長さが少なくとも約11個のヌクレオチド、少なくとも約18個のヌクレオチド、少なくとも約24個のヌクレオチド、および約30個以上のヌクレオチドである。かかるプローブおよびプライマーは、高ストリンジェンシー・ハイブリダイゼーション条件下で標的配列に特異的にハイブリダイズする。
【0046】
プローブおよびプライマーを調製および使用するための方法は、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版,1〜3巻,Sambrookら編,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989年(以降「Sambrookら,1989年」);Current Protocols in Molecular Biology ,Ausubelら編,Greene Publishing and Wiley−Interscience,New York,1992年(定期的に更新される)(以降では、「Ausubelら,1992年」);およびInnisら,PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications,Academic Press: San Diego,1990年に記載されている。PCR−プライマー対は、既知の配列から、例えば、Primer(バージョン0.5,版権1991年,Whitehead Institute for Biomedical Research,Cambridge,MA)など、その用途のためのコンピュ−タプログラムを使うことにより、既知の配列から導き出すことができる。
【0047】
本明細書中に開示されたフランキングDNAおよび挿入配列に基づくプライマーおよびプローブを用いて、公知の方法、例えば、かかる配列を再度クローニングおよび配列決定することにより、開示された配列を確認することができる。
【0048】
本発明の核酸プローブおよびプライマーは、ストリンジェントな条件下で、標的DNA配列にハイブリダイズする。任意の核酸ハイブリダイゼーションまたは増幅方法を使用して、試料中の形質転換事象からのDNAの存在を特定することができる。核酸分子またはそのフラグメントは、一定の条件下では、他の核酸分子に特異的にハイブリダイズすることができる。本明細書中で用いられる場合、2個の核酸分子が逆平行の2本鎖核酸構造を形成することができる場合、その2個の分子は互いに特異的にハイブリダイズできると言われる。核酸分子は、完全な相補性を示すとき、もう1個の核酸分子の「相補体」であるといわれる。本明細書中で用いられる場合、分子の一方のヌクレオチドすべてが他方の分子のヌクレオチドに対して相補的であるとき、分子は「完全な相補性」を示すと言われる。2個の分子は、少なくとも「低ストリンジェンシー」条件下で、互いにアニーリングした状態を維持できるのに十分な安定性をもって、互いにハイブリダイズすることができる場合、「最小限に相補的」であると言われる。同様に、分子は「高ストリンジェンシー」条件下で、互いにアニーリングした状態を維持できるのに十分な安定性をもって、互いにハイブリダイズすることができる場合、「相補的」であると言われる。ストリンジェンシー条件については、Sambrookら(1989年)およびHaymesらにより、Nucleic Acid Hybridization, A Practical Approach,IRL Press,Washington,DC(1985年)で記述されている。したがって、完全な相補性からの逸脱は、かかる逸脱がその分子が2本鎖構造を形成する能力を完全に排除しない限り、許容される。核酸分子がプライマーまたはプローブとして機能するためには、使用した特定の溶媒および塩の濃度下で2本鎖構造を形成できる配列において十分に相補性であることだけが必要である。
【0049】
本明細書中で用いられる場合、実質的に相同な配列は、高ストリンジェンシー条件下でそれが比較の対象とされている核酸配列の相補体に特異的にハイブリダイズするであろう核酸配列である。DNAハイブリダイゼーションを促進する適切なストリンジェンシー条件は、例えば、約45℃の6.0×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)に続けて、50℃での2.0×SSCの洗浄は、当業者に知られているか、またはCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons, N.Y.(1989年),6.3.1〜6.3.6にに記載されている。例えば、洗浄工程における塩濃度は、50℃での約2.0×SSCの低ストリンジェンシーから、50℃での約0.2×SSCの高ストリンジェンシーまでの範囲から選択できる。加えて、洗浄工程における温度は、室温、約22℃での低ストリンジェンシー条件から、約65℃での高ストリンジェンシー条件に増加できる。温度および塩の両方を変更でき、または温度もしくは塩濃度のいずれかを一定に保持し、他方の変数を変化させ得る。1つの実施形態において、本発明の核酸は、高ストリンジェンシー条件下において、配列番号1および配列番号2に記載された1つまたは複数の核酸分子に特異的にハイブリダイズするであろう。標的DNA分子へのプローブのハイブリダイゼーションは、当業者に知られた多数の方法によって検出できる。これらは、以下に限定されないが、蛍光性タグ、放射性タグ、抗体ベースのタグおよび化学発光タグを含むことができる。
【0050】
特定の増幅プライマー対を用いる標的核酸配列の増幅(例えば、PCRによる)について、「ストリンジェントな条件」は、対応する野生型配列(またはその相補体)を有するプライマーが、DNA熱増幅反応において連結し、かつ好ましくは、特有の増幅生成物のアンプリコンを生成するであろう標的核酸配列だけに、プライマー対がハイブリダイズすることを可能にする条件である。DNA増幅法の例としては、PCR、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)(例えば、米国特許第7,485,428号を参照)、鎖置換増幅(SDA)(例えば、米国特許第5,455,166号および第5,470,723号を参照)、転写増幅法(TMA)(例えば、Guatelliら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874−1878(1990年)を参照)、ロ−リングサ−クル増幅(RCA)(例えば、FireおよびXu、Proc. Natl. Acad Sci. USA 92:4641−4645(1995年);Luiら、J. Am. Chem. Soc. 118:1587−1594(1996年);Lizardiら,Nature Genetics 19:225−232(1998年)、米国特許第5,714,320号および第 6,235,502号を参照)、ヘリカーゼ依存増幅(HDA)(例えば、Vincentら,EMBO Reports 5(8):795−800(2004年);米国特許第7,282,328号を参照)、および多置換増幅(MDA)(例えば、Deanら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99:5261−5266(2002年)を参照)が挙げられる。
【0051】
「(標的配列)に特異的」という用語は、プローブまたはプライマーが、標的配列を含む試料中の標的配列にだけ、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを意味する。
【0052】
本明細書中で用いられる場合、「単離された」という用語は、分子がその本来または自然の状態では、それに通常伴う他の分子と少なくとも部分的には分離されていることを指す。1つの実施形態において、「単離された」という用語は、DNA分子がその本来または自然な状態では、通常、そのDNA分子に隣接している核酸から少なくとも部分的に分離されていることを指す。したがって、通常は伴わない制御配列またはコーデング配列に、例えば、組換え技法の結果として融合されているDNA分子は、本明細書中では、単離されたとみなされる。かかる分子は、宿主細胞の染色体に組み込まれているか、または他のDNA分子と一緒に核酸中に存在するときでも、単離されているとみなされる。
【0053】
本発明で開示されるDNA分子またはそのフラグメントを単離または操作するのに、当業者によく知られている方法はいくつでも使うことができる。例えば、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)技術を使用して、特定の開始DNA分子の増幅および/または元来の分子の変種の生成を行うことができる。自動化オリゴヌクレオチド合成機を使うことで、一般に実践されているように、DNA分子またはそのフラグメントは、化学的手段によるフラグメントを直接的に合成するなど、他の技法によっても得ることができる。
【0054】
本明細書中に提供されるDNA分子および対応するヌクレオチド配列は、したがって、とりわけ事象KK179−2の特定、事象KK179−2を含む植物変種またはハイブリッドの選択、試料における事象KK179−2由来のDNAの存在の検出、ならびに事象KK179−2または事象KK179−2を含む植物および植物部分の存在および/または欠如についての試料の監視に有用である。
【0055】
本発明は植物、子孫、種子、植物細胞、花粉、胚珠、莢、花、根または茎組織、および葉などの植物部分を提供する。これらの植物、子孫、莢、植物細胞、植物部分および日用品は、配列番号1の連続的なヌクレオチドおよび配列番号2の連続的なヌクレオチドとして提供される配列の少なくとも1つを含むポリヌクレオチドなど、本発明のポリヌクレオチドを検出可能な量含む。本発明の植物、子孫、種子、植物細胞、植物部分および日用品は、1つまたは複数の追加の抑制標的も含み得る。
【0056】
本発明は、事象KK179−2を含む形質転換植物に由来する植物、子孫、種子、植物細胞、および花粉、胚珠、莢、花、根または茎組織および葉などの植物部分を提供する。事象KK179−2を含む種子の代表的な試料は、本発明を可能にする目的のために、ブダペスト条約に従って寄託されている。寄託を受け取るために選択された貯蔵所は、10801 University Boulevard,Manassas,Virginia USA,郵便番号20110に住所を持つ米国培養細胞系統保存機関(ATCC)である。ATCC寄託組織は、事象KK179−2の種子に受入番号PTA−11833を付与した。
【0057】
本発明は、配列番号1の連続的ヌクレオチド、配列番号2の連続的ヌクレオチドから成る群から選択されるヌクレオチド配列を有するDNA分子を含む微生物を提供する。かかる微生物の例は、形質転換植物細胞である。本発明の植物細胞などの微生物は、多くの工業用途に有用である。これらの用途としては、限定するものではないが、(i)科学的調査または産業調査としての使用;(ii)二次的科学的調査目的に、または工業製品として用いることのできる内因性もしくは組換えの炭水化物、脂質、核酸、酵素もしくはタンパク質生成物、酵素もしくはタンパク質生成物または小分子を生成するための培養での使用;および(iii)生成後に農業研究または生産に用いることのできる形質転換植物または植物組織培養の生成のための近代的な植物組織培養技法での使用。形質転換植物細胞などの微生物の生成および使用には、人工の特有な微生物を生成するために、近代的な微生物学技術および人間の介入を利用する。この工程では、組換えDNAが植物細胞のゲノムに挿入され、自然界に発生する植物細胞とは別個かつ特有な形質転換植物細胞を作成する。この形質転換植物細胞は、次いで、近代的な微生物学技術を使用して、細菌や酵母細胞と極めて同じように培養することができ、未分化の単細胞状態で存在し得る。新しい植物細胞の遺伝子組成および表現型は、異種DNAを細胞のゲノムに組み込むことにより作成される技術的効果である。本発明のもう1つの態様は、本発明の微生物を使用する方法である。形質転換植物細胞など、本発明の微生物を使用する方法は、(i)細胞のゲノムに組換えDNAを組み込んだ後、この細胞を使用して、同一の異種DNAを有する追加の細胞を誘導することにより形質転換細胞を生成する方法;(ii)近代的な微生物学技術を使用して組換えDNAを含む細胞を培養する方法;(iii)培養した細胞から内因性または 組換えの炭水化物、脂質、核酸、酵素もしくはタンパク質の生成物を生成および精製する方法;および(iv)形質転換植物細胞で、近代的な植物細胞培養技術を使用して、形質転換植物または形質転換植物組織培養を生成する方法を含む。
【0058】
本明細書中で用いられる場合、「子孫」は、配列番号1の連続的ヌクレオチドまたは配列番号2の連続的ヌクレオチドとして提供される配列の少なくとも1つを有する祖先植物および/ポリヌクレオチド由来の事象DNAを含む任意の植物、種子、植物細胞および/または再生可能な植物部分を含む。植物、子孫および種子は、形質転換配列の存在に対しヘテロ連結であり得る。子孫は、事象KK179−2を含む植物により生成される種子からおよび/または事象KK179−2を含む植物からの花粉で受精する植物により生成される種子から生育され得る。
【0059】
子孫植物は異型交配することができ、例えば、別の植物と交配して、変種またはハイブリッド種子または植物を産生することができる。他方の植物は、形質転換であっても、非形質転換であってもよい。本発明の変種またはハイブリッド種子または植物は、かくて、事象KK179−2の特異的かつ特有なDNAを有さない第1の親を事象KK179−2を含む第2の親と交雑して、事象KK179−2の特異的かつ特有なDNAを含むハイブリッドを生じさせることにより、誘導し得る。親の各々は、交配または育種の結果、事象KK179−2の特異的かつ特有なDNAおよび/または配列番号1の連続的ヌクレオチドもしくは配列番号2を含む少なくとも1つの対立遺伝子を有する種子など、本発明の植物または種子が得られる限りにおいて、ハイブリッドまたは同系交配/変種とすることができる。親植物への戻し交配および非形質転換植物との異型交配も企図され、栄養繁殖も同様に企図される。異なる形質および作物に一般的に用いられる他の育種方法の記載は、いくつもの参考文献のうちの1つ、例えば、Fehr,Breeding Methods for Cultivar Development,Wilcox J.編,American Society of Agronomy,Madison WI(1987年)に見出される。
【0060】
他家受粉など、1つの植物を別の植物で有性交配することは、人間の介入により達成または容易化することができ、例えば、1つの植物の花粉を人間の手で採取し、この花粉をもう1つの植物の花柱または柱頭に接触させる、人間の手または行動で、(例えば、手動介入または化学的除雄剤の塗布により)植物の雄しべまたは葯を切除、破壊または防護することで、自然の自家受粉を防止し、受粉が起こるためには、他家受粉が行われなければならないようにし、「誘導された受粉」のための位置に花粉媒介昆虫を人間が配置し(例えば、果樹園または畑にミツバチの巣を配置し、あるいは花粉媒介昆虫と一緒に植物を檻に入れ)、人間が花の部分を開放または切除し、花柱または柱頭に異種の花粉が乗るか、または接触できることができるようにし、植物の選択的な配置(例えば、受粉できる近接距離に意図的に植物を植える)、および/または化学物質を塗布し、花が咲くのを早める、または(花粉の花柱の)受容性を促進するなどの方法が挙げられる。
【0061】
この方法を実践する際、自家受粉または自系連結など、1つの植物をそれ自身と有性交配させるステップは、人間の介入により達成または容易化することができる。例えば、人間の手で1つの植物の花粉を採取し、この花粉を同じの植物の花柱または柱頭に接触させた後、任意で、その植物のさらなる受粉を防止し、人間の手または行動で、(例えば、雄穂除去または化学的除雄剤の塗布により)近くにある他の植物の雄しべまたは葯を切除、破壊または防護することで、自然の他家受粉を防止し、受粉が起こるためには、自家受粉が行われなければならないようにし、「誘導された受粉」のための位置に花粉媒介昆虫を人間が配置し(例えば、花粉媒介昆虫と一緒に植物を単独で檻に入れる)、人間が花またはその一部を操作し自家受粉できるようにし、植物の選択的な配置(例えば、受粉できる近接距離を越えた位置に意図的に植物を植える)、および/または化学物質を塗布し、花が咲くのを早めるか、または(花粉の花柱の)受容性を促進するなどの方法が挙げられる。
【0062】
本発明は、事象KK179−2を含む植物に由来する植物部分を提供する。本明細書中で用いられる場合、「植物部分」は、事象KK179−2を含む植物に由来する物質から成る植物の任意の部分を指す。植物部分は、花粉、胚珠、莢、花、根または茎組織、繊維および葉に限られないが、これらを含む。植物部分は生育可能、生育不能、再生可能および/または再生不能であり得る。
【0063】
本発明は、事象KK179−2を含む植物に由来する日用品を提供する。本明細書中で用いられる場合、「日用品」は事象KK179−2を含む植物、種子、植物細胞または植物部分に由来する物質から成る任意の組成物または生成物を指す。日用品は消費者に対して販売され、生育可能である場合も、生育不能である場合もある。生育不能日用品としては、限定するものではないが、生育不能種子および穀物、加工された種子、種子部分および植物部分、脱水した植物組織、凍結した植物組織および加工した植物組織、陸生および/または水生動物の消費のための動物の飼料用に加工された種子および植物部分、油、粗びき粉、細粉、フレ−ク、ふすま、繊維および人間が消費するためのその他の任意の食物ならびにバイオマスおよび燃料生成物が挙げられる。加工されたアルファルファは、世界のマメ科牧草の最大の供給源である。事象KK179−2を含む植物は、よって、アルファルファ植物から通常確保される任意の日用品の製造に使うことができる。事象KK179−2を含む植物由来のかかる日用品はいずれも、事象KK179−2に対応する特異的かつ特有なDNAを少なくとも検出可能な量含有し得、具体的には、配列番号1の連続的ヌクレオチドおよび配列番号2の連続的ヌクレオチドのヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを検出可能な量含有し得る。本明細書に開示される検出方法も含め、ポリヌクレオチド分子に対する標準的ないかなる検出方法も使用してよい。日用品に配列番号1の連続的ヌクレオチドまたは配列番号2の連続的ヌクレオチドが検出可能な量存在している場合、その日用品は本発明の範囲内である。
【0064】
本発明の植物、子孫、種子、植物細胞、植物部分(花粉、胚珠、莢、花、根または茎組織および葉など)および日用品は、したがって、農業目的の事象KK179−2を含む種子および/または植物部分を産生する目的での植物の栽培、植物育種および研究目的のための事象KK179−2を含む子孫の生産、産業および研究の的のための微生物学技術での利用、および消費者への販売にとりわけ有用である。
【0065】
本発明は、リグニンの低減した植物および事象KK179−2を含む植物を生成するための方法を提供する。事象KK179−2植物は、米国特許第5,914,451号に記載されているのと類似したアグロバクテリウム媒介形質転換方法により、同系交配のアルファルファ株を構築体pFG118と一緒に使うことで生成された。構築体pFG118は、アルファルファ植物細胞中のCCOMT酵素の下向き調節のための植物抑制カセットを含む。形質転換アルファルファ細胞は、無傷のアルファルファ植物へと再生され、個々の植物は、導入遺伝子カセットの完全性、構築体の骨格配列の欠如、リンクされていないカナマイシン耐性選択カセットの欠失など、望ましい分子特性を示す、独立に形質転換された形質転換植物の集団から選択された。さらに、インバースPCRおよびDNA配列解析が実施され、5’および3’の挿入物から植物へのゲノム連結部が求められ、挿入物内での要素の編成が確認され(図1)、さらにアルファルファ事象KK179−2における挿入物の完全なDNA配列(配列番号5)が求められた。さらに、野外条件下で、リグニンの減少について形質転換植物をスクリーニングして、選択した。pFG118の抑制カセットをそのゲノム中に含むアルファルファは、本発明の態様である。
【0066】
形質転換事象KK179−2を含む、リグニンの低減した植物を生成するための方法が提供される。これらの方法で用いられる形質転換植物は、導入遺伝子に対してヘテロ連結であってもよい。これらの方法により生成される子孫植物は、変種またはハイブリッド植物であってよく、植物により生成される種子からおよび/または事象KK179−2を含む植物からの花粉によって受粉される植物によって生成される、事象KK179−2を含む種子から生育してよく、導入遺伝子に対してホモ連結であっても、ヘテロ連結であってもよい。子孫植物は、導入遺伝子に対してホモ連結の植物など、真の育種系統の植物を生成するために、後に自家受粉されてもよく、あるいは異型交配、例えば、関係のない別の植物と交配するなどして、変種またはハイブリッドの種子または植物を生成してもよい。本明細書中で用いられる場合、「連結状態」という用語は、植物中の特定の染色体位置(遺伝子座)にあるDNAの類似性を指す。本発明において、DNAは、具体的には、連結配列(事象DNA)と一緒に導入遺伝子を指す。連結配列を有する導入遺伝子挿入物が、染色体対(4つの対立遺伝子)の各染色体上の同一位置に存在する。連結配列を有する導入遺伝子挿入物が、染色体対(1つの対立遺伝子)の1つの染色体上にのみ存在する場合に、ヘテロ連結とみなされる。野生型植物は事象DNAに対しては欠損している。
【0067】
これらの方法によりもたらされ、これらの方法を使用して生成される子孫植物および種子は、例えば、子孫植物および種子は組換えであり、したがって人間の介入により作成されており、本発明の形質転換DNAから成る少なくとも1つの対立遺伝子および/または配列番号1の連続するヌクレオチドまたは配列番号2の連続するヌクレオチドから成る群から選択されるポリヌクレオチド配列の検出可能な量を含んでいるため、他の植物とは異なる。種子は個々の子孫植物から選択されてよく、種子は配列番号1または配列番号2を含んでいる限り、本発明の範囲内にある。
【0068】
本発明の植物、子孫、種子、植物細胞、植物部分(花粉、胚珠、莢、花、根または茎組織および葉など)および日用品は、DNAの組成、遺伝子発現および/またはタンパク質発現について評価され得る。かかる評価は、PCR、配列決定、ノ−ザンブロット法、サザン解析、ウエスタンブロット法、免疫沈降法およびELISAなどの種々の方法を使用するか、または本明細書中に規定される検出方法および/または検出キットを用いることにより、実施され得る。
【0069】
試料における事象KK179−2に特異的な組成物の存在を検出する方法が提供される。1つの方法は、事象KK179−2を含む細胞、組織、種子、植物または植物部分に特異的かつそれらに由来のDNAの存在を検出することから成る。この方法では、増幅に適切な条件に供すると、事象KK179−2 DNAからのアンプリコン、特に配列番号1および/もしくは配列番号2、またはこれらの相補体を含むアンプリコンを生成することの可能なプライマー対と接触させるためのテンプレートDNA試料が提供される。テンプレートDNA分子が配列番号1または配列番号2の特異的かつ特有なヌクレオチド配列を組み込んでいる限り、アンプリコンは事象KK179−2由来のテンプレートDNA分子から生成される。アンプリコンの生成で使用するために選択されたポリメラーゼに応じて、アンプリコンは1本鎖または2本鎖のDNAまたはRNAである。この方法は、かかる任意の増幅反応で生成されたアンプリコン分子を検出し、アンプリコンの配列内で、配列番号1もしくは配列番号2に対応するヌクレオチド、またはこれらの相補体の存在を確認できるようにしている。アンプリコンにおいて、配列番号1および/もしくは配列番号2に対応するヌクレオチド、またはアンプリコン中のこれらの相補体の検出は、試料において、事象KK179−2に特異的なDNA、および事象KK179−2を含む生物学的物質の存在に対して決定決定的および/または判定に特徴的なものである。
【0070】
植物または植物組織由来の物質から成る試料において、配列番号3または配列番号4に対応するDNA分子の存在を検出するためのもう1つの方法が提供される。その方法は(i)植物からまたは異なる植物の群からDNA試料を入手すること、(ii)DNA試料を配列番号1または配列番号2のいずれかとして規定されたヌクレオチドを含むDNAプローブ分子と接触させること、(iii)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、プローブとDNA試料がハイブリダイズできるようにすること、および次に(iv)プローブと標的DNA試料とのハイブリダイゼーション事象を検出することから成る。ハイブリッド組成物の検出は、場合によって、DNA試料における配列番号3または配列番号4の存在の判定に特徴的である。あるいはハイブリダイゼーションの非存在は、適切な陽性対照が同時に実行されている場合、試料中での形質転換事象の非存在の判定に特徴的である。あるいは、特定の植物が、配列番号1もしくは配列番号2に対応する配列のどちらか一方もしくは両方、またはそれらの相補体を含むと判定することは、その植物が事象KK179−2に対応する少なくとも1つの対立遺伝子を含むことの決定要因である。
【0071】
よってポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、または核酸プローブを用いるDNAハイブリダイゼーションのようないずれか周知の核酸検出方法によって、本発明の核酸分子の存在を検出することが可能である。事象特異的なPCRアッセイは、例えば、Taverniersら(J. Agric. Food Chem.,53:3041−3052,2005年)によって記載されており、その中で、形質転換トウモロコシ系統Bt11、Bt176、およびGA21ならびに形質転換事象RT73の事象特異的トレーシング系が示されている。この研究においては、事象特異的なプライマーおよびプローブが各事象のゲノム/形質転換遺伝子の連結部の配列に基づいて設計された。また、形質転換植物事象特異的DNAの検出方法は、米国特許第7,632,985号;第7,566,817号;第7,368,241号;第7,306,909号;第 7,718,373号;第 7,189,514号、第 7,807,357号および第7,820,392号にも記述されている。
【0072】
DNA検出キットが提供される。1つの種類のキットは、試料における形質転換事象KK179−2由来のDNAの存在を検出するための特異的なDNAプライマーまたはプローブとして機能するのに十分な長さの配列番号3、配列番号5または配列番号6の連続的ヌクレオチドの少なくとも1個のDNA分子を含む。キットで検出されるDNA分子は、配列番号1に規定される配列の連続的なヌクレオチドを含む。あるいは、キットは、試料における形質転換事象KK179−2由来のDNAの存在を検出するための特異的なDNAプライマーまたはプローブとして機能するのに十分な長さの配列番号4、配列番号5または配列番号6の連続的ヌクレオチドの少なくとも1個のDNA分子を含み得る。キットで検出されるDNA分子は、配列番号2に規定される配列の連続的なヌクレオチドを含む。
【0073】
代替のキットは、標的DNA試料を上述のようなプライマー対に接触させた後、配列番号1および配列番号2の連続的ヌクレオチドを含むアンプリコンを生成するのに十分な核酸増幅反応を実行する方法を使用する。アンプリコンの検出およびアンプリコンの配列内での配列番号1および配列番号2の連続的ヌクレオチド、またはそれらの相補体の検出は、DNA試料における事象KK179−2特異的DNAの存在の判定に特徴的である。
【0074】
試料中の事象KK179−2DNAに特異的かつ特有なDNAの存在またはさらには非存在を判定、検出または診断するのに有用なDNAプローブとして使用するのに十分なDNA分子が提供される。DNA分子は、配列番号1の連続的ヌクレオチドまたはその相補体および配列番号2の連続的ヌクレオチドまたはその相補体を含む。
【0075】
核酸増幅はサーマルおよびアイソサーマル増幅方法を含め、当業で既知の種々の核酸増幅方法のいずれによっても達成することができる(ATCC PTA−11883として寄託されている事象KK179−2を含む代表的な種子試料を有する)。事象KK179−2からの異種DNA挿入物の配列、連結配列またはフランキング配列は、本明細書中に提供される配列に由来するプライマーを用いて、事象からのかかる配列を増幅し、次いで、アンプリコンまたはクローンしたDNAの標準DNA配列決定を行うことにより、確認することができる。
【0076】
これらの方法によって生成されたアンプリコンは、複数の技術によって検出し得る。かかる1つの方法は、隣接するフランキングゲノムDNA配列および挿入されたDNA配列の双方をオーバーラップさせるDNAオリゴヌクレオチドが設計されているGenetic Bit Analysis(Nikiforovら,Nucleic Acid Res. 22:4167−4175,1994年)である。そのオリゴヌクレオチドは、マイクロウェルプレートのウェルに固定化される。(挿入された配列における1つのプライマーおよび隣接したフランキングゲノム配列における1つのプライマーを用いた)対象の領域のサーマル増幅後に、1本鎖アンプリコンを固定化オリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、DNAポリメラーゼおよび期待された次の塩基に特異的な標識されたddNTPを用いて、単一塩基伸長反応のためのテンプレートとして機能できる。読み取りは、蛍光性またはELISAベースであり得る。蛍光性または他のシグナルの検出は、増幅、ハイブリダイゼーションおよび単一塩基伸長の成功による挿入物/フランキング配列の存在を示す。
【0077】
もう一つの方法は、Winge(Innov. Pharma. Tech. 00:18−24,2000年)によって記載されたピロシーケンス技術である。この方法において、隣接するゲノムDNAおよび挿入物DNA連結部をオーバーラップさせるオリゴヌクレオチドが設計される。そのオリゴヌクレオチドは、対象の領域からの1本鎖のアプリコンにハイブリダイズされ(挿入された配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列の1つのプライマー)、DNAポリメラーゼ、ATP、スルフリラーゼ、ルシフェラーゼ、アピラーゼ、アデノシン5’ホスホスルファートおよびルシフェリンの存在下でインキュベートされる。dNTPが個々に加えられ、その組み込みの結果、光シグナルがもたらされ、それが測定される。光シグナルは、増幅、ハイブリダイゼーションおよび単一または多重の塩基伸長の成功による導入遺伝子挿入物/フランキング配列の存在を示す。
【0078】
Chenら(Genome Res. 9:492−498,1999年)によって記載された蛍光偏光法は、アンプリコンを検出する目的に用いることができる方法である。この方法を用いて、ゲノムのフランキングおよび挿入されたDNA連結部をオーバーラップさせるオリゴヌクレオチドが設計される。このオリゴヌクレオチドは対象の領域からの1本鎖のアンプリコンにハイブリダイズされ(挿入DNAにおける1つのプライマーおよびフランキングゲノムDNA配列における1つのプライマー)、DNAポリメラーゼおよび蛍光標識されたddNTPの存在下でインキュベートされる。単一塩基伸長の結果、ddNTPの組み込みを生じる。組み込みは、蛍光測定器を用いて偏光の変化として測定できる。偏光の変化は、増幅、ハイブリダイゼーションおよび単一塩基伸長の成功による導入遺伝子挿入物/フランキング配列の存在を示す。
【0079】
TAQMAN(商標登録)(PE Applied Biosystems,Foster City,CA)も、製造者により提供された指示を使用して、DNA配列の存在を検出および定量する方法として用いることができる。簡単に言うと、ゲノムフランキングおよび挿入物DNA連結部をオーバーラップさせるFRETオリゴヌクレオチドプローブが設計される。FRETプローブおよび増幅プライマー(挿入物DNA配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列における1つのプライマー)が熱安定性ポリメラーゼおよびdNTPの存在下で循環する。FRETプローブのハイブリダイゼーションの結果、蛍光部分がFRETプローブ上の消光部分から離れて切断および遊離する。蛍光シグナルが、増幅およびハイブリダイゼーションの成功によるフランキング/導入遺伝子挿入物配列の存在を示す。
【0080】
分子標識は、Tyangiら(Nature Biotech.14:303−308,1996年)に記載されたように、配列検出に用いるために記載されている。簡単に言うと、フランキングゲノムおよび挿入物DNA連結部をオーバーラップさせるFRETオリゴヌクレオチドプローブが設計される。FRETプローブの特有な構造の結果、それは蛍光部分および消光部分を隣接に保つ二次構造を含む。FRETプローブおよび増幅プライマー(挿入物DNA配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列における1つのプライマー)が、熱安定性ポリメラーゼおよびdNTPの存在下で循環する。増幅の成功に続いて、標的配列へのFRETプローブのハイブリダイゼーションの結果、プローブ二次構造の除去ならびに蛍光部分および消光部分の空間的分離を生じ、それは蛍光シグナルの生成を生じる。蛍光シグナルは、増幅およびハイブリダイゼーションの成功によるフランキング/導入遺伝子挿入物配列の存在を示す。
【0081】
マイクロフルイディクス(米国特許出願公開第2006068398号、米国特許第6,544,734号)など、他の記載された方法は、DNA試料を分離および増幅する方法および装置を提供する。特定のDNA分子を検出および定量するために光学色素が用いられる(国際公開第05/017181号)。ナノチューブ装置(国際公開第06/024023号)は、特定のDNA分子を連結した後、検出され得るDNA分子またはナノビーズの検出のための電子センサーを含む。
【0082】
DNA検出キットを、本明細書に開示された組成物、およびDNA検出の当該技術分野において周知の方法を用いて開発できる。キットは、試料中の事象KK179−2の特定に有用であり、適切な事象DNAを含む植物を育種するための方法に適用できる。キットは、配列番号1〜6またはそのフラグメントもしくは相補体に相同性または相補的であるDNAプライマーもしくはプローブを含み得る。
【0083】
したがって、本発明のキットおよび検出方法は、事象KK179−2の特定、事象KK179−2を含む植物品種またはハイブリッドの選択、試料中の事象KK179−2由来のDNAの存在の検出、ならびに事象KK179−2または事象KK179−2を含む植物、植物部分もしくは日用品の存在および/または非存在についての試料の監視にとりわけ有用である。
【0084】
以下の実施例は本発明のある種の好ましい実施形態の例を示すために含まれる。以下の実施例において開示される技術は、本発明者が本発明の実施に良好に機能することを見出したアプローチを表すものであり、よって、その実施についての好ましい様式の例を構成し得るとみなせることは、当業者によって理解されるであろう。しかしながら、当業者であれば、本開示に鑑みて、多数の変更を開示された特定の実施形態に加えることが可能であり、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、同様または類似の結果を依然として得ることが可能であることを理解するであろう。
【実施例】
【0085】
実施例1:インバースPCRを使用したフランキング配列の単離および配列決定によるフランキング配列の特定
この実施例は、事象KK179−2に対して、インバースPCRを用いた、形質転換DNA挿入物に隣接する(フランキング)アルファルファゲノムDNA配列の単離および配列決定によるそのフランキングゲノム配列の特定について記述する。
【0086】
Ochmanらによって、1990年に(PCR Protocols: A guide to Methods and Applications, Academic Press,Inc.)記述されている要領で、事象KK179−2中のT−DNA挿入物に隣接する配列を、インバースPCRを用いて決定した。植物ゲノムDNAを野生型R2336と温室条件下で育成された組織からの形質転換系列の両方から単離した。凍結した葉組織を液体窒素中で乳棒と乳鉢を使うか、または機械的研磨によりすり砕き、次いで、当該技術分野で知られている方法を用いてDNAを抽出した。限定されないが、種子を含む任意の組織からのDNA抽出のために、この方法には、当業者によって改変を加えることができる。
【0087】
各試料からのDNAのアリコートを、形質転換DNAの制限解析に基づいて選択された制限エンドヌクレアーゼによって消化した。制限フラグメントの自己連結後、形質転換DNAの5’終端および3’終端から離れる方向に伸張する配列を増幅するであろう、形質転換配列から設計したプライマーを使用してPCR増幅を実行した。多種多様なTaqポリメラーゼおよび増幅系を用いることができる。表2に、Phusion High Fidelity DNA Polymerase(カタログ番号F531SまたはF531L、New England Biolabs)およびThermalcyclers Applied Biosystems GeneAmp 9700、ABI 9800 Fast Thermal CyclerおよびMJ Opticonを使用したフランキング配列単離のためのPCR増幅の例を示す。
【0088】
【表1】
【0089】
PCR産物をアガロース・ゲル電気泳動によって分離し、QIAGENゲル精製キット(Qiagen,Valencia,CA)を用いて精製した。標準的な配列決定プロトコルを用いて以降の産物の配列を直接的に決定した。これらの2つの方法を使用して、CCOMT抑制カセットを含め、組み込みDNA挿入物の左側境界配列に向かって伸張する5’フランキング配列を特定し、配列番号3として示す(図1の[C])。CCOMT抑制カセットを含め、組み込みDNA挿入物の右側境界配列に向かって伸張する3’フランキング配列を特定し、配列番号4として示す(図1の[D])。R2336ゲノムDNAに組み込まれる形質転換DNAを配列番号5(図1の[E])として示す。
【0090】
単離した配列をT−DNA配列と比較して、フランキング配列および同時に単離したT−DNAフラグメントを特定した。発現カセット存在の確認は、推定フランキング配列データおよび公知のT−DNA配列に基づいて設計したプライマーを用いたPCRによって行った。形質転換系統においてT−DNAが組み込まれた同一の領域に対応するR2336野生型配列を、KK179−2中のフランキング配列から設計したプライマーを用いて単離した。KK179−2のフランキング配列およびR2336野生型配を複数のヌクレオチドおよびタンパク質データベースに対照して解析した。この情報を用いて、植物ゲノムに対する導入遺伝子の関係を調査し、挿入部位整合性を見た。実施例2に記載した要領で、フランキング配列および野性型配列を用いて、その事象を特定するために用いたTAQMAN(登録商標)エンドポイントアッセイ用プライマーを設計した。
【0091】
実施例2
実施例2:事象特異的エンドポイントTAQMAN(登録商標)
この実施例は、試料中の事象KK179−2DNAを特定するための事象特異的エンドポイントTAQMAN(登録商標)サーマル増幅法を記載する。
【0092】
事象KK179−2に特異的なエンドポイントTAQMAN(登録商標)法で有用な条件の例が、表2および表3に記述されている。エンドポイントアッセイに用いるDNAプライマーは、プライマーSQ20901(配列番号7)およびSQ23728(配列番号8)、ならびに6FAM(商標)標識オリゴヌクレオチドプローブPB10164(配列番号9)である。6FAM(商標)は、そのDNAプローブに連結したApplied Biosystems(Foster City,CA)の蛍光色素製品である。TAQMAN(登録商標)MGB(Minor Groove Binding)プローブについて、Taq DNAポリメラーゼの5’エキソヌクレアーゼ活性はフルオロフォアと消光剤との間で5’−終端からプローブを切断する。標的DNA鎖にハイブリダイズした場合、消光剤およびフルオロフォアは、蛍光シグナルを生成するのに十分に分離する。
【0093】
プライマーSQ20901(配列番号7)およびSQ23728(配列番号8)は、プローブPB10164(配列番号9)とともに、記述された要領で用いられると、事象KK179−2 DNAに特徴的な81ntのアンプリコンを生成する。この解析は、事象KK179−2 DNAを含むことが知られているアルファルファからの陽性対照、非形質転換アルファルファからの陰性対照、およびテンプレートDNAを含まない陰性対照を含む。
【0094】
これらのアッセイは、Applied Biosystems GeneAmp PCR9700、ABI 9800 Fast Thermal CyclerおよびMJ Research DNA Engine PTC−225での使用に合わせて最適化されている。事象KK179−2 DNAを特定するアプリコンの生成のために、当業者に既知の他の方法および装置を用いてもよい。
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
上に開示し、特許請求の範囲に列挙する代表的なアルファルファ事象KK179−2種子は、ブタペスト条約に従って、米国培養細胞系統保存機関(ATCC),10801 University Boulevard,Manassas,VA. 20110に寄託されている。ATCC受託番号はPTA−11833である。寄託は、30年間、または最後の請求後5年間、または特許権の有効期間のうち、いずれか長い期間、寄託機関に保管され、この期間中、必要に応じて入れ替えられることもある。
【0098】
本発明の原理を例示または記載してきたが、当業者には、かかる原理から逸脱することなく、本発明の構成や詳細を変更できることは明白であろう。発明者らは、添付した特許請求の範囲の趣旨および範囲にあるすべての変更を特許請求する。
【0099】
実施例3
実施例3:低減リグニンアルファルファ事象の茎下部におけるADLの測定
【表4】
表中に用いられている略語:
ADL=酸性デタージェントリグニン、乾燥物資の%。
LSD=最小有意差。
FD=秋眠。
KK179=KK179−2低減リグニンアルファルファ誘導事象。
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)。
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)。
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間。
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間。
P値 =帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0100】
表4の事象陽性植物は、プールされた陰性対照と比較して、茎下部のADLに18〜31%の範囲にわたる有意な(p0.05)減少を示した。KK179−2アルファルファ事象は「スイートスポット」選択法により特定される低減したリグニン表現型を有する。
【0101】
【表5】
表中に用いられている略語:
ADL=酸性デタージェントリグニン、乾燥物資の%。
LSD=最小有意差。
FD=秋眠。
KK179=KK179−2低減リグニンアルファルファ誘導事象。
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)。
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)。
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間。
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間。
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0102】
【表6】
表中に用いられている略語:
ADL=酸性デタージェントリグニン、乾燥物資の%。
LSD=最小有意差。
FD=秋眠。
KK179=KK179−2低減リグニンアルファルファ誘導事象。
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)。
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)。
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間。
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間。
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0103】
【表7】
表中に用いられている略語:
ADL=酸性デタージェントリグニン、乾燥物資の%
LSD=最小有意差
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0104】
【表8】
表中に用いられている略語:
ADL=酸性デタージェントリグニン、乾燥物資の%
LSD=最小有意差
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0105】
表6〜8は、それぞれ4箇所および2箇所での秋眠(FD)および非休眠(ND)生殖質での茎下部のADLについての2009のデータを示している。6つの事象陽性系列は、プールされた陰性対照と比較して、ADLに12〜26%の範囲にわたる有意な(p0.05)低減を示し、誘導事象KK179はADLに18〜22%の低減を示した。
【0106】
実施例4
実施例4:低減したグニンアルファルファ事象の茎下部でのNDFD測定
【表9】
表中に用いられている略語:
NDFD=中性デタージェント繊維消化率、NDFの%(NDF=中性デタージェント繊維。植物細胞壁の不消化成分および難消化成分を表す(セルロース、ヘミセルロース、リグニン(単位=乾燥物資の%))。
FD=秋眠。
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象。
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)。
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間。
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間。
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0107】
3箇所での秋眠(FD)生殖質の6つの低減リグニン事象に対する茎下部のNDFD。事象陽性植物は、プールされた陰性対照と比較して、茎下部のNDFDに18〜35%の範囲にわたる有意な(p0.05)増加を示した。
【0108】
【表10】
表中に用いられている略語:
NDFD=中性デタージェント繊維消化率、NDFの%(NDF=中性デタージェント繊維。植物細胞壁の不消化成分および難消化成分を表す(セルロース、ヘミセルロース、リグニン(単位=乾燥物資の%))。
FD=秋眠。
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象。
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)。
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間。
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間。
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0109】
【表11】
表中に用いられている略語:
NDFD=中性デタージェント繊維消化率、NDFの%(NDF=中性デタージェント繊維。植物細胞壁の不消化成分および難消化成分を表す(セルロース、ヘミセルロース、リグニン(単位=乾燥物資の%))。
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象。
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)。
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)。
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間。
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間。
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0110】
【表12】
表中に用いられている略語:
NDFD=中性デタージェント繊維消化率、NDFの%(NDF=中性デタージェント繊維。植物細胞壁の不消化成分および難消化成分を表す(セルロース、ヘミセルロース、リグニン(単位=乾燥物資の%))
FD=秋眠
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0111】
【表13】
表中に用いられている略語:
NDFD=中性デタージェント繊維消化率、NDFの%(NDF=中性デタージェント繊維。植物細胞壁の不消化成分および難消化成分を表す(セルロース、ヘミセルロース、リグニン(単位=乾燥物資の%))
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0112】
表11〜13は、それぞれ4箇所と2箇所での秋眠(FD)および非休眠(ND)生殖質における茎下方NDFDの2009年のデータを示している。6つの事象陽性低減リグニンアルファルファ事象は、プールされた陰性対照と比較して、NDFDに22〜36%の範囲にわたる有意な(p0.05)増加を示し、誘導事象KK179−2はNDFDに22〜28%の増加を示した。
【0113】
実施例5
実施例5:低減リグニンアルファルファ事象に対する生長力評価
【表14】
【0114】
これらの試験に対して採集されたデータは次の通りである:春季スコアとして前回の収穫の21日後および5月の第2週に計測した植物生長力(1〜10で採点、10が最高)、季節ごとに収穫の1〜5日前に計測した倒伏耐久力(1〜10で採点、10 は完璧に直立)。植物を乾燥した後に計測した植物収量(1植物当たりの乾燥物質(DM)のグラム数)、NDFD(RLアルファルファに対してCAI NIRキャリブレーションを使用)およびADL(RLアルファルファに対してNIR較正を使用)。
【0115】
実施例6
実施例6:低減リグニンアルファルファ事象に対する植物全体におけるADL測定
【表15】
表中に用いられている略語:
ADL=酸性デタージェントリグニン、乾燥物資の%
LSD=最小有意差
FD=秋眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0116】
【表16】
表中に用いられている略語:
ADL=酸性デタージェントリグニン、乾燥物資の%
LSD=最小有意差
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0117】
【表17】
表中に用いられている略語:
ADL=酸性デタージェントリグニン、乾燥物資の%
LSD=最小有意差
FD=秋眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0118】
4箇所に渡る、2009年からの植物全体のADLデータを表17および表19に示す。秋眠生殖質における6つの低減リグニン陽性事象は、プールされた陰性対照と比較して、ADLに8〜19%の間で変動する有意な(p0.05)減少を示した。事象KK179−2は、秋眠生殖質において、ADLにそれぞれ9.8%および9.45の低減を示した。
【0119】
【表18】
表中に用いられている略語:
ADL=酸性デタージェントリグニン、乾燥物資の%
LSD=最小有意差
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0120】
2箇所に渡る、2009年からの植物全体のADLデータを表18および表20に示す。非休眠生殖質における6つの低減リグニン陽性事象は、プールされた陰性対照と比較して、ADLに10〜16%の間で変動する有意な(p0.05)減少を示した。6つの事象の5つは、プールされた陰性対照と比較して、ADLに10〜18%の間で変動する有意な減少を示した。事象KK179−2は、秋眠生殖質において、ADLにそれぞれ12.3%および10.9%の低減を示した。
【0121】
【表19】
表中に用いられている略語:
ADL=酸性デタージェントリグニン、乾燥物資の%
FD=秋眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0122】
【表20】
表中に用いられている略語:
ADL=酸性デタージェントリグニン、乾燥物資の%
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0123】
表19および20は、商用チェックと比較した、低減リグニンアルファルファ事象KK179−2の植物の干草全体のADLデータを含む。KK179−2事象は、6.8〜16.7%の範囲にわたる4つの秋眠商用チェックの3つと比較して、ADLに有意な(p0.1))減少を示した(表19、4箇所からのデータ)。非休眠背景生殖質のKK179−2事象(ND1)は、7.6〜10.6%の範囲にわたる4つの非休眠商用チェックすべてと比較して、ADLに減少(p0.2)を示した(表20、2箇所からのデータ)。非休眠背景生殖質(ND2)のKK179−2事象は、4つの非休眠商用チェックと比較して、ADLに全体的な減少(p0.2)を示し、商用事象4(ND2、2箇所からのデータ)と比較して、有意な(p0.1)8.8%の減少を示した。
【0124】
実施例7:低減リグニンアルファルファ事象に対する植物全体におけるNDFD測定
【表21】
表中に用いられている略語:
NDFD=中性デタージェント繊維消化率、NDFの%(NDF=中性デタージェント繊維。植物細胞壁の不消化成分および難消化成分を表す(セルロース、ヘミセルロース、リグニン(単位=乾燥物資の%))
FD=秋眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0125】
【表22】
表中に用いられている略語:
NDFD=中性デタージェント繊維消化率、NDFの%(NDF=中性デタージェント繊維。植物細胞壁の不消化成分および難消化成分を表す(セルロース、ヘミセルロース、リグニン(単位=乾燥物資の%))
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0126】
【表23】
表中に用いられている略語:
NDFD=中性デタージェント繊維消化率、NDFの%(NDF=中性デタージェント繊維。植物細胞壁の不消化成分および難消化成分を表す(セルロース、ヘミセルロース、リグニン(単位=乾燥物資の%))。
FD=秋眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0127】
表23および25に、4箇所に渡る、2009年からの植物全体の NDFDデータを示す。秋眠生殖質における6つの低減リグニン陽性事象は、プールされた陰性対照と比較して、NDFDに7〜16%の範囲にわたる有意な(p0.05)増加を示した。事象KK179−2は、秋眠生殖質において、それぞれNDFDに7.5%および9.2%の増加を示した。
【0128】
【表24】
表中に用いられている略語:
NDFD=中性デタージェント繊維消化率、NDFの%(NDF=中性デタージェント繊維。植物細胞壁の不消化成分および難消化成分を表す(セルロース、ヘミセルロース、リグニン(単位=乾燥物資の%))
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0129】
表24および表26に、2箇所に渡る、2009年からの植物全体のNDFDデータを示す。非休眠生殖質における6つの低減リグニン陽性事象は、プールされた陰性対照と比較して、NDFDに8〜15%の範囲にわたる有意な(p0.1)増加を示した。事象KK179−2は、非休眠生殖質において、それぞれNDFDに14.0%および11.5%の増加を示した。
【0130】
【表25】
表中に用いられている略語:
NDFD=中性デタージェント繊維消化率、NDFの%(NDF=中性デタージェント繊維。植物細胞壁の不消化成分および難消化成分を表す(セルロース、ヘミセルロース、リグニン(単位=乾燥物資の%))
FD=秋眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0131】
【表26】
表中に用いられている略語:
NDFD=中性デタージェント繊維消化率、NDFの%(NDF=中性デタージェント繊維。植物細胞壁の不消化成分および難消化成分を表す(セルロース、ヘミセルロース、リグニン(単位=乾燥物資の%))
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0132】
表25および表26は、商用チェックと比較した、低減リグニンアルファルファ事象KK179−2の植物全体のNDFDデータを含む。KK179−2事象は、4つの秋眠商用チェックの3つと比較して、4.2〜16.8%の範囲にわたるNDFDに有意な(p0.2)増加を示した(表25、4箇所からのデータ)。KK179−2事象は、4つの非休眠商用チェック(ND1)すべてと比較して、9.8〜19.4%の範囲にわたりNDFDに増加(p0.2)を示した(表26、2箇所からのデータ)。KK179−2事象は、4つの非休眠商用チェック(ND2)と比較して、8.8〜16.3%の範囲にわたりNDFDに増加(p0.2)を示した(表26、2箇所からのデータ)。
【0133】
実施例8
実施例8:低減リグニンアルファルファ事象に対する場所横断収量解析
【表27】
表中に用いられている略語:
収量=植物単位で計算される収量(グラム)
FD=秋眠
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0134】
表27のデータは、プールした陰性対照と比較して、秋睡(FD)および非休眠(ND)生殖細胞質における6つの低減リグニン事象に対する場所横断収量解析を示す。プールされた陰性対照と比較してKK179−2について、収量に有意な減少は検出されなかった。
【0135】
【表28】
表中に用いられている略語:
収量=植物単位で計算される収量(グラム)
FD=秋眠
ND=非休眠
KK179=KK179−2削減リグニンアルファルファ誘導事象
デルタ=事象平均と対照平均の差(事象−対照)
%差=事象と対象とのパーセント差(デルタ/対照×100)
デルタLCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の上限信頼区間
デルタUCI@90%=アルファレベル0.10を使用したデルタ値の下限信頼区間
P値=帰無仮説下で大きな絶対差が得られる確率(両側有意性検定)。
【0136】
秋眠(FD)および非休眠(ND)生殖質における低減リグニンアルファルファ誘導事象に対する収量データは、8つの商用チェックと比較して、有意な収量の減少には帰結しなかった。
図1
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]