(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線部と、施設情報及び道路の幹線レベルを記憶する記憶部と、制御部と、を備えるサーバシステムが、通信可能に接続される、車両とともに携行される無線端末装置に対して施設情報を提供する施設情報提供方法であって、
前記制御部により、
前記記憶部から前記車両の現在走行中の道路の幹線レベルよりも低い幹線レベルの道路に面した施設情報を優先的に検索するように予め設定されている施設検索ステップと、
前記施設検索ステップにより検索された施設情報を前記無線端末装置に対して、前記無線部を介して送信する施設情報提供ステップと、
を備える施設情報提供方法。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明のナビゲーションシステムの好ましい一実施形態について、
図1〜
図5Gを参照しながら説明する。
【0026】
[ナビゲーションシステム100の機能構成]
本発明の好ましい一実施形態に係るナビゲーションシステム100の構成について説明する。
【0027】
図1に示すように、ナビゲーションシステム100は、車両に搭載される車載ナビゲーション装置1と、携帯端末2と、ナビゲーション用サーバシステム3と、施設用端末4と、を含んで構成される。なお、車載ナビゲーション装置1と携帯端末2は、どちらか一方でも両方が存在する場合でも、どちらでも良い。本実施例では、車載ナビゲーション装置1を主に説明するが、携帯端末2も同様の構成となる。
【0028】
車両に搭載される車載ナビゲーション装置1はPND等を含む。車載ナビゲーション装置1にはナビゲーション(ルート案内)等のソフトウェアがインストールされており、ユーザの要求に基づき、現在位置から目的地までのルート案内をおこなうことができる。
なお、ナビゲーション(ルート案内)等のソフトウェアは、予めインストールされていてもよい。また、ナビゲーション用サーバシステム3との送受信時に必要に応じて適宜ダウンロードされてもよい。
【0029】
携帯端末2は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PDA、ノートパソコン、その他の携帯可能な電子機器であって、無線通信機能を備える電子機器を含む。携帯端末2にはナビゲーション用のソフトウェアがインストールされており、ユーザの要求に基づき、現在位置から目的地までのルート案内をおこなうことができる。
なお、ナビゲーション用のソフトウェアは、予めインストールされていてもよい。また、ナビゲーション用サーバシステム3との送受信時に必要に応じて適宜ダウンロードされてもよい。
【0030】
ナビゲーション用サーバシステム3は、通信部32を介して、車載ナビゲーション装置1、携帯端末2、及び施設用端末4と情報の送受信を行う。ナビゲーション用サーバシステム3は、車載ナビゲーション装置1及び携帯端末2にユーザの現在位置情報に基づいて、ユーザの現在位置近辺に位置している施設で後述の基準に基づいた施設を優先順位をつけたうえで、施設を複数抽出して、車載ナビゲーション装置1及び携帯端末2に配信する。ナビゲーション用サーバシステム3は、車載ナビゲーション装置1及び携帯端末2による施設の決定に基づいて、当該施設を目的地としたルート情報を車載ナビゲーション装置1及び携帯端末2に配信する。
【0031】
本発明の実施形態では、ナビゲーション用サーバシステム3を1つのサーバとして記載するが、ナビゲーション用サーバシステム3の各機能を、適宜複数のサーバに分散する、分散処理システムとしてもよい。また、クラウド上で仮想サーバ機能等を利用して、ナビゲーション用サーバシステム3の各機能を実現してもよい。
【0032】
施設用端末4は、通信部42を介して、ナビゲーション用サーバシステム3と情報の送受信を行う。施設用端末4から、ナビゲーション用サーバシステム3に対して、ナビゲーション用サーバシステム3が配信する施設情報(例えば、当該施設情報の有効期間、配信時間帯、配信画像情報、商品役務情報、クーポン情報、空き情報等)をリアルタイムで入力することができる。
なお、施設情報は、一般的にはPOI (Point Of Interest)とも呼ばれている。
また、施設用端末4は、ナビゲーション用サーバシステム3から、顧客情報(例えば、当該施設を目的地として設定した車両又はユーザ情報、来店人数、到着予想時間、他の施設が目的地設定されているか否か等)をリアルタイム(例えば、照会、電子メールによる通知等)に受信することができる。また、施設用端末4は、ナビゲーション用サーバシステム3から、集客実績情報(例えば、ナビゲーションシステムによって当該施設に誘導された集客情報、クーポン利用情報等)や集客実績に基づいた施設への課金(課金情報)を照会すること、及びナビゲーション用サーバシステム3に顧客が施設を利用した実績等の施設利用情報を送信することができる。
【0033】
本発明の実施形態では、施設用端末4を1つのシステムとして記載するが、施設用端末4の各機能を、適宜複数のコンピュータに分散する、分散処理システムとしてもよい。また、クラウド上での仮想端末機能、仮想サーバ機能等を利用して、施設用端末4の各機能を実現してもよい。
【0034】
次にそれぞれの構成について説明する。
【0035】
<車載ナビゲーション装置1>
図2に示すように、車両に搭載される車載ナビゲーション装置1は、少なくとも、制御部10と、記憶部11と、無線部12と、センサ部13と、表示部14と、入力部15とを備える。
【0036】
制御部10はマイクロプロセッサ等から構成され、各構成部の制御をおこなう。詳細については、後述する。
【0037】
記憶部11は半導体メモリ等で構成されており、オペレーティングシステム(OS)やルート案内のための各プログラム、さらに地図情報や位置情報等、種々の情報が記憶される。なお、地図情報については、記憶部11に予め記憶しておく構成、又はナビゲーション用サーバシステム3から取得する構成でも良い。
【0038】
無線部12は、DSP(Digital Signal Processor)等を有し、3GやLTE等の携帯電話網に代表される無線通信網を通じて無線通信を行い、ナビゲーション用サーバシステム3と無線通信を行うことが可能に構成されている。
無線部12は、車両を識別する識別番号(以下、「車両ID」ともいう)、パスワード、車両の現在位置情報、及び施設情報の配信要求等をナビゲーション用サーバシステム3に送信し、ルート情報等をナビゲーション用サーバシステム3から受信することができる。
【0039】
センサ部13は、車両に備えられたGPSセンサ、車速センサ、ジャイロセンサ等から構成される。センサ部13は、現在位置を検出する位置検出手段としての機能を備え、GPSセンサによりGPS衛星信号を受信し、車両の現在位置(緯度及び経度)を測位する。また、車速センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ等を備えることにより自律航法によって車両の現在位置を測位することができ、GPSセンサがGPS衛星信号から測位できない場合に、これに代わって現在位置を測位することができる。
また、GPS通信が不可能な場合、AGPS(Assisted Global Positioning System)通信を利用し、無線部12から取得される基地局情報によって車両の現在位置を算出することも可能である。
【0040】
表示部14は、液晶ディスプレイ又は有機ELパネル等の表示デバイスにより構成され、制御部10からの指示を受けて画像を表示する。表示部15は、車両の現在位置、記憶部11から読み出された車両の現在位置周辺の地図情報、無線部12を介してナビゲーション用サーバシステム3から取得した施設情報、ユーザにより設定された目的地、ルート情報等の各種情報を表示することができる。
【0041】
入力部15は、テンキーと呼ばれる物理スイッチや表示部14の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置(図示せず)等で構成される。入力部15からの操作入力、例えばユーザによるテンキーの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御部10に出力することで、立ち寄る施設決定、地図の拡大縮小等の操作を行うことができる。
なお、この他、図示しないが、スピーカ16、マイク17を備えることができる。スピーカ16は、運転者に対して音声出力を行い、マイク17は、運転者によって発せられた音声等を集音する。
そうすることで、情報をスピーカ16から音声で出力し、マイク17を介して音声入力された運転者(又はユーザ)による各種の選択、指示を音声認識技術により、制御部10に入力することもできる。
【0042】
制御部10はCPU、RAM、ROM、I/O等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部11から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部11から情報を読み出し、RAM及び記憶部11に対して情報の書き込みを行い、無線部12、センサ部13、表示部14、及び入力部15と信号の授受を行う。
【0043】
制御部10は、各プログラム(以下、「ルート設定・案内アプリケーション」とも総称する)を実行することによって、車載ナビゲーション装置1を所定の手段(以下、「ルート設定・案内部」と総称する)として機能させる。例えば、ルート案内のためのプログラムを起動すると、センサ部12からの位置情報を使用することで現在位置を表示しながら右左折を指示するルート案内が可能となる。
また、制御部10は各プログラムを実行することによって、車載ナビゲーション装置1に、所定の手順(以下、「ルート設定・案内手順」と総称する)を実行させる。
【0044】
以下、制御部10の有する機能をルート設定・案内部の観点から説明する。なお、ルート設定・案内手順(方法)の観点に基づく説明は、「部」を「手順」に置き換えることで説明できるため、省略する。
【0045】
図2に示すように、制御部10は、接続処理部101と、位置情報更新部102と、情報配信設定部103と、施設設定部104と、ルート案内部105と、を備える。
【0046】
<自動起動>
車載ナビゲーション装置1は、運転者により車両のイグニッションスイッチがオン(エンジンを始動)にされることによって自動起動する。車載ナビゲーション装置1は、運転者により車両のイグニッションスイッチがオフ(エンジンを停止)にされるまで稼働する。
【0047】
<接続処理部101>
接続処理部101は、車載ナビゲーション装置1が自動起動されると、ナビゲーション用サーバシステム3に対して、例えば、車両を識別する識別番号(車両ID)及びパスワードを用いてログイン処理を実行し、センサ部13により算出した車両の現在位置情報、及び計時部(図示せず)から取得した現在時刻情報等をナビゲーション用サーバシステム3に送信する。
【0048】
<位置情報更新部102>
位置情報更新部102は、定期的に、車両ID、センサ部13により算出した車両の現在位置情報、及び計時部(図示せず)から取得した現在時刻情報等をナビゲーション用サーバシステム3に送信する。なお、送信される情報として、センサ部13により算出した車両の進行方向を含むことができる。
位置情報更新部102は、所定の時間間隔(例えば3秒間隔)で取得する車両の現在位置情報及び現在時刻情報等を、その都度リアルタイムにナビゲーション用サーバシステム3に送信するのではなく、複数個まとめて(例えば5分間分の車両の現在位置情報及び現在時刻情報等をまとめて)、一度に送信(いわゆるバースト送信)することができる。
なお、車両の現在位置情報等の取得時間間隔(例えば、3秒間隔)及び複数個まとめてバースト送信する場合の一度に送信する個数等については、予め設定することができる。
また、車両の進行方向を含めることで、後述するナビゲーション用サーバシステム3が、車両の現在位置から進行方向に一定距離内にある施設を候補として提示するようにしてもよい。そうすることで、車両の進行方向から車両を引き返す必要のある施設を候補として提示することを防ぐことが可能となる。
【0049】
なお、後述するルート案内部105により車両が目的地に到着したと判断してから、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)されるまでの間に、位置情報更新部102は、車両ID、センサ部13により算出した車両の現在位置情報、及び計時部(図示せず)から取得した現在時刻情報等をナビゲーション用サーバシステム3に送信することができる。
【0050】
<情報配信設定部103>
情報配信設定部103は、
図7Aに示すように、表示部14に、例えば「情報配信開始ON」ボタンを表示して、ユーザによる当該ボタンのタッチ操作により、情報配信開始をオンに操作された場合、無線部12を介して、情報配信開始要求を、ナビゲーション用サーバシステム3に送信する。ここで、情報配信開始要求は、少なくとも車両ID、センサ部13により算出した車両の現在位置情報、及び計時部(図示せず)から取得した現在時刻情報等を含む。なお、入力部15を介して、情報配信をオンにすることができる。
なお、例えば、施設のカテゴリー一覧を表示部14に表示し、ユーザに施設のカテゴリーを選択させることで、当該選択されたカテゴリーに属する施設の情報配信開始要求を行うことができる。
【0051】
情報配信設定部103は、情報配信開始要求をすることで、ナビゲーション用サーバシステム3から、例えば、車両の現在位置周辺及び走行ルート周辺に位置している施設で後述の基準に基づいた推薦施設に関する施設情報に関する施設情報を、予め設定された時間(例えば、30分間)、予め設定された時間間隔(例えば5分間隔)で受信する。
【0052】
<施設設定部104>
施設設定部104は、ナビゲーション用サーバシステム3から配信される、例えば車両の現在位置周辺及び走行ルート周辺に存在する推薦施設に関する施設情報を無線部12を介して受信する。なお、施設情報は、前述のとおり、予め設定された時間(例えば、30分間)に予め設定された時間間隔(例えば5分間隔)で配信される。
ここで、施設情報は、後述するように、例えば、施設の識別情報、名称、カテゴリー、電話番号、住所、例えば緯度経度等で特定される位置情報、施設の提供する商品役務等に関する情報、空き情報、及びクーポン券発行情報等を含むことができる。
例えば、
図7Bに示すように、施設設定部104は、配信された施設情報に基づいて、表示部14に、車両の現在位置周辺の地図上に施設の位置を表示する。
【0053】
車両に搭載される車載ナビゲーション装置1は、走行中の安全確保のため複雑な操作を禁止する機構(いわゆる、ドライバーディストラクション)が設けられている。
このため、車両停車中の場合において、施設設定部104は、ユーザのタッチパネルの操作又は入力部15の操作等の指示に応答して、表示部14に、ナビゲーション用サーバシステム3から配信された施設情報、例えば施設の提供する商品役務等に関する情報、空き情報、及びクーポン券発行情報等をスクロール可能に表示することができる。
そうすることで、車両停車中の場合において、施設設定部104は、ユーザに立ち寄りたい施設を選択させることができる。施設設定部104は、無線部12を介して、ユーザにより選択された施設を、ナビゲーション用サーバシステム3に送信することができる。
他方、車両走行中の場合、ドライバーディストラクション機構により、施設設定部104は、タッチパネルのタッチ操作又は入力部15の操作に基づいて、配信された施設情報、例えば施設の提供する商品役務等に関する情報、空き情報、及びクーポン券発行情報等をスクロールさせながら表示部14に表示させて、立ち寄る施設を選択させ、選択された施設を、ナビゲーション用サーバシステム3に送信する動作は制限される。
【0054】
なお、ナビゲーション用サーバシステム3から配信された施設情報をスピーカ16から音声で出力し、施設選択をマイク17を介して音声入力することで、音声認識技術により、制御部10に入力するように構成することもできる。
【0055】
<ルート案内部105>
ルート案内部105は、ナビゲーション用サーバシステム3から、施設設定部104によって選択された施設を目的地とするルート情報を無線部12を介して受信する。ルート案内部105は、受信したルート情報に基づいて、ルート案内を実行する。
なお、別実施例として、ルート情報は、ナビゲーション用サーバシステム3から受信するのに換えて、車載ナビゲーション装置1(例えば、ルート案内部105)により算出するようにしてもよい。
【0056】
なお、前述したように、ルート案内部105により車両が目的地に到着したと判断してから、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)されるまでの間に、位置情報更新部102は、車両ID、センサ部13により算出した車両の現在位置情報、及び計時部(図示せず)から取得した現在時刻情報等をナビゲーション用サーバシステム3に送信することができる。
【0057】
次に、携帯端末2について説明する。
<携帯端末2>
図3に示すように、携帯端末2は、少なくとも、制御部20と、記憶部21と、無線部22と、センサ部23と、表示部24と、入力部25とを備える。また、携帯端末2は、近距離通信部26を備えることができる。
【0058】
制御部20はマイクロプロセッサ等から構成され、各構成部の制御をおこなう。詳細については、後述する。
【0059】
記憶部21は半導体メモリ等で構成されており、オペレーティングシステム(OS)やルート案内のための各プログラム、さらに地図情報、道路リンク情報、及び位置情報等、種々の情報が記憶される。なお、ルート案内のための各プログラム、地図情報、道路リンク情報等については、記憶部21に予め記憶しておく構成でもよい。また、ナビゲーション用サーバシステム3から適宜取得する構成でも良い。
【0060】
無線部22は、DSP(Digital Signal Processor)等を有し、3GやLTE等の携帯電話網に代表される無線通信網を通じて無線通信を行い、ナビゲーション用サーバシステム3と無線通信を行うことが可能に構成されている。
無線部22は、携帯端末2の現在位置情報、サービス加入状態を識別するID(以下、「ユーザID」という)やパスワード、目的地として設定した施設情報等をナビゲーション用サーバシステム3に送信し、施設情報や施設の電子クーポン情報、さらにルート情報等をナビゲーション用サーバシステム3から受信することができる。
【0061】
センサ部23は、GPSセンサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ等から構成される。センサ部23は、現在位置を検出する位置検出手段としての機能を備え、GPSセンサによりGPS衛星信号を受信し、携帯端末2の現在位置(緯度及び経度)を測位する。
また、GPS通信が不可能な場合、AGPS(Assisted Global Positioning System)通信を利用し、無線部22から取得される基地局情報によって車両の現在位置を算出することも可能である。
【0062】
表示部24は、液晶ディスプレイ、又は有機ELパネル等の表示デバイスにより構成され、制御部20からの指示を受けて画像を表示する。表示部24は、携帯端末2の現在位置、記憶部21から読み出された携帯端末の現在位置周辺の地図情報、無線部22を介してナビゲーション用サーバシステム3から取得した施設情報、ユーザにより設定された目的地、ルート情報等の各種情報を表示する。
【0063】
入力部25は、テンキーと呼ばれる物理スイッチや表示部24の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置(図示せず)等で構成される。入力部25からの操作入力、例えばユーザによるテンキーの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御部20に出力することで、立ち寄る施設決定、地図の拡大縮小等の操作を行うことができる。
【0064】
携帯端末2は、例えばNFC(Near Field Communication)と呼ばれる非接触通信又は有線による近距離通信部26を備えることができる。
そして、車輌が近距離通信部を備え、例えば車両のECU(Electronic Control Unit)が携帯端末2と、近距離通信部26を介して、通信することができる場合、携帯端末2は、車両情報(例えば、車両ID、車両の種類やナンバープレート等の情報)や車両の状態(例えばイグニッションオンされた状態、走行状態、イグニッションオフされた状態等)を取得することができる。
【0065】
制御部20はCPU、RAM、ROM、I/O等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部21から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部21から情報を読み出し、RAM及び記憶部21に対して情報の書き込みを行い、無線部22、センサ部23、表示部24、及び入力部25と信号の授受を行う。
【0066】
制御部20は、各プログラム(以下、「携帯端末_ルート設定・案内アプリケーション」とも総称する)を実行することによって、携帯端末2に所定の手段(以下、「携帯端末_ルート設定・案内部」とも総称する)として機能させる。例えば、ルート案内のための各プログラムを起動すると、センサ部23からの位置情報を使用することで現在位置を表示しながら右左折等を指示ずるルート案内が可能となる。
また、制御部20はルート案内のための各プログラムを実行することによって、携帯端末2に、所定の手順(以下、「携帯端末_ルート設定・案内手順」とも総称する)を実行させる。
【0067】
以下、制御部20の有する機能を携帯端末_ルート設定・案内部の観点から説明する。なお、携帯端末_ルート設定・案内手順(方法)の観点に基づく説明は、「部」を「手順」に置き換えることで説明できるため、省略する。
【0068】
図3に示すように、制御部20は、携帯端末_接続処理部201と、携帯端末_位置情報更新部202と、携帯端末_情報配信設定部203と、携帯端末_施設設定部204と、携帯端末_ルート案内部205と、携帯端末_接続情報取得部206と、を備える。
【0069】
<携帯端末_接続処理部201>
携帯端末_接続処理部201は、ユーザにより、携帯端末_ルート設定・案内アプリケーションが起動されると、GPSセンサ等をONにして、ナビゲーション用サーバシステム3に対して、例えば、ユーザのサービス加入状態を識別するID(以下、「ユーザID」ともいう)及びパスワードを用いてログイン処理を実行するとともに、センサ部23により算出した携帯端末2の現在位置情報、及び計時部(図示せず)から取得した現在時刻情報等をナビゲーション用サーバシステム3に送信する。なお、送信情報として、後述する携帯端末_接続情報取得部206により車両のECUから取得した車両情報、車両の状態等を含むことができる。
ユーザにより、携帯端末2の携帯端末_ルート設定・案内アプリケーションの稼働を終了させることで、携帯端末_ルート設定・案内アプリケーションはその機能を停止する。
【0070】
<携帯端末_位置情報更新部202>
携帯端末_位置情報更新部202は、定期的に、ユーザID、センサ部23により算出した携帯端末2の現在位置情報、進行方向、及び計時部(図示せず)から取得した現在時刻情報等をナビゲーション用サーバシステム3に送信する。なお、送信情報として、後述する携帯端末_接続情報取得部206により車両のECUから取得した車両情報、車両の状態等を含むことができる。
【0071】
携帯端末_位置情報更新部202は、携帯端末2の携帯端末_ルート設定・案内アプリケーションが終了されるまで、ユーザID、センサ部13により算出した携帯端末2の現在位置情報、及び計時部(図示せず)から取得した現在時刻情報等を定期的にナビゲーション用サーバシステム3に送信する。
【0072】
携帯端末_位置情報更新部202は、所定の時間間隔(例えば3秒間隔)で取得する携帯端末2の現在位置情報及び現在時刻情報等を、その都度リアルタイムにナビゲーション用サーバシステム3に送信するのではなく、複数個まとめて(例えば5分間分の携帯端末2の現在位置情報及び現在時刻情報等をまとめて)、一度に送信(いわゆるバースト送信)することができる。
なお、携帯端末2の現在位置情報等の取得時間間隔及び複数個まとめてバースト送信する場合の一度に送信する個数等については、予め設定することができる。
【0073】
<携帯端末_情報配信設定部203>
携帯端末_情報配信設定部203は、表示部24に、例えば「情報配信開始ON」ボタンを表示して、ユーザによる当該ボタンのタッチ操作により、情報配信開始をオンに操作された場合、無線部22を介して、情報配信開始要求を、ナビゲーション用サーバシステム3に送信する。ここで、情報配信開始要求は、少なくともユーザID、センサ部23により算出したユーザ(携帯端末2)の現在位置情報、及び計時部(図示せず)から取得した現在時刻情報等を含む。なお、入力部25を介して、情報配信をオンにすることができる。
また、例えば、施設のカテゴリー一覧を表示部24に表示し、ユーザに施設のカテゴリーを選択させることで、当該選択されたカテゴリーに属する施設の情報配信開始要求を行うことができる。
【0074】
<携帯端末_施設設定部204>
携帯端末_施設設定部204は、ナビゲーション用サーバシステム3から配信される、例えばユーザの現在位置周辺及び走行ルート周辺に位置している施設で後述の基準に基づいた推薦施設に関する施設情報を無線部22を介して受信する。なお、施設情報は、前述のとおり、予め設定された時間(例えば、30分間)に予め設定された時間間隔(例えば5分間隔)で配信される。
ここで、施設情報は、前述したように、例えば、施設の識別情報、名称、カテゴリー、電話番号、住所、例えば緯度経度等で特定される位置情報、施設の提供する商品役務等に関する情報、空き情報、及びクーポン券発行情報等を含むことができる。
携帯端末_施設設定部204は、例えば
図7Bに示すように、配信された施設情報に基づいて、表示部24に、携帯端末2の現在位置周辺の地図に施設の位置を表示することができる。
【0075】
また、携帯端末_施設設定部204は、ユーザのタッチパネルの操作又は入力部25の操作等の指示に応答して、表示部24に、配信された施設情報、例えば施設の提供する商品役務等に関する情報、空き情報、及びクーポン券発行情報等をスクロール可能に表示することができる。
例えば、
図7Cに示すように、携帯端末_施設設定部204は、スクロール可能に表示された施設の中からユーザが立ち寄りたい施設を選択させることができる。携帯端末_施設設定部204は、無線部22を介して、ユーザにより選択された施設を、ナビゲーション用サーバシステム3に送信することができる。
【0076】
なお、携帯端末_施設設定部204は、選択された当該施設のクーポン情報等を、携帯端末2の記憶部に記憶する。
そうすることで、当該施設に入店した際に、当該施設のクーポン情報を表示部24に表示することで、クーポン情報記載の優待条件を受けることが可能となる。
また、例えば、
図7Dに示すように、ユーザによる利用ボタンのタッチ操作により、無線部12を介して、クーポン利用履歴情報(例えば、ユーザID、クーポン情報、現在地情報、時刻情報等)をナビゲーション用サーバシステム3に送信する。
【0077】
<携帯端末_ルート案内部205>
携帯端末_ルート案内部205は、携帯端末_施設設定部204によって選択された施設を目的地とするルート情報を無線部22を介して受信することができる。携帯端末_ルート案内部205は、受信したルート情報に基づいて、ルート案内を実行することができる。
携帯端末2によるルート案内を開始した場合は、ユーザが車両から下車後に、徒歩や公共交通機関を使用した場合でもルート案内を続けることが可能となる。
なお、別実施例として、ルート情報を、ナビゲーション用サーバシステム3から受信するのに換えて、携帯端末2(例えば、携帯端末_ルート案内部205)により算出するようにしてもよい。
【0078】
携帯端末2のルート案内部205によるルート案内を利用しない場合は、携帯端末_ルート案内部205のタスクを終了させてもよい。
【0079】
<携帯端末_接続情報取得部206>
携帯端末_接続情報取得部206は、近距離通信部26を介して、車両のECU(Electronic Control Unit)と通信することで、車両情報(例えば、車両ID、車両の種類やナンバープレート等の情報)や車両の状態(例えばイグニッションオンされた状態、走行状態、イグニッションオフされた状態等)を取得することができる。
携帯端末_接続情報取得部206は、車両のECUから取得した車両情報(例えば、車両ID、車両の種類やナンバープレート等の情報)や車両の状態(例えばイグニッションオンされた状態、走行状態、イグニッションオフされた状態等)を、無線部22を介して、ナビゲーション用サーバシステム3に送信することができる。
そうすることで、ナビゲーション用サーバシステム3は、携帯端末2を携行するユーザが車両に乗車しているか、当該車両がイグニッションオンされたか、当該車両が走行中であるか、当該車両がイグニッションオフされたか、等を判定することができる。
【0080】
次に、ナビゲーション用サーバシステム3について説明する。
<ナビゲーション用サーバシステム3>
図4に示すように、ナビゲーション用サーバシステム3は、少なくとも、制御部30と、記憶部31と、通信部32とを、さらに必要に応じて表示部34と、入力部35を備えている。
【0081】
制御部30はCPU、RAM、ROM、I/O等を有するプロセッサにより構成され、各構成部の制御をおこなう。CPUは、RAM、ROM又は記憶部31から読み出したナビゲーションのための各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部31から情報を読み出し、RAM及び記憶部31に対して情報の書き込みを行い、通信部32と信号の授受を行う。
詳細については、後述する。
【0082】
記憶部31は半導体メモリやハードディスクドライブ等で構成されており、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションと呼ばれるソフトウェアが保存される等、種々の情報が記憶される。このため、記憶部31には、ユーザ情報エリア311、ナビゲーション情報エリア312、施設情報エリア313、接続履歴情報エリア314、道路情報エリア315といった、様々な記憶エリアが確保されている。
【0083】
記憶部31のユーザ情報エリア311には、「車両ID」毎に車両情報(例えば、車両の種類やナンバープレート、車体のフレーム番号等の情報)を管理するとともに、「ユーザID」毎にユーザ情報(例えば、家族構成、年齢構成、現住所等)を管理する加入者情報データベース3111が記憶される。
また、記憶部31のユーザ情報エリア311には、携帯端末2のユーザID毎又は車両ID毎に設定されるマイページ(ユーザ毎又は車両毎に、目的地又は立ち寄り場所として設定された施設の目的地設定情報、当該施設の利用状況等)3112が保存されている。
【0084】
記憶部31のナビゲーション情報エリア312には、ナビゲーションのための地図情報、道路リンク情報等が予め格納されている。地図情報には、道路及び道路地図等の背景を表示するための表示用地図データ、ノード(例えば道路の交差点、屈曲点、端点等)の位置情報及びその種別情報、各ノード間を結ぶ経路であるリンクの位置情報及びその種別情報、全てのリンクのコスト情報(例えば距離、所要時間等)に関するリンクコストデータ等を含む道路ネットワークデータ等が含まれる。
【0085】
また、記憶部31のナビゲーション情報エリア312には、交通情報センタ等から受信する交通情報が当該交通情報を受信した記録時刻とともに記憶される。交通情報には、例えばリンク毎の走行車両数、走行所要時間、渋滞情報、交通規制情報、天候情報等の移動コストを左右する要素が含まれる。また、リンクの過去の交通情報等も記録されている。
【0086】
記憶部31の施設情報エリア313には、施設の識別情報(以下「施設ID」ともいう)、名称、カテゴリー、電話番号、住所、営業時間、緯度経度等で特定される位置情報、施設が飲食店であれば提供するメニュー、商品役務等に関する施設情報、空き情報、及びクーポン券発行情報等を含む施設情報が記憶されている。
また、施設情報は、当該施設が面している道路の識別情報を含むことができる。また、後述する道路情報エリア315に記憶される道路の幹線レベル情報とリンクすることができる。なお、当該道路の幹線レベル等を含むようにしてもよい。
【0087】
また、記憶部31の施設情報エリア313には、施設ID毎に施設の状況(例えば、施設の時間帯毎及びユーザ毎の施設への予約状況、空き状況等を示す予約情報等)が記憶される。
また、記憶部31の施設情報エリア313には、施設ID毎に当該施設の提供する電子クーポン等の割引情報であるクーポン情報が記憶される。
また、記憶部31の施設情報エリア313には、施設ID毎に当該施設情報の配信に関する条件(例えば、当該施設情報の有効期間、当該施設情報の配信時間帯等)が記憶される。
なお、ナビゲーション用サーバシステム3が配信する施設情報の内容(例えば、当該施設情報の有効期間、配信画像情報、商品役務情報、クーポン情報、空き状況等)及び当該施設情報の配信に関する条件(例えば、当該施設情報の有効期間、当該施設情報の配信時間帯等)については、施設用端末4からリアルタイムに入力更新することができる。
【0088】
また、記憶部31の施設情報エリア313には、施設毎に算出された集客実績情報(例えば、配信情報によって当該施設に誘導された集客情報、クーポン利用情報等)が記憶される。これらの情報は、施設用端末4から照会することができる。
【0089】
記憶部31の接続履歴情報エリア314には、車両に搭載される車載ナビゲーション装置1や携帯端末2から定期的に送信される位置情報、時刻情報、目的地情報、及び車両(又は携帯端末2)の進行方向等をユーザIDや車両ID毎に管理する接続履歴レコードが記憶される。
【0090】
記憶部31の道路情報エリア315には、ナビゲーション情報エリア312に格納された道路に対応して、各道路の幹線レベルを含む情報が記憶されている。ここで、幹線レベルとは、例えば、1〜n(n>1)の整数値であって、次のように設定することができる。
【0091】
<道路種別に基づく幹線レベル>
道路の種別に基づき、幹線レベルを設定することができる。より具体的には、道路種別が国道である場合には、高い幹線レベルを設定し、道路種別が国道から、都道府県道、市町村道となる段階で幹線レベルを下げて3段階(3〜1)で設定することができる。なお、市町村道をさらに、幹線1級市町村道、幹線2級市町村道、及びその他市町村道の3段階でレベルを分けて区分することで、国道、県道、幹線1級市町村道、幹線2級市町村道、及びその他市町村道の5段階(5〜1)でレベル分けしてもよい。以下、道路種別に基づく幹線レベルを「幹線レベル_道路種別」ともいう。
【0092】
<交通量の大小に基づく幹線レベル>
また、レベル付けの対象となる道路における交通量の大小に基づき、幹線レベルを設定することができる。より具体的には、プローブ機の搭載車両(プローブカー)からアップロードされる位置情報や道路に設置された交通量カウンタ等からの交通情報等を含むプローブ情報に基づいて、例えば、幹線レベル付けの対象となる道路の一定期間における交通量を算出する。
ここで、プローブ情報とは、プローブカーから、一定の時間毎、一定の走行区間毎に送られてくる当該プローブカーの位置情報、交通情報、走行履歴、走行速度のデータなどのことをいう。
例えば、所定の地域エリア内に存在する複数の道路に対して、各道路の一定期間の交通量による相対的な交通量の大小に基づき、幹線レベルを設定することができる。そうすることで、所定の地域エリア内において、各道路が全般的に交通量の多い場合であっても、逆に各道路が全般的に交通量の少ない場合であっても、相対的な交通量の大小に基づき、幹線レベルを設定することができる。なお、交通量の大小に基づく幹線レベルは、適宜(例えば、所定の期間毎に)見直すことが好ましい。以下、交通量の大小に基づく幹線レベルを「幹線レベル_交通量」ともいう。
また、交通量の絶対値に基づいて、幹線レベルを設定してもよい。この場合は、道路を走行している全ての車両がプローブカーとは限らないため、プローブカーの割合を予め設定して、交通量の絶対値を算出することができる。
【0093】
<地域住民の通行比率に基づく幹線レベル>
また、プローブ情報等を用いることで、地域住民の通行比率に基づいて、幹線レベルを設定することができる。より具体的には、車両(もしくはユーザ毎)に設定されている自宅情報(もしくは駐車場情報等)に基づき、プローブカーの現在走行している道路が、自宅から一定距離以内にあるか否かによって、当該プローブカーが地域住民の車両であるか、地域住民以外の車両であるか、を区分けすることができる。そうすることで、所定の地域エリア内に存在する複数の道路に対して、各道路の一定期間の交通量を地域住民の車両の交通量と地域住民以外の車両の交通量とに区分して集計することができる。
各道路の幹線レベルを、地域住民の車両の交通量の割合に基づき、幹線レベルを設定することができる。すなわち、地域住民の車両の交通量の割合が低い(逆に地域住民以外の車両の交通量の割合が高い)道路の幹線レベルを高く設定し、地域住民の車両の交通量の割合が高い(逆に地域住民以外の車両の交通量の割合が低い)道路の幹線レベルを低く設定することができる。なお、地域住民の車両の交通量の割合に基づく幹線レベルは、適宜(例えば、所定の期間毎に)見直すことが好ましい。以下、地域住民の車両の交通量の割合に基づく幹線レベルを「幹線レベル_地域住民比率」ともいう。
【0094】
以上のように、一定の地域エリア内に存在する複数の道路に対して、幹線レベル_道路種別、幹線レベル_交通量、及び幹線レベル_地域住民比率をそれぞれ設定することができる。なお、幹線レベル_交通量、及び幹線レベル_地域住民比率については、適宜(例えば、所定の期間毎に)更新することが好ましい。
【0095】
<組み合わせに基づく幹線レベル>
また、これらの幹線レベルに重みづけをつけて、その合計値を算出し、合計値に基づいて、一定の地域エリア内に存在する複数の道路に対して、幹線レベルを設定することができる。以下、幹線レベルに重みづけをつけて算出する合計値に基づく幹線レベルを「幹線レベル_重みづけ」ともいう。
重みづけは、地域エリア毎に異なる値を採用することができる。また、例えば、ある地域エリアでは、幹線レベル_交通量、及び幹線レベル_地域住民比率に対する重みづけをゼロにすることにより、幹線レベル_重みづけが幹線レベル_道路種別に等しい値になるように設定することができる。同様に、例えば、ある地域エリアでは、幹線レベル_道路種別の重みづけ、及び幹線レベル_地域住民比率に対する重みづけをゼロにすることにより、幹線レベル_重みづけが幹線レベル_交通量に等しい値になるように設定することができる。同様に、例えば、ある地域エリアでは、幹線レベル_道路種別の重みづけ、及び幹線レベル_交通量に対する重みづけをゼロにすることにより、幹線レベル_重みづけが幹線レベル_地域住民比率に等しい値になるように設定することができる。
これらの幹線レベルについては、後述する幹線レベル情報作成更新部303によって作成、更新することができる。
【0096】
通信部32は、施設用端末4との送受信の場合に、有線通信(例えば、インターネット回線等)又は無線通信することができる通信プロトコルを実装する。
【0097】
制御部30はナビゲーションのための各プログラムを実行することによって、ナビゲーション用サーバシステム3に所定の手段(以下、「ナビゲーション制御部」と総称する)として機能させる。
また、制御部30はナビゲーションのための各プログラムを実行することによって、ナビゲーション用サーバシステム3に、所定のステップ(以下、「ナビゲーション制御ステップ」と総称する)を実行させる。
【0098】
以下、制御部30の有する機能をナビゲーション制御部の観点から説明する。なお、ナビゲーション制御ステップ(方法)の観点に基づく説明は、「部」を「ステップ」に置き換えることで説明できるため、省略する。
【0099】
図4に示すように、制御部30は、ログイン処理部301と、現在位置情報処理部302と、幹線レベル情報作成更新部303と、施設検索部304と、施設情報提供部305と、ルート設定部306と、ルート通知部307と、判定部308と、利用実績作成部309と、加入者情報データベース作成部310と、課金処理部311と、を備える。
【0100】
<ログイン処理部301>
ログイン処理部301は、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2からのログイン処理を実行して、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2と接続処理を行うとともに、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2から送信される位置情報、時刻情報、進行方向、及び目的地情報等を管理するための接続履歴レコードを接続履歴情報エリア314に作成する。
また、ログイン処理部301は、施設用端末4からのログイン処理を実行する。
【0101】
<現在位置情報処理部302>
現在位置情報処理部302は、車載ナビゲーション装置1から定期的に送信される現在位置情報、時刻情報、車両の進行方向等、及び携帯端末2から定期的に送信される現在位置情報、時刻情報、携帯端末2の進行方向等を、それぞれ前述した接続履歴レコードに追加更新する。
また、車両が目的地に到着してから、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)されるまでの間に、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2から、送信される現在位置情報、時刻情報、車両の進行方向等を接続履歴レコードに追加更新する。
【0103】
<幹線レベル情報作成更新部303>
幹線レベル情報作成更新部303は、一定の地域エリア内に存在する複数の道路に対して、幹線レベル_道路種別、幹線レベル_交通量、幹線レベル_地域住民比率、及び幹線レベル_重みづけを作成して記憶する。
また、前述したように、プローブ情報等を用いることで、幹線レベル_交通量、幹線レベル_地域住民比率、及び幹線レベル_重みづけを、適宜(例えば、所定の期間毎に)更新することができる。
【0104】
<幹線レベル_道路種別の作成>
幹線レベル情報作成更新部303は、幹線レベル_道路種別については、公知の道路情報により、一定の地域エリア内に存在する複数の道路に対して、幹線レベル_道路種別を作成することができる。例えば、国道の幹線レベルを5、県道の幹線レベルを4、幹線1級市町村道の幹線レベルを3、幹線2級市町村道の幹線レベルを2、及びその他市町村道の幹線レベルを1とすることができる。なお、幹線レベルの値は、必要に応じて、適宜設定することができる。
【0105】
<幹線レベル_交通量の作成更新>
幹線レベル情報作成更新部303は、プローブ機の搭載車両(プローブカー)からアップロードされる車両情報、位置情報や走行履歴情報等を含むプローブ情報に基づいて、例えば、レベル付けの対象となる道路の一定期間における交通量を算出することができる。
より具体的には、幹線レベル情報作成更新部303は、プローブカーから一定の時間毎、一定の走行区間毎に送られてくる当該プローブカーの時間情報、位置情報、走行履歴、走行速度のデータ等からなるプローブ情報のデータベースを検索して、例えば、現時点までの一定の期間中における各地域エリア内に存在する各道路における交通量を算出することができる。
そうすることで、例えば幹線レベル情報作成更新部303は、例えば、現時点までの一定の期間中の各道路における交通量に比例して、5段階のレベルを当該道路に付与することができる。各道路を交通量の大きい順番にランク付けした場合に、例えば、道路が全体のランク付けの中で、上位から20%の範囲に入る場合に、当該道路の幹線レベル_交通量を5とし、道路が全体のランク付けの中で、上位から40%〜20%の範囲に入る場合に、当該道路の幹線レベル_交通量を4として、以下同様に、上位から60%〜40%の範囲に入る場合に幹線レベル_交通量を3に、上位から80%〜60%の範囲に入る場合に幹線レベル_交通量を2に、下位から20%の範囲に入る場合に、当該道路の幹線レベル_交通量を1にすることができる。なお、この幹線レベル_交通量の設定は、一例に過ぎず、交通量の多い道路の幹線レベル_交通量の値が交通量の少ない道路の幹線レベル_交通量の値以上となるような関数を適宜選択することができる。
なお、交通量の相対値に換えて、交通量の絶対値に基づいて、幹線レベル_交通量を設定してもよい。この場合は、道路を走行している全ての車両がプローブカーとは限らないことから、走行車両全体に占めるプローブカーの割合を予め設定して、交通量の絶対値を算出することが好ましい。
幹線レベル情報作成更新部303は、定期的に、プローブ情報のデータベースを検索して、例えば、現時点までの一定の期間中における各地域エリア内に存在する各道路における交通量を再算出し、再算出した交通量に基づいて、各地域エリア内に存在する各道路の幹線レベル_交通量を更新することができる。
【0106】
<幹線レベル_地域住民比率の作成更新>
幹線レベル情報作成更新部303は、プローブ機の搭載車両(プローブカー)からアップロードされる車両情報、位置情報や走行履歴等を含むプローブ情報等に基づいて、例えば、レベル付けの対象となる道路の一定期間における地域住民の車両の交通量と地域住民以外の車両の交通量を算出する。
より具体的には、幹線レベル情報作成更新部303は、一定の時間毎、一定の走行区間毎に送られてくるプローブカーの時間情報、位置情報、走行履歴、走行速度のデータ等からなるプローブ情報のデータベース、及び車両(もしくはユーザ毎)に設定されている自宅情報(もしくは駐車場情報等)等を含むプロファイル情報等を検索して、プローブカーの走行している道路が、自宅から一定距離以内にあるか否かによって、当該プローブカーが地域住民の車両であるか、地域住民以外の車両であるか、を区分けすることで、一定の地域エリア内に存在する複数の道路に対して、各道路の一定期間の交通量を地域住民の車両の交通量と地域住民以外の車両の交通量とに区分して集計し、地域住民以外の車両の交通量の比率を算出する。
そうすることで、幹線レベル情報作成更新部303は、例えば、現時点までの一定の期間中の各道路における地域住民以外の車両の交通量の比率に比例して、例えば、5段階のレベルを当該道路に付与することができる。例えば道路における地域住民以外の車両の交通量の比率が80%以上の場合に、当該道路の幹線レベル_地域住民比率を5とし、道路における地域住民以外の車両の交通量の比率が60%〜80%未満の場合に、当該道路の幹線レベル_地域住民比率を4として、以下同様に、40%〜60%未満の場合に幹線レベル_地域住民比率を3に、20%〜40%未満の場合に幹線レベル_地域住民比率を2に、20%未満の場合に、当該道路の幹線レベル_地域住民比率を1にすることができる。なお、この幹線レベル_地域住民比率の設定は、一例に過ぎず、地域住民以外の車両の交通量の比率の値の大きい道路の幹線レベル_地域住民比率の値が地域住民以外の車両の交通量の比率の値の小さい道路の幹線レベル_地域住民比率の値以上となるような関数を適宜選択することができる。
幹線レベル情報作成更新部303は、定期的に、プローブ情報のデータベース及びプロファイル情報等を検索して、例えば、現時点までの一定の期間中における各地域エリア内に存在する各道路における地域住民以外の車両の交通量の比率を再算出し、再算出した地域住民以外の車両の交通量の比率に基づいて、各地域エリア内に存在する各道路の幹線レベル_地域住民比率を更新する。
【0107】
<幹線レベル_重みづけ>
幹線レベル情報作成更新部303は、前述したように定期的に作成又は更新される、幹線レベル_道路種別、幹線レベル_交通量、幹線レベル_地域住民比率に予め設定された重みづけをかけて、その幹線レベル合計値を算出又は再算出する。
幹線レベル情報作成更新部303は、例えば、現時点までの一定の期間中の各道路における重みづけに基づく幹線レベル合計値に比例して、5段階のレベルを当該道路に付与することができる。各道路を重みづけに基づく幹線レベル合計値が大きい順番にランク付けした場合に、例えば、道路が全体のランク付けの中で、上位から20%の範囲に入る場合に、当該道路の幹線レベル_重みづけを5とし、道路が全体のランク付けの中で、上位から40%〜20%の範囲に入る場合に、当該道路の幹線レベル_重みづけを4として、以下同様に、道路が全体のランク付けの中で、上位から60%〜40%の範囲に入る場合に重みづけに基づく幹線レベル合計値が大きい方の上位から60%〜40%の範囲に入る場合に幹線レベル_重みづけを3に、上位から80%〜60%の範囲に入る場合に幹線レベル_重みづけを2に、下位から20%の範囲に入る場合に、当該道路の幹線レベル_重みづけを1にすることができる。なお、この幹線レベル_重みづけの設定は、一例に過ぎず、幹線レベル合計値の大きい道路の幹線レベル_重みづけの値が、幹線レベル合計値の小さい道路の幹線レベル_重みづけの値以上となるような関数を適宜選択することができる。
以上のように、幹線レベル情報作成更新部303は、ナビゲーション情報エリア312に格納された道路に対応して、各道路の幹線レベルを含む情報を作成更新して、記憶部31の道路情報エリア315に記憶する。
【0108】
<施設検索部304>
施設検索部304は、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2から通信部32を介して情報配信開始要求を受信したことに応答して、予め設定されている施設選択条件及び予め設定された時間間隔(例えば、5分間隔)で、車両の現在位置周辺及び走行ルート周辺に存在する推薦施設に関する施設情報の検索を開始する。なお、第1実施形態においては、施設選択条件として、現在走行中の道路の幹線レベルよりも低い幹線レベルの道路に面している施設を優先的に選択するように予め設定されている。
施設検索部304は、予め設定された時間間隔で、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2から受信した現在位置情報に基づいて、現在走行中の道路を、記憶部31のナビゲーション情報エリア312を参照することにより特定し、記憶部31の道路情報エリア314を参照して、現在走行中の道路に接続されている道路であって、予め設定された一定距離の範囲内(たとえば、5km)に存在し、現在走行中の道路の幹線レベルよりも低い幹線レベルの道路を検索する。なお、現在走行中の道路の幹線レベルが最低のレベル1の場合は、現在走行中の道路に接続されている道路であって、予め設定された一定距離の範囲内(たとえば、5km)に存在する、全ての幹線レベルの道路を検索するものとする。
続いて、施設検索部304は、当該検索された道路に面している施設を記憶部31の施設情報エリア313に記憶されている施設情報に基づいて検索する。
施設検索部304は、このようにして得られた施設情報を、例えば、それぞれの幹線レベル毎に、当該施設の面している道路の識別情報を含む施設情報を対応づけた形式でワーク領域に記憶し、施設情報提供部305に引き継ぐことができる。
【0109】
このように、施設検索部304は、前述したように、予め設定された時間(例えば、30分間)、予め設定された時間間隔(例えば5分間隔)で、予め設定されている施設選択条件に基づいて、推薦施設に関する施設情報を抽出する。
【0110】
<別実施例>
なお、別実施例として、施設検索部304が予め設定された時間(例えば、30分間)、予め設定された時間間隔(例えば5分間隔)で検索する実施形態に換えて、ユーザが、必要に応じて適宜、施設検索部304に対して検索要求するようにしてもよい。
【0111】
<施設情報提供部305>
施設情報提供部305は、施設検索部304により抽出した施設情報から、予め設定された提示条件にしたがって、提示する施設情報を選択する。
例えば、各幹線レベルに属する施設を幹線レベル毎に1か所ずつ抽出して提示するように構成してもよい。また、ユーザの所望する幹線レベルを入力させて、ユーザの所望する幹線レベルに応じた施設を選択して提示するように構成してもよい。さらに、各幹線レベルに属する施設を幹線レベルとともにランダムに選択して提示するように構成してもよい。また、幹線道路レベルの低い道路に面した施設を優先して選択して提示するように構成してもよい。この際、既に提示済みの施設については除くことが好ましい。そうすることで、重複を排除することができる。
このように、施設情報提供部305は、施設検索部304により抽出した施設情報から、予め設定された提示条件にしたがって選択した施設情報を車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2に通信部32を介して送信する。
【0112】
例えば、幹線道路に面している施設は、走行中に目に入るため、立ち寄る可能性が高いが、幹線道路に面していない施設は、気づかれないケースがある。また、幹線レベルが低い道路は、一般的に通りにくく、例えば道幅が狭いこと、道が入り組んでいること、カーブが多い等の要因が想定され、ユーザは、選択しにくい可能性が高い。このような場合、上記のように幹線レベルの低い道路に面した施設を優先して提示することで、幹線道路に面していない施設情報を優先的に配信することが可能となる。
施設にとっては新たな顧客を誘導することができ、ユーザにとっては、選択肢が増えるという効果がある。
また、施設にとっては、幹線道路に店舗や看板等を出さなくても顧客を誘導することが可能となるため、費用の削減、新たな顧客の獲得につながることが可能となる。また、ユーザにとっては、走行中に目に入る施設以外を知ることが可能となるため、施設の選択肢がひろがることなる、例えば、地元の穴場店舗のような施設に行くことも可能となる。
【0113】
<ルート設定部306>
車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2から、施設情報提供部305により送信された施設情報の中から選択された少なくとも1つの施設の位置情報を受信したことに応答して、ルート設定部306は、当該選択された少なくとも1つの施設の位置情報を目的地として設定する。
ルート設定部306は、車両の現在位置から目的地として設定した施設までのルート情報を算出する。ルート情報の算出に際しては、記憶部31のナビゲーションエリア312に記憶されている交通情報や地図情報を用いて、到着時刻や有料道路の使用有無等の各種条件を加味したうえで最適なルートを算出する。
ここで最適なルートとは、例えば最も到着時間が短くなる、距離が最も短い、一般道路を優先する、有料道路を優先する、有料道路等の料金が少ない、CO2排出量が少ない等、ユーザの指定する目的とする条件を最も満たすルートのことである。
【0114】
<ルート通知部307>
ルート通知部307は、通信部32を介して、ルート設定部306により算出されたルート情報を車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2に送信する。
その際、ルート通知部307は、目的地として設定された施設と車両ID(又はユーザID)とを対応付けて記憶部31に記憶する。
なお、携帯端末2がナビゲーション用サーバシステム3と接続状態にある場合、ルート通知部307は、当該携帯端末2にもルート情報を配信することができる。その場合は、ユーザは車両1から下車後に、徒歩や公共交通機関を使用した場合でも携帯端末2により、ルート案内を続けることが可能となる。
【0115】
なお、ルート通知部307は、顧客情報(例えば、当該施設を目的地として設定した車両又はユーザ情報、来店人数、到着予想時間、他の施設が目的地設定されているか否か等)を、目的地として設定された施設の施設用端末4に通知することができる。
そうすることで、目的地としてルート設定された施設は、来客予想をすることが可能となる。
【0116】
<別実施例>
なお、別実施例として、ルート算出を車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2で行う場合、ルート設定部306は、当該選択された少なくとも1つの施設の位置情報を目的地として設定し、ルート通知部307は、目的地として設定された施設の位置情報を含む施設情報を車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2に送信するとともに、当該施設と車両ID(又はユーザID)とを対応付けて記憶部31に記憶する。
そうすることで、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2は、車両の現在位置から目的地として設定された施設に至るルート情報を算出することができる。
この場合、ルート通知部307は、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2から当該施設への到着予想時間を取得したうえで、顧客情報(例えば、当該施設を目的地として設定した車両又はユーザ情報、来店人数、到着予想時間、他の施設が目的地設定されているか否か等)を、目的地として設定された施設の施設用端末4に通知することができる。
【0117】
<判定部308>
判定部308は、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2により選択された施設を目的地としてルート設定した車両が当該施設に実際に滞在したか否かを判定する。
【0118】
<車載ナビゲーション装置1の場合>
判定部308は、通信部32を介して、車両がイグニッションオン(エンジンの始動)され、車載ナビゲーション装置1が自動起動され、ログイン処理が実行された時点で、センサ部13により算出された当該車両の現在位置情報及び計時部(図示せず)から取得された現在時刻情報等を当該車載ナビゲーション装置1から受信したことに応答して、当該車両が直近の走行時に、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2により選択された施設を目的地としてルート設定した車両であるか否かを判定する。
当該車両が直近の走行時に、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2により選択された施設を目的地としてルート設定した車両である場合、当該車両から受信した現在位置が、目的地としてルート設定された施設の位置の近辺である場合、例えば当該車両から受信した現在位置の住所が目的地として設定されていた施設の住所と一致するか、又は当該車両から受信した現在位置と目的地としてルート設定された施設の位置との差が予め設定された第2閾値(例えば50m)以内である場合、目的地としてルート設定された施設に滞在(来店)したと判定する。
なお、目的地としてルート設定された施設に滞在したと判定した場合、例えば、今回のイグニッションオン時間と前回のイグニッションオフ時間との差分を当該施設への滞在時間として算出することができる。
当該車両から受信した現在位置が目的地としてルート設定された施設の位置の近辺でない場合は、目的地としてルート設定された施設に滞在していない(来店せず)と判定する。
【0119】
<携帯端末2の場合>
判定部308は、携帯端末2が携帯端末_接続情報取得部206により車両の状態(イグニッションオンされた状態)を取得し、車両IDと、車両の状態(イグニッションオンされた状態)と、当該携帯端末2の現在位置情報及び計時部(図示せず)から取得された現在時刻情報等と、を合わせて携帯端末2から受信したことに応答して、当該車両が直近の走行時に、携帯端末2により選択された施設を目的地としてルート設定した車両であるか否かを判定する。
当該車両が直近の走行時に、携帯端末2により選択された施設を目的地としてルート設定した車両である場合、携帯端末2から受信した現在位置が、目的地としてルート設定された施設の位置の近辺である場合、例えば携帯端末2から受信した現在位置の住所が目的地として設定されていた施設の住所と一致するか、又は携帯端末2から受信した現在位置と目的地としてルート設定された施設の位置との差が予め設定された第2閾値(例えば50m)以内である場合、目的地としてルート設定された施設に滞在(来店)したと判定することができる。
なお、携帯端末2が、車両側に近接車両の状態(イグニッションオンされた状態)を取得できない場合(例えば、車両が、例えば車両のECU(Electronic Control Unit)が携帯端末2と、近距離通信部を介して、通信することができない場合)、目的地としてルート設定された施設に滞在(来店)したことを、手入力により、判定部308に通知するように構成することができる。
【0120】
判定部308の実行にあたっては、例えば、その日に、車両ID(又はユーザID)と目的地として設定された施設とを対応付けて記憶部31に記憶された履歴情報の集合と、ルート案内した車両のルート案内直後のイグニッションオン時の車両の現在位置情報を含む接続履歴レコードの集合とを、車両ID(又はユーザID)に基づいてマッチングすることで、当日のバッチ処理にすることができる。
【0121】
<利用実績作成部309>
利用実績作成部309は、判定部308の判定に基づいて、施設単位に、利用日時毎に、ナビゲーションシステム100によって当該施設に誘導された顧客情報(例えば、利用日時、配信した施設情報、当該施設を目的地としてルート設定した車両又はユーザ、当該施設を目的地としてルート設定しかつ来店した車両又はユーザ、当該施設を目的地としてルート設定したが来店しなかった車両又はユーザ)、及び当該顧客のクーポン利用情報、売上情報等を算出して、記憶部31の施設情報エリア313に記憶することができる。また、これらの情報を統計処理した件数等を作成して記憶することができる。
【0122】
同様に、利用実績作成部309は、車両ID毎又はユーザID毎にナビゲーションシステムの利用実績情報(例えば、利用日時、目的地としてルート設定した施設、目的地としてルート設定しかつ来店した施設、目的地としてルート設定したが来店しなかった施設)、及び当該施設におけるクーポン利用情報等を算出して、記憶部31のユーザ情報エリア311の当該ユーザに対応する、例えばマイページに記憶することができる。
【0123】
<加入者情報データベース作成部310>
加入者情報データベース作成部310は、予め車両情報(例えば、車両ID、車両の種類やナンバープレート等の情報)、及びユーザ情報(例えば、ユーザID、家族構成、年齢構成、現住所等)を作成して記憶する。
【0124】
<課金処理部311>
課金処理部311は、利用実績作成部309と同様に、判定部308の判定結果に基づいて、施設へユーザを誘導したことによる、例えば、当該施設に対する成功報酬(課金)処理を行うことができる。
より具体的には、課金処理部311は、記憶部31の施設情報エリア313に、施設単位に、利用日時毎に、ナビゲーションシステム100によって当該施設に誘導された顧客情報とともに、当該施設に対する成功報酬(課金)の課金情報を記憶する。そうすることで、課金処理部311は、後日、施設毎に成功報酬(課金)の名寄せを行い、当該施設に一括請求することが可能となる。
この際、課金処理部311は、当該施設が面する道路の幹線レベルの値に応じて課金の額(レート)を変更させることができる。具体的には、幹線レベルの低い道路に面した施設からの成功報酬(課金)をより高額にすることができる。
【0125】
<施設用端末4>
次に、施設用端末4について概説する。
図5に示すように、施設用端末42は、少なくとも、制御部40と、記憶部41と、通信部42と、表示部44と、入力部45とを備える。各部の構成は、例えば、携帯端末2及びナビゲーション用サーバシステム3の対応する各部の構成とそれぞれ同様である。
【0126】
制御部40は各プログラムを実行することによって、施設用端末4に所定の手段(以下、「施設管理支援制御部」と総称する)として機能させる。
また、制御部40は施設管理支援制御のための各プログラムを実行することによって、施設用端末4に、所定のステップ(以下、「施設管理支援制御ステップ」と総称する)を実行させる。
【0127】
以下、制御部40の有する機能を施設管理支援制御部の観点から説明する。なお、施設管理支援制御ステップ(方法)の観点に基づく説明は、「部」を「ステップ」に置き換えることで説明できるため、省略する。
【0128】
図5に示すように、制御部40は、ログイン処理部401と、配信情報編集部402と、顧客情報処理部403と、集客情報照会部404と、クーポン処理部405と、を備える。
【0129】
<ログイン処理部401>
ログイン処理部401は、例えば、施設を識別する識別番号(施設ID)及びパスワードを用いて、ナビゲーション用サーバシステム3に対してログイン処理を実行する。
【0130】
<配信情報編集部402>
配信情報編集部402は、ナビゲーション用サーバシステム3(記憶部31の施設情報エリア313)に記憶される、ナビゲーション用サーバシステム3が配信する施設情報の内容(例えば、当該施設情報の有効期間、配信画像情報、商品役務情報、クーポン情報、空き状況等)及び当該施設情報の配信に関する条件(例えば、当該施設情報の有効期間、当該施設情報の配信時間帯等)を、ナビゲーション用サーバシステム3にアクセスして、例えば施設の管理者により、リアルタイムに入力更新することができる。
そうすることで、例えば、施設の管理者は、施設が混雑している場合に、ナビゲーション用サーバシステム3が当該施設情報を配信しないように、当該施設情報の配信に関する条件を設定することができる。
また、例えば、施設の管理者は、配信画像情報、クーポン情報、空き情報等をタイムリーに設定することで販売促進が可能となる。
【0131】
<顧客情報処理部403>
顧客情報処理部403は、ナビゲーション用サーバシステム3(ルート通知部307)から、顧客情報(例えば、当該施設を目的地として設定した車両又はユーザ情報、来店人数、到着予想時間、他の施設が目的地設定されているか否か等)を受信することができる。
そうすることで、例えば、施設の管理者は、来客予想をすることが可能となる。
【0132】
<集客情報照会部404>
集客情報照会部404は、当該施設に、利用日時毎に、ナビゲーションシステムによって当該施設に誘導された顧客情報(例えば、利用日時、配信した施設情報、当該施設を目的地としてルート設定した車両又はユーザ、当該施設を目的地としてルート設定しかつ来店した車両又はユーザ、当該施設を目的地としてルート設定したが来店しなかった車両又はユーザ)、及び当該顧客のクーポン利用情報、売上情報等を、ナビゲーション用サーバシステム3にアクセスして、照会することができる。
また、施設単位に、利用日時毎に、ナビゲーションシステム100によって当該施設に誘導された顧客情報とともに、ナビゲーション用サーバシステム3側に支払うべき当該施設への誘導に関する成功報酬の課金情報について、照会することができる。
また、これらの情報を統計処理した件数等を照会することができる。
そうすることで、例えば、施設の管理者は、集客により効果的な施設情報を作成することが可能となる。
【0133】
<クーポン処理部405>
クーポン処理部405は、携帯端末2の表示部24に表示された、当該施設のクーポン情報等を読み取り、例えば、値引き等の優待処理を行う。
【0134】
以上、本発明のナビゲーションシステム100の各機能部の実施形態を、車両に搭載される車載ナビゲーション装置1、携帯端末2、ナビゲーション用サーバシステム3、及び施設用端末4の構成に基づいて説明した。しかしながら、本発明のナビゲーション用サーバシステム3の備える各機能部の実施形態は、1台のコンピュータでも、1箇所にある又は数箇所に分散され、通信ネットワークによって相互接続された多数のコンピュータでも分散して実行するように展開できる。また、クラウド上の複数の仮想コンピュータを用いて構成することもできる。
【0135】
ナビゲーション用サーバシステム3を、例えば、Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバと複数のサーバから構成されるサーバシステムとしてもよい。また、ログイン処理部301、現在位置情報処理部302、ルート設定部306、ルート通知部307、及び加入者情報データベース作成部310を一つのサーバ(ナビゲーション用サーバ)とし、幹線レベル情報作成更新部303、施設検索部304、施設情報提供部305、判定部308、利用実績作成部309、及び課金処理部311を、別のサーバ(施設用サーバ)としてもよい。
ナビゲーション用サーバシステム3の備える各機能は、どのコンピュータでも実行することが可能である。したがって、ナビゲーション用サーバシステム3の備える各機能をどのコンピュータに割り振るか、については、当業者が適宜設計できる。
【0136】
(ナビゲーションシステム100の動作)
以上、ナビゲーションシステム100の構成について説明した。続いて、ナビゲーションシステム100の動作について車載ナビゲーション装置1を例として説明する。
図6A〜
図6Dは、ナビゲーションシステム100の処理の流れを示すフローチャートであり、
図7A〜
図7Eは、この処理に伴い車載ナビゲーション装置1に表示されるナビゲーション画面の表示例である。
【0137】
初めに、
図6A〜
図6Dを参照してナビゲーション制御処理について説明する。
ステップS101において、車載ナビゲーション装置1は、運転者により車両のイグニッションスイッチがオン(エンジンを始動)にされることによって自動起動し、車載ナビゲーション装置1(接続処理部101)は、ナビゲーション用サーバシステム3に車両ID及びパスワードを用いてログイン要求(接続要求)を送信し、車両の現在位置及び現在時刻等を送信する。
【0138】
ステップS301において、ナビゲーション用サーバシステム3(ログイン処理部301)は、車載ナビゲーション装置1と接続処理を行い、車載ナビゲーション装置1から受信した現在位置及び現在時刻等を管理するための接続履歴レコードを接続履歴情報エリア314に作成する。
【0139】
ステップS302において、ナビゲーション用サーバシステム3(判定部308)は、当該車両IDに対応する車両が、直近の走行時に、配信した施設情報に基づいて所定の施設を目的地とした車両であるか否かを判定する。具体的には、ナビゲーション用サーバシステム3(判定部308)は、当該車両が配信した施設情報に基づいて所定の施設を目的地とした旨の履歴情報(例えば、車両ID、目的地の設定日時、目的地とした施設ID等)が、直近に記憶部31に記録されているか否かを判定する。当該車両が配信した施設情報に基づいて所定の施設を目的地とした旨の履歴情報が記録されている場合(Yes)には、ステップS303へ移る。当該車両が配信した施設情報に基づいて所定の施設を目的地とした旨の履歴情報が記録されていない場合(No)には、ステップS304へ移る。
【0140】
ステップ303において、ナビゲーション用サーバシステム3は、来店判定記録処理を行い、ステップS304へ移る。
【0141】
ここで、
図6Dを参照して、来店判定記録処理フローを説明する。
ステップS321において、ナビゲーション用サーバシステム3(判定部308)は、運転者により車両のイグニッションスイッチがオン(エンジンを始動)にされることによって自動起動された車載ナビゲーション装置1(接続処理部101)から受信した現在位置が前回に目的地として設定された施設の位置の近辺か否かを判定する。現在位置が前回に目的地として設定された施設の位置の近辺である場合(Yes)には、ステップS322へ移る。現在位置が前回に目的地として設定された施設の位置の近辺でない場合(No)には、ステップS323へ移る。
【0142】
ステップS322において、ナビゲーション用サーバシステム3(判定部308)は、当該車両が施設に来店した旨の履歴情報(例えば、車両ID、施設ID、来店日時、滞在時間等)を記憶部31の施設情報エリア313に記録するとともに、ナビゲーション用サーバシステム3側に支払うべき当該施設への誘導に関する成功報酬の課金情報を記憶部31の施設情報エリアに記録してリターンする。
【0143】
ステップS323において、ナビゲーション用サーバシステム3(判定部308)は、現在位置が前回に目的地として設定された施設の位置の近辺でない場合は、当該車両(及びユーザ)が施設に来店しなかった旨の履歴情報(車両ID、ユーザID、施設ID、案内日時等)を記録してリターンする。
【0144】
なお、前述したように、来店判定記録処理は、ステップS302及びステップ303(来店判定処理)のようなリアルタイム処理ではなく、例えば、その日に、車両ID(又はユーザID)と目的地として設定された施設とを対応付けて記憶部31に記憶された履歴情報の集合と、ルート案内した車両のルート案内直後のイグニッションオン時の車両の現在位置情報を含む接続履歴レコードの集合とを、車両IDに基づいてマッチングすることで、当日のバッチ処理にすることができる。
【0145】
ステップS102において、車載ナビゲーション装置1(位置情報更新部102)は、定期的に、車両の現在位置情報、現在時刻情報、及び進行方向等をナビゲーション用サーバシステム3に送信する。
【0146】
ステップS304において、ナビゲーション用サーバシステム3(現在位置情報処理部302)は、車載ナビゲーション装置1から、現在位置情報、現在時刻情報、及び進行方向等の情報を受信した場合、それぞれ前述した接続履歴レコードに追記して記憶する。
【0147】
ステップS103において、車載ナビゲーション装置1(情報配信設定部103)は、ユーザにより、情報配信をオンに操作されたか否かを判定する。情報配信をオンにする操作がされた場合(Yes)には、ステップS104へ移る。情報配信をオンにする操作がない場合(No)には、ステップS102へ移る。
【0148】
ステップS104において、車載ナビゲーション装置1(情報配信設定部103)は、車両ID、車両の現在位置情報、現在時刻情報、及び車両の進行方向等を含む情報配信開始要求を、ナビゲーション用サーバシステム3に送信する。
【0149】
ステップS305において、ナビゲーション用サーバシステム3(施設検索部304)は、車載ナビゲーション装置1から、車両ID、車両の現在位置情報、現在時刻情報、及び車両の進行方向等を含む情報配信開始要求を受信した場合、選択施設情報を受信するまでの間(最大、予め設定された時間(例えば、30分間)まで)、予め設定された時間間隔(例えば5分間隔)で、記憶部31の施設情報エリアに記憶されている施設情報を用いて、予め設定された一定距離の範囲内(たとえば、5km)に存在し、現在走行中の道路の幹線レベルよりも低い幹線レベルの道路に面した施設を抽出する。
【0150】
ステップS306において、ナビゲーション用サーバシステム3(施設情報提供部305)は、施設検索部304により抽出した施設情報から、予め設定された提示条件にしたがって抽出した施設情報を車載ナビゲーション装置1に通信部32を介して送信する。
【0151】
なお、ナビゲーション用サーバシステム3(施設情報提供部305)は、選択施設情報を受信するまでの間(最大、予め設定された時間(例えば、30分間)まで)、予め設定された時間間隔(例えば5分間隔)で施設検索部304により検索抽出された施設情報を送信する。
【0152】
ステップS105において、車載ナビゲーション装置1(施設設定部104)は、ナビゲーション用サーバシステム3から受信した車両の現在位置周辺及び走行ルート周辺に存在する推薦施設に関する施設情報に基づいて、表示部14に、車両の現在位置周辺の地図に施設の位置を
図7Bに示すように表示する。
車載ナビゲーション装置1に表示される施設情報の表示画面の一例を
図7Cに示す。
【0153】
ステップS106において、車載ナビゲーション装置1は車両停車中か否かを判定する。車両停車中の場合(Yes)には、ステップS107へ移る。車両走行中の場合(No)には、ステップS110へ移る。
【0154】
(車両停車中の場合)ステップS107において、車載ナビゲーション装置1(施設設定部104)は、ユーザの指示により、表示部14に、配信された施設情報、例えば施設の提供する商品役務等に関する情報、空き情報、及びクーポン券発行情報等をスクロール可能に表示する。
車載ナビゲーション装置1に表示される施設情報の表示画面の一例を
図7Cに示す。
なお、図示しないが、車両が走行中の場合、ナビゲーション用サーバシステム3から配信された施設情報をスピーカ16から音声で出力することができる。
【0155】
車両停車中の場合、ステップS108において、車載ナビゲーション装置1(施設設定部104)は、ユーザにより、希望する施設が選択されたか否かを判定する。希望する施設が選択された場合(Yes)には、ステップS109へ移る。施設の選択がない場合(No)には、ステップS106へ移る。
図7Cを参照すると、施設情報を表示し、施設をユーザが選択できる。
なお、図示しないが、車両が走行中の場合は、施設選択をマイク17を介して音声入力することで、音声認識技術により、制御部10に入力することができる。
【0156】
車両停車中の場合、ステップS109において、車載ナビゲーション装置1(施設設定部104)は、ユーザにより選択された施設を、ナビゲーション用サーバシステム3に送信する。
【0157】
ステップS307において、ナビゲーション用サーバシステム3(ルート設定部306)は、車載ナビゲーション装置1から受信した、ユーザにより選択された施設の位置情報を目的地として設定し、車両の現在位置からのルートを算出する。ルート算出は、記憶部31のナビゲーションエリアに記憶されている交通情報や地図情報を用いて、到着時刻や有料道路の使用有無等の各種条件を加味したうえで最適なルートを算出する。
【0158】
ステップS308において、ナビゲーション用サーバシステム3(ルート通知部307)は、ルート設定部306により算出されたルート情報を車載ナビゲーション装置1に送信する。また、図示しないが、ナビゲーション用サーバシステム3(ルート通知部307)は、顧客情報(例えば、当該施設を目的地として設定した車両又はユーザ情報、来店人数、到着予想時間、他の施設が目的地設定されているか否か等)を、目的地としてルート設定された施設の施設用端末4に通知することができる。
【0159】
ステップ309において、ナビゲーション用サーバシステム3(ルート通知部307)は、車両が目的地を設定した旨の履歴情報(車両ID、ユーザID、目的地設定日時、目的地とした施設情報等)を記憶部31に記録する。
【0160】
ステップS110において、車載ナビゲーション装置1(ルート案内部105)は、ナビゲーション用サーバシステム3から受信したルート情報にしたがって、表示部14にルート案内を表示して、ルート案内を開始する。
【0161】
ステップS111において、車載ナビゲーション装置1(位置情報更新部102)は、目的地近辺に到着すると、車両の現在位置情報、現在時刻情報、及び進行方向等をナビゲーション用サーバシステム3に送信する。
【0162】
ステップS310において、ナビゲーション用サーバシステム3(現在位置情報処理部302)は、車載ナビゲーション装置1から、受信した、現在位置情報(到着地位置情報)、現在時刻情報、及び進行方向等の情報を接続履歴レコードに追記して記憶する。
【0163】
ステップS112において、車載ナビゲーション装置1は、運転者により車両のイグニッションスイッチがオフ(エンジンを停止)にされることによって稼働を停止する。
【0164】
なお、無線端末装置が携帯端末2の場合のナビゲーションシステム100の動作について簡単に説明する。
基本的に、以下に説明する点を除けば、前述したステップにおいて、車載ナビゲーション装置1を携帯端末2に読み替えることで、携帯端末2の場合のナビゲーションシステム100の動作を説明することができる。
【0165】
<異なる点>
ステップS101において、車載ナビゲーション装置1は、運転者により車両のイグニッションスイッチがオン(エンジンを始動)にされることによって自動起動し、車両の現在位置及び現在時刻等をナビゲーション用サーバシステム3に送信するのに対して、携帯端末2は、運転者により車両のイグニッションスイッチがオン(エンジンを始動)にされることを携帯端末_接続情報取得部206により取得して、それにしたがって、車両の現在位置及び現在時刻等をナビゲーション用サーバシステム3に送信する点で異なる。
ステップS112において、車載ナビゲーション装置1は、運転者により車両のイグニッションスイッチがオフ(エンジンを停止)にされることによってナビゲーションの稼働を停止するのに対して、携帯端末2は、ユーザにより携帯端末_ルート案内部205のタスクを終了させることによって、ナビゲーションの稼働を停止する点で異なる。
また、ステップS106において、車載ナビゲーション装置1は、車両停車中か否かを判定するのに対して、携帯端末2の動作は、車両停車中か否かに関係ない(すなわち、車両停車中か否かを判定しない)点で異なる。
これらの動作以外については、前述したステップにおいて、車載ナビゲーション装置1を携帯端末2に読み替えることで、携帯端末2の場合のナビゲーションシステム100の動作を説明することができる。
【0166】
以上、第1実施形態のナビゲーションシステム100について説明した。しかしながら、本願発明は、第1実施形態に限定されない。
【0167】
[変形例1]
第1実施形態においては、ナビゲーション用サーバシステム3がルート情報を算出して、当該ルート情報を車載ナビゲーション装置3又は携帯端末2に送信したが、別の実施形態として、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2がナビゲーション用サーバシステム3から目的地設定情報を受信して、当該目的地設定情報に基づいてルート情報を算出することができる。
【0168】
[変形例2]
第1実施形態においては、来店判定記録処理は、一種のリアルタイム処理で実施したが、例えば、その日に、車両ID(又はユーザID)と目的地として設定された施設とを対応付けて記憶部31に記憶された履歴情報の集合と、ルート案内した車両のルート案内直後のイグニッションオン時の車両の現在位置情報を含む接続履歴レコードの集合とを、車両IDに基づいてマッチングすることで、当日のバッチ処理にすることができる。
【0169】
[その他]
第1実施形態にナビゲーション用サーバシステム3を1台のサーバとして実施したが、別の実施形態として、ナビゲーション用サーバシステム3の各機能を、適宜複数のサーバに分散する、分散処理システムとしてもよい。また、クラウド上で仮想サーバ機能等を利用して、ナビゲーション用サーバシステム3の各機能を実現してもよい。
【0170】
以上説明したナビゲーションシステム100によれば、以下のような効果を奏する。
【0171】
(1)上記第1実施形態のナビゲーションシステム100では、ナビゲーション用サーバシステム3は、幹線レベルが低い道路に面した施設情報を優先的に車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2に対して、無線部32を介して送信する。
これにより、幹線道路から外れている施設(店舗)を優先的に提供することで、ユーザにとって走行中に目に入る施設以外の施設(店舗)を知ることが可能となる。
【0172】
(2)上記第1実施形態のナビゲーション用サーバシステム3は、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2により目的地として選択された少なくとも1つの施設情報を、受信することで、当該施設情報に係る施設に対して課金処理を行う。
これにより、ユーザが施設を目的地として選択したことを契機として、当該施設に対する成功報酬(課金)処理を、簡易かつ公平に実施することができる。
【0173】
(3)上記第1実施形態のナビゲーション用サーバシステム3は、車両が目的地として設定した施設に滞在したか否かを判定することで当該施設に対して課金処理を行う。
これにより、目的地となる施設への到着後に、ユーザによる特別な操作を必要とすること無く、施設に滞在したか否かをサーバシステムが自動的に判定するため、当該施設へユーザを誘導したことによる、当該施設に対する成功報酬(課金)処理を、簡易かつ公平に実施することができる。
【0174】
(4)上記第1実施形態のナビゲーション用サーバシステム3は、車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2から位置情報を受信し、受信した位置情報をもとに道路の幹線レベルを更新する。
これにより、例えば、交通量が変化した場合であっても、道路の幹線レベルを交通量を反映した状態に保つことができる。
【0175】
(5)上記実施形態のナビゲーション用サーバシステム3は、地域住民の車両の交通量の大きい道路を幹線レベルが低くなるように自動的に見直す。
これにより、例えば、地域住民外の車両の交通量が変化した場合であっても、道路の幹線レベルを地域住民の車両の交通量を反映した状態に保つことができる。
【0176】
本発明のナビゲーション用サーバシステム3は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図2〜
図5の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、本発明のナビゲーション機能に関する一連の処理を全体として実行できる機能がサーバ2に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図2〜
図5の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組合せで構成してもよい。
【0177】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータであってもよい。
【0178】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、ブルーレイディスク、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)、等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図2の記憶部11、
図3の記憶部21、
図4の記憶部31、
図5の記憶部41に含まれるハードディスク等で構成される。