(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
概要
図1は、本発明を具現化した照明装置1の例を示している。この例では、照明装置1は、光学的に透明/半透明なハウジング3であって、機械的に取り付け具5と接続されたハウジング3を有する旧来型に似た照明バルブまたはランプの形態をしている。取り付け具5は、照明装置1を従来型のソケット(ここでは従来型のねじ型フォルダとして説明する)に接続するためのものであり、照明装置1をさらに1次電源に接続する。
【0032】
1つ以上の光源7は、透明なハウジング1の内部に備えられる。本実施形態では、光源7は、複数の発光ダイオード9を含む。本例では、複数の発光ダイオード9は、照明装置1が広角な照明となるように1つ以上のアレイ11内に配置される。最適な効能、効率、寿命を得るため、LEDアレイ11は機械的に固定され、熱的にヒートシンク13に接続される。ヒートタンク13の構造と機能は、出願人の初期の英国出願(GB1014428.5)に記載されており、その内容は言及により編入される。
図1に示すように、ヒートタンク13はバッテリ17がはめ込まれている空洞15を有する。以降で詳細に説明されるように、バッテリ17は主電力障害が発生した場合に光源7に電力を供給するためのものである。
【0033】
電子回路19は、基部21の内部または照明装置1のヒートシンク13の空洞の内部に備えられる。電子回路19は、幹線主電力障害が発生を感知する回路と、バッテリ17と光源7とを接続して主電力障害などの間に照明を提供する回路とを含む。好ましい照明装置1は、異なる照明の設置状態において機能するためのいくつかの異なる動作モードを有する。1つのモードでは、照明装置1は、従来型の照明回路に設置することができ、この従来型の照明回路は、照明装置1を1次電源から切り離して照明装置1のオンとオフを切り替える1つ以上の手動で操作可能なスイッチを有する。電子回路19は、このようなスイッチの開状態および閉状態を感知することができる。もう一方のモードでは、照明装置1は、永続的に主電源と照明装置を接続する照明回路であって、1つ以上の手動で操作可能なスイッチを有する照明回路に設置することができる。ここで当該スイッチは、操作された際に一時的に照明装置1と1次電源の間の接続を切断(あるいは変更)する。照明装置1は、このスイッチへの操作を検出することができるとともに、その動作を変更することができる。照明装置1は、工場またはユーザ設定で異なる動作モードに設定され、または、設置された照明回路の種別を自動的に感知して、初めにスイッチを入れたときに解析することによって等その動作モードを設定し、またはこれらの組み合わせにより設定される。
【0034】
照明回路
従来型の照明回路
図2aは、
図1に示した照明装置1が設置され得る、従来型の電気設備12を説明する回路図である。
図2aで説明されるように、地方または全国電力網で供給されるAC電力は典型的には、千ボルトオーダーの非常に高い送電電圧から、低いコンセントの供給電圧まで変圧器14によって変圧される。変圧器14の2次巻線は、ここではビルディング18への外部コネクタを表す端子16越しに、1以上の地域の顧客に電力を提供する。この入力の供給(電位Eとして示す)は通常、一般に分電盤、カスタマーユニットまたは同様のものにはめ込まれる電流制限保護装置22(フューズ、ブレーカ回路等)を通過する。
図2aに示すように、2つのソケット24−1と24−2は、照明回路28内で、ユーザの操作可能な遮断スイッチ26−1および26−2を介して電流制限装置22と接続される。本略図では、2路構成を示しているが、ソケット24を電流制限装置22に接続する1つのスイッチ26のみまたは複数のスイッチであってもよい。従って、そのようなソケット24にはめ込まれた照明装置1は、照明の光源7のための1次電源として主電力供給を得る。
【0035】
図2aに示すように、ビルディング18内の供給端子間のインピーダンスは、インピーダンス(Z)30で表される。インピーダンス30は、電流制限保護装置22を介して端子16に入力する電力供給に接続される他の電気器具や装置などの負荷により生成される。後により詳細に記載するように、このインピーダンス30(オプションとして電流保護装置22のインピーダンスと変圧器14のインピーダンスと共に)は、ユーザの操作可能な遮断スイッチ26が開状態または閉状態の場合に、有効で検出可能な照明回路28のインピーダンスの差を生じさせる。
【0036】
従って、照明回路28の1つのソケット24にはめ込まれた照明装置1から主電力が切断された場合、照明装置1は1次電力端子32のインピーダンスを測定することによって、スイッチ26が開回路または閉回路であるかを検出し、主電力が停電により切られたのか、主電力が遮断スイッチ26の1つをユーザが切り替えたことにより切られたのかを判定する。様々な異なるアプローチをとってこのインピーダンスを測定することも可能であり、それゆえ手動で操作可能なスイッチ26の状態を判定できる。以降でより詳細に説明されるように、このアプローチは、同じ照明回路28にはめ込まれた他の照明装置の動作であって同一のスイッチ26または電位Eの同一の供給回路により制御される他の照明装置の動作に、1つの照明装置1によって得られる測定値が干渉または有害な影響を与えないことを保証しなければならない。これが得られる好ましい方法は後により詳細に記載される。
【0037】
照明装置を
図2aに示すような従来型の照明回路にはめ込む際の問題は、ある非常用照明の規制をこの装置1が満たさない可能性があることであり、この規制は典型的には、主電源障害の場合には非常用照明が点灯することと、主電源障害からの復帰後即座にバッテリの充電を開始することとを要求するものである。特に、1つの遮断スイッチ26がオフ(開回路)の状態にある場合、照明装置1は主電源障害を検出することができず、主電源が復帰したときに(照明装置1が開回路スイッチ26によって1次電源から遮断されているように)バッテリ17に再充電することができない。
【0038】
永続的に動作する照明回路
図2bは、
図1に示す照明装置1が取り付けられる代替的な電気設備12’を説明する回路図である。
図2aと
図2bを比較すると明らかなように、
図2bの照明回路28’は、ソケット24にはめ込まれた照明装置1が主電源に永続的に接続される(または少なくとも実質的に永続的に接続される)ことと、非遮断スイッチ26’が瞬時のまたは一時的な切断もしくはその他によって照明装置1と1次電源(すなわち閉接点)との接続を切り替えること、とを除いて、
図2aに示す照明回路と同一である。本略図では、スイッチ26’は、ユーザがスイッチ26’を押し込む限り電力供給を切断するプッシュ・トゥー・ブレイクタイプのスイッチである。一度ユーザがスイッチ26’を放すと、1次電源が再び照明装置1に接続される。照明装置1内の電子回路19は、一時的な切断を検出可能であり、これに応じて照明装置1の動作を制御可能である。例えば、照明装置1が現在オン状態で電子回路19が主電源の切断を検出した場合、この電子回路は照明装置1のスイッチを切ることができる。この電子回路は、スイッチ26’のひとつが有効化されて(この場合、照明回路28’は、有効化されたスイッチ26’の開回路によって生じた高インピーダンスを有する)主電源の切断が生じたのか、主電源障害(この場合、照明回路28’は低インピーダンスを有する)により生じたのかを判定することができる。この切断が電力障害によって生じた場合、照明装置1(内部バッテリ17からの電力を使用して)が点灯して非常用照明を提供することができる。ひとたび主電力が回復すれば、照明装置1は、可能ならまたは要求に従って、内部バッテリ17の充電を開始することができる。
【0039】
ゆえに、照明装置1が
図2bに示す照明回路28’に取り付けられた場合には、照明装置1は上述した非常用照明の規制の機能的要求を満たすことができる。
【0040】
動作モード
本実施形態で使用される照明装置1は、
図2aに示すような従来型の照明回路28か、
図2bに示す永続的な電力供給照明回路28’のいずれに接続されるかに応じて異なる動作をする。照明装置1は、設置場所または製造において工場で設定された照明回路の種別に応じて正しく動作するように、設置者によって調整され得る。あるいは、照明装置1は、設置された照明装置の種別(およびそのスイッチの種別)を自動的に推測こともできる。より簡易な装置では、1つの種別の照明回路でのみ動作するように設計され得る。さらに、いずれの取り付け種別においても、照明装置1はいくつかの異なる動作モードを有し、現在の動作モードは典型的には、照明装置1に対する1次電源の外部状況およびユーザスイッチ26/26’の状態に応じて判定される。上記から、供給そのものが、3つの状態:電力あり、供給が開回路(高インピーダンス)の際に電力なし、供給が閉回路(低インピーダンス)の際に電力なし、にカテゴリ分けされ得る。
【0041】
動作の第1モード
動作の第1モードは、取り付け具5と電気的に接続された1次電源があるときに動作するものと定義され、この取り付け具5は、光源7を発光させるための電気的なエネルギーを供給することにより有効な照明を提供する。照明装置1が(
図2aに示したような)従来的な照明回路28と接続されている場合、照明装置1は1次電源が利用可能なときはいつでも光源7が発光するように構成される。しかし、以降の記載から明らかになるように、照明装置1が(
図2bで示したような)永続的に動作する照明回路28’に接続された場合、照明装置1は、照明装置1の以前の発光状態および検出されたユーザスイッチ26’の有効化状態に応じて、1次電源から受け取った電力の光源7への適用を制御するように構成される−従って、照明装置1における1次電力の存在は、照明装置の明かりをつけるためには十分ではない。
【0042】
第1モードの間には、バッテリ17は、要求通りに1次電源のエネルギーを使用して、典型的にはステップダウン変圧器、スイッチ式電力供給または他の電圧低減および整流サブシステムを介して、さらに知的に(再)充電を行い得る。バッテリ17の充電は電子回路19によって制御され、この電子回路19は、充電率とセル電圧を監視して過充電または過剰な急速充電を防止する。
【0043】
動作の第1モードの間には、電力は1次電源により提供されており、従って電力障害は生じていない。このため、電子回路19は、供給ラインのインピーダンスを感知してユーザの操作可能なスイッチのいずれかが開回路または閉回路であるかを判定する必要はない。従って、照明装置1がこの動作の第1モードである全てまたはほとんどの時間に渡って、当該感知は抑制され、もしくは結果的に否定または無視され得る。しかしながら、このような感知は、1次電源の切断−電力の切断の結果もしくは切断スイッチ26またはプッシュ・トゥー・ブレイク型スイッチ26’の1つをユーザが開く結果として発生し得る‐が検出されるとすぐに実行される。
【0044】
動作の第2モード
動作の第2モードの間には、照明装置1は2次電源(この場合はバッテリ17)からの電力を使用して有効な照明を提供するように構成される。照明装置1は、照明装置1は取り付け具5を介して1次電源に接続され、1次電力が存在しない間にこのモードに設定されるとともに、処理回路19は供給ライン間が低インピーダンス(典型的には5Kオームを下回る)であるかを判定する。当該供給インピーダンスの測定は、連続的、周期的、ランダムまたは擬似ランダムになし得る。このようなランダムまたは擬似ランダムな測定は、同一の照明回路に接続された他の類似の照明装置1(例えばシャンデリアなどの複数の照明を共通の照明スイッチで制御する複数の照明)との干渉を回避するために有用である。当該複数の照明装置1が共に操作可能な方法は、後により詳細に説明する。
【0045】
好ましい実施形態においては、処理回路19は、照明装置1が取り付け具5を介して低インピーダンスの負荷と電気的に接続される場合、照明装置が動作の第2モードに入るように構成され、これにより照明装置1がバッテリ17からの電力を用いて照明を生成するように構成される。これは、デモンストレーション、診断上および他の目的のために−例えば、適当な低インピーダンスの電気的接続(ユーザの手など)で取り付け具5の供給端子を短絡させることによって―照明装置1をテストすることを可能にする。また、処理回路19は、診断用テストの間に、もしくは例えばユーザの操作可能なスイッチ26または26’を介して外部装置または信号から送信された入力コマンドを受信したことに応じて、照明装置1を動作の第2モードに設定することができる。
【0046】
動作の休止モード
動作の休止モードは、照明装置1が
図2aに示す従来的な照明回路に接続されたときの状況に適用できる。動作の休止モードでは、照明装置1は、電子回路19が部分的に機能していても有効な光を発光しないように構成される。照明装置1が照明回路28に接続され、かつ1次電源ラインに接続された高インピーダンスの負荷(概して10Kオームを上回る)が存在するとき、照明装置1は、取り付け具5を介した1次電力の入力が無い期間のための、動作の休止モードに入るように構成される。繰り返すと、このインピーダンスの測定は、連続的、周期的、ランダムまたは擬似ランダムになし得る。照明装置1は、1次電源端子を通じて主電力が復帰したとき(この場合、上述した動作の第1モードに戻る)、または逆に1次電源がなく、センシング回路が1次電源ラインに接続された低インピーダンスの負荷を感知した場合(この場合、上述した第2モードに戻る)に当該休止モードを抜ける。
【0047】
好ましい実施形態では、電子回路19は様々な省エネルギーの技術や動作の休止モードの間にバッテリ17から電子回路19で使用される電力を最小化する回路要素を用いる。
【0048】
動作のスリープモード
動作のスリープモードでは、照明装置1は有効な照明を発光しないように構成され、電子回路19はインピーダンスの測定を行わないように構成されている。動作のスリープモードには、照明装置1が予め定められた期間(例えば6か月)に動作の休止モードであった後やバッテリへの蓄電が下の閾値レベルを下回った場合、外部装置にからそうなることが通知された場合、または照明装置1の予め定められた特定の状態にユーザがする場合−照明装置1への主電力を3秒回に6回切り替えるなど−に入り得る。コンセント信号の検出は、1次電源端子で受け取る信号が所定の周波数レンジ(例えば40Hzから70Hzまで)に入る周波数であることを検出することによってコンセント信号の検出を成し得る。照明装置1は、好ましくは、製品がユーザによって取り付けられるまで、バッテリ17から使用される無または最小の電力を維持するように、製造時に、デフォルト状態として休止モードに設定される。照明装置1は、例えば1次電力を照明装置1に供給することによってスリープ状態から”目覚め”得る。
【0049】
外部状況を測定している間に1次電力が照明装置1から取り外されると、照明装置1は第2モード(ライト・オン)に瞬時に切り替わる。このようにして、通常の使用や停電の間に照明のフリッカや中断が生じないようにする。
【0050】
診断およびモードインジケータ
本実施形態では、照明装置1は発光ダイオードの形態の診断用表示ランプ23を有し、発光ダイオードは電子回路19と別々に接続されている。この電子回路19は診断用表示ランプ23を制御して、連続的あるいは途切れ途切れに現在の動作モードを表示し、および/または、内部の何らかの故障を表示する。これは例えば、診断用表示ランプ23の照明を変化させることにより、または複数の異なるLEDが異なる色である場合はこれらを明るくして異なる診断状態を示すことにより成し得る。オプションとしてこのような診断システムはバッテリの調子や状態と関連する設定値を含みうる。
【0051】
遠隔制御
図1に示したように、好ましい照明装置1はまた、照明装置1から離れた他の装置(不図示)から信号を受信しまたは当該他の装置に信号を送信可能な、通信トランスデューサ25を含む。例えば遠隔操作者による診断テストや設定が望まれる場合、これらの外部信号を用いて照明装置1の動作を制御し得る。通信トランスデューサ25は、対応する無線信号を用いる遠隔装置と通信できる光学トランスデューサ(赤外トランスデューサ等)や音響や電磁トランスデューサ(RFトランスデューサ等)であり得る。この遠隔装置は、簡単なバッテリかそうでければ携帯型コントローラであり、この携帯型コントローラは、ユーザが照明装置1に制御コマンドを入力するための複数の機能ボタン(等)を有する。また、このリモートコントローラは照明装置1を設定するために使用されて、
図2aに示したような従来型の照明回路28や
図2bに示したような永続的な1次電源に接続された照明回路28’に取り付けられたかどうかを示し、この情報は電子回路19が異なる外部状況に応答するように制御する。
【0052】
この遠隔制御機能を使って、例えば照明装置1が生成される光の明るさを変化させ得る。これは、例えば(複数の)光源7に適用される電力(電流および電圧の少なくとも一方)を変化させることによってなし得る。あるいは、(複数の)光源7がそれぞれのグループが電子回路19により独立に電力が供給される異なるグループに属するように構成された場合、そのときは同時に電力を供給される(複数の)光源7の数を変更することによって明るさを変え得る。
【0053】
また通信トランスデューサ25を使用して、状態および診断情報の少なくともいずれかを遠隔装置と通信することができる。例えば、電子回路19はバッテリ17の状態の変化を監視するように構成され、この残充電状態は遠隔装置に通信トランスデューサ25を介して伝送され得る。
【0054】
また通信トランスデューサ25を使用して、電子回路19のメモリ内に蓄積するために外部装置経由でユーザプログラミング情報の入力を受信し得る。このユーザプログラミングは、例えば、第1または第2の動作モードの少なくともいずれかでの発光体の明るさや周波数、または実行して診断用表示ランプ23を介してなどユーザに伝送される自己診断テストと結果の様式を定義する。遠隔制御信号を使用して、停電でない場合やユーザの操作可能なスイッチ26が開回路である場合にも照明装置1を点灯することができる。この機能を使用して、例えば、中央制御局が建物内の複数の照明装置1を制御する建物の中にいるシナリオにおいて、夜間の照明を目的とした指定されたレベルの明るさでスイッチを入れることができる。
【0055】
電子回路
図3は、この好ましい実施形態で使用される電子回路19の主要な部分を説明するブロック図である。図示するように、回路19は、取り付け具5内に備わる1次供給端子33に接続された電力供給部31と、バッテリ17のプラス端子とマイナス端子に接続された2次供給端子34とを含む。この電力供給部31は、例えばステップダウン変換、スイッチモード電力供給または他の電圧低減および整流システムによって1次供給電圧を変圧し、1次供給から得られた(または供給端子33に1次供給が無いことを感知した場合、端子34を介してバッテリ17から電力を供給)電力をプロセッサ35に提供するように構成され、プロセッサ35は照明装置1の動作を制御する。また、この電力供給部31は光源7の発光に必要な電力を提供する。
【0056】
また電子回路19は、照明装置1の前の状態情報を保持するラッチモジュール36とタイマー38を含む。本実施形態では、ラッチモジュール36とタイマー38は、照明装置1が永続的(あるいは仮想的に永続的)に1次電源を有する照明回路28’に接続されたときに使用される。プロセッサ35は、光源7を発光させるために1次電源端子33で受け取った電力を使用するか否かを判定する。プロセッサ35は、この判定を1次供給が1次電源端子33で1次電力が利用可能か否かおよび、ラッチモジュール36で保持される状態情報に基づいて行う。後に説明するように、タイマー38を使用して、正しい操作を保証するために使用されるスイッチ26’の1つをユーザが有効化する時間を測定し、調光や照明装置の調光を制御する。
【0057】
また電子回路19は、1次供給端子33端のインピーダンスを感知するように構成されたセンシング回路37と、端子34または他のコネクタを介してバッテリ17を充電するための充電回路39と、上述した様々な診断テストを実施し、1つ以上の端子43を介して診断用表示ランプ23を制御するための診断モジュール41と、1つ以上の端子47と接続された通信トランデューサ25を介して遠隔装置と通信するための通信モジュール45とを有する。
【0058】
図3に示すように、本実施形態では、電子回路19はまた、2つの出力ドライバ50−1と50−2を含む。このドライバはプロセッサ35によって制御され、出力端子49と51を介して光源7(不図示)を駆動するための理想的な駆動電流を提供する。本実施形態では、光源7は2つのグループ、即ちそれぞれひとつの出力ドライバ50によって駆動されている光源7の各グループになるように構成される。従って、本実施形態では、プロセッサ35は、それぞれの出力ドライバ回路50を制御することによって、両方のグループの光源7かいずれか一方のグループのスイッチを同時に入れることができる。プロセッサ35はまた、それぞれのグループの光源7の明るさを変化させることができ、これは出力ドライバ回路50のそれぞれに所望の駆動電力を設定することによってなされる。このように複数の出力ドライバ50を使用し、制御回路19により制御することができる。
【0059】
図3に示すブロック図では、異なるモジュールはプロセッサ35とは別々のモジュールとして示されている。実際には、
図3に示すモジュールの多くの機能はソフトウェアモジュールであってこれらのモジュールはプロセッサ35またはソフトウェアとハードウェアの混合によって実行される。例えば、ラッチモジュール36はいくつかのプロセッサコードといくつかのメモリの形態をとり得え、また、1つ以上のハードウェアラッチを用いた形態であり、このハードウェアラッチが電子回路19またはそのサブシステムの動作状態の変化に基づく出力をトグルで切り替えるものであり得る。これらのモジュールは、異なるモジュールの機能および動作の容易な理解のため
図3の形式で示されている。様々なモジュールのより詳細な説明をこれから示す。
【0060】
プロセッサ
本実施形態では、プロセッサ35は電子回路19の心臓部であり、
図3に示すモジュールの全ての動作を制御する。プロセッサ35はASICデバイスに基づいてもよく、好ましくは(PICマイクロコントローラ等の)プログラマブルプロセッサであってメモリと動作を規定したソフトウェアを有する。このようなソフトウェア制御のプロセッサは、改善されたソフトウェアや設置後の15の追加機能によってより容易にアップデートすることができる。動作の第1モードの間には、プロセッサ35は1次供給から得られる電圧で動作し、操作の第2モードおよび休止モードにはバッテリ17から得られる電圧で動作する。
【0061】
充電回路
充電回路39は、(電力供給部31を介して)バッテリ17の充電状態を監視し、必要なときはバッテリ17を充電(または再充電)するために設けられている。バッテリ17の状態を監視することで、充電回路39はバッテリ17が過充電にならないことを保証できる。充電回路39はまた、過去の記録または(第2の動作モードの間に明るさのレベルを調整して、例えば3時間の間に最低限の照明を得る等のための)分析のため、および/または、診断用表示ランプ23または通信トランデューサ25のいずれかを介してユーザに出力するため、現在のバッテリ充電状態を診断モジュール41に伝送する。本実施形態では、充電回路39はまた、バッテリ充電が完全に枯渇して結果的に潜在的なバッテリの故障が生じないように、動作の第2モードにおけるバッテリの使用を制限する。従って、本実施形態では、充電回路はプロセッサ35に情報を伝送して、バッテリ充電が定めた閾値のレベルを下回る場合に非常用照明を停止させる。
【0062】
診断モジュール
診断モジュール41は、様々な診断テストを行って、診断結果を診断用表示ランプ23によりユーザに提示する。また診断結果は、プロセッサ35のメモリ(不図示)内部に格納され、照明装置1の動作の過去の記録として保持され得る。診断モジュール41は、バッテリ充電状態情報を得るために充電回路39とやり取りを行うとともに、センシング回路37、通信モジュール45および出力ドライバ50とやり取りを行って、現在の内部動作を確認し得る。診断モジュール41の動作は、通信トランデューサ25を使用して受信した信号、または例えば端子33を介した1次供給による他の通信された信号のいずれかで、ユーザが制御することができる。
【0063】
通信モジュール
通信モジュール45は、照明装置1と外部装置との間の通信トランデューサ25を介した通信を制御するように動作することができる。この通信モジュール45は、遠隔装置に送信するためのデータや遠隔装置から受信するデータに対して必要なあらゆる変調および復調を実行する役割を担う。例えば、通信モジュール45は、照明装置1の動作を遠隔監視するため、診断モジュール41から得られた診断データを遠隔装置に送信する。あるいは、ユーザ設定データは遠隔装置から受信されてプロセッサ35にプログラムされる。
【0064】
出力ドライバ
複数の出力ドライバ50は、プロセッサ50によって制御され、光源7を駆動するために必要な駆動電力(または電圧)を生成する。使用される出力ドライバ50は、駆動される(複数の)光源7の設定および技術に依存する。本実施形態では、複数の光源7はLEDであり、出力ドライバ50は商業的に入手可能な統合回路LEDドライバとすることができ、この統合回路LEDドライバは、個別にまたは1以上の“線”であれ、LEDを駆動する効率的なパルス幅変調(PWM)電流フィードバックなどの機能を有する。それぞれの出力ドライバ50は、プロセッサ35により(個別にまたは1つのエンティティごとに)制御され、その出力端子49/51においてそれぞれ異なる駆動電力(または電圧)を生成することができる。出力ドライバ50は、電力供給部31で生成された複数の供給電圧から複数の駆動信号を生成するため、これらの電力を取得する。
【0065】
センシング回路および電力供給部
図3に示すように、センシング回路37は、電力供給部31を介して1次供給端子33端のインピーダンスを感知するように構成される。好ましい実施形態における、接続を確立する方法およびセンシング回路37が計測を実行する方法は、
図5を参照して後述する。
【0066】
ラッチモジュール
上述したように、照明装置1への仮想的に永続的な1次電力接続を提供する照明回路28’に接続された場合、ラッチモジュール36は照明装置1のための状態情報を保持して、照明装置1を正しく動作させる。特に、
図2bで示したように、ユーザがスイッチ26’のひとつを有効化した場合または停電の場合のうち、少なくとも一方の場合を除いて、照明装置1は1次電力を受け取る。従って、照明装置1が(1次電力から切断する)スイッチ26’のひとつの押し込みを検出した場合、ラッチモジュールは何をすべきかを把握するために現在の動作状態を記憶する。特に、照明装置1が1次電源から電力を使用して光源7を発光している場合にスイッチ26’の1つをユーザが押し込んだことを検出したとき、照明装置1は、その後スイッチ26’をユーザが開放(供給端子33における1次電力の回復によって現われる)した後に、光源7への電力を切断(さもなければ変更)する。しかし、スイッチ26’をユーザが押し込む直前に光源7が切断された場合、照明装置1は、1次電力の再適用においてスイッチ26’をユーザが開放した後に光源7を点灯する。ラッチモジュール36は、現在の動作状態の情報を保持して、照明装置1が正しい制御動作をとることができるようにする。以降においてより詳細に述べるように、本実施形態では、プロセッサ35はラッチモジュール36に制御信号をいつでも送信してそのラッチされた状態を変更し、当該プロセッサはラッチモジュール36からのラッチされた出力に基づいて、照明回路28’の外部動作状況の変化に応じた制御動作を行う。
【0067】
永続的な1次供給での動作
仮想的に永続的な1次電源を照明装置1に提供する
図2bに示した照明回路28’と照明装置1が接続されている場合に電子回路19が動作する方法を、以降においてより詳細に説明する。
【0068】
以下の説明において、以下の動作状況が考慮され、区別される:
状況A − 1次電源が1次供給端子33に提供されている
状態B − 1次電源1が1次供給端子33に提供されておらず、1次電源端子33端において高インピーダンスが測定されている(複数のスイッチ26’のうちの1つが開回路であることを示す)
状態C − 1次電源1が1次供給端子33に提供されておらず、1次電源端子33端において低インピーダンスが測定されている(複数のスイッチ26’が閉じており従って1次電源障害を示す)。
【0069】
図4aは、1次電源障害のない場合に照明装置1が通常動作する様子をグラフで時系列に図示している。
図4aの上側のプロット53−1は、初めは外部動作状況が状態A、即ち照明装置1が1次供給端子33から1次電力を受けている状態を図示している。下側のプロット53−2はラッチモジュール36からの出力を図示している。簡単な実施形態では、プロセッサ35はラッチモジュール36からの出力を使用して、複数の光源7のスイッチの入り切りを制御する。この出力が“0”または負論理の出力である場合、プロセッサ35は複数の光源7のスイッチを切り、出力が“1”または正論理の出力である場合、プロセッサ35は複数の光源7のスイッチを入れる。従って、
図4aの例では、初めにはラッチモジュール36の出力は“0”であるため複数の光源7は発光されない。
【0070】
その後時刻t1において、ユーザがスイッチ26’の1つを押し込んで1次電源端子33から電力を切断し(状態B)、これが電子回路19に検出される。(1次電力は照明装置から切断され、電子回路19の部品はバッテリで駆動される。)この1次電源の切断は、例えば電力供給部31の出力における整流信号(1次供給端子33において受け取る信号を整流することで得られる)のレベルが閾値レベル未満まで低下した場合を検出することによって検出し得る。1次電源の切断を検出したことに応じて、タイマー38が開始されるとともにセンシング回路37が1次供給端子33端のインピーダンスの測定を開始する。この場合、スイッチ26’がユーザに押し込まれたため、インピーダンスは高くなる−ユーザがスイッチ26’を有効化したため照明装置1の動作状態の変更を望んでいることを確認する。好ましくは、すべきことを決定するまえに何度か測定を行う−誤った制御動作を行うリスクを低減する。
【0071】
1次電源に生じる短時間の電力の異常によって動作状態が変更されることを回避するため、照明装置1の何れかの動作状態をプロセッサ35が変更する前に、1次電源は、最小期間で1次供給端子33から切断されなければならない。本実施形態ではこの最小期間は10分の1秒であるが、当然他の最小期間を使用可能である。
図4aに示すように、この例では、操作状態は、10分の1秒より長い期間taにわたって状態Bを維持している。従って、ユーザがスイッチ26’を期間taの最後に放した場合、1次電源は1次電源端子33端に回復し、この回復が電子回路19に検出される。これは、電力供給部31の出力の上記整流信号(1次供給端子33で受け取った信号を整流することによって得られる)のレベルが他の閾値のレベルより大きい場合を判定することによって検出され得る。電子回路19が1次電源の回復を検出した場合、プロセッサ35はタイマー38を停止して、ユーザがどれだけの間スイッチ26’を押し込んだ(すなわち期間ta)かを読み出し(そうでなければ推測し)、その時間が上述した最小期間より長いかを判定する。この場合、この最小期間より長いため、プロセッサ35は制御信号をラッチモジュール36に送信して、その出力状態を変更する。この場合、ラッチモジュール36の出力状態は“0”であるため、このラッチモジュール36の出力状態はトグルして“1”になる。プロセッサ35は、出力ドライバ回路50を制御することによってこの変更に応答して、これらの出力ドライバに1次電源端子33で受け取った1次電源の電力を用いて複数の光源7を発光させる。このラッチモジュール36は、次の外部状況の変化が検出されるまでこの出力状態を保持する。
【0072】
また
図4aは、時刻t2において、外部の操作状態の短時間の変化を示している−状態Aから、10分の1秒に満たないtbの期間継続する状態Bに変化する。図示するように、この場合、プロセッサ35は時刻tbが上記定められた最小期間より短いかを判定し、そのときは当該変化を無視して、ラッチモジュール36が出力状態を変更するための制御信号を送信しない。従って、時刻t2における外部状況の変化によっては複数の光源7の発光は変化しない。
【0073】
時刻t3では、外部動作状況が状態Aから状態B(1次電力の存在がなくなり、スイッチは高インピーダンスの開状態にある)に再び変化して、再び最小の閾値−10分の1秒−より長いある期間tcに渡ってこの状態が継続する。従って、ユーザがスイッチ26を開放し1次電力が回復する場合、プロセッサ35はラッチモジュール36にその出力状態を変更またはトグルさせる。ラッチモジュール36の現在の出力状態が“1”であるため、この出力状態は“0”に変更される。プロセッサ35はこの新たな出力に応じて出力ドライバ回路50を制御して、これらのドライバを複数の光源7に電力を出力しないように抑制し、これにより複数の光源7が消灯される。
【0074】
本実施形態では、(時刻t2およびt3のように)複数の光源7が発光していて1次電源が切断されると、プロセッサ35は、初めに複数の出力ドライバ回路50を制御してバッテリ17の2次電源を用いて複数の光源7に電力を提供させ、複数の光源7を消灯させるか否かについての決定がなられるまで電力を提供させる。このようにして、1次電源に短時間の電力の異常がある場合に複数の光源7は点滅しない。
【0075】
上記は、1次電源障害がない場合の照明装置1の基本的な動作を説明した。
図4bは、主電力供給の1次電源障害がある場合(上で述べた状態C)の照明装置1の2つのとり得る動作をグラフで示している。特に、上側のプロット54−1は外部の動作状況の変化をグラフで示し、中央のプロット54−2は照明装置1が停電に応答するようようプログラムされ得る方法の1つを示し、下側のプロット54−3は照明装置1が停電に応答するようようプログラムされ得る他の方法を示している。中央のプロット54−2で示す最初の方法では、照明装置1は停電を無視して上述した方法で動作を継続する。従って、時刻t4に停電があるとき、プロセッサ35はラッチモジュール36の出力状態を変更するための制御信号をラッチモジュール36に送信せず、そのため照明装置1はその現在の動作モード−この例では光源7は消灯したまま−を保持する。ユーザが次に時刻t5において(例えば上述した最小期間より長い間)スイッチ26’を押し込んだとき、電子回路19はこれを検出および応答し、プロセッサ35は制御信号を送信して、ラッチモジュール36にその出力状態を変更させる−この場合“0”から“1”。プロセッサ35はラッチモジュールの出力状態の変化に応じて、(この時間は1次電源がないため)複数の光源7をバッテリ17からの電力を用いて発光させる。ユーザが再度時刻t6においてスイッチ26’を押し込んだ場合、電子回路19はこれを検出し、プロセッサ5が他方の制御信号を送信して、ラッチモジュール26にその出力状態を変更させる−この場合“1”から“0”。プロセッサ35はラッチモジュール36の出力状態の変化に応答して複数の光源7を再び消灯させる。このようにして、照明装置1内の複数の光源7によって生成される照明は、停電の起きた時間でさえ制御し得る。時刻t7において1次電力が照明回路28’に回復した場合であっても、複数の光源7は消灯したままとなる。
【0076】
他の応答の(
図4bの下側のプロット54−3に示した)方法では、照明装置1はより従来型の非常用照明装置のように動作する。特に、時刻t4において主電力障害があるとき、電子回路19は(1次電源の信号がないことを感知するとともに供給端子33端の低インピーダンスを測定することにより)これを検出する。その後プロセッサ35はラッチモジュール36の現在の出力状態を読み出す。現在の出力状態が“0”(複数の光源7が現在オフであることを示している)である場合、プロセッサ35はラッチモジュール36に制御信号を送信してその出力状態を“0”から“1”に変更させる(後にプロセッサ35に、バッテリ17からの電力を用いて複数の光源7を発光させるように変更させる)。しかし、ラッチモジュール36の出力状態がすでに“1”である場合(複数の光源7はすでに発光していることを示している)、プロセッサ35はラッチモジュール36に制御信号を送信せずにその出力状態を変更しない(複数の光源7は今を除いてバッテリ17からの電力を用いて駆動された状態を継続する)。従って、複数の光源7が元から消灯し、これらが突然発光した場合、その建物にいる人に停電であることを知らせる。この動作方法は、停電が発生した場合に(1次電源を用いて発光していなかった場合は)非常用照明が発光しなければならないことを規定したいくつかの典型的な法的要求を満たす。
【0077】
その後、時刻t5においてユーザが一時的にスイッチ26’を押し込んだとき(上記最小期間より長い間)、電子回路19は、スイッチ26が押し込まれている間に1次供給端子33端の高インピーダンスを感知することによって開回路となったことを検出する。これに応じて、プロセッサ35は制御信号をラッチモジュール36に送信して、ラッチモジュール36の出力状態を変更させる。現在の状態は“1”であるため、この制御信号によってラッチモジュール36は出力状態を“0”にトグルさせる。これに応じて、プロセッサ35は複数の光源7を消灯させる。時刻t6においてユーザが再びスイッチ26’を(上記最小期間より長い間)一時的に押し込むと、そのときは同様に検出してプロセッサ35はラッチモジュール36に制御信号を送信してその出力状態をトグルさせる−このときは“0”から“1”。プロセッサ25はこの新たなラッチモジュール36の出力状態に応じて、複数の光源7をバッテリ17からの電力を用いて再び発光させる。1次電力が時刻t7において照明回路28’に回復したとき、電子回路19は再び外部状態の変化を感知する。これに応じて、プロセッサ35はラッチモジュール36の現在の出力状態をチェックする。その状態が“1”である場合、プロセッサ35はラッチモジュール36に制御信号を送信して、その出力状態を“0”に変更させる。ラッチモジュール36の現在の出力状態がすでに“0”である場合、プロセッサ35は制御信号をラッチモジュール36に送らず、その出力状態は同一のままとなる。いずれの場合にも、出力状態は“0”になり、プロセッサ35は複数の光源7を消灯することでこれに応じる。このように、このモードの動作では、照明装置1は、照明が単に不要な場合にスイッチ26’によってユーザが非常用照明を消灯できる点を除いて、従来型の非常用照明装置のように振る舞う。また、ひとたび1次電源が回復すると充電回路39は直ちにバッテリ17の再充電を開始することができ、上述したように最も厳格な法的要求を満たす。
【0078】
さらなる代替的な動作モードとして、停電である場合にプロセッサ35は照明スイッチ26’に対するユーザ操作を無視してもよく、この方法では照明装置は従来型の非常用照明と同じ方法で動作する。さらに、ある追加モードが含まれ又はオプションとしてユーザが有効にすることができ、このモードではラッチモジュール36が停電の前に“1”の状態である場合、1次電源の回復時においてこの状態を継続し(即ち、この情報は他のラッチやメモリによって格納または記憶される)、さらにオプションとして、停電の間にユーザが操作可能なスイッチ26’の操作がまったく検出されなかった場合に維持する。この照明装置1が異なる外部の操作状態に対応する方法は、与えられた照明装置1を修正し得、あるいは設定ルーチンにおいてユーザが設定可能にし得る。
【0079】
調光
単純に複数の光源7をスイッチで入り切りすることに加えて、ユーザによるスイッチ26’の有効化によってユーザが複数の光源7の明るさのレベルを設定可能にする。従って、ユーザは、このシステムに追加する他のハードウェアなしに、スイッチ26’と電子回路19を介して複数の光源7の効果的な調光が停電時であっても可能になる。
【0080】
図4cは、ユーザが継続時間を変更するためのスイッチ26を押し込んだ状態にし、この継続時間に基づいて明るさを変更することによって、この調光制御を実現し得る方法をグラフで示している。従って、
図4cの上側のプロット55−1は、状態A(1次電力が存在し、かつスイッチが閉状態)から状態B(スイッチが開状態)への外部状態の変化を示している。これは、状態Cから状態Bへの状態の変化がある場合にも適用可能である。従って時刻t8において、状態A(またはC)から状態Bへの状態の変化がある−換言すればユーザがスイッチ26’の1つを押し込んだ状態である。プロセッサ25は、上述した方法でこれを検出して、タイマー38を開始する。この場合、ユーザがスイッチ26’の押し込んだ状態を、予め設定された“調光用閾値”をタイマー38が超えるまで維持すると、調光サイクルあるいは調光モードに入り得る。この調光用閾値は、上述した従来型の”オン”/“オフ”モードで操作する場合にユーザが通常のスイッチ26’を有効化する時間より長い。この調光用閾値は、例えば1秒または2秒であり得る。プロット55−1に示した略図では、t9において、プロセッサ35はタイマー38がこの調光用閾値に達したことを検出する。これに応答して、プロセッサ35はラッチモジュール36の出力をチェックする調光モードに入る。この場合、ラッチモジュール36は、単純な2値のトグル型ラッチではなく、むしろ“0”から“最大”と“最大”から“0”をカウントできるカウンタのように振る舞う。ラッチモジュール36が“0”出力を保持する場合は複数の光源7は消灯され、“最大”出力を保持する場合は、この光源7は最大(ユーザ定義)の明るさで点灯する。ラッチモジュール36の中間の出力値は、この光源7の中間的な明るさのレベルに対応する。
【0081】
図4cに示す略図では、ラッチモジュール36は初めに出力値“0”を有する。時刻t9において、プロセッサ35はユーザがスイッチ26’のうちの1つを調光用閾値よりも長い間有効化したかを判定して、ラッチモジュール36に制御信号を送信し、出力値が以前は“0”であったのでこれを“MAX”出力値に設定する。従って、時刻t9において複数の光源7は最大の明るさで点灯する。ユーザが継続してスイッチ26’を押し込み、時刻t10においてスイッチ26’が開放されるまで継続する。時刻t9とt10の間に、プロセッサ35はラッチ装置36に定期的またはそれ以外で制御信号を送信して、ラッチモジュール36によって保持される出力値を減少させる。従って、プロット55−2に示すように、時刻t9と時刻t10の間では、ラッチモジュールの出力は低下する。上述したように、プロセッサ35はラッチ装置36の出力状態にすぐに応答し、複数の光源7に伝達される電力を制御する。従って時刻t9と時刻t10の間では、複数の光源7の明るさはユーザが時刻t10においてスイッチを開放するまで着実に減少し、この後、次のスイッチ操作または停電時まで明るさのレベルを維持する。従って、複数の光源の明るさは、ユーザがスイッチ26’を有効化した時間の長さによって判定される。
【0082】
次に時刻t11において再びユーザがスイッチ26’を押し込んだ場合、電子回路19はこれを検出し、上述した調光用閾値の期間を経過後(即ち時刻t12において)、プロセッサ35はラッチモジュール36への制御信号の送信を開始して、その出力レベルを減少させ(以前に時刻t10で設定された出力レベルから開始する)、これによって複数の光源7の明るさはさらに低下する。ひとたびラッチモジュール36の出力が時刻t13において再び“0”に到達(または他の定められた0や“オフ”より上の明るさレベル)すると、ラッチモジュール36はプロセッサ35から受信した制御信号により出力値の増加を開始し、ユーザがスイッチ26’を開放する時刻t14まで増加させる。従って複数の光源7の明るさは、最大値と最小値の間でスイッチ26’を開放するまで循環する。もちろん、時刻t11においてユーザが短い期間にスイッチ26’を有効化した(最小時間より長いが調光用閾値より短い期間)場合、そうするとラッチモジュール36はその出力値をその時点で何の値であれこの値から“0”にトグルし、従ってプロセッサに複数の光源7を消灯させる。次の調光操作は、同じプリセット値または以前に設定されて記憶された明るさのレベルから開始され、オプションとして、同一の最大値またはそれ以外の繰り返し可能な明るさのレベルに設定され、さらにオプションとして、期間または調光モード操作の遷移数についてのある閾値を超えた後に開始される。
【0083】
従って、上記から理解可能なように、ユーザはスイッチ26’を有効化する時間の長さを変化させることによって簡単に複数の光源7の明るさを制御することができる。
【0084】
当業者が理解するように、ユーザがスイッチ26’を押し込んでいる間、複数の光源7はバッテリ17によって駆動されるため、調光の作動は、バッテリが十分に充電されていることのチェックや照明装置が適切に動作していることのテストとしても働く。ひとたびユーザがスイッチ26’を開放すると、1次電源が利用可能であれば、1次電源から得られる電力を用いて同一の電力レベルが複数の光源7に供給される。
【0085】
通常の使用中に、ユーザが複数の光源7の調光を制御できるようにすることに加えて、調光を制御する技術は、複数の光源7の調光を上述した“1次”動作モードの間および“2次”動作モードの間に用いることもできる。従って、ユーザは、1次電力が使用可能か否かに応じて異なる明るさレベルを設定することができる。プロセッサ35は、後の使用のためにこれらの明るさレベルを記憶することができ、複数の光源7が点灯する場合、プロセッサは以前に設定されていた“1次”および“2次”動作モードで異なり得る明るさレベルを設定することができる。
【0086】
インピーダンスの感知
図5に示すように、センシング回路37はアイソレーション抵抗61とアイソレーション抵抗63を介して1次供給端子33に接続され、アイソレーション抵抗は1次供給によるセンシング回路37の故障を防止する。センシング回路37が供給端子33端のインピーダンスの測定を行おうとする場合、センシング回路37は基準となるまたはグランドから離された供給端子33間に測定電圧を印加する。この測定電圧の大きさは、好ましくは1から9ボルトの間であり、典型的にはバッテリ17により供給される電圧のレベル(3ボルトなど)と同様である。これは、典型的には88から265ボルトの間であるRMSを有するACボルトである幹線給電のボルトの大きさと比べてかなり小さい値である。従って、以降の記載から明らかになるように、幹線給電のボルトがこの端子33に印加されているときにはセンシング回路37はこの測定電圧を使用して供給端子33端のインピーダンスを測定することができない。しかしながら、このことは重要ではなく、というのも、電子回路19は1次供給の電圧が印加されているときに供給端子33端のインピーダンスを測定する必要がないためである。実際、好ましい実施形態では、プロセッサ35は、供給電圧が端子33間に印加されている動作の第1モードに間に、センシング回路37が測定電圧を生成しないようにする。供給電圧の印加は、例えば1次供給端子33間のコンセント電圧レベルが、想定されたボルト値について予め定められた制限の範囲内にあることを確認すること(あるいは参照用の目的でステップダウンまたはその他の変換された電圧)あるいは、供給電圧の周波数が、例えば1次供給の電圧が40Hzより高く70Hzより低い周波数を有することを確認し、想定された周波数の値の範囲内にあることを確認することによって検出される。
【0087】
図5に示すように、1次供給端子33は、AC供給電圧をDC電圧に変換するブリッジ回路69に接続され、このDC電圧は定電圧ダイオード73を介してスイッチモード電力制御モジュール71に入力される。そしてスイッチモード電力制御モジュール71は、入力DC電圧を、電子回路19の他の部品を駆動するためおよび(複数の)光源7を駆動するために必要な、適切な出力電圧に変換する。
【0088】
定電圧ダイオード73を使用する理由についてここで説明する。上述したように、センシング回路37の目的は、1次供給端子33端のインピーダンスを測定することである。しかしながら、供給端子33は、(
図2に示した)照明回路28または照明回路28’と、電力供給部31および残りの電子回路19の回路部品との両方に接続される。従って、電力供給部31および照明装置内の他の回路のすくなくともいずれかが、供給端子33の間において低インピーダンスの経路となる場合、センシング回路37は、実際には照明回路27または28’におけるユーザの操作可能なスイッチ26または26’が開状態(高インピーダンス)の場合を、これらが閉状態(低インピーダンス)であるものと誤って解釈する。従って、本実施形態では、この低電圧ダイオード73を使用して、センシング回路37と残りの他の電子回路19との間を分離する。この分離は、測定電圧の大きさが定電圧ダイオードのブレークダウン電圧より低いため、これによって定電圧ダイオード73がセンシング回路37に(または少なくとも測定電圧に)高インピーダンスを与えることによって実現される。もちろん、1次電圧が供給端子33に印加された場合、この定電圧ダイオード間に印加される整流DC電圧はずっと大きく、そしてこの定電圧ダイオードのブレークダウン電圧より大きくなる。従って、1次電圧が供給端子33に印加された場合には、ブリッジ回路69からの整流電圧は、低電圧ダイオード73を介してスイッチモード電流制御モジュール71に引き渡される。同様の分離は、他の半導体接合デバイスを用いても実現される。この半導体接合デバイスは、例えばいくつかの連続して接続されたダイオードを、この全ての複数のダイオード間の電圧降下が測定電圧より大きく、または測定電圧が従来型のダイオードのブレークダウン電圧より低くなるように用いるものである。このようにすると定電圧ダイオード73は従来型のダイオードと置き換えられ得る。
【0089】
図5に示すように、キャパシタ75は1次供給端子33に接続される。このキャパシタ75は、従来的に用いられて、照明装置の性能をEMCコンプライアンスとパフォーマンス等(例えばPSUの一部として平滑化を行う)の観点で向上させる。しかしながら、好ましい実施形態では、キャパシタ75は、供給端子33の間のインピーダンスがセンシング回路37によって判定される際にも使用される。特に、キャパシタ75は、参照用として検出されるように、センシング回路37にとって既知の回路部分として提供され、センシング回路の感知機能の自己診断を可能にする。
【0090】
測定プロセス
上述したように、センシング回路37が測定を行うと、供給端子33間に測定電圧が印加される。本実施形態では、同一の照明回路上における同様の照明装置1の間の干渉のリスクを最小化するため、および測定時にバッテリ17から使用されるエネルギーを最小化するため、センシング回路37は、一連の電圧パルス67(ここでは短形波パルスとして説明されるが異なるパルス波形を有しうる)を含む測定信号65を生成する。それぞれの電圧パルス67の間に、電荷がキャパシタ75に蓄積され、このキャパシタ75はその後電圧パルス67が終了すると時間の経過に伴って蓄積電荷を失う。キャパシタ75上の電荷の蓄積および蓄積電荷の減衰の割合は、供給端子33端のインピーダンスに依存し、それゆえユーザの操作可能なスイッチ26または26’の状態に依存する。
【0091】
図6は、伝送されるパルス67(
図6a)と対応するキャパシタ75端の電荷(電圧)の結果(
図6bおよび
図6c)をいくつかのグラフで示している。
図6aは、センシング回路37によって生成される電圧パルスを示している。それぞれの電圧パルス67の持続時間(T0)は、典型的にはミリ秒単位であり、複数のパルスの間の期間(T)は典型的には0.1から10秒の間である。
図6bは、蓄積し、その後、手動で操作可能なスイッチ26または26’が開状態(高インピーダンス)になった場合に継時的に減衰する、キャパシタ75端の電圧の様子を示す。
図6cは、蓄積し、その後、手動で操作可能なスイッチ26または26’が閉状態(低インピーダンス)になった場合に継時的に減衰する、キャパシタ75端の電圧の様子を示している。
図6bおよび
図6cに示すプロットの比較によって明らかになるように、蓄積しその後減衰するキャパシタ75間の電圧の割合は、供給端子33端のインピーダンスに依存し、それゆえ手動で操作可能なスイッチ26または26’の状態に依存する。従って、センシング回路37は、キャパシタ75間の電圧を監視することによって、手動で操作可能なスイッチ26または26’の現在の状態を感知する。センシング回路37が実行することができる方法は様々あり、以降それらの方法について説明する。
【0092】
スイッチ26または26’の状態を感知する技術の1つは、
図6bおよび
図6cの左側の波形にそれぞれ示されている。この技術では、センシング回路37は、電圧の減衰が点W1(キャパシタ75端の既知の電圧V1に対応)から点W2(キャパシタ75端の既知の電圧V2に対応)に下降するのに要する期間を計測し、その後、判定された期間(
図6bに示すプロットの場合はT1であり
図6cに示すプロットの場合はT2)を予め定められた閾値と比較するように構成される。判定された期間が閾値を上回る場合は
図6bに示すプロットのような場合であり、手動で操作可能なスイッチ26または26’は開状態であると判定される。これに対して判定された期間が閾値を下回る場合は
図6cに示すプロットのような場合であり、手動で操作可能なスイッチ26または26’は閉状態であると判定される。
【0093】
判定に用いられる予め定められた閾値の値は、工場設定の定数または照明装置の設置に応じて調整され得る。例えば、センシング回路37は、予め定められた期間にわたってインピーダンスの変化を感知して、測定された最短時間と測定された最長時間を検出するように構成され得る。この閾値は、これらの時間の中間のどこかに設定され得る。あるいは、設置手順の最中に、ユーザは手動で操作可能なスイッチ26または26’を(1次供給が照明回路から分離されているとき)何度かオンとオフすることを要求され、スイッチ26または26’が開状態とときと閉状態のときに測定が行われる。そして適切な閾値がその設置用に判定される。建物内部や照明回路28または28’のインピーダンスは時間とともに(同じ照明回路28または28’上に設置され得る他の照明装置の数や種類等によって)変化し得るため、センシング回路37は高インピーダンスのための稼働中の平均値と低インピーダンスのための稼働中の平均値を保持することができ、これらの平均値を時々閾値をリセットするために用いる。
【0094】
ひとたび照明装置1が照明回路28または28’に設置されると、この技術において用いられる電位閾値V1およびV2は工場設定の閾値にもなり得、あるいは、これらの閾値は照明装置1のためのキャリブレーションルーチンの間に動的に設定され得、そうでなければユーザまたは動作モードにより選択され得る。この値は好適に設定され、手動で操作可能なスイッチ26または26’の開状態または閉状態の間の広く広がる測定時間において信頼性を生み出す。
【0095】
代替的な技術は
図6bおよび
図6cに示す右側のプロットに示されている。特に、この技術におけるセンシング回路37は、キャパシタ75端の電圧が測定された最大値(V3)の地点W3から、電位がピーク電圧V3に対して設定された割合(例えば5分の1)であるV4値の地点であるW4まで下降するのに要する時間を計測する。従って、上述したように、供給端子33端に接続された高インピーダンスが存在する場合(スイッチ26または26’が開状態の場合)、測定された時間T3は、閾値を上回り、反対に、供給端子33端が低インピーダンスである場合(スイッチ26または26’は閉状態)、測定された時間T4は、閾値を下回る。
【0096】
上述したいずれの技術においても、センシング回路37は好ましくは、
図6dに示すウィンドウコンパレータ81(ハードウェアおよびソフトウェアの少なくともいずれかにより実装され得る)のようなウィンドウコンパレータを使用する。この場合、入力電圧Vin(キャパシタ75端の電圧)は2つのコンパレータ83−1および83−2の入力となる。コンパレータ83−1において、入力電圧は高電圧参照値V
Href(第1の方法における電圧V1または第2の方法における測定された最大キャパシタ電圧V3に対応)および他のコンパレータ83−2において、入力電圧は低電圧参照値V
Lref(第1の方法における電圧V2または第2の方法における電圧V4)。コンパレータ81からの出力信号Voutは、入力電圧が2つの参照レベルの間である場合は低レベルとなり、それ以外の場合は高レベルとなる。そしてセンシング回路37は期間T1とT3を、出力電圧Voutの立下りエッジと立上がりエッジの間の期間として測定する。
【0097】
供給端子33端のインピーダンスを感知するための更なる代替的な方法は、キャパシタ電圧の立下りエッジにおける1つの測定値のみを使用する方法である。特に、センシング回路37が持続時間T0およびそれぞれの測定用電圧パルス67の振幅V0の両方が既知である場合、この振幅値に対する割合の比は終了点のタイミングとなり得る。従って、センシング回路37は、電圧パルス67の立上りまたは立下りのエッジから与えられた閾値にキャパシタ75端の電圧が下降する期間を計算し得る。或いはまた、センシング回路37は、測定用パルス67の立上りまたは立下りエッジのあとの予め定められた期間の経過後に、単に瞬時電圧を測定し得る。供給端子33端のインピーダンスが高い場合、測定電圧は、供給端子33端のインピーダンスが低い場合と比べて高くなる。しかしながら、このような抽象的な測定は、ノイズや測定誤差の影響を受け易いため好ましくない。実際、好ましい実施形態では、センシング回路37が手動で操作可能なスイッチ26または26’の状態をひとたび判定すると、その後センシング回路37は連続した測定用電圧パルス67を比較して、手動で操作可能なスイッチ26または26’の状態の変化を決定する。この決定は、ある測定から次の測定への計測された期間の中の重要な変化を検出することによってなされる。センシング回路37は、ひとたび手動で操作可能なスイッチ26または26’の状態の変化を検出すると、照明装置1の動作モードに変更が生じるまえにいくつかの追加の測定を行って状態の変化を確認する。これらの追加の測定は、状態の変化を示した第1の測定がノイズまたは測定誤差によるものである場合や照明回路28または28’に設置された1つ以上の他の類似する照明装置1からの測定結果と不整合がある場合に用いられる。
【0098】
複数の照明装置間の干渉
上述したように、複数の(
図1に示したような)照明装置1は、複数のソケットを有する照明器具やシャンデリア等のように、与えられた照明回路28または28’上で並列に接続され得る。休止モードおよび操作の第2モードの場合、それぞれの照明装置1は、インピーダンスの感知のための各照明自体の測定用パルス67のセットを生成する。ある照明装置1によって測定用電圧パルス67が供給端子33間に印加されると、他の照明装置1の接続は、供給端子33間において測定される、外見上の追加的な静電容量性の負荷(キャパシタ75による)となる。このことは、充電率と、センシング回路37で測定されるキャパシタ電圧の減衰率とを変化させる。従って、再び、適切なキャリブレーションルーチンにおいて、センシング回路37はセンシング回路37の感知精度を最大化するために用いる閾値を適切で正確なものにすることができる。この充電率の上昇から、センシング回路37は同じ照明回路28または28’に接続されている同様の照明装置の数を(キャパシタ75の容量値が既知であり他の照明装置にも同様のキャパシタが備わっていると想定できるため)推定することができる。
【0099】
上述したように、それぞれの測定用電圧パルス67の持続時間(T0)とパルス間の期間(T)は、(同じ照明回路28または28’に接続された)2つの照明装置1が測定用電圧パルス67を1次供給端子33に同時に印加する可能性を最小にするように、好適に選択される。特に、期間Tがそれぞれの電圧パルス67の持続時間T0よりはるかに長い(この実施形態の例では、100から100倍の間の長さ)場合、同じ瞬間に供給端子33間にそれらの測定用パルスを印加することは、2つ以上の照明装置1にとって極めて稀になる。このような衝突の可能性は、ランダムまたは擬似的ランダムに継続する測定用パルス67間の期間Tを変更することによって、さらに減少させることができる。これは、例えば一定の期間Tと、それぞれの測定点においてランダムまたは擬似的ランダムに変更する値とを用いることによって行い得る。このランダムな値と照明装置1間におけるクロック周波数での変動(物理的な製造部品間の固有の差)との組み合わせは、2つ以上の照明装置1が同時に供給端子33間にそれぞれの測定用パルス67を印加する可能性をさらに減少させ得る。
【0100】
他の照明装置1が同時または同様の時間に、供給端子33間にそれぞれの測定用パルス67を印加する稀な場合においては、正確でない読み取り結果が得られる。しかし、上述したように、好ましい実施形態では、センシング回路37は決定を行う前に複数の測定用パルス67から得られた複数の測定値を用いる。即ち、1つのパルスから得られた測定値は分離して用いられないため、他の照明装置1によるこのような同時の(あるいは重複した)計測値によって起こる誤差は、照明装置1を誤って動作させることはなく、信頼性の高い動作を実現する。
【0101】
他の複数の照明装置1との衝突を回避するためにパルス間隔Tを変更することに加えて、他の目的のためにもパルス間隔Tを変更し得る。例えば、センシング回路37が初めに供給端子33端のインピーダンスの変化を検出した場合、センシング回路37は、変化した回路インピーダンスが持続的かつ有効の両方であることを照明装置1の動作モードを変更する決定前に確認するために、連続するパルス間の間隔を短縮し、これによってこの決定期間を短縮化し得る。
【0102】
反対に、測定用電圧パルス67の間の間隔は、バッテリ電力を節約するために知的に拡大し得る。特に、照明装置1が第1の動作モード(または第2の動作モード)から休止モードに最後に切り替わったとき、センシング回路37は供給端子33端のインピーダンスを通常の繰り返し期間Tで測定するように構成される。しかし、照明装置1の動作状態が拡大期間(例えば数週間または数ヶ月の間)の間に変更されない場合、そのときは、センシング回路37は測定用電圧パルス67間のインターバルを拡大するように構成される。典型的には、測定用パルス電圧67間の通常の繰り返し期間(T)は50と500ミリ秒の間であり、この期間は、例えば、秒の単位に拡大され得る。このような測定用パルスを遅延させることは、休止モードの後および必要になった際の非常用照明への切り替えが若干遅くなる可能性が増す点を犠牲にすれば、休止モードの間のバッテリ17から使用する電力を著しく減少させる。測定用パルス67の間の期間はバッテリ17の充電状態にも依存し得る。特に、バッテリの充電が減少するほど、プロセッサ35はセンシング回路37に伝達して測定用電圧パルス67間のインターバル(T)を増加させ得る。このようにして、バッテリ17の消費を最小化することができる。
【0103】
マスタ/スレイブ動作
(
図1に示したように)複数の照明装置1が同一の照明回路28または28’あるいは同一の場所にある場合、照明装置1のひとつをイピーダンスの測定を行うマスタ照明装置にして、他の照明装置1をインピーダンスの測定を行わないスレイブ装置にすることで、照明装置1の間の干渉はさらに減少し得る。
図7には、このような照明装置のマスタ/スレイブの組み合わせが示されている。マスタ照明装置は1−Mと呼ばれ、スレイブ照明装置は1−Sと呼ばれる。この場合、マスタ照明装置1−Mは停電があると判定した場合、動作の第2モードに入るべき他のスレイブ照明装置1−Sに信号を伝達して、内部のバッテリ17からの電力を用いて照明を生成させる。複数の照明装置1間の通信は、各通信トランデューサ25を用いてなし得る。あるいは、マスタ照明装置1−Mは、供給端子33に通信信号を適用して同一の照明回路28または28’に接続された他の照明装置1に信号を伝達し得る。この通信信号は、供給端子33で受け取る1次供給信号と通信信号を照明装置1−Sが区別できる適切なキャリア周波数に変調され得る。
【0104】
通信トランデューサ25が複数の照明装置1間の通信に使用され、1つ以上のスレイブ照明装置1−Sがマスタ照明装置の範囲外にある場合、マスタ照明装置1−Mの範囲内にあるそれ以外の1つ以上のスレイブ照明装置1−Sがリピータまたはリレー装置として動作して、マスタ装置1−Mへの又はマスタ装置1−Mからのメッセージは”範囲外”のスレイブと通信される。
【0105】
スレイブ照明1−Sの電子回路19による干渉を制限するため、それぞれの照明装置1は、リレーもしくは、供給端子77からその電子回路19を切断することができる同様の分離または切断装置77を含み得る。この方法では、照明装置1がスレイブデバイス1−Sとして設定されている場合、分離装置77を有効化して、第1の動作モード以外のすべての動作モードにおいて電子回路19を供給端子33から分離する。この方法では、(複数の)スレイブ照明装置とマスタ照明装置1とが休止モードまたは動作の第2モードである場合、マスタ1−Mはインピーダンス測定を実行でき、全てのスレイブ照明装置1−Sは分離装置77によって効率的に供給端子33の間で開回路となる。マスタ照明装置(または他の装置)が動作モードが変化したことを判定すると、マスタ照明装置1−Mは、この状態の変化をスレイブ照明装置1−Sに送信し、スレイブ照明装置1−Sはそれぞれ動作モードを適用する。スレイブ装置は動作の第1モードに戻ると分離装置77を無効化し、スレイブ照明装置1−Sの電子回路19は、1次電源で駆動するために再び供給端子33に接続する。
【0106】
従って、当業者が理解するように、それぞれのスレイブ装置1−Sにこのような分離装置77を提供することにより、スレイブ装置によって生成され得る干渉を除去して、インピーダンス感知の効果および効率を向上させることができる。加えて、1つの照明装置のみをマスタとして利用すれば(少なくともスレイブ照明装置において)バッテリ消費を最小化することができる。従来型の照明バルブへの分離装置77の提供は有効でもある−これは、照明スイッチ26または26’が開回路か閉回路かを判定するためのマスタによってなされた測定と干渉する、従来型のバルブ型を通る経路の低インピーダンスを抑制し得る。このような照明バルブは、マスタが測定を行う場合に、分離装置77の正しいスイッチ切り替えを保証するための知的なPSU装置の何らかの形態を必要とするが、バッテリやセンシング回路を持たない。このような実施形態では、停電の場合には、バッテリ17または他の2次電源を有する照明装置のみが非常用照明を提供し、2次電源を有しないその他の照明装置は明らかに非常用照明を提供しない。
【0107】
どの照明装置1がマスタであるか、およびどの照明装置1がスレイブであるかの判定については、例えばそれぞれの照明装置1内の設定データをユーザが設定し、例えばそれぞれの照明装置1に通信トランデューサ25により設定信号を送信することによって選択され得る。
【0108】
あるいは、照明回路28または28’への接続の順番に応じて自動的に選択され得る。1実施形態では、マスタ照明装置1−Mの役割が複数の照明装置間で順に交替されて、異なる照明装置1におけるバッテリの消費電力を均等にする。例えば、マスタ照明装置1−Mは、それぞれのスレイブ照明装置1−Sをポーリングして、これらの現在のバッテリ充電を判定するようにプログラムされ得る。このポーリングの結果に応じて、現在のマスタ照明装置1−M(または外部装置)は、スレイブ照明装置1−Sのいずれかをマスタとなるべきかを判定し、適切に引き継ぎ(ハンドオーバー)が実行される。
【0109】
電力制御回路
上述したように、照明回路37は、端子33における1次供給から生成される電圧、あるいは2次電源として構成されたバッテリ17(または他の蓄電装置)のいずれかによって駆動される。従ってスイッチ回路は、1次供給から得られるDC電圧あるいはバッテリからのバッテリ電圧のいずれかを選択して、照明配列11および電子回路19の回路部品の少なくともいずれかを駆動する。
【0110】
図8に示す回路装置は、1次供給元の電位V(1次供給電圧とスイッチモード電力制御モジュール71またはいくつかの他のPSUからの出力を整流して得られる)または2次供給元の電位W(バッテリ17から得られる)のいずれかからの最も高い電位差を自動的に得て、継続的な電力をプロセッサ35および照明装置1の他の電子部品に供給する。図示されるように、この回路は2つのダイオード90−1および90−2を含み、これらは入力が1次電源の電位Vに接続されているダイオード90−1と、入力がバッテリ17から得られる2次電源の電位Wに接続されているダイオード90−2である。図示されるように、プロセッサ35への供給電位は両方のダイオード90の出力に接続される。従って、プロセッサ35は、供給電位Vまたは2次バッテリ電位Wのいずれかからその瞬間的な値に応じて電力を引き込む。従って、この回路装置は簡潔で途切れのない電力供給(UPS)回路を提供する。
【0111】
プロセッサ35に加えてあるいはプロセッサ35の代わりに、システムの他の構成要素(光源または(複数の)照明配列を含む)が、
図8に示す回路装置(またはこの派生形)を用いて電力を提供され得る。しかし実際には、この回路装置が(複数の)照明配列を駆動する場合は特に、バッテリ17による動作ではダイオード90間の電圧降下が非効率になり易く、これは、この電圧降下がバッテリ17から利用可能な電圧のかなりの部分を表し得ることによる。
【0112】
従って、1次電力と2次電力(バッテリ)を切り替えるための任意のスイッチ回路は、バッテリ電力供給が電力を1次電源回路へ放電することを防止する一方で、最低限の電圧降下もしくは非効率な動作が求められる。換言すれば、バッテリがコンセントからのDC供給に直接接続されないように、十分な完全分離がなされなければならず、さもなければ1次供給から電力を用いたバッテリの充電において制御が行えないものとなる。
【0113】
図8に示す単純なダイオード回路に関する電圧降下を回避するため、好ましい実施形態では、
図9に示す回路92を用いて、バッテリ17から使用されるバッテリ電圧を制御する。また同様の回路92は、スイッチモジュール電力制御モジュール71から出力された(複数の)1次供給電圧から使用される電力を制御し得る。図示するように、負荷制御回路92は、逆に直列接続された2つの金属酸化物電界効果トランジスタ(MOSFET)93−1および93−2を有し、これらのMOSFETは、不活性状態の場合の逆流電流を防止する際の負荷制御を提供するための新たな方法で構成されている。この2つのMOSFETの逆接続は、これらがなければ、これらのMOSFETが遮断された場合にMOSFET93を通じた不適当な電圧降下および電流の流れのうちすくなくともいずれかをもたらす任意のMOSFET装置93固有の内部のボディダイオードの特性を克服することができる。
【0114】
図示するように、回路92は、入力端子94、制御端子96および出力端子98を含む。入力端子94は、端子34(ここでは電位Xとして図示)を介してバッテリ17と接続される電力の入力端子である。制御端子96は、負荷制御回路92からの出力を制御するための低活性入力であり、入力端子94に関してマイナスの電位を適用して、結果的に出力端子98(電位Zとして図示)においてプラスの出力電位になる、実際には入力端子での電位Xをわずかに下回る、ようにする。
【0115】
インピーダンス装置100(典型的には抵抗)は、入力端子94から制御端子96への電力源を提供する。これは、プロセッサ35等の他のシステム構成要素が、例えばバッテリの低充電レベルを感知して1次電源が次に利用可能になるまで間の、延長または持続期間のための長期のハイバーネーションまたは’スリープモード’に入る場合に関連する。このインピーダンス装置100は従って、制御端子96に対する供給用の制御回路(例えばプロセッサ35)が高インピーダンスまたは切断状態になる場合、入力電位(X)に対して制御入力端子96を閉状態に維持する。これは、複数のMOSFET93を切断状態のままにし、これにより入力端子94と出力端子98の間で高インピーダンスを維持することを保証する。
【0116】
図9に示すように、2つのMOSFET93のそれぞれは、ゲート(Gで示す)、ソース(Sで示す)およびドレイン(Dで示す)を有する。複数のMSFETは、装置構造に固有の、常に逆向きの”ボディダイオード”があるという問題を有する。この問題を解決するためには、MOSFET93−1のドレインをMOSFET93−2のドレインに接続するように2つのMOSFETを直列に接続する。これは、2つのMOSFETスイッチ93の固有のボディダイオード(
図9において101−1および101−2で示して図示)は互いに反対向きとなる。これは、OSFETのスイッチが入っていない場合に、結果として生じる、ボディダイオードを通じた逆電流の問題を排除する。この2つのMOSFET93のスイッチが入る場合、この2つのMOSFETの組の間の電圧降下は最小となり、回路動作に対する問題が解消する。これは、通常のバッテリの電圧や、スイッチモード電力制御モジュール71によって生成された幹線給電からの電圧(典型的には数ボルトとなる)と比較して、著しい節約となる。似たような利点は、1つのMOSFETのソースが他のMOSFETのソースに接続されるように2つのMOSFET93が接続された場合にも得られる。
【0117】
従って、2つの反対向きのMOSFET93をこのように用いることにより、2つのMOSFET93のスイッチが入った場合のMOSFET間の電圧降下の問題は解消し、2つのMOSFET93が高インピーダンス状態にある場合、この2つのリバース接続されたボディダイオード101が、入力端子94と出力端子98の間を流れる電流であって、(スイッチモード電力制御モジュール71またはそれ以外を介して得られる)1次電源とバッテリ17から得られる2次電源との電位差から生じる電流を防止する。
【0118】
自己テスト診断
診断モジュール41は、検証および診断目的のための自己テストを実行するように構成される。これらのテストは、時間インターバルや、ユーザの操作可能なスイッチ、通信モジュール45等を介して受信した信号を通じたユーザ要求等のコマンドやイベントによる他の方法に基づいて、連続的あるいは途切れ途切れに実行される。あるいは、格納された過去のデータおよびリアルタイムな測定値であって、バッテリ17や他の2次蓄電装置の充電または放電性能に関連するような測定値等、の少なくともいずれかを含む監視回路の状況を通じて、テストは適切な時刻に知的にスケジュールされ得る。この時刻は、最適な動作効率のために、システムの動作の現在のモードに応じたものになり得る。
【0119】
テストは、プロセッサ35や回路19の他の部分によってある期間に渡って収集されたデータに対するソフトウェアによる解析を含み得る。例えば、バッテリ17等の機能および十分な性能を検証する場合、解析は収集されたデータを用いて実行され得る。この収集されたデータは、ある期間内のバッテリの電圧や変化率の測定値を用いて実行され得る。当該期間は、充電回路39による充電時間(この解析のための入力データとして次に使用するために、充電回路39等が代わりにまたは追加で充電電流を測定した時間)、およびバッテリ17が充電されていない期間のうち少なくともいずれかであり得る。
【0120】
この解析は、バッテリ17に任意の負荷を適用して、その中に蓄積された電位の放電に影響を与え得る。従って、電位差の減衰率等のより適切な測定データを得られる機会を提供し得る。この負荷は、指定の切り替え可能な抵抗等の、もっぱらこの目的のために知られた負荷であり得るが、(複数の)光源7自体が、内部で測定されまたは機知のハードウェアパラメータから近似され得る負荷であってもよい。この場合、システムは任意のモードで動作してもよいが、好ましくは、発光がすでに必要とされる期間での動作の第1または第2モードのいずれかの際に動作するため、テスト等は通知されることなく行われる。このテストが動作の第1モードの間に行われた場合、バッテリ17は一部または全ての電力を供給して、バッテリ解析のためのデータが収集される間の限られた期間に(複数の)光源7を動作させ得る。このようなテストは、(期間や使用量のために集められるデータに関連するような)自動的なスケジューリング、あるいは、(以前または過去のテスト結果や、ユーザ要求等の)手動、のいずれかに従って途切れ途切れに実行される。照明回路28’の場合、テストはスイッチ26’が開回路であるときのたまに或いは常に行われ、バッテリ7はシステムやその一部に2次電源を提供するためにすでに負荷状態となり得る。このテストは代わりにまたは追加で、使用されているバッテリ技術に応じて、使用サイクルを通じたバッテリ寿命の延命や性能の維持のために定期的に部分的または全部を放電すれば2次電源にとって都合がよい場合にも実行され得る。このような戦略的な全部または一部の放電は、診断テストルーチンの一部として、バッテリ状態および性能維持の少なくともいずれかと性能解析の両方を統合した理想的な可能性を示す。
【0121】
全てまたは実質的な放電は、停電時に第2モードで動作するための能力的な観点では理想的ではないので、好ましくはそのような動作は、非常用照明の規則が要求し得る期間性能のテストなどの、頻繁に発生せずユーザ要求によるものに制限される。あるいは、部分的な放電テストは、確認されるべきバッテリの(全容量または残量のいずれかの)可用性を推定するための十分なデータとして提供されて、診断モジュール41または通信モジュール45等に表示され得る。
【0122】
好都合なことに、すでに負荷がバッテリ17に存在((複数の)光源7)するときに第2モード時にテストが実行された場合、このバッテリ放電の解析はバッテリ性能を確認するために実行され得る。更に好都合なことに、このようなテストルーチンは、もっともらしい残要領の予測や推定に追加的に用いられてもよい。このような情報は、プロセッサ35またはそれ以外の制御を通じて、バッテリから使用される電力を知的に調整して、停電時の照明期間を最小化する非常用照明を保証するために電流を取得または最適化し得る。そして、この調整は繰り返しまたは常に目的を考慮して行われ得る。あるいは、このような残容量や期間推定は単に格納または使用され、診断モジュール41や通信モジュール45を介するような何らかの方法でユーザへ伝達され得る。
【0123】
変形および代替的な実施形態
上述した実施形態では、センシング回路19がインピーダンス測定を行う場合、定電圧ダイオード73を使用して、センシング回路37を電子回路19の他の部分から分離した。類似の分離は、様々な他の技術を用いても実現することができる。例えば、リレーや変換器を用いて、理想的な分離を行うことができる。
図10は、3つの代替的な回路であって、インピーダンス測定を行う場合にセンシング回路37を電子回路19の他の部分から分離する回路を示している。これらの変換器の構成では、変換器は1次電源供給電圧を低電圧に降下させるために用いられ、この低電圧はその後平滑化され、
図5に示した回路と類似のブリッジ回路69によりDC電圧に変換され得る。このような変換器に基づく分離方法は、上述した主要な実施形態に比べて単純であるものの、これらはセンシング回路37と1次電源の間の分離と、センシング回路37と電子回路19の他の部分との分離とを実現する利点を提供する。
【0124】
図10aに示す回路では、変圧器82は、1次コイル84に接続された1次電源(J)と2つの部分に分割される2次コイル86とを有する。この2つの部分は、電圧Kの降下を実現する主の2次コイル86−1と、センシング回路37に接続する第3のコイル86−2とからなる。動作では、第1モード時に供給電位Jが現れた場合、電位K(または結合された電位K+L)は、電子回路19および光源7を駆動するための通常の電力を提供するために用いられる。しかしながら、休止モードや第2モード時には第1の電位Jはもはや提供されず、センシング回路37が2次コイル86−2の端子L端に測定用パルスを印加する。これらのパルスは、変圧器82の通常の磁束動作を通じて、1次コイル84に信号を誘導する。K端での任意の回路の接続は常に変わらないため、無視し得る。従って、J端における高インピーダンスまたは低インピーダンスの変化は、電気的に分離されているにも関わらずL端から測定することができる。従って、センシング回路37は照明装置1に接続されている照明回路28または28’のインピーダンスの変化、すなわち、ユーザの操作可能なスイッチ26または26’をユーザが入り切りした結果として生じる変化、を検出することができる。
【0125】
図10bは代替的な変圧器回路であって、2つの変圧器82−1および変圧器82−2が、電位Mを有する1次電源に対して直接に接続されている変圧器回路を示している。本実施形態の動作は、第1モードにおいてN端から得られる電力と、休止および第2モード時にセンシング回路37によるインピーダンスの感知が実行される場合にP端に伝送されるパルスとで、
図10aにおいて説明した動作と変わるところはない。
図10cは、動作の第1モード時に1次電源入力Qから電位差Rを提供する従来的に配置された変圧器82と、1次コイル84の接続点の周辺または近接した位置に設置したコイル88であって、S端に印加されたパルスが1次電源ラインに誘導された電流を生じさせるもの、とを代替的に示している。この誘導電流は、センシング回路37により感知することができる逆起電力(back EMF)を、S端に次々と誘導する1次供給のラインのインピーダンスに依存する。
【0126】
上述した実施形態では、1次電源障害の場合にバックアップや2次電源を提供するため、照明装置はバッテリ17を含んでいた。このバッテリは、任意の技術であり得、着脱可能または着脱不可であり、複数のバッテリは直列および並列の少なくともいずれかに接続されて用いられ得る。それぞれのバッテリ自体は、バッテリ技術に適切な方法で単一あるいは多重セルを含む。多重セルバッテリが用いられる場合、充電器は、それぞれのセルを個別またはグループ単位で好適に監視および充電する。あるいは、1つ以上のバッテリ17を用いる代わりに、キャパシタなどの他の蓄電装置を用いて2次電源を提供してもよい。しかしながら、長時間にわたって2次電源を提供できるため、バッテリが好適である。この2次蓄積装置は、照明装置の内部に好適に設置されるが、必要に応じて外部に設置され得る。1実施形態では、バッテリは電子回路19から分離され、照明装置が動作の第1モードにのみ動作するようにし得る。これは、受け取ったユーザ入力に応じて、またはバッテリ故障やシステムの他の部分の故障の検出に応じて行われ得る。
【0127】
上述した実施形態では、センシング回路37は、外部回路とその潜在的負荷による供給端子33端のインピーダンスを測定するために、供給端子33間に印加する電圧パルスを生成した。代替的な実施形態では、センシング回路37は電流生成器を含み、センシング回路37は代わりに1つまたは両方の供給端子33に既知の電流パルスを適用し、そしてその供給端子の電圧を測定して、供給端子33の間のインピーダンスの測定を判定することができる。また、1次供給端子に単一パルスを印加して、そのインピーダンスの測定を判定することは必須ではない。他の従来的な方法を使用してもよい。
【0128】
上述した実施形態では、照明装置1の内部で使用された複数の光源はLEDであった。当業者が理解するように、LEDの使用は、制御における容易さ(例えば出力輝度) 、長い想定動作寿命、乱暴な取り扱いに対する可用性および(バッテリで動作する可能性のある装置にとって)特別な利点である低消費電力が与えられる点で好ましい。しかしながら、複数の光源は、任意の照明技術からなり、OLEDのような固体式の派生物や、コンパクトな蛍光性のチューブ、(ハロゲン照明等の)白熱照明などのより従来型の発光体技術から形成されてもよい。
【0129】
上述した実施形態では、照明装置は通常型に似た照明バルブまたはランプの形態ととった。しかしながら、照明装置は、一般的な蛍光性の“ストリップライト”種に似た引き伸ばしたチューブの形態をもとり得る。
【0130】
上述した実施形態では、バッテリは光源から熱を取り除くヒートシンクの空洞内に設置された。当業者は理解するように、このバッテリの設置と特定のヒートシンクの使用は必須ではない。バッテリを任意の便利な位置に設置してもよく、ヒートシンクは任意の必要な形態を有し、または必要なら省略される。ヒートシンクを備える場合、ヒートシンクは導電性材料からなり、ユーザがヒートシンクに接触または近接したことを感知する静電容量性のセンシング回路に接続され得る。例えば、ヒートシンクは、電気的に充電測定回路に接続されている1つ以上の導電性の板(冷却フィンとしても振舞う)を含み得る。この測定回路は、(当業者に良く知られる)充電測定技術に基づいて値を判定することができ、この値は、ユーザの接触やユーザの体の一部が導電性の板に近接するなどによって静電容量の蓄積が中断または変更される場合に変化する。このユーザ入力を用いて、例えば照明装置の動作の制御、即ち動作モードの制御やヒートシンクへのユーザの近接や接触を測定した時間に応じてランプの明るさを制御する等ができる。短距離レーダ等の他の技術は、この近接感知を行うために用いることができる。
【0131】
上述した実施形態では、照明装置は診断回路および通信回路を含む。当業者は理解するように、この回路は必須ではなく、必要なら省略され得る。加えて、1つ以上のユーザスイッチまたは入力は照明装置上に取り付け得る。このユーザ入力を使用して、照明装置を動作の所定のモードに設定し、またはユーザ設定を入力し、または診断あるいは自己テストを開始し、またはこれらの結果を表示するようにすることができる。
【0132】
上述した実施形態では、照明装置は、通信トランデューサ25を用いて外部装置と通信をすることが可能な通信モジュール45を含んでいた。代替的な実施形態では、聡明装置1が設置されている照明回路28または28’を介して信号を受信および伝送のうちすくなくともいずれかを行って外部装置と通信を行うように構成され得る。このような通信信号は、通信信号をコンセントの信号から分離できるようにするためにコンセントの信号とは異なる周波数で伝送される。通信トランデューサ25を用いる代わりにまたは追加して、電子回路19は、複数の光源7によって生成される光を変化させることによって1つ以上の遠隔装置と通信することができる。例えば、伝送されるデータに応じて複数の光源を点灯および消灯する。遠隔装置内の受信機は、(複数の)光源7によって生成された光の変化を検出することによってデータを復元する。用いる通信技術に関わらず、様々な異なる標準通信プロトコルを用いて照明装置と(複数の)遠隔装置間の通信を行うことができる。
【0133】
上述した主の実施形態では、電子回路19は、診断テストを実行するための、および診断テストの結果を表示するように診断用表示ランプ23を制御するための、診断モジュール41を含んでいた。説明したように、診断テストは、例えば2次電源(例えばバッテリ17)の充電容量の残量を判定するために使用され、この残量はカラーの表示ランプ23やLED表示ランプ23のパルスの変化によって示され得る。この回路の問題点は、照明装置1が有効な光を発光している場合、この一般的な照明は、(複数の)診断用表示ランプ23の視認性を覆い隠してしまいがちなことである。
【0134】
しかしながら、この問題は、照明装置1が有効照明の発光を停止(例えば照明装置が動作の第1モードから動作の休止モードに移行したとき)した直後の期間に(複数の)診断用表示ランプ23を発光させることによって、克服し得る。あるいは、(複数の)照明配列は、その一部または全部を用いて診断、状態、故障、状況または他の目的のために情報表示ランプとして振舞い得る。例えば、(複数の)照明配列11によって生成される照明は、電子回路19によって測定および制御されたバッテリ充電の残量に応じてパルス発光され得る。ユーザはオプションとして、電子回路内のユーザ調整パラメータを適切に記憶させることによってこの方法を設定することができる。設定は例えば、通信トランデューサ25もしくはユーザスイッチ26または26’の組み合わせを用いる照明装置と通信する、遠隔制御装置を使用する。
【0135】
上述した実施形態では、ユーザは、通信トランデューサ25および遠隔制御装置を用いる照明装置1の、ユーザの設定可能な様々なパラメータを設定することができた。代わりに、照明装置1は、追加的な設定または‘セットアップ・モード’を有し、この‘セットアップ・モード’は、所定の簡単な設定の決定、選択肢の選択および終了時の変更の保存が可能である。照明装置1に1次電力が供給されている際の全ての変更は、ユーザの操作可能なスイッチ26または26’を入り切りすることによって行われる。例えば、電子回路19は、ユーザが3秒間に3回、1次電源を照明装置1に入れた場合、セットアップ・モードに入り、その後の次の5秒以内の1サイクルに特定のオプション等を選択するように構成され得る。複数の光源7または診断用表示ランプ23はユーザに情報を伝送あるいは表示して、なされた変更が正しく受信、解釈および格納されたことを確認できるようにする。このような設定技術は簡単かつ安価に実装され、このような設定技術により、ユーザは機能部の動作を設定する所定の他の制御パラメータを選択することが可能になる。これは、設定することに限定されず、1次モードまたは2次モードにおける発光体の明るさ、および、経時的または2次電源等の電荷の残量に応じた、第2モード時の照明品質の変更を含む。また、この設定技術を用いて、照明装置1が、(
図2に示した)従来型の照明回路、あるいは(
図2bに示した)仮想的に永続的な1次電力を照明装置1に提供する照明回路のいずれに設置されたあるいは設置されるかを決定することができる。この技術は、照明装置が(
図4を参照して上述した)異なる外部状態に対して、どのように応答するかを特定することにも用いることができる。任意の定めた時間内にユーザがスイッチ26または26’を有効化した回数を検出することに加えて、ユーザがスイッチを切り替えた期間も、装置をプログラムするために用いることができる。このように、例えば、ユーザはスイッチ26または26’を3秒間隔で4回押し得る−照明装置にセットアップ・モードに入るべきことを示す。その後、ユーザは、選択されるべき動作モードに応じた期間にわたってスイッチを開回路のままにする。従って、セットアップ・モードに入った後にスイッチが開回路となった時間を測定することにより、プロセッサは、ユーザが選択を望む動作モードを判定することができる。照明装置のユーザ設定パラメータを設定するためのこの反復スイッチ技術に加えて、この技術はユーザが照明装置の調光を制御するためにも用いることができる−例えば、スイッチ26’の有効化を用いて複数の光源の明るさを増加または減少させる。この方法は、
図4cを参照しながら上述した時間インターバルに基づく方法に対して、ユーザが長期間にわたってスイッチ26’を開回路にしたままにして、バッテリ17に蓄積されたエネルギーを減少させる必要がない点で有利である。実際に、このような実施形態では、電力は電子回路19を動作させるために必要であり、−1次電力は比較的短い期間に切断されるにすぎないので−複数の光源への電力の維持は、全てまたは部分的に(電子回路19の一部を形成する)キャパシタに蓄積された電荷によりなされ得る。同様に、
図4cを参照して説明した技術は、調光目的のみならず、照明装置のユーザ設定可能なパラメータを設定することにも用いることができる。
【0136】
上述した実施形態では、いくつかの類似の照明装置が同一の照明回路に接続された場合、用いられる全ての照明装置は同じ動作状態に設置され、全ての照明装置は調和して反応して、多数の照明装置が同じ照明回路上で、調光動作、動作モードの設定、診断テスト等を実行することができるようになる。上述したように調光動作においては、複数の照明装置が用いられる場合、調光モードの開始において(もしくは時間に応じた調光の周期的な発生)、全ての装置が、任意の記憶していたレベルよりも同じ明るさレベル(例えば最高の明るさ)から開始するほうが都合がよい。従って、(それぞれのプロセッサ35のクロック、タイマーまたは他の電子回路19の変動等のわずかな差によって生じるような)照明の最低および最高レベルの変動や調光のサイクル時間の変動が度を増すこともなく、時間ともに正確になる。ユーザの操作可能なスイッチ26または26’の連続操作を介する明確な信号などの上述した伝達方法を用いれば、同一の照明回路28’に設置された複数の照明装置1が互いにシンコペーションを失った場合に、ラッチモジュール36のリセットが指示され得る。
【0137】
このようなリセットは、オプションとして、プリセットされた明るさレベルおよび、(ユーザやその他によって)変更され得るソフトウェアで記憶された変数または動作モードのような他のものを含み得る。
【0138】
上述した実施形態では、照明装置は、(
図2aに示したような)従来的な照明回路、または、(
図2bに示したような)仮想的に永続的な1次供給を用いる照明回路、に設置され得る。これらの回路の主な差異は、
図2aにおけるスイッチ26が照明装置を1次供給から分離するのに対して、
図2bにおけるスイッチ26’は、照明回路を一時的にのみ1次供給から分離する。換言すれば、単純にスイッチ26を切断スイッチからモーメンタリスイッチ26’に変更することで、ユーザは、このような仮想的に永続的な1次供給を用いるように、容易に既存の配線を適合させることができる。上述したように、
図2bに示した照明回路内で照明装置を動作させる長所は、(わずかな費用で)照明装置が既存の非常用照明システムの動作を模すことができる点である。さらに、任意の既存の設置において、従来型の分離スイッチと接続された複数の照明回路と、モーメンタリスイッチと接続された他の照明回路とを有することが可能であり、実際に両方のタイプのスイッチと接続された複数の回路を有することが可能である。例えば、このようなデュアル・スイッチ・システムにおいて、従来型のスイッチ26は、回路上の非常用照明を消灯し、またはテストを目的とした停電のシミュレーションのためにインピーダンスを切り替える役割を果たし得る。この場合、次のモーメンタリスイッチまたは複数のスイッチ26’はなお、照明装置と、従来型のスイッチまたはその複数のスイッチとの間の回路上で上述した機能を果たす。複数の照明回路内にモーメンタリスイッチと共に設置された複数の照明装置は、(消灯された場合であっても)1次電源障害を検出するために用いられ、そして従来型の照明回路内に設置された照明装置に、通信トランデューサを用いて1次電源障害を通知する。(上述したように、スイッチ26が開回路である場合、従来型の照明回路内に設置された複数の光源は停電を検出することができない)。
【0139】
上述した実施形態では、照明装置が
図2bの照明回路内に設置された場合、複数のモーメンタリスイッチ26’は照明装置を1次電源から切断した−これは一時的な回路の切断である。代替的な実施形態では、これらのモーメンタリスイッチ26’は、1次電源に接続された照明装置を点灯したままにするが、代わりに、測定可能なインピーダンスに切り替え得る。測定可能なインピーダンスに切り替えることで、スイッチ26’が有効化されていない場合と有効化されている場合とで、1次電源端子端のインピーダンスを異ならせることができる。あるいは、このスイッチは、照明装置に提供される1次信号を変更するために、電子装置を回路に切り替えてもよい。例えば、回路28’のスイッチ26’は、ユーザがスイッチを有効化した場合に提供される1次電源が半波整流となるように、ダイオードに切り替え得る。照明装置は、1次供給信号におけるこの変化を検出することができ、それに応じて、ユーザスイッチ26’のひとつをユーザが有効化したことを判定することができる。このような実施形態は、(1次電力障害がないときは、)スイッチが有効化された場合も有効化されていない場合も1次電力は照明装置に供給される。さらなる代替方法として、スイッチ26は、ユーザがどれだけの間スイッチを押し込むかに関わらず、予め定められた期間でトグルし得る。この場合、ユーザによるスイッチ26’の有効化の繰り返しによって明るさを設定することができるが、上述した、時間に基づく調光制御は用いることができない。
【0140】
図4aを参照して説明した動作モードでは、プロセッサは、ユーザがスイッチ26’を放した後にその制御動作を行う。これは必須ではない。例えば、プロセッサは代替的な実施形態において、外部状態の最初の変更が検出された直後もしくは、その最初の変更が検出された後またはユーザがスイッチを放した後の所定の時間経過後に、その制御動作を行い得る。
【0141】
上述した実施形態では、照明装置は(あるユーザ操作から次の)システム状態の情報を保持するラッチ装置を含み、永続的な(または仮想的に永続的な)1次供給が照明装置に提供される場合に正しい動作を行うことを可能にした。このラッチ装置の使用はユーザによって設定可能であり、照明装置が従来型の照明回路28に設置される場合にはラッチ装置の使用は不要となる。ラッチモジュールは、フリップフロップや他のラッチ回路部品などの1つ以上の個々の装置から構成され得る。しかしながら、好ましくは、メモリと、プロセッサ35によって実行されるソフトウェアコードとから構成される。ラッチモジュールは、新たな状態情報が有効になるまで以前の状態情報を保持するように構成され得る。代わりに、ラッチモジュールは以前の状態情報の履歴を保持し、ラッチモジュールに保持された現在の状態情報、および状態情報の履歴の少なくともいずれかに応じて、プロセッサによる制御動作が行われ得る。この状態情報は、例えば、予め定められた期間の経過後、または使用可能なバッテリ容量が定められたあるいは判定された閾値レベルを下回る場合に、リセットされ得る。
【0142】
上述した実施形態では、ラッチモジュール36を備えて、電子回路19によって制御される、複数の光源の現在の出力照明状態を保持した。このようなラッチモジュールを使用する代わりに、例えば複数の光源の現在の照明状態または、それぞれの光源に供給される電流を感知する1つ以上のセンサを用いるようにすることができる。このような実施形態では、プロセッサはユーザによってモーメンタリスイッチ26が押し込まれたことを検出した場合、プロセッサはセンサ(または各センサ)からの測定値を取得し、(複数の)センサ出力から全体または個々の光源の照明状態(例えば、オン/オフ/明るさのレベル)を判定することができる。
【0143】
上述した実施形態では、プロセッサがタイマーを用いて、モーメンタリスイッチ26に対するユーザによる有効化の検出を制御した。このタイマーは、プロセッサが利用可能な一般的なタイマーの一部として実装されてもよく、また、この目的のために使用されるカスタムタイマーであってもよい。
【0144】
上述した実施形態では、ユーザは照明装置を設定して、この照明装置が複数の従来型の分離型スイッチとともに設置されるのか(
図2a)、複数のモーメンタリスイッチとともに設置されるのかを決定した。代わりに、またはこのようなモード選択技術と合わせて、照明装置は、どのタイプの1つまたは複数のスイッチが使用されているかを、初期設置後または最初の1次電力の入力後の最初のいくつかの状態遷移の期間のような、1次供給の経時的な解析を通して、判定することができる。これは、1次電力の切断と、最初の起動から初めの何度かのスイッチ操作の間の接続時間とを比較するなどのいくつかの方法によって得ら得る。ここでは、接続時間と比較して短い切断期間はモーメンタリスイッチの使用を示唆し、状態間の類似した時間は伝統的な2状態スイッチの使用であることを示唆する。
【0145】
上述した実施形態では、照明装置1は同じタイプ(ここではLED)の光源をいくつか有し、電子回路19によって独立に駆動可能な2つのグループになるように構成された。
図11は代替的な実施形態であって、異なるタイプの光源を有し、そのそれぞれがデザイン、タイプ、技術等の異なる実施形態を示している。この実施形態における一般的な動作は、
図1に示す実施形態に対していくつかの改善が得られるように、2つ以上のタイプの発光素子を有利に使用する点を除いて、同一である。これらの改善は、照明出力の質と量に対する電力消費の低下、製造コスト、増加した安全係数のための備え付けの冗長性、または部品の寿命を含む。特に、この回路は、1次供給が得られる場合に主照明として最適化された光源を使用することが可能になり、停電時に(低電力での駆動が要求される)非常用照明に最適化された光源を使用することが可能になる。このマルチ発光素子による方法の利点は、特に非常用照明システムとして決定的な、第1モードのときに点灯したままとなる主発光体の電子回路19内部のシステム分離に関して、長期化した製品寿命や備え付けの冗長性による安全係数を含む。
【0146】
図11に示す実施形態において、2つの異なる光源は、(複数の)LED配列91と安全抵抗回路を伴う小型の蛍光灯93を含む。電子制御回路19は(典型的には2本のワイヤを含む)接続部97によって取り付け具5に接続されて、1次供給がLED配列91および小型の蛍光灯93の少なくともいずれかを第1モードにおいて動作させるための電力を供給する。電子制御回路19は、インピーダンスの感知に用いられる同一の接続部97と接続して上述したように外部回路の状態を確認する。上述したように(バッテリ等の)適当な2次電源が少なくとも(複数の)LED配列91にバックアップ電力を与え得る。
【0147】
電子回路19は、光源91および光源93の少なくともいずれかの組み合わせを制御して、1次電源が使用可能である場合には動作の第1モードのための小型の蛍光灯93を使用し、1次電源が遮断されて2次電源のみが使用可能である場合には第2モード時に単一の発光体として(複数の)LED配列91を用いるようにし得る。本実施形態では、小型の蛍光灯93は、動作の第1モードにおいてAC1次供給によって直接電力を供給される。これは、取り付け具5を介して入力する1次供給への直接的で永続的な接続、あるいは、蛍光灯93のために用いる出力ドラバ50をリレースイッチまたは他の制御部に置き換えることなどの様々な方法によって実現され得る。ここで、リレースイッチまたは他の制御部は、1次入力電力端子33および蛍光灯93の間に直接的に接続される。
【0148】
本実施形態では、電子回路19は、例えば通常主照明として用いられる光源の欠陥または故障したかを検出する回路を含む。欠陥または故障が検出された場合、電子回路19は代わりに他の光源を主照明として使用することができる。この電子回路19は、光源の端子のインピーダンスを測定(および光源が操作可能である場合は測定値から推測)するか、光源が実際に発光しているかを検出するフォトセンサを用いるか、または電流測定技術を用いるかのいずれかによって故障等を検出することができる。
【0149】
上述した主要な実施形態では、照明装置1は1つの単一装置であった。代替的な実施形態では、いくつかの部品といくつかの機能は、(従来型のバルブ等の)照明装置の電力を制御する他のデバイスに移転され得る。これは、例えば、従来型の照明バルブとソケットの間に位置するインラインアダプタを使用して実現し得る。このような具現化したインラインアダプタを
図12に示す。図示するように、このインラインアダプタ101は、1次電源103と従来型の照明装置(または複数の照明装置)105の間に位置する。このインラインアダプタ101は、
図12aに示す回路等の容易に交換可能な装置や、
図12bに示す例のような永続的または半永続的な設備であり得る。
【0150】
インラインアダプタ101は典型的に、第1の実施形態と同一の電子回路19を有し、適切なハウジングまたはケース107に封入されている。これは、インラインアダプタ101の取り付け具5−1を、1次電源端子103への機械的かつ電気的な接続を与える、適切な空のソケット24に接続することにより、既存の照明回路にレトロフィットし得る。複数のランプまたは、ここでは取り付け具5−2を有する1つの従来型の照明バルブ105として図示された照明装置は、インラインアダプタ101の一部を形成するソケット109と機械的かつ電気的に適合する。
【0151】
動作の1次モード時には、電子回路19から制御可能な機械的または固体式のリレー等のスイッチ装置113は、103からソケット109に1次電力からの電力を導いて、照明バルブ105に電力を供給する。このスイッチ装置113は電子回路19によって制御されるものであるが、これはインラインアダプタに対する重要な要求性能である。なぜなら、あるタイプの従来型の照明バルブ(低い内部インピーダンスを有するもの)が1次供給端子103に接続されている場合、外部スイッチ位置を検出するための要求されるインピーダンス感知技術が確実に実行できないため−このような従来型の低インピーダンスの照明バルブの存在は、実際には手動で操作可能なスイッチ26または26’が開回路である場合であっても、センシング回路37に閉回路であると判定させてしまうためである。従って、インピーダンス測定がなされる場合は、スイッチ装置113が有効化されて従来型の照明バルブ111を供給103から切断する。
【0152】
この実施形態において、(スイッチデバイス113の存在による)電子回路19によって実行され得る追加的な機能は、第1モード時において、テスト目的等の従来型の照明バルブ105を発光させることなく、インラインアダプタ101上の光源91を発光させることができることである。これは、ユーザが制御する外部の遠隔コントローラ等の外部装置から、LED配列91の内部に都合良く組み込まれた通信トランデューサ25を用いて受信した信号がトリガになり得る。
【0153】
電子回路19はまた、故障や照明バルブ105のアダプタ101からの切断を検出する機能を有し、1次電源がインラインアダプタ101に使用可能である場合に、電子回路19は1次電源から電力の供給されたLED配列91を使用した有効な照明を提供する。照明バルブ105の故障またはアダプタ101からの切断の検出は様々な方法により行うことが可能であり、ソケット109の端子の電気的なインピーダンスやこれを流れる電流を測定することを含む。特に、照明バルブ105がソケット109から切断された場合、ソケット109の端子端は高インピーダンスとなる。この高インピーダンスは、ソケット109の入力端子にテスト電圧を印加することにより検出することができ、ソケット109が(スイッチ装置113を用いて)残りの1次供給103から分離され、流れる電流が感知された場合に検出することができる。代わりに、1次供給103がソケット109に供給される場合にソケット109から流れ込む低電流はまた、照明バルブ105の故障または切断を示す。このような低電流の流れは、ソケット109の端子と直列に接続され、適切に含まれた抵抗(不図示)端の電圧降下を測定することにより、または他の電流感知用トランデューサを用いることにより検出することができる。
【0154】
このような(照明バルブ109の故障や切断を検出するための)電気的な検出方法を用いる代わりに、1つ以上の照明センサを代わりに備えて、外部の環境光のレベルを測定し得る。そのような1つの感光性の半導体装置117は
図12aに示され、LED配列11と都合よく統合される。この感光性の半導体装置117は、電子回路19によって制御および監視される。電子回路19はこの半導体装置を用いて、バルブ105が有効な照明を生成しているかを、スイッチ装置113を有効化してソケット109を1次電源103に接続する前後の照明レベルの変化を監視する方法で確認する。照明レベルが適切に増加していないことが観察された場合、照明バルブ105は故障したかソケット109から切断された可能性が高くなる。
【0155】
使用する検出方法を問わず、このような機能は、ミッションクリティカルな配備には望ましいものであり、動作の第1モードにおけるインラインアダプタ101の信頼性や多用途性を向上させる。特に、初めにアダプタ101がランプの故障を検出した場合、アダプタは自動的に(複数の)副光源11を点灯させ、主照明バルブ105が故障したことを視覚的にユーザに警告することができる。−これは照明がスイッチ26’で消灯され、またはその後にスイッチ26によって1次電力から切断された場合であっても可能である。この初期の警告は、その後の、例えばスイッチ26の入り切りやスイッチ26’の瞬時の有効化によって消灯され得る。その後にユーザがスイッチ26を入れるときはいつでも、主照明バルブ105が交換されるまで(複数の)副光源によって照明が提供される。さらに、照明バルブ105が故障または切断された場合のバックアップ用の非常用照明の提供は、故障または切断された照明バルブ105を置き換えているときにもユーザに照明を提供する。有効化する際と、主照明バルブ105が故障したことをテストするまたは検証する際において、スイッチ装置113はオプションとして安全上の理由からソケット109への主電源の提供を抑制あるいは分離し、この間にユーザは従来型の照明装置もしくはバルブ105または111に置き変え得る。
【0156】
感光性の半導体装置117は、ユーザによって選択されるか、通信トランデューサ25を介してインラインアダプタ101と通信するリモートコントローラなどの外部制御装置を用いて電子回路19のメモリに格納された初期設定の中から予め選択されるかした、他の専門的機能を実行するためにさらに利用される。専門的機能は、(照明が発光する前に)環境光のレベルが1つ以上の閾値をある時間にわたって下回る場合に、例えば照明バルブ105あるいはLED配列91の少なくともいずれかが任意の利用可能な電力供給を用いて、予め定められた期間に照明を提供する機能を含み得る。
【0157】
インライン装置101’の代替的な実施形態を
図12bに示しており、インラインアダプタ101’はローゼットに近接して又はローゼットの内部で、電気的な接点となる通常の接点および(図示するような)つり下げ用の照明器具111や複数のランプからなるシャンデリア等のための機械的なサスペンションを形成する。このようなシステムの動作は、
図12aにおいて説明した動作と同一である。
【0158】
従って、照明配列91は、このつり下げ用の照明バルブ111の頭上にある利点によって、第2モードあるいは別のモードにおいてより優れた照明となり得る。この図では、照明配列91は、複数の個々のLED発光素子9からなり、この個々のLED発光素子9は、照明ケーブル121を介したソケット109の分離によって得られた追加スペースに多重のリングを形成する。そのうえ、既存のハードウェアに類似する容器に少なくとも部分的に収納するか、図示するような天井の連結部123内に部分的に設けられた空き領域を都合良く使用するかの少なくとも一方を行い得るので、このようなインライン装置101の審美的なデザイン制約が調和する。
【0159】
図12bに示すインライン装置101’は、より永続的な基礎部材に設置するように設計されている。従って、取り付け具5−1は、より適切なインターフェースであって電線やケーブルが接続できるようなインターフェースと置き換えられている。
図12bで示す例は、このような回路と、インラインアダプタ101’の主要なハウジング107に不可欠にもなり得る容器127に収納された複数の端子ブロック125とを示している。容器127がインラインアダプタ1−1’の主ハウジング107から分離されている場合、容器127内の部品と107を接続するための更なる検出可能なインターフェースが含まれる。これは、このような半永久的なインラインの実施形態が便利な可換性を備えることを可能にするという利点をもたらす。この実施形態は、オプションとして、インラインアダプタ101’がローゼットなどの予め天井に設置されているような既存のインターフェースとレトロフィットする機能を含み、このローゼットは、様々な停止中の照明装置の直接的な交換を可能にして、手動によって電気的な設置作業を行うこと無く照明を使用可能にする。さらなる複数の利点として、バッテリ17の交換をより容易にする主ハウジング107へのアクセス性や、インライン装置101’と主電力103との間を永続的な電気的接続にしないことによる本来的な安全性や時間的利点が含まれる。
【0160】
上述した主要な実施形態では、照明装置の制御に用いられた電子回路19は、照明装置そのもののハウジングにはめ込まれた。代替的な実施形態では、分離されたハウジングが、複数の光源を制御するために用いられる電子回路19を備え得る。このような実施形態では、例えば従来型の“低電圧”ランプで本発明が動作可能になる。典型的にこのような従来型の低電圧ランプは、複数の発光体を形成する複数の低電圧発光素子を有する。これらの歴史上主要であった白熱ランプであってタングステンやハロゲン技術を通常用いるランプは、MRシリーズのソケットなどの従来型のソケットのLEDに置き換えられているものの、近年も使用可能である。このような低電圧照明システムは、典型的に、従来型の変圧器やスイッチモード電力回路を有する電力供給部(PSU)によって提供される(ACまたはDCいずれかの)50ボルトを下回る供給電位差を用いる。典型的には、PSUには、1つ以上の照明装置に電力を提供するための変換や供給を行う1次電源によって電力が注がれる。あいにく、
図1に示した照明装置1は、このような低電圧照明システムに直接的には置き換えられない。照明装置1の全体のサイズを別として、主要な問題は、PSUの入力側には1次電源への直接的な接続が存在しないため、低電圧照明に電力を供給するPSUが、センシング回路37によって実行される通常のインピーダンスの感知を妨げることである。この問題に対する1つの回避方法は、任意の複数のユーザの操作可能なスイッチがPSUの入力側よりも出力側に位置するように、照明回路28または28’の配線を再配置することである。しかしながら、再配線を行うための追加的な作業が必要になるのみならず、このような再配置では、1次供給が常にPSUの入力に供給され、PSUにおける熱損失による非効率性を常に生じさせることをも意味する。
【0161】
一方、従来型の低電圧PSUが、
図3に示した電子回路19の主要部品を少なくとも含んだ変更されたPSUに置き換えられた場合、これらの問題を解決する。このような実施形態は、
図13に概略的に示されている。図示するように、電子回路19は分離されたハウジング131に取り付けられており、ハウジング131は、1次電源端子33のインピーダンスを感知することができるような照明回路28または28’上の任意の場所に置くことができる。この場合、ハウジング131はまた、バッテリ17の形態の2次電源を含んでいる。電子回路19の(複数の)出力端子49および(
図3に示す)出力端子51のうち少なくともいずれかは、従来型の(複数の)低電圧ソケット133に直接接続され、これにより低電圧照明134は、1次供給による電力か2次電源(この例ではバッテリ17)による電力のいずれかによって電力の供給を受ける。このような実施形態では、(バッテリなどの)2次電源は、電子回路19と同一のハウジング131に取り付けられ、または、例えばロフトまたは天井スペース内で別々に提供され、電子回路19に端子34で接続され得る。2次電源は直接的にまたは変圧PSUを通す等(図示せず)によって、低電圧照明に電力を提供し得る。
【0162】
ハウジング131は、追加的な出力端子49であって、通常の方法で変換された供給信号(即ちACコンセント電圧から要求されるDC供給電圧に変換した信号)を受け取る−これは、これらの追加的な出力端子に取り付けられた照明が、1次供給障害の場合にバックアップ用のバッテリからの非常用電力を受け取らないようにするためである。このようにして、ハウジング131内の変更されたPSU回路は、いくつかのソケット133を制御して、これらのソケットのうちの1部にのみ非常用照明を提供し得る。
【0163】
ハウジング131内の電子回路19の出力端子49に直接的に接続された(複数の)光源の代わりに、電子回路19は通信トランデューサ25を使用して(複数の)照明装置に制御信号を伝送し、2次電源(例えば自己のバッテリ)からの2次電力を用いて光源に電力を供給するように照明装置に指示する。
図14はこのような実施形態を示している。上記のように、通信トランデューサ25は、任意のタイプ−電磁気(RFまたは赤外線)または超音波−であり得る。ハウジング131内の電子回路19から伝送された制御信号は、照明装置1にはめ込まれている、対応した通信トランデューサ25によって受信される。本実施形態では、照明装置1に取り付けられている電子回路135はセンシング回路37を有する必要がない。電子回路135は、通信回路45−離れたハウジング131に取り付けられた電子回路19と通信を可能にする−と、電力供給部31−1次供給または照明装置自身の2次電源17のいずれかから適用する電力を制御する−と、適切な(複数の)出力ドライバ50またはリレーと、のみを必要とする。当業者は理解するように、照明装置1とハウジング131内の回路との通信は、−例えば照明装置1は制御信号の受信確認をハウジング131内の回路に返信するため−双方向で行われる。このような双方向通信は、物理的な接触を必要することなく診断や自己テスト目的のための照明装置1の遠隔テストを可能にする。例えば、複数の制御信号は、照明装置1に指示して、自己テストを実行させ、診断用表示ランプ8を介して出力させるかハウジング131内の回路に結果を返送させる。這う陣部131に返送された情報は、照明装置1の統計値−異なる動作モードの各動作期間や測定されたインピーダンス等−を含み得る。
【0164】
ハウジング131は、ユーザインターフェース(キーボード、表示スイッチ等)を含み得、このユーザインターフェースは、ユーザが制御コマンドやユーザ設定等を入力して、通信するように構成されたハウジング131内の回路と共に照明装置1を制御することを可能にする。
【0165】
無線リンクにより制御信号を送信する代わりに、ハウジング131に取り付けられた電子回路19は、(複数の)照明装置1に幹線給電用のラインにより制御信号を伝送し得る。この場合、任意の手動操作の可能なスイッチ26が開回路であるか、26’が一時的に操作されて開回路である場合、照明装置1は制御信号を受信しない。しかしながら、この開回路状態は照明回路28’にとって一時的なものであるうえ、従来型の照明回路28にとっても手動で操作可能なスイッチ26が開回路である場合に非常用照明が発光することをユーザが求めていないため、制御信号を受信しないことは問題にはならない。スイッチ26が閉回路状態になると、照明装置1は(連続的または断続的に這う陣部131内の回路から伝送される)制御信号を受信し、その後2次電源障害の場合に装置の2次電源から得る電力を用いて非常用照明を点灯する。
【0166】
さらなる代替的な形態では、ハウジング131内の回路は、その入力に1次供給が得られる間は制御信号を伝送し、停電時には制御信号の伝送を停止する(即ちフェイル・セイフ・システム)ように構成され得る。このような実施形態では、ハウジング131内の回路は自身の2次電源17を必要としない。照明装置1は、ハウジング131内の回路から制御信号を受信する限り、(ユーザの操作可能なスイッチ26が切られることはあるが)1次電源が利用可能であることを知ることができる。照明装置1が制御信号の受信を停止した場合、1次電力が失われたことを想定して、2次電源から直接的に(複数の)その光源を点灯するか、2次電源からの電力を使用する前にまず任意のユーザの操作可能なスイッチ26が最初に開回路であるかを感知するための試行を行う(勿論この場合は照明装置内の電子回路135にはセンシング回路37が必要となる)。
【0167】
さらなる代替的な形態では、ハウジング131に取り付けられた電子回路19は供給ライン端部のインピーダンスを感知する必要がない。ハウジング131がメインフューズまたは建物のブレーカ回路22の近くに取り付けられた場合、ハウジング内の回路は、コンセントの電力の有無を感知することによって停電を検出することができる。コンセントの電力が失われている場合、ハウジング131内の回路は(複数の)照明装置1に電源の喪失を伝達することができる。有利な点として、これは、照明回路28を介して伝送することができる−複数のスイッチ26が開回路である場合は、制御信号が照明装置1に到達せず、照明装置1が非常用照明を点灯しない。一方、複数のスイッチ26が閉回路である場合、照明装置1は制御信号を受信して2次電源を用いて複数の光源を自動的に点灯することができる。
【0168】
1実施形態では、異なる建物内の複数の照明装置1を制御するための、地方または全国の制御センタを有し得る。例えば、制御信号は照明装置1の動作を抑制−例えばリレー等の適切な分離装置を用いて1次供給端子33から複数の光源を切断する−するために照明装置に送信され得る。従って、ユーザが照明スイッチを切り替えた場合であっても、照明装置1は点灯しない。これは、例えば夜中に建物内の照明を消灯する場合に使用される。反対に、1つ以上の照明装置は、所定の場所を照らすために遠隔から制御され得る。この遠隔制御装置は、スタンドアローン装置や警報システムなどのより大きなシステムの一部であり得る。例えば、建物内で火災が検出された場合、その建物の一部にある照明装置1は、点灯するように−建物内部の人の非難または捜索および救助に役立てるための非常用照明を提供するために−操作される。当業者が理解するように、複数の異なる装置間の通信を含むこのような任意のシステムにおいては、装置は対象となる個々の照明装置1または少なくとも照明装置のグループを対象として通信するためのそれぞれアドレスまたはID番号を必要とする。勿論、−全ての非常用照明を点灯させるための“非常用”信号などの−全ての装置に対する信号はアドレス無しに送信され得る。
【0169】
オプションとして、1つ以上の検出装置(例えば煙または火災の検出)は、照明装置1と組み合わせてまたは隣接して提供され得、これらは動作において同じ1次電源または2次電源を使用し得る。このような実施形態では、2次電源または(バッテリ等の)供給元は分割して配置され、例えばバッテリ容量が容量の閾値を下回る場合に非常用照明へのバッテリ使用を抑制するための知的な監視処理を通じて、ビルトイン型の(複数の)検出装置を動作可能にするため蓄積した電力を維持すると共に、検出時にはバッテリが完全に空になる前に適切な時間にわたってバッテリから非常用照明を提供できるようにする。この方法では、火災が検出された場合などの危機的な非常事態の際に非常用照明を提供することができないようになるほど停電時に2次供給の蓄電が激減することはない。このような実施形態では、照明装置1は光学受信機または超音波受信機を含み、これらの受信機は火災や煙の警報が作動したことを検出して非常用照明機能を作動させ得る。あるいは、照明装置1は、無線信号やコンセントの照明回路28または28’越しに、警報機または中央警報ステーションから電気的な制御信号を直接受信して作動し得る。
【0170】
照明装置1はまた、非常時の場合に音声による警報を発するための音声発生器を含み得、この音声発生器は、信号を受信した場合や非常事態を検出した場合に非常用照明を拡張することができる。この音声による警報は、可用性やオプションであるユーザの設定可能なパラメータに応じて、1次電源または2次電源のいずれかによって電力が供給される。
【0171】
オプションとして、この警報はまた、停電や他の定めた事象が発生した際に非常用照明を拡張し得る。例えば、動作状態の変化やある動作状態(例えば低バッテリ状態や装置の故障)が検出された際に応じて可聴音が生成され得る。この警報は、警報によって発生した状態や状況を表す音声標識を用いて、途切れ途切れにまたは連続的にユーザに提供される。このようなアレンジは、1次供給によって電力が提供されていたときと比較して同様の明るさの非常用照明を点灯するように照明装置が構成されている実施形態では、例えば照明装置が動作の第2モードに入った場合に停電が発生したことをユーザに警告するために特に有効である(さもなければ停電が通知されない)。この警報をさらに用いて、長時間の第2モードの動作後などに低バッテリ状態に関する音声警告を提供し得る。
【0172】
変更した実施形態では、動作の2次モードにおいてユーザが明るさのレベルを制御可能であることと同様に、発光期間を(遠隔から通信モジュールを用いて、製造時または他で)設定しまたは予め設定され得、照明装置によって使用される電力は、光源の明るさを(設定しまたは予め設定されたオプションの最低の明るさレベルを用いて)低下させることによって制御され得る。この制御は、推定されたまたは測定されたバッテリ容量(上述した診断方法やその他の方法で判定される)に応じて行われ、最低限の副照明の発光期間を保証する。法的規制(非常用照明用には英国では最低3時間)を念頭におけば、このような方法は効率を改善し、オプションとして、最低必須レベルより上の明るさと期間との間で最善の調整となるように、バッテリ容量の正確な推定に応じて、時間経過ごとに明るさを変更し得る。測定された放電データを用いて判定されたこのようなバッテリ容量の予測は、当然に経年および使用による劣化の可能性を許容する。
【0173】
第1の実施形態において説明した診断テストは、複数の光源7または個々の発光素子9またはその配列11等の、他のシステム部品の機能あるいは性能の少なくともいずれかを変更するように実装され得る。例えば、
図12で示したインラインアダプタの実施形態における照明センサ117は、発光素子が全体として要求された基準または閾値で動作することを保証するために用いられる。測定値は、明るさの調整またはオプションとして(複数の)光源ドライバによる光源へのフィードバックのために、二者択一的に解析されまたは用いられる。
【0174】
変更された実施形態では、(複数の)光源7によって得られる明るさレベルが、出力ドライバ50を通じてプロセッサ35により調整可能な変更し得るパラメータであることと同様に、オプションとして、(複数の)光源7によって生成される照明の色温度もまた変更され得る。これは、個々の発光素子11および配列9の少なくともいずれかの明るさが変化し、配列やLED内で異なる色温度を有するLED光源であって、照明装置1内で発光する光源7の全体としての色温度をばらつかせることができるLED光源等を用いた様々な方法により実現され得る。このようなばらつきは、微妙な色温度の嗜好(例えば温白色か青みを帯びた白色)や、照明目的のムードや雰囲気のための全RGBの色域を実現するため等の、生成される照明の質の制御を可能にするために有利に利用することができる。このような制御は、通信モジュール45またはそれ以外を介した遠隔制御装置等を通じてユーザによって設定され、またはオプションとして、診断モジュール41を置き換え又は拡張し得る視覚化された診断システムを形成するため等の戦略的な目的のためにプロセッサそのものによって設定され得る。オプションとして、色温度の調整は、調光動作と組み合わせてなされ、明るさレベルとこの明るさレベルに関連する色温度とを変更し得る。
【0175】
上述した実施形態では、照明装置1は、幹線給電回路等の1次供給と接続するための1次供給端子の組を有した。加えて、他の電力源に照明装置を接続するための(分離された)他の端子の組を照明装置上に有し得る。この他の電力源は、例えば太陽電池や風力発電等の新たなエネルギー源から得られ得る。この追加的なACまたはDC供給から受け取った電力は、オプションである追加的な回路を介して、複数の高原の発光およびバッテリ17の充電の少なくともいずれかに用いられ、この回路は、照明装置の内部または外部で電力供給制御および管理を行い得る。