特許第6223441号(P6223441)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6223441
(24)【登録日】2017年10月13日
(45)【発行日】2017年11月1日
(54)【発明の名称】管用のクランプ接続部
(51)【国際特許分類】
   F16L 33/22 20060101AFI20171023BHJP
   F16L 21/08 20060101ALI20171023BHJP
【FI】
   F16L33/22
   F16L21/08 D
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-517661(P2015-517661)
(86)(22)【出願日】2013年6月5日
(65)【公表番号】特表2015-524041(P2015-524041A)
(43)【公表日】2015年8月20日
(86)【国際出願番号】EP2013061574
(87)【国際公開番号】WO2013189740
(87)【国際公開日】20131227
【審査請求日】2016年4月20日
(31)【優先権主張番号】12172685.5
(32)【優先日】2012年6月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512278434
【氏名又は名称】ゲオルク フィッシャー ジェイアールジー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Georg Fischer JRG AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ビュアリ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス クネアンシルト
(72)【発明者】
【氏名】アンリコ カメラン
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−127888(JP,U)
【文献】 実開昭62−096191(JP,U)
【文献】 米国特許第04923226(US,A)
【文献】 米国特許第06641177(US,B1)
【文献】 実開平03−077893(JP,U)
【文献】 実開平02−116093(JP,U)
【文献】 米国特許第4903995(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 33/22
F16L 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー材料又は複合材料からなる管(14)用のクランプ接続部(1)であって、
接続すべき管(14)が被嵌される支持スリーブ(3)を有し、該支持スリーブ(3)の一端の側においてストッパ鍔(4)により画定され、前記支持スリーブ(3)にシールエレメント(5)が配置されている接続部材(2)と、
管組み付け前に既に前記接続部材(2)のストッパ鍔(4)に紛失不能に結合するための凹部(8)を有し、前記接続部材(2)の外周側に位置しているクランプスリーブ(6)と、
を備えるクランプ接続部(1)において、
前記接続部材(2)は、前記ストッパ鍔(4)より前記支持スリーブ(3)の他端の側において、前記支持スリーブ(3)の横断面を拡大する横断面拡大部を有しており、該横断面拡大部は、前記一端の側から前記他端の側に向かって横断面を拡大させる第1のテーパ部を有しており、
前記クランプスリーブ(6)は、該クランプスリーブ(6)の内側輪郭において、前記他端の側から前記一端の側に向かって内径を減少させる第2のテーパ部を有しており、該第2のテーパ部は、前記接続部材(2)の前記ストッパ鍔(4)と前記横断面拡大部との間に位置しており、
前記支持スリーブ(3)上に導入された管(14)のクランプは、前記クランプスリーブ(6)を管(14)の導入方向とは逆の第1の方向に該管(14)上を移動させて、前記クランプスリーブ(6)の前記凹部(8)を前記接続部材(2)の前記ストッパ鍔(4)から離脱させることによって実施され
前記第1の方向に対する前記第1のテーパ部の角度は、前記第1の方向に対する前記第2のテーパ部の角度よりも大きいことを特徴とする、管用のクランプ接続部。
【請求項2】
前記接続部材(2)の内径は、導入すべき管(14)の内径に略一致するか、あるいは導入すべき管(14)の内径より僅かに小さい、請求項1記載のクランプ接続部。
【請求項3】
前記接続部材(2)は、導入円錐体(11)を有する、請求項1又は2記載のクランプ接続部。
【請求項4】
前記接続部材(2)のストッパ鍔(4)は、管組み付け後の前記クランプスリーブ(6)の移動を片側において阻止する、請求項1記載のクランプ接続部。
【請求項5】
導入された管(14)の引き抜きは、前記クランプスリーブ(6)を前記シールエレメント(5)に向かって移動させ、クランプを強める、請求項1から4までのいずれか1項記載のクランプ接続部。
【請求項6】
前記クランプスリーブ(6)は、半径方向の弾性を示す弾性領域(9)と、堅固な剛性領域(10)とを有する、請求項1から5までのいずれか1項記載のクランプ接続部。
【請求項7】
前記クランプスリーブ(6)の前記第2のテーパ部は、前記剛性領域(10)に設けられている、請求項記載のクランプ接続部。
【請求項8】
前記クランプスリーブ(6)の前記第2のテーパ部は、前記剛性領域(10)で前記弾性領域(9)に向かってテーパする、請求項7記載のクランプ接続部。
【請求項9】
前記クランプスリーブ(6)の弾性領域(9)は、半径方向に配置される少なくとも2つのセグメント(7)により形成されている、請求項から8までのいずれか1項記載のクランプ接続部。
【請求項10】
前記セグメント(7)は、半径方向に延びる前記凹部(8)を有する、請求項9記載のクランプ接続部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー材料又は複合材料からなる管用のクランプ接続部であって、接続すべき管が被嵌される支持スリーブを有し、一端においてストッパ鍔により画定され、支持スリーブにシールエレメントが配置されている接続部材と、管組み付け前に既に接続部材のストッパ鍔に紛失不能に結合されているクランプスリーブと、を備えるクランプ接続部に関する。
【0002】
例えばPE−X管等のポリマー材料からなる管や、例えばPE−X等のポリマー材料からなる内層及び外層とアルミニウムからなる中間層とを有する積層複合管は、主に家関連技術、飲料水供給、床暖房又は発熱体接続管路において使用される。
【0003】
この種のクランプ接続部は、大抵の場合、暖房設備及び衛生設備において、管同士を接続したり、管と、弁等の各種器具あるいは金具とを接続したりするために使用される。クランプ接続部により簡単かつ迅速な施工が提供されている。さらに持続的な封止が保証されている。持続的な封止は、このような接続部にあっては、水漏れがかなりの損害を引き起こす恐れがあるので、重要である。
【0004】
独国特許第4239705号明細書において、クランプスリーブとフィッティング基体とからなるクランプ接続部が公知である。クランプスリーブは、それぞれ両スリーブ端部からクランプスリーブの中央部まで、円錐状に狭窄するか、又は円錐状及び凸面状の複合形で狭窄する孔として形成されている内側輪郭を有している。クランプスリーブのこの内側輪郭は、クランプスリーブが管にどう被嵌されるかに関わらず、クランプスリーブの使用が可能であるようにする。
【0005】
この公知のクランプ接続部における欠点は、クランプスリーブの複雑な内側輪郭の製造と、製造に続く輪郭の管理とにある。
【0006】
独国特許第19514210号明細書も、同種の管及びチューブ用のクランプ接続部を開示している。支持スリーブ及びクランプスリーブは、封止性及び長手方向摩擦力結合性が改善されるように形成されている。このことは、支持スリーブに設けられたリブと、クランプスリーブの内側輪郭とにより達成されるはずのものである。
【0007】
前述の両クランプ接続部には、接続すべき管を接続前にまず拡開し、これにより、次に支持スリーブに被せ嵌めることができるようにしなければならないという欠点がある。このことは、組み付けをより手間のかかるものとする付加的な作業工程を招く。加えて、前述の接続部では、支持スリーブに管を取り付ける前にクランプスリーブを被嵌することは、忘れられ易い。それゆえ、この場合、管は、再び支持スリーブから取り外され、クランプスリーブは、後から管に被嵌されねばならない。その後、管は、改めて支持スリーブに被嵌され得る。
【0008】
独国実用新案第202004000031号明細書は、支持スリーブ、プレススリーブ及び圧潰スリーブを有する管プレス継手を開示している。個々の部品は、既に管組み付け前に前組み立てされている。これにより(本)組み立ての手間は最小限に削減可能である。加えて、これにより組み立て自体、管継手が最初に組み合わされる必要がないため、大幅に簡単化されている。
【0009】
しかし、この継手における欠点は、管横断面に関する著しい横断面狭窄である。加えてこの種の管接続部は、前述の接続部も同様であるが、管に強い引っ張り力が働くと、クランプ/プレスが解除あるいはクランプスリーブ/プレススリーブが解離してしまうという欠点を有している。
【0010】
本発明の課題は、組み立てが容易であるとともに、製造面で有利なクランプ接続部を提案することである。加えて、組み付けられた管に引っ張り力が作用しても、接続は解除されてはならず、あるいはクランプ接続は強化されることが望ましい。
【0011】
上述の課題は、本発明により、支持スリーブ上に導入された管のクランプが、クランプスリーブを管の導入方向とは逆方向に管上を移動させることによって実施されることにより解決される。
【0012】
このクランプ接続部の好ましい態様は、接続部材の内径が、導入すべき管の内径に略一致するか、あるいは導入すべき管の内径より僅かに小さいことにある。これにより、管路内、あるいは器具の接続口における横断面狭窄は、本発明に係るクランプ接続部により僅かに維持されることができ、このことは、流動技術的に好ましい。
【0013】
管路への本発明に係るクランプ接続部の取り付けあるいはクランプ接続部への管の導入は、従来技術におけるクランプ接続部において知られているような、管を先行して拡開し、これにより次に接続部材に被せ嵌めることができるようにする付加的な作業工程を必要としない。接続部材あるいは支持スリーブに設けられた導入円錐体は、予め拡開することなく管を導入することを可能にする。導入円錐体は、とりわけ管を拡開するために用いられる。
【0014】
さらに接続部材のストッパ鍔は、クランプ接続部が組み立てられた状態で、クランプスリーブの移動を片側において阻止するために、あるいはクランプスリーブのための片側のストッパとして用いられる。これにより、このような接続部は、再解除不能でもある。
【0015】
加えて、本発明に係るクランプ接続部により、管に引っ張り力が作用した場合に、接続あるいはクランプ作用が強化されることが達成される。これは、管に作用する引っ張り力によるシールエレメントに向かう方向でのクランプスリーブの移動が、シールエレメントあるいは支持スリーブと、クランプスリーブのテーパした内径との間でのクランプ作用をさらに強化するからである。
【0016】
クランプスリーブは、好ましくは2つの領域を有している。2つの領域のうちの一方は、弾性を示す弾性領域であり、クランプ接続部の前組み立て及び組み立てのために用いられる。第2の領域は、堅固な剛性領域であり、管のクランプ及びガイドのために用いられる。もちろん、クランプスリーブは、さらに別の領域を有していてもよい。
【0017】
内径のテーパにより、管のクランプは、シールエレメントあるいは支持スリーブの横断面拡大部との協働により達成される。テーパは、クランプスリーブの剛性領域において弾性領域に向かって実施される。弾性領域の内径の寸法は、剛性領域の内径あるいは内側輪郭の延びとは無関係であり、好ましくは、弾性領域における内径は、導入される管の外径よりも大きく、クランプ接続部が組み立てられた状態でも管に接しない。
【0018】
弾性領域は、少なくとも2つのセグメントにより形成され、これらのセグメントは、好ましくは規則的に周囲に分配されている。好ましくは、弾性領域は、半径方向の弾性を保証する8〜16個のセグメントを有している。
【0019】
セグメントの内径に沿って設けられた凹部は、クランプスリーブの軸方向の位置決め及び固定のために用いられる。これにより、クランプスリーブは、ストッパ鍔に固定、位置決めあるいは前組み立てされる。凹部は、ストッパ鍔の幅に相当する。好ましい態様は、クランプスリーブの凹部とストッパ鍔とが、対応する移行部あるいは斜面を有していることにある。移行部あるいは斜面は、クランプスリーブの組み立てあるいはストッパ鍔からのクランプスリーブの引き下げあるいは押し下げを容易にする。
【0020】
本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、本実施の形態だけに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】前組み立てされている本発明に係るクランプ接続部の、管組み付け初期の縦断面図である。
図2】前組み立てされている本発明に係るクランプ接続部の、管組み付けが若干進行したときの縦断面図である。
図3】前組み立てされている本発明に係るクランプ接続部の、管が完全に導入されたときの縦断面図である。
図4】前組み立てされている本発明に係るクランプ接続部の、組み立てが完了した状態の縦断面図である。
図5】両側に本発明に係るクランプ接続部を有する前組み立てされている管継手の縦断面図である。
図6】管を接続する本発明に係るクランプ接続部を有する分配器を示す図である。
図7】本発明に係るクランプ接続部のクランプスリーブの縦断面図及び平面図である。
【0022】
図1は、接続すべき管14が既に支持スリーブ3の円錐形の領域あるいは導入円錐体11に軽く被嵌されている本発明に係るクランプ接続部1を示している。接続部材2は、導入円錐体11を有している。導入円錐体11は、接続すべき管14の導入を可能にする。管14の先行拡開は、導入円錐体11により省略可能である。管14の先行拡開の省略は、組み立ての際の1つの作業工程を減らし、これにより組み立てをより簡単かつ迅速にする。ポリマー材料又は複合材料から製造されている管14は、導入中に導入円錐体11を介して拡開せしめられ、これにより接続部材2あるいは支持スリーブ3の挿入が可能となる。既に接続部材2に前組み立てされているクランプスリーブ6は、とりわけ管14を導入中にガイドするために用いられ、このことは、図2に看取可能である。管14は、クランプスリーブ6に到達すると、クランプスリーブ6の内側輪郭あるいは内径と、支持スリーブ3とに沿って案内される。好ましくはOリングにより形成されるシールエレメント5は、クランプ接続部1を最適にシールするために用いられている。シールエレメント5は、支持スリーブ3に配置されており、このために設けられた溝12内に存在している。溝12は、シールエレメント5の移動を防止している。管14は、R部13までクランプ接続部1内に挿入され、次に、既に接続部材2に前組み立てされているクランプスリーブ6により固定される。既に言及したように、クランプスリーブ6は、接続部材2に前組み立てされている。接続部材2は、支持スリーブ3の導入円錐体11とは反対側の端部にストッパ4を有している。ストッパ4は、とりわけクランプスリーブ6を前組み立てするために用いられる。クランプスリーブ6は、ストッパ鍔4に取り付けられる。クランプスリーブ6の前組み立てと、ストッパ鍔4からのクランプスリーブ6の引き抜きとは、クランプスリーブ6の、半径方向の弾性を示す弾性領域9により保証されている。弾性領域9は、図7に看取可能な複数のセグメント7をクランプスリーブ6に配置したことで、クランプスリーブ6に形成される。前組み立てのためにセグメント7は、半径方向で軽く拡開され、これにより接続部材2のストッパ鍔4を導入することができる。続いてセグメント7は、セグメント7が有する弾性によりストッパ鍔4をクランプして、ストッパ鍔4に留められる。セグメント7の内側輪郭は、ストッパ鍔4の幅に相当する凹部8を有しており、これによりクランプスリーブ6は、軸方向でストッパ鍔4に固定あるいは位置決めされている。弾性領域9は、少なくとも2つのセグメント7からなっている。クランプスリーブ6及びストッパ鍔4が、移行部15を有し、これによりクランプスリーブ6をストッパ鍔4から、導入された管14側に引き下げあるいは押し下げ易くなっていると、有利である。図3は、この工程を示している。セグメント7により形成される弾性領域9は、クランプスリーブ6が管14の導入とは逆方向に移動するように変形する。これにより、クランプスリーブ6の移行部15は、ストッパ鍔4の移行部15上を摺動し、これによりクランプスリーブ6は、導入された管14に向かって移動する。クランプスリーブ6の内側輪郭あるいは内径が、クランプスリーブ6の堅固な剛性領域10にテーパを有し、剛性領域10における内径が弾性領域9に向かって減少していることにより、組み立て時あるいはクランプ工程時、クランプスリーブ6のテーパした部分あるいはクランプスリーブ6は、シールエレメント5に向かって移動する。シールエレメント5と、このために設けられた溝12とにより、支持スリーブ3は、この箇所に拡大された横断面を有している。このことは、シールエレメント5に向かってクランプスリーブ6を移動させたときに、クランプ作用を発現する。
【0023】
図4には、組み立てが完了したクランプ接続部1が示してある。図4からは、管14に引っ張り力が作用すると、クランプスリーブ6も、同じ方向で移動し、これによりクランプスリーブ6のテーパした直径に基づいてシールエレメント5に接近すること、あるいはクランプスリーブ6とシールエレメント5との間に存在する管14が、相応に押し潰されることになるため、クランプが強化されることも看取可能である。ストッパ鍔4は、組み立て後は、クランプスリーブ6が他方向でも制限され、抜けないようにしている。
【0024】
従来技術では、管の導入方向とは逆向きのクランプスリーブの移動が実施される本発明のようなクランプ接続部は、知られていない。これは、これにより管が公知のクランプ接続部では再び支持スリーブから引き下げあるいは押し下げられてしまうことになるため、このようなプロセスがこれまでは非論理的と感じられていたことに起因する。加えて、前組み立てされている従来管用のクランプ接続部におけるクランプスリーブは、やはり支持スリーブに取り付けられているものの、ストッパ鍔側ではなく、導入すべき管側に取り付けられている。
【0025】
本発明のクランプスリーブ6の内側輪郭の延びあるいは内径のテーパの延びと、シールエレメント5による支持スリーブ3の横断面拡大とにより、管14の上述の方向での組み立てが可能である。この場合、管に引っ張り力が作用したときにクランプが解除されず、反対に強化されるようになったクランプ作用を達成するために、シールエレメント5なしに支持スリーブ3に単なる横断面拡大部を設けることも可能である。加えて図4からは、接続部材2の内径が、導入すべき管14と略同じ横断面あるいは直径を有していることが看取可能である。これにより管継手又は各種器具接続口における管路の狭窄は、本発明に係るクランプ接続部により軽減可能である。加えて、最適な移行が導入円錐体11により形成されるため、導入される接続部材2により流動を妨げる障害物が発生することはない。
【0026】
図5は、管14を接続するのに好適な管継手16を示している。管継手16は、両側に本発明に係るクランプ接続部1を有している。管継手16は、前組み立てされた状態で示されている。このようなクランプ接続部1は、例えば器具に接続するためにも好適である。
【0027】
図6は、分配器に配置されている本発明に係るクランプ接続部1を示している。
【0028】
図7に単体で図示した本発明に係るクランプ接続部1のクランプスリーブ6は、弾性領域9を有している。この半径方向の弾性を示す弾性領域9は、周方向に沿って配置される複数のセグメント7からなっている。セグメント7の数及び大きさは、クランプ接続部1に課せられる要求と、クランプ接続部1の寸法とに合わせて調整可能である。加えてクランプスリーブ6は、導入された管14のクランプを可能にする堅固な剛性領域10を有している。剛性領域10における内側輪郭あるいは内径は、弾性領域9に向かってテーパし、これにより前述したような形で支持スリーブ3に応じたクランプ作用が達成される。好ましくは、クランプスリーブ6は、外周面にランド17を有している。ランド17は、組み立てのために用いられる。クランプスリーブ6に設けられたランド17により、対応する組み立て工具を用いて、クランプ接続部1の組み立てが可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 クランプ接続部
2 接続部材
3 支持スリーブ
4 ストッパ鍔
5 シールエレメント
6 クランプスリーブ
7 セグメント
8 凹部
9 弾性領域
10 剛性領域
11 導入円錐体
12 溝
13 R部
14 管
15 移行部
16 管継手
17 ランド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7