(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
キャリアアグリゲーションにおける複数のコンポーネントキャリア(以下、CCという)それぞれに設定されたパラメータに基づいて、前記複数のCCの1つをプライマリコンポーネントキャリア(以下、PCCという)とし、他の前記CCをセカンダリコンポーネントキャリア(以下、SCCという)として移動端末(2)と呼接続を行なってキャリアアグリゲーションの試験を行なう移動端末試験装置(1)であって、
前記PCCまたは前記SCCとして動作する第1セル部(121)と、前記SCCとしてのみ動作する第2セル部(122)とのうち、1つの前記第1セル部を具備するとともに1つ以上の前記第2セル部を具備可能なコールプロセッシング部の複数個でなる複数のコールプロセッシング部であって、全セル部の数>全コールプロセッシング部の数でなる当該複数のコールプロセッシング部(12−0、12−1)と、
前記複数のCCを前記複数のコールプロセッシング部に割り当てる制御部(15)であって、前記複数のコールプロセッシング部のうちの1つのコールプロセッシング部(12−0)には前記PCCを割り当てる当該制御部(15)と、を備え、
設定すべき全CCの数が全セル部の数と等しく、且つ、前記PCCを含む前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式のCCの数が前記複数のコールプロセッシング部の数以上であることを条件に、前記複数のコールプロセッシング部のうちの別のコールプロセッシング部(12−1)は、
前記制御部によって前記PCCの多重化方式と異なる多重化方式の前記SCCを割り当てられた場合に当該SCCのパラメータを前記第1セル部に設定しないよう、前記制御部によって前記複数のコールプロセッシング部に割り当てられた全CCの中から前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式の前記SCCを前記第1セル部に設定するとともに、当該第1セル部に割り当てた以外のSCCを前記第2セル部に設定し、前記移動端末からの受信信号を前記第1セル部で受信する移動端末試験装置。
前記別のコールプロセッシング部は、前記制御部によって自身に割り当てられた前記CCの中から前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式の前記SCCを前記第1セル部に設定することを特徴とする請求項1に記載の移動端末試験装置。
前記別のコールプロセッシング部は、前記制御部によって前記1つのコールプロセッシング部に割り当てられた前記CCの中から前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式の前記SCCを前記第1セル部に設定することを特徴とする請求項1に記載の移動端末試験装置。
キャリアアグリゲーションのプライマリコンポーネントキャリア(以下、PCCという)またはセカンダリコンポーネントキャリア(以下、SCCという)として動作する第1セル部と、前記SCCとしてのみ動作する第2セル部とのうち、1つの前記第1セル部を具備するとともに1つ以上の前記第2セル部を具備可能なコールプロセッシング部の複数個でなる複数のコールプロセッシング部であって、全セル部の数>全コールプロセッシング部の数でなる当該複数のコールプロセッシング部を備え、
キャリアアグリゲーションにおける複数のコンポーネントキャリア(以下、CCという)それぞれに設定されたパラメータに基づいて、前記複数のCCの1つを前記PCCとし、他の前記CCを前記SCCとして移動端末と呼接続を行なってキャリアアグリゲーションの試験を行なう移動端末試験装置のCC割り当て方法であって、
前記複数のコールプロセッシング部のうちの1つのコールプロセッシング部に、前記PCCを割り当てるステップと、
設定すべき全CCの数が全セル部の数と等しく、且つ、前記PCCを含む前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式のCCの数が前記複数のコールプロセッシング部の数以上であることを条件に、前記複数のコールプロセッシング部のうちの別のコールプロセッシング部に、
前記全CCの中から前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式の前記SCCを前記第1セル部に設定するとともに、当該第1セル部に割り当てた以外のSCCを前記第2セル部に設定するステップと、
前記移動端末からの受信信号を前記第1セル部で受信させるようにするステップと、を備えるコンポーネントキャリア割り当て方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
CCの通信の多重化方式(Duplex Mode)は、FDD(Frequency Division Duplex)方式とTDD(Time Division Duplex)方式のいずれかの方式が使用される。
【0008】
3GPP Release10の規格では、キャリアアグリゲーションの各CCの多重化方式は全て同じ方式を使用するように定義されているが、3GPP Release11以降では、異なる多重化方式のCC組み合わせによるキャリアアグリゲーションが検討され規格化されている。
【0009】
しかしながら、従来の移動端末試験装置では、各CCの多重化方式の組み合わせによっては、機能上の制約により移動体通信端末との通信ができないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、コンポーネントキャリアの多重化方式が混在したキャリアアグリゲーションの試験を可能にする移動端末試験装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の移動端末試験装置は、キャリアアグリゲーションにおける複数のCCそれぞれに設定されたパラメータに基づいて、前記複数のCCの1つをPCCとし、他の前記CCをSCCとして移動端末と呼接続を行なってキャリアアグリゲーションの試験を行なう移動端末試験装置であって、前記PCCまたは前記SCCとして動作する第1セル部と、前記SCCとしてのみ動作する第2セル部とのうち、1つの前記第1セル部を具備するとともに1つ以上の前記第2セル部を具備可能なコールプロセッシング部の複数個でなる複数のコールプロセッシング部であって、全セル部の数>全コールプロセッシング部の数でなる当該複数のコールプロセッシング部と、前記複数のCCを前記複数のコールプロセッシング部に割り当てる制御部であって、前記複数のコールプロセッシング部のうちの1つのコールプロセッシング部には前記PCCを割り当てる当該制御部と、を備え、設定すべき全CCの数が全セル部の数と等しく、且つ、前記PCCを含む前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式のCCの数が前記複数のコールプロセッシング部の数以上であることを条件に、前記複数のコールプロセッシング部のうちの別のコールプロセッシング部は、前記制御部によって前記PCCの多重化方式と異なる多重化方式の前記SCCを割り当てられた場合に当該SCCのパラメータを前記第1セル部に設定しないよう、前記制御部によって前記複数のコールプロセッシング部に割り当てられた全CCの中から前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式の前記SCCを前記第1セル部に設定するとともに、当該第1セル部に割り当てた以外のSCCを前記第2セル部に設定し、前記移動端末からの受信信号を前記第1セル部で受信するものである。
【0012】
この構成により、プライマリコンポーネントキャリアの多重化方式と異なる多重化方式のセカンダリコンポーネントキャリアを割り当てられた別のコールプロセッシング部では、移動端末からの受信信号は第1セル部で受信される。このため、全てのコールプロセッシング部で移動端末からの信号を受信することができ、コンポーネントキャリアの多重化方式が混在したキャリアアグリゲーションの試験が可能となる。
【0013】
また、本発明の移動端末試験装置において、前記別のコールプロセッシング部は、前記制御部によって自身に割り当てられた前記CCの中から前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式の前記SCCを前記第1セル部に設定するものである。
【0014】
また、本発明の移動端末試験装置において、前記別のコールプロセッシング部は、前記制御部によって前記1つのコールプロセッシング部に割り当てられた前記CCの中から前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式の前記SCCを前記第1セル部に設定するものである。
【0015】
また、本発明のコンポーネントキャリアの割り当て方法は、キャリアアグリゲーションのPCCまたはSCCとして動作する第1セル部と、前記SCCとしてのみ動作する第2セル部とのうち、1つの前記第1セル部を具備するとともに1つ以上の前記第2セル部を具備可能なコールプロセッシング部の複数個でなる複数のコールプロセッシング部であって、全セル部の数>全コールプロセッシング部の数でなる当該複数のコールプロセッシング部を備え、キャリアアグリゲーションにおける複数のCCそれぞれに設定されたパラメータに基づいて、前記複数のCCの1つを前記PCCとし、他の前記CCを前記SCCとして移動端末と呼接続を行なってキャリアアグリゲーションの試験を行なう移動端末試験装置のCC割り当て方法であって、前記複数のコールプロセッシング部のうちの1つのコールプロセッシング部に、前記PCCを割り当てるステップと、設定すべき全CCの数が全セル部の数と等しく、且つ、前記PCCを含む前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式のCCの数が前記複数のコールプロセッシング部の数以上であることを条件に、前記複数のコールプロセッシング部のうちの別のコールプロセッシング部に、前記全CCの中から前記PCCの多重化方式と同じ多重化方式の前記SCCを前記第1セル部に設定するとともに、当該第1セル部に割り当てた以外のSCCを前記第2セル部に設定するステップと、前記移動端末からの受信信号を前記第1セル部で受信させるようにするステップと、を備えるものである。
【0016】
この構成により、プライマリコンポーネントキャリアの多重化方式と異なる多重化方式のセカンダリコンポーネントキャリアを割り当てられた別のコールプロセッシング部では、移動端末からの受信信号は第1セル部で受信される。このため、全てのコールプロセッシング部で移動端末からの信号を受信することができ、コンポーネントキャリアの多重化方式が混在したキャリアアグリゲーションの試験が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、コンポーネントキャリアの多重化方式が混在したキャリアアグリゲーションの試験を可能にする移動端末試験装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
[第1の実施形態]
図1において、本発明の第1の実施形態に係る移動端末試験装置1は、擬似基地局として同軸ケーブル等を介して有線で移動端末2と無線信号を送受信するようになっている。なお、移動端末試験装置1は、アンテナを介して無線で移動端末2と信号を送受信するようにしてもよい。移動端末試験装置1は、LTE−Aの規格に対応しており、キャリアアグリゲーション技術により移動端末2との間で通信できるようになっている。
【0021】
移動端末試験装置1は、無線信号処理部10と、無線ハードウェア制御部11と、2つのコールプロセッシング部12−0、1と、無線信号測定部13と、ユーザインターフェース部14と、制御部15とを含んで構成されている。本実施形態においては、コールプロセッシング部12を2つ備えた場合を示したが、さらに多数のコールプロセッシング部12を備えるようにしてもよい。
【0022】
無線信号処理部10は、移動端末2との間で無線信号を送受信するものである。無線信号処理部10は、コールプロセッシング部12−0、1の送信データを、符号化や、変調、周波数変換などして無線信号を生成して送信する。また、無線信号処理部10は、移動端末2から受信した無線信号を、周波数変換や、復調、復号などしてコールプロセッシング部12−0、1に出力する。
【0023】
無線ハードウェア制御部11は、無線信号処理部10を制御して、無線信号の送受信レベルや周波数などを制御するものである。
【0024】
コールプロセッシング部12−0、1は、無線信号処理部10及び無線ハードウェア制御部11と接続され、試験条件に応じて設定された周波数などのコンポーネントキャリアのパラメータに従って無線ハードウェア制御部11に設定信号を送信して、無線信号処理部10に試験条件に適合した無線信号を送信させる。また、コールプロセッシング部12−0、1は、無線信号処理部10を介して、移動端末2との間で無線信号を送受信して、コンポーネントキャリアとしての試験条件に適合した呼接続を移動端末2との間で行なったり、試験条件に対応したコンポーネントキャリアとしての呼制御を行なったりするものである。また、コールプロセッシング部12−0、1は、設定された多重化方式などのパラメータに従って無線信号処理部10に設定信号を送信して、無線信号処理部10に試験条件に適合した無線信号を送信させる。
【0025】
コールプロセッシング部12−0、1は、コンポーネントキャリアとして動作する第1セル部121と第2セル部122を備えている。第1セル部121は、PCCまたはSCCとして動作することができ、第2セル部122は、SCCとしてのみ動作するようになっている。第1セル部121は、移動端末2からの受信信号を受信し、必要な情報を第2セル部122に出力するようになっている。
【0026】
第1セル部121及び第2セル部122に対応するCCのパラメータは、無線ハードウェア制御部11を介して無線信号処理部10に個別に設定できるようになっている。本実施形態においては、第2セル部122を1つ備える場合を示したが、第2セル部122を複数備えるようにしてもよい。
【0027】
無線信号測定部13は、無線信号処理部10と接続され、無線信号処理部10の送受信する無線信号の送受信レベルやスループットなどを測定し、測定結果を制御部15に出力するようになっている。制御部15は、無線信号測定部13からの測定結果を時刻情報などと関連付けてハードディスク等に記憶しておき、ユーザの要求によりユーザインターフェース部14に表示出力させたり、ログとしてファイルに出力したりするようになっている。
【0028】
ユーザインターフェース部14は、ユーザからの操作入力を受け付ける入力部141と、CCのパラメータの設定画面や無線信号測定部13の測定結果などを表示する表示部142とを備えている。入力部141は、タッチパッドやキーボードやプッシュボタンなどによって構成される。表示部142は、液晶表示装置などによって構成される。
【0029】
制御部15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、ハードディスク装置と、入出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0030】
制御部15のROM及びハードディスク装置には、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットを制御部15として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROM及びハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、制御部15として機能する。
【0031】
制御部15の入出力ポートには、無線ハードウェア制御部11、コールプロセッシング部12−0、1、無線信号測定部13、ユーザインターフェース部14が接続され、制御部15と各部は信号の送受信をできるようになっている。
【0032】
なお、本実施形態において、無線ハードウェア制御部11、コールプロセッシング部12−0、1、無線信号測定部13は、各処理を実行するようにプログラミングされたDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサによってそれぞれ構成されている。また、無線信号処理部10は、通信モジュールによって構成されている。
【0033】
制御部15は、表示部142に表示させたパラメータ設定画面に従って設定されたパラメータに基づいて、無線ハードウェア制御部11に設定信号を送信して無線信号処理部10の送受信する無線信号の周波数などを制御して、無線信号測定部13により測定を行なわせる。また、制御部15は、設定されたパラメータをコールプロセッシング部12−0、1に通知して、設定されたパラメータに適合したコンポーネントキャリアの通信を確立させる。
【0034】
また、制御部15は、入力部141に入力された指示に従って、無線ハードウェア制御部11及びコールプロセッシング部12−0、1に信号を送信して、試験用の呼制御などを行なわせるようになっている。
【0035】
具体的には、まず、ユーザにより試験に使用するCCのパラメータ設定が行なわれる。制御部15は、ユーザによる入力部141の操作によりパラメータ設定の機能が選択されると、例えば、表示部142にパラメータ設定画面を表示させて、各CCの多重化方式やチャネル帯域幅などのパラメータ(使用する複数のCCの並び順情報も含む)を設定させる。このとき、制御部15は、使用可能なコールプロセッシング部12−0、1の第1セル部121及び第2セル部122分のCCの設定を可能にする。
【0036】
ユーザは、目的の試験に合わせてパラメータをCCごとに設定する。制御部15は、設定されたパラメータをCCごとに例えばハードディスク装置に記憶するとともに、コールプロセッシング部12−0、1にパラメータを通知し、コールプロセッシング部12−0、1が設定されたパラメータに従ってCCの制御をできるようにする。
【0037】
制御部15は、設定されたCCの数が、複数のコールプロセッシング部12−0、1を使用する必要があり(
図1のように各セル部が2個ずつの構成においては使用するCCの数が3以上であり)、また、PCCとして設定されたCCの多重化方式と異なる多重化方式のSCCが含まれて設定されている場合、CCの割り当てが可能か否かを判定する。
【0038】
制御部15は、設定された複数のCCを複数のコールプロセッシング部12−0、1に割り当てる。このとき、少なくともPCCの多重化方式と同じ多重化方式のCCをコールプロセッシング部12−0、1(本発明における1つのコールプロセッシング部)に割り当てる。なお、標準的な動作としては、ユーザが設定したCCの並び順で各コールプロセッシング部12−0、1の各セル部の順で設定される(12−0の121→122→12−1の121→122の順)ようになっている。
【0039】
制御部15は、PCCとSCCの割り当て情報と、各CCのパラメータをコールプロセッシング部12−0、1に通知する。このとき、各コールプロセッシング部12−0、1には自身が割り当てられたものだけではなく全CCの割り当て情報およびパラメータが通知される。なお、各コールプロセッシング部12−0、1に自身が割り当てられた情報のみ通知するようにしてもよい。ここでは、4CCを設定するものとし、各コールプロセッシング部12−0、1に2CCずつ割り当てるものとして説明を進める。
【0040】
コールプロセッシング部12−0、1(本発明における1つのコールプロセッシング部;ここでは12−0とする)は、自身に割り当てられたCCが2つで、かつ、PCCの多重化方式と異なるCCとPCCの多重化方式と同じCCがある場合、第1セル部121にPCCの多重化方式と同じ多重化方式のCCのパラメータを設定し、第2セル部122にPCCの多重化方式と異なる多重化方式のCCのパラメータを設定する。
【0041】
コールプロセッシング部12−0、1(本発明における別のコールプロセッシング部;ここでは12−1とする)は、自身に割り当てられたCCが2つで、かつ、PCCの多重化方式と同じ多重化方式のCC、異なる多重化方式のCC、の順で制御部から割り当てられた場合、そのまま、PCCの多重化方式と同じ多重化方式のCCのパラメータを第1セル部121に設定し、PCCの多重化方式と異なる多重化方式のCCのパラメータを第2セル部122に設定する。
【0042】
また、コールプロセッシング部12−1は、自身に割り当てられたCCが2つで、かつ、PCCの多重化方式と異なる多重化方式のCC、同じ多重化方式のCC、の順で制御部から割り当てられた場合、順序を入れ替えて、PCCの多重化方式と同じ多重化方式のCCのパラメータを第1セル部121に設定し、PCCの多重化方式と異なる多重化方式のCCのパラメータを第2セル部122に設定する。コールプロセッシング部12−1は、無線信号処理部10に、入れ替えられた第1セル部121で移動端末2からの信号を受信するように設定し、各セル部からの送信信号は元々の順序に合うように入れ替えて送信するように設定する。
【0043】
ここで、コールプロセッシング部12−0、1の構成について説明する。通常、コールプロセッシング部12−0、1は同一ボードで構成され、よって別のコールプロセッシング部12−1もPCCとSCCとの組み合わせで用いられることを前提とした構成のものとなっている。したがって、コールプロセッシング部12−1は、第1セル部121及び第2セル部122をSCCとして使用することになるが、第1セル部121がPCCの多重化方式と同じ多重化方式でないと移動端末2からのフィードバック信号を受信することができず、通信を行なうことができない。
【0044】
また、各CCから移動端末2に送信される制御情報について説明すると、各CCは移動端末2に対して基地局からの信号を受信するための制御情報を送信するようになっている。そしてSCCから送信される制御情報は多重化方式によってその内容が相違する。よって、コールプロセッシング部12−1の第1セル部に12−0のPCCとは異なる多重化方式のSCCが割り当てられると、間違った制御情報が移動端末2に送信されることになる。
【0045】
このため、コールプロセッシング部12−1でも移動端末2からのフィードバック信号を受信することができるように(および誤制御情報の送信無きように)、PCCの多重化方式と同じ多重化方式のSCCを割り当てる。詳しくは、コールプロセッシング部12−1の第1セル部121で移動端末2からの信号を受信可能となるようにする。
【0046】
例えば、
図2に示すように、ユーザによってPCCとしてFDDのCC、SCC1,2として2つのTDDのCC、SCC3として1つのFDDのCCがこの並び順で設定された場合、(前述の標準動作でコールプロセッシング部12−0の第1セル部から順番に割り当てるとすると)コールプロセッシング部12−1の第1セル部121にTDDの設定をすると移動端末2からの信号を受信することができない。このため、第1セル部121をFDDとして移動端末2からの信号を受信できるようにSCC2とSCC3とを入れ替えて第1セル部121及び第2セル部122に設定する。また、この第1セル部121及び第2セル部122からの送信信号は元の順番に戻されて送信される。
【0047】
このようなパラメータを設定した後、ユーザは、移動端末試験装置1と移動端末2とを有線で接続し、移動端末2の電源を入れるなどして位置登録を行なわせ、移動端末試験装置1側で位置登録が正常に行なわれたかを確認する。
【0048】
制御部15は、位置登録が行なわれた状態で、ユーザによる入力部141の操作により呼接続の操作が行なわれると、ユーザに指定されたCCに対応するコールプロセッシング部12−0に呼接続の指示を送信し、呼接続を行なわせる。
【0049】
制御部15は、呼接続が行なわれた状態で、ユーザによる入力部141の操作により送信試験の実行の操作が行なわれると、無線信号測定部13に試験実行の指示を送信して、送信信号の試験を行なわせる。制御部15は、無線信号測定部13から試験結果の情報を受信すると、ログとしてハードディスク装置に記憶するとともに、表示部142に結果等を表示させる。
【0050】
また、制御部15は、呼接続が行なわれた状態で、ユーザによる入力部141の操作により受信試験の実行の操作が行なわれると、呼接続されたCCに対応するコールプロセッシング部12−0に試験実行の指示を送信して、受信信号の試験を行なわせる。制御部15は、コールプロセッシング部12−0から試験結果の情報を受信すると、ログとしてハードディスク装置に記憶するとともに、表示部142に結果等を表示させる。
【0051】
以上のように構成された本実施形態に係る移動端末試験装置1のコールプロセッシング部12−1によるパラメータ設定処理について、
図3を参照して説明する。
【0052】
図3に示すように、コールプロセッシング部12−1は、制御部15から通知されたPCCとSCCの割り当て情報と、各CCのパラメータに基づき、PCCの多重化方式と異なる多重化方式のCCが割り当てられ、第1セル部121及び第2セル部122へのパラメータの変更が必要か否かを判定する(ステップS11)。
【0053】
第1セル部121及び第2セル部122へのパラメータの変更が必要ないと判定した場合、コールプロセッシング部12−1は、設定されたパラメータ通りパラメータを設定する通常のパラメータの設定を行ない(ステップS14)、処理を終了する。
【0054】
一方、第1セル部121及び第2セル部122へのパラメータの変更が必要であると判定した場合、コールプロセッシング部12−1は、割り当てられたSCCの順番を入れ替えて第1セル部121がPCCと同じ多重化方式となるようにして各セル部のパラメータの設定を行なう(ステップS12)。
【0055】
次いで、コールプロセッシング部12−1は、無線信号処理部10に、移動端末2からの信号は、第1セル部121で受信するよう設定し、第1セル部121及び第2セル部122からの送信信号は元の順番に戻して送信するように設定する信号入出力の変更を行ない(ステップS13)、処理を終了する。
【0056】
このように、上述の実施形態では、コールプロセッシング部12−1は、PCCの多重化方式と異なる多重化方式のSCCを割り当てられた場合、第1セル部で受信できるよう、割り当てられたSCCのうちからPCCの多重化方式と同方式のSCCが第1セル部となるように順番を入れ替えて設定し、移動端末2からの受信信号を第1セル部121で受信する。
【0057】
これにより、コールプロセッシング部12−1でも移動端末2からの信号を受信することができ、CCの多重化方式が混在したキャリアアグリゲーションの試験が可能となる。
【0058】
また、コールプロセッシング部12−1は、第1セル部121及び第2セル部122からの送信信号は元の順番に戻されて送信する。
【0059】
これにより、コールプロセッシング部12−1でも移動端末2と信号の送受信ができ、CCの多重化方式が混在したキャリアアグリゲーションの試験が可能となる。
【0060】
また、PCCの多重化方式と同じ多重化方式のCCを割り当てられたコールプロセッシング部12−0は、第1セル部121をPCCの多重化方式と同じ多重化方式のCCとして動作させる。
【0061】
これにより、コールプロセッシング部12−0でも移動端末2と信号の送受信ができ、CCの多重化方式が混在したキャリアアグリゲーションの試験が可能となる。
【0062】
[第2の実施形態]
次に、
図4を用いて第2の実施形態について説明する。前記した第1の実施形態では、1つのコールプロセッシング部12−1内でSCCの配置を変更する構成となっていたが、本実施形態では、複数のコールプロセッシング部12−0、1間にまたがって変更する構成となっている。本実施形態は、
図2に示した実施形態と設定すべきCCの数、およびコールプロセッシング部構成(セル数)は同一である。設定すべき4CCの多重化方式がFDD,FDD,TDD,TDDとなっている点で異なる。
【0063】
制御部15から各コールプロセッシング部12−0、1に、今回設定された全情報(全CCの並び、全CCの割り当て情報、全CCの設定パラメータ、等)が通知される。通知された情報に基づき、コールプロセッシング部12−1の第1セル部121にPCCと異なる多重化方式のSCCを割り当てないようになっている。
【0064】
コールプロセッシング部12−0は、第1セル部121にPCC(FDD)を設定し、第2セル部122にSCC2(TDD)を設定する。コールプロセッシング部12−1は、SCC1(FDD)を第1セル部121に設定し、SCC3(TDD)をそのまま第2セル部122に設定する。
【0065】
これにより、コールプロセッシング部12−1の第1セル部121の多重化方式がコールプロセッシング部12−0の第1セル部121の多重化方式と同じとなり、コールプロセッシング部12−1は第1セル部121で移動端末からのフィードバック信号を受信することができる。
【0066】
また、コールプロセッシング部12−0の第2セル部122とコールプロセッシング部12−1の第1セル部121からの送信信号は、元の順番に戻されて送信される。
【0067】
以上説明してきたように、本発明は、設定すべき全CCの数と全セル部の数とが等しい場合において、全CCの中からPCCと同じ多重化方式のSCCをコールプロセッシング部12−1(別のコールプロセッシング部)の第1セル部に設定するようになっている。したがって、PCCを含むPCCと同じ多重化方式のCC数が複数のコールプロセッシング部の数以上であることが条件となる。
【0068】
上記の実施形態においては、コールプロセッシング部の数は2個で説明してきたがこれに限られるものではない。また、各コールプロセッシング部の第2セル部122の数は1個で説明してきたがこれに限られるものではなく、各々のコールプロセッシング部で数が異なっても、2個以上であっても、あるいは具備しなくともよい。ただし、「CCを入れ替える」という動作を行うためには、複数のうちの1つのコールプロセッシング部は第2セル部を1個以上具備することが条件になる。
【0069】
また、隣接したCC間にて設定を入れ替えるようにしてきたが、当然にこれに限られるものではない。例えば、コールプロセッシング部12−0の全セル部の数が3個(第2セル部が2個)、コールプロセッシング部12−1の全セル部の数が1個(第2セル部が0個)である場合には、コールプロセッシング部12−0の1つ目の第2セル部とコールプロセッシング部12−1の第1セル部とを入れ替えることも可能である。
【0070】
以上、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。