特許第6223421号(P6223421)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6223421コンタクトエレメントを備えたチップを、チップコンタクトエレメントに対する開口を有する機能層を備えた基板に仮接合する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223421
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】コンタクトエレメントを備えたチップを、チップコンタクトエレメントに対する開口を有する機能層を備えた基板に仮接合する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20171023BHJP
【FI】
   H01L21/60 311S
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-506146(P2015-506146)
(86)(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公表番号】特表2015-515135(P2015-515135A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(86)【国際出願番号】EP2013055556
(87)【国際公開番号】WO2013156234
(87)【国際公開日】20131024
【審査請求日】2016年2月23日
(31)【優先権主張番号】102012103430.3
(32)【優先日】2012年4月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン ブルクグラーフ
(72)【発明者】
【氏名】マークス ヴィンプリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト ヴィースバウアー
(72)【発明者】
【氏名】アルフレート ズィーグル
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−519501(JP,A)
【文献】 特開2000−188308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(1)の表面(1o)に分配された複数のチップ位置(1c)において基板(1)にチップ(4)を仮接合する方法において、以下のステップ、すなわち、
基板(1)に機能層(7)を形成または被着し、該機能層(7)を、
a)チップ位置(1c)において少なくともコンタクト(2)の領域で構造化によって除去するかまたは
b)該機能層(7)の形成もしくは被着のあと、表面(1o)からの除去によって、それぞれチップ位置(1c)において少なくともコンタクト(2)の領域で除去し、
チップ(4)をチップ位置(1c)において機能層(7)のチップ接触面(7o)に仮接合して、コンタクトエレメント(3)を介してコンタクト(2)に接触接続する:
を備えており、
チップ(4)の仮接合前の機能層(7)の厚さが、チップ(4)の下面と基板(1)の上面との間の距離よりも大きい
ことを特徴とする、基板にチップを仮接合する方法。
【請求項2】
仮接合前に機能層(7)のチップ接触面(7o)を溶媒で処理して、仮接合のために必要となる接着特性を得る、請求項1記載の方法。
【請求項3】
仮接合直前に機能層(7)のチップ接触面(7o)を溶媒で処理する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
機能層(7)のチップ接触面(7o)に接着層を設ける、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記除去が、前記表面(1o)の、チップ位置(1c)の外に配置された自由表面(1f)の露出を付加的に含んでいる、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記除去が、機能層(7)への複数の通路(8)の形成を付加的に含んでいる、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
通路(8)が、コンタクト(2)から始まる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
通路(8)が、自由表面(1f)で終わる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
機能層(7)が、低弾性を有する材料から成っている、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
コンタクト(2)の露出および/または自由表面(1f)の露出および/または通路(8)の形成を光構造化によって、以下のステップ:すなわち、
露出すべき面に対する機能層(7)を露光し、
露出すべき面に対してリソグラフィ技術を施し、
露出すべき面から機能層(7)を剥離する:
で行う、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
コンタクト(2)を露出する際、機能層(7)に、コンタクト(2)にまで延びている複数の貫通開口(9)を形成する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
貫通開口(9)が、コンタクト(2)に対して同心的に配置されている、請求項11記載の方法。
【請求項13】
貫通開口(9)が、コンタクトエレメント(3)の直径Dよりも大きな直径Dを有する、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
仮接合前にチップ(4)をコンタクト(2)とアライメントする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
仮接合後にチップ(4)を機能層(7)に永久接合する、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の、基板の表面に分配された複数のチップ位置で基板にチップを仮接合する方法に関する。
【0002】
チップは、しばしばバンプを介して、基板に埋め込まれたボンディングパッド、すなわち、導電性のコンタクトに接続される。チップと基板との間の間隔を橋渡しすると共にチップと基板との間に機械的な結合部を形成するために、アンダフィル材料が使用される。このアンダフィル材料は、チップもしくは基板からのバンプの機械的な応力緩和のためにも働く。アンダフィル材料によって、チップの寿命が数倍向上させられる。特に温度変化および/または機械的な荷重に対するボンディング接続部の疲れ限度が高められる。
【0003】
実際には、低い粘度を有するアンダフィル材料が、たとえばインクジェット法または遠心加速法によって被着された後、毛管作用によってチップと基板との間に供給される。前述した方法は材料の選択を限定してしまい、チップと基板表面との間の間隔が少ない、たとえば50μm未満の場合には、前述した順序が極めて手間を要するかまたはもはや実現不可能となってしまう。
【0004】
したがって、択一的な方法では、特にチップと基板表面との間の間隔が極めて小さい場合、基板へのチップの被着前にアンダフィル材料が被着される。このアンダフィル材料は、たとえばシートとして基板にラミネートされるか、遠心塗装または吹付け塗装によって被着されるかまたは基板へのペースト状の材料の被着によって分配される。
【0005】
アンダフィル材料上に載置されたチップが、たいてい別個のチャンバ内で実施されるボンディングまで基板に対してずれ滑らないようにするために、チップは、基板とアライメントされた各チップ位置に、特に「仮付け」によって前もって位置決めされる。これは、基板全体にチップを装着することができ、次いで初めて、全てのチップに対してボンディングプロセスを実施することができるという利点を有している。
【0006】
しかしながら、このような手順の場合には、公知の通り、チップから、基板に設けられた相応のコンタクトに延びる、特にバンプまたはピンによって行われるチップと基板との間の導電接続が、技術的な問題を提起する。別の技術的な問題は、アンダフィル材料の材料特性の選択にある。なぜならば、アンダフィル材料が、1つには、(仮付けのための)接着作用、もう1つには、支持機能を有している必要があるからである。さらに、アンダフィル材料はアライメント精度に可能な限り影響を与えないことが望ましい。同時にアンダフィル材料の、特に仮付けおよび/またはボンディングの際の処理が可能な限り迅速に行われることが望ましい。
【0007】
したがって、本発明の課題は、処理能力およびアライメント精度が向上させられ、チップの電気的な接触接続が改善された、基板にチップを仮接合する方法を提供することである。
【0008】
この課題は、請求項1の特徴によって解決される。本発明の有利な改良態様は、従属請求項に記載してある。本発明の範囲には、明細書、特許請求の範囲および/または図面に記載した複数の特徴のうちの少なくとも2つから成る全ての組合せも含まれる。記載した数値範囲では、記載した限度の範囲内にある数値も限界値として開示されているものと見なし、任意に組み合わせて請求可能であるものとする。
【0009】
本発明の基本思想は、チップを基板のコンタクトに電気的に接触接続するためのコンタクトエレメントに対する自由室が設けられているように、本発明による機能層をチップ位置において少なくともコンタクトの領域に形成することである。これによって、本発明により、処理能力がより高まり、ひいては、経済的なかつ/または技術的な利点が得られる。
【0010】
チップ位置とは、チップが基板の表面に対して平行に所定の間隔を置いて位置決めされる、基板の表面上の面である。電気的な接触接続は、コンタクトエレメント、特にバンプまたはピンを介して行われる。コンタクトは、チップとウェーハとの間の間隔に関する誤差を補償することができる構造を有していてよい。たとえば、一連の金属および合金から成るコンタクトを述べておく。なお、合金は低い融点を有している。チップをウェーハにコンタクトを介して接触接続する場合には、溶融温度を上回る運転温度で合金が溶融し、これによって、チップとウェーハとの間により良好な平行性が形成可能となる。上述した一連の構成のコンタクトは、チップの下面だけでなく、相応のウェーハの上面にも位置してよい。チップおよびウェーハについても一連の構成が可能である。
【0011】
組み合わされたかまたは個々の前述した本発明による手段によって、チップの電気的な接触接続が改善されると同時にアライメント精度が高められる。なぜならば、機能層がコンタクトエレメントによって突き通される必要がないからである。さらに、機能層のために提供される材料の選択の幅が拡げられる。なぜならば、チップと基板表面との間に機能層を提供するための毛管作用も、押退け力の使用下でのコンタクトエレメントによる機能層の突き通しも不要となるからである。このことは、特にチップと基板表面との間に極めて少ない間隔を要求する用途にとって有利である。なぜならば、50μm未満、特に30μm未満の間隔と同時に大きな面積のチップに対しては、もはや、毛管作用に基づく従来の方法が機能しないからである。たいてい、ピンまたはバンプの接触密度の増加には、チップと基板表面との間の間隔の減少も付随する。チップと基板表面との間の高さ差に対するバンプ同士の間の距離、いわゆる「コンタクトピッチ」の比は、本発明によれば、3:1〜1:2である。
【0012】
本発明の有利な態様によれば、特に仮接合直前に機能層のチップ接触面を溶媒で処理して、仮接合のために必要となる接着特性を得ることが提案されている。本発明によるこの手段では、機能層のために接着性の材料を使用することを省略することができる。仮接合(仮付け)は、特にチップの接触面および/または機能層に塗布される溶媒を介して行われる。特に極めて少ない量、好適には1ml/mm未満、より好適には0.1ml/mm未満、さらにより好適には0.01ml/mm未満、最も好適には0.001ml/mm未満の溶媒が塗布される。したがって、本発明によれば、この溶媒を機能層の全面および/または各チップの接触面の全面に塗布することができる。機能層へのチップの接触時には、機能層のチップ接触面における仮接合層が液化され、溶媒の少なくとも部分的な蒸発によって、チップが機能層に仮接合される。仮接合層は、いわば再び機能層に変換される。
【0013】
これに対して択一的に、本発明の有利な態様によれば、機能層のチップ接触面に接着層、特に一時的な接着剤を設けることが提案されている。この態様は、機能層に対して材料選択によって所望の物理的なかつ/または化学的な特性を正確に選択することができる一方、接着層は専ら仮接合のために重要であり、相応に最適に選択することができるという利点を有している。
【0014】
別の択一的な態様では、接着層がチップに、好適にはチップの配置直前に初めて被着されてよい。
【0015】
別の態様では、機能層が、いわゆる「Bステージ特性」を有していることが可能である。このBステージ特性を有する材料は、温度および/またはUV光および/または別の公知の化学的なかつ/または物理的なプロセスによって、ある状態から別の状態に変化することができる。本態様では、これが、特に配置後に初めて行われる機能層のポリマ材料の架橋を意味している。当業者には、このようなBステージ特性が、専らではないにせよ、特にICパッケージング分野に基づき公知である。
【0016】
ウェーハへのチップの接合プロセス前の機能層の厚さが、チップの下面とウェーハの上面との間の距離よりも大きいことが可能である。層は、押圧力によって相応に圧縮されかつ/または押し退けられる。これによって、好適には、チップと基板との間の容積が完全に満たされることが保証される。
【0017】
前述した択一的な両態様において、本発明によれば、溶媒または接着層が、後続の接合プロセスにおいて完全に、特に残渣なしに蒸発することが提案されている。
【0018】
除去が、表面の、チップ位置以外に配置された自由表面の露出を付加的に含んでいる限り、機能層の熱膨張によってアライメント結果に与えられる影響は最小限に抑えられる。特に自由表面は、そこで、最終的なパッケージングの、特に成形コンパウンドから成る部分が、自由表面に付着することができるように形成されている。
【0019】
本発明の改良態様では、除去が、機能層への複数の通路の形成を付加的に含んでいることが提案されている。これによって、1つには、機能層の熱膨張による影響がさらに最小限に抑えられ、もう1つには、特に通路がコンタクトもしくは露出により形成された自由室に対して自由表面もしくは周辺にまで延びている場合に、機能層の中空室内の万が一の圧力変動が通路によって補償される。
【0020】
機能層は、低弾性、特に10kN/mmよりも大きい、好ましくは20kN/mmよりも大きい弾性率を有する材料から成っている。これによって、機能層の運動によるアライメント誤差が十分に回避される。
【0021】
別の有利な態様によれば、コンタクトの露出および/または自由表面の露出および/または通路の形成が、光構造化によって行われる。この光構造化では、特に以下のステップ、好ましくは以下の順序:すなわち、
相応のマスクを用いて機能層を露光し、
この機能層を、露出すべき面から剥離(除去)する:
が設けられている。
【0022】
有利には、本発明の別の態様によれば、コンタクトを露出する際、機能層に、コンタクトにまで延びていて、特にこのコンタクトに対して同心的に配置された、特にコンタクトエレメントの直径Dよりも大きな直径Dを有する複数の貫通開口を形成することが提案されている。このような態様によって、貫通開口の縁部にかかるストレスが十分に最小限に抑えられる。この解決手段は、正方形のまたは長方形のコンタクトに類似に当てはまる。
【0023】
固有の発明として、特に前述した方法により製造された基板であって、この基板が、その表面に被着された機能層を備えており、この機能層が、チップ位置において基板のコンタクトの領域で除去されている基板が開示されている。
【0024】
基板の改良態様では、本発明によれば、有利には、基板が、チップ位置において機能層のチップ接触面に仮接合されたチップを有しており、このチップが、コンタクトエレメントを介して基板のコンタクトに電気的に接続されていることが提案されている。
【0025】
本発明の更なる利点、特徴および詳細は、以下の好適な実施の形態の説明ならびに図面に基づき明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1a】本発明による機能層が被着された本発明による基板の概略的な横断面図である。
図1b図1aに示した機能層の平面図である。
図2a】露出する本発明によるステップ後の図1aに示した基板の横断面図である。
図2b図2aに示した基板の平面図である。
図3a】通路を露出する本発明による後続のステップ後の基板の横断面図である。
図3b図3aに示した基板の平面図である。
図4a】チップを機能層に仮接合する本発明による後続の方法ステップの横断面図である。
図4b図4aに示した基板の平面図である。
【0027】
図面中、同一の部材または同作用の部材には、同じ符号が付してある。
【0028】
図1aおよび図1bに示した方法ステップでは、低弾性の(すなわち、高い弾性率を有する)機能層7が基板1の表面1oに被着される。この被着のためには、スピンコーティング、スプレーコーティング、押出しコーティング、ラミネーティング、ガス析出またはこれに類する方法が利用される。機能層7は、本発明に係る方法により基板1に仮接合されるチップ4を支持するためのアンダフィルもしくは支持材料として働く。
【0029】
機能層7は全面で被着され、すでに被着時にまたは少なくとも被着プロセスの終了時に、固形であるかもしくは剛性を有しているかまたは、相転移あるいは重合化ステップによって、固形の状態もしくは剛性を有する状態に移行される。機能層7は光構造化プロセスによって、表面1oにコンタクト2が配置されている接触接続位置で除去され、これによって、表面1oと反対の側のチップ接触面7oから表面1oにまで、特に貫通開口9の形態の自由室が形成される。
【0030】
光構造化プロセス中には、機能層7が露光され、リソグラフィ技術により開放され、剥離される。構造化と露光とは、現像プロセス後に相応のコンタクト箇所が露出するように行われなければならない。相応して、ポジ材料またはネガ材料に対して、適正な露光ステップおよび適正な露光マスクが利用されなければならない。
【0031】
特に機能層7はチップ位置1c以外で同様に除去される。これによって、表面1oに自由表面1fが形成される。好適な実施の形態では、このことが、開口9の製作と同じステップで行われる。したがって、表面1oに複数(本実施の形態では16個)の支持エレメント5が、特に均一に分配されて配置されている。これらの支持エレメント5は、前述した除去によって機能層7に形成されている。
【0032】
各支持エレメント5は、図示の実施の形態では、4つの貫通開口9を有している。これらの貫通開口9の、チップ接触面7oと反対の下面7uの側に、コンタクト2は配置されている。
【0033】
特に上述した構造化プロセスによって、機能層7に複数の通路8が形成される。これらの通路8は自由表面1fから、それぞれ貫通開口9に延びており、特にそれぞれ2つの通路8が各貫通開口9に延びている。したがって、各支持エレメント5は8つの通路8を有している。
【0034】
図4aおよび図4bに示した方法ステップでは、チップ4の接触面4kが溶媒で湿潤されて、機能層7のチップ接触面7oにおいて支持エレメント5に接触させられることにより、チップ4が支持エレメント5に仮接合される。溶媒は、機能層7のチップ接触面7oに設けられた薄膜の仮接合層6を液化し、対応する支持エレメント5へのチップ4の仮接合のために働く。この仮接合は、本発明によれば、永久的でない可逆的な結合を意味している。チップ4を備えた基板1を別個の接合モジュールに搬送するためには、この結合で十分である。なお、この場合、接合モジュール内で永久接合が形成されるまで、基板1と正反対に位置決めされたチップ4がずれ滑ることはない。
【0035】
チップ4は、コンタクトエレメント(本実施の形態ではバンプ)3を介して基板1のコンタクト2に電気的に接続される。貫通開口9は、コンタクトエレメント3の、特に最大の対応する(すなわち、表面1oに対して平行に延びる)直径Dよりも大きな直径Dを有している。
【0036】
好適な実施の形態では、貫通開口9が、コンタクトエレメント3に対する嵌合部として、5μmよりも小さな遊びを備えて形成される。
【0037】
溶媒による前述した仮接合に対して択一的には、チップ4を支持エレメント5に仮接合するために、チップ接触面7oに一時的な接着剤、特にビベンシル(Bibencyl)、ポリエチレングリコールまたはノボマ(Novomer)を設けることが可能である。
【0038】
本発明によれば、機能層7に用いられる材料として、特にポリイミド、COC(環状オレフィンコポリマ)、SU−8、BCB(ベンゾシクロブテン)が可能である。さらに、この用途のために特別に開発された材料を使用することが可能である。機能層7が硬化によって形成される限り、処理法として、加熱、UV照射、力供給、加圧、磁界またはマイクロ波が可能である。
【0039】
仮接合のためには、チップ4と支持エレメント5との間の縁部での仮接合、点状の仮接合または接触面全体での仮接合が可能である。
【0040】
チップ4および/または支持エレメント5への溶媒の塗布は、特に浸漬、インクジェット、スピンコーティングまたは蒸着によって行われる。
【0041】
仮接合前の前処理法として、プラズマ処理、湿式エッチングおよび/またはCO洗浄が可能である。
【0042】
機能層7の形成によって、表面1oとチップ接触面7oとの間に間隔Aが規定される。
【符号の説明】
【0043】
1 基板
1o 表面
1c チップ位置
1f 自由表面
2 コンタクト
3 コンタクトエレメント
4 チップ
4k 接触面
5 支持エレメント
6 仮接合層
7 機能層
7o チップ接触面
7u 下面
8 通路
9 貫通開口
直径
直径
A 間隔
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b